第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、酒販事業の「流通、販売の合理化を実践し、消費生活を豊かにすることで社会に貢献すること」、外食事業の「地域社会そして世界の人々の健康で豊かな社会の実現に貢献すること」という企業理念を共有し、この基本理念に基づいて、企業価値を高めることで、株主の皆様やお客様のご期待にお応えします。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、「持続的な成長」を目指すことを経営の目標と考えており、成長指標として「売上高成長率」、「売上高営業利益率」を重視しており、売上高営業利益率5%を当面の目標としています。

酒販事業の売上高、外食事業の直営店舗・フランチャイズ店舗の売上高合計を2,000億円規模、店舗数合計1,400店を中長期の目標としています。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、企業価値の最大化を重点方針に掲げ、酒類関連市場においてシェア拡大を図るべくグループ経営を推し進めております。「酒販事業」、「外食事業」において、経営資源の最適な組み合わせ、全ての段階で合理化を図り、互いに酒類関連業界における競争力・影響力を最大限に引き出し、業績向上に取り組んでまいります。

「酒販事業」セグメントである当社グループの「ワールドリカーシステム」は、国内外の銘醸酒、優良な食料品等を調達・輸入から、店舗への供給・販売までを一貫して行う仕組みを称しており、物流、商流の効率化を図ることで、お客様に貢献することを目的としています。このシステムを活用して、酒類を中心とした嗜好品専門店の全国チェーンを作ってまいります。

「外食事業」セグメントは、既存の居酒屋事業に止まらず、新規業態開発にも積極的に取り組み、「食を中心とした総合サービス産業」を目指し、企業価値の最大化を図るとともに、連結グループの利益の最大化を図ってまいります。

 

(4)経営環境

当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、行動規制の緩和等により経済活動に回復の動きは見られたものの、エネルギー価格、食料品を中心とした急速な物価上昇により、消費マインドの冷え込みが懸念されるなど、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

(酒販事業)

新型コロナウイルス感染拡大の影響による巣ごもり需要が減少しました。行動制限の緩和により、外出機会が増加し、10月からは全国旅行支援が開始されるなど、お客様のニーズに合わせ、キャンプ商材や手土産商材の品揃えを充実させました。大手ビールメーカーが10月から値上げをしたため、9月中に大きな買い置き需要が起きました。11月にサッカーワールドカップ、3月にWBCが開催され、スポーツ観戦のための家飲みの機会も増え、ビールをはじめ世界各国のお酒の紹介やカクテルなど新しい飲み方の提案を積極的に行いました。各自治体独自に実施されたキャッシュレス決済キャンペーンでは、一部の店舗でお客様の来店機会の増加に繋がりました。

(外食事業)

4月から6月においては経済活動の正常化が進み、売上高に緩やかな回復が見られましたが、6月下旬頃から感染者数が増加すると、大人数での会食や宴会に対する自主的な自粛の雰囲気が高まり、宴会のキャンセルが相次ぐなど、居酒屋業態は厳しい状況が続きました。しかし、その後は感染者数の減少に伴い、9月以降の売上高は回復基調にあります。

 

 

(5)会社の対処すべき課題

社会活動が新型コロナウイルス感染症の影響から回復に向かう一方で、これからも感染症の発生は避けられません。また、地政学リスクの高まりは原材料価格や燃料価格の高騰及び物価の上昇を招く可能性があり、経営環境はますます先が見通せない時代となっております。このような中、当社グループは、持続的な成長を可能とする事業基盤の強化に加えて、サステナビリティと経営戦略の一層の強化により、グループ全体で企業価値の向上に努めてまいります。

 

(酒販事業)

お客様を基点としたマーチャンダイジングに徹し、新価値提案による需要の創出に挑戦します。

①お客様、従業員、取引先、株主などのステークホルダーの安全、安心を優先した店舗運営に努めます。

②新規出店及び既存店の活性化により店舗競争力を強化してまいります。

③地域密着を進め、地域のお役に立てる酒販店を目指します。また、地域商品の現地調達拠点を増やし、あわせて物流のネットワーク化を図り、全般的な運搬距離を削減し、災害時のリスク分散、複線化を進めます。

④お客様のニーズやライフスタイルの変化に応じた商品の展開と新しい提案を積極的に配信していきます。

⑤「やまやアプリ」、「やまやドライブスルー」を進化させ、お客様がより便利に、スピーディーなお買い物ができるように努めてまいります。

⑥大規模災害への対応を図ります。店舗での防災、減災、緊急対処の方法の改善、定期点検、訓練を進め、また、緊急時における、水・食料品の供給など地域で役立つことに努めます。

⑦エネルギーコストの上昇に伴い、エコノミーとエコロジーを両立する省エネルギーを進めます。

⑧社会とともに存続し発展する企業として構造改革を推進し、適正・適法な業務運営を実施するための内部統制を強化し、株主、お客様から高い信頼を得られるように取り組みます。

⑨消費者意識の変化に伴い、人権問題や社会・地球環境に配慮した商品を意識した「エシカル(倫理的)消費」に対応してまいります。

 

(外食事業)

外食事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響に関しては、一定期間継続するものの、徐々に回復していくと仮定しております。この過程におきまして、対処すべき課題とその取り組みは以下のとおりです。

 ①新型コロナウイルス感染拡大等に関する情報に注視し、引き続き柔軟に対処いたします。

 ②宴会離れなどに象徴される外食事業のマイナス成長の兆候に対しては、テイクアウト、デリバリーの強化や、食事需要の取り込みを図れる新業態の開発を進めます。

 ③人手不足の解消やサービスレベルの向上については、人財教育体制を軸にして「志」「技術」「情熱」をもてる人財の育成に取り組みます。

 ④売上原価及び人件費のコントロール、不採算店舗の閉店、家賃の減免交渉をはじめ各種経費の見直しを行い、損益分岐点の低下を図ります。

 ⑤不測の事態に備えられる運転資金の確保として、既存取引金融機関と当座貸越契約を締結しております。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりであります

なお文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります

 

(1)ガバナンス

当社グループは、気候変動など環境をはじめとする社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会の実現と、当社グループの持続的な企業価値向上を目指し、部長会において、ESG経営の推進、SDGsの取組みを含めたサステナビリティに関する各種方針の策定・協議を実施しております。部長会で挙がった方針の策定、取組みの進捗、状況の把握・リスクについては、定期的に取締役会に報告し、監督される体制を構築しております。

また、コンプライアンスに関する事項やリスク管理に関する事項等を統制する内部統制委員会及び危機管理規程とも関連し、リスク管理体制を整えております。

 

取締役会

報告    監督・指示

部長会

 

 

(2)戦略

当社は、「流通、販売の合理化を実践し、消費生活を豊かにすることで社会に貢献する」ことと、「地域社会そして世界の人々の健康で豊かな社会の実現に貢献する」ことをグループ全体の経営基本理念としております。その基本理念に基づき、持続型資源循環社会及び環境保全、社会福祉と災害救済、スポーツ及び芸術文化支援の主要な領域において積極的に社会貢献を推進し、豊かな社会の実現と、その持続的な発展を目指してまいります。

酒販事業においては、酒類を販売する側の責任として、リデュース・リユース・リサイクルの3R推進活動を中心とした取組を実施しており、環境と社会への負荷を軽減しながら酒類の提供を行っております。外食事業においては、重点項目を「飢餓」「教育」「成長・雇用」「生産・消費」「海洋資源」としてサステナビリティ活動をスタートしております。

 

 

 当社における人財戦略については劇的に変化する社会環境経営環境に対応するため制度教育において
各種取組みを進めております制度面では上司・部下間の面談目標設定の定量化によるコミュニケーションの
深化を狙い教育では個の社員のニーズに応じて自ら学べる社内学習ツールの拡充と自律・ボトムアップ型
組織への変革のための階層別教育の実施等を行っておりますこれにより環境変化への対応力向上と従業員

エンゲージメント向上を両立する組織風土への改革を行っております
 上記基本的考え方に加え①女性活躍の推進 ②育児目的休暇の取得 ③男女賃金格差に関して活躍推進と環境整備に取り組んでおります

 

 

(3)リスク管理

 当社グループは酒販事業における酒類及び食料品等の小売、及び飲食事業における居酒屋を中心とした

飲食業を主たる事業としておりますそのため農畜水産物の調達及び供給や店舗の運営に大きな影響を与え

る人的資本確保や気候変動を中心としたリスク要因の抽出・検討・対応に取り組んでおります

区分

想定される事象

対策

市場リスク

・農産物の温暖化被害

・仕入れの多様化、複数のサプライヤーとの関係構築
・仕入れ地域の拡大
・農家からの直接購入
・水耕栽培の活用

・地産地消により地元野菜の活用物流の短期化や効率化

・規格外品の活用

 

・人口減少、過疎化、高齢化の進行

・競争激化

・仕入価格の高騰

・生活インフラとしての社会的役割の拡大

・地域活性化による販売機会の拡大

・新しい販売チャンネルの探求

 

 

区分

想定される事象

対策

 

・海洋温度上昇による、魚種、漁獲量の減少

・海洋養殖魚の活用

・陸上養殖魚の活用

・地産地消の推進による地元魚種の活用など、各 地域における需要変動への適切な対応

・グループ全体としての調達機能の活用、強化

・未利用魚など、規格外の魚の活用

 

・地政学的リスクによる燃料価格の高騰

・電力会社、電力小売り事業者の多様化

 

・畜産物の減少温暖化による生育トラブル
・干ばつによる牧草など餌不足による飼育縮小

・品種国産の推進や仕入れ地域の拡大
・飼料の多様化

 

・飼料価格の上昇バイオマス燃料用途の需要増加によるトウモロコシ価格の上昇による飼料価格の上昇

・飼料の多様化への働きかけ
・リサイクルループの活用
・飼料サプライヤーとの情報共有

評判リスク

・企業イメージの毀損

・商品事故や店頭事故発生による顧客の離反

・消費者の嗜好の移り変わり

・商品への非難

・否定的なステークホルダーからのフィードバック

・エシカル消費嗜好の拡大

・従業員エンゲージメントの低下

・人材確保困難や人材の社外流出

・商品、サービスへのアクセス向上

・地域、団体などへの活動支援

・徹底した安全、品質管理

・従業員がやりがいのある職場環境づくり

・嗜好の移り変わりのアップデート

・サプライヤーの人権侵害に対する注意喚起

緊急性の物理
リスク

・台風や洪水などの異常気象の増加
・山火事の可能性と重大性の上昇
・地震災害
・水不足干ばつ
・防災対応の強化
・物損被害の発生
・自然災害時の従業員の安否確認や店舗本社の災害対応保険料の上昇
・自然災害によりサプライヤーの生産活動やサプライチェーンが被害を受けた場合の生産活動への悪影響

・災害対策設備対策

・サプライチェーンの多様化

・防災訓練の強化

・緊急時の商品物流網の確立

慢性の物理
リスク

・降水パターンの変化や気象パターンの極端な変動

・平均気温上昇による酷暑日の増加による電力需要のひっ迫に伴う空調費用の上昇
・海面上昇による沿岸部浸水

・災害対策設備対策

法的

・訴訟リスク

・事前対応即時対応

政策規制

・エネルギー関連法規制強化
・排出量報告義務の強化
・既存の商品及びサービスに対する命令及び規制
・国内温室効果ガス削減目標の引上
・省エネ政策の強化
・CO2削減の強化

・法対応

 

 

区分

想定される事象

対策

技術

・既存の設備を排出量の少ないものに置き換え

・新技術導入による優良化や効率化の推進

人的資本
確保・活用の
リスク

・労働市場の競争激化への対応遅れによる人材不足

・従業員の企業貢献意識の低下による離職リスク

・採用手法の多様化
・上司部下の面談制度
・自律学習ツールの拡充
・エンゲージメント向上への取り組み

 

 

(4)指標及び目標

 当社グループでは上記(2)戦略において記載した人材の多様性の確保を含む活躍の推進及び社内環
境整備に関する方針について次の指標を用いています
 提出会社における人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標
及び実績指標及び目標は次のとおりですなお、管理職に占める女性労働者の割合実績が、提出会社としては目標値を超えておりますが、当社グループ目標を10%程度としております。

指標

目標

実績(当事業年度)

管理職に占める女性労働者の割合

2025年3月までに 10%程度

17.8%

男性労働者の育児休業等取得率

2025年3月までに 15%程度

 0.0%

 

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

「事業等のリスク」における以下の記述は、「酒販事業」「外食事業」の両セグメントに係るリスクを当社グループのリスクとして記載しています。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)新型コロナウイルス感染症について

新型コロナウイルス感染症は、我が国の経済活動や消費者の消費行動に大きな影響を与えております。今後、新型コロナウイルス感染拡大の発生や現在の状況が長期化した場合、店舗の休業や来客数の減少等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの外食事業セグメントにおいては、居酒屋は従来からの課題である他業種を含めた企業間競争

の激化、お客様の消費行動の変化、宴会の減少等に加え、在宅勤務へのシフトに代表される勤務スタイルの変化や

外出及び会食の自粛などの影響を受けております。新型コロナウイルス感染症による影響が長期化した場合や外食

事業セグメント会社が、適切な感染拡大防止策を講じることが出来なかった場合、店舗の休業や来客数、利用者数の

減少等により、売上高が減少し、利益を獲得することができず、また、収益性が悪化することにより、固定資産や

のれんの減損損失が計上され、外食事業セグメント及び当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性

があります。

当社グループでは、従業員の体調管理や勤務中のマスク着用等、感染予防・感染拡大防止対策の徹底に全力を注い

でおります。外食事業では、感染予防・感染拡大防止対策を行った上で営業を再開、可能な限り影響を最小限に

留めるよう努めております。

 

(2)お客様対応などに関するリスク

当社グループでは、「お客様、お取引先、我々の主体性の三方を衡平に考え、経営理念実現のため、日々、この三方善の信条を以て考動する。」を行動規範としており、周知徹底を図っております。しかし、お客様をはじめとするステークホルダーの満足や信頼を損ない得る不測の事態が生じた場合、当社グループのブランド価値が低下し、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)戦略的投資活動に関するリスク

当社グループは、新地域、既存地域への出店やM&Aへの投資等の戦略的投資活動の推進に際して、意思決定のために必要かつ十分な情報収集と検討を実施し、合理的意思決定を行っております。しかし予期し得ない種々の環境変化等により、当初意図した成果が得られない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)経済状況、競争、天候等による影響

当社グループの事業は、経済状況や競合他社の活動状況、顧客嗜好の変化、天候要因等の影響を受けております。従って、今後の事業活動において、予期し得ない景気変動や競合他社の活動、顧客嗜好の変化の発生、天候不順等が、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)法規制等に係るもの

酒販事業セグメントでは、酒税法等、外食事業セグメントでは、食品衛生法、いわゆる風営法、出入国管理及び難民認定法等の規制等をはじめとする法規制や、品質に関する基準、環境に関する基準等、様々な法規制等の適用を受けております。今後、これらの法規制等の新設・改正にあたり、事業への直接的な影響が生じる場合、或いは、対応コストが生じる場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)地震、台風、津波、豪雨、豪雪等の自然災害に関するリスク

店舗・物流を含む事業拠点の主要施設には防火、耐震対策などを実施しており、災害などによって事業活動の停止或いは商品供給に混乱をきたすことのないよう努めております。

当社グループの店舗・施設の周辺地域において予想を超える大地震、津波、風水雪害等の自然災害、火災等が発生し、商品及び店舗、物流等の施設、情報システム及びネットワークに物理的な損害が発生し、当社グループの販売活動や物流・調達活動が阻害された場合、また人的被害が発生した場合、或いは、周辺のお客様自体が来店できないような場合は、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(7)為替変動による影響

当社グループは、酒類を中心とした海外の嗜好品の逸品・銘品・美味品を自社或いは関連会社が輸入し直販しておりますが、中長期の不測の為替変動が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)資金調達及びコストに関するリスク

当社グループでは、資金調達リスクの最小化を企図し、各部署からの報告に基づき経理部が適時に資金計画を作成・更新するとともに、手許流動性の維持などにより流動性リスクを管理しております。

資金調達については国内市場での社債の発行等を含め、直接・間接調達市場における資金調達手法の多様化を考えております。

しかしながら、金融市場の混乱等によって金融機関が貸出方針を変更した場合や、市場心理が後退した場合、及び市中金利の上昇等、調達環境が著しく悪化する場合は、機動的な調達が困難になるほか、調達コストが増加する可能性があり当社グループの事業、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)労働環境の変化、人財の確保、育成に伴うリスク

当社グループが、今後更なる業容拡大を図るためには、パート・アルバイト労働者、外国人労働者の活用を図りつつ、優秀な人財の確保及び社内人財の育成に加え、人財の外部流出を防止することが重要な課題と考えております。

今後、労働力の減少による人財確保競争の激化、景気回復、雇用環境の変化に伴う賃上げ圧力の増大、処遇格差の縮小を目的とする各種労働関連法、出入国管理及び難民認定法の改正等に起因して労働コストが大幅に増加、若しくは、社内人財の育成が進まない場合、人財が外部に流出した場合、採用自体が困難になった場合は、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)情報セキュリティに関するリスク

コンピュータネットワークや情報システムの果たす役割が高まり、情報セキュリティ及び個人情報保護に関する対応は、事業活動を継続する上で不可欠となってきております。これに対して、近年ソフト・ハードの不具合やコンピュータウイルスなどによる情報システムの障害、個人情報の漏えいなど、さまざまなリスクが発生する可能性が高まってきております。

当社グループは、情報セキュリティ及び個人情報保護を経営の重要課題の1つとして捉え、体制の強化や社員教育などを通じてシステムとデータの保守・管理に万全を尽くしておりますが、万一これらの事故が発生した場合には、信用失墜による収益の減少、損害賠償等による予期せぬ費用が発生し、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)商品の安全性及び表示

当社グループは、関係法令の規制に基づき、食品衛生に関わる設備の充実、取引先を含めた一貫した商品管理の徹底、チェック体制の確立など、お客様に安全な商品と正確な情報を伝えるよう努めていますが、当社グループの取組みを超えた問題が発生した場合、食中毒等の事故が発生した場合、それによる当社グループのブランド、商品に対する信頼の低下、対応コストの発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの取扱商品について重大な事故等が発生した場合、商品回収や製造物賠償責任が生じることもあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)フランチャイズ債権等

当社グループの居酒屋を中心とした外食事業セグメントでは居酒屋チェーンのフランチャイザーとしての機能を有しており、FC加盟者に対し商品供給による売上、居酒屋経営等に関する指導等のロイヤリティ等を得ております。フランチャイズ契約の継続が何らかの要因により困難となった場合、FC加盟者の金銭上の債務不履行等により発生した債権が回収できなくなる場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(13)敷金・保証金の回収について

当社グループは、店舗の出店において、多くの場合、土地・建物を賃借しており、店舗用物件の契約時に賃貸人に対し敷金及び保証金を差し入れております。当該保証金は、賃借料との相殺による分割返還、又は期間満了時等による契約解消時に返還されることになっておりますが、賃貸人の経済的破綻等によりその一部又は全額が回収できなくなる可能性があります。

また、契約に定められた期間満了日前に中途解約をした場合は、契約内容に従って敷金及び保証金の一部償却、中途解約違約金の支払いが必要となり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)店舗の固定資産及びのれんの減損損失について

当社グループは、直営店舗を中心に内装設備、厨房機器、工具器具備品類を保有しております。店舗における営業活動から生じる損益が著しく低下した場合、減損損失が計上され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループでは、事業譲受や企業買収により、のれんが計上されております。当該のれんにつきまして、評価額が帳簿価額より著しく下落した場合には、減損損失が計上され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①当期の経営成績

(事業全般の概況)

当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、行動規制の緩和等により経済活動に回復の動きは見られたものの、エネルギー価格、食料品を中心とした急速な物価上昇により、消費マインドの冷え込みが懸念されるなど、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

このような環境の中、当社グループは、お客様に安心して店舗をご利用いただける環境づくりに努めるとともに、ウィズコロナの中で、お客様の消費行動の変化に対応した商品やサービスの提供に努めるとともに、今後の成長に向けた新規出店や既存店の活性化、及び事業の更なる効率化に取り組んでまいりました。

当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日まで)における当社グループ連結業績は、酒販事業売上高が1,303億16百万円と堅調に推移し、外食事業売上高は、新型コロナウイルス感染症が収束傾向となり、インバウンド需要の増加、各種イベントの再開等により回復傾向となったことで227億5百万円となり、連結売上高は1,527億64百万円(前年同期比6.5%増)となりました。連結営業利益につきましては、販管費において、電気代及び人件費の増加による影響はあったものの、外食事業の営業損失が大幅に減少したことにより28億37百万円(前年同期比341.1%増)となりました。連結経常利益は、外食事業において新型感染症拡大防止協力金等の計上が減少したため29億53百万円(前年同期比66.4%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、19億30百万円(前年同期比56.1%減)となりました。

当連結会計年度末において、酒販事業351店(前年同期比6店増)、外食事業668店(同53店減)、グループ合計店舗数1,019店(同47店減)を運営しています。

セグメント別の業績は、次のとおりであります。

 

(酒販事業)

酒販事業における売上高は1,303億16百万円(前年同期比1.0%減)、営業利益は41億1百万円(同16.5%減)となりました。

新型コロナウイルス感染拡大の影響による巣ごもり需要が減少しました。行動制限の緩和により、外出機会が増加し、10月からは全国旅行支援が開始されるなど、お客様のニーズに合わせ、キャンプ商材や手土産商材の品揃えを充実させました。大手ビールメーカーが10月から値上げをしたため、9月中に大きな買い置き需要が起きました。11月にサッカーワールドカップ、3月にWBCが開催され、スポーツ観戦のための家飲みの機会も増え、ビールをはじめ世界各国のお酒の紹介やカクテルなど新しい飲み方の提案を積極的に行いました。各自治体独自に実施されたキャッシュレス決済キャンペーンでは、一部の店舗でお客様の来店機会の増加に繋がりました。

築館店(宮城県)は移転し、新規出店として、宮古宮町店・前沢店(岩手県)、湊鹿妻店(宮城県)、鉄砲町店(山形県)、志木中宗岡店(埼玉県)、岡山平井店(岡山県)、姪浜小戸店(福岡県)の計8店を開設しました。また、山形業務店(山形県)を閉店しました。これにより、2023年3月末における酒販事業の総店舗数は、351店舗(前年同期比6店増)となりました。

 

(外食事業)

外食事業における売上高は227億5百万円(前年同期比87.1%増)、営業損失は12億74百万円(前年同期は営業損失42億82百万円)となりました。

外食業界におきましては、4月から6月においては経済活動の正常化が進み、売上高に緩やかな回復が見られましたが、6月下旬頃から感染者数が増加すると、大人数での会食や宴会に対する自主的な自粛の雰囲気が高まり、宴会のキャンセルが相次ぐなど、居酒屋業態は厳しい状況が続きました。しかし、その後は感染者数の減少に伴い、9月以降の売上高は回復基調にあります。

このような状況のなか、当社グループはお客様と従業員の安全・安心を第一として、感染拡大防止と経済活動の両立を図りながら営業に努めてまいりました。また、原材料及びエネルギー価格等の上昇への対応も必要不可欠となっております。コロナ前及びコロナ禍を経て、お客様のライフスタイルや価値観が変化し、個店ごとの存在価値を高めていくことが重要となっているなか、居酒屋需要が回復基調に転じた後は、変化するお客様のニーズを先読みした集客対策を実施してきました。宴会ニーズの変化スピードも速く、少人数から大人数需要へ、席予約からコース宴会予約へ、個室需要の高まりなど、その時々のニーズに先回りした、ターゲット別に開発した商品の打ち出しを行い、集客に活かしてきました。コロナ禍で減少した「大箱店舗」の特性を活かし、インバウンド団体や国内旅行団体の集客も順調に推移しました。お客様に居心地の良い空間を提供するため、必要に応じて業態転換及びリフレッシュ改装を進めました。各種値上がりの対応としましては、配膳ロボット、スマホオーダー、モバイルPOSの導入などのDX推進を継続するとともに、生産性の向上とコストの抑制に努め、損益分岐点売上高の維持と更なる引き下げの努力を継続しております。

2023年3月末の飲食直営店は、355店(前年同期比21店減)、飲食FC店は、313店(同32店減)となり、飲食店の総店舗数は、668店(同53店減)となりました。

 

 

財政状態につきましては、総資産は、前連結会計年度末と比較して17億1百万円(△2.8%)減少し、592億75百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末と比較して10億58百万円(△2.8%)減少し、364億81百万円となりました。

これは、商品及び製品で19億65百万円増加した一方で、現預金で20億46百万円、その他の流動資産で17億86百万円減少したことが主な要因です。

固定資産は前連結会計年度末と比較して6億43百万円(△2.7%)減少し、227億94百万円となりました。

総負債は、前連結会計年度末と比較して22億9百万円(△6.9%)減少し、296億83百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末と比較して18億5百万円(△7.3%)減少し、229億57百万円となりました。

これは、買掛金が10億85百万円増加した一方で、短期借入金が30億円減少したことが主な要因です。

固定負債は、前連結会計年度末と比較して4億4百万円(△5.7%)減少し、67億25百万円となりました。

これは、長期借入金の2億70百万円減少が主な要因です。

純資産は、前連結会計年度末と比較して5億8百万円(1.7%)増加し、295億92百万円となりました。

この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の45.0%から48.7%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べて20億46百万円(△14.8%)減少し、117億45百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動で得られた資金は、前年同期と比べ13億54百万円(△30.5%)減少し、30億87百万円となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益が24億7百万円、減価償却費が11億24百万円、棚卸資産が19億53百万円増加したことなどによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動に使用した資金は、前年同期と比べ6億48百万円(131.0%)増加し、11億43百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出が12億18百万円あったことなどによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動に使用した資金は、39億90百万円となりました。(前年同期は得られた資金が11億80百万円)主な要因は短期借入金の返済が30億円、配当金の支払額が5億63百万円あったことなどによるものであります。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

酒販事業(百万円)

106,044

100.3

外食事業(百万円)

7,869

201.5

合計(百万円)

113,913

103.9

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には、他勘定振替等は含まれておりません。

 

b.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

酒販事業(百万円)

130,058

99.1

外食事業(百万円)

22,705

187.1

合計(百万円)

152,764

106.5

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するに当たりまして、重要となる会計方針については、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表、注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。また、重要な見積りについては、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表、注記事項 重要な会計上の見積り」に記載されているとおりであります。

当社の経営陣は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。しかしながら、これらの見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 

② 経営成績

当連結会計年度の当社グループの経営成績の分析は、「第2 事業の状況、4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 当期の経営成績」に記載のとおりであります。

 

③ 財政状態

当連結会計年度の当社グループの財政状態の分析は、「第2 事業の状況、4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 当期の経営成績」に記載のとおりであります。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因について「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑤ 経営戦略の現状と見通し

経営戦略の現状と見通しにつきましては「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

⑥ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

a.キャッシュ・フロー

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況は、「第2 事業の状況、4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

b.資金需要

当社グループの資金需要のうち主なものは通常の運転資金などであります。

 

c.財務政策

当社グループは運転資金につきまして、自己資金又は金融機関からの借入にて資金調達をしております。金融機関からの資金調達につきましては、安定的かつ低利を前提としながら、将来の金融情勢の変化等も勘案した調達を実施しております。

 

⑦ 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況、1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

5【経営上の重要な契約等】

業務提携及び資本提携

当社は、イオン株式会社との間で1994年11月に業務提携及び資本提携の覚書を締結しております。

同社との関係につきましては、「第1 企業の概況 4.関係会社の状況」に記載のとおりです。

また、チムニー株式会社及び株式会社つぼ八の重要な契約等は、次のとおりであります。

1.チムニー株式会社

フランチャイズ店舗(FC店)とのフランチャイズ契約を次のとおり締結しております。

(1) 契約の概要

チムニー株式会社(フランチャイザー)とFC店(フランチャイジー)との間において、FC店はチムニー株式会社の経営に関する指導、助言を遵守することを条件に、チムニー株式会社より経営上必要なノウハウや情報を与えられ、それに基づいて店舗を運営することを目的としております。

当フランチャイズ契約の締結におきましては、チムニー株式会社が運営していた店舗の営業権をFCオーナーに譲渡して加盟をしていただく形式(建売システムという)と、FCオーナーが自身において物件を準備して加盟いただく方式の2種類があります。

 

(2) ロイヤリティー

FC店はチムニー株式会社に対し、毎月月間売上高に対して一定の割合に相当する金額を支払うことになっております。

 

(3) 契約期間及び更新

満5ヶ年経過した月の末日をもって期間満了により終了します。

契約は、自動更新するものではなく、契約の期間満了の6ヶ月前にチムニー株式会社からFC店に通知を行い、更新及びその条件について両者合意の場合に限り更新されます。更新後の期間は満3ヶ年とし以降は3年毎の更新となります。

 

(4) 契約の譲渡

FC店はフランチャイジーとしての地位及び一切の権利義務をいかなる形式にしても第三者に譲渡、又はサブフランチャイズの権利を与えることはできません。

 

2.株式会社つぼ八

(1) 契約の概要

株式会社つぼ八(フランチャイザー)とFC店(フランチャイジー)との間において、FC店は株式会社つぼ八の経営に関する指導、助言を遵守することを条件に、株式会社つぼ八より経営上必要なノウハウや情報を与えられ、それに基づいて店舗を運営することを目的としております。

当フランチャイズ契約の締結におきましては、株式会社つぼ八が運営していた店舗の営業権をFCオーナーに譲渡して加盟をしていただく形式(建売システムという)と、FCオーナーが自身において物件を準備して加盟いただく方式の2種類があります。

 

(2) ロイヤリティー

FC店は株式会社つぼ八に対し、毎月、定額又は月間売上高に対する一定の割合に相当する金額をロイヤルティとして支払うことになっております。

 

(3) 契約期間及び更新

契約締結日から満5ヶ年経過した日をもって期間満了となります。

ただし、期間満了2ヶ月前までに当事者の一方又は双方から更新拒絶の意思表示のないときは、同一期間をもって自動更新されます。

 

(4) 契約の譲渡

FC店はフランチャイジーとしての地位及び一切の権利義務を第三者に譲渡することはできませんが、株式会社つぼ八が認めた範囲での地位承継をすることができます。なおサブフランチャイザーの権利を与えることはできません。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。