(1)業績
当連結会計年度における国内の経済状況は回復基調であるものの、個人消費が振るわない状態は続いており、景況感が回復しているとまでは言えない状況でした。
当社グループにおきましても回復の兆しがなかなか見えず、国内の主要子会社であります㈱三城におきましては、既存店の改装など積極的に手を打ち始めており、消費税増税後で反動減のあった前年度より既存店は上向くと見込んでおりましたが、全体の底上げには繋がらず想定を下回る結果となりました。
また、不採算店の撤退や統合などの整理を進め、新たなコンセプトでの新規展開を行うなど引き続き店舗の改善を図っており、国内における新規出店は12店舗、退店は36店舗となっております。
また、お客様のさまざまな要望や不安にお応えするために、従来の眼鏡事業における商品開発はもちろん、補聴器など潜在需要が見込まれるシニアマーケットに向けた提案、健康、美容に関する商品の拡充など、豊かな生活の一助となるような新たな事業展開を視野に入れた取り組みも引き続き行ってまいりました。
海外子会社におきましては、東南アジア地域は比較的堅調で利益を確保しております。しかしながら中国法人におきましては、不採算店の整理を進めておりますが、中国国内の景気の伸び悩みや人件費などの高騰で依然厳しい状態が続いており、また韓国法人も同様に厳しい状況が続いております。さらにロンドン法人におきましては、移転費用の増加で営業損益が悪化していることなどもあって、海外法人合計では減収減益となりました。
なお、海外での新たなチャレンジでありますベトナム法人におきましては、発展が目覚しいながらもまだ眼科医療が行き届いておらず困っている方々が多いなか、確実に地域に貢献し、結果が出せる状況になってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度におきましては、売上高53,727百万円(前期比1.1%減)、営業利益269百万円(前期比53.3%増)、経常利益174百万円(前期比72.6%減)、親会社株主に帰属する当期純損失601百万円(前年度は親会社株主に帰属する当期純利益198百万円)となりました。
報告セグメント情報の状況は、次の通りであります。
1)日本
国内の売上高は46,288百万円(前年同期比1.4%減)、セグメント利益596百万円(前年同期比58.9%増)となりました。
2)海外
海外の売上高は7,921百万円(前年同期比2.1%増)、セグメント損失259百万円(前年度はセグメント損失207百万円)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に対して1,075百万円減少し、12,890百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,095百万円(前年度は175百万円の獲得)となりました。これは主に、減価償却費及びその他の償却費1,242百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,360百万円(前年度は2,876百万円の獲得)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入1,567百万円があるものの、投資有価証券の取得による使用が2,360百万円あったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は694百万円(前年度は149百万円の使用)となりました。これは主に、短期及び長期借入金の純増減による収入299百万円があるものの、配当金の支払額926百万円によるものです。
(1)仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
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日本(百万円) |
14,303 |
99.8 |
|
海外(百万円) |
3,418 |
95.7 |
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合計(百万円) |
17,721 |
99.0 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)販売実績
当連結会計年度の商品販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(百万円) |
45,994 |
98.4 |
|
海外(百万円) |
7,733 |
101.5 |
|
合計(百万円) |
53,727 |
98.9 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
(1) 当社グループの現状の認識について
純粋持株会社体制への移行を機に、『最上級の信頼づくり』、『社員の自立』、『他にない創造』を行動指針として掲げ、よりスピーディで適切なお客様への対応、自立型の経営者の創出、さらにこれからの時代の新しい問題を解決する新規事業の創造を推進してまいります。そして世界中のお客様『お一人おひとりにお合わせする』ことを極めながら、さらにその先の驚きと感動を与えることのできる企業として発展していきたいと考えています。
(2) 当面の対処すべき課題の内容と対処方針
会社が対処すべき課題は多岐にわたり、世界的な経済危機や、紛争などの混乱は今後も想定されますが、甚大な被害をもたらす大震災にも備える姿勢と、本当に困った方々へ何ができるかということを常に考えていることが、現在の支援活動にも繋がっていると思います。更に今後も常にお客様の視点に立った姿勢を持ち続けることで、世界中で受け入れられる企業になれると考えています。
『第一にお客様とその未来のために』、『第二に社員とその未来のために』、『第三に企業とその未来のために』という優先順位をしっかり持って、より本質的、長期的、客観的な視点を持ちながら課題の対応に当たってまいりたいと思っております。
さらに、競争力のある企業グループとなるためには、会社組織や本部機能のあり方、販売管理費構造の見直しなど、抜本的な構造改革が課題と認識しており、問題点もより明確になってきていますので、今後も検討を重ね、改善を図ってまいります。
(3) 具体的な取組状況等
まずは選択と集中を行うことで個々の店舗や事業の魅力を向上させるとともに、他にない、新しい、魅力的なサービス、商品、価格、店舗等々を創造しつづけることでお客様のご満足だけでなく、驚きや感動を体験していただきたいと思っております。そして、本当の豊かさの追求とその豊かさについてお客様に提案できる企業グループとなることが経営戦略の根底にあります。
海外におきましては、特にアジア市場は今後最も成長が期待できる市場であり、現在の経済情勢は、そこでの展開を進める大きなチャンスでもあります。世界をリードする欧米の競合他社が苦戦するなか、当社がお客様の支持を得られている市場でもあり、日本ならではのおもてなしの精神と、ハイテク技術を駆使するとともに、お客様に合わせた業態を創造することで新たな市場を創造してまいります。
また、長寿化や環境問題、世界的な格差問題など、人類にとっても新しい、重要な課題に直面するなか、これらの問題解決に役立つ新しいサービスを、われわれ独自の方法で、お一人おひとりにお合わせするこだわりを持って創造していきたいと思っております。そのためには異業種を含めたM&A等の手段やコラボレーションなども積極的にとり行い、メガネに並ぶ新しい柱として成長し、将来株式公開を目指せる多数の企業が出現することを目指してまいります。
以上の実現のためにも、しっかりとした理念を持った、自立した経営者の育成が何よりも重要と考えており、国籍や性別にかかわらず広く人材を登用し、任せていくことで未来を創り上げる人材を育成してまいります。
当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。なお、記載内容のうち将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)経済状況、消費動向について
当社グループの主要市場(主に日本国内、続いて中国、東南アジア、欧州)の政治、経済状況の著しい変化及び主要市場における予想を上回る競争状況の激化、長期化及びこれらに伴う消費縮小は、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)災害等について
当社グループは、国内外に店舗、物流センター等を保有しており、地震、暴風雨、洪水、大津波その他自然災害、事故、火災、テロ、戦争その他の人災等が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)仕入れ調達に関するリスク
主要仕入れ品目である眼鏡フレームの仕入れ先が特定の地域(福井県鯖江市)への依存度が高いため、当社グループでは安定的な調達に努めておりますが、需要の急増や天災地変等により調達に重要な支障をきたした場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)情報システム管理におけるリスク
当社グループは、商品、販売等の情報をコンピュータにより管理しており、システム上のトラブル等、万一の場合に備えて保守・保全の対策を講じるとともに、情報管理体制の徹底に努めております。しかしながら、想定を超えた技術による不正アクセスや予測不能のコンピュータウイルス感染等によって、システム障害や社内情報の漏洩等の被害を被る可能性があり、当社グループの業績や社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
(5)法的規制について
当社グループは、会社法、金融商品取引法、法人税法、薬事法等の一般的な法令に加え、店舗設備、労働、環境等店舗の営業に関わる各種法規制や制度の制限を受けております。これらの法的規制が強化された場合、それに対応するための新たな費用が増加することになり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)個人情報の管理について
当社グループは、営業取引、インターネット取引により、相当数の個人情報を保有しております。これらの個人情報の管理は社内管理体制を整備し、厳重に行っておりますが、万一個人情報が外部へ漏洩するような事態となった場合は、社会的信用の失墜による売上の減少、または損害賠償による費用の発生等が考えられ、その場合には当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、資金調達の機動性及び安定性の確保を目的として、取引銀行1行とグローバル・コミットメントライン契約を締結しております。また、取引銀行5行とコミットメントライン契約を締結しております。なお、当社及び連結子会社に係る貸出コミットメントの総額は12,600百万円、連結会社以外の会社に係る貸出コミットメントの総額は5,000百万円であります。
当社グループは、『「見えにくい」というお客様の問題を解決する』=『お客様お一人おひとりにお合わせする』ことを目的として研究開発を積極的に推進しております。
なお、主な研究開発活動は次のとおりであります。
1.研究開発
(1) 新たなお客様への提案ツールの開発に向けて
お客様への提案ツールとして、アップル社の「iPad」が全社員に配布され、SNSによる社員教育のための情報発信、お客様、社員からの問い合わせに対する問題解決、専門書テキスト、商品紹介をはじめとする様々な提案コンテンツの開発に取り組みつつあります。
また、高齢化における白内障の問題、また紫外線だけではなく有害な光線に対する研究や花粉防止メガネの分析実験など、更なる提案や商品開発につなげるべく、協力いただける機関と共に新たな課題にも取組んでおります。
これからもお客様のご要望やお好みに合わせて、商品やメガネ度数、機能性レンズの提案ができるように、ソフト・ハードの両面から研究開発を続けてまいります。
(2) 快適なメガネが脳活動におよぼす影響についての研究
良いメガネは屈折異常を補正し鮮明な網膜像を作ることによって、脳に送られる視覚情報の質を高める働きがあります。それによって脳は活性化し、必要な情報処理がスムーズに行えるようになり、さらにはストレスを軽減し、集中力を高め、感情面においても良い影響が期待できます。このような脳研究の知見をもとに、従来の脳波計測システムをアップグレードし、一人ひとりに合わせるための研究体制を整えています。現在、脳機能研究所の感性計測システムを用いて、レンズのカラーや濃度を変えたときの装用者の感じ方の違いを測定し、分析を進めています。それによって一人ひとりに合わせたレンズ提案につながると期待されます。
(3) PSFにより見え方のシミュレーション画像を実現
単に近視、乱視といっても人により見え方は様々で、他の人が実際にどのように見えているかを観察するのは非常に困難です。PSF(point spread function)つまり「点像強度分布」の解析装置は、理想的な点像が網膜上でどのような強度分布をもってボヤけるかを測定することができるもので、一人ひとりの見え方を客観的に予測してシミュレーション画像として提示することができます。メガネをかける前とかけた後の見え方を比較したり、いろいろな度数のレンズをかけた時の違いを比較検討することができ、お客様が実際に違いを体験し選ぶことができるツールになると期待されます。
今後も視力を合わせることを客観的に評価する実験や、現在発売されている各社の様々なレンズを、お客様の立場に立った客観的な方法で評価する研究に取組んでまいります。
(4) 視機能の研究
学校法人 志学学園/専門学校ワールドオプティカルカレッジと共同で、お客様にとってより良いメガネの提案ができるよう、視機能・視力測定、加工調整、その他一般の分野に分けた研究を、卒業研究として、従来より継続して行っております。
本年度は、その中から最も優秀な研究である「ニンテンドー3SDによる立体視標の試作」を、日本眼鏡学会にて講演発表しました。
2.社会貢献
(1) 地域エリアとの交流
眼やメガネに関する講演会、大型免許に必要な深視力の測定、静止視力だけではなくスポーツ選手などに必要な、動いているものを見分ける動体視力の測定など、眼の機能に関する測定や相談を無料で実施しております。
(2) スリランカへメガネを寄贈
お客様がお持ちの不要な眼鏡を全国の店舗でお預かりし、クリーニングやリフォームを行い、眼鏡の不足しているスリランカへ寄贈する活動を継続して実施しております。
今後も困っている方々に対して何ができるか、ということを考え続ける企業でありたいと思っております。
なお、当連結会計年度の研究開発費は84百万円となっており、セグメント別としては日本のみであります。
(1)当連結会計年度の経営成績の分析
経営成績の分析の概要については、「第2[事業の状況]の1[業績等の概要](1)業績」に記載のとおりであります。
(2)財政状態の分析
当連結会計年度の総資産におきましては、前連結会計年度末残高に対して2,119百万円減少して、51,067百万円となりました。これは主に、流動資産における受取手形及び売掛金が290百万円、その他流動資産が242百万円、投資その他の資産における長期預金が1,000百万円、敷金及び保証金が515百万円、それぞれ減少したことによるものです。
また、負債におきましては、前連結会計年度末残高に対して258百万円減少して、13,256百万円となりました。これは主に、短期借入金が3,763百万円増加したものの、1年内返済予定の長期借入金が4,000百万円減少したことによるものです。
純資産におきましては、前連結会計年度末残高に対して1,861百万円減少して、37,811百万円となりました。これは主に、利益剰余金が1,528百万円減少したことによるものです。
(3)キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析の概要については、「第2[事業の状況]の1[業績等の概要](2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
(4)次期における取組み
㈱三城ホールディングスとしましては、新規事業展開も視野に入れ、よりお客様の視点に立ち、豊かさの提案ができる企業グループとなることを目指しております。
眼鏡小売中心の今までのあり方にとらわれず、眼鏡店として培ってきた経験と志を活かし、新たな分野へのチャレンジも始めており、具体的に進めているところです。
㈱三城につきましては、前年度に引き続き不採算店の見直しを行い、一店一店がお客様とより深い関係が築けるよう体制を強化してまいります。また、地域や客層に合わせるために、品揃えや販売方法を変えた店舗セグメントを実施しており、さらに今後それぞれの施策を明確にしていく予定です。
また新規出店につきましては、政令指定都市など人口も多く市場がありながらまだ店舗が少ない地域に力を入れていき、さらにショッピングセンターや通行量の多い路面店など、合計20店舗を見込んでおり、退店は不採算店を中心にやはり20店舗を計画しております。
商品に関しましては、眼鏡の目的別ニーズに応えるべくメーカーとの新たな商品の開発を進めてまいります。特に日本の高齢化市場に向けて、快適で機能性の高いレンズの開発や提案に力を入れていくことや、不自由を感じている人が多いながらも普及が十分ではないと思われる補聴器の潜在需要の掘り起こしのための提案を積極的に行ってまいります。また、これから先の人生を豊かにするためのきっかけづくりとなるような商品展開もすでに始めており、今後も新たなアイテムを提案していきたいと思っております。
㈱金鳳堂につきましては、質の高いサービスを求める客層への働きかけのみならず、店舗の改装や教育に引き続き力を入れることで、業績を伸ばしてまいります。
海外子会社につきましては、厳しい状況が続く地域につきましては不採算店の整理を進め、堅調な地域や新たな地域へは積極的な展開を検討しております。
(注)文中の将来に関する事項については有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。