当社グループは、前連結会計年度において、12,857百万円の親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことから純資産額が10,007百万円となりました。この結果、連結子会社であるワタミの介護株式会社の支払承諾契約の一部が財務制限条項に抵触し、事前求償事由に該当しました。これにより取引銀行から事前求償権の行使を受けた場合、要保全入居金残高について直ちに取引銀行に支払う必要があり、平成27年度の利益計画の達成を前提としても、取引銀行からの金融支援が必要な状況にありました。
当第3四半期連結会計期間においてワタミの介護株式の売却による特別利益15,126百万円を計上したことから純資産が19,805百万円に回復いたしました。この売却により、ワタミの介護が当社グループから除外されたことに伴い、当社が実施しているワタミの介護株式会社の支払承諾契約に関する事前求償債務への連帯保証は解消され、財務制限条項についても削除されました。また、ワタミの介護株式の売却による収入23,988百万円のうち10,917百万円を取引銀行に返済し有利子負債を26,600百万円に削減するとともに、第3四半期連結会計期間末において18,351百万円を手許資金として確保することができました。
しかしながら、当社は前連結会計年度において、3,406百万円の経常損失を計上しており、当第3四半期連結累計期間においても1,272百万円の経常損失を計上しております。また、当社の主力事業である国内外食事業は、前連結会計年度まで2期連続の営業損失を計上しており、当第3四半期連結累計期間においても1,546百万円の営業損失を計上しております。
これらの状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していますが、「第2 事業の状況 3.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(6)」に記載のとおり、当該事象又は状況を解消、改善するための対応策を講じることにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しています。
当第3四半期連結会計期間において、新たに締結した重要な契約は次のとおりです。
(1)株式譲渡契約
当社は、平成27年10月2日開催の取締役会決議に基づき、連結子会社でるワタミの介護株式の全株式を損保ジャパン日本興亜ホールディングス株式会社へ譲渡する内容の株式譲渡契約を締結しました。
当該株式譲渡は、平成27年12月1日付で譲渡が完了しており、当第3四半期連結会計期間よりワタミの介護株式会社を連結の範囲から除外しております。
詳細につきましては、「第4 経理の状況 1.四半期連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
(2)支払承諾契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
契約品目 |
契約締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
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ワタミの介護㈱ |
表保証人 ㈱みずほ銀行 裏保証人 ㈱横浜銀行 ㈱あおぞら銀行 ㈱りそな銀行 ㈱千葉銀行 |
支払承諾取引 |
平成25年3月29日 |
介護施設の入居金返還債務に係る取引銀行の支払承諾契約(保証委託契約) |
平成25年7月31日から平成30年4月27日まで |
支払承諾契約には下記の財務制限条項が付いており、抵触した場合には、保証人である取引銀行から保証委託者であるワタミの介護㈱に対する事前求償権の行使を受ける可能性があるとともに、当社は事前求償債務について連帯保証をしておりました。
①各年度の決算期の末日における連結貸借対照表上の純資産の部の金額を2015年3月決算期末日における連結貸借対照表上の純資産の部の金額の100%以上に維持すること。
②各年度の決算期における連結損益計算書に示される経常損益が、2期連続して損失とならないようにすること。
なお、ワタミの介護株式の売却に伴って平成27年11月30日に上記内容を変更する契約を締結しております。事前求償債務に対する連帯保証については、損保ジャパン日本興亜ホールディングス株式会社に引き継がれることによって、当社による連帯保証が解消されました。また、当社連結財務諸表の経営指標を対象とした財務制限状況の記載についても削除されております。(「第4 経理の状況 1.四半期連結財務諸表 注記事項(四半期連結貸借対照表関係)※1」参照)。
(3)合併契約
当社は、平成27年10月2日開催の取締役会において、連結子会社であるワタミフードシステムズ株式会社を吸収合併することを決議し、本決議に基づき、合併契約を締結いたしました。
なお、当該合併は、平成27年11月24日の臨時株主総会において承認され、平成27年12月1日付で完了しております。
合併契約の概要は、次のとおりであります。
①目的
当社グループは、二期連続の最終赤字を計上し、当連結会計年度の利益計画の達成を前提としても金融機関の支援が必要な状況であるなど、継続企業の前提に重要な疑義が生じるに至っており、グループ再建のため事業ドメインの再定義などさまざまな可能性を検討しておりました。
その一環として、ワタミの介護株式会社の全株式の譲渡による介護事業からの撤退を決定し、外食事業・宅食事業などフードサービス関連事業への経営資源の集中を選択したことにより、これまで実施してきた持株会社体制の意義は薄れたものと判断しております。さらに、現時点において、国内外食事業は二期連続営業赤字の状況にあり、黒字化に向けた収益構造の改革途上にあることから、さらなる間接部門の効率化など経費削減策のみならず、グループ人材の戦略的配置による組織の活性化による業績改善取り組みが急務となっております。
そのため、グループ会社間の垣根をなくし、経営と事業運営が一体化された組織体制に移行することにより、全社員が一丸となって業績改善に邁進する体制構築を行うことが当社グループにとって最良であると判断し、当該吸収合併を行うものであります。
②合併の方法
当社を存続会社、ワタミフードシステムズ株式会社を消滅会社とする吸収合併です。
③合併の期日
平成27年12月1日
④合併に係る割当の内容
本件吸収合併による株式その他の金銭等の割当てはありません。
⑤引継資産・負債の状況
当社は合併の効力発生日をもって、吸収合併消滅会社であるワタミフードシステムズ株式会社の一切の資産、負債及び権利義務を承継します。
⑥吸収合併存続会社となる会社の概要
本合併による当社の名称、本店所在地、代表者の役職・氏名、事業内容、資本金、決算期の変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループ(当社及び連結子
会社)が判断したものであります。
なお、第1四半期連結累計期間より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「四半期純利益又は四半期純損失」を「親会社株主に帰属する四半期純利益又は親会社株主に帰属する四半期純損失」としております。
(1)業績の状況
当四半期連結会計期間におけるわが国経済は、政府の経済政策や日銀の金融緩和などを背景に、企業収益の向上や雇用情勢の改善により、緩やかな回復基調で推移しました。個人消費は、所得環境の改善の兆しがあるものの、本格的な回復には至りませんでした。当社グループを取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いております。
このような環境下、「地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループになろう」というグループスローガンのもと、各事業分野においてお客様のありがとうを集める活動を精力的に展開してまいりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
①国内外食事業
国内外食事業におきましては10店舗を新規出店いたしました。一方では67店舗の撤退を行い、当第3四半期連結会計期間における店舗数は502店舗となりました。既存店売上高前年比は92.9%、既存店客数前年比は95.9%となっております。その結果、国内外食事業における売上高は36,306百万円(前年同期比77.6%)、セグメント損失は1,546百万円(前年同期は2,705百万円の損失)となりました。
②宅食事業
宅食事業におきましては、3ヶ所の新規営業拠点を開設し、当第3四半期連結会計期間末の営業拠点数は541ヶ所となっております。12月の最終週における調理済み商品の平日1日あたりお届け数は230千食(前年同月最終週は246千食)となっております。宅食事業における売上高は28,839百万円(前年同期比94.8%)、セグメント利益は1,417百万円(前年同期比78.2%)となりました。
③介護事業
介護事業におきましては、4棟の新規施設を開設し、6,500名を超えるお客様にご入居いただいており、当第3四半期連結会計期間末における施設数は114棟、既存施設の入居率は、当第3四半期連結会計期間末で77.2%となっておりました。これにより、介護事業における売上高は23,590百万円(前年同期比87.9%)、セグメント利益は728百万円(前年同期比31.9%)となりました。
なお、ワタミの介護株式会社は平成27年12月1日をもって連結除外となっております。そのため、介護事業セグメントの業績は平成27年11月末日までのものとなります。
④海外外食事業
海外外食事業におきましては、3店舗の新規出店を実施し、一方では15店舗の撤退を行い、当第3四半期連結会計期間末の店舗数97店舗(前年同期は106店舗)となりました。既存店売上高前年比は92.1%、既存店客数前年比は90.3%となっております。その結果、海外外食事業における売上高は12,161百万円(前年同期比101.1%)、セグメント損失は145百万円(前年同期は64百万円の損失)となりました。
⑤環境事業
環境事業におきましては、北海道厚真町におけるメガ・ソーラー施設が本格稼働しております。発電量は計画比107.1%で推移しております。その結果、環境事業における売上高は1,599百万円(前年同期比205.2%)、セグメント利益は270百万円(前年同期比950.4%)となっております。
⑥農業
農業におきましては、計画的作付け減少の影響もあり農場部門の反収が前年比83.3%となっております。また、北海道弟子屈牧場における畜産部門の一部閉鎖を行いました。その結果、農業における売上高は512百万円(前年同期比44.5%)、セグメント損失は68百万円(前年同期は15百万円の利益)となっております。
当第3四半期連結累計期間における企業集団の成果は、上記のように厳しい収益環境が続き、売上高103,010百万円(前年同期比87.3%)となり、営業損失は494百万円(前年同期は325百万円の損失)、経常損失は1,272百万円(前年同期は1,426百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は9,872百万円(前年同期は5,645百万円の損失)となりました。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)比66,516百万円減少して64,388百万円となりました。流動資産は同7,487百万円増加の26,952百万円、固定資産は同74,004百万円減少の37,435百万円となりました。固定資産のうち有形固定資産はワタミの介護株式売却に伴う建物及び構築物やリース資産の減少等により前期末比51,100百万円減少の25,798百万円となりました。無形固定資産は、ワタミの介護株式売却に伴うのれんの減少、ソフトウェアの計上等により前期末比4,781百万円減少の1,790百万円となりました。投資その他の資産は、ワタミの介護株式売却や外食店舗の撤退に伴う差入保証金の減少等により前期末比18,123百万円減少の9,846百万円となりました。
当第3四半期連結会計期間末の負債の合計は、前期末比76,315百万円減少の44,582百万円となりました。流動負債は短期借入金の減少やワタミの介護株式売却に伴うリース債務の減少等により同22,231百万円減少の21,528百万円、固定負債は長期借入金の返済、ワタミの介護株式売却に伴うリース債務の減少や長期預り入居金の減少等により同54,084百万円減少の23,053百万円となっています。このうち有利子負債(短期借入金、長期借入金及びリース債務の合計額)は、前期末比58,776百万円減少の26,600百万円となりました。
当第3四半期連結会計期間末の純資産の部は、利益剰余金の増加等により前期末比9,798百万円増加して、19,805百万円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて8,867百万円増加し、18,351百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況については下記のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、2,482百万円(前年同期比1,848百万円減)となりました。主な内訳は関係会社株式売却益が15,126百万円、税金等調整前四半期純利益が11,894百万円、減価償却費が6,558百万円、減損損失が1,838百万円、法人税等の支払額が1,247百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は17,417百万円(前年同期は9,197百万円の支出)となりました。主な内訳は連結の範囲変更を伴う子会社株式の売却による収入が23,988百万円、有形固定資産の取得による支出が6,116百万円、差入保証金の回収による収入が1,125百万円、預託金の差入による支出が676百万円、資産除去債務の履行による支出が435百万円、無形固定資産の取得による支出が398百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は11,010百万円(前年同期は6,608百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は短期借入れによる収入が8,026百万円、長期借入れによる収入が10,904百万円であり、支出の主な内訳は短期借入金の返済による支出が18,168百万円、長期借入金の返済による支出が8,597百万円、ファイナンスリース債務の返済による支出が3,167百万円であります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)継続企業の前提に関する重要事象等
「第2 事業の状況 1 事業等のリスク」に記載しておりますように、当第3四半期連結会計期間において、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当社グループは、当該状況を解消すべく、平成27年12月1日に連結子会社であるワタミの介護株式会社の全株式を損保ジャパン日本興亜ホールディングス株式会社へ譲渡しました。これにより介護事業におけるリース債務が当社グループから分離されることによる支払利息の減少が見込まれることから、経常損益を改善できるものと考えております。
資金面では、ワタミの介護株式の売却による収入23,988百万円のうち10,917百万円を取引銀行に返済する一方、第3四半期連結会計期間末において18,351百万円を手許資金として確保しました。今後のグループの成長戦略上必要な自己資金を確保しつつ、二期連続赤字計上により増加した有利子負債を返済することで財務の安定と健全化を図ったものであります。当社グループ業績改善に向けた諸施策も着実に成果を挙げており、これまでの計画進捗を鑑みれば、当面の資金繰りには懸念がないと判断しております。
また、国内外食事業は、二期連続の営業損失となっており、今後のグループ再建のため、立て直しが急務となっております。店舗段階の収益性の改善を図るため、85店舗の不採算店舗の撤退を引き続き進めており、当第3四半期連結会計期間末においては56店舗の不採算店舗の撤退が完了しました。また、期初に掲げた3,500百万円に及ぶコスト削減計画は計画を上回って達成の見込みであり、収益構造の改善が着実に進行しております。
一方、売上については既存店売上高前年比は100%を下回る推移となっておりますが、単価の引き下げやメニュー変更による店舗オペレーションの改善などを実施したことにより、客数前年比は100%を上回る月が当連結会計年度は3回となるなど着実にお客様の支持を回復しつつあると考えております。また、商品力の訴求を中心とした小投資での新業態への転換を進めております。具体的には、専門料理へ特化した専門メニュー型の店舗、地元の食材を利用したメニューを提供する地域密着型の店舗や、住宅立地のファミリー層のニーズにあった郊外メニュー型の店舗への業態転換に取り組んでおります。これらの業態転換を実施した店舗の中には既存店売上高が前年比100%を超える店舗もでてきております。業態転換に成功した店舗をもとに成功モデルを確立し、他の店舗への横展開を実施することでマーケットニーズに即した店舗展開を進めてまいります。
当第3四半期連結会計期間にワタミの介護株式の売却を実施したことにより、資金面での懸案事項について改善することができました。引き続き、国内外食事業におけるコスト削減に取り組むとともに、既存店売上高前年比100%を達成できるように努力してまいります。早期に国内外食事業の営業利益の黒字化を達成するともに、連結経常利益の黒字化も果たしていきたいと考えております。また、株式会社横浜銀行をはじめとした主要取引行の支援も継続して受けられる見込であります。
現在、これらの対応策を進めているため、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。