第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度における我が国経済は、一部に景気の弱さが見られるものの、雇用・所得環境の改善等により緩やかな回復基調が続いており、個人消費は総じて底堅い動きとなっております。

世界経済では、欧米が雇用・所得環境の改善や家計の可処分所得の増加により、個人消費を中心として堅調に維持している一方で、アジアでは中国をはじめとした景気下振れの影響により先行き不透明な状況が続いております。

このような状況の中、当社グループ(当社、連結子会社)は、「『感じ良いくらし』を実現する企業」として、『ムダをなくす取組み(廃棄物削減)』『天然資源の保全』『安心・安全への配慮』『絆を大切にする活動』『温暖化への配慮』といったテーマを軸に、より良い商品の開発、店舗数の拡大に努めてまいりました。

 

 

当連結会計年度における当社グループの業績については、下記のとおりであります。

 

営業収益   3,075億32百万円(前年同期比 18.2%増)

売上高    3,071億99百万円(前年同期比 18.3%増)

営業利益    344億39百万円(前年同期比 44.4%増)

経常利益    327億00百万円(前年同期比 22.9%増)

当期純利益   217億18百万円(前年同期比 30.6%増)

 

(当連結会計年度におけるセグメント別の概況)

当連結会計年度における当社グループのセグメント別業績は、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期 の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

① 国内事業

国内事業の当連結会計年度の営業収益は1,984億49百万円(前年同期比8.6%増)、セグメント利益は170億62百万円(前年同期比16.0%増)となりました。

国内事業のうち、直営店の売上高は前期に比べ11.1%増加したことに加え、ネットストアの売上高が前期に比べ18.1%の増加となり、高い伸びを示しました。

代表的な商品として、衣服・雑貨では『綿』、特に「オーガニックコットン」をテーマとして、シャツ、カットソーやデニムシリーズ商品などが好調に推移いたしました。

生活雑貨では「収納」をテーマとした各種収納用品や、「体にフィットするソファ」「超音波うるおいアロマディフューザー」、さらにスキンケアシリーズ商品が売上高伸長に大きく貢献いたしました。

また、食品では「カレーなる無印良品」をテーマとして、カレー関連商品が売上高を牽引いたしました。

 

 

② 東アジア地域事業

東アジア地域事業の当連結会計年度の営業収益は830億45百万円(前年同期比47.2%増)、セグメント利益は172億61百万円(前年同期比104.7%増)となりました。

中国では前期に引き続き、順調に出店を加速し売上高は大きく伸長いたしました。2015年12月には840坪の中国最大店舗である「無印良品 上海淮海755」をオープンし、大きく売上高を伸ばしております。

また、台湾や香港でも今後のさらなる成長に向けて既存店のリニューアルを実施するとともに、積極的な効率化や改善を行うことにより差益率が大幅に改善し、利益が増加いたしました。

 

 

③ 欧米地域事業

欧米地域事業の当連結会計年度の営業収益は171億24百万円(前年同期比15.2%増)、セグメント損失は4億14百万円(前年同期に比べ5億6百万円の減少)となりました。

欧州では、「MUJI MUNICH」(ドイツ)、「MUJI TOTTENHAM COURT ROAD」(イギリス)を改装し、売上高は順調に回復しております。同時多発テロ発生など厳しい状況が続くフランスですが、「MUJI FRANCS BOURGEOIS」を改装し、再建計画は着実に進んでおります。

また、米国では2015年11月に新規出店した「MUJI FIFTH AVENUE」が順調に売上を伸ばしているとともに、カナダにおいても売上高、利益それぞれが順調に推移しております。

 

④ 西南アジア・オセアニア地域事業

西南アジア・オセアニア地域事業の当連結会計年度の営業収益は89億11百万円(前年同期比42.5%増)、セグメント利益は1億95百万円(前年同期比115.4%増)となりました。

各国において自動補充による在庫の確保や業務効率化、またオペレーションの標準化などさまざまな営業上の改善に取り組んでまいりました。

タイやシンガポールでは新規出店や既存店改装にとどまらず、営業力の強化を図るとともに、値下げ販売の抑制による差益率改善や在庫コントロールの安定化も進み、さらに経営の安定化が進んでおります。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動及び新規出店等による投資活動、並びに財務活動を行った結果、当連結会計年度末の資金残高は、前連結会計年度末に比べ105億86百万円増加し410億50百万円となりました。

 

[営業活動によるキャッシュ・フロー]

営業活動で得られた資金は、261億33百万円(前年同期比115億14百万円増)となりました。
  これは主に、たな卸資産の増加62億6百万円、法人税等の支払100億41百万円によるものであります。

 

[投資活動によるキャッシュ・フロー]

投資活動の結果使用した資金は、86億47百万円(前年同期比135億46百万円減)となりました。
  これは主に、店舗等の固定資産の取得による支出75億27百万円、店舗出店による敷金等の支出13億90百万円、ソフトウエア投資等の無形固定資産の取得による支出22億24百万円及び投資有価証券売却による収入25億16百万円によるものであります。

 

[財務活動によるキャッシュ・フロー]

財務活動の結果使用した資金は、65億20百万円(前年同期は113億77百万円の収入)となりました。
  これは主に、配当金の支払57億17百万円によるものであります。

2【生産、受注及び販売の状況】

  (1)販売実績

当連結会計年度における販売実績(売上高)をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

売上高(百万円)

前期比(%)

国内事業

198,168

109.0

東アジア地域事業

中国

49,867

163.0

香港

13,943

128.4

台湾

13,335

125.8

韓国

6,028

124.9

小計

83,175

146.2

欧米地域事業

イギリス

4,959

107.3

アメリカ合衆国

4,651

143.8

フランス

3,055

94.8

ドイツ

1,985

103.3

イタリア

1,646

102.3

カナダ

721

675.8

小計

17,019

115.6

西南アジア・オセアニア地域事業

シンガポール

3,616

130.0

タイ

1,913

129.1

オーストラリア

1,302

260.7

マレーシア

896

155.1

その他

1,106

123.6

小計

8,835

141.7

合計

307,199

118.3

(注)1.上記の金額には、消費税及び地方消費税は含まれておりません。

   2.上記の金額は、売上高の金額であり、営業収入は含まれておりません。

   3.売上高の商品別の構成は次のとおりであります。

商品別

売上高(百万円)

前期比(%)

衣服・雑貨

116,468

120.1

生活雑貨

162,066

119.3

食品

18,518

109.3

その他

10,144

102.9

合計

307,199

118.3

     (注)1.上記の金額には、消費税及び地方消費税は含まれておりません。

        2.上記の金額は、売上高の金額であり、営業収入は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

当社グループは、世界の人々に「感じ良いくらし」を提案し、「商い」を通じて社会に貢献したいと考えております。当社グループにおける商品開発の原点は、生活の基本となる、本当に必要なものを、本当に必要なかたちでつくること。素材を見直し、生産工程の手間を省き、包装を簡略にすることで、シンプルで美しい、環境に配慮した商品を世に送り出してまいりました。

昨今の様々な自然災害や環境問題を目の当たりにし、省資源・省エネルギーを意識した消費行動が着実に主流になってきております。私たちは「社会にとって良いことを行う企業」を目指し、独自の思想から「良い商品」「良い環境」「良い情報」をより一層磨きあげ、企業価値の向上に向け、以下の課題に取り組んでまいります。

 

① 商品開発による既存店の成長

上質素材をシンプルに仕立て手頃な価格で提供する「こだわりたいね」、使用頻度の高い実用品を低価格・適正品質で提供する「ずっと良い値」、この2つの側面から商品開発を進め、商品の独自性と収益力を向上させてまいります。暮らしに根ざしたマーケティング活動を行う一方、調達・物流改善を続けることで競争力のある価格を実現します。

② 売場改革による既存店の成長

既存店の収益力を高めていくために、業務の標準化を中心とした店舗オペレーションの効率化と、既存店のスクラップ&ビルドを進めてまいります。短期間で投資回収を終える事業モデルに磨きをかけ、店舗を活性化させる改善投資の実施により、既存店の成長を高めてまいります。

③ 海外事業のさらなる成長

成長著しい東アジア地域事業が牽引し、海外事業売上高は1,000億円を達成いたしました。無印良品のブランドコンセプトを体現する、商品・店舗環境・情報発信のクオリティを高め、生活者の共感を獲得する活動を世界規模で進めてまいります。

その上で、グローバル視点による効率的な調達構造を進化させ、お求めやすい価格を実現することでさらなる成長を遂げてまいります。

④ 業務標準化の深耕による風土改革

全社横断での企業風土改革活動の柱として、業務標準化活動、人材育成活動を行っております。これらの活動を通じて、企業の社会的責任であるコンプライアンス(法令等遵守)の徹底を行ってまいります。

 

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年5月26日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経済状況、消費動向について

当社グループは、衣服・雑貨、生活雑貨、食品等のオリジナル商品を通してライフスタイルを提案する事業を営んでおり、国内、海外各国における気候状況、景気後退、及び海外での治安悪化及びそれに伴う消費縮小は当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2) 海外の事業展開について

当社グループは、ヨーロッパ地域においてイギリス、フランス、スウェーデン、ノルウェー、イタリア、ドイツ、アイルランド、スペイン、トルコ、ポーランド、ポルトガル、アジア地域において、香港、シンガポール、韓国、台湾、中国、タイ、インドネシア、フィリピン、マレーシア、クウェート、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、オーストラリア、北米地域においてアメリカ合衆国、カナダでの子会社または合弁会社による店舗展開、または現地有力企業への商品供給による事業ならびに現地における商品調達を行っております。

これらの海外における事業展開には、以下のようないくつかのリスクが内在しております。

① 予期しない法律または規制の変更、強化

② 為替レートの変動

③ 不利な政治または経済要因

④ 税制または税率の変更

⑤ テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等

万一、上記のような事象が発生した場合、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3) 新規事業について

当社グループは、住宅事業や流通加工等の小売以外の事業を展開しております。これらの事業は、多くの技術課題を解決し、販売拡大の手法を構築することが重要であります。これらの事業は不確定要因が多く、事業計画どおり達成できなかった場合は、それまでの投資負担が、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4) 災害等について

当社グループは、国内外に店舗、物流センター等を保有しており、地震、暴風雨、洪水その他の自然災害、事故、火災、テロ、戦争その他の人災等が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5) 個人情報の管理について

当社グループは、営業取引、インターネット取引等により、相当数の個人情報を保有しております。これらの個人情報の管理は社内管理体制を整備し、厳重に行っておりますが、万一個人情報が外部へ漏洩するような事態となった場合は、社会的信用の失墜による売上の減少、または損害賠償による費用の発生等が考えられ、その場合には当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。

6【研究開発活動】

当社グループの自社ブランド商品「無印良品」の生活者のニーズへの対応と新規需要開拓のために、常に最新の商品情報を収集し、新商品開発、既存商品の見直し、生産技術向上のために、意欲的な商品研究開発活動を進めております。

商品調達部門である衣服・雑貨部、生活雑貨部及び食品部において商品企画開発を進めております。また、衣服・雑貨部及び生活雑貨部内に企画デザイン室を設置し、更なる商品開発の強化を図っています。当社グループは、当社独自の仕様を作成し、ヨーロッパ・中国・インドをはじめ、海外各地で素材から商品開発を進めております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は7億64百万円であります。

なお、当社グループにおける研究開発活動は概ね全セグメント区分に共通する「無印良品」の開発を目的としておりますので、セグメント別の記載は行っておりません。

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。

詳細につきましては、「第5 経理の状況  1.連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

① 売上高及び営業総利益

当連結会計年度の売上高につきましては、前連結会計年度に比べて、475億43百万円増(前期比18.3%増)の3,071億99百万円となりました。セグメント別売上高の詳細については、「1 業績等の概要  (1)業績」に記載しております。

売上高が増加した主な要因は、国内における無印良品店舗の増加(13店舗)及びネットストアの伸張等に加えて、海外における無印良品店舗の増加(43店舗)によるものです。

また、営業総利益は、前連結会計年度に比べて276億20百万円増加し1,504億51百万円となりました。売上高に対する比率は49.0%となり、前連結会計年度より1.7ポイント増加いたしました。

② 販売費及び一般管理費及び営業利益

当連結会計年度の販売費及び一般管理費につきましては、前連結会計年度に比べて170億28百万円増(前期比17.2%増)の1,160億12百万円となりました。売上高に対する比率は37.8%となり、前連結会計年度より0.4ポイント減少いたしました。

この結果、営業利益は前連結会計年度に比べて105億92百万円増加し、344億39百万円となりました。売上高に対する比率は11.2%となり、前連結会計年度より2.0ポイント増加いたしました。

③ 営業外損益及び経常利益

当連結会計年度の営業外収益につきましては、前連結会計年度に比べて17億79百万円減少し、10億75百万円となりました。為替差益が前連結会計年度に比べて21億74百万円減少したことが主な要因です。また、営業外費用につきましては、27億13百万円増加し28億13百万円となりました。

この結果、経常利益は前連結会計年度に比べて60億98百万円増加し、327億円となりました。売上高に対する比率は10.6%となり、0.4ポイント増加いたしました。

④ 特別損益及び当期純利益

当連結会計年度の特別利益につきましては、前連結会計年度に比べて7億65百万円増加し、12億40百万円となりました。主な要因は、当連結会計年度に投資有価証券を売却したことによるものです。また、特別損失につきましては、1億49百万円減少し、4億33百万円となりました。

この結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べて70億13百万円増加し、335億7百万円となりました。当期純利益は前連結会計年度に比べて50億94百万円増加し、217億18百万円となり、1株当たり当期純利益は前連結会計年度627円54銭から818円44銭に増加いたしました。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析

① 資産、負債及び資本の状況

当連結会計年度末における当社グループの総資産は2,009億19百万円となり、前連結会計年度末と比べ139億72百万円増加いたしました。これは主に、現金及び定期預金の増加106億47百万円、直営店の出店及び改装による有形固定資産の増加24億60百万円、商品の増加49億15百万円、投資有価証券の減少27億13百万円によるものです。

負債は577億46百万円と5億30百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金の増加25億33百万円、短期借入金の減少41億2百万円、買掛金の減少41億79百万円によるものです。

純資産は1,431億73百万円と145億2百万円増加いたしました。主たる増加要因は利益剰余金の増加160億1百万円によるものです。

この結果、連結ベースの自己資本比率は、69.4%となり、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産は前連結会計年度末の4,723円72銭から5,247円93銭に増加いたしました。

② キャッシュ・フローの状況

当社グループの資金の状況につきましては、「1 業績等の概要  (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。