文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
「お客様にありがとうと言われるような販売を続ける」という社是のもと、良い商品づくりをすすめ、お使いになられたお客様が充分に納得し、ご満足されることを使命として「利益ある成長」を続ける「強くて良い会社」を目指しております。
当社の組織運営においては、スタッフ効率(店舗スタッフ一人当たり売上高)をもっとも重視しており、この結果を表わす経営指標が営業利益率となります。
当期の営業利益率は、3.1%でありますが、営業利益率5.0%を目標として、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
当社の経営理念である「美しさと健康と快適な生活を願われる人々のために、優れた商品と真心のこもったサービスを提供する」のもと、主力事業であるスキンケア・バス・ボディケア商品等の物販事業においては、多くの女性に支持される店舗及び商品開発に注力し、新規客様との接点を拡大し、安定的な売上増及び利益増を目指してまいります。
また、新型コロナウイルス感染症の収束後の社会や経済の在り方が大きく変わっていくことが予想され、EC事業を確実に加速してまいります。
国内景気は、輸出産業やIT関連産業等が牽引する形で概ね順調に推移することが期待されます。消費環境は、円安を背景とするインバウンド需要が高まりを見せる一方で、内需が下振れするリスクも孕んでいます。このような中で、人件費の上昇や人手不足感の高まり、さらには地政学リスクの影響等、不透明な状況が続くことが懸念されます。
当社につきましては、当期に組織を一部改編し、組織間の意思疎通を強化することで業務効率の向上を図ります。また現在、全社的な情報システムの再構築に取り組んでおり、今夏頃を目途に順次稼働を予定していますが、これによりお客様の利便性向上と業務効率化を図ります。
(直営店商品販売事業)
ハウス オブ ローゼ直営店につきましては、当期に全国の直営店舗をグループ長の下、地域ごとに4つのグループに分け、権限と責任を明確化する体制に再編しました。
当期はコロナ禍から回復途上にある「ふれる(触れる)接客」をさらに深耕し、スキンケア化粧品を中心に売上高の増加を図りつつ、顧客リスト登録者数の増加に努め、新客獲得からリピート購入の促進に注力します。また、専門店店舗強化策として、引き続き注力店舗の育成を通じて専門店店舗の業績底上げを図ります。店舗面では、当期も不採算店舗の退店を進めつつ、採算の見込みのある場合には代替店舗の出店を行います。また都市部の百貨店店舗から数店舗を選定し、BePrime店(百貨店店舗におけるワンランク上の商品差別化店舗)に移行するとともに、さらなる店舗利益の向上に重点を置いた運営に努めます。
EC事業は、Amazonモールを始めとした外部モールそれぞれの特性を生かしてイベントへの参加や広告を実施しブランド認知を高め、さらなる売上増を図ります。自社運営サイトは、初回購入促進による新客数増加と、CRM活動強化によるリピート購入の増加に努めつつ、会員数の増加を図ります。また比較的若い年齢層に人気の「Oh!Baby」シリーズ商品につきましては、継続した広告配信や季節需要の強化に取り組み、ブランド認知を通じ売上増を図ります。EC事業は業容拡大に伴い営業経費負担も大きくなっていますが、物流効率化を進める等、経費の効率化を図り、利益の向上に取り組みます。
(卸販売事業)
個人オーナーや販売スタッフ派遣店舗に対しては、販売上位店や育成店へのバックアップ体制を強化し、販促施策を拡充し底上げを図る一方、一定基準に満たない取引先については契約形態を見直すなどにより収益化を進めます。またセルフ販売型の「リラックスタイム」については、拠点数の増加を進める一方で、不採算店舗の整理も行い、1店舗当たりの売上増加と店舗の活性化に努めます。卸販売は、前期のTDL開園40周年で取引額が増加した反動が懸念されますが、反動減は小幅に留まると考えており、リピート需要に加え新たな需要開拓に努めます。また「Oh!Baby」シリーズやビーハニーといった商材を通じた取引先の開拓も進めます。一方で、卸販売の返品・廃棄については期間限定商品等の販売期間後の返品や廃棄ロス抑制の確度を高め、卸販売事業として利益の向上に努めます。
(直営店サービス事業)
リラクゼーションサロン事業は、技術及び接客面をさらに向上させ、また施術後のフォローと次回予約の徹底を図ることでリピート率の向上に努めつつ、お客様の満足度向上を図ります。またオンライン予約システムの利便性向上を通じて新客を含めた顧客数増を図ります。近年不採算店舗を中心に退店を進めたため、店舗数は前期までの2期間で6店舗減少しましたので、1店舗当たりの売上高増加と共に収益性向上に努めます。
カーブス事業は、不足しているスタッフ数の適正化を図りつつ、会員一人ひとりに対するサポートを強化すると共に、来店が難しい会員様には「おうちでカーブス」や「Wプラン」も推奨し、退会者の抑制に努め会員数の確保を図ります。また会員数が増え手狭になった店舗、反対に会員数が伸び悩んでいる店舗は、移設を検討し会員数の増加を目指します。併せて、カーブスジャパンのTVCMも引き続き入会者の増加に資するものと期待し、早期に会員数10,000名を目指します。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社のサステナビリティ向上を推進する組織として、取締役経営企画室長を委員長とするサステナビリティ委員会及びワーキンググループを設置し、サステナビリティにおける課題や方向性等を検討し定期的に取締役会で報告しております。
当社では「サステナビリティ基本方針」及びそれに基づく4つの指針を策定しております。
(ハウスオブローゼ サステナビリティ基本方針)
私たちは、人々が素肌の美しさと健康を保ち、それをもって日々快適な生活を営むことを願っており、経営理念の実践を通じ、私たちの可能な領域において持続可能な社会の実現を目指すと共に企業価値を高めてまいります。
~サステナビリティの4つの指針~
1.「自然に優しい」商品づくりを目指します。
創業以来、素肌に優しい自然志向の化粧品を中心としてPB商品を企画開発してきました。私たちは自然の中で生かされているとの認識を常に持ち、自然の恵みに感謝し、自然環境を大切にした商品づくりを目指します。
2.人と人とのつながりを大切にします。
私たちは、私たちの事業活動に関わるすべての人の権利を尊重し、ディーセントワークに配慮して、人と人とのつながりを大切に事業を運営します。 従業員やその家族が快適な生活を営むべく、ワークライフバランスの更なる向上に努め、従業員一人一人が安全で安心して働ける労働環境の更なる充実を図ります。
3.公正な取引を実践します。
私たちの事業には、多くの取引先が関わっており、取引先の協力なしには事業は成り立ちません。そのため、取引先とは対等で公正な関係を継続し、また取引先の選定及び継続にあたってはCSRの視点を重視し評価を行います。
4.リスク管理の更なる強化を推進します。
我が国は、地震や風水害等の自然災害が多く発生し、その被害はインフラやサプライチェーンの進展に伴い甚大化、長期化しています。また情報ネットワークに関わるリスク等も増大化する中で、事業継続のため想定されるリスクを抽出し、取引先や地域コミュニティとも協力し管理強化を図ります。
(2)人的資本に関する戦略
当社は、自然志向の化粧品等の小売販売業務を中心とした顧客サービスと親身な接客を重視したビジネスを経営の主体としており、人材の雇用、育成は経営の重要課題と認識しております。
化粧品販売業である当社は、販売スタッフの販売教育に注力しており、販売教育部を中心として取り組んでおります。ほぼ毎月、全国の販売マネジャーが本社及び各地の営業所に集い、販売方針及び販売方法の徹底を図るとともに、当該マネジャーから担当店舗のスタッフに示達する流れが確立されています。また、新人販売スタッフにはOJTを行い、その後、販売教育部による販売トレーニングを受講し、当社の社是である「お客様に『ありがとう』と言われるような販売を続ける」に相応しい販売を行っているか検証します。なお、当社におけるリラクゼーションサロン事業及びカーブス事業はサービス事業ですが、社是に則りそれぞれの部門内で、ほぼ同様に接客及び技術に関するトレーニングを実施しております。一方、本社部門の新卒者には入社後新人研修を行い、座学及び店頭での販売研修を行っています。
従業員の健康管理については、全従業員に対し年1回の健康診断を義務とし、その結果を産業医に報告し、必要な場合は産業医による個別相談を実施しています。また、メンタルケアについては、当社が契約した専門カウンセラーが定期的に全国の直営店舗や営業所を訪問したり、主に販売マネジャーを対象とした電話やメール等によるカウンセリングを実施しています。
他方、毎月社内報を発行し、社長のメッセージや新商品並びに販売教育情報及び販売スタッフの情報交換ページ等を掲載しています。
サステナビリティに関するリスク管理については、当社では「リスク管理委員会」を設置しており、「リスク管理規程」及び現状当社としてリスクと考えている事項について検討、審議して代表取締役社長に報告すると共に、必要な場合は取締役会にて報告しております。また、毎年4月度の取締役会において、前事業年度におけるリスク管理委員会の活動及び内部監査結果を報告しています。
(4)人的資本の指標及び目標
当社は、自然志向の化粧品等の小売販売業務を中心とした顧客サービス親身な接客を重視したビジネスを経営の主体としており、人材の雇用、育成は経営の重要課題と認識しております。
化粧品販売業である当社は、販売スタッフの販売教育には注力しており、販売教育部を中心として取り組んでおります。ほぼ毎月、全国の販売マネジャーが本社及び各地の営業所に集い、販売方針及び販売方法の徹底を図るとともに、当該マネジャーから担当店舗のスタッフに示達する流れが確立されています。また、新人販売スタッフにはOJTを行い、その後、販売教育部による販売トレーニングを受講し、当社の社是である「お客様に『ありがとう』と言われるような販売を続ける」に相応しい販売を行っているか検証します。なお、当社におけるリラクゼーションサロン事業及びカーブス事業はサービス事業ですが、社是に則りそれぞれの部門内で、ほぼ同様に接客及び技術に関するトレーニングを実施しております。
一方、本社部門の新卒者には入社後新人研修を行い、座学及び店頭での販売研修を行っています。
従業員の健康管理については、全従業員に対し年1回の健康診断を義務とし、その結果を産業医に報告し、必要な場合は産業医による個別相談を実施しています。また、メンタルケアについては、当社が契約した専門カウンセラーが定期的に全国の直営店舗や営業所を訪問したり、主に販売マネジャーを対象とした電話やメール等によるカウンセリングを実施しています。
他方、毎月社内報を発行し、社長のメッセージや新商品並びに販売教育情報及び販売スタッフの情報交換ページ等を掲載しています。
当社の経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社の化粧品販売事業は、コンサルティング販売を柱とした営業展開を行っておりますので、人的労力に負う部分が非常に大きなウエイトを占めており、スタッフの資質、技量によって店舗売上が左右される面があります。当社では、コンサルティング販売の徹底、レベル維持のためスタッフ教育に注力しておりますが、極めて少人数で年齢的にも若いスタッフに店舗運営を委ねているため管理面が統一されにくいこともあり、スタッフのモチベーションとモラルの低下が当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、リラクゼーションサロン事業では、民間の資格を持ったリフレクソロジストにより施術を行うため、出店に応じたリフレクソロジストの確保が必要となり、人材確保が出来なかった場合、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、PB商品を企画・開発し販売するにあたり、研究開発室を中心としてOEMメーカーの協力を得て万全の体制をとっておりますが、万一不測の事態により商品の品質に欠陥が生じ、大量の消費者トラブルおよびクレームが発生した場合、損害賠償責任のみならず百貨店をはじめとした出店先から信用低下により出店契約が解除される事態となる可能性があり、その場合は当社の経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社は、PB商品をファブレス形式でOEMメーカーに生産を委託しております。商品の品質管理及び安定供給の維持等については、当社規格の製品検査及び覚書等で万全の体制をとっておりますが、OEMメーカーの対応に支障が生じた場合や、OEMメーカーが倒産した場合、商品の開発、一部商品の供給に支障が生じ、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社が取扱う自然志向の化粧品には、化粧品原料基準等で認可されている原材料を用いており、また健康食品にはビタミン類、ミネラル類などの原材料を用いております。これらの原材料の許認可については行政の意向が強く反映されるため、行政の意向により当社の商品製造・販売計画に支障が生じる可能性があります。
当社は各店舗において顧客の個人情報を多数有しております。よって、当社は顧客情報の管理を重要と考え、顧客情報管理規程を制定し、内部監査により管理の徹底状況を確認しておりますが、万が一顧客情報の漏洩等が発生した場合は、損害賠償の請求を受ける恐れがあります。また、信用の低下により販売活動に悪影響を与え、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は保証金を差し入れている店舗があり、当該保証金は、解約時には返却される契約となっております。当社では出店先の経営状況を必要に応じて確認しておりますが、出店先の業績不振、倒産等により保証金の回収が困難となった場合は、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は物流センターが店舗用倉庫と通販用倉庫に分かれておりますが、地震等の自然災害、交通災害等により物流機能が阻害される可能性があります。
当社の化粧品・医薬部外品等販売事業、健康食品販売事業、その他の事業における法的規制に関しては、「医薬品医療機器等法」関係の規制のほか、「食品衛生法」「JAS法」「健康増進法」「特定商取引法」「景品表示法」等の規制がなされております。また各販売事業における商品の品質、有効性、安全性の確保を目的とした社内規制を設けております。当社はこれらの法的規制を遵守し、行政通知等の情報収集に努め、規制内容に疑義が生じた場合は監督官庁等へ照会し回答を受けた上で実施するなど慎重な対応を行っております。化粧品・医薬部外品等販売事業につきましては、2014年11月25日施行の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に基づく化粧品製造販売業許可(許可番号:13C0X00125)及び医薬部外品製造販売業許可(許可番号:13D0X00068)の交付を監督官庁より受け、当社PB化粧品及びPB医薬部外品の製造販売業務を行っております。製造販売業許可の有効期間は、共に2022年3月11日から2027年3月10日までとなっております。
なお、化粧品及び医薬部外品の製造販売業許可の失効または取消し等につきましては、医薬品医療機器等法第12条の2「許可の基準」、同法第75条「許可の取消し等」に定められております。当社の主要な事業活動の継続には、上述のとおり化粧品及び医薬部外品の製造販売業許可が必要であり、そのために「医薬品医療機器等法」等の関係法令を遵守した事業活動を実施する必要がありますが、現時点において、当社は当該業許可の取消しまたは更新要件の欠落の事由に該当する事実は無いと認識しております。しかし、将来何らかの理由により許可の失効、取消しまたは業務停止等の行政処分を受けた場合は、当社の主要な事業活動に支障をきたすと共に、業績に重大な影響を与える可能性があります。また、上記法律等の改廃、法的規制の新設等が生じた場合、あるいは万一法的規制を遵守していない事態が生じた場合は、事業活動が制限され、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、自然志向の化粧品の販売を主たる事業としておりますが、2000年よりリラクゼーションサロン事業を開始し、リフレクソロジーの単独店舗又は化粧品等との併設店舗等の店舗展開を積極的に行っております。当社の行うリフレクソロジーにおける足裏等に対する施術はあん摩マッサージ指圧に類似する行為でありますが、上記施術は、行為自体の強度の点で対象者が痛みを感じるほどの強さをもって行うものではなく、また同時に提供される「色彩」、「照明」、「香り」、「音楽」、「飲み物」等と一体となってリフレクソロジーとして「リラクゼーション」の効果を有するものであることなどから総合的に判断し、「医師法」に規定される医療行為及び「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」に規定されるあん摩マッサージ指圧行為及び医業類似行為には該当しないと解しております。
但し、今後当社の行うリフレクソロジーが上記法律に何らかの形で抵触すると判断された場合は、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社の主要事業が属する国内の化粧品市場は既に成熟した市場であり、業界の出荷高は近年横ばいの傾向にあるといわれております。このような中、自然志向、健康志向の高まりに対応すべく、独自の自然志向化粧品、サプリメント等の健康食品の開発・提供をしてきましたが、この分野においても新規参入が増加する傾向にあります。当社では、常に新たな商品の開発による他社との差別化を図り収益の確保を追求してまいりますが、類似品の登場などにより当社製品の競争力が低下するような場合は、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、競合他社との差別化を図り、一定の知的財産権を確保する措置を講じておりますが、他社による模倣品の販売により当社の商品の市場が侵食されるような場合は、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社の開発販売するPB商品は、商標等の他社の知的財産権に抵触しないよう事前に入念な調査を行っておりますが、万が一、他社の知的財産権を侵害し、権利を有する他社がこれを先に発見した場合は、警告を受けるとともに、差止請求権、損害賠償請求権を行使される可能性があり、その内容及び結果によっては、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社の直営店は、主に百貨店及び専門店を中心に展開しております。今後も百貨店コーナーでの販路拡大を継続するほか、ショッピングセンター等へ積極的に出店を行って参りますが、何らかの事情により、百貨店やショッピングセンター等での販売に変調が見られた場合は、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
現在、株式会社ワコールホールディングスが筆頭株主として当社の議決権の21.2%を保有しており、当社は同社の持分法適用関連会社として位置づけられております。
当社と株式会社ワコールホールディングスを中心とする企業グループ(ワコールグループ)は、「美しさ」「快適さ」および「健康」を顧客へ提供する経営理念を共有しておりますが、経営そのものは完全に独立しており、当社は独自に事業展開しております。
同社との取引については、当社が運営する新業態型店舗において、ワコールグループの中核企業である株式会社ワコールから一部商品を仕入れております。
人的関係では、株式会社ワコールホールディングス常勤監査役が当社の社外取締役に就任しており、当社の取締役会および監査等委員会において適宜、助言・提言を受けております。なお、出向者等の受入はありません。
同社による議決権所有割合は、将来的に変動する可能性はありますが、相互の独立性は今後とも十分確保していく方針です。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度末の総資産は、前事業年度末より1億62百万円減少し、86億69百万円となりました。
当事業年度末の流動資産は前事業年度末より90百万円減少し、56億42百万円となりました。主な要因は、現金及び預金が1億53百万円減少し、その他が59百万円増加したことによるものであります。
当事業年度末の固定資産は前事業年度末より71百万円減少し、30億27百万円となりました。主な要因は、リース資産(有形)が65百万円、差入保証金が53百万円、繰延税金資産が41百万円減少し、長期前払費用が99百万円増加したことによるものであります。
当事業年度末の流動負債は前事業年度末より1億50百万円減少し、15億82百万円となりました。主な要因は、短期借入金が1億50百万円、1年内返済予定の長期借入金が1億円減少し、未払法人税等が1億76百万円増加したことによるものであります。
当事業年度末の固定負債は前事業年度末より0百万円減少し、13億56百万円となりました。主な要因は、リース債務が36百万円減少し、資産除去債務が13百万円増加したことによるものであります。
当事業年度末の純資産は前事業年度末より11百万円減少し、57億30百万円となりました。主な要因は、その他有価証券評価差額金が15百万円減少し、繰越利益剰余金が4百万円増加したことによるものであります。この結果、自己資本比率は前事業年度末65.0%から66.1%となりました。
当期の国内景気は、年間を通じて概ね緩やかに持ち直し傾向で推移しました。コロナ禍での入国制限解除を契機にインバウンド需要も喚起され、観光業や外食産業も持ち直し、また円安効果により輸出を中心とした企業収益も増加傾向となりました。その一方、原材料価格や人件費の上昇により収益が伸び悩む企業も多くあり、企業規模、業種等により収益格差が拡大する状況となりました。また、景気の持ち直しに伴い、全般的に人手不足感が強くなりました。
(直営店商品販売事業)
ハウスオブローゼ直営店は、コロナ禍の収束に伴い、ハンドウォッシュ(お客様の手を顔に見立て、洗顔料等を使用しお客様の手に触れながら洗顔方法をお伝えする、当社の強みである販売手法)を再開し、お客様一人ひとりに対する「ふれる(触れる)接客」を通じた販売力を再強化することでスキンケア化粧品の売上増加を図りつつ、業績向上に取り組みました。また店頭MDにおいても外部講師による実践的な販売教育を強化しつつ、特に専門店店舗(百貨店を除く駅ビルやファッションビル等に出店している店舗)の業績向上に取り組みました。
商品面では、当社の主力商品である保湿美容液「モイスチュアコントローラー」を昨年9月に全面リニューアルし、その後も好調な売上を持続しております。また、当社主力保湿ケアライン「ミルキュアピュア」の洗顔料も販売強化により売上伸長する等、スキンケア化粧品売上高は着実に増加しました。その他、夏場においては、猛暑の下、クール系のパウダーや清涼感のあるボディケア商品が伸長しましたが、他のボディケア商品や雑貨商品は、年間を通じて全般的に伸び悩みました。店舗の状況につきましては、館の閉鎖及び不採算等により13店舗を退店し、その一方で、退店店舗の代替等で2店舗を出店したことにより、期末店舗数は183店舗となりました。また店舗改装では、百貨店店舗から1店舗を「Be Prime」店(百貨店店舗におけるワンランク上の商品差別化店舗)にリニューアルしたことで、Be Prime店の期末店舗数は11店舗となりました。Be Prime専用商品もご好評をいただいており、上質感を求めた差別化店舗として堅調に推移しました。HOR直営店舗数の減少により売上高は前期比1.6%減となりましたが、既存店ベースでは前期比約1%増、またスキンケア化粧品の売上増加により、販売単価や販売スタッフ当たりの売上高も増加しました。
EC事業は、コロナ禍の収束に伴うリアル回帰により、EC業界自体の伸長率低下が指摘される中、当社EC事業においても売上伸長率は鈍化傾向となりました。その中で、Amazonモールを始めとした外部モールでは、モールごとの各種イベントへの参加や広告による露出効果により着実に売上増加となりました。自社運営サイトにおいては、CRM活動強化等によりリピート注文は増加した一方で、新規注文が苦戦し、夏・冬のセールも伸び悩んだことから、売上高はほぼ前期並みとなりました。この結果EC事業売上高は、前期比4.3%増となりました。
以上、他の直営店販売事業を加えた当事業売上高は、91億86百万円(前期比0.7%減)となりました。一方経費面では、ハウスオブローゼ直営店におけるスキンケア売上増による売上原価率の低減、及び店舗数減に伴う物件費、人件費の減少等があったことにより営業利益1億5百万円(前期は営業損失30百万円)と大幅な黒字転換となりました。
(卸販売事業)
個人オーナー店舗向け卸では、ハウスオブローゼ直営店同様、スキンケア化粧品や季節限定商品等の売上が堅調に推移し、店舗数は1店舗純減となりましたが、ほぼ前期並みの売上高を確保しました。一方大手量販店向け卸においては、取引先からの季節限定商品等の返品抑制に取り組んだ他、販売スタッフ派遣店舗に対しては、収益力強化に努めながらも販売不振店舗には派遣中止を実施する等、事業収益改善を図りました。卸販売においては、株式会社オリエンタルランドからの委託でオリジナル商品等を東京ディズニーランド(以下、TDL)向けに卸売をしており、当期はTDL開園40周年で取引額が大幅に増加したことが寄与し、売上高は前期を大きく上回りました。一方中国向け越境EC卸売においては、中国市場の回復の遅れや日本製品の不買運動もあり低迷が続きました。
以上、当事業売上高は、15億76百万円(前期比7.9%増)、売上高の増加及び経費削減により営業利益は94百万円(前期比55.5%増)となりました。
(直営店サービス事業)
リラクゼーションサロン事業は、夏場の猛暑や秋の行楽シーズンに来店客が減少する状況がみられましたが、イベントや季節に応じた販売促進策はほぼ計画通りに推移しました。全般的に施術時間の長い「ロングコース」の需要が伸びた結果、施術単価も上昇しました。施術スタッフの教育は、技術面のフォローアップを中心に強化し、スタッフ間の技術レベルの均一化を図ると共に、お客さまの満足度を高めることに注力しました。当期は不採算店舗を中心に4店舗を退店したため、売上高は前期比4.8%減となりましたが、既存店ベースでは前期比約3%増となりました。
カーブス事業は、既存会員へのサポート強化と退会者の抑制に努めると共に、コロナ禍で退会された方への再入会アプローチ活動を積極的に行いました。また、自宅でもトレーニングができる「おうちでカーブス」と店舗でのトレーニングをセットにしたWプランの推奨、及びプロテイン等の販売にも注力しました。さらにフランチャイザーであるカーブスジャパンのTVCM効果も寄与し、当期末時点の会員数は前期末比で約240名増の約9,240名となりました。この結果スタッフ不足が続く中、売上高は前期比8.8%増となりました。
以上、当事業売上高は、12億26百万円(前期比3.0%増)、カーブス事業の業績好調に加え、リラクゼーションサロン事業の不採算店舗退店による業績向上も伴い、営業利益は1億67百万円(前期比35.1%増)を確保しました。
以上の結果、当事業年度の売上高は、119億89百万円、前期比0.7%の微増となりました。経費につきましては、一部商品の仕入原価上昇に加え、当期からリラクゼーションサロン事業の店舗スタッフ人件費を売上原価に計上したこともあり、全社売上原価率は上昇しましたが、ハウスオブローゼ直営店の売上原価率がスキンケア売上増により低下したこと、また、店舗数減に伴う従業員数の減少による人件費の減少や全社的な経費削減効果等により、営業利益は3億67百万円(前期比139.0%増)となりました。一方、店舗の減損損失による特別損失額が計画より増加したこと、また前期は、物流センターの土地、建物を売却したことによる特別利益を計上したこともあり、当期純利益は1億22百万円(前期比76.2%減)となりました。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、当事業年度末は27億16百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果得られた資金は、4億90百万円(前期は3億22百万円取得)となりました。これは主に税引前当期純利益の3億19百万円、減価償却費90百万円、長期前払費用償却費50百万円によるものであります。
投資活動の結果使用した資金は、1億94百万円(前期5億81百万円取得)となりました。これは主に長期前払費用の取得による支出2億3百万円によるものであります。
財務活動の結果使用した資金は、4億49百万円(前期6億28百万円使用)となりました。これは主に短期借入金の返済による支出1億50百万円、長期借入金の返済による支出1億円、配当金の支払額1億17百万円によるものであります。
当事業年度の仕入実績を商品分類別に示すと、次のとおりであります。
ロ.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については該当はありません。
ハ.商品分類別販売実績
当事業年度の販売実績を商品分類別に示すと、次のとおりであります。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社の経営成績は、売上高119億89百万円は、第1四半期が苦戦したこともあり、前年同期比0.7%の微増となりました。経費につきましては一部商品の仕入原価上昇に加え、リラクゼーションサロン事業の店舗スタッフ人件費を売上原価に計上したこともあり、全社売上原価率は上昇しましたが、ハウスオブローゼ直営店の売上原価率がスキンケア売上増により低下したこと、また店舗数減に伴う従業員数の減少による人件費の減少や全社的な経費削減効果等により、営業利益は3億67百万円(前期比139.0%増)となりました。
特別損益につきましては、店舗の減損損失による特別損失が計画より増加し、当期純利益は1億22百万円(前期比76.2%減)となりました。これは、資産除去債務を追加計上した店舗の一部が減損損失の対象店舗となったことによります。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
資金については、足元の状況を優先し、雇用を維持しながら店舗運営を継続していくため、2020年4月に運転資金として、金融機関3行から当座貸越契約を締結し、15億円の調達を行いました。また、長期借入金として5億円の調達を行いました。
なお、短期借入につきましては、2023年9月末日までに15億円を返済、長期借入につきましては、2023年8月末までに5億円を返済、当該借入金を全額返済しました。今後も必要に応じて、金融機関からの資金調達を適宜検討してまいります。従前通り、持続的な成長に向け邁進してまいります。
特記すべき事項はありません。
特記すべき事項はありません。