当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当事業年度末(2023年8月31日)現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、以下の経営理念「「VISION」「MISSION」「POLICY」を定めています。
・VISION(私たちの目指すべき未来像):
私たちは、ヒトの魅力とモノの魅力で、お客様の期待を超える満足を提供し、お客様に選ばれ、必要とされる企業となる。
・MISSION(私たちの使命):
私たちは、人々の生活を楽しく豊かなものにするため、世代を超え、愛され続けるジーンズの魅力を発信していきます。
・POLICY(私たちの方針):
1.お客様を第一に考え、お客様に喜んでいただける会社を目指します。
2.誠実さと公正さをもって、社会から信頼される会社を目指します。
3.人を育て、人を活かし、働き甲斐のある会社を目指します。
(2)経営環境及び、対処すべき課題と経営戦略
当社は、「顧客満足度NO.1の実現」を掲げ、「お客様起点の発想に立った事業活動」を第一に考え、2025年8月期に向けた3ヵ年の中期経営計画(2022年10月12日公表)に記載の「期待を超える顧客体験の創造」、「ECビジネスの飛躍的拡大」、「デジタルシフトによる事業基盤の強化」を軸とした成長戦略に取り組み、お客様志向に基づいた経営基盤の強化に努めてまいりました。しかしながら、エネルギー価格や原材料価格の高騰、円安の進行による食品等の相次ぐ値上げや不安定な海外情勢の長期化等、依然として先行きの不透明感から慎重な消費行動が続いている状況にある中、PB(プライベートブランド)強化やECビジネスの拡大による増収を目指したものの、魅力的な品揃えが実現できず売上高は業績予想を下回る結果となりました。
今後につきましては、2025年8月期を最終年度とする中期経営計画(2022年10月12日公表)の初年度の目標が大幅未達となったことを踏まえ、この中期経営計画を取り下げ、事業戦略を抜本的に見直し、持続的成長に向けた事業基盤の確立に向けて、新たに2024年8月期を初年度とする3ヵ年の新中期経営計画を策定いたしました。中期経営計画の概要につきましては後記のとおりですが、本計画期間は、当社の「強みの再定義・磨き込み」のフェーズと位置づけ、利益重視への抜本的な転換を図り、売上総利益率の向上と在庫適正化を最優先事項とし、収益性の改善を図り、持続的な収益体質の確立を目指してまいります。
中期経営計画(2024年8月期~2026年8月期)概要
Ⅰ.営業戦略
価値訴求の強化、及び選択と集中による成長チャネルへの戦略的投資によって、収益力強化に取り組む。
1.価値訴求への本格的シフトによる売上総利益率の改善
プロパー消化率の向上
ライトオンの強みを再定義し、提供価値を最大化できる商品構成に見直しするとともに、仕入コントロールの徹底によりプロパー消化率向上を目指す。
①商品構成の見直し
・ジーニングカジュアルの再強化。
・有力NB(ナショナルブランド)との戦略的パートナーシップ強化。
・PB拡大路線から転換し、顧客ニーズと合致するブランド・テイストに絞り込む。
②商品価値の打ち出し強化
・興味・関心の向上を目的としたメディアへの露出拡大。
・店舗や商品の魅力を訴求するための視認性と仕掛けの強化。
③仕入れコントロールと適正在庫への取り組み
・期中発注枠を増やして市場変化に対応。
・期初発注量の抑制と期中の売れ行きを見極めた柔軟な仕入れ体制の実現。
・システム活用による店舗ごとの在庫配分の適正化。
2.成長チャネルへの戦略的投資による売上総利益の伸長
(1)戦略店舗の収益力強化
出店先の規模や集客力をもとに抽出した成長潜在性の高い店舗の収益力強化。
①店舗限定商品の展開
・商圏属性や顧客属性にもとづき、店舗ごとに最適化された商品の導入。
②魅力的な店内環境の構築
・店舗改装やVPゾーン(Visual presentation:店舗のショーウインドウ・ゾーンといったコンセプトを分けた場所)拡充等のVMD(Visual Merchandising)強化を図り、店舗の魅力を深化。
③他ブランド協業などによる集客力の強化
・話題性やデニム商品と親和性のあるブランドのポップアップストアの展開。
・インフルエンサーによる店内イベントの開催。
④店舗利便性の訴求
・豊富な専門知識と経験を持つジーンズソムリエによる上質な接客。
・ボトムスのスピーディーなお直しなど、他社と差別化されたサービスの実施。
(2)自社ECの強化
商品の充実化や自社ECの顧客体験向上、デジタルマーケティングへの取り組みに対する十分な投資の実行によるEC関与売上の成長の実現。
①EC商品の充実化
・EC限定商品の導入。
・お客様の声を収集・分析・活用した品揃えの充実化。
②自社ECの顧客体験向上
・LINE STAFF START(LINE株式会社と株式会社バニッシュ・スタンダードが共同開発した新しいオンライン接客サービス)の拡大。
・AIによるレコメンド機能導入。
・ECサイトのフルリニューアル(2024年秋予定)。
・会員プログラムの刷新。
③デジタルマーケティングの強化
・コンテンツ配信のパーソナライゼーション推進。
・WEB広告の強化。
・CRMによる効果的なクーポン施策の実施。
Ⅱ.財務戦略
1.販管費の削減
不採算店舗の整理、業務効率化による人員の最適配置、固定費の抑制による販管費の削減(2026年8月期の販管費は2023年8月期に対し約22億円の削減計画)。
2.営業利益の黒字化
営業戦略による売上総利益の増加と販管費の抑制によって中期経営計画の初年度からの営業黒字化。
3.利益計画
安定的な収益体質の実現に向けて全力で取り組み、2026年8月期は営業利益8億円、当期純利益3.5億円の達成を目指す。
4.資本の効率化
キャッシュ・フローや運転資本の改善に向け、仕入れコントロールによる在庫水準の適正化を図り、資本効率性を重視したマネジメントの実践。
5.ROE目標値
本計画期間中は早期の当期純利益黒字化と資本効率性の向上に注力。
持続的な企業価値の向上を図り、2030年までにROE8.0%達成。
6.投資
中長期視点で新たな価値を創造するための成長投資を優先し、利益創出基盤を確立する。
〈主な成長投資〉
・リアル店舗の成長に向けた投資(優良立地への出店・移転等)。
・OMO(Online Merges with Offline:ECサイトと実店舗の融合)の推進に向けた投資(次世代型POS導入等)。
・データ活用基盤の整備に向けた投資(全社データ連携による経営管理の高度化等)。
7.株主還元方針
・株主への利益還元を最重要課題の一つとして、早期の復配実現を目指す。
・成長投資、財務状況とキャッシュ・フローなどのバランスを総合的に勘案、利益水準に応じた配当を実施。
・配当性向30%を目安として安定的かつ継続的な株主還元の実施。
Ⅲ.人事戦略
経営指標の達成に向けて、継続的に人的資本の充実を図り、持続的な企業価値の向上につなげる。
1.利益志向の企業風土の醸成と組織実行力の強化
(1)利益創出に直結するKPI設定と人事評価制度の見直し
・利益を最重要視するKPI体系を構築
・職階ごとの責任と裁量に沿ったKPI評価の実施
(2)戦略実行力とPDCA体制の強化
・方向性を整合させて、現場の行動レベルまで落とし込んだアクションプランの設定
・経営層と現場が視点をあわせて、実行につなげるPDCA体制の構築
2.従業員一人ひとりが、成長に向けて挑戦ができる環境をつくる
(1)ミッショングレード制度(2022年9月より導入)の浸透
・働き方の多様性を考慮した役割・ポジションの明確化。
(2)成長意欲のある人材への投資
・教育・研修機会の提供充実。
(3)従業員エンゲージメントの向上
・働き甲斐・チャレンジ意欲の向上、達成感の醸成。
3.従業員の多様性を大切にし、心身ともに健康で、豊かな対話のある文化をつくる
(1)ダイバーシティ&インクルージョン
・女性のキャリア開発・生活環境との両立支援、障害者雇用促進
・多様な価値観・考え方を受け入れられる環境づくり
(2)ワークライフバランス
・育児・介護への支援制度拡充
・短時間勤務制度及び有給制度の取得促進。
これらの取り組みにより収益性の改善を図り、持続的な収益体質の確立を目指してまいります。
中期的な経営目標の数値(最終年度である2026年8月期)としましては
・売上高42,000百万円
・営業利益800百万円
・営業利益率1.9%
・ROE2.9%
また中期経営計画(2024年8月期から2026年8月期まで)の初年度である2024年8月期の目標数値は、売上高44,500百万円、営業利益150百万円、経常利益100百万円、当期純損失400百万円としております。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組の状況は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末(2023年8月31日)現在において当社が判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社の企業理念に込められた「人々の生活を楽しく豊かにするために」という想いのもと、当社は地球環境や社会課題への対応を経営方針の最重要事項のひとつとして捉え、以下の「サステナビリティ推進基本方針」を定め、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
サステナビリティ推進基本方針
1. 重要課題を特定して、社会課題の解決に貢献するビジネスの推進
自社のみならず社会にとっても持続可能な成長につながる重要課題を特定し、事業活動を通じて企業価値向上を目指します。
2. 社会との相互信頼づくり
正確で分かりやすい情報開示に努め、ステークホルダーとの建設的な対話を通じて、社会からの期待や要請を受けとめ、それらを実践していくことで信頼される企業を目指します。
3. 環境・人権に配慮し、持続可能な資源利用につながるバリューチェーンの構築
地球環境の保全や人権と労働における基本的権利に配慮した事業活動を推進します。取扱商品のサプライチェーン上の地球環境、及び人権・労働への配慮状況の把握に努め、取引先に当社のサステナビリティに対する考え方への理解と実践を求め、持続可能なバリューチェーンの構築を目指します。
4. サステナビリティ推進に向けた従業員への教育・啓発
「サステナビリティを推進するのは社員一人ひとり」であることから、従業員に対し重要課題に関する意識を醸成するための教育・啓発活動を行います。社員一人ひとりが、本方針に基づき各組織のアクションプランを実行します。
サステナビリティ経営を全社で横断的に推進するため、2021年9月から取締役管理本部長を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」を設置し、重要課題の設定プロセスを経て、(2)戦略に記載の5つの「持続可能な企業活動におけるマテリアリティ」を策定しました。特定したマテリアリティについては5つの部会「環境・資源部会、サプライチェーン部会、働き方部会、お客様部会、ガバナンス部会」を設け、2030年に向けたKGI(ありたい姿)を明確にするとともに年次ごとのKPIを設定し、取組みを推進しております。
サステナビリティ推進委員会は、毎月各部会の施策の進捗状況の確認・協議・決議を行い、その方針や内容を四半期に1度、経営会議にて報告を行い、気候変動等に対する課題に関しての協議と意思決定を行っております。また、半期に1度、取締役会において、「経営会議」及び「サステナビリティ推進委員会」で協議・決議された内容や課題に関して報告し、全社の気候変動等への対応方針及び実行計画等について議論・監督を行っております
(2)戦略
当社におけるサステナビリティ経営の実現に向けて、集中的に経営資源を投下する5つのマテリアリティ(重要課題)を策定しております。各マテリアリティは「5部会」が担当し、各部会が有機的に連携しながら全社横断的に推進しております。
また、当社はサステナビリティ経営を推進するとともに、2022年10月、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明いたしました。気候変動問題をサステナビリティ経営上の重要課題であると捉え、気候変動に伴うリスクや機会は、事業戦略に大きな影響を及ぼすものと認識しております。各マテリアリティの取り組みに加え、TCFD提言に基づき、気候変動への対応に関する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」についての情報開示を推進し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
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担当部会 |
重要課題 |
当社の取り組み |
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環境・資源部会 |
地球環境負荷の軽減 |
・商品供給に伴って発生する環境負荷の低減 ・廃棄物やプラスチックの削減を中心とした再生可能資源の利用 ・業務運営に関わる資源使用の削減 |
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サプライチェーン部会 |
責任ある調達への取り組み |
・環境に配慮した、安心・安全な商品調達 ・商品生産量の適正化による資源使用量の削減 |
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働き方部会 |
個性を活かし、働き甲斐を生む環境づくり |
・機会均等と多様性の推進 ・自分らしさが見つけられ、やりがいを感じる職場環境の実現 ・従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出す、公正な評価・処遇の実現 |
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お客様部会 |
お客様満足追求の取り組み |
・お客様からの声を定性的・定量的にインプットする環境づくり ・お客様からの声を部門横断的に共有・分析する仕組みの構築 ・商品政策・計画・実現へのアウトプットのための体系 |
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ガバナンス部会 |
コーポレートガバナンスの強化と充実 |
・「コーポレートガバナンス・ガイドライン」の定期的な見直し ・ステークホルダーとの適切な協働やその利益の尊重、健全な事業活動倫理を示した「ライトオン行動指針」の実践促進 ・透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みの強化 |
また、「働き方部会」に含む、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりです。
当社は、継続的に成長するうえで、従業員やお客様をはじめとする『人』の支えが最も重要と考えており、経営ビジョンの実現に向けて、eラーニングをはじめ、教育・研修・資格取得機会を提供するなど継続的に人的資本の充実を図り、持続的な企業価値の向上につなげることを人事施策基本方針としております。
2022年9月に改定したミッショングレード制人事制度を有効に活用し、人材育成や配置・登用など、従業員一人ひとりが成長に向けて挑戦ができる環境整備を進めてまいります。
多様性の確保の観点から、女性活躍推進については経営の重要課題のひとつと認識し、当社では店長職以上の女性管理職比率30%以上を維持することを掲げております。
女性のキャリア開発・生活環境との両立支援、障がい者雇用の促進など、多様な価値観・考え方を受け入れられる環境づくりを推進するとともに、育児・介護への支援制度の拡充、短時間勤務制度の周知及び有給取得の促進などワークライフバランスを尊重することで従業員の多様性を大切にし、心身ともに健康で、豊かな対話のある文化をつくることで、企業価値の向上に努めてまいります。
(3)リスク管理
2008年10月から代表取締役社長を委員長とする「リスクコンプライアンス委員会」を設置し、気候変動を含む事業活動に関わるリスクを定期的に洗い出すとともに、毎年重要リスクの評価・選定を行い、経営課題等の検討対象としております。サステナビリティに関するリスクについても統合的なリスク管理体制で管理し、「サステナビリティ推進委員会」、各部門と連携しリスク・機会の識別を行っております。
財務上及び事業戦略上における全社の重要リスクの特定と管理体制の強化をその影響度・頻度などの面から分析・評価を実施しております。また、半期に1度、取締役会への重要リスクの報告を行い、取締役会は、中長期に向けた議論を行い、リスクに関する対応と進捗について、監督・指示を行っております。
(4)指標及び目標
当社は、気候変動におけるCO2排出を重要課題と捉え、2050年カーボンニュートラルの実現を目指し、取り組みの指標としてサプライチェーンにおけるCO2排出量を特定し低減を推進してまいります。また、2050年カーボンニュートラルに向け、2022年を基準年度とした中間目標については今後検討してまいります。
実績(単位:t-CO2)
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サプライチェーン排出量 |
当事業年度実績 |
前事業年度実績 |
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Scope1 |
事業者自らによる温室効果ガスの直接排出 |
550 |
567 |
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Scope2 (マーケット基準) |
他社から供給された、電気、熱、蒸気の仕様に伴う間接排出 |
10,806 |
11,954 |
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Scope2 (ロケーション基準) |
10,518 |
11,585 |
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Scope1+Scope2(マーケット基準) |
11,356 |
12,522 |
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Scope1+Scope2(ロケーション基準) |
11,068 |
12,153 |
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また、当社の人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
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指標 |
目標 (2030年8月31日時点) |
実績 (当事業年度) |
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管理職に占める女性労働者の割合(注)1.2. |
20.0%以上 |
10.9% |
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管理職候補以上の役職者に占める女性労働者の割合 (注)2. |
30.0%以上維持 |
33.0% |
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育児休業取得率 (注)3.4. |
女性 |
80.0%以上 |
91.7% |
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男性 |
30.0%以上 |
7.7% |
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(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.当社における管理職は、ブロック長・リーダー以上としております。当社は女性管理職比率の向上を目指していくために、管理職候補であるエリア長、店長、専門職以上の役職者に占める女性労働者の割合を維持・向上させることを目標として取り組んでおります。
3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
4.正規雇用労働者及び有期労働者のうち契約社員を対象として算出したものであります。
以下に記載する事項は、当社の事業その他のリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、文中における将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当事業年度末(2023年8月31日)現在において当社が判断したものであります。
1.継続企業の前提に関する重要事象等
当社は、当事業年度におきまして新型コロナウイルス感染症による入国規制や行動制限が徐々に緩和され、2023年5月8日には感染症法上の位置づけが5類に移行されたことにより、その影響は限定的となったものの、不安定な海外情勢や円安の進行による食品等の相次ぐ値上げやエネルギー価格高騰による電気料金やガソリン価格高騰の長期化などによる節約志向の高まりから、慎重な消費行動が続く中、PB強化やECビジネスの拡大による増収を目指したものの、魅力的な品揃えが実現できず売上高は減少し、通期での経常損失は1,048百万円、当事業年度末の純資産合計は12,566百万円となっております。
この結果、当社が複数の金融機関と締結しているシンジケートローン契約等に規定する財務制限条項のうち、『各本・中間決算期の末日における当社の単体の貸借対照表上において、純資産の部の金額を、当該決算期の直前の決算期の末日または2019年8月決算期の末日における当社の単体の貸借対照表上において、純資産の部の金額のいずれか大きい方の60%の金額以上に維持すること。』に抵触しました。
これらの状況から、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在しているものと認識しております。
このような状況の下、当社は当該重要事象等を解消するために、2025年8月期を最終年度とする中期経営計画(2022年10月12日公表)の初年度の目標が大幅未達となったことを踏まえ、この中期経営計画を取り下げ、事業戦略を抜本的に見直し、持続的成長に向けた事業基盤の確立に向けて、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営環境及び、対処すべき課題と経営戦略」に記載の新たに策定した2024年8月期を初年度とする3ヵ年の新中期経営計画の重点施策に取り組み、収益性の改善を図り、持続的な収益体質の確立に向けて取り組んでまいります。
資金面では、財務制限条項に抵触しましたが、関係金融機関に対し、期限の利益喪失に関わる条項を適用することなく、当該契約を継続するよう要請し、すべての関係金融機関より、期限の利益喪失に関わる条項を適用しない旨の書面による承諾を得ております。また、主要な株主である有限会社藤原興産より2023年8月31日付で700百万円の資金調達を実行し、当事業年度末において、現金及び現金同等物は3,482百万円となっており当面の運転資金は確保されております。今後も関係金融機関・有限会社藤原興産に対し継続的な支援の要請を行い、必要な運転資金を確保することで財務状況の安定化を図ってまいります。
以上により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在するものの、重要な不確実性は認められないものと判断しております。
2.消費者の嗜好の変化などに伴うリスク
当社が取扱う商品は、ファッショントレンドの変化や消費者の嗜好の変化による影響を受けやすいため、消費者の需要動向にあった商品の仕入れが行われなかった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、お客様の多様なニーズの変化にいち早く対応し、従来の商品計画・発注業務のプロセスを改善、短サイクル型の発注割合をコントロールしながら、当社ならではのブランドミックスの品揃えの最適化を進め、リスクの低減を図ってまいります。
3.気象状況などによるリスク
当社が取扱う商品は、天候の状況により売上が影響を受けやすいため、冷夏暖冬などの天候不順や台風といった予測不能な気象状況が生じた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、近年の地球温暖化により、大型の台風や局地的豪雨等の異常気象の発生頻度が高くなる傾向にありますが、「お客様起点の発想に立った事業活動」を第一に考え、CS活動によるサービス品質の向上と新商品開発に注力し、気象状況の影響を受けにくい強固な経営基盤の構築を目指してまいります。
4.仕入先に関するリスク
当社の仕入先の信用不安や経営環境の悪化、経営破綻などにより、商品の供給が減少した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
ブランドミックスの品揃えの最適化に向け、複数の仕入先との取り組みを強化することでリスクの低減を図ってまいります。
5.店舗賃借に伴うリスク
当社の店舗の大部分は、ディベロッパーや地主から賃借しており、出店にあたり保証金を差し入れております。契約に際しては、相手先の信用状態を判断した上で出店の意思決定をしておりますが、倒産その他賃貸人の信用状態の悪化等の事由により、差し入れた保証金の全部又は一部が回収できなくなる場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、ロードサイド型店舗については、賃貸借期間が10~15年と長期にわたるものが多く、基本的に保証金は契約期間が満了しなければ返金されません。当事業年度末時点における店舗賃貸の敷金及び保証金残高は7,537百万円であり、総資産の27.9%を占めております。
この他、当社のショッピングセンター内の賃借店舗では、毎日の売上金は当該ショッピングセンターのディベロッパー等に預託され、一定期間の後、当社に返還されるまでは、未収入金となります。これについては、預託相手先であるディベロッパー等の倒産等の事由により、全額又は一部が回収できなくなる場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。当事業年度末時点におけるディベロッパー等への預託に係る未収入金残高は144百万円であり、総資産の0.5%を占めております。
また賃借店舗については定期建物賃貸借契約を締結している場合がありますが、借地借家法第38条により契約期間満了後、当社に再契約の意思があったとしても、相手方の意思により再契約ができない可能性があります。この場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
6.出退店及び固定資産に関するリスク
出店については、集客の見込めるショッピングセンターへの出店が大部分を占めております。当該ショッピングセンターの出店計画が変更になった場合、当社の出店計画に影響を及ぼすことがあります。ショッピングセンターへのテナント出店は、契約期間が短く、退店が容易である反面、テナント間の出店競争により、賃料が上がる可能性があります。またディベロッパーによるテナントの区画移動計画により、営業店舗の移動が発生した場合、固定資産除却損等の一時費用が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
退店については、スクラップ&ビルド等によって業績への影響を小さくするようにしておりますが、退店を意思決定した場合、または営業活動から生ずる損益が継続してマイナスの店舗においては減損損失が発生し、退店時には店舗閉鎖損失が発生する場合があります。この場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
7.顧客情報の流出に関するリスク
当社は、お客様から得た個人情報に関しては漏洩が生じないように万全の対策を講じており、従業員への徹底も研修等にて行っておりますが、何らかの事情により、お客様の個人情報が漏洩した場合は、信頼の毀損により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
万一それら情報が外部に漏洩した場合は、対策委員会を立ち上げ、原因追及と再発防止策の構築に取り組みます。また第三者機関と連携し、弊社セキュリティ体制の評価を行うなど、より実効的な再発防止策を講じます。
8.業態開発に伴うリスク
当社は、業容拡大のため積極的に業態開発を進めておりますが、市場環境の変化や、顧客への浸透が想定通りに進捗せず、計画していた売上を見込めない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
9.パートタイム従業員に係る費用の増加リスク
当社は、多数のパートタイム従業員を雇用しております。パートタイム従業員は当社の従業員に占める比率が高いため、種々の要因によりパートタイム従業員に係る費用が増加した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
10.災害等に伴うリスク
当社は、日本国内に店舗を有しており、大規模な地震、台風、洪水などの自然災害、事故、火災、テロ、感染症などの災害等が発生した場合、店舗運営や商品供給等に支障をきたし、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお新型コロナウイルス感染症は入国規制や行動制限の緩和及び第5類に移行することなどにより、当該感染症による影響は限定的となり、今後も経済活動は徐々に回復に向かうことが期待されますが、今後の感染状況や経済への影響に重要な変化が発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
11.財務制限条項
当社の一部の借入金には財務制限条項が付されております。
(1)各本・中間決算期の末日における当社の単体の貸借対照表において、純資産の部の金額を、当該決算期の直前の決算期の末日または2019年8月決算期の末日における当社の単体の貸借対照表における純資産の部の金額のいずれか大きい方の60%の金額以上に維持すること。
(2)各本・中間決算期の末日における当社の単体の損益計算書上において、2半期(各本・中間決算期毎に1半期として計算する。)連続して経常損失を計上しないこと。
当該条項に抵触した場合には、当該借入金の期限の利益を喪失し、当社の財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当事業年度において、当社が複数の金融機関と締結しているシンジケートローン契約等に規定する財務制限条項のうち、『各本・中間決算期の末日における当社の単体の貸借対照表上において、純資産の部の金額を、当該決算期の直前の決算期の末日または2019年8月決算期の末日における当社の単体の貸借対照表上において、純資産の部の金額のいずれか大きい方の60%の金額以上に維持すること。』に抵触しております。しかしながら、関係金融機関に対し、期限の利益喪失に関わる条項を適用することなく、当該契約を継続するよう要請し、すべての関係金融機関より、期限の利益喪失に関わる条項を適用しない旨の書面による承諾を得ております。
当社は、お客様の多様なニーズの変化にいち早く対応し、当社ならではのブランドミックスの品揃えの最適化を図り、不安定な経営環境下においても確実に営業利益を計上できる収益体質を構築してまいります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
また、当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
①財政状態及び経営成績等の状況
当事業年度(2022年9月1日~2023年8月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による入国規制や行動制限が徐々に緩和され、2023年5月8日には感染症法上の位置づけが5類に移行されたことにより、社会経済活動の正常化に向けた動きが見られましたが、エネルギー価格や原材料価格の高騰、円安の進行による食品等の相次ぐ値上げや不安定な海外情勢の長期化等、依然として先行きの不透明感から慎重な消費行動が続いている状況にありました。
このような状況の中、当社は「顧客満足度NO.1の実現」を掲げ、お客様起点の発想に立った事業活動を第一に考え、お客様志向に基づいた経営基盤の強化に努めてまいりました。
商品面におきましては、取引先との戦略的パートナーシップによってライトオンならではのNBの品揃えを実現するとともに、PBにおきましては、「ジーニングカジュアル」、「アウトドアカジュアル」、「クリーンカジュアル」の3つのカテゴリー別にターゲットと提供価値を明確にしてブランドポートフォリオを整備し、魅力的なPB開発に取り組んでまいりました。「ジーニングカジュアル」では、着心地や素材の機能性にフォーカスした、お手頃価格のシーズン戦略商品の年間を通じての強化や、本物志向の都会的なアメカジの提案等に取り組んでまいりました。「アウトドアカジュアル」では、タウンユースに取り入れやすいデザイン・カラーの充実や、ライフスタイル雑貨/ギアアイテムの拡大を図るとともに、高機能素材を使用した商品群を導入するなど、付加価値訴求に取り組んでまいりました。また、「クリーンカジュアル」では新たな顧客層へのアプローチとして、当社では手薄だったきれいめシルエットの商品の拡充を行うなど、中期経営計画(2022年10月12日付公表)に掲げた戦略に取り組んでまいりました。また、メンズ・ウイメンズ・キッズを横断して展開する「SALASALA」シリーズ(接触冷感・吸水速乾などの機能を持った商品群)等のシーズン戦略商品の拡充にも取り組み、差別化と収益性向上のエンジンとしてPBの強化を推進してまいりました。
店舗におきましては、商品・マーケティング・店舗運営を横断して、売上状況に応じてスピーディーに店舗演出を担う「三位一体VMDチーム」の新設や外部VMDコンサルティング会社導入によるVMD体制の強化、NPS(Net Promoter Score:顧客ロイヤルティを測る指標)を用いた接客サービス向上の取り組みの継続などリアル店舗の魅力の深化に努めてまいりました。
ECビジネスにおきましては、LINE STAFF STARTを導入したことにより、商品紹介、コーディネート提案やセール情報の発信等の他、店舗スタッフとお客様がオンライン上で繋がることで、1to1で双方向のコミュニケーションも可能となり、オンライン・リアル店舗の両方で充実した接客・購入体験を提供できる環境を整えるなど、店舗スタッフの強みを活かしたOMOを推進し、顧客エンゲージメントの向上に取り組んだ結果、ECの売上向上や店舗スタッフのファン創出に繋がりました。また、2023年4月からはジーンズソムリエ(ジーンズに関するプロフェッショナルを育成するために誕生した「ジーンズソムリエ資格認定制度」の合格者。当社には国内最多数のジーンズソムリエが在籍)資格保有者によるジーンズ選びの悩みを解決する相談サービスを導入するなど、オンラインでのお買物をより快適に楽しんでいただける新たな取り組みも進めてまいりました。その他、LINE配信件数の増加やWEB広告の見直しによるデジタル広告宣伝の強化、人気インフルエンサーとのコラボ商品の開発やイベント開催、WEBメディア「LIFE STYLE magazine」の開設による情報発信等によって潜在顧客の発掘、新規顧客の獲得及び既存顧客のリピート率向上を目指してまいりました。
店舗展開におきましては、4店舗の出店と25店舗の退店により、当事業年度末の店舗数は373店舗となりました。
サステナビリティへの取組みといたしましては、アウトドアブランド「CAMP7」の商品にリサイクルコットンや海洋プラスチックを素材として用いるなど自然環境の保護を意識した商品開発を行ってまいりました。
また、不要になったジーンズを回収し、新しいデニム製品の原料の一部としてリサイクルする「つなごう 藍い糸プロジェクト」活動など、ジーンズを中核アイテムとして販売する企業として、循環型社会の形成に貢献する取り組みを推進し、多くのお客様から共感と好評をいただきました。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態の状況
資産
当事業年度末における総資産は、27,002百万円となりました。
流動資産は、前事業年度末に比べて5,638百万円減少し、15,773百万円となりました。これは主に現金及び預金が4,736百万円、商品が987百万円それぞれ減少し、売掛金が45百万円増加したことによるものであります。
固定資産は、前事業年度末に比べて1,399百万円減少し、11,228百万円となりました。これは主に有形固定資産が904百万円、無形固定資産が57百万円、投資その他の資産が437百万円それぞれ減少したことによるものであります。
負債
当事業年度末における負債合計は、14,435百万円となりました。
流動負債は、前事業年度末に比べて2,517百万円減少し、10,876百万円となりました。これは主に短期借入金が725百万円、買掛金が1,163百万円、電子記録債務が691百万円それぞれ減少したことによるものであります。
固定負債は、前事業年度末に比べて2,050百万円減少し、3,558百万円となりました。これは主に長期借入金が1,788百万円減少したことによるものであります。
純資産
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べて2,469百万円減少し、12,566百万円となりました。これは主に当期純損失を2,545百万円を計上したことによるものであり、総資産に占める己資本比率は46.3%となりました。
b.経営成績の状況
商品の売上動向におきましては、消費マインド持ち直しの期待から、PB強化やECビジネスの拡大による増収を目指したものの、魅力的な品揃えが実現できず売上高は苦戦いたしました。シーズン別では秋冬商戦におきましては、年末以降は気温低下とともに冬物需要が本格化し、防寒衣料のセール販売は好調に推移いたしましたが、シーズン前半は、気温が高く推移したことから冬物全体の出足は鈍く、特に防寒アウターの販売が大きく落ち込みました。また、ボトムスやスウェットなどの定番商品が値上げの影響もあり苦戦したため、前年と比べセール売上比率が高くなり客単価が下落するなど売上は低調に推移いたしました。春夏商戦におきましては、気温が早くから上昇したこともあり、スウェットや薄手のアウターなどの春物が苦戦し、また、夏物も主力の清涼素材PB商品の販売が振るいませんでした。
以上の結果、当事業年度の売上高は前期比2.7%減の46,926百万円となりました。
部門別売上高といたしましては、ボトムス部門16,252百万円(前期比0.8%減)、カットソー・ニット部門15,824百万円(前期比7.8%減)、シャツ・アウター部門7,367百万円(前期比0.0%減)となりました。
利益面につきましては、売上高の減少及び値引き販売の大幅な増加によって、売上総利益は減少いたしました。売上高、売上総利益ともに減少した中、デジタル広告宣伝の強化による販売促進費の増額等が影響し、販売費及び一般管理費は前期と同水準となり、この結果、営業損失922百万円(前期は営業利益239百万円)、経常損失1,048百万円(前期は経常利益7百万円)を計上いたしました。
最終損益につきましては、新型コロナウイルス感染症に関連する雇用調整助成金収入、移転補償金、台湾子会社の清算結了による子会社清算益等、特別利益を47百万円計上し、退店を決定した店舗及び収益性の厳しい店舗の減損損失等、特別損失を1,360百万円計上したことにより、当期純損失は2,545百万円(前期は1,166百万円の当期純損失)となりました。
今後の見通しにつきましては、エネルギー価格や原材料価格の高騰、円安の進行による食品等の相次ぐ値上げや不安定な海外情勢の長期化等、依然として先行きの不透明感から慎重な消費行動が今なお続いている状況にあり、その影響は翌事業年度を通して続くものと見込んでおります。
このような環境の中、当社は2025年8月期を最終年度とする中期経営計画(2022年10月12日公表)の初年度の目標が大幅未達となったことを踏まえ、この中期経営計画を取り下げ、事業戦略を抜本的に見直し、持続的成長に向けた事業基盤の確立に向けて、新たに2024年8月期を初年度とする3ヵ年の新中期経営計画を策定いたしました。中期経営計画の概要につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営環境及び、対処すべき課題と経営戦略」に記載のとおりですが、本計画期間は、当社の「強みの再定義・磨き込み」のフェーズと位置づけ、利益重視への抜本的な転換を図り、売上総利益率の向上と在庫適正化を最優先事項とし、収益性の改善を図り、持続的な収益体質の確立を目指してまいります。
中期経営計画の初年度にあたる次期の見通しにつきましては、売上高44,500百万円、営業利益150百万円、経常利益100百万円、当期純損失400百万円としております。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、3,482百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は1,719百万円となりました。これは主に、税引前当期純損失2,361百万円の計上に対し、減価償却費695百万円、減損損失1,198百万円の計上及び棚卸資産が987百万円減少した一方、仕入債務が1,848百万円減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は460百万円となりました。これは主に、退店に伴う敷金及び保証金の回収による収入407百万円があった一方で、新規出店等に伴う有形固定資産の取得による支出446百万円、無形固定資産の取得による支出148百万円、敷金及び保証金の差入による支出41百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は2,556百万円となりました。これは主に、短期借入金の純減額725百万円及び長期借入金の返済による支出1,808百万円があったことによるものであります。
③商品仕入及び販売の実績
a.商品仕入実績
当事業年度の仕入実績を商品部門別に示すと次のとおりであります。
|
商品部門別 |
仕入高(百万円) |
前期比(%) |
|
ボトムス |
7,616 |
98.3 |
|
カットソー・ニット |
8,288 |
90.3 |
|
シャツ・アウター |
3,935 |
117.8 |
|
その他 |
3,549 |
99.0 |
|
計 |
23,389 |
98.1 |
b.販売実績
当事業年度の販売実績を商品部門別に示すと次のとおりであります。
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商品部門別 |
売上高(百万円) |
前期比(%) |
|
ボトムス |
16,252 |
99.2 |
|
カットソー・ニット |
15,824 |
92.2 |
|
シャツ・アウター |
7,367 |
100.0 |
|
その他 |
7,481 |
102.2 |
|
計 |
46,926 |
97.3 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社における経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。この財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (追加情報)(新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積り)」に記載しております。
(商品の評価)
当社は、商品の評価方法は売価還元法によっております。
当社は、商品を8つのシーズン(年間/梅春/春/初夏/盛夏/晩夏/秋/冬)に分けて管理しており、これらのシーズンの中で当期中に販売を終了する「シーズン在庫」と複数シーズン・年度にわたって販売を継続する「継続在庫」とに区分しております。
当社の商品は計画保有数量への調整のため値引販売される場合があります。また、「継続在庫」・「シーズン在庫」は販売期間終了後に在庫が残った場合、在庫数が一定量以下である場合は「持ち越し在庫」として販売可能な売価水準へ引き下げられ値引き販売しております。
値引後の販売価格については過去の実績や当期中の販売実績から見積りが可能なため、期末には当期の販売実績単価を正味売却価額とみなし、売価還元法による在庫原価計上金額が正味売却価額を上回る場合には、正味売却価額までの簿価の切り下げを実施しております。なお、当該見積りは、将来の不確実な経済条件の変動などによって影響を受ける可能性があり、将来の販売実績単価と異なった場合、翌事業年度の財務諸表において、商品の簿価の切下額に重要な影響を与える可能性があります。
(繰延税金資産)
当社は、繰延税金資産について、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号 企業会計基準委員会)に定める「企業の分類に応じた繰延税金資産の回収可能性に関する取扱い」における会社分類を検討し、同指針に定める一時差異のうち、将来減算一時差異に係る繰延税金資産の回収可能性を評価しており、将来における一時差異の解消見込み(以下、「スケジューリング」といいます。)が明確でないと判断された将来減算一時差異に係る繰延税金資産については、回収可能性がないと判断し、評価性引当額を設定して繰延税金資産から控除しております。
会社分類及び繰延税金資産の回収可能性を評価するにあたっては、将来の課税所得を検討しますが、将来、当社を取り巻く経営環境の変化がもたらす課税所得の見込みや会社分類の変更、スケジューリングの変化等により、翌事業年度以降の財務諸表において、認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に影響を及ぼす可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて(資産のグルーピングは、主として店舗単位とし、本社資産等については、独立したキャッシュ・フローを生み出さないことから共用資産としております。)減損損失の認識を判定し、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。なお、資産グループの回収可能価額は正味売却価額と使用価値のいずれか高い価額によっており、正味売却価額は、実質的な処分価値を踏まえ、ゼロとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては事業計画に基づき、慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の経営成績等の状況は、以下のとおりです。なお、経営上の目標達成状況を認識及び分析・検討するに際しては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社は、売上高42,000百万円、営業利益800百万円、営業利益率1.9%、ROE2.9%を、中期的(2024年8月期~2026年8月期)な経営指標としております。
a.売上高及び売上総利益
|
(単位:%) |
|
|
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
1月 |
2月 |
上期計 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
下期計 |
通期計 |
|
第44期 |
105.7 |
103.3 |
89.5 |
97.8 |
102.9 |
113.2 |
100.1 |
98.5 |
96.0 |
96.6 |
97.7 |
108.0 |
100.6 |
99.4 |
99.8 |
|
第43期 |
77.5 |
89.9 |
99.2 |
105.8 |
101.6 |
79.5 |
94.5 |
92.5 |
107.7 |
127.4 |
97.2 |
105.2 |
124.5 |
107.4 |
100.2 |
|
第42期 |
94.9 |
109.4 |
85.7 |
83.7 |
76.8 |
93.5 |
89.4 |
123.2 |
341.1 |
132.5 |
64.1 |
89.7 |
76.7 |
107.3 |
96.6 |
商品の売上動向におきましては、消費マインド持ち直しの期待から、PB強化やECビジネスの拡大による増収を目指したものの、魅力的な品揃えが実現できず売上高は苦戦いたしました。シーズン別では秋冬商戦におきましては、年末以降は気温低下とともに冬物需要が本格化し、防寒衣料のセール販売は好調に推移いたしましたが、シーズン前半は、気温が高く推移したことから冬物全体の出足は鈍く、特に防寒アウターの販売が大きく落ち込みました。また、ボトムスやスウェットなどの定番商品が値上げの影響もあり苦戦したため、前年と比べセール売上比率が高くなり客単価が下落するなど売上は低調に推移いたしました。春夏商戦におきましては、気温が早くから上昇したこともあり、スウェットや薄手のアウターなどの春物が苦戦し、また、夏物も主力の清涼素材PB商品の販売が振るいませんでした。
以上の結果、当事業年度の売上高は前期比2.7%減の46,926百万円となりました。
上記のとおり、売上高が減少となったことに加え、在庫消化のための値引き販売が増加したことにより、売上総利益22,570百万円(前期比95.0%)となりました。
なお、在庫回転率につきましては、在庫消化を積極的に進めたこと等により、当事業年度末の商品は10,479百万円(前期比987百万円減少)、2.2回転(前期2.1回転)と前年から改善となりました。
b.営業利益及び経常利益
利益面につきましては、売上高、売上総利益ともに減少した中、デジタル広告宣伝の強化による販売促進費の増加等が影響し、販売費及び一般管理費は前期と同水準となり、当事業年度の営業損失は922百万円となり、借入金の返済に伴う支払利息等より、経常損失は1,048百万円となりました。
c.当期純損失
新型コロナウイルス感染症に関連する雇用調整助成金収入、移転補償金、台湾子会社の清算結了による子会社清算益等、特別利益を47百万円計上し、閉店を決定した店舗及び収益性の厳しい店舗の減損損失等、特別損失を1,360百万円計上したことにより、当期純損失2,545百万円となりました。
当社の営業方針としましては、「お客様起点の発想に立った事業活動」を第一に考え、CS活動によるサービス品質の向上と新商品開発に注力し、顧客志向に基づいた経営基盤の構築を早期に目指してまいります。
お客様の多様なニーズの変化にいち早く対応し、当社ならではのブランドミックスの品揃えの最適化を図り、新生活様式を考慮した商品、お客様との接点の強化による集客力向上、見やすい売り場環境を整えていくことで、不安定な経営環境下においても確実に営業利益を計上できる収益体質を構築してまいります。
③資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の運転資金需要の主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また投資資金需要の主なものは、新規出店や改装に係る設備投資等によるものであります。
運転資金及び投資資金については、営業キャッシュ・フローによる充当を基本に、必要に応じて資金調達を実施しております。
なお、当事業年度末における有利子負債の残高は5,149百万円、現金及び現金同等物の残高は3,482百万円となっております。
④経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
特記すべき事項はありません。
特記すべき事項はありません。