当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当事業年度末(2022年8月31日)現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、以下の経営理念「MISSION」「POLICY」に加え、本質的なお客様価値の追求に取り組み、持続的な成長を通して、豊かな未来を創造するために、ライトオンの目指すべき方向性を「VISION」として新たに定義いたしました。
・VISION(私たちの目指すべき未来像):
私たちは、ヒトの魅力とモノの魅力で、お客様の期待を超える満足を提供し、お客様に選ばれ、必要とされる企業となる。
・MISSION(私たちの使命):
私たちは、人々の生活を楽しく豊かなものにするため、世代を超え、愛され続けるジーンズの魅力を発信していきます。
・POLICY(私たちの方針):
1.お客様を第一に考え、お客様に喜んでいただける会社を目指します。
2.誠実さと公正さをもって、社会から信頼される会社を目指します。
3.人を育て、人を活かし、働き甲斐のある会社を目指します。
(2)経営環境及び、対処すべき課題と経営戦略
当社は、「顧客満足度NO.1への挑戦」を掲げ、お客様起点の発想に立った事業活動を第一に考え、「ブランドミックスMDの推進」、「顧客満足度とLTVの最大化」、「デジタルシフトの加速と進化」、「サステナビリティ経営の推進」を軸とした中期経営計画の成長戦略に取り組み、お客様志向に基づいた経営基盤の強化に努めてまいりました。長引くコロナ禍に加え、不安定な海外情勢や急激な為替変動に起因する物価上昇やガソリン価格高騰の長期化などによる先行き不安感がある中、商品政策上や業務変革を実現する上での課題が多く残り、当事業年度の売上高は業績予想を下回る結果となりました。
今後につきましては、この度新たに策定いたしました2025年8月期に向けた3ヵ年の新中期経営計画における売上高、営業利益、営業利益率の数値目標を達成するために、以下の重点施策に取り組み、売上高と収益性の改善を目指してまいります。
①成長戦略
a)期待を超える顧客体験の創造
商品面におきましては、顧客ターゲットと提供価値、カテゴリーを明確にしてブランドポートフォリオを再構築し、お客様の期待を上回る魅力的なブランド開拓と商品開発力の強化に努めてまいります。リアル店舗におきましては、新たに商品・マーケティング・店舗運営を横断して売上状況に応じたスピーディーな店舗演出を担う三位一体VMDチームを新設するとともに、VMDコンサルティングオフィスを導入することで外部の知見を取り入れ、VMD体制を強化し売場作りの革新を進めてまいります。その他、スタッフによるおすすめ商品やスタイリング提案ができるデジタルサイネージの導入や店内POP広告の変革、店舗毎の客層に最適な商品MDによる品揃えの提供、接客サービス向上への取り組みの継続などによってリアル店舗の魅力を深化させ、収益性の向上に努めてまいります。また、顧客セグメント毎のアプローチを強化し、価値ある顧客体験の提供の繰り返しによって、お客様と強固で長期的な関係を構築しLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を最大化することを目指し、CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)とマーケティングの革新に努めてまいります。
b)ECビジネスの飛躍的拡大
2022年7月から新たに導入したSTAFF STARTにより、お客様一人ひとりにあわせたスタイリングや商品レビューなどの情報発信を強化し、One to Oneマーケティング(顧客一人ひとりに合わせたマーケティング)の推進による購買頻度の向上を目指すとともに、デジタル広告宣伝の強化によって新規・潜在顧客の獲得を目指してまいります。また自社ECサイトのフルリニューアルを進め、UI(User Interface:ユーザーと商品やサービスとの接点)/UX(User Experience:ユーザーが商品やサービスを通じて得られる体験)の改善とCRM基盤の整備によるデータ活用の推進に取り組んでまいります。品揃えにおいても新しいカテゴリーの商品やインフルエンサーとのコラボ商品を導入するなど顧客分析に基づくEC限定商品を拡充し、EC売上の拡大に努めてまいります。
c)デジタルシフトによる事業基盤の強化
店舗ポータルシステムの更新による店舗オペレーションの効率化や次世代型POSの導入など店舗のデジタル化によって顧客利便性の向上を図り、ストレスなくお買い物をしていただける環境作りに努めてまいります。またデータ活用基盤の整備を行い、商品計画の立案・修正をサポートするMD計画システムの導入、供給までのスピードアップのための基幹システムの改修、さらには機会ロスを削減するための在庫コントロールシステムの導入などデジタルシフトの加速と進化に取り組んでまいります。
②財務戦略
持続的な企業価値の向上を目指し、資本コストを上回るリターンを生み出し、キャッシュ・フローの創出力を高めることを基本方針とし、中長期的視点で新たな価値を創造するための成長投資を優先して実行し、その上で、継続的かつ安定的な株主還元を目指してまいります。主な成長投資としましては、店舗のデジタル化やEC成長戦略などのOMO(Online Merges with Offline:ECサイトと実店舗の融合)施策の推進に向けた投資、出店や移転改装といった既存事業の成長に向けた投資、サプライチェーンの高度化やデジタル基盤の整備といったデータ活用基盤の整備に向けた投資を計画しております。
③人事施策
2022年9月よりミッショングレード制の新人事制度へ移行し働き方の多様性と目指すポジションを明確にするとともに、教育・研修機会の提供を充実させることで、従業員一人ひとりが成長に向けて挑戦し、新しいことを生み出す環境作りに努め、人的資本を継続して強化していくことによって、持続的な企業価値の向上を図ってまいります。また、従業員の多様性を尊重し、様々な価値観や考え方を受け入れられる社内環境作りに努めるとともに、有給取得の促進や育児・介護への支援制度の拡充などワークライフバランスを重視した福利厚生の整備を進めるなど従業員エンゲージメントの向上にも努めてまいります。
これらの取り組みにより来店客数の増加、売上の回復を図るとともに、引き続き、固定費の適正化、コスト削減等により、持続的な黒字経営を実現してまいります。
中期的な経営目標の数値としましては
・売上高56,000百万円
・営業利益2,300百万円
・営業利益率4.1%
・ROE8.0%以上
また中期経営計画(2022年9月から2025年8月まで)の初年度である2023年8月期の目標数値は、売上高52,000百万円、営業利益600百万円、経常利益500百万円、当期純利益100百万円としております。
以下に記載する事項は、当社の事業その他のリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、文中における将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当事業年度末(2022年8月31日)現在において当社が判断したものであります。
1.継続企業の前提に関する重要事象等
当社は、新型コロナウイルスの感染等による経済活動の低迷による大幅な売上高の減少に対応し、品揃えの充実、店舗サービスの向上、店舗閉鎖を含む事業規模の見直しにより、業績の回復を図ってまいりました。しかしながら、当事業年度においても、新型コロナウイルスの感染再拡大が繰り返されたことに加え、不安定な海外情勢や急激な為替変動などによる相次ぐ物価上昇やガソリン価格高騰の長期化などに起因する先行き不安感がある中、商品政策上や業務変革を実現する上での課題が多く残り、当事業年度の売上高は、前事業年度末の見通しよりも大幅に減少することとなり、十分な業績の回復には至っておりません。ワクチン接種が進行しているものの、新型コロナウイルスについては新たな変異株による感染再拡大が懸念されており、また不安定な海外情勢や急激な為替変動の影響は翌事業年度を通して続くものと見込んでおります。
これらの状況から、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象または状況が存在しているものと認識しております。
このような状況の下、当社は当該重要事象等を解消するために、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営環境及び、対処すべき課題と経営戦略」に記載の2025年8月期に向けた3ヵ年の新中期経営計画の重点施策の取り組みにより、来店客数の増加、売上の回復を図るとともに、引き続き、固定費の適正化、コスト削減等により、持続的な黒字経営を実現してまいります。
資金面では、当事業年度末において、現金及び現金同等物(資金)は8,218百万円となっており、取引金融機関とは当事業年度におきまして新たに総額5,650百万円の借入を実行したことにより当面の運転資金は確保されております。今後も取引金融機関との協議を継続して行い、必要な運転資金を確保することで財務状況の安定化を図ってまいります。
また、第三者割当による自己株式の処分を2021年10月28日付で行い、デジタル投資資金として1,434百万円を確保しました。
以上により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる事象または状況が存在するものの、重要な不確実性は認められないものと判断しております。
2.消費者の嗜好の変化などに伴うリスク
当社が取扱う商品は、ファッショントレンドの変化や消費者の嗜好の変化による影響を受けやすいため、消費者の需要動向にあった商品の仕入れが行われなかった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、お客様の多様なニーズの変化にいち早く対応し、従来の商品計画・発注業務のプロセスを改善、短サイクル型の発注割合をコントロールしながら、当社ならではのブランドミックスの品揃えの最適化を進め、リスクの低減を図ってまいります。
3.気象状況などによるリスク
当社が取扱う商品は、天候の状況により売上が影響を受けやすいため、冷夏暖冬などの天候不順や台風といった予測不能な気象状況が生じた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、近年の地球温暖化により、大型の台風や局地的豪雨等の異常気象の発生頻度が高くなる傾向にありますが、お客様起点の発想に立った事業活動を第一に考え、CS活動によるサービス品質の向上と新商品開発に注力し、気象状況の影響を受けにくい強固な経営基盤の構築を目指してまいります。
4.仕入先に関するリスク
当社の仕入先の信用不安や経営環境の悪化、経営破綻などにより、商品の供給が減少した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
ブランドミックスの品揃えの最適化に向け、複数の仕入先との取り組みを強化することでリスクの低減を図ってまいります。
5.店舗賃借に伴うリスク
当社の店舗の大部分は、ディベロッパーや地主から賃借しており、出店にあたり保証金を差し入れております。契約に際しては、相手先の信用状態を判断した上で出店の意思決定をしておりますが、倒産その他賃貸人の信用状態の悪化等の事由により、差し入れた保証金の全部又は一部が回収できなくなる場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、ロードサイド型店舗については、賃貸借期間が10~15年と長期にわたるものが多く、基本的に保証金は契約期間が満了しなければ返金されません。当事業年度末時点における店舗賃貸の敷金及び保証金残高は8,037百万円であり、総資産の23.6%を占めております。
この他、当社のショッピングセンター内の賃借店舗では、毎日の売上金は当該ショッピングセンターのディベロッパー等に預託され、一定期間の後、当社に返還されるまでは、未収入金となります。これについては、預託相手先であるディベロッパー等の倒産等の事由により、全額又は一部が回収できなくなる場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。当事業年度末時点におけるディベロッパー等への預託に係る未収入金残高は168百万円であり、総資産の0.5%を占めております。
また賃借店舗については定期建物賃貸借契約を締結している場合がありますが、借地借家法第38条により契約期間満了後、当社に再契約の意思があったとしても、相手方の意思により再契約ができない可能性があります。この場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
6.出退店及び固定資産に関するリスク
出店については、集客の見込めるショッピングセンターへの出店が大部分を占めております。当該ショッピングセンターの出店計画が変更になった場合、当社の出店計画に影響を及ぼすことがあります。ショッピングセンターへのテナント出店は、契約期間が短く、退店が容易である反面、テナント間の出店競争により、賃料が上がる可能性があります。またディベロッパーによるテナントの区画移動計画により、営業店舗の移動が発生した場合、固定資産除却損等の一時費用が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
退店については、スクラップ&ビルド等によって業績への影響を小さくするようにしておりますが、退店を意思決定した場合、または営業活動から生ずる損益が継続してマイナスの店舗においては減損損失が発生し、退店時には店舗閉鎖損失が発生する場合があります。この場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
7.顧客情報の流出に関するリスク
当社は、お客様から得た個人情報に関しては漏洩が生じないように万全の対策を講じており、従業員への徹底も研修等にて行っておりますが、何らかの事情により、お客様の個人情報が漏洩した場合は、信頼の毀損により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
万一それら情報が外部に漏洩した場合は、対策委員会を立ち上げ、原因追及と再発防止策の構築に取り組みます。また第三者機関と連携し、弊社セキュリティ体制の評価を行うなど、より実効的な再発防止策を講じます。
8.業態開発に伴うリスク
当社は、業容拡大のため積極的に業態開発を進めておりますが、市場環境の変化や、顧客への浸透が想定通りに進捗せず、計画していた売上を見込めない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
9.パートタイム従業員に係る費用の増加リスク
当社は、多数のパートタイム従業員を雇用しております。パートタイム従業員は当社の従業員に占める比率が高いため、種々の要因によりパートタイム従業員に係る費用が増加した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
10.災害等に伴うリスク
当社は、日本国内に店舗を有しており、大規模な地震、台風、洪水などの自然災害、事故、火災、テロ、感染症などの災害等が発生した場合、店舗運営や商品供給等に支障をきたし、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお新型コロナウイルス感染症の影響は長期化しており、今後の感染再拡大の可能性や収束時期等は依然として不透明な状況が続いております。ワクチン接種の進行により大型商業施設に対する休業及び時短営業の要請や国民に対する行動制限などが徐々に緩和され、経済社会活動の正常化が進んで行くことが期待されますが、先行き不透明感は拭えず翌事業年度を通して続くものと見込んでおり、感染再拡大となった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、新型コロナウイルス感染症の予防・感染拡大を防止のため、オフィスでの勤務を主としている社員については在宅勤務やテレワーク、WEB会議の活用を推進する等の対応をしています。また、各店舗においては、アルコール消毒液の設置やマスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保等、お客様・社員の感染予防対策を行っております。
11.財務制限条項
当社の一部の借入金には財務制限条項が付されております。
(1)各本・中間決算期の末日における当社の単体の貸借対照表において、純資産の部の金額を、当該決算期の直前の決算期の末日または2019年8月決算期の末日における当社の単体の貸借対照表における純資産の部の金額のいずれか大きい方の60%の金額以上に維持すること。
(2)各本・中間決算期の末日における当社の単体の損益計算書上において、2半期(各本・中間決算期毎に1半期として計算する。)連続して経常損失を計上しないこと。
当該条項に抵触した場合には、当該借入金の返済義務が生じるとともに期限の利益を喪失し、当社の財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、お客様の多様なニーズの変化にいち早く対応し、当社ならではのブランドミックスの品揃えの最適化を図り、不安定な経営環境下においても確実に営業利益を計上できる収益体質を構築してまいります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
また、当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
①財政状態及び経営成績等の状況
当事業年度(2021年9月1日~2022年8月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルスのワクチン接種の進行にともない行動制限等が緩和され、経済社会活動は徐々に正常化が進み、景気は持ち直しの動きが見られるものの、新たな変異株の出現による感染再拡大への強い懸念が続いていることに加え、ウクライナ情勢の長期化や急激な為替変動による原油価格や物価の高騰等も重なり、景気の先行きは依然として不透明な状況にありました。
このような状況の中、当社は「顧客満足度NO.1への挑戦」を掲げ、お客様起点の発想に立った事業活動を第一に考え、以下の中期経営計画の成長戦略を軸とした施策に取り組み、お客様志向に基づいた経営基盤の強化に努めてまいりました。
1.ブランドミックスMDの推進
PB(プライベートブランド)におきましては、「SALASALA」シリーズ(接触冷感と吸水速乾の機能を持った商品群)などメンズ・ウイメンズ・キッズを横断して展開するシーズン戦略商品の強化やZ世代に向けた新ブランドのリリース・アイテム拡充など、お求めやすい価格帯でディテールと品質にこだわった商品開発を積極的に行い、差別化戦略と収益性向上のエンジンとしてPBのシェア拡大を図ってまいりました。
NB(ナショナルブランド)におきましては、仕入先との戦略的パートナーシップを強化し、人気の定番ブランドに加え、旬のストリートブランドの品揃えを拡充してまいりました。
EC販売におきましては、話題のTVドラマ、TVアニメ、アクションゲーム等とのコラボアイテムのEC限定販売を行う等、お客様がワクワクする取り組みの強化を図ってまいりました。
これらの取り組みによって、ライトオンならではのブランドミックスによる品揃えの充実に努めてまいりました。
2.顧客満足度とLTVの最大化
価値ある顧客体験の提供を継続することによって、お客様と強固で長期的な関係を構築し、LTVを最大化することを目指し、お客様のニーズを把握する仕組みとお客様起点の商品開発の強化に努めてまいりました。また、NPS(Net Promoter Score:顧客ロイヤルティを測る指標)を導入し、顧客ロイヤルティを可視化することで、よりお客様のニーズに寄り添った店舗サービスの提供にも努めてまいりました。これらの取り組みは、繊研新聞社主催のテナント大賞において「サービス教育賞」を受賞するなどデベロッパーからも高い評価をいただきました。
3.デジタルシフトの加速と進化
動画機能をはじめ、店舗並びにECでご利用いただける様々な機能を追加し、自社アプリの利便性を高めるなど価値ある情報発信を行うツールとしてオウンドメディアの基盤を整えてまいりました。アプリ会員の獲得も継続して積極的に行い、アプリのダウンロード数は累計502万件(前年同時期より57万件増)を突破いたしました。また、スタッフとお客様のオンライン上での接点をより気軽で深いものにするためデジタルリソースの連携を強化し、STAFF START(株式会社バニッシュ・スタンダードが運営する、店舗スタッフがスタイリングや商品レビューなどをECサイト上に簡単に投稿できるサービス)を導入し、店舗スタッフが自ら商品情報を発信しオンライン接客を行うなど、お客様にいつでもどこでもストレスなくお買い物を楽しんでいただけるよう、お客様一人ひとりに寄り添うOMOを目指してまいりました。
店舗展開におきましては、2店舗の出店と20店舗の退店により、当事業年度末の店舗数は394店舗となりました。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態の状況
資産
当事業年度末における総資産は、34,040百万円となりました。
流動資産は、前事業年度末に比べて1,437百万円増加し、21,412百万円となりました。これは主に現金及び預金が2,065百万円、売掛金が356百万円それぞれ増加し、商品が604百万円減少したことによるものであります。
固定資産は、前事業年度末に比べて1,469百万円減少し、12,627百万円となりました。これは主に有形固定資産が574百万円、無形固定資産が126百万円、投資その他の資産が768百万それぞれ減少したことによるものであります。
負債
当事業年度末における負債合計は、19,003百万円となりました。
流動負債は、前事業年度末に比べて2,931百万円減少し、13,394百万円となりました。これは主に短期借入金が2,260百万円、未払金が697百万円それぞれ減少し、電子記録債務が916百万円増加したことによるものであります。
固定負債は、前事業年度末に比べて2,617百万円増加し、5,609百万円となりました。これは主に長期借入金が2,610百万円増加したことによるものであります。
純資産
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べて281百万円増加し、15,036百万円となりました。これは主に当期純損失1,166百万円を計上したものの、第三者割当による自己株式の処分があったことによるものであり、総資産に占める自己資本比率は43.9%となりました。
b.経営成績の状況
商品の売上動向におきましては、差別化戦略と収益性向上のエンジンとしてPBの強化に取り組みましたが、顧客セグメント毎の最適な品揃えが実現できなかったことで、PBの売上を伸ばすことができませんでした。シーズン別では、秋冬商戦におきましては、前半は季節を通じて気温が高く推移する中、薄手の羽織物などの実需にマッチした商品の品揃えが不足したこともあり、秋物の販売は低調に終わりましたが、後半は年末年始を中心に強い冷え込みが続いたことで、防寒アウターやNBのあったか素材のジーンズなどの冬物の販売は堅調に推移しました。しかしながら、1月中旬以降は、オミクロン株による新型コロナウイルスの感染再拡大が客足に大きく影響し、販売は苦戦いたしました。春夏商戦におきましては、3回目のワクチン接種の進行にあわせて経済活動の制限緩和が徐々に進み、ゴールデンウィークにおいては3年ぶりに行動制限がなくなったこと等から客数が増加し、NBのクール素材のジーンズや、PBの「SALASALA」シリーズを中心に夏物の販売は堅調に推移いたしましたが、ゴールデンウィーク後は、上海のロックダウンの影響により商品の納期遅延が発生したことや実需商品の在庫が不足したことなどにより売上を伸ばすことができませんでした。また、7月から8月においては、新型コロナ第7波の影響に加え、不安定な海外情勢や急激な為替変動などによる相次ぐ物価上昇やガソリン価格高騰の長期化などに起因する先行き不安感がある中、販売は低調に終わりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は前期比2.6%減の48,229百万円となりました。
部門別売上高といたしましては、ボトムス部門16,390百万円(前期比3.0%減)、カットソー・ニット部門17,154百万円(前期比2.4%減)、シャツ・アウター部門7,368百万円(前期比0.9%増)となりました。
利益面につきましては、売上高が減少する中、主に販売促進費や賃借料の販管費を抑制したことにより営業利益は239百万円(前期比188.4%増)となりましたが、新規借入に伴う支払利息及び支払手数料の増加により経常利益は7百万円(前期比91.4%減)となりました。
最終損益につきましては、新型コロナウイルス感染症による時短要請協力金等助成金収入、移設補償金等、特別利益を276百万円計上し、退店店舗及び収益性の厳しい店舗の減損損失、新型コロナウイルス感染症による損失等、特別損失を716百万円計上し、将来の業績動向等を踏まえ、繰延税金資産の回収可能性について検討した結果、繰延税金資産521百万円の取崩しを行い、同額を法人税等調整額に計上した結果、当期純損失は1,166百万円(前期は2,079百万円の当期純損失)となりました。
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルスの影響はワクチン接種が進行しているものの新たな変異株による感染再拡大が繰り返されており、また不安定な海外情勢や急激な為替変動におきましても今なお続いていることから、その影響は翌事業年度を通して続くものと見込んでおります。
このような環境の中、当社はこの度新たに策定いたしました2025年8月期にむけた3ヵ年の新中期経営計画における売上高、営業利益、営業利益率の数値目標を達成するために、新たに掲げた成長戦略、財務戦略及び人事施策の重点施策に取り組み、売上高と収益性の改善を目指してまいります。
次期の見通しにつきましては、売上高52,000百万円、営業利益600百万円、経常利益500百万円、当期純利益100百万円としております。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、8,218百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。なお、前事業年度(2020年9月1日~2021年8月31日)は連結財務諸表を作成しており、キャッシュ・フロー計算書を作成していないため、キャッシュ・フロー計算書に係る比較情報は記載しておりません。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は682百万円となりました。これは主に、税引前当期純損失432百万円を計上し、売上債権が356百万円増加したものの、減価償却費721百万円、減損損失571百万円を計上したこと、棚卸資産が604百万円減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は287百万円となりました。これは主に、新規出店等に伴う有形固定資産の取得による支出503百万円、敷金及び保証金の差入による支出80百万円があった一方で、退店に伴う敷金及び保証金の回収による収入589百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は1,669百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出2,730百万円、短期借入金の純減額2,260百万円があった一方で、長期借入れによる収入5,350百万円、自己株式の売却による収入1,434百万円があったことによるものであります。
③商品仕入及び販売の実績
a.商品仕入実績
当事業年度の仕入実績を商品部門別に示すと次のとおりであります。
|
商品部門別 |
仕入高(百万円) |
前期比(%) |
|
ボトムス |
7,751 |
93.5 |
|
カットソー・ニット |
9,177 |
96.9 |
|
シャツ・アウター |
3,339 |
88.9 |
|
その他 |
3,586 |
87.1 |
|
計 |
23,855 |
93.1 |
b.販売実績
当事業年度の販売実績を商品部門別に示すと次のとおりであります。
|
商品部門別 |
売上高(百万円) |
前期比(%) |
|
ボトムス |
16,390 |
97.0 |
|
カットソー・ニット |
17,154 |
97.6 |
|
シャツ・アウター |
7,368 |
100.9 |
|
その他 |
7,314 |
94.4 |
|
計 |
48,229 |
97.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社における経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。この財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (追加情報)(新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積り)」に記載しております。
(商品の評価)
当社は、商品の評価方法は売価還元法によっております。
当社は、商品を8つのシーズン(年間/梅春/春/初夏/盛夏/晩夏/秋/冬)に分けて管理しており、これらのシーズンの中で当期中に販売を終了する「シーズン在庫」と複数シーズン・年度にわたって販売を継続する「継続在庫」とに区分しております。
当社の商品は計画保有数量への調整のため値引販売される場合があります。また、「継続在庫」・「シーズン在庫」は販売期間終了後に在庫が残った場合、在庫数が一定量以下である場合は「持ち越し在庫」として販売可能な売価水準へ引き下げられ値引き販売しております。
値引後の販売価格については過去の実績や当期中の販売実績から見積りが可能なため、期末には当期の販売実績単価を正味売却価額とみなし、売価還元法による在庫原価計上金額が正味売却価額を上回る場合には、正味売却価額までの簿価の切り下げを実施しております。なお、当該見積りは、将来の不確実な経済条件の変動などによって影響を受ける可能性があり、将来の販売実績単価と異なった場合、翌事業年度の財務諸表において、商品の簿価の切下額に重要な影響を与える可能性があります。
(繰延税金資産)
当社は、繰延税金資産について、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号 企業会計基準委員会)に定める「企業の分類に応じた繰延税金資産の回収可能性に関する取扱い」における会社分類を検討し、同指針に定める一時差異のうち、将来減算一時差異に係る繰延税金資産の回収可能性を評価しており、将来における一時差異の解消見込み(以下、「スケジューリング」といいます。)が明確でないと判断された将来減算一時差異に係る繰延税金資産については、回収可能性がないと判断し、評価性引当額を設定して繰延税金資産から控除しております。
会社分類及び繰延税金資産の回収可能性を評価するにあたっては、将来の課税所得を検討しますが、将来、当社を取り巻く経営環境の変化がもたらす課税所得の見込みや会社分類の変更、スケジューリングの変化等により、翌事業年度以降の財務諸表において、認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に影響を及ぼす可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて(資産のグルーピングは、主として店舗単位とし、本社資産等については、独立したキャッシュ・フローを生み出さないことから共用資産としております。)減損損失の認識を判定し、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。なお、資産グループの回収可能価額は正味売却価額と使用価値のいずれか高い価額によっており、正味売却価額は、実質的な処分価値を踏まえ、ゼロとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては事業計画に基づき、慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の経営成績等の状況は、以下のとおりです。なお、経営上の目標達成状況を認識及び分析・検討するに際しては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社は、売上高56,000百万円、営業利益2,300百万円、営業利益率4.1%、ROE8.0%以上を、中期的(2022年9月1日~2025年8月31日)な経営指標としております。
a.売上高及び売上総利益
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(単位:%) |
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9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
1月 |
2月 |
上期計 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
下期計 |
通期計 |
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第43期 |
77.5 |
89.9 |
99.2 |
105.8 |
101.6 |
79.5 |
94.5 |
92.5 |
107.7 |
127.4 |
97.2 |
105.2 |
124.5 |
107.4 |
100.2 |
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第42期 |
94.9 |
109.4 |
85.7 |
83.7 |
76.8 |
93.5 |
89.4 |
123.2 |
341.1 |
132.5 |
64.1 |
89.7 |
76.7 |
107.3 |
96.6 |
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第41期 |
78.6 |
82.7 |
85.4 |
79.9 |
88.1 |
90.0 |
83.5 |
60.9 |
20.4 |
46.9 |
109.8 |
86.3 |
77.0 |
64.4 |
74.6 |
商品の売上動向におきましては、差別化戦略と収益性向上のエンジンとしてPBの強化に取り組みましたが、顧客セグメント毎の最適な品揃えが実現できなかったことで、PBの売上を伸ばすことができませんでした。シーズン別では、秋冬商戦におきましては、前半は季節を通じて気温が高く推移する中、薄手の羽織物などの実需にマッチした商品の品揃えが不足したこともあり、秋物の販売は低調に終わりましたが、後半は年末年始を中心に強い冷え込みが続いたことで、防寒アウターやNBのあったか素材のジーンズなどの冬物の販売は堅調に推移しました。しかしながら、1月中旬以降は、オミクロン株による新型コロナウイルスの感染再拡大が客足に大きく影響し、販売は苦戦いたしました。春夏商戦におきましては、3回目のワクチン接種の進行にあわせて経済活動の制限緩和が徐々に進み、ゴールデンウィークにおいては3年ぶりに行動制限がなくなったこと等から客数が増加し、NBのクール素材のジーンズや、PBの「SALASALA」シリーズを中心に夏物の販売は堅調に推移いたしましたが、ゴールデンウィーク後は、上海のロックダウンの影響により商品の納期遅延が発生したことや実需商品の在庫が不足したことなどにより売上を伸ばすことができませんでした。また、7月から8月においては、新型コロナ第7波の影響に加え、不安定な海外情勢や急激な為替変動などによる相次ぐ物価上昇やガソリン価格高騰の長期化などによる先行き不安がある中、販売は低調に終わりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は48,229百万円(前期比97.4%)となりました。
上記のとおり、売上高が減少となったことに加え、在庫消化のための値引き販売が増加したことや原材料費及び輸送費の高騰や急激な為替変動の影響による商品原価の上昇により、売上総利益23,762百万円(前期比94.6%)となりました。
なお、在庫回転率につきましては、売上に合わせた仕入調整を行ったこと等により、当事業年度末の商品は11,466百万円(前期比604百万円減少)、2.1回転(前期2.1回転)と前年と同水準となりました。
b.営業利益及び経常利益
利益面につきましては、売上高が減少する中、主に販売促進費や賃借料の販管費を抑制したことにより、当事業年度の営業利益は239百万円となりましたが、新規借入に伴う支払利息及び支払手数料の増加により経常利益は7百万円となりました。
c.当期純損失
新型コロナウイルス感染症による時短要請協力金等助成金収入、移転補償金等、特別利益を276百万円計上し、退店店舗及び収益性の厳しい店舗の減損損失、新型コロナウイルス感染症による損失等、特別損失を716百万円計上、また、繰延税金資産521百万円の取崩しを行い、同額を法人税等調整額に計上したことにより、当期純損失1,166百万円となりました。
当社の営業方針としましては、「お客様起点の発想に立った事業活動」を第一に考え、CS活動によるサービス品質の向上と新商品開発に注力し、顧客志向に基づいた経営基盤の構築を早期に目指してまいります。
お客様の多様なニーズの変化にいち早く対応し、当社ならではのブランドミックスの品揃えの最適化を図り、新生活様式を考慮した商品、お客様との接点の強化による集客力向上、見やすい売り場環境を整えていくことで、不安定な経営環境下においても確実に営業利益を計上できる収益体質を構築してまいります。
③資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の運転資金需要の主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また投資資金需要の主なものは、新規出店や改装に係る設備投資等によるものであります。
運転資金及び投資資金については、営業キャッシュ・フローによる充当を基本に、必要に応じて資金調達を実施しております。
なお、当事業年度末における有利子負債の残高は7,679百万円、現金及び現金同等物の残高は8,218百万円となっております。
④経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
特記すべき事項はありません。
特記すべき事項はありません。