第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは「安全と環境にやさしい総合安全企業を目指す」をテーマに掲げ、工事現場の安全管理に不可欠な保安用品及び保安システムを工事業者に提供するとともに、環境美化と環境負担の低減に役立つ新商品の開発とその販売を通じて、社会的な貢献を果たすことを経営理念としております。

また、顧客・株主・社員・取引先との共存共栄をはかることを常に念頭に置き、事業活動を行っております。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、株主第一義の経営をする上で収益力の指標として、自己資本当期純利益率6.0%以上の達成を中長期的、継続的な目標としておりましたが、最近の業績動向を踏まえ、目標を8.0%以上に変更いたします。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、全国展開する販売網と広いストックヤードを活かしながら、適正利益を確保しつつ、良質の保安用品及び保安システムを他社よりも廉価で提供し、顧客満足度の向上を図るとともに、シェアの拡大に努めてまいります。

 

(4)経営環境及び会社の対処すべき課題

当業界を取り巻く環境は、民間工事は堅調に推移すると思われますが、公共工事は横ばいで伸び悩む状況が続き、厳しい受注競争になると予想されます。一方で、大規模更新工事や老朽化対策工事のインフラ整備は継続しており、オリンピック・パラリンピック関連工事が本格化すると思われます。今後、こうした動きを迅速にキャッチして、少しでも多く提案営業ができるように努力いたします。また、ユーザーの要望に答えつつ付加価値を付けて利益の向上にも努めてまいります。

 

このような状況下、当社グループは受注件数の増加を最優先課題として以下の項目について全社を挙げて取り組んでまいります。

① 安全と環境を重視し、かつ、顧客ニ-ズに合った高機能・高付加価値新商品の開発に鋭意注力し、他社との差別化を図っております。

② 首都圏を中心に各店間における営業部門の連携強化や営業員のO.J.Tを実施し、営業体制の強化を図るとともに販路の拡大に努めております。

③ 建設業者は、工事コストを削減する目的から保安用品のレンタル移行を増々進めておりますが、これに対応するため顧客に密着したレンタル営業を更に推進してまいります。

  また、レンタルへの商品投入は原価の上昇となるため、全体的には投入を抑制し、利益を確保しつつ、レンタル商品の効率的な運用管理を行っております。

④ 民間諸団体や地方自治体が主催するイベント関連への提案営業を強化し、新たな顧客開拓とレンタル受注の拡大を図ってまいります。

⑤ 主力商品の海外調達率を更に高めることや、看板作製業務の内製化、仕入単価の見直しを図り、原価低減を進めてまいります。

⑥ 意識改革につきましては、社員の士気を高め、創意工夫を啓発して社業発展の原動力となる人事活性化施策を展開してまいります。

⑦ レンタル売上の推進に伴う商品のストックヤードの確保を行い、商品回転率の向上に努めてまいります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)市場環境の変化

当社グループといたしましては、競争力のある新商品開発、営業力の強化などに取り組んでおりますが、公共投資の動向及び地方自治体の財政状態の変化によっては、業績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。

加えて、急激な需要の減少や仕入価格の上昇等があった場合も同様に業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)輸入国の経済状況について

当社グループは、仕入の一部を中国より輸入しており、中国の経済状況や政策により、商品の供給に問題が生じた場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)経営成績の季節的変動について

当社グループの上期売上高は、3月までの期末工事終了引き上げ、ゴールデンウィーク(大型連休)等により、4・5月の売上高減、夏季休業による8月の売上高減、下期売上高は、年度末集中工事などによって売上高増の傾向があります。近年少しずつ変化してきておりますが、まだ上期下期の売上高が下期に偏る傾向にあり、これに伴い営業損益も大きく影響を受ける可能性があります。

 過去3年間の上期下期の売上高と営業損益の構成比は次のとおりであります。

決算年月

2017年3月

2018年3月

2019年3月

 

上期

下期

上期

下期

上期

下期

売上高(千円)

3,962,270

4,659,827

4,582,555

4,891,724

4,653,235

5,189,001

構成比(%)

46.0

54.0

48.4

51.6

47.3

52.7

営業利益(千円)

12,436

427,989

247,204

341,070

311,131

597,748

構成比(%)

2.8

97.2

42.0

58.0

34.2

65.8

 

(4)レンタル資産投入による損益への影響について

当社グループは、レンタル需要の増加と顧客ニーズに対応すべく、レンタル商品の更新と増強を積極的に行っております。しかしながらレンタル資産はその投入額の償却期間と、投入後のレンタル売上期間とは必ずしも一致するものではなく、通常はレンタル売上期間の方が長くなっております。よって、レンタル事業の拡大の一時期においては、売上原価としての償却額の増加に見合うだけのレンタル売上が計上されず年間の業績悪化要因となる可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な企業業績や雇用、所得環境の改善傾向が続き、景気は緩やかな回復基調が続いております。一方で、米中貿易摩擦の長期化を背景に世界的な景気減速が懸念され、今後わが国へのリスクも未知数で先行き不透明な状況が続いております。

当社グループが関連する工事用保安用品業界におきましては、公共工事や民間投資は底堅さを維持しており、また大規模更新工事やインフラ整備等の工事も安定している状況で推移いたしました。

但し、人手不足による労務費の上昇、建設資材の高騰等の懸念材料も続き、加えて価格競争が厳しさを増してきており経営環境は厳しい状況でありました。

この様な状況下、レンタル営業の推進や提案型営業の強化等の営業政策による顧客拡大、高付加価値商品の回転率強化による利益率の向上に努力いたしました。また、顧客ニーズを取り入れた商品の開発、仕入価格の低減や経費抑制にも努めてまいりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は9,842百万円(前年同期比3.9%増)となりました。利益面につきましては、営業利益が908百万円(前年同期比54.5%増)、経常利益は894百万円(前年同期比56.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、594百万円(前年同期比54.7%増)となりました。

商品の品目別売上高の内訳につきましては、標識・標示板1,559百万円(前年同期比7.6%減)、安全機材642百万円(前年同期比0.5%増)、保安警告サイン642百万円(前年同期比0.3%減)、安全防災用品907百万円(前年同期比0.0%増)、その他1,210百万円(前年同期比1.7%増)であります。また、レンタル売上高につきましては4,880百万円(前年同期比10.8%増)となりました。

なお、当社グループは、セグメント情報における報告セグメントを従来「東日本エリア」と「西日本エリア」に区分しておりましたが、当連結会計年度の期首から「工事用保安用品の販売及びレンタル」の単一セグメントに変更しております。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末より50百万円増加いたしました。

 各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、689百万円の収入(前連結会計年度は649百万円の収入)となりました。

 この内訳の主なものは、収入では税金等調整前当期純利益892百万円、減価償却費715百万円によるものであり、支出ではレンタル資産取得による支出420百万円、売上債権の増加額130百万円、たな卸資産の増加額73百万円、法人税等の支払額328百万円であります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、136百万円の支出(前連結会計年度は49百万円の支出)となりました。

 この内訳の主なものは、有形固定資産の取得による支出109百万円、その他投資等の取得による支出25百万円であります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、503百万円の支出(前連結会計年度は346百万円の支出)となりました。

 この内訳の主なものは、借入金減少152百万円、配当金の支払額105百万円、リース債務の返済による支出245百万円であります。

なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりであります。

 

第58期

2015年3月期

第59期

2016年3月期

第60期

2017年3月期

第61期

2018年3月期

第62期

2019年3月期

自己資本比率(%)

42.6

43.4

43.5

43.1

45.0

時価ベースの自己資本比率(%)

21.0

20.1

20.3

30.9

35.1

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

18.4

9.3

7.7

5.8

5.6

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

4.7

11.0

15.1

21.1

21.4

※ 自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2. 株式時価総額は、期末株価終値 × 期末発行済株式数(第60期より自己株式を除く)により算出しております。

3. キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

 

(3)生産、受注及び販売の実績

(生産実績)

 当連結会計年度における品目別の生産実績は、次のとおりであります。

品目

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

標識・標示板(千円)

454,732

95.7

安全機材(千円)

291,082

121.6

保安警告サイン(千円)

300,919

101.9

安全防災用品(千円)

32,455

91.3

その他(千円)

102,641

111.5

合計(千円)

1,181,831

103.9

 (注)1.金額は販売価格によっております。

 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(商品仕入実績)

 当連結会計年度における品目別の商品仕入実績は、次のとおりであります。

 品目

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

標識・標示板(千円)

419,627

90.5

安全機材(千円)

177,726

74.7

保安警告サイン(千円)

170,174

77.5

安全防災用品(千円)

624,204

100.3

その他(千円)

871,071

104.0

小計(千円)

2,262,804

95.0

レンタル仕入高(千円)

1,506,593

100.4

合計(千円)

3,769,398

97.1

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(受注実績)

 当社グループは、受注生産を行っておりません。

 

(販売実績)

 当連結会計年度における品目別の販売実績は、次のとおりであります。

品目

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

標識・標示板(千円)

1,559,117

92.4

安全機材(千円)

642,339

100.5

保安警告サイン(千円)

642,428

99.7

安全防災用品(千円)

907,993

100.0

その他(千円)

1,210,044

101.7

小計(千円)

4,961,923

97.9

レンタル売上高(千円)

4,880,313

110.8

合計(千円)

9,842,236

103.9

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(4)財政状態の分析

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ569百万円増加10,948百万円となりました。各資産、負債及び純資産の要因は次のとおりです。

 なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)を当連結会計年度の期首から適用し、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産は6,770百万円(前連結会計年度末6,509百万円)となり、261百万円の増加となりました。

 この主な要因は次のとおりです。

 

連結会計年度

連結会計年度

増減

要因

現金及び預金

2,802百万円

2,852百万円

50百万円

※1

受取手形及び売掛金

2,464百万円

2,595百万円

130百万円

※2

商品及び製品

1,019百万円

1,085百万円

65百万円

※3

※1 連結キャッシュ・フロー計算書をご参照ください。

※2 当連結会計年度の売上高の増加によるものであります。

※3 新規取扱商品の増加によるものであります。

 

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産は4,177百万円(前連結会計年度末3,869百万円)となり、307百万円の増加となりました。

 この主な要因は次のとおりです。

 

連結会計年度

連結会計年度

増減

要因

有形固定資産

3,372百万円

3,693百万円

320百万円

※1

投資有価証券

210百万円

175百万円

△34百万円

※2

※1 主にリース資産の増加262百万円、建設仮勘定の増加78百万円によるものであります。

※2 投資有価証券の時価の下落によるものであります。

 

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債は4,480百万円(前連結会計年度末4,095百万円)となり、385百万円の増加となりました。

 この主な要因は次のとおりです。

 

連結会計年度

連結会計年度

増減

要因

短期借入金

1,651百万円

1,601百万円

△50百万円

※1

1年内返済予定の長期借入金

602百万円

946百万円

343百万円

※2

リース債務

192百万円

280百万円

88百万円

※2

※1 短期借入金の返済によるものであります。

※2 返済期日による流動負債への振替の増加によるものであります。

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債は1,542百万円(前連結会計年度末1,814百万円)となり、272百万円の減少となりました。

 この主な要因は次のとおりです。

 

連結会計年度

連結会計年度

増減

要因

長期借入金

946百万円

500百万円

△446百万円

※1

リース債務

377百万円

545百万円

167百万円

※2

※1 返済期日による流動負債への振替の増加によるものと返済によるものであります。

※2 新規のリース契約と流動負債への振替によるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は4,925百万円(前連結会計年度末4,469百万円)となり、455百万円の増加となりました。

 この主な要因は次のとおりです。

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

要因

利益剰余金

3,850百万円

4,339百万円

489百万円

※1

その他有価証券評価差額金

95百万円

62百万円

△33百万円

※2

※1 親会社株主に帰属する当期純利益と配当によるものであります。

※2 投資有価証券の時価の下落によるものであります。

 

(5)経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(重要な会計方針及び見積り)

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。

 なお、当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載しております。

 

(当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容)

 当社グループの経営に大きな影響を及ぼす要因として公共工事予算や民間工事の増減があります。特に公共工事予算は関連する市場動向を見る指標となると認識しております。

 近年、公共工事予算は横ばい状況が続いており、業界の市場は民間工事の増減に左右される状況になっております。インフラ整備は、今後も継続していくものと予想しておりますが、工事の規模や時期は各地域で違いがあります。当社は、全国に拠点を持っており、年度別で地域によって発注工事の規模や件数に違いがあり、すべての拠点で売上を伸ばすことが困難になることもあります。

 しかしながら、当社の優位性であります全国の拠点を活かして地域密着により迅速な商品の供給を行い、地域特有の商品などの品揃えをしつつ受注件数、売上を伸ばしていきます。

 また、公共工事予算に影響を受けない市場として、工事で使用する安全対策用商品ではなく、工事以外での道路上の安全対策としてサインライト表示機と通信網を利用した事故防止、注意喚起を促すシステム商品を提供させていただき好評を得ております。今後も顧客ニーズを取り入れた機能追加により用途を拡大させていきたいと思っております。、

 システム商品やレンタル需要へ対応すべく商品数量増加、多様性に資金を投下し積極的に仕入を行ってまいります。

 

(経営上の目標の達成状況について)

 当社グループは、株主第一義の経営をする上で収益力の指標として、自己資本当期純利益率6.0%以上の達成を中長期的、継続的な目標としております。最近3年間の自己資本当期純利益率は12.7%(2019年3月期)、8.9%(2018年3月期)、6.6%(2017年3月期)でありました。近年5年間で見ても目標を達成しており、目標を8.0%以上に変更いたします。新しい目標が達成、継続できるよう売上増強と商品開発を高め、強固な企業体質を構築してまいります。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

 当社グループの運転資金需要の主なものは、商品及び製品、原材料の購入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらの資金調達につきましては自己資金を基本としております。

 主な設備投資としては、レンタル商品の購入があり資金は自己資金からの充当とリース契約によっております。今後、レンタル商品購入とは別に資金の投下として各拠点の設備の修繕や拡張があり、これらは随時行っていくものであると認識しております。これらは業績の動向を鑑み、自己資金を中心に、必要に応じて借入金を行い充当していきたいと考えております。また、借入金については金利変動リスクに晒されないよう金利スワップ等の手段を活用していき、リース契約を含む有利子負債は返済計画を勘案し安定的な資金繰りを実行していきます。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは顧客ニーズに対応していくため、商品の研究開発に取り組んでおります。なお、研究開発費については基礎開発費であり、当連結会計年度の研究開発費の総額は1,261千円であります。