文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
「お客さまにありがとうと言われるような販売を続ける」という社是の下、良い商品づくりを進め、お使いになられたお客さまが充分に納得し、ご満足されることを使命として「利益ある成長」を続ける「強くて良い会社」を目指しております。
当社の組織運営においては、スタッフ効率(店舗スタッフ一人当たり売上高)を最も重視しており、この結果を表わす経営指標が営業利益率となります。
当期の営業利益率は、1.1%でありますが、営業利益率5.0%を目標として、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
当社の経営理念である「美しさと健康と快適な生活を願われる人々のために、優れた商品と真心のこもったサービスを提供する」の下、主力事業であるスキンケア・バス・ボディケア商品等の物販事業においては、多くの女性に支持される店舗及び商品開発に注力し、新規客様との接点を拡大し、安定的な売上増及び利益増を目指してまいります。
米国の通商政策が国内景気に与える影響が見通せず、更には地政学リスクの影響等もあり、国内景気は不透明な状況が続くと思われます。見通し難い経済状況の下、更なる物価上昇懸念もあり消費者マインドの低迷が続き内需が下振れするリスクも孕んでいます。このような中で、更なる人件費の上昇や深刻な人手不足も伴い、経営環境は一層厳しい状況となることが予想されます。
当社では本年度を始期とする新3ヶ年中期経営計画を策定しました。当新中期経営計画において、化粧品事業再構築によるブランド価値向上、デジタル化推進による経営効率とサービス向上等により各事業部門の収益力を高めるとともに、人的資本の更なる強化を図ります。その一環として、期初に組織を一部改編し、従来の直営店本部からEC部門、卸部門を含めた化粧品営業部門を統括的に管理する営業本部に改組しました。人材登用の促進を核として人事制度改革を進める他、組織間の意思疎通を強化して効率を高め、全社を挙げて計画達成に向け実行してまいります。
また、2025年4月に株式会社ビーバイイーから化粧品ブランド「MAMA BUTTER」を事業譲受しました。本年下期を目途とし本格稼働する計画であり、シアバターを配合した肌に優しいブランドで、当社化粧品とも親和性が高く、当社の卸部門及びEC事業向けブランドとして育成を図ってまいります。
(直営店商品販売事業)
ハウス オブ ローゼ直営店につきましては、中期経営計画の下、改めて当社の強みである「素肌みがき」を再構築し強化、定着を図ります。商品づくり、販売促進、教育及び外部発信等多方面から一貫性を持って取組み、ハウス オブ ローゼブランド価値を更に高めることにより収益向上を図ります。その中で商品づくりについては、サステナビリティの考え方をより深耕させ、「4Universal」(for Skin、for Everyone、for Animals、for Earth)の理念を掲げ、新商品や商品リニューアル時をもって徐々に商品づくりに生かしてまいります。また44期から実施している1ID化については、お客さまの利便性をより高めるべくサービス向上に努め、更なる会員数増を図るとともに店舗の運営効率を高めます。
EC事業は、更なる業容拡大のため新たにQoo10モールへの出品を決定しました。当モールは、若年層の需要が高く、購買層の拡大につながるものと期待しています。また、自社運営サイトにおける受注業務を外注化し、合理化を図るとともに、土日出荷対応等サービス向上に努めます。更に2025年3月期に効果が見られた諸施策を強化することで、会員数の増加と更なる業績向上を図ります。既存の外部モールでは、それぞれの特性を生かしたイベントへの参加や広告を実施しブランド認知を高め、更なる売上増を図ります。
(卸販売事業)
個人オーナーや販売スタッフ派遣店舗に対しては、直営店同様に「素肌みがき」を通じた販売教育を強化し、固定客化を図るとともに新規顧客獲得のための集客施策を進めます。また低迷している地方百貨店の梃入れを図りつつ、取引条件の見直しを進め収益向上を図ります。セルフ販売型の「リラックスタイム」については、有力店舗での売場面積及び品揃えの拡大を図り、1店舗当たりの売上増に努めます。その他一般卸は、「越冬クリーム」を始めとしたビーハニー商材の商品開発も含め1店舗当たりの売上拡大とともに取引先の開拓も進めます。一方で、期間限定商品等の販売期間後の返品や廃棄ロス抑制の確度を高め、卸販売事業として利益の向上に努めます。
(直営店サービス事業)
リラクゼーションサロン事業は、スタッフ確保に努めつつ、技術及び接客面を更に向上させ、施術後のフォローと次回予約の徹底を図ることでリピート率の向上に努め、お客さまの満足度向上を図ります。またオンライン予約システムの利便性向上を通じて新客を含めた顧客数増を図ります。一方で、コース単価やスタッフ指名料の見直しを検討します。近年不採算店舗を中心に退店を進めたため、店舗数が2025年3月期までの2期間で6店舗減少しました。今後は1店舗当たりの売上高増加とともに収益性向上に努めます。
カーブス事業は、引き続きスタッフ数の適正化を図りつつ、会員一人ひとりに対するサポートを強化し退会者の抑制に努めるとともに入会率の向上に努め、期末会員数10,500名を目指します。また会員数が増え手狭になった店舗については、移設を検討し環境整備を図ります。物販売上も増加を目指し、更なる事業業績向上に努めます。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社のサステナビリティ向上を推進する組織として、取締役経営企画室長を委員長とするサステナビリティ委員会及びワーキンググループを設置し、サステナビリティにおける課題や方向性等を検討し定期的に取締役会で報告しております。
当社では「サステナビリティ基本方針」及びそれに基づく4つの指針を策定しております。
(ハウスオブローゼ サステナビリティ基本方針)
私たちは、人々が素肌の美しさと健康を保ち、それをもって日々快適な生活を営むことを願っており、経営理念の実践を通じ、私たちの可能な領域において持続可能な社会の実現を目指すとともに企業価値を高めてまいります。
~サステナビリティの4つの指針~
1.「自然に優しい」商品づくりを目指します。
創業以来、素肌に優しい自然志向の化粧品を中心としてPB商品を企画開発してきました。私たちは自然の中で生かされているとの認識を常に持ち、自然の恵みに感謝し、自然環境を大切にした商品づくりを目指します。
2.人と人とのつながりを大切にします。
私たちは、私たちの事業活動に関わるすべての人の権利を尊重し、ディーセントワークに配慮して、人と人とのつながりを大切に事業を運営します。 従業員やその家族が快適な生活を営むべく、ワークライフバランスの更なる向上に努め、従業員一人一人が安全で安心して働ける労働環境の更なる充実を図ります。
3.公正な取引を実践します。
私たちの事業には、多くの取引先が関わっており、取引先の協力なしには事業は成り立ちません。そのため、取引先とは対等で公正な関係を継続し、また取引先の選定及び継続に当たってはCSRの視点を重視し評価を行います。
4.リスク管理の更なる強化を推進します。
我が国は、地震や風水害等の自然災害が多く発生し、その被害はインフラやサプライチェーンの進展に伴い甚大化、長期化しています。また情報ネットワークに関わるリスク等も増大化する中で、事業継続のため想定されるリスクを抽出し、取引先や地域コミュニティとも協力し管理強化を図ります。
(2)戦略
①全般的な戦略
当社は、植物由来の原料を配合した肌に優しい自然志向の化粧品小売業を中核事業としており、企業価値の向上及び持続的な企業の成長において、環境を始めとしたサステナビリティは重要な課題であると認識しております。店舗で使用するショッピングバッグやギフト資材のプラスチック素材から紙製への変更を始め、シャンプー類では詰め替え容器の発売やバイオマス素材の容器を採用する等環境へ配慮した取組みを順次進めております。今後とも協力メーカー等と協働し、可能な範囲でサステナビリティ向上に取組んでまいります。
当社ではサステナビリティ委員会を中心として、「2030年時点の“ありたい姿”」及びそのための重要項目(マテリアリティ)を設定し、取締役会にて決議いたしました。今後は、それらに基づく具体的なKPI等を順次定めていく予定としております。
〔ありたい姿〕
多様化する社会において、お客さまとの共感や従業員の幸せを大切にし、「ふれあい」を通じて誰からも永く信頼され、愛され続ける会社になる。
〔マテリアリティ〕
「ありたい姿」を具現化するためには、ステークホルダーとの信頼をより深めつつ、社会的責任を果たしていくことが重要であるとの認識の下、3つのテーマを設定し、それぞれのマテリアリティを策定しました。
□ お客さまとの共感の追求
・「多様なライフスタイルへの対応」「お客さまとの『ふれあい』の機会の創造」
従来から当社の強みである「素肌みがき」にフォーカスし、「素肌みがき」の視点から販売教育、商品づくり等を順次進め、お客さまとの「ふれあい」を通じファン化を促進します。
また、化粧品販売事業は、コンサルティング販売を中心とした直営店舗以外に、卸売を通じて顧客のライフスタイルに応じたセルフ展開商品を販売しており、今後ともチャネルの拡大を図ります。
一方、直営店サービス事業では、リラクゼーションサロン(リフレクソロジー)、女性専用フィットネスクラブ(カーブス)の事業を通じて、「健康」志向のライフスタイルと「ふれあい」の場を提供しています。
□ 従業員の幸せの追求
・「働きやすい職場づくり」
2028年3月期までの指標として、年間休日日数を毎年度1日ずつ増加させてまいります。また2025年4月から本社部門にて、各自週1回のテレワーク勤務体制を導入しました。
・「働きがいのある職場づくり」
2025年4月から本社正社員の昇格制度を改定しました。
□ 事業基盤の強化
・「安心安全な品質の提供」「環境負荷の低減」
2025年3月期に、ハウス オブ ローゼブランドの商品づくりの目指す方向性として「4Universal」という理念を
定めました。
*for Skin ・・・高品質・低刺激
*for Everyone ・・・誰もが使える
*for Animals ・・・アニマルフレンドリー
*for Earth ・・・エコフレンドリー
この「4Universal」の理念を具現化することで、ハウス オブ ローゼブランド商品の付加価値を高め、お客さまが求める理由、選択する理由の幅を広げたいと考えます。
今後の新商品及びリニューアル商品は、この理念を取り入れた商品を増やしていきたいと考えます。
また、「4Universal」理念とリンクして2030年までに
① 天然成分原料の累計使用数:1,000種
② アップサイクル原料の採用数:100種
③ バイオマス、再生由来プラスチック使用率:30%以上
④ 商品における環境配慮紙使用率:80~100%
を目標とし、OEM工場に対してはサプライチェーンにおける重要な位置づけとして、主要なOEM先の評価(工場監査)について、循環的に50社を対象として設定しました。
・「ガバナンス(コンプライアンス)の強化」
当社は、女性スタッフを多く雇用しており、働く環境の整備とともにハラスメント対策等の整備を強化しています。社内研修の他、内部通報制度やお客さま相談課を通じた情報共有の充実に努めています。また、個人情報の取扱いについては、システムによる管理強化とともに、顧客情報の管理については、内部監査室による整備状況監査を実施しています。
② 人的資本に関する戦略(方針)
当社は、自然志向の化粧品等の小売販売業務を中心とした顧客サービス親身な接客をビジネスの主体としており、人材の雇用、育成は経営の重要課題と認識しております。
化粧品小売業である当社は、販売スタッフの販売教育に注力しており、販売教育部を中心として取組んでおります。ほぼ毎月、全国の販売マネジャーが本社及び各地の営業所に集い、販売方針及び販売方法の徹底を図るとともに、当該マネジャーから担当店舗のスタッフに示達する流れが確立されています。また、新人販売スタッフにはOJTを行い、その後、販売教育部による販売トレーニングを実施し、当社の社是である「お客さまに『ありがとう』と言われるような販売を続ける」に相応しい販売を行っているか検証します。なお、当社におけるリラクゼーションサロン事業及びカーブス事業はサービス事業として区分しておりますが、社是に則りそれぞれの部門内で、ほぼ同様に接客及び技術に関するトレーニングを実施しております。一方、本社部門の新卒者には入社後新人研修として、座学及び店頭での販売研修を行っています。
また、2025年4月から本社正社員の昇格制度を改定し、これにより昇格スピードを早めるとともに、部門間異動の円滑化を推進します。一方で、降格基準を明確にし、従業員の意識向上と働きがいの醸成を図ります。
従業員の健康管理については、全従業員に対し年1回の健康診断を義務とし、その結果を産業医に報告し、必要な場合は産業医による個別相談を実施しています。また、メンタルケアについては、当社が契約した専門カウンセラーが、販売マネジャーを対象としたカウンセリングを定期的に実施するとともに、必要に応じ従業員を対象とした個別カウンセリングを実施しています。また、本社部門の従業員を対象に年に1回のストレスチェックを実施しております。
他方、毎月社内報を発行し、社長のメッセージや新商品並びに販売教育情報及び販売スタッフの情報交換ページ等を掲載し、社内の幅広い情報連携を促進しております。
サステナビリティに関するリスク管理については、当社では「リスク管理委員会」を設置しており、「リスク管理規程」及び現状当社としてリスクと考えている事項について検討、審議して代表取締役社長に報告するとともに、必要な場合は取締役会にて報告しております。また、毎年4月度の取締役会において、前事業年度におけるリスク管理委員会の活動及び内部監査結果を報告しています。
(4)人的資本の指標及び目標
当社は、自然志向の化粧品等の小売販売業務を中心とした顧客サービス親身な接客を重視したビジネスを経営の主体としており、人材の雇用、育成は経営の重要課題と認識しております。
化粧品販売業である当社は、販売スタッフの販売教育には注力しており、販売教育部を中心として取組んでおります。ほぼ毎月、全国の販売マネジャーが本社及び各地の営業所に集い、販売方針及び販売方法の徹底を図るとともに、当該マネジャーから担当店舗のスタッフに示達する流れが確立されています。また、新人販売スタッフにはOJTを行い、その後、販売教育部による販売トレーニングを受講し、当社の社是である「お客さまに『ありがとう』と言われるような販売を続ける」に相応しい販売を行っているか検証します。なお、当社におけるリラクゼーションサロン事業及びカーブス事業はサービス事業ですが、社是に則りそれぞれの部門内で、ほぼ同様に接客及び技術に関するトレーニングを実施しております。
一方、本社部門の新卒者には入社後新人研修を行い、座学及び店頭での販売研修を行っています。
従業員の健康管理については、全従業員に対し年1回の健康診断を義務とし、その結果を産業医に報告し、必要な場合は産業医による個別相談を実施しています。また、メンタルケアについては、当社が契約した専門カウンセラーが定期的に全国の直営店舗や営業所を訪問したり、主に販売マネジャーを対象とした電話やメール等によるカウンセリングを実施しています。
他方、毎月社内報を発行し、社長のメッセージや新商品並びに販売教育情報及び販売スタッフの情報交換ページ等を掲載しています。
当社の経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社の化粧品販売事業は、コンサルティング販売を柱とした営業展開を行っておりますので、人的労力に負う部分が非常に大きなウエイトを占めており、スタッフの資質、技量によって店舗売上が左右される面があります。当社では、コンサルティング販売の徹底、レベル維持のためスタッフ教育に注力しておりますが、極めて少人数で年齢的にも若いスタッフに店舗運営を委ねているため管理面が統一されにくいこともあり、スタッフのモチベーションとモラルの低下が当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、リラクゼーションサロン事業では、民間の資格を持ったリフレクソロジストにより施術を行うため、出店に応じたリフレクソロジストの確保が必要となり、人材確保ができなかった場合、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、PB商品を企画・開発し販売するに当たり、研究開発室を中心としてOEMメーカーの協力を得て万全の体制をとっておりますが、万一不測の事態により商品の品質に欠陥が生じ、大量の消費者トラブル及びクレームが発生した場合、損害賠償責任のみならず百貨店をはじめとした出店先から信用低下により出店契約が解除される事態となる可能性があり、その場合は当社の経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社は、PB商品をファブレス形式でOEMメーカーに生産を委託しております。商品の品質管理及び安定供給の維持等については、当社規格の製品検査及び覚書等で万全の体制をとっておりますが、OEMメーカーの対応に支障が生じた場合や、OEMメーカーが倒産した場合、商品の開発、一部商品の供給に支障が生じ、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社が取扱う自然志向の化粧品には、化粧品原料基準等で認可されている原材料を用いており、また健康食品にはビタミン類、ミネラル類等の原材料を用いております。これらの原材料の許認可については行政の意向が強く反映されるため、行政の意向により当社の商品製造・販売計画に支障が生じる可能性があります。
当社は各店舗において顧客の個人情報を多数有しております。よって、当社は顧客情報の管理を重要と考え、顧客情報管理規程を制定し、内部監査により管理の徹底状況を確認しておりますが、万が一顧客情報の漏洩等が発生した場合は、損害賠償の請求を受ける恐れがあります。また、信用の低下により販売活動に悪影響を与え、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は保証金を差し入れている店舗があり、当該保証金は、解約時には返却される契約となっております。当社では出店先の経営状況を必要に応じて確認しておりますが、出店先の業績不振、倒産等により保証金の回収が困難となった場合は、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は物流センターが店舗用倉庫と通販用倉庫に分かれておりますが、地震等の自然災害、交通災害等により物流機能が阻害される可能性があります。
当社の化粧品・医薬部外品等販売事業、健康食品販売事業、その他の事業における法的規制に関しては、「医薬品医療機器等法」関係の規制の他、「食品衛生法」「JAS法」「健康増進法」「特定商取引法」「景品表示法」等の規制がなされております。また各販売事業における商品の品質、有効性、安全性の確保を目的とした社内規制を設けております。当社はこれらの法的規制を遵守し、行政通知等の情報収集に努め、規制内容に疑義が生じた場合は監督官庁等へ照会し回答を受けた上で実施する等慎重な対応を行っております。化粧品・医薬部外品等販売事業につきましては、2014年11月25日施行の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に基づく化粧品製造販売業許可(許可番号:13C0X00125)及び医薬部外品製造販売業許可(許可番号:13D0X00068)の交付を監督官庁より受け、当社PB化粧品及びPB医薬部外品の製造販売業務を行っております。製造販売業許可の有効期間は、ともに2022年3月11日から2027年3月10日までとなっております。
なお、化粧品及び医薬部外品の製造販売業許可の失効または取消し等につきましては、医薬品医療機器等法第12条の2「許可の基準」、同法第75条「許可の取消し等」に定められております。当社の主要な事業活動の継続には、上述のとおり化粧品及び医薬部外品の製造販売業許可が必要であり、そのために「医薬品医療機器等法」等の関係法令を遵守した事業活動を実施する必要がありますが、現時点において、当社は当該業許可の取消しまたは更新要件の欠落の事由に該当する事実はないと認識しております。しかし、将来何らかの理由により許可の失効、取消しまたは業務停止等の行政処分を受けた場合は、当社の主要な事業活動に支障をきたすとともに、業績に重大な影響を与える可能性があります。また、上記法律等の改廃、法的規制の新設等が生じた場合、あるいは万一法的規制を遵守していない事態が生じた場合は、事業活動が制限され、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、自然志向の化粧品の販売を主たる事業としておりますが、2000年よりリラクゼーションサロン事業を開始し、リフレクソロジーの単独店舗又は化粧品等との併設店舗等の店舗展開を積極的に行っております。当社の行うリフレクソロジーにおける足裏等に対する施術はあん摩マッサージ指圧に類似する行為でありますが、上記施術は、行為自体の強度の点で対象者が痛みを感じるほどの強さをもって行うものではなく、また同時に提供される「色彩」、「照明」、「香り」、「音楽」、「飲み物」等と一体となってリフレクソロジーとして「リラクゼーション」の効果を有するものであること等から総合的に判断し、「医師法」に規定される医療行為及び「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」に規定されるあん摩マッサージ指圧行為及び医業類似行為には該当しないと解しております。
ただし、今後当社の行うリフレクソロジーが上記法律に何らかの形で抵触すると判断された場合は、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社の主要事業が属する国内の化粧品市場は既に成熟した市場であり、業界の出荷高は近年横ばいの傾向にあると言われております。このような中、自然志向、健康志向の高まりに対応すべく、独自の自然志向化粧品、サプリメント等の健康食品の開発・提供をしてきましたが、この分野においても新規参入が増加する傾向にあります。当社では、常に新たな商品の開発による他社との差別化を図り収益の確保を追求してまいりますが、類似品の登場等により当社製品の競争力が低下するような場合は、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、競合他社との差別化を図り、一定の知的財産権を確保する措置を講じておりますが、他社による模倣品の販売により当社の商品の市場が侵食されるような場合は、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社の開発販売するPB商品は、商標等の他社の知的財産権に抵触しないよう事前に入念な調査を行っておりますが、万が一、他社の知的財産権を侵害し、権利を有する他社がこれを先に発見した場合は、警告を受けるとともに、差止請求権、損害賠償請求権を行使される可能性があり、その内容及び結果によっては、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社の直営店は、主に百貨店及び専門店を中心に展開しております。今後も百貨店コーナーでの販路拡大を継続する他、ショッピングセンター等へ積極的に出店を行ってまいりますが、何らかの事情により、百貨店やショッピングセンター等での販売に変調が見られた場合は、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
現在、株式会社ワコールホールディングスが筆頭株主として当社の議決権の21.2%を保有しており、当社は同社の持分法適用関連会社として位置づけられております。
当社と株式会社ワコールホールディングスを中心とする企業グループ(ワコールグループ)は、「美しさ」「快適さ」及び「健康」を顧客へ提供する経営理念を共有しておりますが、経営そのものは完全に独立しており、当社は独自に事業展開しております。
同社との取引については、当社が運営する新業態型店舗において、ワコールグループの中核企業である株式会社ワコールから一部商品を仕入れております。
人的関係では、株式会社ワコールホールディングス常勤監査役が当社の社外取締役に就任しており、当社の取締役会及び監査等委員会において適宜、助言・提言を受けております。なお、出向者等の受入はありません。
同社による議決権所有割合は、将来的に変動する可能性はありますが、相互の独立性は今後とも十分確保していく方針です。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度末の総資産は、前事業年度末より3億37百万円減少し、83億32百万円となりました。
当事業年度末の流動資産は前事業年度末より2億59百万円減少し、53億83百万円となりました。主な要因は、現金及び預金が1億16百万円減少し、商品及び製品が1億29百万円減少したことによるものであります。
当事業年度末の固定資産は前事業年度末より78百万円減少し、29億49百万円となりました。主な要因は、投資有価証券が96百万円、差入保証金が46百万円減少し、リース資産(有形)が23百万円、長期前払費用が15百万円、繰延税金資産が13百万円増加したことによるものであります。
当事業年度末の流動負債は前事業年度末より3億4百万円減少し、12億78百万円となりました。主な要因は、電子記録債務が1億71百万円、買掛金が43百万円、未払金が29百万円、未払法人税等が1億2百万円減少し、契約負債が68百万円増加したことによるものであります。
当事業年度末の固定負債は前事業年度末より45百万円増加し、14億1百万円となりました。主な要因は、資産除去債務が15百万円、役員退職慰労金が13百万円増加したことによるものであります。
当事業年度末の純資産は前事業年度末より77百万円減少し、56億52百万円となりました。主な要因は、その他有価証券評価差額金が39百万円、その他利益剰余金が37百万円減少したことによるものであります。この結果、自己資本比率は前事業年度末66.1%から67.8%となりました。
当期の国内景気は、一部に足踏みが見られましたが、年間を通じて概ね緩やかな回復傾向で推移しました。小売業界ではインバウンド需要の増勢や株高等資産効果を背景とした高額消費の寄与による業績伸長も見られましたが、その一方、物価の上昇等により消費者マインドが停滞する中で、人件費の増加や人手不足及び仕入原価の高止まり等の影響を受け、中小企業を中心に厳しい経営環境が続く状況となりました。
(直営店商品販売事業)
ハウス オブ ローゼ直営店は、お客さま一人ひとりに対する「ふれる(触れる)接客」による販売力強化を通じたスキンケア化粧品の売上増加、及び新客獲得からのリピート購入促進に取組みました。また、お客さまの利便性向上と店舗運営の効率化を図ることを目的として、2024年9月から全店舗の商品購入ポイントの共通化(1ID化)及びPOSレジ導入を進めました。導入当初ということで、機器の取扱いを含めた店舗オペレーション変更への対応により接客時間が増加し、特に客数の多いウインターセール期間の売上やコンサルティング販売を中心とするスキンケア売上が伸び悩む等、販売活動に少なからず影響が及ぶこととなりました。
商品面では、夏場の猛暑により清涼感のある「ミントリープ」シリーズが引き続き好調に推移、またウインターギフト商品では新たに採用した「ムーミン」キャラクターが好評で売上に寄与しました。スキンケア化粧品では、新商品の「セラサージ モイストバリアミスト」や「パワーサージジェルDX」等、セラミド配合商品が堅調に推移しました。
店舗の出退店状況につきましては、館の閉鎖及び不採算等により9店舗を退店、その一方、退店店舗の代替等で4店舗を出店し、期末店舗数は178店舗となりました。また店舗改装では、百貨店店舗から2店舗を「Be Prime」店(百貨店店舗における差別化店舗)にリニューアルしたことで、Be Prime店の期末店舗数は13店舗となりました。
ハウス オブ ローゼ直営店売上高は、1ID化対応による影響があったものの、既存店ベースでは前期比増を確保しました。しかしながら、店舗数の減少により全店ベースでは前期比3.0%減となりました。
EC事業は、自社運営サイトでは注文数増加を図るべく対策を強化し、アフィリエイトを活用した集客強化やVtuber_SNS販促施策により集客数が持ち直し、注文数増、会員数増につながりました。また外部モールは、主力のボディスムーザー関連の売上が鈍化したものの、モールごとの各種イベントへの参加や広告による露出効果により着実に売上増加となりました。一方、商品面では、EC事業で育成に注力している「Oh!Baby」シリーズが順調に売上を伸ばし、EC事業全体で10%の売上占有率となりました。これらの結果、EC事業売上高は、前期比4.3%増となりました。
以上、他の直営店販売事業を加えた当事業売上高は、90億2百万円(前期比2.0%減)となりました。一方、経費面では、変動費は減少したものの、ハウス オブ ローゼ直営店における1ID化に伴う諸費用が想定より増加したこと等により、営業損失1億17百万円(前期は営業利益1億5百万円)となりました。
(卸販売事業)
個人オーナー店舗向け卸は、新客獲得や再来店誘致施策を強化した結果、スキンケア売上が伸長し、既存店売上高は前期比増となりましたが、5店舗の退店影響により全体では前期比3.6%減となりました。一方大手量販店向け卸は、「ミントリープ」や「ムーミン」シリーズに加え、冬季限定の「越冬クリーム」関連商品など季節限定商品が売上増となりましたが、従来売上を牽引してきた「ボディスムーザー」売上が減少しました。また、販売スタッフ派遣店舗では個人オーナー向け卸同様スキンケア売上が伸長したものの、地方百貨店では館の集客力の影響に伴う客数減により厳しい状況で推移しました。その他国内一般卸は、全般的には堅調に推移した一方で、一昨年の東京ディズニーランド開園40周年の反動減の影響がありました。また中国向け越境EC卸売は、「越冬クリーム」関連商品の売上増加により下期は持ち直しが見られたものの、中国市場の景気低迷や競合商品の台頭等により通期で苦戦が続きました。
以上、当事業売上高は、13億95百万円(前期比11.5%減)、売上高の減少により営業利益は70百万円(前期比25.2%減)となりました。
(直営店サービス事業)
リラクゼーションサロン事業は、夏場の猛暑では清涼感のある「ミントリープ」商品を利用した限定コースが好評で売上に寄与しましたが、下期に入り限定コースや施術時間の長い「ロングコース」需要が伸び悩み、施術単価も低下しました。一方、施術スタッフの採用強化に努めるとともに、既存スタッフの施術技術面のフォローアップを中心に強化し、お客さまの満足度を高めることに注力しました。その結果、既存店ベースの売上高は前期比で増加しましたが、出退店において計画外の退店を含め2店舗を退店した他、出店先都合による長期休業を余儀なくされた店舗もあり、全体売上高は前期比16.8%減となりました。
カーブス事業は、下期に入り前年同期より退会者数が増加しましたが、既存会員へのサポート強化と退会者への再入会アプローチ活動に努めた他、フランチャイザーであるカーブスジャパンのTVCM効果も寄与し、期末会員数は前期末より約480名増加し約9,720名となりました。物販売上高も新商品を始め順調伸長、スタッフ不足が続く中、売上高は前期比6.9%増となりました。
以上、当事業売上高は、11億96百万円(前期比2.4%減)と退店の影響が見られましたが、カーブス事業の伸長が牽引し、営業利益は1億69百万円(前年同期比1.1%増)となりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は、115億94百万円、前期比3.3%減となりました。経費面では、変動費は減少したものの、ベースアップを含む賃金増により人件費率が上昇したこと、またハウス オブ ローゼ直営店店舗で進めている1ID化のための経費増加等により販管費率が前期比で2ポイント強上昇したため、営業利益は1億22百万円(前期比66.8%減)となりました。一方、資本効率の改善を目的に投資有価証券を一部売却したことにより、当期純利益は79百万円(前期比34.7%減)となりました。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、当事業年度末は25億99百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果得られた資金は、63百万円(前期は4億90百万円取得)となりました。これは主に税引前当期純利益2億11百万円、法人税等の支払2億23百万円、棚卸資産の減少1億29百万円、仕入債務の減少2億16百万円、投資有価証券売却益70百万円、補償金の受取額19百万円によるものであります。
投資活動の結果得られた資金は、2百万円(前期1億94百万円使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出31百万円、長期前払費用の取得による支出1億15百万円、差入保証金の差入による支出25百万円、投資有価証券の売却による収入1億7百万円、差入保証金の回収による収入73百万円によるものであります。
財務活動の結果使用した資金は、1億82百万円(前期4億49百万円使用)となりました。これは主に配当金の支払額1億17百万円、リース債務の返済による支出64百万円によるものであります。
当事業年度の仕入実績を商品分類別に示すと、次のとおりであります。
ロ.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については該当はありません。
ハ.商品分類別販売実績
当事業年度の販売実績を商品分類別に示すと、次のとおりであります。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社の経営成績は、売上高115億94百万円は、第1四半期が苦戦したこともあり、前年同期比3.3%減となりました。経費面では、変動費は減少したものの、ベースアップを含む賃金増により人件費率が上昇したこと、またハウス オブ ローゼ直営店店舗で進めている1ID化のための経費増加等により販管費率が前期比で2ポイント強上昇したため、営業利益は1億22百万円(前期比66.8%減)となりました。一方、資本効率の改善を目的に投資有価証券を一部売却したことにより、当期純利益は79百万円(前期比34.7%減)となりました。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
今後も必要に応じて、金融機関からの資金調達を適宜検討してまいります。従前通り、持続的な成長に向け邁進してまいります。
特記すべき事項はありません。
特記すべき事項はありません。