(1)経営方針
当社グループは、「地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループになろう」というスローガンのもと、「地球人類の人間性向上のためのよりよい環境をつくり、よりよいきっかけを提供すること」というミッションを掲げ、事業活動を展開しております。事業活動を通じて社会の課題解決に貢献し、その存在対効果の最大化に向けて努力してまいります。
(2)経営環境及び経営戦略等
当社グループを取り巻く環境は、個人消費動向が長期低迷するなか、ライフスタイルの多様化、食の安全安心への意識の高まり、少子高齢化の進展など、お客様ニーズの移り変わりや為替の変動により、大きく変化してまいりました。
このような環境のなか、当社グループはワタミファームで採れた有機野菜(一次産業:農業)を、ワタミ手づくり厨房で加工(二次産業:食品加工)し、当社グループの外食事業や宅食事業を通じて全国のお客様に提供する(三次産業:食事・サービスの提供)とともに、環境やエネルギー、食の循環にも配慮した持続可能な社会の構築を目指す独自の六次産業モデルを構築しております。この事業モデルの展開を通じて、他社との差別化を図り、一人でも多くのお客様から「ありがとう」を集めるとともに、新しい事業領域への進出の可能性を拡げることで、継続的な企業価値の向上を図ってまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、純有利子負債(ネットD/Eレシオ)の基準を設定し、財務の健全性・安定性を維持しながら経営を行ってまいります。また、総資産営業利益率(ROA)や株主資本利益率(ROE)の指標についても基準を設定し、資産効率の向上及び株主資本の有効活用を図りながら、最適な事業ポートフォリオの構築に取り組んでまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
新型コロナウイルス感染症は、収束に向けての動きが加速する中で、わが国の経済活動や消費者の消費行動の回復に大きな影響を与えており、為替変動や人件費及び物価高騰が発生しております。このような環境のなか当社グループは当連結会計年度においては、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益とも対前年を上回る利益を計上しております。2023年3月にはマスク着用義務が終了し、会食における人数制限の解除など、飲食業界における経済活動は回復傾向にあり、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが2類から5類へ切り替わり、消費行動の急速な回復が予見されるなか、物価高や賃金上昇圧力の増加などの新たな環境の変化に対応するため、当社グループでは、引き続き、固定費削減、お客様ニーズに対応した業態(居酒屋業態、焼肉業態、テイクアウト・デリバリー業態、ハレの場を提供する業態等)の展開を行うことにより、リスクに対応した業態ポートフォリオの構築が重要であると考えております。また、コロナ禍においても堅調に成長してきた宅食事業は、これからの少子高齢化やリモートワークなど多様な働き方によって高まる在宅需要に対応するため、冷凍総菜宅配サービスの拡大及びインフレ環境における低価格商品の販売など、利用者ニーズに応じた継続的な成長基盤の整備が必要であると考えております。
財務面では、前連結会計年度においてDBJ飲食・宿泊支援ファンド投資事業有限責任組合との間で株式投資契約書及び総株引受契約書を締結し、12,000百万円の優先株式を発行して手元流動性を高めるとともに、調達した資金を成長戦略へ投資することにより、厳しい環境下においても確実な成長と業績の改善に取り組んでまいります。
① 国内外食事業
当社グループが主に展開する居酒屋事業は、マーケットの縮小傾向が続いており、お客様ニーズの多様化など厳しい事業環境にあります。加えて、今般の新型コロナウイルス感染症の影響により、お客様の飲食スタイルが大きく変化しており、店内飲食だけではなく、テイクアウト・デリバリーなど多様な利用ニーズにも対応することが重要であると考えております。また、高い商品力と高い生産性を武器とした新業態のフランチャイズ展開を始めるなど、外食事業の拡大に向けた収益源の多様化を図っております。それら外食事業の仕組みを支える商品開発・仕入・物流・製造などのMD体制を抜本的に見直し、他社との差別化並びに収益構造の改革を進めてまいります。
② 宅食事業
宅食事業は、高齢化社会の進展とともにマーケットが拡大している一方、新規参入業者の増加など競争環境も激化しております。商品力の強化、エリア戦略の見直し、法人営業を行うとともに、冷凍宅配事業の展開や低価格商品の提供を行うことにより、新規顧客の獲得による市場開拓、シェア拡大を図ります。また、調理済商品の製造工場における省人化投資を進めるなど、生産性の一段の向上を図ってまいります。
③ 海外外食事業
海外外食事業は、日本食マーケットが拡大している一方、ニーズの細分化により競争環境も激化しております。加えて、アフターコロナにおけるお客様の飲食スタイルの変化、現在出店する商業施設のオーナー様のテナント入替ニーズにも的確に対応するため、日本の国内外食事業と商品開発体制などの連携を強化しながら、新業態の開発と出店を進めてまいります。また、競合店出店による集客力の低下、不動産施設費の高騰、人件費の上昇など収益環境が短期間で悪化する事例も散見されることから、戦略的なスクラップアンドビルドとあわせて、利益を捻出しやすい組織体質の継続的構築を進めてまいります。
④ 人材・教育
当社グループの事業展開の中核となる人材の確保・育成にあたり、人材の教育・研修体制の強化やシステムなどの省人化投資などにより、従業員の自己実現のサポートとともに長く安心して働くことのできる仕組みづくりに取り組んでまいります。
また、採用から教育までの一気通貫の仕組みをつくり、入社後の目標達成や離職対策について強化してまいります。ほかにも2022年3月より副社長が全国を周り全社員の声を直接聞く機会などを設けており、2023年度につきましても継続して行ってまいります。
⑤ 中期経営計画の策定、公表
当社グループは2019年11月15日中期経営計画を策定、公表しましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって経営環境は大きく変化しました。こうした状況を踏まえ、今後、当社グループ各社における新型コロナウイルス感染症拡大による事業活動への影響度合いの状況確認が進み、適正かつ合理的な算出が可能になったうえで、改めて、新中期経営計画を再策定、公表をいたします。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ワタミグループが目指すサステナビリティ経営
ワタミグループのミッションは、「地球人類の人間性向上のためのよりよい環境をつくり、よりよいきっかけを提供すること」です。
その環境やきっかけを提供するというワタミの理念はSDGsの考え方に重なります。
当社グループは、外食事業、宅食事業、原料調達から消費までのサプライチェーンを構成する事業、農業、エネルギー事業において、経済的・社会的・環境的ニーズの充足、従業員の幸せ、地域貢献などの持続可能な企業活動を通して、SDGsを達成します。
自社グループで栽培した農産物(1次産業)を自社グループで加工(2次産業)し、お客様に提供する(3次産業)ことに加えて、環境負荷を軽減するための取り組みや再生可能エネルギー事業にも取り組むことで、再生可能エネルギーを利用した循環型6次産業モデルを構築し、経済的・社会的・環境的パフォーマンスを向上し続けることで「地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループ」を目指します。
(2)当社グループのマテリアリティ
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循環型社会の実現 |
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自然共生社会の実現 |
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低炭素社会の実現 |
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ダイバーシティの実現 |
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食品廃棄ゼロの実現 |
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(3)気候変動への対応
近年、世界中で気候変動をはじめとする環境課題が深刻化しており、日本国内でも、異常気象による台風などの大規模な自然災害が発生するなど、経営に大きな影響をもたらす状況となっております。
このような状況の下、ワタミグループは、気候変動をサステナビリティ経営上の最重要課題であると位置づけ、気候変動に伴うリスクや機会は、事業戦略に大きな影響を及ぼすものと認識しております。
ワタミグループでは、2022年度に5つのマテリアリティを特定し、「低炭素社会の実現」「循環型社会の実現」「自然共生社会の実現」を目指して、様々な活動に取り組んでおります。
「低炭素社会の実現」に関しては、Scope1・2排出量の削減、RE100を達成するための再生可能エネルギー化100%の推進、エネルギー消費量の削減、フロン類の削減等に積極的に取り組んでおります。
また「循環型社会の実現」に関しては、リサイクルループの構築、食品ロスの削減、宅食弁当容器のバイオマス化推進、3+1「4」R等を推進するとともに有機農場の拡大、外食・宅食メニューへの有機特別栽培食材比率の増加、森林事業の拡大、SDGs教育の促進、サプライヤーであるお取引様や消費者であるお客様と協働したScope3排出量削減活動等に取り組むことで「自然共生社会の実現」を目指します。
(4)TCFD提言が推奨する4つの開示項目に沿った情報開示
「サスティナブル方針」の基本理念に基づき、グループの重点課題(マテリアリティ)を決定するうえで、年々激化する気候変動問題についても非常に重要な項目の一つとしてとらえております。
「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」※1の最終報告書を受け、気候変動関連リスク及び機会に関する情報開示の準備を始めております。
※1 TCFDとは、G20の要請を受け、金融安定理事会(各国の金融関連省庁及び中央銀行からなる国際金融に関する監督業務を行う機関)により、気候関連の情報開示及び金融機関の対応をどのように行うかを検討するために設立された「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」を指します。
TCFD提言は、すべての企業に対し、「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標と目標」の4つの項目に基づいて開示することを推奨しております。
当社グループは、TCFD提言の4つの開示項目に沿って、気候関連情報を開示いたします。
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開示項目 |
具体的な開示内容 |
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ガバナンス |
(a)取締役会が気候関連課題について報告を受けるプロセス、議題として取り上げる頻度、監視対象 |
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(b)経営者の気候関連課題に対する責任、報告を受けるプロセス(委員会等)、モニタリング方法 |
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リスク管理 |
(a)気候関連リスクの特定・評価プロセスの詳細、重要性の決定方法 |
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(b)重要な気候関連リスクの管理プロセスの詳細、優先順位付けの方法 |
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(c)全社リスク管理の仕組みへの統合状況 |
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戦略 |
(a)短期・中期・長期のリスク・機会の詳細 |
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(b)リスク・機会が事業・戦略・財務計画に及ぼす影響の内容・程度 |
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(c)関連するシナリオに基づくリスク・機会及び財務影響とそれに対する戦略・レジリエンス |
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指標と目標 |
(a)気候関連リスク・機会の管理に用いる指標 |
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(b)温室効果ガス排出量 Scope1・2・3 |
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(c)気候関連リスク・機会の管理に用いる目標及び実績 |
①ガバナンス
(a)取締役会が気候関連課題や人的資本を含むESGに関連する当社グループの課題・対応策について報告を受けるプロセス、議題として取り上げる頻度、監視対象
当社グループは、会長兼社長を議長とする4つの会議(経営戦略会議、従業員の幸せ実現会議、ブランド向上会議、SDGs会議)を開催しております。
サステナビリティ対応については、2019年に策定された、SDGsを経営の中核課題に取り入れた長期目標である「ワタミサスティナブル方針」に基づいて当社の環境・社会的課題に対しての取り組みとして、社内4大会議の一角である、会長兼社長を議長とする、従業員の幸せ実現会議、ブランド向上会議、SDGs会議をはじめとする体制を構築し、全社一丸となって推進しております。
また、2019年にSDGs推進本部を設立し、本業の中でSDGsに取り組むために、各事業本部から選出したメンバーによる社内組織横断タスクフォースチームを発足し、SDGsマテリアリティ(重要課題)を特定し、KPI(中間目標)・KGI(2030年目標)をたて、目標達成のために組織横断で取り組んでおります。
特に従業員の職場環境については、従業員の幸せ実現会議にて、従業員の健康増進、キャリア形成、キャリアアップへの支援等を通し、人的資本育成、お客様、一般市民、行政機関、お取引業者様などステークホルダーとのパートナーシップ、全従業員へのサスティナブル教育の徹底を通し、サスティナブル目標に向かって取り組んでおります。
取締役会は、会長兼社長を議長とする4つの会議(経営戦略会議、従業員の幸せ実現会議、ブランド向上会議、SDGs会議)で協議・決議された内容の報告を受け、当社グループの環境課題への対応方針及び実行計画等についての論議・監督を行っております。
(b)経営者の気候関連課題・人的資本を含むESGに対する責任、報告を受けるプロセス委員会等、モニタリング方法
会長兼社長は、4つの会議(経営戦略会議、従業員の幸せ実現会議、ブランド向上会議、SDGs会議)の長を担っており、環境課題に係る経営判断の最終責任を負っております。4つの会議(経営戦略会議、従業員の幸せ実現会議、ブランド向上会議、SDGs会議)で協議・決議された内容は、最終的に取締役会へ報告を行っております。
②リスク管理
(a)気候関連リスクの特定・評価プロセスの詳細、重要性の決定方法
当社グループは、リスクを戦略の起点と位置づけ、「企業経営の目標達成に影響を与える不確実性であり、プラスとマイナスの両面がある」と定義しており、企業が適切に対応することで、持続的な成長につながると考えております。
当社グループは、環境課題に係るリスクについて、「SDGs委員会」の中でより詳細に検討を行い、各事業本部と共有化を図っております。各事業本部では、気候変動の取り組みを実行計画に落とし込み、各事業本部長を長とする会議の中で論議しながら実行計画の進捗確認を行っております。その内容について、「グループ経営会議」や「リスクマネジメント委員会」及び「サステナビリティ委員会」において、進捗のモニタリングを行い、最終的に取締役会へ報告を行っております。
(b)重要な気候関連リスクの管理プロセスの詳細、優先順位付けの方法
当社グループは、気候変動に伴うリスクと機会は、自社の事業戦略に大きな影響を及ぼすとの認識のもと、下記のプロセスを通じて気候変動に伴うリスクと機会を特定し、その重要性を評価しました。
はじめに、当社グループは、サプライチェーン・プロセスの活動項目である、原材料の調達から商品の製造、物流、販売、廃棄、リサイクルに至るまでのサプライチェーンの各段階ごとに、気候変動に伴うリスクと機会を網羅的に抽出しました。次に、網羅的に抽出した気候変動に伴うリスクと機会の中から、当社にとって重要な気候変動に伴うリスクと機会を特定しました。最後に、特定した気候変動に伴うリスクと機会について「自社にとっての影響度及び発生可能性」と「ステークホルダーにとっての影響度」の2つの評価基準に基づき、その重要性を評価しました。
当社グループは、上記のプロセスを経て、特に重要と評価された気候変動に伴うリスクと機会について、取締役会による監督体制の下、当社における企業リスクの一つとして当社グループの戦略に反映し、対応しております。
(c)全社リスク管理の仕組みへの統合状況
ワタミグループは、リスクを全社的に管理する体制を構築することが重要であることを踏まえ、「グループリスク・コンプライアンス委員会」を設置しております。「グループリスク・コンプライアンス委員会」では、外部環境分析をもとに、環境課題に係るリスクを含めた企業リスクを識別・評価し、優先的に対応すべき企業リスクの絞り込みを行い、進捗のモニタリングを行っております。「グループリスク・コンプライアンス委員会」で論議・承認された内容は、取締役会による監督体制の下、当社グループの戦略に反映し、対応しております。
③戦略
(a)短期・中期・長期のリスク・機会の詳細
ワタミグループは、環境課題が与えるリスクは重要な影響を長期間にわたり、与える可能性があると考えております。そのため、適切な目標と期限を設定し、継続的に推進することが重要であると考えております。当社グループは、マテリアリティ(重要課題)の中間目標(KPI)の実行期間である2025年度まで、SBT目標設定年度及び最終目標(KGI)の達成期間である2030年度を見据え、気候変動がもたらす異常気象等の物理リスク、政府による政策規制の導入、及び市場ニーズの変化等の移行リスクの検討を行い、検討の結果特定したリスク・機会は、当社グループの戦略に反映し、対応しております。
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期間 |
定義 |
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中期 |
2025年度まで |
中間目標(KPI)の実行期間 |
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長期 |
2030年度まで |
国連により採択されたSDGs2030アジェンダの達成までの期間であり、最終目標(KGI)の達成期間 |
(b)リスク・機会が事業・戦略・財務計画に及ぼす影響の内容・程度
ワタミグループは、気候変動が当社グループに与えるリスク・機会とそのインパクトの把握、及び2030年時点の世界を想定した当社グループの戦略のレジリエンスと、さらなる施策の必要性の検討を目的に、シナリオ分析を実施しております。
シナリオ分析では、国際エネルギー機関IEAや、気候変動に関する政府間パネルIPCCが公表する複数の既存シナリオを参照の上、パリ協定の目標である「産業革命前からの全世界の平均気温の上昇を2℃未満に抑える」ことを想定したシナリオ、2℃未満シナリオ、及び新たな政策・制度が導入されず、公表済の政策・規制が達成されることを想定した世界の温室効果ガス排出量が、現在より増加するシナリオ、4℃シナリオの2つの世界を想定しました。
最重要マテリアリティの1つである「脱炭素社会の実現」に向け、当社グループの事業活動について、上記シナリオを前提に、気候変動がもたらす影響を分析し、その対応策を検討し、当社グループの戦略レジリエンス強靭性を検証しております。
(c)関連するシナリオに基づくリスク・機会及び財務的影響とそれに対する戦略・レジリエンス
ワタミグループの温室効果ガス排出量の多くは、購入した製品・サービスに伴う排出(スコープ3のカテゴリ1)及び他社から供給された電気、熱、蒸気の使用に伴う間接排出(スコープ2)とに由来しており、当社グループの温室効果ガス排出量削減の取り組みは、低炭素由来の原材料の調達及び再生可能エネルギー由来の電力の調達に重点を置くことが重要であると考えております。この現状を踏まえ、当社グループは、2030年時点を想定した2つのシナリオにおける事業及び財務への影響のうち、特に日本国内における炭素税の導入及び再生可能エネルギー由来の電気料金の変動が、重要なパラメータ指標になると考えております。そのため、2℃未満シナリオ及び4℃シナリオにおける2つのパラメータについて、当社グループの財務への影響を定量的に試算しております。また、宅食事業の弁当容器回収リサイクルが全ての配達エリアで実施できたことにより、お客様の家から家庭ゴミとして排出される容器が減少し、廃棄焼却されるGHGが減少しております。さらに有機農業やバイオマスプラスティックへの取り組みとCO2吸収効果による影響についても検討を進めております。
・2030年時点を想定したシナリオにおけるワタミグループの事業及び財務への影響
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重要なパラメータ(指標) |
項目 |
2℃未満シナリオ |
4℃シナリオ |
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炭素税 |
・炭素税価格(千円t CO2) |
13.3 |
4.4 |
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・炭素税課税に伴うコスト増(百万円) |
299 |
98 |
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再生可能エネルギー由来の電気料金 |
・再生可能エネルギー由来の電気料金の価格増(円/kWh) |
1~4 |
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・再生可能エネルギー由来の電気の調達コスト増(百万円) |
16~65 |
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(2030年時点に想定される前提条件)
・炭素税価格(※1)100/t CO2 2℃未満シナリオ、33/t CO2 4℃シナリオ(※2)
※1 「Stated Policy Scenario STEPS」IEA、2019を参照。
※2 2030年時点では日本国内でも炭素税が導入されることを想定し、4℃シナリオにおけるEUの炭素税価格で試算。
・ワタミグループ温室効果ガス排出量:約22,400t CO2(2021年度と同水準)
・再生可能エネルギー由来の電気料金:1~4円/kWhの価格高(再生可能エネルギー以外の電気料金との比較)
・ワタミグループ再生可能エネルギー由来の電気使用量:16,300MWh(再生可能エネルギー比率40%)
当社グループは、2℃未満シナリオ及び4℃シナリオのいずれのシナリオ下においても、中長期視点から高い戦略レジリエンスを強化してまいります。そのため、事業戦略や中期経営計画において、マイナスのリスクに対しては適切な回避策を策定する一方、プラスの機会に対しては、マーケット変化へ積極的に対応する等、新たな成長機会の獲得を目指してまいります。
(d)人材育成に関する方針
ワタミグループは、理念を共有し、従業員一人ひとりがそれぞれの夢や目標を実現していく組織を目指すことが、会社の成長につながると考えております。グループ共通で「地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループになろう」を合言葉に、従業員の幸せ日本一の職場づくりに努めております。従業員の幸せ日本一を目指す上で、会社と一人ひとりの現状と未来を見据えた仕組みを導入しております。
「従業員の幸せに関する7つの項目」を人材戦略の柱とし、ワタミグループの理念に向けた人事施策を策定しております。
・教育と能力開発
ワタミグループでは、教育及び能力開発として従業員それぞれが、事業戦略に沿った能力を活かすことができるよう実践型の「スキル教育」をはじめ、「理念教育」「階層別教育」「選抜教育」「自己啓発支援」を行い、従業員の能力開発や技術取得の機会を設け、人材の育成を行っております。特に、従業員一人ひとりが夢・目標を持ち主人公として自身の思いを形にしていくためにはワタミグループの理念と従業員自身の思いの重なりを確認することが重要であると考えており、理念浸透(理念集の活用、夢手帳の考え方、ワタミモデルの理解)に向けて様々な研修を実施しております。
また、自発的に成長できるようgrow(e-ラーニング)の導入や、経営者のためのカレッジ等、従業員のキャリアアップの可能性を広げております。
・夢達成への支援
ワタミグループでは、自身の夢や目標の達成に向けて、自ら成長・学ぼうとする従業員には、ビジネススクールや独立希望社員向けのDFC研修など自律的なキャリア形成に向けての積極的な支援を行っております。
・ワタミチャレンジアワード
ワタミグループでは、社員一人ひとりが主人公として夢を叶える、それを会社として支援するためのイベントとして、2019年よりワタミチャレンジAWARDを行っております。3年間で社内からの応募数は述べ200件を超え、「ワタミモデル」「差別化・優位性」「SDGs・将来性」の3つのテーマから新規事業、新規業態を提案してもらい、審査を行います。最終審査では取締役3名の前でプレゼンを行い、実現に向けて進んでいく事ができます。
・ビジネススクール
ワタミグループでは、「SDGs日本一」を経営戦略としている今後のワタミグループが100年企業として永続的に発展していくために、若手社員の次世代リーダー育成を目的とした「ワタミビジネススクール」を2015年に開校し、2021年より取締役渡邉将也を講師として1年間の講義を行っております。今後も継続してワタミの理念を深く理解し、かつ経営力に長けたリーダーを育成してまいります。
・夢を語る会
ワタミグループでは、2021年3月より、副社長清水邦晃が全国の社員約1,000名(店長職以下)を対象に、新型コロナウイルス感染症の影響などで業績が厳しい中頑張ってきた社員を労い、そして現場の社員一人ひとりの声を直接聞く機会としてスタートしました。会の中では他事業や他部署で働く社員同士の交流や会社への提言などをテーマにディスカッションなども行っております。
(e)ダイバーシティの推進
・多様性の確保についての考え方
ワタミグループは、「SDGs日本一を実現し地球上で一番たくさんのありがとうを集めます」という形でSDGs宣言をさせて頂いております。具体的にはワタミサスティナブル方針として、外食企業、宅食企業、原料調達から消費までのサプライチェーンを構成する事業、農業、エネルギー事業において、経済的・社会的・環境的ニーズの充足、従業員の幸せ、地域貢献などの持続可能な企業活動を通じて、SDGsを達成することを目指しております。
ワタミモデル(再生可能エネルギーを利用した循環型6次産業モデル)をより深化させていくことがSDGs宣言の達成に繋がると考えており、宣言の達成に向け、幅広い各方面の知識・経験を結集させることが不可欠です。
ワタミグループは、異なる経験・技能・属性(ジェンダーや国籍等)を反映した多様な視点や価値観が存在することが、持続的な成長を確保するうえでの強みとなり、SDGs宣言の実現に資するものと考え、人材の多様性の確保を推進いたします。
・多様性確保の状況
ワタミグループは、タスクフォースチームを組織し多様性の確保に向けた取り組みを実施しております。
(1)女性活躍推進の取り組み
当グループは、女性活躍推進への取り組みに関する方針を具体化するため、経営的視点を伸長させるための教育や、女性がライフイベントを乗り越え働き続けていける制度の充実などに取り組んでおります。
女性が将来にわたり活躍し続けるためには、結婚や出産などに合わせた人事施策が必要です。残業時間の削減、有給休暇の取得促進、インターバル制度や短時間勤務制度の導入などの取り組みを積極的に行い、女性が長く働くことができる環境を整え離職率の低減を図ってまいります。
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取り組み |
実績(2023年3月末日時点) |
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2022年度採用者における女性の採用割合 |
正社員47.8% |
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パートタイマー55.0% |
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2022年度管理職の男女比率 |
女性14.3%(40名) |
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男性85.7%(240名) |
(注)提出会社の状況であります。
(2)中途採用者の管理職への登用
ワタミグループは、様々なキャリアバックグラウンドを持つ人材の管理職への登用を進めております。
なお、企業価値向上に資する適切な人材を性別や国籍、過去の経験や経歴を限定せずに登用するという方針に鑑みて、女性、外国人、中途採用者の採用に関して、自主的かつ測定可能な目標について定めておりませんが、更なる多様性の確保に向け現状よりの増加に努めてまいります。
・多様性の確保に向けた社内環境整備方針
ワタミグループは、タスクフォースチームを組織し、多様性の確保に向けた取り組みを実施しており、従業員が出産・育児・介護などに携わりながら職場で継続的に能力が発揮できるよう、出産・育児・介護に関する支援・休職など各種制度、時間短縮勤務や深夜就労・残業の制限などを導入しております。また、健康診断受診率も2020年度には100%を達成し、健康に留意する必要がある従業員には運動プログラムや食事の在り方を提案するなど、健康の維持・管理の支援をしてまいります。
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取り組み |
実績(2023年3月末日時点) |
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育児休業取得率 |
女性100.0%/男性25.0% |
(注)提出会社の状況であります。
・障がい者雇用の推進
ワタミグループでは、障がいの有無を超え、ともに働く仲間として学び合い、ともに成長することを目標に、障がい者の雇用に取り組んでおります。障がい者の方に、働く場を提供するだけでなく、ワタミグループの一員として社会に貢献し、やりがいをもって仕事に取り組める環境をつくることが、最も大切だと考えております。現在、ワタミの外食店舗での清掃や仕込み、宅食営業所での事務補助、「ワタミ手づくり厨房」での製造・荷受け・事務補助などの仕事に従事しております。
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取り組み |
実績(2023年3月末日時点) |
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障がい者雇用率(法定雇用率2.3%) |
2.5% |
(注)提出会社の状況であります。
・シニア活躍推進
ワタミグループでは、外食、宅食、食品工場などで60歳以上の方々が多数活躍しております。「高齢者が健康に働ける社会」の実現に向けて、これまでの経験や知識を活用していきいきと働く環境を提供してまいります。
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取り組み |
実績(2023年3月末日時点) |
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60歳以上の雇用者数 |
831名 |
(注)提出会社の状況であります。
(f)労働環境の改善に向けた社内環境整備に関する方針
・健康経営
ワタミグループは、労働環境改善を経営の最重要課題に位置付け、2016年より外部有識者を交えた「コンプライアンス委員会」と「業務改善委員会」を設置し、コンプライアンス順守のモニタリングとともに労働環境改善の取り組みを進めてまいりました。2019年からは、取締役と人材開発本部、事業教育担当者が参加する「従業員幸せ会議」を毎月開催しております。2023年3月には、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人(大規模法人部門)2023」に認定されました。さらに「健康経営優良法人ホワイト500」の認定を目指します。
・新入社員へのサポート
ワタミグループでは、入社後、職場の困りごとを上司以外の社員にも気軽に相談できるよう、本部の人材開発本部・教育部の先輩社員が新入社員をサポートできる体制として、メンター制度を導入しております。毎月、労働時間の確認や上司とのコミュニケーションについてなど新入社員が抱えている悩みや不安をヒアリングしてフォローアップを行っております。
・業務の効率化への取り組み
ワタミグループでは、外食店舗の営業がより効率的にできる取り組みとして、テーブル端末(商品注文システム)の導入、主力業態を中心にマニュアルの動画、従業員一人ひとりの勤務時間と作業割り当てをするための「ワークスケジュールシステム」の全店への導入など、事務作業や教育の面でのシステム化を推進しております。また宅食事業では2022年度からまごころスタッフの会計業務などを手作業からスマートフォンで実施できるようにIT化を強化しております。
・勤務インターバル制度の導入
ワタミグループでは、従業員の健康を守り、生活と仕事のバランスを保ちながら働き続けられるよう、2019年1月1日より、勤務間インターバル制度を導入しております。
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制度の開始時期 |
2019年1月1日 |
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インターバル期間 |
8時間 |
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対象範囲 |
全従業員(パート・アルバイト含む) |
・適正な労働時間管理
ワタミグループでは、人事部門にて日々勤務時間数を確認、配信することで労働時間が長くなりそうな従業員の上長に対して注意喚起をすることで長時間労働が発生することを未然に防げるように努めております。繁忙期には、本部の人員も交えて営業態勢を整えるなど、全社一丸となって運営と時間管理に取り組んでおります。
・ハラスメント研修の実施
ワタミグループでは、管理職に対して、毎年ハラスメント研修を実施しております。また人事昇格要件にハラスメントの知識習得を必須とすることで社内の啓発を図っております。
・従業員アンケートと「夢を語る会」の実施
ワタミグループでは、一人ひとりの社員に寄り添い、仕事を通じて「人としての成長」を実感できるフィールドを常に提供し続けるため、2008年より従業員アンケートを年に2回実施しております。また、2022年3月から副社長が全社員と対話する「夢を語る会」を開催し、コロナ禍で不安を抱える社員一人ひとりに寄り添い、社員の声に耳を傾け、風通しの良い職場環境の改善に努めております。
・メンタルサポートダイヤルの設置
ワタミグループでは、心身の不調が原因となる遅刻や早退、就労が困難な欠勤、休職など、業務自体が行えないなど状態になる前に把握し、社員一人ひとりの仕事の生産性を高められるよう努めております。例えば、健康診断受診推進に関しては、受診率100%を継続するとともに、健康の維持管理の支援を行っております。また、社員本人だけではなく配偶者及びいずれかの被扶養者が利用できる「メンタルヘルス相談窓口(ワタミグループサポートダイヤル)では、希望に応じて、メンタル不調に関する電話でのカウンセリングやWEB相談、面談によるカウンセリングを受けることができます。今後も社員の健康維持に向けた取り組みを強化してまいります。
・「ワタミヘルプライン」の設置
ワタミグループは、グループ内に存在し得る問題を広く受け付け、積極的に問題の解決に務めることができるよう、グループ全従業員(パート・アルバイトメンバーを含む)及びお取引業者様に向けた「ワタミヘルプライン」を設置しております。受付窓口は、メールにて社内独立組織である「ワタミヘルプライン事務局」に直接連絡する窓口、そして、電話にて外部委託先である「三好総合法律事務所様」経由で連絡する窓口の計2つを設けております。また、海外においても、メール相談窓口を設置しております。これにより、グループ内に存在する問題の未然防止・早期発見の体制をさらに強化するとともに、引き続き制度の透明性・利便性の向上、通報者の保護の徹底に努めてまいります。
・「代表取締役会長兼社長への直通ダイヤル」を設置
ワタミグループでは、2022年9月に代表取締役会長兼社長への直通ダイヤルを開設しました。全従業員が直接意見を伝えることができるようになり、将来に向けてよりよい環境つくりの向上に努めてまいります。
④指標及び目標
(a)気候関連リスク・機会の管理に用いる指標
ワタミグループは、気候関連リスク・機会を管理するための指標として、Scope1・2・3温室効果ガス排出量を定め、その実現のため、有機栽培自社農場面積、事業活動で使用する電力に占める再生可能エネルギー比率、循環型社会を目指した容器回収率の指標を定めております。
(b)温室効果ガス排出量 Scope1・2・3
ワタミグループ(一部連結子会社を除く)は、国内外食事業をはじめ、海外外食事業、お弁当宅配の宅食事業、外食や宅食事業を支える仕入・物流・食品工場部門、農業、電力小売事業などの事業を行っておりますが、さまざまな資源やエネルギーを使用することで、環境に影響を与えております。その環境負荷は、直接管理するものだけでなく、原材料の調達から商品の製造、物流、販売、廃棄、リサイクルに至るまでのサプライチェーンの各段階に及びます。各段階における環境影響を把握し、低減又は相殺する方法を検討していくための基礎となるのが、温室効果ガスのサプライチェーン排出量算定です。
2021年度も前年からのコロナ禍の影響を受け、外食事業の営業自粛要請の対応や店舗撤退により、エネルギー使用量が減少しております。一方で、宅食事業の弁当容器回収リサイクルがすべての配達エリアで実施できたことにより、お客様の家から家庭ゴミとして排出される容器が減少し、廃棄焼却されるGHGが減少しております。容器回収率を向上させ、GHG排出量低減に貢献できるように推進してまいります。(算定から除いた会社:WATAMI USA GUAM、㈲当麻グリーンライフ、ワタミカミチク㈱)
ワタミグループでは、環境負荷低減の取り組みを正しく評価・検証するために「2019年度実績」から毎年、サプライチェーンの上下流(原料調達から製造、物流、販売、廃棄等)にわたる事業活動に伴うGHG排出量の第三者検証を実施しております。国際的なGHG算定・報告基準「GHGプロトコル」に準拠し、「Scope1、2」についてソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社による第三者検証を受け、保証書を取得しました。第三者検証を受けることで、透明性のある情報開示を行い、社内外から信頼性の向上につなげてまいります。
・ワタミグループ Scope1・2・3温室効果ガス排出量実績
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温室効果ガス排出量実績 排出量(t-CO2 e) |
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2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
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Scope1・2・3排出量 合計 |
367,108 |
237,524 |
212,619 |
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内訳 |
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Scope1排出量 |
15,852 |
7,875 |
7,246 |
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Scope2排出量 |
42,000 |
26,283 |
21,585 |
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Scope3排出量 合計 |
309,256 |
203,366 |
183,788 |
(c)気候関連リスク・機会の管理に用いる目標及び実績
ワタミグループは、気候関連リスク・機会を管理するための指標として、Scope1・2・3温室効果ガス排出量を定め、その実現のため、事業活動で使用する電力に占める再生可能エネルギー比率(RE100 2030年までに40% 2040年までに100%)及び循環型社会を目指し、2030年までに食品ロスゼロ、リサイクル100%の指標を定めております。
これらの長期目標達成のため、当社グループは、1998年度から、再生可能エネルギーを供給するためワタミエナジー株式会社を設立し、1999年度にはワタミ環境宣言、2018年度にはSDGs宣言、2018年に「RE100」(※)に加盟、2019年度にワタミサスティナブル方針を宣言しました。今後も、カーボンニュートラルの実現に向け、GHG削減のため、有機農業、容器リサイクル、バイオマス発電、再生可能エネルギーの調達促進に取り組みます。
※ 事業活動で使用する電力を、2050年までに100再生可能エネルギーにすることを目標とする国際的イニシアチブ。
・ワタミグループの気候関連リスク・機会の管理に用いる目標
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指標 |
目標年度 |
目標内容 |
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温室効果ガス排出量 |
2050年 |
「パリ協定」で掲げられた2050年までに地球温暖化零を目標に段階的かつ具体的な対策を講じてまいります。 |
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事業活動で使用する電力に占める再生可能エネルギー比率 |
2040年 |
事業活動で使用する電力に占める再生可能エネルギー比率100% |
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2030年 |
事業活動で使用する電力に占める再生可能エネルギー比率40% |
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容器回収率 |
2030年 |
容器回収率100% |
(d)人材育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績
上記「
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指標 |
実績(2023年3月末日時点) |
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男性労働者の育児休業取得率 |
25.0% |
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年次有給休暇取得率 |
49.7% |
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障がい者雇用率 |
2.5% |
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管理職に占める女性労働者の割合 |
14.3% |
(注)指標、実績は提出会社の状況であります。
(5)今後の取り組み
昨今、天然資源や製品が一度きりの使い捨ての形で使用されることが前提となる、従来型の「リニア・エコノミー」は、大量採取による天然資源の枯渇、温室効果ガス排出による地球温暖化、大量の廃棄物による海洋汚染等、深刻な気候変動をもたらしております。
ワタミグループは、飲食業を中核とする企業グループである強みをいかし、これらの気候変動に伴うリスクと機会に対応していくことが重要であると考え、
・再生可能エネルギーを利用した循環型6次産業モデルの推進
・気候変動に伴う物理リスクへの対応策の強化による強靭なサプライチェーンの実現
・消費者の消費行動の変化に対応した低炭素製品・サービスへの積極的対応
等に取り組んでまいります。
今後も、当社グループは、取締役会による監督体制のもと、環境マネジメントにおけるガバナンスの強化を進め、中長期の目標達成に向けた実行計画の立案等、全社的な取り組みを進めてまいります。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
[A.各事業領域共通のリスク]
①新規事業について
当社グループは、「地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループになろう」というスローガンのもと、事業活動を通じて、社会の課題解決に貢献することに挑戦し続けていきたいと考えております。新規事業については現時点で入手可能な情報に基づき、その拡大可能性を判断し事業展開を図ってまいりますが、潜在的なリスクも含まれており、当社が現時点で想定する状況に大きな変化があった場合は、事業展開にも重大な影響を及ぼす可能性があります。
②仕入の変動要因について
伝染病の蔓延や天候不順、仕入先の環境変化、外国為替相場の大幅な変動、さらには自然災害の発生等により食材の需給が逼迫し仕入単価が高騰した場合、当社連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、資源の枯渇が危惧される品種の漁獲量制限等により、全世界的に入荷が困難になった場合には、当社連結業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③生産の変動要因について
当社グループは、食料品材料セット・調理済み商品の製造工場として全国5箇所に製造拠点を設置しております。いずれも拠点の分散化が図られておりますが、食中毒や火災等によりセンター・工場が稼動不能の状態となった場合には、店舗等への食材供給や商品の供給に支障をきたす恐れがあり、その場合、当社連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
海外外食事業においては、香港において国内外食事業と同様の集中仕込センターを設置しており、食中毒や火災等によりセンター・工場が稼動不能の状態となった場合には、店舗等への食材供給や商品の供給に支障をきたす恐れがあり、その場合、当社連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④人事労務について
労働基準法等の法令違反、ハラスメント、就業規程等の社内規則からの逸脱等があった場合には、従業員の働きがいやモチベーションの低下をまねき、労働市場における需給が逼迫する中、それらを起因として優秀な人材の流出をもたらすとともに、人材の確保が困難となります。結果、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、これらのリスクに対して、ハラスメント研修等社内教育の実施、内部監査部門による監査、グループリスク・コンプライアンス委員会による管理監督を通してモニタリング体制を強化してまいります。また同時に「従業員の幸せに関する7つの項目」を人材戦略の柱として、ワタミグループの理念に向けた人事施策を策定しており、従業員の幸せ日本一を実現するべく、グループ一丸となって推進してまいります。
詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4)TCFD提言が推奨する4つの開示項目に沿った情報開示 ③戦略 (d)人材育成に関する方針」、「(e)ダイバーシティの推進」及び「(f)労働環境の改善に向けた社内環境整備に関する方針」をご参照ください。
⑤為替変動について
当社グループは、FC店を含め、海外で50店舗を展開しております。為替の変動に伴い、海外子会社の外貨建財務諸表を日本円に換算した際、資産及び負債、収入及び費用は変動することになります。
⑥特有の法規制に係わるもの
当社グループの国内外食事業については食品衛生法により規制を受けております。当社グループが飲食店を営業するためには、食品衛生管理者を置き、厚生労働省の定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければなりません。なお、食中毒を起こした場合、食品等の廃棄処分、営業許可の取り消し、営業の禁止、一定期間の営業停止等を命じられ、当社連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
海外外食事業においても各国における同様の法的規制を受けております。
[B.各事業領域におけるリスク]
①国内外食事業に関するリスク
国内外食事業における居酒屋事業は、マーケットの縮小傾向が続いており、お客様ニーズの多様化など厳しい事業環境にあります。加えて、今般の新型コロナウイルス感染症の影響により、お客様の飲食スタイルが大きく変化しており、お客様のニーズに適切に対応できない場合には、当社連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対応するため、引き続き店内飲食だけではなく、テイクアウト・デリバリー業態を強化するとともに、焼肉業態、ハレの場を提供する業態の展開等による成長戦略の推進や外食事業の仕組みを支える商品開発・仕入・物流・製造などのMD体制の見直しにより、他社との差別化並びに収益構造の改革を進めてまいります。
②宅食事業に関するリスク
宅食事業は、高齢化社会の進展とともにマーケットが拡大している一方、新規参入業者の増加など競争環境も激化しており、競争環境に適切に対応できない場合には市場シェアの低下を招き、当社連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対応するため、商品力の強化、エリア戦略の見直しを継続的に行い、新規顧客の獲得による市場開拓、シェア拡大を図るとともに、新しい販売チャネルとして法人営業を全社的に取り組むとともに、製造工場における省人化投資を進めるなど、生産性の一段の向上を進めております。
③海外外食事業に関するリスク
海外外食事業は、日本食マーケットが拡大している一方、ニーズの細分化により競争環境も激化しております。加えて、アフターコロナにおけるお客様の飲食スタイルの変化が大きく変化することは、当社連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対応するためには、現在出店する商業施設のオーナー様のテナント入替ニーズ、お客様の飲食ニーズに的確に対応することが重要であると考えております。そのため、日本の国内外食事業と商品開発体制などの連携を強化して新業態の開発と出店を進めてまいります。また、競合店出店による集客力の低下、不動産施設費の高騰、人件費の上昇など収益環境が短期間で悪化する事態への対応として、戦略的なスクラップアンドビルドとあわせて、利益を捻出しやすい組織体質の継続的構築を進めてまいります。
[C.その他のリスク]
①新型コロナウイルス感染症及び物価上昇等のリスク
新型コロナウイルス感染症の収束に向けての動きが加速する中で、ロシアのウクライナ侵攻に伴う原材料価格の高騰や急速な円安が助長するなど、不透明な状況にありますが、2023年3月にはマスク着用義務の終了、会食における人数制限の解除など、飲食業界における経済活動は回復傾向にあり、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが2類から5類へ切り替わり、消費行動の急速な回復が予見されるなか、物価高や賃金上昇圧力の増加なども影響し、当社グループの想定と実際の景気動向は乖離する可能性があります。また、コロナ禍において変化した、お客様の行動様式への対応が遅れた場合には、既存事業のビジネスモデルの陳腐化による顧客離れを招き、当社連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対応するため、引き続き固定費削減、お客様ニーズに対応した業態(居酒屋業態、焼肉業態、テイクアウト・デリバリー業態、ハレの場を提供する業態)の展開を行うことにより、リスクに強い業態ポートフォリオを構築するとともに、外食事業の仕組みを支える商品開発・仕入・物流・製造などのMD体制の見直しにより、他社との差別化並びに収益構造の改革を進めてまいります。また、コロナ禍においても堅調に成長してきた宅食事業は、これからの少子高齢化やリモートワークなど多様な働き方によって高まる在宅需要に対応するため、冷凍総菜宅配サービスの拡大及びインフレ環境における低価格商品の販売など、利用者ニーズに応じた継続的な成長基盤の整備が必要であると考えております。さらに当連結会計年度より開始した、見守りサービスなどの展開など、社会貢献度及び付加価値が高いサービスを提供するなど、利用者ニーズに応じた継続的成長基盤の強化を図っております。
②固定資産の減損リスク
国内外食事業及び海外外食事業では新規店舗の出店や改装に伴う自社保有の固定資産を利用して事業展開しているため、市場環境や経営環境が悪化して店舗の収益性が低下した場合には、固定資産の減損処理により、当社連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対応するため、出店及び改装時における投資リスクの評価や戦略的なスクラップアンドビルドによってリスクの軽減に努めております。
③差入保証金に関するリスク
当社グループは事業を展開するにあたり、物件オーナーと賃貸借契約を締結し保証金の差入をしております。
オーナーの破産等により保証金の回収不能が発生した場合、当社連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④TCFD提言に沿った情報開示
「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
⑤個人情報保護について
当社グループは、お客様、従業員等に関する多くの個人情報を店舗及び本部にて保有しております。これら個人情報につきましては、個人情報管理規程及び情報セキュリティ規程に基づき、個人情報保護を担当する責任者のもと、厳正に個人情報の漏洩防止に努めております。しかし、これらの個人情報が外部へ流出した場合には、当社グループのブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対しては社員への教育、ITによる情報セキュリティの強化により対応するとともに、インシデント発生時においては、グループリスク・コンプライアンス委員会の監督指導のもと、適切に対処してまいります。
経営成績等の概要
(1)経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の収束に向けての動きが加速する中で、ロシアのウクライナ侵攻に伴う原材料価格の高騰や、急速な円安が助長する物価高が続くなど依然として不透明な状況であります。そのような中、当社グループは当連結会計年度においては、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益とも対前年を上回る利益を計上しております。2023年3月にはマスク着用義務の終了、会食における人数制限の解除など、飲食業界における経済活動は回復傾向にあり、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが2類から5類へ切り替わり、消費行動の急速な回復が予見されるなか、物価高や賃金上昇圧力の増加などの新たな環境の変化に対応するため、当社グループでは、引き続き、固定費削減、お客様ニーズに対応した業態(居酒屋業態、焼肉業態、テイクアウト・デリバリー業態、ハレの場を提供する業態)の展開を行うことにより、リスクに対応した業態ポートフォリオの構築が重要であると考えております。また、コロナ禍においても堅調に成長してきた宅食事業は、これからの少子高齢化やリモートワークなど多様な働き方によって高まる在宅需要に対応するため、冷凍総菜宅配サービスの拡大及びインフレ環境における低価格商品の販売など、利用者ニーズに応じた継続的な成長基盤の整備が必要であると考えております。
財務面では、前連結会計年度においてDBJ飲食・宿泊支援ファンド投資事業有限責任組合との間で株式投資契約書及び総株引受契約書を締結し、12,000百万円の優先株式を発行して手元流動性を高めるとともに、調達した資金を成長戦略へ投資することにより、厳しい環境下においても確実な成長と業績の改善に取り組んでまいりました。当社グループはこのような環境下においても「地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループになろう」というグループスローガンのもと、各事業分野においてお客様のありがとうを集める活動を展開してまいりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①国内外食事業
国内外食事業におきましては、17店舗の新規出店と75店舗の撤退を行い、当連結会計年度末の店舗数は347店舗となりました。新型コロナウイルス感染症の収束やマスク着用義務の終了等の影響により、売上高は25,284百万円(前期比167.2%)、セグメント損失は1,782百万円(前期は6,872百万円の損失)の増収増益となりました。
②宅食事業
宅食事業におきましては、当連結会計年度末の営業拠点数は525ヶ所となりました。調理済み商品の累計お届け数は62,368千食(前期比100.1%)となっております。調理済み商品のお届け数が前年を上回ったこと等の影響により、売上高は43,762百万円(前期比107.7%)、セグメント利益は5,724百万円(前期比112.9%)の増収増益となりました。
③海外外食事業
海外外食事業におきましては、13店舗の新規出店と13店舗の撤退を行い、当連結会計年度末の店舗数は50店舗となりました。円安の影響により増収となりましたが、中国のゼロコロナ政策の影響により減益となっております。
その結果、海外外食事業における売上高は5,309百万円(前期比100.2%)、セグメント損失は616百万円(前期は47百万円の利益)となりました。
④環境事業
環境事業におきましては、電力小売事業を中心に展開しております。販売単価の上昇等の影響により、増収増益となっております。
その結果、売上高は2,732百万円(前期比109.8%)、セグメント利益は43百万円(前期は215百万円の損失)となりました。
⑤農業
農業におきましては、有機農産物の生産、酪農畜産を行っております。売上高は696百万円(前期比94.2%)、セグメント損失は141百万円(前期は14百万円の損失)となりました。
当連結会計年度における当社グループの成果は、宅食事業における増収が進み、国内外食事業における新型コロナウイルス感染症による制限緩和等の影響により、売上高は、77,922百万円(前期比121.1%)となり、営業利益は1,474百万円(前期は3,577百万円の損失)、経常利益は3,883百万円(前期比145.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,674百万円(前期は1,844百万円の損失)となりました。
新型コロナウイルス感染症の収束に向けての動きが加速し、人数制限の緩和から、国内外食事業は徐々に回復し、売上高の増加及びこれまで進めてきた生産性向上、固定費削減によりセグメント損失幅は小さくなってきており、着実に業績は回復してきております。
様々な経済環境の変化、顧客ニーズの変化に対応するべく、「ミライザカ」、「鳥メロ」などの居酒屋業態、「焼肉の和民」、「かみむら牧場」などの焼肉業態、「から揚げの天才」、「オリーブチキン」などのテイクアウト・デリバリー業態、「TGIフライデーズ」等「ハレの場」を提供する業態など、様々な業態を展開し、成長基盤の整備を強力に進めました。
これにより、同事業のセグメント売上高は25,284百万円と前連結会計年度から10,165百万円増加し、セグメント損失は前連結会計年度の6,872百万円から1,782百万円へと改善しております。
宅食事業においては、コロナ禍の外出自粛等による宅配需要と健康意識の高まりに対応し、冷凍惣菜の販売による在宅勤務者などを対象にした拡販の実施、教育機関との事業協定締結等による子育て層を対象にした営業強化、テレビショッピング放映による広範囲にわたる購買層の宅食需要の取込の結果、業績が好調に推移しました。
海外外食事業では、日本の国内外食事業と商品開発体制などの連携を強化した新業態の開発と出店、短期間で変化する収益環境に応じて戦略的なスクラップアンドビルドを実行してまいりましたが、中国のゼロコロナ政策の実施による売上高減少や仕入価格の増加などの影響により、セグメント損益は前連結会計年度の47百万円の利益から616百万円の損失となりました。
なお、2023年3月には全ての地域でマスク着用義務が終了し、経済活動も徐々に正常化に向かっておりますが、人々の生活様式の変化に対応するべく、当社グループでは、国内外食事業において、継続して固定費削減に取り組むとともに、居酒屋業態、焼肉業態、テイクアウト・デリバリー業態、ハレの場を提供する業態等、多様な顧客ニーズに対応した成長戦略を推進してまいります。また、コロナ禍においても堅調に成長している宅食事業において、冷凍総菜宅配サービスの拡大及びインフレ環境における低価格商品の販売など、利用者ニーズに応じた成長基盤の強化により継続的な成長を達成しております。政府等の休業補償に伴う営業外収益の計上に加えて、これら成長戦略の推進及び経営基盤の整備の効果発現により、当連結会計年度の経常利益は3,883百万円の黒字となりました。将来の環境は依然として不透明な状況にありますが、飲食業界における経済活動が徐々に正常化することに伴い、当社グループの業績も着実に改善していくと考えております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べて656百万円増加し、11,627百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況については下記のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は6,678百万円(前期は1,019百万円の収入)となりました。主な内訳は税金等調整前当期純利益が2,198百万円、減価償却費が1,813百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は4,992百万円(前期は15,365百万円の支出)となりました。主な内訳は投資有価証券の取得による純支出が5,295百万円、有形固定資産の取得による支出が1,580百万円、資産除去債務の履行による支出が400百万円、無形固定資産の取得による支出が539百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,538百万円(前期は10,103百万円の収入)となりました。主な内訳は短期借入金の純増が40百万円、長期借入れによる収入が5,901百万円、長期借入金の返済による支出が5,592百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出が814百万円であります。
2023年3月のマスク着用義務の終了、会食における人数制限の解除など、飲食業界における経済活動は回復傾向にあり、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが2類から5類へ切り替わり、消費行動の急速な回復が予見されるなか、「(1)経営成績の状況」に記載のとおり、前期より推進した、固定費削減、お客様ニーズに対応した業態(居酒屋業態、焼肉業態、テイクアウト・デリバリー業態、ハレの場を提供する業態)の展開・宅食事業の確実な成長戦略の推進効果並びに各種の助成金収入により営業損益及び経常損益は大きく改善しており、営業活動によるキャッシュ・フローも前期に比べて大きく増加しております。
なお、当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う事業環境の急激な変化に対して手元流動性を確保するため、前連結会計年度においてDBJ飲食・宿泊支援ファンド投資事業有限責任組合との間で株式投資契約書及び総株引受契約書を締結し、12,000百万円の優先株式の発行を実施いたしました。この結果、当連結会計年度末に保有している現金及び預金31,505百万円は有利子負債(1年内償還予定の社債、社債、短期借入金及び1年内返済予定の借入金、長期借入金、短期リース債務及び長期リース債務の合計額)24,681百万円を大きく上回る水準にあります。これらの施策により手元流動性が向上するとともに、調達した資金を成長戦略へ投資することにより、厳しい環境下においても確実な成長と業績の改善に取り組んでまいります。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 (単位:百万円)
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セグメントの名称 |
前連結会計年度 自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 |
当連結会計年度 自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 |
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国内外食事業 |
15,119 |
25,284 |
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宅食事業 |
40,646 |
43,762 |
|
海外外食事業 |
5,298 |
5,309 |
|
環境事業 |
2,488 |
2,732 |
|
農業 |
738 |
696 |
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その他 |
70 |
137 |
|
合計 |
64,362 |
77,922 |
(注)品目が多岐にわたるため、販売数量の記載を省略しております。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)経営成績
売上高は、前連結会計年度(以下「前期」という。)比13,559百万円増加の77,922百万円となりました。この増加の主な要因は、宅食事業における増収が進む一方で、新型コロナウイルス感染症による制限の緩和等の影響により、国内外食事業が増収増益、海外外食事業で増収減益などがあったことによるものであります。
売上総利益は、前期比8,966百万円増加の43,605百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、前期比3,913百万円増加の42,130百万円となりました。
営業利益は、前期比5,052百万円増加の1,474百万円となりました。
営業外損益は、営業外収益が前期比3,959百万円の減少、営業外費用は前期比124百万円の減少となりました。
経常利益は、前期比1,217百万円増加の3,883百万円となりました。
特別損益は、特別損失が前期比2,530百万円の減少となりました。
法人税等は、前期比240百万円の増加、非支配株主に帰属する当期純損失は、前期比11百万円の増加となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比3,519百万円増加の1,674百万円となりました。
(2)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)比4,827百万円増加の57,050百万円となりました。流動資産は、有価証券の増加等により前期末比4,335百万円増加の41,995百万円となりました。固定資産は、前期末比492百万円増加の15,054百万円となりました。固定資産のうち有形固定資産は、国内の外食店舗設備等の減価償却費等により前期末比1,058百万円減少の6,313百万円となりました。無形固定資産は、新規取得やソフトウエアの償却等により前期末比255百万円減少の1,171百万円となりました。投資その他の資産は、投資有価証券の購入や差入保証金の減少等により前期末比1,806百万円増加の7,570百万円となりました。
当連結会計年度末の負債の合計は、前期末比1,653百万円増加の39,243百万円となりました。流動負債は、未払消費税等や賞与引当金等の増加に伴い前期末比2,752百万円増加の17,589百万円、固定負債は、店舗撤退等に伴うリース債務及び資産除去債務の減少により前期末比1,098百万円減少の21,653百万円となりました。このうち有利子負債(1年内償還予定の社債、社債、短期借入金及び1年内返済予定の借入金、長期借入金、短期リース債務及び長期リース債務の合計額)は、前期末比339百万円減少の24,681百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産の部は、為替変動による為替換算調整勘定の増加2,404百万円及び利益剰余金の増加1,674百万円等により、前期末比3,174百万円増加の17,807百万円となりました。当連結会計年度末の自己資本比率は30.9%と大きく改善するとともに、流動比率は238.8%と財務安全性の水準を確保しております。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「経営成績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(4)資金の調達・管理
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金調達は、内部資金の活用及び金融機関からの借入、リース取引により行っており、金融機関からの借入とリース取引は、国内、海外子会社のものを含め全て当社において一元管理しております。また、現預金残高と有利子負債残高を一定範囲にコントロールし、経営環境の変化に対応するための資金の流動性を確保しながら資金管理を行っております。設備投資の実施にあたっては、グループ連結営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを原則とします。短期・長期の財務バランスにも配慮して資金調達を実施します。
(5)資金需要の主な内容
国内外食事業、海外外食事業におきましては、新規出店や改装投資等になります。宅食事業におきましては、調理済商品の製造工場における省人化投資等になります。
(6)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは健全性・安定性の高い経営を維持し、資産効率の向上及び株主資本の有効活用が全てのステークホルダーの利益につながると考えており、純有利子負債比率(ネットD/Eレシオ)、総資産営業利益率(ROA)、株主資本利益率(ROE)を重要な指標と位置付けしております。
当連結会計年度における純有利子負債比率(ネットD/Eレシオ)は△47.58%、総資産営業利益率(ROA)は2.70%、株主資本利益率(ROE)は10.43%でした。
しかしながら、当面は営業利益率の改善が最優先であると認識しております。そのうえでこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。
(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は異なる場合があります。重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
特記事項はありません。
特記事項はありません。