文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「ビッグコンビニエンス&ディスカウントストア」を事業コンセプトとする時間消費型小売業「ドン・キホーテ」を中核企業として、「顧客最優先主義」を企業原理に掲げ、「企業価値の拡大」を経営の基本方針として事業活動を行っております。
この企業原理及び経営の基本方針のもと、お客さまに満足いただける商品の質や価格及びサービスの提供を実践し、あわせて当社グループ独自のユニークな営業施策を推進しながら、お客さまと感動を共有できる店舗運営を心がけ、豊かな生活文化の創造を実現していく所存です。
また、地域に根ざした店舗運営とこだわり抜いた商品の提供により、地域社会になくてはならない存在として衣・食・住・余暇にわたる総合小売業「アピタ」「ピアゴ」などを運営するユニー株式会社については、個店経営強化を推し進めた、次世代型GMS・SMの開発を行い、最もお客さまに支持される店舗を目指してまいります。
当社グループは、お客さまが小売業に求めている購買動機は、「より便利に(CV:コンビニエンス)」、「より安く(D:ディスカウント)」、「より楽しく(A:アミューズメント)」という3点に集約されていると考えております。当社グループは、この3点の頭文字を取って、事業コンセプトを「CV+D+A」と呼んでおります。
小売業において、お客さまの大きなニーズである「便利さ(CV:コンビニエンス)」と「安さ(D:ディスカウント)」を基本コンセプトとした店舗運営は、一定数のお客さま支持と売上高を確保することは可能と考えられますが、それだけでは、「1+1=2」の結果しか得ることができません。
当社グループは、お客さまにとって「ワクワク・ドキドキ」というプラスアルファの付加価値が創造され、購買意識を呼び覚ます「アミューズメント性」こそ重要であり、これは、「1+1=∞」という公式を導き出す魔法のエッセンスであると考えております。
当社グループは、この事業コンセプトを前面に繰り広げ、全従業員が「便利で安くて楽しい」店舗作りを実践し続けることにより、他の小売業との差別化を図り、より高い水準の顧客満足と社会貢献が実現できるものと確信しております。
(2)経営戦略等
当社グループは、商圏内のお客さまのニーズに合った「個店主義」に基づく店舗運営を心がけ、消費者志向の変化に迅速に対応することで、お客さま支持のさらなる向上を目指してまいります。また、複合商業施設からの要請に応じて比較的低コストでテナント出店を行う「ソリューション出店」の推進や顧客ニーズに応える新業態の開発及びプライベートブランド商品の企画開発などにより、持続可能な成長を実現して企業価値を創造・拡大するとともに、ユニークなディスカウントストア業態及び総合スーパー業態のラインアップで、小売業最強のビジネスモデルを確立していく所存であります。
海外事業につきましては、日本の農畜水産物の輸出拡大を目的に設立した、当社グループのパートナーシップ組織「Pan Pacific International Club」の参加企業の拡大や、北米及び東南アジアを中心に積極的に店舗開発を進めるとともに、お手頃な価格で日本の農畜水産物の魅力を提供し、地域の皆様に末永くご愛顧いただける店舗の創造に努めてまいります。
また、中長期経営戦略として、「Passion 2030:2030年に営業利益2,000億円、売上高3兆円」の達成を目標としております。
この目標を達成するために、国内事業においては、①店舗フォーマットの再構築 ②デジタル戦略 ③新MD(Merchandising:商品化計画)のチャレンジ ④グループシナジーの創出により、オンリーワンリテーラーとしての収益力向上を実現して「量」から「質」への転換を進めてまいります。海外事業においては、北米及び東南アジアの環太平洋地域において、出店拡大を行うとともに、魅力的なジャパンブランド・スペシャリティストア業態を構築してまいります。
また、当社グループの不変の企業原理である「顧客最優先主義」を基軸とした「業態創造企業」として、当社グループの差別化要因である、Convenience(便利さ)、Discount(価格の安さ)、Amusement(楽しさ)という3つの要素をさらに強化し、お客さまに支持していただける店舗作り実現のため、さまざまな営業施策を実行し、中長期的に持続可能な成長を実現していく所存であります。
(3)経営環境
当社グループを取り巻く小売業界におきましては、世界的に流行している新型コロナウイルスの影響により、インバウンド需要の回復が今後も見通せず、消費マインドが低下する状況下で、企業・店舗間格差が拡がり、店舗閉鎖や業界再編などがさらに加速し、引き続き厳しい状況が続いていくものと考えております。また、テレワークの普及や巣ごもり消費の拡大など、「社会環境」の変化に伴いお客さまの「生活スタイル」や「消費マインド」も変化しております。小売業界における今後の課題としては、少子高齢化の進行に伴う市場規模の縮小、単身世帯や働く女性の増加などに伴う消費者ニーズの多様化、人件費、物流費などのコスト上昇懸念があげられます。さらに、インターネット取引の普及に伴い、有店舗小売業のさらなる変革が求められるなど、ますます競争は激化するものと予想されます。
このような経営環境の中、当社グループは、引き続き環境(Environment)・社会(Social)の課題解決に努め、また経営の効率性と透明性を高めるためのガバナンス(Governance)の強化にも積極的に取り組むなど「守りの経営」を推進すると同時に、競合他社との差別化要因である現場主義・個店主義に立脚した強みを遺憾なく発揮しながら、積極的な営業戦略に基づく「攻めの経営」をバランス良く実施することが重要と考えております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
個人消費の低迷や企業間競争の激化という状況が続く中で、当社グループは、本来のビジネスそのもので社会との共生を追求しながら、中長期的に持続可能な成長を目指すため、投資効率の高い案件に経営資源を重点的に、かつ適正な配分を行っていきます。
① 環境・社会・企業統治(ESG)活動の充実
当社グループは、企業原理「顧客最優先主義」のもと、いつの時代においても、お客さまに喜ばれ、選ばれる店舗であり続けるためESGの取り組みを推進し、持続的な成長、中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。また、本業を通じたESGの取り組みは、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」にも重なると考えております。
環境面においては、世界的な課題である食料廃棄を削減するために、適切な発注や期限の迫った商品をタイミング良く値下げするなどの食品ロスの発生抑制に努めております。また、資源循環の促進として食品リサイクルループに取り組んでおります。各店舗で発生した食品ロスを、たい肥飼料として地域循環型農業で活用し、この食品リサイクルループの中で生産された野菜などを販売する食品再生利用を促進しております。CO₂排出量削減として、太陽光発電や風力発電を一部店舗において導入しており、再生可能エネルギーを活用し、事業活動で生じる環境負荷の低減に取り組んでおります。当社グループは、引き続き出店地域の環境に配慮した最適な施策を実施し持続可能な社会構築に貢献していく所存であります。
また、従業員が安心して働けるように労働環境の改善、教育機会及び福利厚生の充実に努め、一人ひとりが安心して声を上げられる職場環境作りを推進してまいります。
社会活動面では、小売業の特長を活かした教育支援として、全国の当社グループ店舗で、商売を通じて働くことの楽しさや責任感を体感してもらう体験学習を実施しております。コロナ禍の影響により、店舗への来店が難しい状況下では、リモートによる遠隔授業を実施するなど、安全に配慮した体験学習の新しい形を創造しています。また、旅行客の減少で過剰在庫になった観光地のお土産品や、対面接客が制限され販売活動ができない障がい者施設で作られた商品などは、当社のグループ店舗で取り扱うことで販路を提供するなど、地域経済の支援に寄与しています。
さらに、人々の多様な個性を尊重し、お客さまがお買い物をしやすい店舗、そして従業員が働きやすい職場環境をめざすため、多様性を認め合うダイバーシティを推進しており、2020年11月に「ダイバーシティ・マネジメント委員会」を新設しました。当委員会はPPIHグループ初の女性執行役員である二宮仁美が委員長としてリーダーシップをとり、女性が活躍できる企業、ダイバーシティを実行する企業として積極的に施策を立てています。女性管理職登用のための定量目標の設定や、女性従業員が持続的に自ら成長できる企画を立案・実行しているほか、性的マイノリティに対する従業員の理解浸透などに取り組むため、外部から講師を招き研修を行うなど、さらなる理解浸透を図りながら、店舗運営に役立ててまいります。
また、深夜まで営業しているということから、店舗自体が、もしものときの駆け込みスポットとして機能するなど、深夜営業だからこそできる地域貢献を今後とも追求してまいります。
企業統治面では、経営の透明性を高めるガバナンスの強化に努めて、高い倫理観に則った事業活動こそが、企業存続の前提条件であるとの理念に立ち、社内における早期対応体制を構築し、社外専門家の助言を仰ぎながら、企業統治体制とその運営の適法性を確保してまいります。
2021年1月には、取締役会の任意の諮問機関として指名・報酬委員会を設置しました。取締役の指名や報酬などに関する評価・決定プロセスにおける公平性、客観性、透明性を強化することは、ガバナンス体制の一層の充実につながるものと考えています。
なお、ESG分野における定量データ及び定性情報については、国際的なガイドラインを参考にしながら、積極的に開示していく所存であります。
② 新たなる業態創造への挑戦
a.商品構成の絶えざるリニューアル
消費者ニーズが多様化し、さらに個別化を強めている中で、当社グループはお客さまの期待に応じて、画一化・標準化されたルールにとらわれることなく、お客さま視点に立った商品構成の継続的な見直しと提案を機動的に行っていきます。
お客さまの声を基に企画推進するプライベートブランド「情熱価格」を2021年2月にリニューアルし、単に高品質な商品を販売することではなく、お客さまが求める商品を具現化し、ワクワク・ドキドキするような商品開発をおこない、お客さまに満足していただけるような商品づくりに取り組んでまいります。
b.立地に応じて柔軟な対応を可能とする多様な店舗出店パターン
商圏規模や立地特性に合わせた店舗フォーマットで、全国展開を推進していきます。すなわち、当社グループの主力業態として独自のビジネスモデルを展開する「ドン・キホーテ(標準売場面積1,000㎡~3,000㎡)」を中核に、都市部には標準売場面積1,000㎡未満の小型店舗「ピカソ」などの小商圏型店舗を展開し、さらなるネットワーク拡大に取り組んでいきます。
ファミリー向けの総合ディスカウントストア及びポストGMS業態として、「MEGAドン・キホーテ(同8,000㎡~10,000㎡)」及び「New MEGA ドン・キホーテ(同3,000㎡~5,000㎡)」のビジネスモデルを一層進化させて、顧客層拡大に向けた全方位型の店舗開発を進めていく所存であります。
また、幅広い年代層のお客さまに支持されているユニー株式会社は、既存店の活性化策と併せて、権限委譲に基づいた個店経営を行う「New GMS」への改装を実施すると共に、「MEGAドン・キホーテUNY」または「ドン・キホーテUNY」への業態転換はアピタ店舗へのテナントイン型の出店を積極的に進め、収益の最大化を図ってまいります。
海外においては、日本製もしくは日本市場向けの商品を手に取りやすい価格で提供するジャパンブランド・スペシャリティストアである「DON DON DONKI」を中心に、環太平洋エリアにおける様々な国及び地域で多店舗展開を推進してまいります。
c.店舗運営に資する後方支援システムの稼動と全国展開
基幹ITシステムや物流システムはもとより、お客さま一人ひとりの価値観やライフサイクルに合わせた最適なサービス・商品を提供することにより、顧客満足度を高めるためのCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)システムを推進していきます。
さらに、店舗運営に係る負荷軽減や顧客理解を深めることなどを目的としたデジタル戦略に取り組んでおります。
これらの経営戦略の推進は、当社グループの店舗ネットワーク拡大によるお客さまシェア増加につながるとともに、業務効率の改善やコストの削減、ひいては持続可能な収益成長への貢献が期待できるものと確信しております。
なお、新型コロナウイルスの影響については、将来的な広がり方や収束時期等について、正確に予想することは困難であり、今後も企業活動に様々な影響が出てくることが予想されます。当社グループでは、今後も新型コロナウイルス感染症の状況や経済への影響を注視し、柔軟に対応してまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「自己資本の充実」及び「収益力強化に向けた資本の有効的かつ戦略的な活用」のバランスを採りながら、持続的成長及び企業価値の向上に資する「事業投資を優先」してまいりますが、特に重要視する経営指標は、売上高及び利益の持続的増加を継続していくことであり、中長期経営戦略として「Passion 2030:2030年に営業利益2,000億円、売上高3兆円」を目標としております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存です。
(1)新型コロナウイルス(Covid-19)感染症の影響
新型コロナウイルスの影響については、将来的な広がり方や収束時期などについては、正確に予測することは困難であり、今後さらなる感染拡大が発生した場合には、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループにおいては、渡航制限によるインバウンド売上高の減少などの影響がありますが、消費者志向の変化に迅速に対応し、影響を注視しながら柔軟に対応してまいります。
(2)店舗拡大と人材確保
店舗網については、主要基盤である首都圏から全国エリアへ展開を推進し、さらに事業領域の拡大などを目的とした子会社が増加する過程で、当社グループは、人材紹介会社の利用や人材採用における履歴書の完全撤廃などの独自の採用活動を行い人材の確保に努めておりますが、必要人員の確保や育成ができなければ、サービスの質が低下し、業績が低迷する可能性があります。
(3)輸入及び物流・配送
事業規模の拡大に伴って商品の輸入割合が増加しており、輸出国の政治情勢・経済環境などの影響を受ける可能性があります。また、商品の物流・配送は、外部業者に委託しており、当該業者の経営状態などの影響を受けて、物流・配送が滞る可能性があります。なお、物流・配送業者については複数の業者に委託することによりリスクの軽減を図っております。
(4)マーケティング
商品の需要については、迅速かつ適切に把握し、その情報に基づき、いかにお客さまのニーズに合った品揃えができるかによって、業績は大きな影響を受けます。当社グループは、従業員研修の定期開催や、動画研修などを行い、従業員の育成を行っておりますが、マーケティングを適切に行うスタッフの確保・育成、そして組織的管理体制の継続ができなければ、業績が低迷する可能性があります。
(5)法律による規制
店舗の出店においては、大規模小売店舗立地法、商品の販売においては、景品表示法及び食品衛生法、商品の仕入れにおいては、独占禁止法や下請法、その他環境に関するリサイクル関連法などの様々な法的規制を受けておりますが、法令の改正や解釈の厳格化により、経営コストが増加し、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)個人情報保護法
顧客情報保護については、社内規程を定め、専門部署の設置を行い、細心の注意を図っておりますが、万一、外部漏洩事件が発生した場合は、社会的信用問題や個人への賠償問題など、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(7)固定資産の減損
当社グループは、保有資産の将来キャッシュ・フローなどを算定し、減損損失の認識及び測定を実施した結果、固定資産の減損損失を計上することも予測され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)M&Aによる事業拡大について
当社グループは、業容の拡大を図る手段として過去、M&Aを実施してまいりました。対象企業については、国内外を問わず、当該企業の財務内容や契約関係などについて、詳細なデューディリジェンス(投資案件評価)を行うことによって、極力リスクを回避するよう努めております。しかしながら、M&Aを行った後に、偶発債務の発生や未認識債務が判明する場合などが考えられます。この場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)店舗閉鎖損失
当社グループは、積極的な新規出店を進める一方で、不採算店舗の撤退を行う可能性があります。出店した店舗が当初の計画通りの収益を計上できず、経営努力による売上の拡大や販売費及び一般管理費の削減に努めても、業績の回復が図れない場合は、撤退する方針としております。この場合、店舗撤退に伴う損失が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)為替リスク
当社グループは、商品の一部を海外から直接輸入しており、間接的な輸入を含めると、販売している商品の中には輸入商品が多く含まれております。一般的に円高になれば、実質的な仕入価格は下がる傾向になり、円安になれば上がる傾向にあるため、売上総利益率の変動を受けるリスクがあります。当社グループは、場合により為替予約を行い、為替リスクを回避する対策を講じておりますが、当該為替リスクを完全に回避できる保証はなく、為替相場などの変動による一般的な市場リスクを有しております。
(11)自然災害
大規模地震や台風などの自然災害が発生した場合、店舗設備などの復旧費用や営業休止期間の発生、商品の物流・配送などに支障が出る可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、自然災害が発生した場合は、防災対策本部を設置し、被害を最小限に抑えるよう体制を整えております。
(12)在庫リスク
当社グループは、積極的な店舗出店を行っていることから、全社的に商品在庫が増加する傾向にあります。商品在庫については、POSシステム及び基幹ITシステムにより、商品の販売動向や在庫数量をリアルタイムに管理することにより、在庫リスクを軽減するよう努めております。しかしながら、消費者需要の変化、異常気象及び季節性による需要の偏りといった不可避的な要因などにより、滞留在庫が発生する可能性があり、在庫処分や商品評価損計上により、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
※ これらのほかに訴訟などの法的手続きの対象となるリスクや法令・規制などの改正など潜在的にさまざまなリスクが存在しており、上記に記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、たな卸資産の評価方法について会計方針の変更を行っており、遡及適用後の数値で比較分析を行っております。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2020年7月1日~2021年6月30日)におけるわが国経済は、前連結会計年度より世界的に流行している新型コロナウイルスの収束がいまだ見通せず、度重なる緊急事態宣言が発令され、依然として経済の先行きは不透明な状況が続いております。
小売業界におきましては、インバウンド需要の消滅や外出自粛による経済活動の制限、テレワークの普及や巣ごもり消費の拡大など消費者の生活様式が著しく変化し、一層の節約志向や選別消費の傾向が強まり、消費環境は厳しい状況となっております。
当社グループは、このような状況のなかでも、競合他社との差別化要因である現場主義・個店主義に立脚した強みを遺憾なく発揮しながら、企業原理である「顧客最優先主義」に基づいた営業戦略を推進しました。
2020年10月には、日本の農畜水産物の輸出拡大を目的に、生産者様や輸出に携わる事業者様・関係団体様とPPIHグループのパートナーシップ組織「Pan Pacific International Club(PPIC)」を発足しました。PPICでは、生産者・政府・自治体・生産者関係団体・物流関係者が一体となり、商品調達から販売までの一括した仕組みを構築し、海外に日本の農畜水産物を輸出してまいります。
2021年2月には、誕生から12年目でおよそ3,900アイテムを展開してきたドン・キホーテのプライベートブランドである「情熱価格」を刷新し、お客さまのワクワク・ドキドキを追求するため、PBはPBでも、自社完結で開発するブランドの「プライベートブランド」ではなく、お客さまと一緒に作る「ピープルブランド(PB)」を創造していくことを発表しております。
株式会社ドン・キホーテにおいては、お菓子とお酒に特化した「お菓子ドンキ・お酒ドンキ」を東京駅直結の八重洲地下街にオープンするなど、当社グループがもつ柔軟な出店パターンを活かした積極的な店舗開発を行い、当連結会計年度に12店舗を新たにオープンしております。
UDリテール株式会社においては、2020年7月に「ドン・キホーテ アピタ宇都宮店」を開店しております。また、ドン・キホーテが持つ時間消費型の店舗作りとユニーのノウハウが有機的に結合するダブルネーム業態転換店10店舗を開店しております。ダブルネーム業態転換店は、従来の顧客層にニューファミリーや若年層、男性客が加わったことで、多くのお客さまに支持される店舗に生まれ変わっております。
ユニー株式会社においては、新戦略である「NewGMS構想」に基づき、当連結会計年度に11店舗をリニューアルオープンしております。
海外事業につきましては、2021年1月に台湾初出店となり、流行の発信地として台湾各地から人が集まる繁華街の西門町に「DON DON DONKI西門(シーメン)店」をオープンしました。同年3月には、マレーシア初出店となり、クアラルンプール最大の繁華街に「JONETZ by DON DON DONKI Lot10」をオープンしております。
また、シンガポール共和国においては、リゾート地 セントーサ島の玄関口に位置する大型商業施設「HarbourFront Centre」内に「DON DON DONKI HarbourFront店」をオープンし、香港においては、商品や日用消耗品が充実した利便性の高い店舗となる「同 アイランドリゾートモール店」を始めとする5店舗をオープンしております。
当社グループは、今後もさまざまな施策を展開し、お客さまに支持される店舗運営とオリジナルのサービス強化を行い、末永くご愛顧いただける店舗創造に努めてまいります。
当連結会計年度における国内店舗の新規出店状況につきましては、関東地方に5店舗(東京都-ドン・キホーテ下北沢店、埼玉県-MEGAドン・キホーテ武蔵浦和店、ドン・キホーテ川越東口店、千葉県-同セブンパークアリオ柏店、栃木県-同アピタ宇都宮店)、東北地方に1店舗(青森県-同五所川原店)、中部地方に4店舗(愛知県-同栄三丁目店、新潟県-同新発田店、同十日町店、長野県-同信州中野店)、近畿地方に1店舗(京都府-MEGAドン・キホーテ山科店)、四国地方に1店舗(愛媛県-ドン・キホーテ松山大街道店)及び九州地方に1店舗(沖縄県-MEGAドン・キホーテ豊見城店)と合計13店舗を開店しました。
法人別内訳は、株式会社ドン・キホーテ12店舗、UDリテール株式会社1店舗となりました。
海外事業につきましては、シンガポール共和国1店舗(DON DON DONKI HarbourFront店)、香港5店舗(DON DON DONKI パールシティ店、同100QRC店、同モントレープレイス店、情熱笑店ピーク・ギャレリア、DON DON DONKI アイランドリゾートモール店)、台湾1店舗(同西門店)、マレーシア1店舗(JONETZ by DON DON DONKI Lot10)と合計8店舗を開店しました。また、2021年4月に、米国カリフォルニア州においてプレミアムスーパーマーケットチェーン「Gelson’s」を運営する企業グループの持株会社である、GRCY Holdings,Inc.の全株式を取得し、子会社化したことにより27店舗が、グループ店舗として新たに増加しております。
その一方で、事業効率の改善、賃貸契約の満了及び店舗改装による一時閉店により、ドン・キホーテ富士店を始めとする10店舗を閉店しました。
これらのことから、2021年6月末時点における当社グループの総店舗数は、国内583店舗、海外84店舗の合計667店舗(2020年6月末時点 629店舗)となりました。
これらの結果、当連結会計年度におきましては、
|
売上高 |
1兆7,086億35百万円 |
(前年同期比 1.6%増) |
|
営業利益 |
813億6百万円 |
(前年同期比 7.8%増) |
|
経常利益 |
815億26百万円 |
(前年同期比 9.3%増) |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
538億51百万円 |
(前年同期比 7.9%増) |
となり、ドン・キホーテ1号店創業以来、32期連続で増収営業増益を達成することができました。
当連結会計年度のセグメントの業績は次のとおりであります。
(ディスカウントストア事業)
当連結会計年度の売上高は、前年同期と比較し660億19百万円増加して、1兆1,835億26百万円(前年同期比5.9%増)、営業利益は553億35百万円(前年同期比18.4%増)となりました。同事業における主力業態を営む株式会社ドン・キホーテの販売状況は、天候不順や新型コロナウイルスの影響によるインバウンド需要の消滅やイベント自粛の長期化により、既存店売上高成長率は9.7%減になりました。
また、ファミリー向け業態のMEGAドン・キホーテにおいても同様に新型コロナウイルスの影響に伴う外出自粛で来店頻度が減少するなど、既存店売上高成長率は0.5%減となりました。
(総合スーパー事業)
当連結会計年度の売上高は、前年同期と比較し416億32百万円減少して、4,499億89百万円(前年同期比8.5%減)、営業利益は165億99百万円(前年同期比2.3%減)となりました。同事業を営むユニー株式会社は、ダブルネーム店に業態転換する店舗があることから売上高は減少していますが、食品及び住居関連品が好調に推移した結果、既存店売上高成長率は2.6%増となりました。
(テナント賃貸事業)
当連結会計年度の売上高は、前年同期と比較し26億98百万円増加して、609億27百万円(前年同期比4.6%増)、営業利益は133億62百万円(前年同期比1.6%減)となりました。グループ店舗数増に伴うテナント区画の増加や稼働状況の改善により好調な売上高となりました。
(その他事業)
当連結会計年度の売上高は、141億93百万円(前年同期比2.7%減)、営業損失は44億53百万円(前年同期は営業損失23億73百万円)となりました
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ227億27百万円減少し、1,608億75百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ139億19百万円増加し、790億54百万円となりました。これは、純利益の計上、減価償却費の計上及び減損損失の計上等の増加要因があった一方、たな卸資産の増加及び法人税等の支払額等の減少要因によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は、前連結会計年度に比べ445億90百万円増加し、780億42百万円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出、投資有価証券の取得による支出及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出等の減少要因があった一方、有形固定資産の売却による収入及び敷金及び保証金の回収による収入等の増加要因によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ50億76百万円減少し、289億54百万円となりました。これは、短期借入金の純増減額の減少、長期借入金の返済による支出、社債の償還による支出、債券流動化の返済による支出及び配当金の支払額等の減少要因があった一方、長期借入れによる収入等の増加要因によります。
③仕入及び販売の実績
a.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年7月1日 至 2021年6月30日) |
|
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
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ディスカウントストア事業 |
876,655 |
106.3 |
|
家電製品 |
63,503 |
103.4 |
|
日用雑貨品 |
165,525 |
89.4 |
|
食品 |
383,354 |
109.9 |
|
時計・ファッション用品 |
98,976 |
96.3 |
|
スポーツ・レジャー用品 |
41,740 |
101.9 |
|
海外 |
104,594 |
131.8 |
|
その他 |
18,964 |
528.0 |
|
|
|
|
|
総合スーパー事業 |
327,380 |
92.5 |
|
衣料品 |
34,117 |
90.0 |
|
住居関連品 |
49,820 |
93.7 |
|
食品 |
239,872 |
94.5 |
|
その他 |
3,570 |
40.3 |
|
|
|
|
|
その他事業 |
1,016 |
349.3 |
|
合 計 |
1,205,050 |
102.2 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年7月1日 至 2021年6月30日) |
|
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
ディスカウントストア事業 |
1,183,526 |
105.9 |
|
家電製品 |
87,881 |
102.1 |
|
日用雑貨品 |
225,448 |
93.2 |
|
食品 |
464,910 |
110.4 |
|
時計・ファッション用品 |
144,729 |
93.7 |
|
スポーツ・レジャー用品 |
61,765 |
104.0 |
|
海外 |
170,170 |
148.6 |
|
その他 |
28,622 |
91.0 |
|
|
|
|
|
総合スーパー事業 |
449,989 |
91.5 |
|
衣料品 |
54,710 |
88.4 |
|
住居関連品 |
68,384 |
90.3 |
|
食品 |
321,514 |
94.4 |
|
その他 |
5,380 |
40.0 |
|
|
|
|
|
テナント賃貸事業 |
60,927 |
104.6 |
|
|
|
|
|
その他事業 |
14,193 |
97.3 |
|
合 計 |
1,708,635 |
101.6 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.ディスカウントストア事業及び総合スーパー事業の地域別売上高
|
地域別 |
当連結会計年度 (自 2020年7月1日 至 2021年6月30日) |
|
|
売上高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
ディスカウントストア事業 |
|
|
|
北海道 |
49,387 |
94.1 |
|
青森県 |
10,371 |
106.7 |
|
岩手県 |
3,490 |
148.4 |
|
宮城県 |
15,292 |
93.5 |
|
秋田県 |
8,056 |
107.3 |
|
山形県 |
3,649 |
97.6 |
|
福島県 |
13,548 |
137.5 |
|
茨城県 |
24,392 |
103.3 |
|
栃木県 |
12,681 |
119.2 |
|
群馬県 |
16,665 |
98.3 |
|
埼玉県 |
60,412 |
103.5 |
|
千葉県 |
51,730 |
102.4 |
|
東京都 |
123,731 |
74.8 |
|
神奈川県 |
85,912 |
97.1 |
|
新潟県 |
11,032 |
111.0 |
|
富山県 |
9,248 |
219.0 |
|
石川県 |
10,178 |
99.0 |
|
福井県 |
8,791 |
143.5 |
|
山梨県 |
5,362 |
103.3 |
|
長野県 |
15,772 |
127.7 |
|
岐阜県 |
22,464 |
144.7 |
|
静岡県 |
38,994 |
117.1 |
|
愛知県 |
126,955 |
124.6 |
|
三重県 |
23,094 |
103.9 |
|
滋賀県 |
15,208 |
101.7 |
|
京都府 |
13,367 |
142.8 |
|
大阪府 |
70,151 |
86.9 |
|
兵庫県 |
26,231 |
103.9 |
|
奈良県 |
10,960 |
122.8 |
|
和歌山県 |
4,970 |
104.4 |
|
鳥取県 |
1,737 |
104.8 |
|
島根県 |
1,661 |
106.3 |
|
岡山県 |
5,017 |
90.5 |
|
広島県 |
9,824 |
96.0 |
|
山口県 |
2,660 |
100.2 |
|
徳島県 |
2,734 |
126.9 |
|
香川県 |
2,739 |
97.3 |
|
愛媛県 |
8,507 |
115.2 |
|
高知県 |
93 |
105.7 |
|
福岡県 |
31,502 |
96.4 |
|
佐賀県 |
2,054 |
100.6 |
|
長崎県 |
7,225 |
100.1 |
|
熊本県 |
7,398 |
92.5 |
|
大分県 |
3,895 |
99.3 |
|
宮崎県 |
7,161 |
124.5 |
|
鹿児島県 |
6,869 |
108.8 |
|
沖縄県 |
20,190 |
94.6 |
|
海外 |
170,170 |
147.9 |
|
合計 |
1,183,526 |
105.9 |
|
地域別 |
当連結会計年度 (自 2020年7月1日 至 2021年6月30日) |
|
|
売上高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
総合スーパー事業 |
|
|
|
福島県 |
445 |
17.7 |
|
栃木県 |
8,747 |
171.4 |
|
群馬県 |
8,532 |
114.8 |
|
埼玉県 |
6,777 |
95.2 |
|
千葉県 |
8,544 |
87.7 |
|
神奈川県 |
24,906 |
109.5 |
|
新潟県 |
12,937 |
118.8 |
|
富山県 |
10,176 |
87.2 |
|
石川県 |
12,244 |
119.5 |
|
福井県 |
8,373 |
102.2 |
|
山梨県 |
5,857 |
110.3 |
|
長野県 |
11,215 |
102.6 |
|
岐阜県 |
36,968 |
95.7 |
|
静岡県 |
49,394 |
109.1 |
|
愛知県 |
205,710 |
79.4 |
|
三重県 |
29,016 |
116.7 |
|
滋賀県 |
2,955 |
139.5 |
|
京都府 |
628 |
22.7 |
|
奈良県 |
6,564 |
103.2 |
|
合計 |
449,989 |
91.5 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.ディスカウントストア事業及び総合スーパー事業の単位当たり売上高
|
項目 |
当連結会計年度 (自 2020年7月1日 至 2021年6月30日) |
前年同期比 (%) |
|
|
ディスカウントストア事業 |
|
|
|
|
売上高(百万円) |
1,183,526 |
105.9 |
|
|
1㎡当たり売上高 |
売場面積(期中平均)(㎡) |
1,551,956 |
112.2 |
|
1㎡当たり年間売上高(百万円) |
0.8 |
94.4 |
|
|
1人当たり売上高 |
従業員数(期中平均)(人) |
40,078 |
122.6 |
|
1人当たり年間売上高(百万円) |
29.5 |
86.4 |
|
|
総合スーパー事業 |
|
|
|
|
売上高(百万円) |
449,989 |
91.5 |
|
|
1㎡当たり売上高 |
売場面積(期中平均)(㎡) |
810,009 |
88.4 |
|
1㎡当たり年間売上高(百万円) |
0.6 |
103.5 |
|
|
1人当たり売上高 |
従業員数(期中平均)(人) |
11,324 |
88.0 |
|
1人当たり年間売上高(百万円) |
39.7 |
104.0 |
|
|
|
|
|
|
(注)従業員数は、臨時従業員(1人1日8時間換算)を含めて表示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。また、当連結会計年度より、たな卸資産の評価方法について会計方針の変更を行っており、遡及適用後の数値で比較分析を行っております。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
資産につきましては、前連結会計年度末と比較して730億21百万円増加し、1兆3,702億52百万円となりました。これは主として、商品及び製品が156億41百万円、有形固定資産が210億40百万円、のれんが403億69百万円、投資有価証券が115億67百万円増加した一方で、現金及び預金が222億63百万円減少したことによります。
負債は、前連結会計年度末と比較して、232億55百万円増加し、9,314億87百万円となりました。これは主として、借入金が172億28百万円、リース債務が223億22百万円増加した一方で、社債が119億16百万円、債権流動化に伴う支払債務が45億12百万円減少したことによります。
純資産につきましては、利益の増加を反映して、前連結会計年度末と比較して497億66百万円増加し、4,387億65百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益を538億51百万円計上したことによります。
b.経営成績の分析
(売上高)
ディスカウントストア事業の売上高は、同事業における主力業態を営む㈱ドン・キホーテにおいて、インバウンド需要等の消滅や人流制限の影響により、既存店売上高成長率は9.7%減となりました。また、ファミリー向け業態のMEGAドン・キホーテにおいても、新型コロナウイルスの影響に伴う外出自粛の影響により、来店頻度が減少したことから、既存店売上高成長率は0.5%減となりましたが、その一方で、新規出店による店舗数の増加やUDリテール㈱が運営するダブルネーム業態転換店の増加、好調な海外店舗の売上により前年同期と比較し660億19百万円増加して、1兆1,835億26百万円(前年同期比5.9%増)、営業利益は553億35百万円(同18.4%増)となりました。
総合スーパー事業の売上高は、同事業を営むユニー㈱において、新型コロナウイルス流行による外食の代替需要の獲得により、既存店売上高成長率は2.6%増となりましたが、ダブルネーム店への業態転換する店舗があることから、売上高は前年同期と比較し416億32百万円減少して、4,499億89百万円(前年同期比8.5%減)、営業利益は165億99百万円(同2.3%減)となりました。
テナント賃貸事業の売上高は、グループ店舗数増に伴うテナント区画の増加や稼働状況の改善により、前年同期と比較し26億98百万円増加して、609億27百万円(前年同期比4.6%増)、営業利益は133億62百万円(同1.6%減)となりました。
その他事業の売上高は、141億93百万円(前年同期比2.7%減)、営業損失は44億53百万円(前年同期は23億73百万円の営業損失)となりました。
これらの結果、売上高は前連結会計年度と比較して266億88百万円増加し、1兆7,086億35百万円(前年同期比1.6%増)となりました。
(営業利益)
新型コロナウイルスの影響に伴う外出自粛等による、お客さまの生活様式の変化に対応するため、最適な商品ポートフォリオを構成し、価格戦略をきめ細やかに実施いたしました。また、積極的な海外への出店による事業拡大やダブルネーム業態転換店の推進等の様々な営業施策により、売上総利益は増益となりました。販売費及び一般管理費は、人件費や新店に係る諸費用が増加しておりますが、ユニー㈱との経営統合によるコスト削減が奏功しております。
これらのことから営業利益は813億6百万円(前年同期比7.8%増)となりました。
(経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益)
受取利息及び配当金6億17百万円、為替差益15億80百万円などの計上により、営業外収益は69億45百万円になりました。一方で、支払利息及び社債利息57億4百万円などの計上により、営業外費用は67億25百万円となったことから、経常利益は815億26百万円(前年同期比9.3%増)となりました。
また、保険差益12億69百万円などの計上により、特別利益は14億37百万円になりました。一方で、減損損失167億11百万円、固定資産除却損10億24百万円などの計上により、特別損失は186億98百万円になりました。これらのことから親会社株主に帰属する当期純利益は538億51百万円(前年同期比7.9%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金需要の主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、投資資金需要の主なものは、新規出店や改装に係る設備投資等によるものであります。運転資金及び投資資金については、営業キャッシュ・フローによる充当を基本に、必要に応じて資金調達を実施しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たり、重要である会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであり、重要な会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症の影響については、将来的な広がり方や収束時期等について、正確に予想することは困難であり、今後も企業活動に様々な影響が出てくることが予想されます。当社グループでは、インバウンド需要の消滅等の売上高への影響は相当期間にわたり継続すると仮定して、固定資産の減損会計、繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。
なお、この仮定は不確実性が高く、新型コロナウイルス感染症の状況や経済への影響が変化した場合には、損失額が増減する可能性があります。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループは、「自己資本の充実」及び「収益力強化に向けた資本の有効的かつ戦略的な活用」のバランスを採りながら、持続的成長及び企業価値の向上に資する「事業投資を優先」してまいりますが、特に重要視する経営指標は、売上高及び利益の持続的増加を継続していくことであり、中長期経営戦略として達成を目指している「Passion 2030:2030年に営業利益2,000億円、売上高3兆円」に係る当連結会計年度における進捗状況は次のとおりであります。
売上高 :1兆7,086億35百万円(進捗率 57.0%)
営業利益:813億6百万円(同 40.7%)
引き続き、これらの指標の達成に向けて取り組んでまいります。
(株式譲渡契約の締結)
当社は、2021年2月24日開催の取締役会において、米国カリフォルニア州においてプレミアムスーパーマーケットチェーン「Gelson’s」を運営する企業グループの持株会社である、GRCY Holdings,Inc.の全株式を当社の連結子会社であるPan Pacific Retail Management (USA) Co.が取得し、子会社化することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結し、2021年4月21日付で全株式を取得しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。