(1)業績
当連結会計年度における我が国経済は、輸出主導の景気拡大が続いており、家計と企業の良好な所得・収益環境
を背景に、個人消費と設備投資が高めの伸びを示しています。
世界経済に目を向けると、米国は堅調な個人消費と設備投資により底堅さが持続しており、欧州はユーロ圏を中
心に堅調に推移しております。また中国は小幅に景気が減速するものの安定成長を維持しています。
このような状況の中、当社グループ(当社、連結子会社、関連会社)は、「『感じ良いくらし』を実現する企業」として、
「素材の選択」「工程の点検」「包装の簡略化」の3つの視点を基本に、生産者や生活者にとって役に立つ商品・
サービスの開発、およびそれらを世界中の人々に提案するための店舗数の拡大に努めてまいりました。
当連結会計年度における当社グループの業績については、下記のとおりであります。
営業収益 3,795億51百万円(前年同期比 13.9%増)
売上高 3,788億1百万円(前年同期比 13.9%増)
営業利益 452億86百万円(前年同期比 18.3%増)
経常利益 459億85百万円(前年同期比 19.2%増)
親会社株主に帰属する当期純利益 301億13百万円(前年同期比 16.6%増)
(当連結会計年度におけるセグメント別の概況)
当連結会計年度における当社グループのセグメント別業績は、次のとおりであります。
① 国内事業
国内事業の当連結会計年度の営業収益は2,347億91百万円(前年同期比8.8%増)、セグメント利益は285億51百万
円(前年同期比30.1%増)となりました。
国内事業のうち、直営店の売上高は前期に比べ11.4%増加となり、高い伸びを示しました。またネットストアの
売上高が前期に比べ3.9%の増加となり、引き続き堅調に推移しています。
衣服・雑貨では紳士ウェアが好調であったことに加えて、仕様を変更いたしましたハードキャリーが売上を大き
く牽引いたしました。
生活雑貨では「脚付マットレス」、「体にフィットするソファ」や化粧水を中心としたスキンケアシリーズやア
ロマ関連商材、基本となる戦略商品であるタオルやスリッパが好調に推移いたしました。
また、食品では「バターチキンカレー」などのレトルトカレーやごはんにかけるシリーズなどの売上が好調でし
た。
② 東アジア事業
東アジア事業の当連結会計年度の営業収益は1,098億3百万円(前年同期比22.4%増)、セグメント利益は168億
61百万円(前年同期比2.5%増)となりました。
中国では引き続き、積極的な出店を行い、当連結会計年度末においては店舗数が229店舗になりました。また、台
湾や韓国、香港においても積極的に新規出店を行い、売上、利益ともに伸長いたしました。
各社とも特に衣服・雑貨の売上が好調に推移いたしました。
③ 欧米事業
欧米事業の当連結会計年度の営業収益は212億25百万円(前年同期比20.6%増)、セグメント損失は8億98百万円
(前年同期に比べ46百万円の損失増加)となりました。
欧州において実施した倉庫移転に伴い発生した一時的な費用が収束したことにより、物流費が削減できました。
また、既存店の売上についても昨年を超える状況が続いており、回復基調が持続しています。
米国においては新規出店や改装店舗のリニューアルオープンが遅延したこと等により、苦戦いたしました。
④ 西南アジア・オセアニア事業
西南アジア・オセアニア事業の当連結会計年度の営業収益は137億29百万円(前年同期33.9%増)、セグメント利
益は1億28百万円(前年同期比7.3%減)となりました。
各国において新規出店や改装を積極的に行い、安定して利益が確保できる構造ができております。シンガポール
においては2017年7月に旗艦店を開店し、集客に大きく貢献しております。
新規国としては、フィリピンにて設立した合弁会社が、2017年4月より無印良品事業を展開しており、順調に推
移しております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動および新規出
店等による投資活動、並びに財務活動を行った結果、当連結会計年度末の資金残高は、前連結会計年度末に比べ
119億41百万円増加し473億29百万円となりました。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動で得られた資金は、469億82百万円(前年同期は197億42百万円の収入)となりました。
これは主に、税引前当期純利益451億63百万円、減価償却費68億72百万円およびソフトウエア投資等償却21億
26百万円によるものであります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動の結果使用した資金は、142億90百万円(前年同期は98億56百万円の支出)となりました。
これは主に、店舗等の有形固定資産の取得による支出94億17百万円、店舗出店による敷金等の支出13億53百
万円、ソフトウエア投資等の無形固定資産の取得による支出32億3百万円および定期預金預入による支出11億
38百万円によるものであります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動の結果使用した資金は、217億59百万円(前年同期は143億61百万円の支出)となりました。
これは主に、配当金の支払83億85百万円、長期借入金の返済による支出79億61百万円によるものでありま
す。
(1)販売実績
当連結会計年度における販売実績(営業収益)をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
営業収益(百万円) |
前期比(%) |
|
|
国内事業 |
234,791 |
108.8 |
|
|
東アジア事業 |
中国 |
67,174 |
122.2 |
|
台湾 |
16,287 |
120.7 |
|
|
香港 |
15,452 |
111.3 |
|
|
韓国 |
10,888 |
147.6 |
|
|
小計 |
109,803 |
122.4 |
|
|
欧米事業 |
アメリカ合衆国 |
6,945 |
127.6 |
|
イギリス |
3,801 |
107.8 |
|
|
フランス |
2,777 |
101.9 |
|
|
カナダ |
2,279 |
209.1 |
|
|
ドイツ |
2,034 |
112.7 |
|
|
イタリア |
1,836 |
108.3 |
|
|
スペイン |
989 |
117.8 |
|
|
ポルトガル |
269 |
141.3 |
|
|
その他 |
292 |
101.7 |
|
|
小計 |
21,225 |
120.6 |
|
|
西南アジア・オセアニア事業 |
シンガポール |
5,012 |
129.1 |
|
タイ |
2,836 |
128.0 |
|
|
オーストラリア |
2,305 |
132.5 |
|
|
マレーシア |
1,557 |
146.7 |
|
|
インド |
452 |
329.3 |
|
|
その他 |
1,564 |
128.4 |
|
|
小計 |
13,729 |
133.9 |
|
|
セグメント計 |
379,549 |
113.9 |
|
|
その他 |
1 |
103.1 |
|
|
合計 |
379,551 |
113.9 |
|
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、グローバル調達事業であります。
2.上記の金額には、消費税及び地方消費税は含まれておりません。
3.営業収益の商品別の構成は次のとおりであります。
|
商品別 |
営業収益(百万円) |
前期比(%) |
|
衣服・雑貨 |
144,004 |
117.5 |
|
生活雑貨 |
198,451 |
112.4 |
|
食品 |
23,954 |
108.8 |
|
その他 |
13,140 |
108.6 |
|
合計 |
379,551 |
113.9 |
(注)上記の金額には、消費税及び地方消費税は含まれておりません。
当社グループは、世界の人々に「感じ良いくらし」を提案し、「商い」を通じて社会に貢献したいと考えております。当社グループにおける商品開発の原点は、生活の基本となる、本当に必要なものを、本当に必要なかたちでつくること。素材を見直し、生産工程の手間を省き、包装を簡略にすることで、シンプルで美しい、環境に配慮した商品を世に送り出してまいりました。
昨今の様々な自然災害や環境問題を目の当たりにし、省資源・省エネルギーを意識した消費行動が着実に主流になってきております。私たちは「社会にとって良いことを行う企業」を目指し、独自の思想から「良い商品」「良い環境」「良い情報」をより一層磨きあげ、企業価値の向上に向け、以下の課題に取り組んでまいります。
① グローバルサプライチェーンマネジメント向上
適時適量の商品仕入れを支えるグローバルサプライチェーンマネジメントを向上させてまいります。そのために、サプライチェーンのPDCAサイクルを循環させながら、常に問題点の改善を進め、グローバル視点による効率的な調達構造を構築してまいります。これにより、独自性のある品揃え及びお求めやすい価格を実現いたします。
② 商品開発力の向上
世界中の地域で信頼され、地域文化に貢献できる品揃えやサービスを、適正価格及び適正品質で提供してまいります。そのために、生活者との双方向のコミュニケーションを重ねながら、毎日のくらしに役立つ日用品の基幹アイテム開発を重点的に行ってまいります。これにより、新たな市場開拓及び店舗大型化を実現いたします。
③ グローバル人材育成
世界中で無印良品の思想を体現及び伝播できる人材を育成してまいります。そのために、管理系のシステム整備、及び業務標準化を進めたコンパクトなグローバル本部を構築し、効率的なトレーニングによって、業務経験及び知識の蓄積が行える環境を整えてまいります。これにより、専門性及び多様性のある人材の活躍を促し、持続的な成長を実現いたします。
④ ステークホルダーの期待に応えるコーポレートガバナンスの実現
各方面のステークホルダーの期待に応えるコーポレートガバナンスを実現してまいります。そのために、理念及びビジョンの趣旨及び精神を踏まえ、自らのガバナンス上の課題の有無を十分に把握した上で、適切に対応してまいります。これにより、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現いたします。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成30年5月24日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経済状況、消費動向について
当社グループは、衣服・雑貨、生活雑貨、食品等のオリジナル商品を通してライフスタイルを提案する事業を営んでおり、国内、海外各国における気候状況、景気後退、及び海外での治安悪化及びそれに伴う消費縮小は当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 海外の事業展開について
当社グループは、ヨーロッパ地域においてイギリス、フランス、スウェーデン、イタリア、ドイツ、アイルランド、スペイン、ポーランド、ポルトガル、アジア・オセアニア地域において、香港、シンガポール、韓国、台湾、中国、タイ、インドネシア、フィリピン、マレーシア、インド、クウェート、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、バーレーン、カタール、オーストラリア、北米地域においてアメリカ合衆国、カナダでの子会社または合弁会社による店舗展開、または現地有力企業への商品供給による事業ならびに現地における商品調達を行っております。
これらの海外における事業展開には、以下のようないくつかのリスクが内在しております。
① 予期しない法律または規制の変更、強化
② 為替レートの変動
③ 不利な政治または経済要因
④ 税制または税率の変更
⑤ テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等
万一、上記のような事象が発生した場合、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 新規事業について
当社グループは、住宅事業や流通加工等の小売以外の事業を展開しております。これらの事業は、多くの技術課題を解決し、販売拡大の手法を構築することが重要であります。これらの事業は不確定要因が多く、事業計画どおり達成できなかった場合は、それまでの投資負担が、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 災害等について
当社グループは、国内外に店舗、物流センター等を保有しており、地震、暴風雨、洪水その他の自然災害、事故、火災、テロ、戦争その他の人災等が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 個人情報の管理について
当社グループは、営業取引、インターネット取引等により、相当数の個人情報を保有しております。これらの個人情報の管理は社内管理体制を整備し、厳重に行っておりますが、万一個人情報が外部へ漏洩するような事態となった場合は、社会的信用の失墜による売上の減少、または損害賠償による費用の発生等が考えられ、その場合には当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。
当社グループの自社ブランド商品「無印良品」の生活者のニーズへの対応と新規需要開拓のために、常に最新の商品情報を収集し、意欲的な商品研究開発活動を進めております。
商品調達部門である衣服・雑貨部、生活雑貨部及び食品部において商品企画開発を進めております。また、衣服・雑貨部及び生活雑貨部内に企画デザイン室を設置し、更なる商品開発の強化を図っています。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は14億35百万円であります。
なお、当社グループにおける研究開発活動は概ね全セグメント区分に共通する「無印良品」の開発を目的としておりますので、セグメント別の記載は行っておりません。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高及び営業総利益
当連結会計年度の売上高につきましては、前連結会計年度に比べて、462億20百万円増(前期比13.9%増)の3,788億1百万円となりました。セグメント別売上高の詳細については、「1 業績等の概要 (1)業績」に記載しております。
売上高が増加した主な要因は、国内における無印良品店舗の増加(10店舗)及びネットストアの伸張等に加えて、海外における無印良品店舗の増加(50店舗)によるものです。
また、営業総利益は、前連結会計年度に比べて259億58百万円増加し1,918億19百万円となりました。売上高に対する比率は50.6%となり、前連結会計年度より0.8ポイント増加いたしました。
② 販売費及び一般管理費及び営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費につきましては、前連結会計年度に比べて189億49百万円増(前期比14.9%増)の1,465億32百万円となりました。売上高に対する比率は38.7%となり、前連結会計年度より0.3ポイント増加いたしました。
この結果、営業利益は前連結会計年度に比べて70億8百万円増加し、452億86百万円となりました。売上高に対する比率は12.0%となり、前連結会計年度より0.4ポイント増加いたしました。
③ 営業外損益及び経常利益
当連結会計年度の営業外収益につきましては、前連結会計年度に比べて289百万円増加し、14億62百万円となりました。受取利息が前連結会計年度に比べて1億60百万円増加したことが主な要因です。また、営業外費用につきましては、1億3百万円減少し7億63百万円となりました。
この結果、経常利益は前連結会計年度に比べて74億2百万円増加し、459億85百万円となりました。売上高に対する比率は12.1%となり、0.5ポイント増加いたしました。
④ 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別利益につきましては、前連結会計年度に比べて6億87百万円減少し、16百万円となりました。主な要因は、前連結会計年度に投資有価証券売却益を6億68百万円計上したことによるものです。また、特別損失につきましては、2億円増加し、8億38百万円となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べて65億13百万円増加し、451億63百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて42億81百万円増加し、301億13百万円となり、1株当たり当期純利益は前連結会計年度974円99銭から1,146円96銭に増加いたしました。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資産、負債及び資本の状況
当連結会計年度末における当社グループの総資産は2,383億13百万円となり、前連結会計年度末に比べ236億7百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金の増加123億19百万円、繰延税金資産の増加18億43百万円、商品の増加17億60百万円、直営店の出店及び改装による有形固定資産の増加26億11百万円、投資有価証券の増加16億8百万円によるものです。
負債は638億86百万円と61億円99百万円増加いたしました。これは主に、未払法人税等の増加34億15百万円、長期借入金の増加16億14百万円、買掛金の増加10億77百万円、繰延税金負債の増加10億4百万円によるものです。
純資産は1,744億26百万円と174億7百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金の増加217億23百万円、自己株式の増加46億52百万円によるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当社グループの資金の状況につきましては、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。