第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当事業年度におけるわが国経済は、緩やかな景気の回復基調が続いております。企業収益は高い水準にあるものの改善に足踏みがみられ、雇用情勢は改善しておりますが、個人消費は概ね横ばいとなっております。

 当家電小売業界における売上は、理美容家電が好調に推移したことに加え、洗濯機や冷蔵庫等の家庭電化商品が堅調に推移したものの、テレビ、パソコン本体等がやや低調、デジタルカメラ等が低調であったため、総じてやや低調に推移しました。

 このような状況の中、当社は、「お客様第一主義を実践し、最高のサービスをお客様に提供することで社会に貢献する」の企業理念のもと、「お客様の暮らしを『より快適に』『より便利に』『より楽しく』します。くらし応援コジマ」をスローガンに掲げ、ビックカメラとの統合効果を最大限に発揮し、企業価値の向上に取り組んでおります。

 この統合により取扱いが可能となった幅広い商品を強みに、売場の拡充や専門性の向上に取り組み、更に、モノからコト軸への提案を進め、お客様に体験価値や満足感を感じていただける展示・接客の充実を図るとともに、地域特性に合わせ様々な店頭イベントを開催するなど、皆様に喜んでいただける店舗づくりに取り組んでおります。

 店舗展開におきましては、「コジマ×ビックカメラ 港北東急S.C.店」(神奈川県横浜市)、「コジマ×ビックカメラ 宇都宮本店」(栃木県宇都宮市)、「コジマ×ビックカメラ 八王子高倉店」(東京都八王子市)、「コジマ×ビックカメラ イオンモール常滑店」(愛知県常滑市)を開店した一方、不採算店舗を 10店舗閉鎖し、スクラップ&ビルドを進めた結果、平成28年9月末現在の店舗数は 138店舗となりました。また、ビックカメラ流の体験提案型の売場や豊富な商品を扱う「コジマ×ビックカメラ店」への転換を引き続き進め、既に改装を終えた店舗につきましても、お客様のニーズに応えるべく、多様性のある店舗への更なる進化を目指すことにより、新たな店舗網の構築に取り組んでおります。

 以上の結果、当事業年度の売上高は 2,262億97百万円(前年同期比 0.1%増)、営業利益は 20億10百万円(前年同期比 122.3%増)、経常利益は 16億43百万円(前年同期比 34.1%増)、税引前当期純利益は9億22百万円(前事業年度は税引前当期純利益 70百万円)、当期純利益は5億65百万円(前事業年度は当期純損失 63億46百万円)となりました。

 品目別売上高のうち物品販売事業につきまして、音響映像商品の売上高が 395億29百万円(前年同期比 2.0%減)、家庭電化商品の売上高が 1,101億53百万円(前年同期比 2.0%増)、情報通信機器商品の売上が 559億83百万円(前年同期比 0.3%減)、その他の商品は 185億45百万円(前年同期比 5.7%減)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び預金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ10億12百万円増加し、52億36百万円となりました。当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は 23億97百万円(前事業年度は6億81百万円の獲得)となりました。これは主に、減価償却費 19億51百万円、減損損失 13億34百万円をそれぞれ計上したものの、たな卸資産の増加が 33億26百万円、仕入債務の減少が 17億27百万円、商品保証引当金の減少が5億44百万円生じたことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果獲得した資金は 14億2百万円(前事業年度は2億38百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が7億88百万円生じた一方、投資有価証券の売却による収入が8億84百万円、有形固定資産の売却による収入が4億75百万円、投資その他の資産の減少が9億51百万円生じたことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は 20億8百万円(前事業年度は 27億11百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が 181億72百万円、リース債務の返済による支出が7億18百万円生じた一方、長期借入れによる収入が 180億円、短期借入金の増加が 29億円生じたことによるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

品目別売上高

品目別

当事業年度

(自 平成27年9月1日

至 平成28年8月31日)

売上高

(百万円)

構成比

(%)

前年同期比増減率

(%)

 

音響映像商品

カメラ

7,043

3.1

△9.7

テレビ

17,684

7.8

3.2

レコーダー・ビデオカメラ

6,400

2.8

△7.9

オーディオ

4,223

1.9

1.3

その他

4,176

1.9

△2.0

小計

39,529

17.5

△2.0

家庭電化商品

冷蔵庫

18,745

8.3

2.8

洗濯機

15,686

6.9

11.7

調理家電

14,125

6.3

2.9

季節家電

28,138

12.4

△4.8

理美容家電

11,289

5.0

4.4

その他

22,168

9.8

2.8

小計

110,153

48.7

2.0

情報通信機器商品

パソコン本体

15,772

7.0

2.4

パソコン周辺機器

6,101

2.7

6.4

パソコンソフト

711

0.3

△0.1

携帯電話

17,742

7.8

△9.4

その他

15,654

6.9

6.3

小計

55,983

24.7

△0.3

その他の商品

ゲーム

3,542

1.5

9.5

時計

410

0.2

19.1

スポーツ用品

448

0.2

41.2

玩具

2,037

0.9

18.7

酒類・飲食物

120

0.1

医薬品・日用雑貨

817

0.4

△18.1

工事(住設含む)

6,159

2.7

22.9

その他

5,009

2.2

△37.7

小計

18,545

8.2

△5.7

物品販売事業

224,212

99.1

0.0

その他の事業

2,085

0.9

4.1

合計

226,297

100.0

0.1

(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 当社は、「お客様第一主義を実践し、最高のサービスをお客様に提供することで社会に貢献する」というビックカメラグループの理念のもと、当社は、「お客様の暮らしを『より快適に』『より便利に』『より楽しく』します。くらし応援コジマ」をスローガンに掲げ、「より豊かな生活を提案する」ことで、地域の皆様から最も身近に親しまれ必要とされるコジマを目指してまいります。

① 生産性の向上

 株式会社ビックカメラとの統合効果を最大限に発揮し、PB商品、新分野の商品、サービス商材の開拓と販売強化に取り組む一方、同社との物流統合による物流体制の最適化を進め、営業利益の向上に努めてまいります。

 また、株式会社ビックカメラとの人材交流、女性従業員の活躍支援などを通じ、組織活性化を図り、生産性の向上につなげてまいります。

② 持続的な成長

 当社の強みである白物家電を一層強化するとともに、ビックカメラグループの強みを活かした幅広い品揃えと専門性の強化に努めてまいります。

 店舗展開については、立地や商圏の将来性などを見据えた店舗網の再構築と年間数店舗の新規出店に取り組む一方、引き続き店舗改装にも取り組んでまいります。

 また、インターネット通販、法人営業、住設事業を新成長領域と位置づけ、強化拡大に努めてまいります。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、本文に記載したリスク要因と将来に対する見通しは、当事業年度末現在における当社の判断に基づく予想等であり、実際の結果とは異なる可能性があります。

 

(1)同業他社との競争激化及び消費低迷等による影響について

 家電小売業界では厳しい経営環境が続き、低価格販売による企業間競争が激化しております。このような環境に対して、当社では継続的な収益改善施策の実施や生活提案力の強化等、きめ細かな施策で販売面の強化を図ってまいりますが、当社の業績は同業他社との競争激化や消費低迷等による影響を少なからず受ける可能性があります。

 

(2)季節要因の影響について

 冷夏暖冬などの異常気象の影響により、季節商品の需要が著しく低下した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)法的規制等について

① 大規模小売店舗立地法

 当社は、関東地方を主な営業基盤として、北は北海道から南は沖縄まで全国ネット販売網を持ち、主な業務を家庭用電化製品販売とする家電量販店であります。

 当社の1,000㎡を超える店舗の新設及び増床に際しては、「大規模小売店舗立地法」の適用を受けることとなり、予定地周辺地域の生活環境保持のため、地元自治体への届出が必要となります。当該届出の内容については地元自治体による意見や勧告がなされる場合があり、当社の出店計画の遂行に影響を及ぼす可能性があります。

② 景品表示法

 不当景品類及び不当表示防止法及び同政令の改正により、事業者が優良誤認表示、有利誤認表示により不当に利益を得た場合、売上額の3%を徴収する課徴金制度が平成28年4月より開始されました。当社では社内規程を整備し、同法律及び政令、不当表示に関する教育研修会を行うとともに、社内資格制度を設ける不当表示がおこらない体制の構築に努めております。しかしながら、従業員の錯誤によって課徴金が課された場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性がございます。

 また、消費税率の引上げを含む今後の税制改正や社会保障制度の見直し等の動向によっては、個人消費の冷え込みによる売上高の減少や制度変更への対応に伴う費用負担が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)個人情報保護について

 当社は、お客様との関係強化を目的としてコジマお客様カードを発行するとともに、インターネット通販を行っていることに加え、各種伝票類等の多数の個人情報を保有しております。当社においては、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)による「プライバシーマーク」の取得に加えて、社内規程の整備・運用、セキュリティシステムの構築と運用強化を行い、個人情報の保護管理に万全を期しております。

 しかしながら、不測の事態により万が一、個人情報が漏洩するような事態となった場合には、当社の社会的信用の失墜や対象個人に対する損害賠償責任が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)賃借した土地等の継続的使用について

 当社は、新規出店の際に、店舗用地及び設備を取得する場合と賃借する場合とがあります。賃借する場合には、対象物件の権利関係等の確認を行っておりますが、土地等の所有者である法人、個人が破綻等の状態に陥り、土地等の継続的使用が困難となった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)自然災害等について

 大規模な地震や台風といった自然災害、不測の火災事故や原子力発電所事故、感染症等が発生した場合には、店舗等の事業所における物的・人的被害が生じ、また、取引先からの商品供給の停止や遅延、商品供給価格の上昇といった事態が生じる可能性があります。その結果、営業活動が制限されることによる売上高の減少、設備の復旧や損害賠償等に係る費用負担が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

株式会社ビックカメラとの資本業務提携契約

 当社は、平成24年5月11日に株式会社ビックカメラとの間で資本業務提携契約を締結し、当該契約に基づき平成24年6月26日に同社に対して第三者割当による新株式を発行したことにより、同社は当社の親会社(議決権比率50.05%)となっております。

① 資本業務提携の目的

 当社と株式会社ビックカメラの経営基盤の安定及び財務体質の強化を図ると共に、当社及び株式会社ビックカメラの事業の強みを活かしつつ、仕入れ、物流及び店舗運営等の分野における業務提携を推進することにより、収益性の改善及び競争力の強化を進め、両者の更なる企業価値の向上を実現することを目的としております。

② 業務提携の内容

 当社と株式会社ビックカメラは、両者の店舗ブランドの独自性を維持しつつ、次の事項に関して、両者で共同して提携効果を実現してまいります。

a.商品仕入面での連携

b.物流・システム面での連携

c.店舗開発、店舗運営ノウハウ及び店舗マネジメント並びに販売促進の連携

d.什器・間接資材の共同購入

e.人材交流

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 本文における将来についての事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しており、その作成に当たっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。

 当社の財務諸表の作成に当たり採用した重要な会計方針については、「第5経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。

 また、引当金の計上や資産の評価等、当社の財務諸表の作成に当たり必要となる見積りについて、経営者は過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。

 

(2)財政状態の分析

① 資産の部

 当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ 18億38百万円減少(前事業年度末比1.7%減)し、1,044億3百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加 10億12百万円、商品の増加 33億39百万円があったものの、有形固定資産の減少 25億1百万円、投資有価証券の減少 10億68百万円、長期差入保証金の減少 18億92百万円があったことによるものであります。

② 負債の部

 当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ 17億64百万円減少(前事業年度末比2.5%減)し、678億90百万円となりました。主な要因は、長期借入金の増加が 179億15百万円があったものの、買掛金の減少 17億27百万円、短期借入金と1年内返済予定の長期借入金の減少 151億87百万円、リース債務の減少 13億6百万円、商品保証引当金の減少5億44百万円があったことによるものであります。

③ 純資産の部

 当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ 73百万円減少(前事業年度末比0.2%減)し、365億12百万円となりました。主な要因は、当期純利益(純資産の増加)5億65百万円があったものの、その他有価証券評価差額金の減少(純資産の減少)6億39百万円があったことによるものであります。

 

(3)経営成績の分析

① 概況

 当社は、当事業年度末現在で、東日本を基盤に139店舗を全国に展開している家電量販店であります。

 当事業年度における経営成績の概要については、「第2事業の状況 1業績等の概要 (1)業績」をご参照ください。損益計算書の主要項目ごとの前事業年度との主な増減要因等は次のとおりであります。

② 売上高、売上原価、販売費及び一般管理費

 当社の品目別売上高の状況につきましては、カメラ、レコーダー・ビデオカメラは低調でしたが、冷蔵庫、洗濯機は好調に推移した結果、当事業年度における売上高は2,262億97百万円(前年同期比0.1%増)となりました。

 一方、売上原価は1,661億98百万円(前年同期比0.5%増)となりました。

 また、販売費及び一般管理費は580億88百万円(前年同期比3.1%減)となりました。このうち、賃借料は86億17百万円(前年同期比2.5%減)となり、給与手当は94億50百万円(前年同期比9.0%減)となりました。

③ 営業外収益、営業外費用

 営業外収益は4億2百万円(前年同期比74.6%減)となりました。これは主として受取手数料を2億16百万円(前年同期比32.1%増)、受取利息を1億5百万円(前年同期比11.1%減)それぞれ計上したことによるものであります。

 一方、営業外費用は7億69百万円(前年同期比39.1%減)となりました。これは主として支払利息を4億14百万円(前年同期比35.5%減)、支払手数料を3億8百万円(前年同期比49.7%減)それぞれ計上したことによるものであります。

④ 特別利益、特別損失

 特別利益は8億78百万円(前事業年度は95百万円)となりました。これは投資有価証券売却益7億58百万円、固定資産売却益を1億20百万円それぞれ計上したことによるものであります。

 一方、特別損失は15億99百万円(前年同期比27.9%増)となりました。これは主として減損損失を13億34百万円、固定資産除却損を55百万円、災害による損失を1億71百万円それぞれ計上したことによるものであります。

 

(4)経営成績に重要な影響を与える要因について

 今後の経済につきましては、企業収益の改善が家計所得や投資の増加につながり、景気回復の動きが確かなものになることが期待される一方、今後の消費税増税の影響など不透明な要素を含んだ状況で推移していくものと予想されます。

 こうした環境において、当社では、株式会社ビックカメラ及びその子会社との提携効果の最大化、店舗のスクラップ・アンド・ビルドを含む事業再構築による収益構造の改善、接客力・専門性の強化等を通じた生産性の向上及び持続的な成長の実現が喫緊の経営課題であると認識しており、これらの課題への取り組みの成否が、当社の経営成績に重要な影響を与える要因であると考えております。

 

(5)キャッシュ・フローの分析

 主な内容は「第2事業の状況 1業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 なお、キャッシュ・フロー指標トレンドは、次のとおりであります。

 

 

平成27年8月期

平成28年8月期

自己資本比率

(%)

34.4

35.0

時価ベースの自己資本比率

(%)

25.7

17.2

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

(年)

54.2

インタレスト・カバレッジ・レシオ

(倍)

1.0

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

※ 各指標は、いずれも財務数値より算出しております。

※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※ キャッシュ・フローは、キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

※ 有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

※ 平成28年8月期は、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びイ
ンタレスト・カバレッジ・レシオの記載は省略しております。

 

(6)現状認識と今後の方針

 「第2事業の状況 3対処すべき課題」をご参照ください。