第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社は1948年の創業以来、企業理念「誠心誠意 お客様のお役に立つ愛される企業」のもと、ネットワークソリューションビジネスとSIソリューションビジネスを柱に社会の発展に貢献してまいりました。2023年3月に75周年を迎え、今後80周年(2028年)、100周年(2048年)に向けて、これまで以上に社会に貢献し社会から必要とされる企業であるために、私たち社員の意識変容と行動変容につなげられる言葉として、存在意義である「パーパス」と行動基準である「スタイル」を制定いたしました。企業理念、パーパス、経営ビジョン、スタイルの浸透を通して、社員一人ひとりのエンゲージメント向上と、事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献していくとともにさらなる企業価値の向上に努めてまいります。

 

<企業理念>

誠心誠意 お客様のお役に立つ愛される企業

 

<パーパス>


 

<経営ビジョン>

ココロ躍る未来を創造するICTデザインパートナー

~これからの時代変化を捉えICTを通じてお客様とともに成長するビジネスパートナーを目指します~

 

<スタイル>

1. 伸び伸び挑戦しよう

激しく変化する環境の中でお客様ニーズを察知し、新たな技術を積極的に取り込みます。

失敗を恐れず自由な発想でワクワクしながら挑戦を続けます。

2. スピードを意識しよう

スピードはすべてに勝る価値です。

困難なことに直面しても立ち止まらず、常にスピード感をもって考え、行動します。

3. ゴールを想い描こう

お客様や市場の動向をいち早くキャッチし、あるべき姿を想い描いてお客様を導きます。

高い視座で熱意をもって未来を語り、仲間・パートナー・お客様と一緒にゴールを目指していきます。

4. 仲間と共有しよう

一人ひとりの想いや情報には大きな価値があります。

想いや情報を社内で共有しながら、感謝される喜びを仲間と分かち合います。

5. 誠実にやりきろう

お客様や仲間、パートナーが何を求めているかを常に意識し、心配りを忘れません。

何事も真摯に誠実に対応し、責任をもって粘り強くやり遂げます。

 

 

また、ステークホルダーへの約束・使命として4つのミッションを策定しております。

 

<ミッション>

・お客様

 お客様とともに未来を見据えお客様の企業価値向上に貢献します。

・社員

 当社の社員であることに誇りを持ち、働き甲斐をもってイキイキと働ける企業を目指します。

・パートナー

 ビジネスパートナーとともに固い信頼を結び合い、成長・発展する関係を築きます。

・株主

 安定的な利益還元に努めるとともに、迅速かつ適切なディスクロージャーにより経営の透明化を図ります。

 

(2) 目標とする経営指標および中長期的な会社の経営戦略ならびに対処すべき課題

当社は、2025年度を初年度とする第3期中期経営計画「FuSodentsu Vision 2027~ココロ躍る未来に向かって Challenge DX Movement~」を策定し、マーケット基軸への転換を加速させ、業種区分を基軸とした価値提供を推進するとともに、経営基盤の強化により事業・経営基盤の両面から持続的成長を図ってまいります。

 

第3期中期経営計画

 FuSodentsu Vision 2027 ~ココロ躍る未来に向かって Challenge DX Movement~

 

1. 事業成長戦略

以下の3つの事業戦略を組み合わせ、「6つの業種区分を基軸とした価値提供」を推進してまいります。

① 業種区分を基軸にした顧客ニーズへの深い理解と的確な対応

② お客様のDXを推進する伴走型企画・コンサルティングの強化

③ ビジネスアライアンスやM&Aによる注力領域の技術拡充・協業の推進

 

2. 経営基盤の強化

事業成長を支える組織・仕組みの高度化を図る観点から、以下5つの経営基盤の強化を推進してまいります。

① 人財を活かす経営の推進

② チャレンジ意欲向上に向けた組織文化の変革

③ 先端技術研究の推進

④ 新業務システムへの移行・業務の高度化

⑤ デジタルマーケティング・顧客満足度向上の取り組み

 

3. 第3期中期経営計画の最終年度(2027年9月期)における数値目標

2025年11月18日開催の取締役会において、2025年度を初年度とする3カ年の中期経営計画の最終年度の数値目標の変更について、以下のとおり決議いたしました。

 

 

売上高

営業利益

営業利益率

ROE

当初目標(A)

46,000百万円

1,840百万円

4.0%

9.0%

修正目標(B)

55,000百万円

2,200百万円

4.0%

10.0%

B-A

9,000百万円

360百万円

1.0%

増減率

19.6%

19.6%

 

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方および取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

当社は、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、サステナビリティへの取り組みを、経営の重要課題の1つと認識しております。様々な社会課題に対し事業活動を通じて優先的に取り組むべき課題として、環境・社会・ガバナンスの観点から重要課題(マテリアリティ)を定め、サステナビリティ基本方針に基づき、持続可能な社会の実現に向けて推進してまいります。

 

<サステナビリティ基本方針>

当社のパーパス「ともに歩み、ともに見つめ、ワクワクする未来へ」の実現のために、E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)を重視した経営を行うとともに、持続可能な社会の実現に向け、「事業を通じた社会課題解決への挑戦」、「持続的発展のための経営基盤の強化」という事業・経営基盤の2つの視点から、環境・地域に貢献するとともに、経済面での持続可能な成長と収益性を確保し、すべての社員が健康に、自分らしく働ける仕組みづくりを推進します。

 

(1) ガバナンス

当社は、サステナビリティ活動全体に対する方向性の設定および持続可能な経営の推進を目的として代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ経営委員会」と各重要課題(マテリアリティ)に対する活動の共有と課題の協同解決を推進することを目的とした「サステナビリティ推進委員会」にて活動を行うこととしております。

取締役会は、「経営会議」および「サステナビリティ経営委員会」で協議・決議された内容の報告を受け、対応方針および実行計画等についての論議・監督を行い、サステナビリティ課題に対して全社的な推進体制を整備し、経営層が積極的に関与する形でガバナンスを強化しております。

 

(2) 戦略

当社は、企業価値の持続的な成長とSDGsが目指す社会の実現に貢献するために、全国の拠点を通じて地球環境の保全や防災・減災、地域社会の活性化、新たなビジネス価値の創出に向け活動するとともに、重要なステークホルダーであるお客様、社員、パートナー、株主の皆様の課題解決に取り組んでおります。

 

<人的資本に関する戦略>

当社は、持続可能な社会への貢献および当社の発展を実現させるため、人財を優先すべき資本の1つと捉えており、人財の育成・確保に関する取り組みを経営上の重要課題としております。企業理念である「誠心誠意 お客様のお役に立つ愛される企業」のもと「自立型人財の育成」を基本方針として、各種研修や資格取得支援制度の拡充、社内で定めたスキル認定制度により、社員自らの能力開発を促しモチベーション向上を図るとともに、コンプライアンスと倫理、社員の健康管理や安全衛生、ダイバーシティや働き方改革に積極的に取り組み、多様な人財がイキイキと活躍できる職場環境や企業風土の醸成に取り組んでおります。

 

(3) リスク管理

サステナビリティに関する機会およびリスク管理については、各所管部のリスクへの対応を代表取締役社長を委員長とするリスク・コンプライアンス委員会が分析・評価し、取締役会へ報告しております。また、サステナビリティに関する重要課題(マテリアリティ)の解決に向けて、サステナビリティ推進委員会にて各重要課題(マテリアリティ)に対する活動の共有、課題の協同解決を進め、サステナビリティ経営委員会が推進状況をモニタリングし助言しております。

 

 

(4) 指標及び目標

上記戦略において記載した内容に関する指標および目標については以下のとおりです。

項目

指標

実績(当事業年度)

目標

コンプライアンスと倫理

コンプライアンス研修受講率

100

毎年100

ダイバーシティ

新卒採用における女性労働者比率

40

毎年40%以上

女性労働者比率

13.7

2032年度まで20

働き方改革

年次有給休暇取得率

73.2

毎年70%以上

男性労働者の育児休業取得率

33.3

2027年度まで40

健康管理・安全衛生

再検診受診率

62.8

毎年100

重大な労働災害事故件数

0

毎年0

 

 

 上記のほか、当社は、CO2削減や社会貢献活動の推進を重要な目標とし、積極的に取り組んでおります。

 2025年度は、CO2排出量削減の取り組みとして、エアコンの省電力化や照明のLED化、業務の電子化によるコピー用紙使用量の削減、社有車のエコカーへの切り替えを推進しました。社会貢献活動としては、自治体・介護施設へのDX支援、防災力強化支援など、地域社会の課題解決や活性化に取り組んでおります。

 また、お客様に対して「環境に有益な商品を提案する」という目標を掲げ、ペーパーレス化やPCリサイクルなど環境保護に貢献する商材提案に取り組んでおります。

 

重要課題(マテリアリティ)の取り組み目標


 

3 【事業等のリスク】

当社の事業遂行上において、投資者の判断に重大な影響を及ぼす可能性のある事項について、以下に記載したようなものがあります。当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識し、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針であります。
 なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

 

(1) 特定の取引先への依存度や取引先の信用リスクについて

当社は富士通グループ販売パートナー契約を締結しております。当社の富士通株式会社および同社グループとの取引状況については、その売上高に占める割合は8.9%、仕入高に占める割合は31.4であります。その取引関係については安定したものとなっておりますが、何らかの理由で取引に支障が生じた場合には、当社の業績に影響を与える恐れがあります。

また、当社の取引先の信用状況が悪化し多額の売上代金の回収が困難となった場合には、当社の業績や財務状態に影響を与える恐れがあります。こうしたリスクへの対策として、取引先の状況を定期的に把握し、回収懸念の早期発見や軽減を図るとともに、大口取引などのモニタリングを継続して実施し与信管理を徹底することで、貸倒リスクの低減に努めております。

 

(2) システム開発リスクについて

当社が請け負うシステム開発においては、販売部門と技術部門との連携を密にして商談推進時にお客様のニーズを綿密に検討し、お客様との認識一致を最重要課題とするとともに、商談段階でのリスクの明確化と対応策の検討や進捗管理の徹底を図っております。しかしながら、お客様との認識不一致、プロジェクト全体の体制問題、技術的な検証不足等の様々なトラブルが発生し、当該プロジェクトが予定された範囲、予算、納期、品質で実施できなかった場合は、損失等が発生するリスクがあります。

 

(3) 売上高の季節的変動について

当社の売上高は、お客様の決算期が3月に集中していることに伴い季節的変動があり、第2四半期の売上高が他の四半期に比べて高くなる傾向があります。売上高の偏りが起こらないよう保守サービスなどの安定的な収益の確保に努めております。

 

(4) 人財の育成と確保について

当社の事業の根幹は、技術・資格を有する人財の育成と確保にあります。商談獲得においては、該当する技術の資格者を有することが必須条件とされる時代になり、企業リスクの回避手段としても技術資格者確保の重要性が高まっている中で、当社は人財の育成を経営の最重要課題に位置付け、「自立型人財の育成」を基本方針とし必要な資格取得のための教育を積極的に推進しております。また、人財の確保につきましては、定期採用や中途採用を積極的に実施しておりますが、採用活動の不振や離職者の増加等により事業目的の達成が困難となる可能性があります。

 

(5) 金融商品の価格変動リスクについて

当社が保有しております上場株式の時価および非上場の株式の価値ならびに債券価格などの下落が生じた場合には、当社の業績や財政状態に影響を与える恐れがあります。

 

(6) 情報セキュリティに関するリスクについて

当社が位置するICT業界においては、業種の特性上お客様が取り扱う個人情報に触れる機会があり、万一個人情報が外部に流出等した場合、お客様の社会的信用が失墜し、お客様からの損害賠償請求等を受ける可能性があります。こうしたリスクへの対策として、コンプライアンス推進室を設置し、法令遵守に関する従業員教育を徹底しております。また、「個人情報保護マネジメントシステム」を制定するとともに、プライバシーマークの取得(2007年3月)により個人情報保護の周知徹底を図っております。

また、当社の情報システムに対するサイバー攻撃やウイルス感染、不正アクセスなどにより機密情報などが毀損・社外に流出した場合には、社会的信用の失墜やお客様からの損害賠償請求等により当社の業績や財政状態に影響を与える恐れがあります。こうしたリスクへの対策として、情報セキュリティ基本規程を制定し、適切に技術的な対策を講じるとともに、役員および従業員を対象とした社内教育を実施するなど情報管理を徹底する体制を構築し、情報セキュリティの強化に努めております。

 

 

(7) コンプライアンスリスクについて

企業の社会的責任に対する関心の高まり、企業活動に大きな影響を及ぼす新しい法制度の制定や改正などを背景として法令のみならず企業倫理も対象とするコンプライアンスに関連したリスクが増大しつつあります。こうしたリスクへの対策として、リスク・コンプライアンス委員会、コンプライアンス推進室を主体とする組織を通じ、体制の整備、従業員教育に努め、コンプライアンスの徹底に取り組んでおりますが、重大な法令違反や定款違反が発生した場合には、当社への社会的信頼性の低下や、多額の課徴金や損害賠償を請求されるなど、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(8) 気候変動や自然災害等に関するリスクについて

大規模な地震や気候変動を背景とした風水害などの自然災害により全役職員とその家族・事務所・設備などに被害が発生した場合、当社の業績および財政状況に影響を与える可能性があります。

当社では、これらの被害を最小限とするために事業継続計画(BCP)の策定や防災訓練の実施、社員安否確認システムの整備などの対策を講じておりますが、被害を完全に回避できるものではなく、自然災害等により当社の主要な取引先に重大な被害が発生した場合には、取引先の営業・生産活動の停滞が当社の業績を悪化させる要因となる可能性があります。

 

(9) 調達(サプライチェーン)に関するリスクについて

当社は様々な仕入先や協力会社との取引を通じて業務を遂行しており、取引先の事故や経営状況の悪化、経営方針の変更などのほか、グローバルな半導体の需給動向や経済・流通環境の変化などにより、必要な製品・部品などの調達遅延やコストの上昇、システム開発や工事の遅延などにより当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。こうしたリスクへの対策として、調達(サプライチェーン)に関する様々な情報の早期収集、仕入先や協力会社の拡充を図り連携の強化に努めております。

 

(10) 業界・競合他社の動向および技術革新への対応について

当社が位置するICT業界は、技術革新の進展に伴うお客様のニーズの変化や、異業種も含めた新規参入などによる業界の変化が激しく、競争が激化しやすい環境にあります。また、技術革新への対応の遅れや当社の技術力の低下、それに伴うサービス品質の低下により、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があり、こうしたリスクへの対策として、最新の技術動向やお客様のニーズの把握に努め、技術者においては継続的に新しい技術の習得を推進しております。

 

(11) 業務上の事故に関するリスクについて

当社は様々な電気通信に関連する工事に従事しており、業務上の事故により、被害に対する復旧作業や補償、業務遅延などが発生し、当社の業績や財政状態に影響を与える恐れがあります。こうしたリスクへの対策として、適切な労務管理や安全衛生・教育活動の全社的かつ継続的な推進を通じて、業務遂行における安全性の確保に努めております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、企業の堅調な設備投資などを背景として緩やかな回復の動きが続いていますが、物価上昇や米国の貿易政策の動向、地政学リスクなどから、依然として注視が必要な状況が続くと見込まれております。

当社が位置するICT業界においては、業務効率化や生産性向上を目的としたシステム投資、デジタル技術の活用によりビジネスモデルを変革するDX関連投資などを中心に堅調な推移が見込まれています。

このような環境の中、当社は、2025年9月期より2027年9月期を対象とした第3期中期経営計画「FuSodentsu Vision 2027~ココロ躍る未来に向かって Challenge DX Movement~」を2024年11月に策定いたしました。当事業年度は、中期経営計画の初年度にあたり、事業を成長させる戦略として業種区分を基軸とした価値提供を推進するとともに、経営基盤の強化により事業・経営基盤の両面から持続的成長に努めております。

事業成長戦略については、業種別戦略、DX戦略、M&A戦略の3つの戦略を推進しております。業種別戦略では、各業種特有の課題やニーズに即した具体的なアクションプランの策定と実行に努めるとともに、業種横断的な課題に対してはワーキンググループを設置し、全社的な対応力の強化を図っております。

DX戦略においては、お客様のDXを推進する伴走型企画・コンサルティングの強化を目指し、DX提案ソリューションの標準化や生成AIの社内活用促進、DX人財育成のためのキャリアフレームワーク策定に取り組んでおります。これにより、提案力と生産性の向上を図るとともに、社内業務の効率化を推進しております。また、2024年10月にはテレフォニーとセキュリティを統合した当社独自のDXソリューション「ArmZ X」シリーズの第一弾として「ArmZ Cloud」の提供を開始しました。さらに、2025年4月には「ArmZ Link」および「ArmZ Key」を追加し、シリーズ製品の充実に努めております。

M&A戦略においては、自治体ビジネスの拡大を目的として、北海道内で自治体向け人事関連システムの開発・導入・運用保守を行う株式会社北海道システムエンジニアリングを子会社化し、公共分野における事業基盤の強化を図っております。

経営基盤の強化においては、プロジェクトマネージャー研修や企画力育成プログラムの実施により次世代リーダーを育成するとともに、働き方改革や多様性尊重の職場づくりを推進しました。また、セキュリティ商材の拡充、生成AIを活用した業務効率化ツールの導入、新業務システムへの移行などを通じ、業務の高度化と顧客満足度の向上を図っております。

当事業年度の受注高は、電力業および民需向けパソコン・ソフトウエア販売に加え、医療情報システム関連のヘルスケアビジネスや防災・減災ビジネスなどが好調に推移したことにより63,504百万円(前年同期比23.7%増)となりました。売上高につきましては、富士通株式会社および同社グループとの連携強化による新規商談が活性化したことや、防災・減災ビジネス、システム標準化などの自治体ビジネスに加えて、電力業および民需向けパソコン・ソフトウエア販売などが好調に推移したことにより54,684百万円(前年同期比16.9%増)となりました。利益につきましては、売上高の増加に加えオフィス部門やソリューション部門などで粗利益率も改善したことから営業利益3,428百万円(前年同期比83.8%増)、経常利益3,663百万円(前年同期比77.9%増)、当期純利益2,517百万円(前年同期比76.3%増)となりました。

 

[ネットワーク部門]

ネットワーク部門は、防災・減災ビジネスなど自治体ビジネスが好調に推移したものの、小売業向けWi-Fiアクセスポイント設置工事減少の影響により、売上高は13,874百万円(前年同期比4.6%減)となりました。

 

[ソリューション部門]

ソリューション部門は、電子カルテや医事会計などの医療情報システムの更新などヘルスケアビジネスが好調に推移し、加えて電力業向けにセキュリティを施したパソコン・ソフトウエア販売、システム標準化などの自治体ビジネスが好調に推移したことにより、売上高は16,730百万円(前年同期比39.9%増)となりました。

 

[オフィス部門]

オフィス部門は、民需向けパソコン・ソフトウエア販売が好調に推移したことなどにより、売上高は12,139百万円(前年同期比28.1%増)となりました。

 

[サービス部門]

サービス部門は、ソフトウエアサポートサービスなどの増加に加え、運輸業向け運行記録・管理のデジタル化サービスなど業務効率化や生産性向上を目的とした様々なクラウドサービスが好調に推移したことにより、売上高は11,938百万円(前年同期比10.5%増)となりました。

 

② 財政状態の分析

当事業年度における総資産は、39,715百万円となり、前事業年度末に比べ10,040百万円増加となりました。主な増加理由といたしましては、現金及び預金が3,087百万円、売掛金が1,536百万円、仕掛品が2,787百万円、投資有価証券が2,354百万円増加したことによるものです。

負債につきましては、24,307百万円となり、前事業年度末に比べ7,161百万円増加となりました。主な増加理由といたしましては、買掛金が6,063百万円、契約負債が944百万円増加したことによるものです。

純資産につきましては、15,407百万円となり、前事業年度末に比べ2,879百万円増加となりました。主な増加理由といたしましては、当期純利益の計上により繰越利益剰余金が1,953百万円、その他有価証券評価差額金が900百万円増加したことによるものです。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前事業年度末に比べ3,068百万円増加し、9,381百万円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。

 

〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕

営業活動で得た資金は、4,877百万円(前年同期は得た資金1,310百万円)となりました。主な要因は、棚卸資産の増加2,784百万円があったものの、仕入債務の増加6,063百万円によるものです。

 

〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕

投資活動で使用した資金は、931百万円(前年同期は使用した資金839百万円)となりました。主な要因は、有価証券の償還による収入500百万円がありますが、投資有価証券の取得による支出1,300百万円、無形固定資産の取得による支出185百万円によるものです。

 

〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕

財務活動で使用した資金は、877百万円(前年同期は使用した資金469百万円)となりました。主な要因は、社債の償還および配当金の支払によるものです。

 

④ 受注及び販売の状況

当社は、情報通信機器の施工、オフィス機器の販売、システムソフト開発およびこれらに関連するサポートサービスの単一事業を営んでいるため、部門別に記載しております。

 

 

a. 受注実績

当事業年度における受注実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

 

部門

品目

受注高(千円)

前年同期比
(%)

受注残高(千円)

前年同期比
(%)

ネットワーク

機器及び工事

 

 

 

 

 

 ネットワーク機器設備

16,596,734

88.6

14,997,300

127.3

 

 販売手数料

23,067

64.0

11,790

 

小計

16,619,801

88.6

15,009,090

127.4

ソリューション

機器及び工事

 

 

 

 

 

 サーバー・コンピューター機器

17,639,312

214.1

9,468,833

243.6

 

 システムソフト開発

4,494,513

116.6

2,401,909

103.4

 

 販売手数料

8,489

79.7

 

小計

22,142,315

182.9

11,870,742

191.2

オフィス

商品

 

 

 

 

 

 オフィス機器

12,235,283

134.4

2,751,158

132.0

 

 サプライ用品

570,843

103.8

6,494

89.6

 

小計

12,806,127

132.7

2,757,652

131.9

サービス

機器及び工事

 

 

 

 

 

 ネットワーク機器設備保守

1,451,562

102.3

 

 サーバー・コンピューター・

     オフィス機器設備保守

10,484,910

111.7

 

小計

11,936,472

110.5

合計

63,504,717

123.7

29,637,486

147.6

 

 

(注) 上記のほかに、前事業年度以前の受注物件で、当期において受注取消をしたものが13,654千円あります。

 

b. 販売実績

当事業年度における販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

 

部門

品目

販売高(千円)

前年同期比(%)

ネットワーク

機器及び工事

 

 

 

 ネットワーク機器設備

13,863,691

95.6

 

 販売手数料

11,276

31.3

 

小計

13,874,968

95.4

ソリューション

機器及び工事

 

 

 

 サーバー・コンピューター機器

12,403,200

140.8

 

 システムソフト開発

4,319,203

137.6

 

 販売手数料

8,489

79.7

 

小計

16,730,893

139.9

オフィス

商品

 

 

 

 オフィス機器

11,567,844

129.6

 

 サプライ用品

571,601

103.8

 

小計

12,139,445

128.1

サービス

機器及び工事

 

 

 

 ネットワーク機器設備保守

1,451,562

102.3

 

 サーバー・コンピューター・

     オフィス機器設備保守

10,487,154

111.7

 

小計

11,938,717

110.5

合計

54,684,025

116.9

 

 

(注) 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10を超える相手先がないため、記載を省略しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。財務諸表を構成する事業年度末日の資産・負債および事業年度における収益・費用の数値には、見積もり・判断を行って算出する必要があるものがあります。ただし、実際の結果は様々な要因により、これらの見積もりと異なる場合があります。当社は、特に以下の重要な会計方針が、財務諸表作成における重要な見積もり・判断に影響を及ぼすと考えております。

a. 収益の認識

「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

b. 引当金

「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

c. 繰延税金資産

繰延税金資産については、将来の利益計画に基づく課税所得の十分性や将来加算一時差異の十分性を慎重に検討し、回収可能性を判断した上で計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積もりに依存するため、その見積額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

 

② 経営成績等の分析

当事業年度の経営成績等は、ネットワーク部門では、防災・減災ビジネスなど自治体ビジネスが好調に推移したものの、小売業向けWi-Fiアクセスポイント設置工事減少の影響により減収となりました。ソリューション部門では、電子カルテや医事会計などの医療情報システムの更新などヘルスケアビジネスが好調に推移し、加えて電力業向けにセキュリティを施したパソコン・ソフトウエア販売、システム標準化などの自治体ビジネスが好調に推移しました。オフィス部門では、民需向けパソコン・ソフトウエア販売が好調に推移し、サービス部門では、ソフトウエアサポートサービスなどの増加に加え、運輸業向け運行記録・管理のデジタル化サービスなど業務効率化や生産性向上を目的とした様々なクラウドサービスが好調に推移しました。その結果、売上高は54,684百万円(前年同期比16.9%増)となりました。利益につきましては、売上高の増加に加えオフィス部門やソリューション部門などで粗利益率も改善したことから営業利益3,428百万円(前年同期比83.8%増)、経常利益3,663百万円(前年同期比77.9%増)、当期純利益2,517百万円(前年同期比76.3%増)となりました。また、売上高営業利益率は6.3%となり前年同期に比べ2.3ポイント上昇しました。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

a. 資金の需要

当社の運転資金需要の主なものは、販売に関する情報通信機器の商品および部品の購入のほか、ソフトウエア開発費、施設工事費、販売費及び一般管理費などの営業費用であります。ソフトウエア開発費は当社独自のオリジナル商品開発を含むシステム・エンジニアの人件費および外注費などであり、施設工事費はネットワーク・エンジニアの人件費および外注費などであります。設備投資需要の主なものは、事務合理化および営業支援のための情報設備拡充などであります。

b. 資金の源泉

当社の運転資金および設備投資資金は、通常の営業活動によるキャッシュ・フローなどによりまかなっております。
 当事業年度のキャッシュ・フローの状況は、棚卸資産の増加2,784百万円があったものの、仕入債務の増加6,063百万円などにより営業活動によるキャッシュ・フローの増加4,877百万円、有価証券の償還による収入500百万円があったものの、投資有価証券の取得による支出1,300百万円、無形固定資産の取得による支出185百万円などにより投資活動によるキャッシュ・フローの減少931百万円、社債の償還および配当金の支払などにより財務活動によるキャッシュ・フローの減少877百万円となった結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前事業年度末に比べ3,068百万円増加し、9,381百万円となりました。

 

 

5 【重要な契約等】

(1) 富士通グループ販売パートナー契約

当社は、富士通株式会社(本店 神奈川県川崎市中原区)と同社製品の継続的な販売活動に関する基本契約として、1964年4月1日より通信特約店契約を締結しておりました。

その後、同契約は1970年10月1日にFACOMディーラー契約、1982年10月1日には富士通ディーラー契約として継承され、またそれと並行してワープロ、パソコン、ファックス、半導体、電子部品等の個別契約を締結しておりましたが、1987年10月1日にそれらを統一した富士通システム機器ディーラー契約を締結するにいたりました。その後、同契約は機器、プログラム・プロダクト、保守、サービス、コンサルティングに関する条項等が大幅に拡充され、1999年12月15日に富士通パートナー契約として締結しておりましたが、2024年7月3日に取引対象会社を富士通株式会社、富士通Japan株式会社(旧 株式会社富士通マーケティング、本社 神奈川県川崎市幸区)、エフサステクノロジーズ株式会社(本店 神奈川県川崎市中原区)とする富士通グループ販売パートナー契約を新たに締結するにいたりました。

同契約は双方から別段の意思表示がない限り、同一条件をもって1年毎に自動継続するものとされております。

 

(2) 株式譲渡契約

当社は、2025年11月18日付の「株式会社システムメイクの株式取得(子会社化)に関するお知らせ」のとおり、2025年11月18日開催の取締役会において、株式会社システムメイクの全株式(自己株式を除く)を取得し、同社を子会社化することについて決議いたしました。同日付で株式譲渡契約を締結しております。詳細については、「第5経理の状況 1.財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりです。

 

6 【研究開発活動】

当社は、お客様のICTデザインパートナーとして、ともに歩みココロが躍るようなワクワクした未来を目指して、新しい技術やアイデアに挑戦しています。持続可能な社会を実現する革新的なソリューションの開発や自社開発パッケージの高度化を加速し、クラウドやIoT、AIを活用したDXビジネスの事業化に向けた先進技術研究を組織的に推進しております。

当事業年度の研究開発費は30,766千円であります。

当社は、情報通信機器の施工、オフィス機器の販売、システムソフト開発およびこれらに関連するサポートサービスの単一事業を営んでいるため、セグメント別の記載を省略しておりますが、当事業年度の研究開発活動といたしましては、AIビジネスの取り組み強化として、エフサステクノロジーズ株式会社製の「Private AI Platform on PRIMERGY」を先端技術研究開発プラットフォームとして自社導入を行いました。今後は、PoC(Proof of Concept:概念実証)を開始すると同時に、AI活用のコード支援ツール「GitHub Copilot」の導入と評価を進めており、当社SEのAI技術実証の場として活用し、将来的な顧客提案につなげてまいります。