第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 当社グループの現状の認識について

純粋持株会社体制への移行を機に、『最上級の信頼づくり』、『社員の自立』、『他にない創造』を行動指針として掲げ、よりスピーディで適切なお客様への対応、自立型の経営者の創出、さらにこれからの時代の新しい問題を解決する新規事業の創造を推進してまいります。そして世界中のお客様『お一人おひとりにお合わせする』ことを極めながら、さらにその先の驚きと感動を与えることのできる企業として発展していきたいと考えています。

(2) 当面の対処すべき課題の内容と対処方針

会社が対処すべき課題は多岐にわたり、世界的な経済危機や、紛争などの混乱は今後も想定されますが、甚大な被害をもたらす大震災にも備える姿勢と、本当に困った方々へ何ができるかということを常に考えていることが、現在の支援活動にも繋がっていると思います。更に今後も常にお客様の視点に立った姿勢を持ち続けることで、世界中で受け入れられる企業になれると考えています。

当社グループの経営理念である『第一にお客様とその未来のために』、『第二に社員とその未来のために』、『第三に企業とその未来のために』という優先順位をしっかり持って、より本質的、長期的、客観的な視点を持ちながら課題の対応に当たってまいりたいと思っております。

さらに、競争力のある企業グループとなるためには、会社組織や本部機能のあり方、販売管理費構造の見直しなど、抜本的な構造改革が課題と認識しており、問題点もより明確になってきていますので、今後も検討を重ね、改善を図ってまいります。

(3) 具体的な取組状況等

まずは選択と集中を行うことで個々の店舗や事業の魅力を向上させるとともに、他にない、新しい、魅力的なサービス、商品、価格、店舗等々を創造しつづけることでお客様のご満足だけでなく、驚きや感動を体験していただきたいと思っております。そして、本当の豊かさの追求とその豊かさについてお客様に提案できる企業グループとなることが経営戦略の根底にあります。

海外におきましては、特にアジア市場は今後最も成長が期待できる市場であり、現在の経済情勢は、そこでの展開を進める大きなチャンスでもあります。世界をリードする欧米の競合他社が苦戦するなか、当社がお客様の支持を得られている市場でもあり、日本ならではのおもてなしの精神と、ハイテク技術を駆使するとともに、お客様に合わせた業態を創造することで新たな市場を創造してまいります。

また、長寿化や環境問題、世界的な格差問題など、人類にとっても新しい、重要な課題に直面するなか、これらの問題解決に役立つ新しいサービスを、われわれ独自の方法で、お一人おひとりにお合わせするこだわりを持って創造していきたいと思っております。そのためには異業種を含めたM&A等の手段やコラボレーションなども積極的にとり行い、メガネに並ぶ新しい柱として成長し、将来株式公開を目指せる多数の企業が出現することを目指してまいります。

以上の実現のためにも、しっかりとした理念を持った、自立した経営者の育成が何よりも重要と考えており、国籍や性別にかかわらず広く人材を登用し、任せていくことで未来を創り上げる人材を育成してまいります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経済状況、消費動向について

当社グループの主要市場(主に日本国内、続いて中国、東南アジア)の政治、経済状況の著しい変化及び主要市場における予想を上回る競争状況の激化、長期化及びこれらに伴う消費縮小は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2)災害等について

当社グループは、国内外に店舗、物流センター等を有しており、これらの店舗・拠点の立地する地域において、地震、暴風雨、洪水、大津波その他の大規模な自然災害や、伝染性の疾病、事故、火災、テロ、戦争その他による社会的混乱が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3)仕入れ調達について

当社グループでは特定の取引先に大きく依存することなく国内外より仕入れを行い、安定的な調達に努めておりますが、主要仕入れ品目である眼鏡フレームの仕入れ先は特定の地域(福井県鯖江市)への集中度が高いため、需要の急増や天災地変等により調達に重要な支障をきたした場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4)情報システム管理について

当社グループは、商品、販売等の情報をコンピュータにより管理しており、システム上のトラブル等、万一の場合に備えて保守・保全の対策を講じるとともに、情報管理体制の徹底に努めております。しかしながら、想定を超えた技術による不正アクセスや予測不能のコンピュータウイルス感染等によって、システム障害や社内情報の漏洩等の被害を被る可能性があり、当社グループの業績や社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

(5)法的規制、訴訟等について

当社グループは、日本国内においては会社法、金融商品取引法、法人税法、医薬品医療機器等法等の一般的な法令に加え、店舗設備、労働、環境等店舗の営業に関わる各種法規制や制度の制限を受けております。また在外の各拠点においても同様に各国政府の法令、規制の適用を受けております。これらの法的規制が強化された場合、それに対応するための新たな費用が増加することになります。また法的規制の強化により法令に抵触することになった場合には当社グループの事業活動が制限される可能性があり、当社グループの業績や社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当連結会計年度において、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす係争・訴訟は提起されておりませんが、将来において業績に影響を及ぼす訴訟等が発生し当社グループにとって不利な判断がなされた場合、あるいは不利な内容の和解がなされた場合には、当社グループの業績及び財務状況並びに社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

(6)個人情報の管理について

当社グループは、店頭販売を主とする営業取引およびインターネット取引等により、相当数の個人情報を保有しております。これらの個人情報の管理は社内管理体制を整備し、厳重に行っておりますが、万一個人情報が外部へ漏洩するような事態となった場合は、社会的信用の失墜による売上の減少、または損害賠償による費用の発生等が考えられ、その場合には当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(7)資金調達について

当社グループは、資金調達の機動性及び安定性の確保を目的として、取引銀行1行とグローバル・コミットメントライン契約を締結しております。本契約には一定の財務制限条項が付されており、これに抵触した場合には当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(8)為替相場の変動について

当社グループは、海外における事業展開及び輸出入取引に伴う外貨建て決済があり、また海外子会社に対して外貨建て貸付金を有しております。予想を大幅に上回る為替相場の変動が生じた場合には期末での換算差額が為替差損益として発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(9)製品の欠陥および製造物責任について

当社グループは、取扱商品の安全性等に十分配慮しておりますが、製品の欠陥により重大な事故が生じた場合には、製造物責任法に基づく賠償責任が生じる場合があり、さらに当社グループに対する信用失墜による売上高の減少等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(10)地金価格の変動について

当社グループは、金の中空素材を使用したPB商品の眼鏡フレーム「AU」シリーズのほか、金インゴットを取り扱っており、地金価格の相場が大きく変動した場合には、会計上の在庫評価の影響等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(11)その他の関係会社に関する重要事項

㈱ルネットは、当社の「主要株主(会社等)」であり、「その他の関係会社」、「主要株主と個人たる主要株主の近親者が議決権の過半数を所有する会社」であります。同社と当社ならびに当社の一部の国内連結子会社の間で建物等についての損害保険契約の代理業務を行っており、保険料率その他の付保条件については、一般ユーザーと同様の条件によっております。また、同社と当社の一部の国内連結子会社の間で取引関係のある店舗等の賃貸借については、近隣の取引実勢を踏まえながら決定しております。商品の仕入につきましても特別な条件はありません。

当社は同社の金融機関からの借入金に対する債務保証を行っており、保証限度枠は4,480百万円です。なお、保証料の受取はありません。

詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」における注記事項「関連当事者情報」をご参照ください。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における国内の経済状況は、堅調に推移しており、雇用・所得環境が緩やかに改善していることから、個人消費も底堅く推移したものと思われます。

当社の主力事業であります眼鏡業界におきましては、国内人口が減少するなか、低価格帯眼鏡の市場が拡大していることもあり、全体としては大きな伸びは見られず、眼鏡小売店の店舗数も10年間で2割ほど減少するなど寡占化が進んでいるものと見られています。

当社グループにおきましても、不採算店の移転や退店をすすめており店舗数は純減しておりますが、分散している経営資源を集約することで、効率の改善をはかってまいりました。その成果はまだ数値に反映するまでには至っておりませんが、人員の集約による一店一店のサービスの向上と、店舗ごとの売上・収益性のアップにつながっていくと見込んでおります。

また国内の主要子会社であります㈱三城におきましては、コンセプトを明確にした上で、地域に合わせた店舗改装を行っており、特に課題であった店舗数の多い郊外独立店舗におきましては、ロッジ型改装など実験店舗の結果が順調であったため、さらに店舗を厳選した上で積極的に設備投資を行っているところです。

商品につきましては、Made in JAPAN project として、日本製にこだわったメガネフレームのPB商品の拡充と、スマホ用、ドライブ用など付加価値の高いレンズの開発と提案にも力を入れてまいりました。また、シニアマーケットに対しましては、潜在しているニーズに応えていくものとして、お買い求めやすい補聴器のPB商品、モニター体験後にご購入できる電動車いすなど、お困りに対しての提案に繋げられるよう商品の拡充を続けてまいりました。

また、医療関連業務サポート事業にも取り組んでおり、グループ法人として一定の利益を確保しております。

海外子会社におきましては、医療とタイアップした事業を行っておりますベトナム法人やフィリピン法人など、ここ5年内に進出しました法人は堅調に利益を出しておりますが、かつて大きく利益に貢献しておりました中国法人につきましては、市場の急速な変化と人件費を含むコスト増により収益を出すことが難しくなっているため、店舗の整理をすすめており、閉鎖の際に発生する費用が増えたこともあって、海外法人合計は営業損失が増加する厳しい結果となりました。

以上の結果、当連結会計年度におきましては、売上高49,689百万円(前期比1.4%減)、営業利益146百万円(前年比45.9%減)、経常利益233百万円(前年比49.7%減)、不採算店舗等の減損損失968百万円の計上などもあり、親会社株主に帰属する当期純損失1,342百万円(前年度は親会社株主に帰属する当期純損失1,160百万円)となりました

 

なお、報告セグメント情報の状況は、次の通りであります。

1)日本

国内の売上高は43,578百万円(前年同期比0.7%減)、セグメント利益500百万円(前年比42.8増)となりました。

2)海外

海外の売上高は6,529百万円(前年同期比4.8%減)、セグメント損失365百万円(前年度はセグメント損失87百万円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度に対して971百万円減少し、10,304百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は1,315百万円(前年度期末は1,987百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失880百万円があったものの、減価償却費及びその他の償却費1,032百万円、減損損失968百万円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は830百万円(前年度期末は759百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入500百万円があったものの、定期預金の預入による支出226百万円、有形固定資産の取得による支出1,104百万円があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は1,405百万円(前年度期末は1,621百万円の使用)となりました。これは主に、短期借入金純減による支出578百万円と配当金の支払額767百万円によるものです。

③生産、受注及び販売の実績

当社グループの事業内容は、国内外の眼鏡小売業を主たる事業としているため、生産及び受注の実績に替えて仕入実績を記載しております。

 

(a)仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

日本(百万円)

12,846

95.8

海外(百万円)

2,854

90.2

合計(百万円)

15,700

94.7

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

    2.セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

(b)販売実績

当連結会計年度の商品販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

日本(百万円)

43,357

99.3

海外(百万円)

6,331

93.7

合計(百万円)

49,689

98.6

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

    2.セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5[経理の状況]の1.[連結財務諸表等(1)連結財務諸表]の注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

 

当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。

 

㈱三城ホールディングスとしましては、新規事業展開も視野に入れ、よりお客様の視点に立ち、豊かさの提案ができる企業グループとなることを目指しております。

眼鏡事業を主力に、関連する事業への拡大や、今までのあり方にとらわれず、眼鏡店として培ってきた経験と志を活かし、新たな分野へのチャレンジも具体的に進めているところです。

㈱三城につきましては、引き続き不採算店舗の見直しを行い統廃合をすすめ、一店一店がお客様とより深い関係が築けるよう体制を強化してまいります。また、地域や客層に合わせるために、品揃えや販売方法を変えた店舗セグメントを実施しており、それぞれの施策を明確にして店舗改装に取り組んでいるところであり、概ね成果はでてきております。

なお次期の国内新規出店につきましては、政令指定都市など人口も多く市場がありながらまだ店舗が少ない地域に力を入れていき、さらにショッピングセンターや通行量の多い路面店の出店など、合計15店舗を見込んでおり、また不採算店を中心に退店、統合を45店舗計画しております。

商品に関しましては、機能性やデザイン性に優れた、Made in Japan のPB眼鏡フレームの展開、また眼鏡レンズにおきましては、目的別に機能を持ったものや、目の健康に配慮した優れた商品の開発とアピールを行ってまいります。また、日本の高齢化市場に向けて、不自由を感じている人が多いながらも普及が十分ではないと思われる補聴器の潜在需要の掘り起こしのための提案と商品開発を引き続き積極的に行ってまいります。

海外子会社につきましては、今後の市場が厳しい地域は既存店舗の立て直しを進めながら、不採算店の整理をしているところです。また今後成長が見込まれる地域につきましては、店舗の拡充を行い、東南アジアなど新たな市場への展開は、医療(眼科)ビジネスとの協業など、中長期的な成長を視野に取り組んでいるところであり、海外法人の合計では、3年後をめどに営業損失をなくす計画です。

 

(a)財政状態の分析

(資産の部)

 当連結会計年度の総資産におきましては、前連結会計年度末残高に対して3,031百万円減少して、42,945百万円となりました。これは主に、流動資産における現金及び預金が1,253百万円、商品及び製品が688百万円減少したことと、減損処理を行ったこと等により有形固定資産における建物及び構築物が384百万円、投資その他の資産における敷金及び保証金が352百万円減少したことによるものです。
 また、負債におきましては、前連結会計年度末残高に対して834百万円減少して、12,065百万円となりました。これは主に、流動負債における支払手形及び買掛金が219百万円、短期借入金が605百万円減少したことによるものです。
 純資産におきましては、前連結会計年度末残高に対して2,197百万円減少して、30,880百万円となりました。これは主に、利益剰余金が2,107百万円減少したことによるものです。

 

(b)経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高におきましては、49,689百万円(前期比1.4%減)となりました。

減少しました要因は、国内におきまして不採算店を整理していることから、店舗数が引き続き純減しており、既存店は改装を行った店舗を中心に前年を上回りましたが、全店合計では前年を下回りました。

また、海外におきましても不採算店の整理をすすめております、中国、韓国の店舗数が減っていることが影響し、連結合計が減少いたしました。

(売上総利益)

当連結会計年度の売上総利益におきましては、33,300百万円(前期比1.1%減)となりました。

(営業利益)

当連結会計年度の営業利益におきましては、146百万円(前期比45.9%減)となりました。

減少しました要因は、売上高の減少と販管費における広告宣伝費の増加によるものです。

(経常利益)

当連結会計年度の経常利益におきましては、233百万円(前期比49.7%減)となりました。

減少しました要因は、営業利益の減少によるものです。

 

(親会社株主に帰属する当期純損失)

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失におきましては、1,342百万円(前年度は親会社株主に帰属する当期純損失1,160百万円)となりました。

この要因としましては、当連結会計年度に不採算店舗の減損損失968百万円、固定資産除却損70百万円を計上したことなどで、特別損失が1,116百万円となったことによるものです。

 

(c)キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析の概要については、「第2[事業の状況]の3.[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]の(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(d)資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に店舗に関わる設備投資等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金を基本としておりますが、必要に応じて設備投資や長期運転資金の調達については、金融機関からの長期借入を使用する場合があります。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は5,724百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は10,304百万円となっております。

 

4【経営上の重要な契約等】

当社グループは、資金調達の機動性及び安定性の確保を目的として、取引銀行1行とグローバル・コミットメントライン契約を締結しております。なお、当社及び連結子会社に係る貸出コミットメントの総額は6,100百万円、連結会社以外の会社に係る貸出コミットメントの総額は4,000百万円であります。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、『「見えにくい」というお客様の問題を解決する』=『お客様お一人おひとりにお合わせする』ことを目的として研究開発を積極的に推進しております。

なお、主な研究開発活動は次のとおりであります。

1.研究開発

(1) お客様の視生活への貢献

・スポーツビジョンの研究を継続

 視力というと静止視力表によるものが主ですが、今後は動いているモノや薄暗いところでの視力、瞬間的に見えるものを見分ける視力などを測り、評価することで、今まで知り得なかった視力を判別し、表示できるようになると考えております。そのためのデータの取得や研究開発を継続しており、近い将来、新しい見方を提案できると見込んでおります。また、パソコン作業時、車の運転、家事、趣味、携帯操作など様々なシーン別に必要な視標とその測定方法を研究開発し、快適な眼鏡度数の提案を目指しています。

・個々人に合わせたカラー提案システム

 内田冴子医学博士が提唱され、作製されたコントラストテストチャートの遠用、近用を用い、お客様独自のカラーを検出し提案するシステムを推し進めています。今までのファッション性からのカラー提案とは違い、個々人が持っているカラー特性にまで立ち入り、視覚の向上に寄与する快適なカラーレンズ提案する、という画期的な手法であり、そのサポートを全面的に支援し展開しております。今までにない切り口で独自の顧客満足を創造する新たなシステムであると考えております。

・レンズ開発の基礎研究

 レンズは各メーカーからさまざまなタイプが出されていますが、その評価は作製した企業からのもの以外ありません。これに対し弊社では、全てのレンズにおいて、客観的評価の重要性を認識し、レンズの性能そのものの評価作業を地道に行っております。これは他のどこも行っていません。また、新しい発想のレンズのモニタリングを通じて、より快適なレンズの創造に寄与しております。

(2) 眼鏡学会に研究成果を発表並びに運営に貢献

 新しい試みも基礎研究あってのことであると認識しており、眼鏡学会などに研究成果発表を継続しております。

2017年度は「タブレットを使用した赤緑視標の試作と近見眼位の測定」、「ビデオ測定システムによる測定精度の研究」、2018年度は「低加入度眼鏡装用での調節負荷の軽減」、2019年度は「明所と暗所での自覚的屈折度数の変化」について既に発表いたしました。また2019年度の第23回日本眼鏡学会においては、岡山にて専門学校ワールドオプティカルカレッジと協力し学会の運営にもあたりました。

(3) 眼精疲労の状況を客観的に観察できる機器を用いて

 眼精疲労の状況を客観的に観察するために、スピーディ・アイという機器で測定を試みています。まだ研究過程ではありますが、疲労の度合いや原因を区別できるようになってきております。

2.社会貢献

(1) 視機能測定者の育成

 眼鏡技術専門学校ワールドオプティカルカレッジがもっている技術のノウハウと三城光学研究所のもっている最新新情報や技術を融合し、日本における測定技術の構築と発展をめざしており、日本眼鏡技術者協会主催の生涯教育にて、視力測定、視機能関連の指導を行うなど、測定スペシャリストの育成にも力を入れております。

 また眼鏡等に関する講演会をご希望に合わせて地域に出向いて実施し、眼鏡等に関する一般知識や注意点、最新情報を提供しております。

(2) ロービジョン・ブラインド川柳コンクールの開催

 川柳を通して視覚障害への理解や共感を深めることを目的に、2017年度から株式会社三城の主催により全国でロービジョンに関連する川柳を募集し優秀作品を選出、表彰を行っております。2回目の開催となります2018年度もたくさんの応募をいただきました。今後も同様の文化活動を通じて、ロービジョンケアへの取り組みを積極的に推進してまいります。

(3) スリランカへメガネを寄贈

 お客様がお持ちの不要な眼鏡を全国の店舗でお預かりし、クリーニングやリフォームを行い、眼鏡の不足しているスリランカへ寄贈する活動を継続して実施しております。

(4) 自然災害における支援活動

 1991年の雲仙普賢岳の火砕流災害をきっかけに、眼鏡を失い困った方々に無償で眼鏡を提供する活動を始めました。その後も国内外の災害が起こった際に、現地の避難所を訪問し簡易測定をした上で、眼鏡などを提供する活動を続けております。また、そのためのプロジェクトチームを発足させ、様々な度数の眼鏡を作成し備蓄もしております。2018年度も西日本豪雨災害、北海道中部地震におきまして、避難所での活動や近隣店舗での眼鏡無償配布を行いました。今後もお困りの方々のために、この活動は続けてまいります。

 なお、当連結会計年度の研究開発費は80百万円となっており、セグメント別としては日本のみであります。