第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の各種経済政策の効果や世界経済の動向、原油価格の下落等を背景に緩やかな景気回復基調で推移いたしました。しかしながら、為替相場の変調や株価の変動、中国経済の混乱やそれに伴う成長鈍化、欧州経済の不安化等が懸念され、先行きの不透明感が強まっております。更に日銀によるマイナス金利導入も加わり、景気の下振れリスクの拡大も想定され、景気回復基調は継続するものの、その流れは極めて緩やかなものになると見られます。

 このような環境下、「地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループになろう」というグループスローガンのもと、各事業分野においてお客様のありがとうを集める活動を展開してまいりました。

 

 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分方法を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

 セグメントの業績は以下のとおりであります。

 

①国内外食事業

国内外食事業におきましては11店舗を新規出店し、当連結会計年度末における店舗数は494店舗となりました。当連結会計年度において、不採算店を中心に72店舗の撤退を行う等、業績回復に努めてまいりました。下期においては既存店のお客様数が前年を上回る水準で推移する等、足元の売上高は回復基調にありますが、客単価減による影響もあり、既存店売上高前期比は通期では93.8%となっております。

国内外食事業における売上高は48,322百万円(前期比80.1%)、セグメント損失は1,535百万円(前年同期は3,699百万円の損失)となりました。

 

②宅食事業

宅食事業におきましては、当連結会計年度末の営業拠点数は540ヶ所となっております。高齢者食宅配市場において、売上シェア№1は引き続き維持するものの、競合他社とのお客様獲得競争は依然として厳しい状況が続いております。その結果、3月の最終週における調理済み商品の平日1日あたりお届け数は225千食と前年を下回る水準となっております。一方で商品製造拠点における生産性向上の取り組みが奏功したことなどもあり、減収ながら増益となっております。

宅食事業における売上高は37,585百万円(前期比95.2%)、セグメント利益は2,072百万円(前期比108.4%)となりました。

 

③介護事業

 介護事業におきましては、平成27年11月末時点において、4棟の新規施設を開設し、6,500名を超えるお客様にご入居いただいており、施設数は114棟、既存施設の入居率は77.2%となっておりました。これにより、介護事業における売上高は23,590百万円(前年同期比66.6%)、セグメント利益は728百万円(前年同期比30.3%)となりました。

なお、ワタミの介護株式会社は平成27年12月1日をもって連結除外となっております。そのため、介護事業セグメントの業績は平成27年11月末日までのものとなります。

 

④海外外食事業

 海外外食事業におきましては、4店舗を新規出店いたしました。一方では16店舗の撤退を行い、当連結会計年度末における店舗数は97店舗(前年同期は109店舗)となりました。香港エリアにおいては大幅な業績改善となったものの、上海エリアの売上不振が継続するなどしたため、海外外食事業の既存店売上高前年比は92.3%、既存店客数前年比は90.1%となっております。

 海外外食事業における売上高は15,773百万円(前期比90.9%)、セグメント損失は264百万円(前年同期は227百万円の損失)となっております。

 

⑤環境事業

環境事業におきましては、北海道厚真町におけるメガ・ソーラー施設が本格稼働しております。発電量は計画比106.2%となりました。その結果、環境事業における売上高は2,326百万円(前年同期比185.9%)、セグメント利益は261百万円(前年同期は108百万円の損失)となっております。

なお、北海道厚真町のメガ・ソーラー施設を保有する株式会社コミュニティソーラーおよび北海道むかわ町のメガ・ソーラー施設を保有する株式会社北海道ソーラーマネジメントの2社は平成28年3月10日をもって連結除外となっております。それに伴い、両社の業績は平成28年2月までを連結対象としております。

 

⑥農業

農業におきましては、産地における集荷業務の移管および北海道弟子屈牧場における畜産部門の一部閉鎖を行いました。農場部門の反収が前年比78.3%となっております。その結果、農業における売上高は648百万円(前年同期比41.6%)、セグメント損失は96百万円(前年同期は1百万円の損失)となっております。

 

当連結会計年度における企業集団の成果は、上記のように厳しい収益環境のもと、業績改善施策の遂行に努めましたが、連結売上高は128,246百万円(前期比82.5%)となり、連結営業損失は290百万円(前年同期は2,072百万円の営業損失)、連結経常損失は1,132百万円(前年同期は3,406百万円の経常損失)と、営業利益・経常利益ベースでは二期連続の赤字となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、第3四半期連結会計期間においてワタミの介護株式の売却による特別利益15,126百万円を計上したことから7,810百万円(前年同期は12,857百万円の損失)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べて9,568百万円増加し、19,052百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況については下記のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果得られた資金は2,701百万円(前年同期比48.8%)となりました。主な内訳は税金等調整前当期純利益が10,070百万円、減価償却費が7,697百万円、減損損失が3,647百万円、関係会社売却益が15,152百万円、利息の支払額が1,854百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果得られた資金は19,026百万円(前期は12,026百万円の支出)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出が6,208百万円、差入保証金の回収による収入が1,362百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入が26,493百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果使用した資金は12,117百万円(前期は6,451百万円の収入)となりました。主な内訳は短期借入金による収入が8,543百万円、長期借入れによる収入が10,948百万円、短期借入金の返済による支出が19,733百万円、長期借入金の返済による支出が9,724百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出が3,580百万円であります。

 

2【販売の状況】

   (1)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。      (単位:百万円)

セグメントの名称

前連結会計年度

自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日

当連結会計年度

自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日

 国内外食事業

60,272

48,322

 宅食事業

39,478

37,585

 介護事業

35,404

23,590

 海外外食事業

17,345

15,773

 環境事業

1,251

2,326

 農業

1,557

648

     合計

155,310

128,246

 (注)1. 品目が多岐にわたるため、販売数量の記載を省略しております。

    2. 上記金額に消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

国内外食事業

 外食事業のなかでも当社グループが主に取り組む居酒屋事業は飲酒人口の減少などマーケットは縮小傾向が顕著であります。このような状況下において、既存店売上高前期比100%以上を達成するにはスクラップアンドビルドを行いながら、マーケットと向き合い、常に新しい価値を提供し続けることが重要であると考えております。今後は居酒屋事業にとどまることなく、新業態の開発・展開を図り、商品施策の見直し、ブランドの再構築により競争力の回復に努め、併せてコスト構造の継続した改善を図ることで収益性の改善を進めてまいります。

 

②宅食事業

 宅食事業は、高齢化社会の進展とともにマーケットが拡大する一方、競争環境も激化しており、商品力の強化、販売促進の見直し、営業体制の強化等により、新規顧客の獲得による市場シェアの拡大を図ることが必要であります。

 さらに、お客様の利便性の更なる向上を図り、長期継続ご利用のインセンティブとなる囲い込み施策の強化を図ってまいります。また、高齢者のさまざまな食のニーズに対応すべく、営業対象をこれまでの個人顧客のみならず、介護施設など他事業者にも拡大し、業務提携を行うことなども通じて販売チャネルの多様化を図り、業容の拡大に努めてまいります。

 

③海外外食事業

 海外外食事業は、アジア圏の経済成長にともない日本食マーケットが拡大する一方、競争環境も激化しております。このような状況下において、現在出店する商業施設のオーナー様のテナント入替ニーズ、細分化するお客様の飲食ニーズに応えるためには、新業態の開発による既存出店ポイントの確保、新規出店可能ポイントの拡大による好立地の確保が重要であると考えております。また、日本国内以上にマーケットの変化が激しく、競合店出店による集客力の低下、不動産施設費の高騰、人件費の上昇など収益環境が短期間で悪化する事例も散見されます。そのため、撤退の見極めなど機動的な意思決定を行える組織機能が必要となっております。権限委譲の推進等、経営の現地化を進めることにより、お客様のニーズの変化に対応してまいります。

 

④人材・教育

 新卒採用のみならず中途採用に関しても非常に厳しい採用環境が続いております。このような状況下、グループ経営理念に基づき継続的な採用を進めてまいりますが、福利厚生や業務環境の改善等による離職率の低減や事業展開のうえで中核となる人材育成のための教育強化を図り、グループ経営理念に共感していただける人材にとって、よりお客様に向き合える環境を整えてまいります。また、グループの経営課題が多岐にわたるなか、その課題解決に資する知見を有した経営幹部人材の登用も重要であると認識しており、併せて進めてまいります。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①新規事業について

 当社グループは、「環境貢献、社会貢献、人間貢献」をテーマとし、事業活動を通じて、社会の課題解決に貢献することに挑戦し続けていきたいと考えております。新規事業については現時点で入手可能な情報に基づき、慎重な判断と継続した見直しにより事業展開を図ってまいりますが、潜在的なリスクも含まれており、当社が現時点で想定する状況に大きな変化があった場合は、事業展開にも重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

②出店政策について

 国内外食事業においては、最適な業態ポートフォリオを意識した出店を行ってまいりますが、賃料、商圏人口、競合店の状況に加え、経済環境の変化にともなう消費動向の落ち込み等を総合的に勘案した結果、条件に合致する物件を確保できず当初の計画を達成できない場合、当社連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 海外外食事業においては、商習慣や法律の違いのほか、国内外食事業と同様の潜在的なリスクを抱えており、その影響の結果、当初の計画を達成できない場合、当社連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③売上の変動要因について

 当社グループの営業収入のうち重要な部分を占める国内外食事業は、世界経済の動向、戦争テロ、自然災害等による社会的混乱に伴う需要の縮小、競合店の出店や価格競争、消費者の嗜好や市場の変化への対応の遅れ、採用計画の未達成及び社員教育の未徹底等による拡大戦略の不芳等により、当社連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社店舗内における食中毒の発生等を理由としたブランドイメージの低下により、来店するお客様数の減少等が発生した場合、当社連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 宅食事業においては、競合他社の参入、代替品の登場、価格競争等による競争優位の低下により、当社連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社商品への重大な異物混入等の事故を理由としたブランドイメージの低下により宅配食数の減少等が発生した場合、当社連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 海外外食事業においては、国内外食事業と同様の潜在的なリスクを抱えており、その影響の結果、来店するお客様数の減少等が発生した場合、当社連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④仕入の変動要因について

 伝染病の蔓延や天候不順、仕入先の環境変化、外国為替相場の大幅な変動、さらには自然災害の発生等により食材の需給が逼迫し仕入単価が高騰した場合、当社連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、資源の枯渇が危惧される品種の漁獲量制限等により、全世界的に入荷が困難になった場合には、当社連結業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤生産の変動要因について

 当社グループは、国内外食店舗等への食材供給において、冷凍食品や加工食品を極力使わずに調理の一歩手前まで仕込む作業を集中仕込センターにて行っております。また食料品材料セット・調理済み商品の製造工場とあわせて全国12箇所に製造拠点を設置しております。いずれも拠点の分散化が図られておりますが、食中毒や火災等によりセンター・工場が稼動不能の状態となった場合には、店舗等への食材供給や商品の供給に支障をきたす恐れがあり、その場合当社連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 海外外食事業においては、香港・台湾において国内外食事業と同様の集中仕込センターを設置しており、食中毒や火災等によりセンター・工場が稼動不能の状態となった場合には、店舗等への食材供給や商品の供給に支障をきたす恐れがあり、その場合当社連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥特有の慣行に基づく取引に係わる損害について

 当社グループは事業を展開するにあたり、物件オーナーと賃貸借契約を締結し保証金の差入を行っております。オーナーの破産等により保証金の回収不能が発生した場合、当社連結業績に悪影響を与える可能性があります。

 

⑦特有の法規制に係わるもの

 当社グループの国内外食事業については食品衛生法により規制を受けております。当社グループが飲食店を営業するためには、食品衛生管理者を置き、厚生労働省の定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければなりません。なお、食中毒を起こした場合、食品等の廃棄処分、営業許可の取り消し、営業の禁止、一定期間の営業停止等を命じられ、当社連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 海外外食事業においても各国における同様の法的規制を受けております。

 

⑧継続企業の前提に関する重要事象等

 当社グループは、前連結会計年度において、12,857百万円の親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことから純資産額が10,007百万円となりました。この結果、連結子会社であるワタミの介護株式会社の支払承諾契約の一部が財務制限条項に抵触し、事前求償事由に該当しました。これにより取引銀行から事前求償権の行使を受けた場合、要保全入居金残高について直ちに取引銀行に支払う必要があり、平成27年度の利益計画の達成を前提としても、取引銀行からの金融支援が必要な状況にありました。

 当連結会計年度においてワタミの介護株式の売却による特別利益15,126百万円を計上したことなどから純資産が19,099百万円に回復いたしました。この売却により、ワタミの介護が当社グループから除外されたことに伴い、当社が実施しているワタミの介護株式会社の支払承諾契約に関する事前求償債務への連帯保証は解消され、財務制限条項についても削除されました。

 また、ワタミの介護株式の売却による収入26,460百万円のうち11,190百万円を取引銀行に返済するとともに、メガソーラーを保有する子会社2社(株式会社コミュニティソーラー、株式会社北海道ソーラーマネジメント)の株式を株式会社CSSへ譲渡することにより、当社グループの借入金残高は11,642百万円となりました。当連結会計年度末において19,052百万円を手許資金として確保することができました。

 しかしながら、当社は当連結会計年度においても、1,132百万円の経常損失となり、2期連続の経常損失を計上しております。また、当社グループの主力事業である国内外食事業は、当連結会計年度においても1,535百万円の営業損失を計上し、3期連続の営業損失となっております。

 これらの状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していますが、「第2 事業の状況 3.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(5)継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおり、当該事象又は状況を解消、改善するための対応策を講じることにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しています。

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)株式譲渡契約

① 介護事業

 当社は、平成27年10月2日開催の取締役会決議に基づき、連結子会社であるワタミの介護株式の全株式を損保ジャパン日本興亜ホールディングス株式会社へ譲渡する内容の株式譲渡契約を締結しました。

 当該株式譲渡は、平成27年12月1日付で譲渡が完了しており、ワタミの介護株式会社を連結の範囲から除外しております。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

② メガソーラー事業

 当社は、平成28年3月9日開催の取締役会決議に基づき、連結子会社である株式会社コミュニティーソーラー及び株式会社北海道ソーラーマネジメントの全株式を株式会社CSSへ譲渡する内容の株式譲渡契約を締結しました。

 当該株式譲渡は、平成28年3月10日付で譲渡が完了しており、株式会社コミュニティーソーラー及び株式会社北海道ソーラーマネジメントを連結の範囲から除外しております。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

(2)支払承諾契約

契約会社名

相手方の名称

契約品目

契約締結日

契約内容

契約期間

ワタミの介護㈱

表保証人

 ㈱みずほ銀行

裏保証人

 ㈱横浜銀行

 ㈱あおぞら銀行

 ㈱りそな銀行

 ㈱千葉銀行

支払承諾取引

平成25年3月29日

介護施設の入居金返還債務に係る取引銀行の支払承諾契約(保証委託契約)

平成25年7月31日から平成30年4月27日まで

 支払承諾契約には財務制限条項が付いており、抵触した場合には、保証人である取引銀行から保証委託者であるワタミの介護㈱に対する事前求償権の行使を受ける可能性があったともに、当社は事前求償債務について連帯保証をしておりました。

 なお、ワタミの介護株式の売却に伴い、平成27年11月30日に上記契約の変更契約を締結しております。これにより事前求償債務に対する連帯保証は、損保ジャパン日本興亜ホールディングス株式会社に引き継がれたため、当社による連帯保証はなくなりました。(「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係)※5」参照)。

 

(3)合併契約

 当社は、平成27年10月2日開催の取締役会において、連結子会社であるワタミフードシステムズ株式会社を吸収合併することを決議し、本決議に基づき、合併契約を締結いたしました。

 当該合併は、平成27年11月24日の臨時株主総会において承認され、平成27年12月1日付で完了しております。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 2.財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

6【研究開発活動】

 特記事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績
 売上高は、前連結会計年度(以下「前期」という。)比27,064百万円減少の128,246百万円となりました。この減少の主な要因は、国内外食事業における店舗数の減少及び店舗あたりの売上高減少、宅食事業における宅配数の減少、介護事業の撤退によるものであります。

 売上総利益は、前期比13,280百万円減少の64,715百万円となりました。
 販売費及び一般管理費は、前期比15,062百万円減少の65,005百万円となりました。
 営業利益は、前期比1,782百万円増加の△290百万円となりました。
 営業外損益は、営業外収益が110百万円の増加、営業外費用は381百万円の減少となりました。
 経常利益は、前期比2,273百万円増加の△1,132百万円となりました。
 特別損失は、前期比2,954百万円減少の3,948百万円となりました。
 親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比20,667百万円増加の7,810百万円となりました。

(2) 財政状態
 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)比80,137百万円減少して50,767百万円となりました。流動資産は同5,248百万円増加の24,714百万円、固定資産は同85,385百万円減少の26,053百万円となりました。固定資産のうち有形固定資産は介護事業売却に伴う施設設備に係る有形固定資産の減少、メガ・ソーラー事業売却に伴う機械装置の減少等により前期末比62,484百万円減少の14,413百万円となりました。無形固定資産は介護事業売却に伴うのれんの減少等により前期末比4,886百万円減少の1,684百万円となりました。投資その他の資産は介護事業売却に伴う差入保証金の減少等により、前期末比18,014百万円減少の9,954百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債の合計は、前期末比89,228百万円減少の31,668百万円となりました。流動負債は短期借入金の返済や介護事業売却に伴うリース債務及び短期預り入居金の減少等により同24,862百万円減少の18,897百万円、固定負債は長期借入金の返済や介護事業売却に伴うリース債務及び預り入居金の減少等により同64,365百万円減少の12,771百万円となっています。このうち有利子負債(短期借入金、長期借入金及びリース債務の合計額)は、前期末比70,134百万円減少の15,242百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産の部は、前期末比9,091百万円増加して、19,099百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べて9,568百万円増加し、19,052百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況については下記のとおりであります。

 営業活動の結果得られた資金は2,701百万円(前年同期比48.8%)となりました。主な内訳は税金等調整前当期純利益が10,070百万円、減価償却費が7,697百万円、減損損失が3,647百万円、関係会社売却益が15,152百万円、利息の支払額が1,854百万円であります。

 投資活動の結果得られた資金は19,026百万円(前期は12,026百万円の支出)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出が6,208百万円、差入保証金の回収による収入が1,362百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入が26,493百万円であります。

 財務活動の結果使用した資金は12,117百万円(前期は6,451百万円の収入)となりました。主な内訳は短期借入金による収入が8,543百万円、長期借入れによる収入が10,948百万円、短期借入金の返済による支出が19,733百万円、長期借入金の返済による支出が9,724百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出が3,580百万円であります。

 

(4) 目標とすべき指標
 ワタミグループは、健全性の高い経営を維持していくために財務の健全性・安定性を確保するとともに、事業特性に応じた投下資本利益率(ROI)や内部収益率(IRR)等の基準を設定し、投資効率を重視した経営を行っていきます。同時に、資本コスト等の指標も投資配分や事業の拡大・撤退の基準として活用し、資本効率の最大化に努めてまいります。

 

(5) 継続企業の前提に関する重要事象等

 「第2 事業の状況 1 事業等のリスク」に記載しておりますように、当連結会計年度末において、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

 当社グループは、当該状況を解消すべく、平成27年12月1日に連結子会社であるワタミの介護株式会社の全株式を損保ジャパン日本興亜ホールディングス株式会社へ譲渡しました。これにより介護事業におけるリース債務が当社グループから分離されることによる支払利息の減少が見込まれることから、経常損益を改善できるものと考えております。

 資金面では、当連結会計年度末において現金預金残高が19,052百万円となり、借入金残高11,642百万円を上回る状況となるとともに、株式売却益の計上等により自己資本の充実も併せて図れているため、財務状況は大幅な改善がなされております。当社グループ業績改善に向けた諸施策も着実に成果を挙げており、これまでの計画進捗を鑑みれば、当面の資金繰りには懸念がないと判断しております。

 また、国内外食事業においては、3期連続の営業損失となっており、立て直しが急務となっておりますが、店舗段階の収益性の改善を図るため、当連結会計年度末においては72店舗の不採算店舗の撤退が完了しました。また、期初に掲げた3,500百万円に及ぶコスト削減計画は計画を上回って達成され、収益構造の改善が着実に進行しております。一方、売上については既存店売上高前年比は93.8%と計画を下回る推移となりましたが、単価の引き下げやメニュー変更による店舗オペレーションの改善等により客数前年比は下期累計で100%を上回るなど着実にお客様の支持を回復しつつあると考えております。また、昨年来進めている商品力の訴求を中心とした小投資での新業態への転換も本格展開いたします。さらに、「和民」「わたみん家」の主力ブランドは守るだけではなく、単なる看板変更に留まらない新しいブランドとして生まれ変わらせるべきと判断しており、新たに実験を開始しております。翌連結会計年度は、それら全体で80店舗程度の業態転換・看板変更を計画しており、既存店売上高の伸びを牽引することにより、既存店売上高が前年比100%を超えることを計画しております。

 当連結会計年度は、資金面での懸案事項について改善することができました。今後は、国内外食事業において既存店売上高前年比100%を達成できるように、売上向上策を中心とした施策を講じてまいります。そうすることで、国内外食事業の営業利益の黒字化を達成するとともに、連結経常利益の黒字化も果たしていけると考えております。また、株式会社横浜銀行をはじめとした主要取引行の支援も継続して受けられる見込であります。

 現在、これらの対応策を進めているため、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。