当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなか、各種政策の効果もあり景気は緩やかな回復基調で推移したものの、地政学的リスク、アジア新興国等の経済動向や欧米の政策動向による海外の政治・経済の不確実性により、先行きは不透明な状況が続いております。
小売業界におきましては、お客様の節約志向が続くなか、業態間競争が激化しており、加えて人手不足に伴う人件費の増加や原材料価格の上昇等により厳しい状況が続きました。
このような環境の下、当社グループは、株式会社ローソン(以下、「ローソン」といいます。)との合弁会社である株式会社エル・ティーエフ(以下、「エル・ティーエフ」といいます。)において、平成28年9月から千葉・埼玉エリアにて展開しているダブルブランド店舗「ローソン・スリーエフ」に一定の成果が見られたことや、2つのチェーンブランドを運営することによる相乗効果実現の難しさから、経営資源を集中して有効かつ効率的に活用する必要があると判断し、「ローソン・スリーエフ」の事業展開を東京・神奈川エリアにも拡大することと致しました。
そのための準備会社として、平成29年6月1日付で株式会社L・TF・PJ(以下、「L・TF・PJ」といいます。)を新設分割により設立し、「スリーエフ」及び「q's mart(キュウズマート)」ブランドで営業している店舗のうち閉鎖店舗を除くすべての店舗(以下、「転換対象店舗」といいます。)のフランチャイズ契約等をL・TF・PJに承継するとともに、転換対象店舗において当社が保有していた資産及び賃借権等の権利義務の一部を平成29年6月1日付で吸収分割によりローソンに承継した上で、「ローソン・スリーエフ」への転換作業を進めてまいりました。同時に転換対象外となった店舗につきましては、当社において閉店作業を進めてまいりました。
これにより、平成29年8月から平成30年2月までの間に197店舗(平成30年3月に63店舗:計260店舗)を「ローソン・スリーエフ」ブランドへ転換するとともに、転換対象外店舗の閉鎖、希望退職制度の導入など、フランチャイズ本部業務撤退・本部機能の縮小に向けた準備を完了致しました。なお、ブランド転換に一定の目処がついたことから、平成30年2月末日をもってエル・ティーエフとL・TF・PJを合併し、エル・ティーエフが存続会社となっております。
以上の結果、当連結会計年度の営業総収入は、転換対象外店舗の閉鎖による総店舗数減少に加え、閉鎖店舗並びに「ローソン・スリーエフ」へ転換する店舗の商品売り切り対応や改装に伴う一時休業などの影響等により、前年比23.3%減の125億75百万円となり、営業損失は30億円、経常損失は28億84百万円、当社の資産及び賃借権等の権利義務の一部を吸収分割によりローソンに承継した際の対価から、承継した資産簿価及び固定資産除却等必要経費を差し引いた差額60億65百万円を特別利益に、解約違約金13億89百万円を特別損失に計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は5億69百万円となりました。
当社グループ運営店舗の概況
[スリーエフ]
「ローソン・スリーエフ」への本格転換を前に、これまでスリーエフをご愛顧いただいた多くのお客様に対して長年の感謝を込めて、スリーエフの人気商品等をお得にお買い求めいただける『スリーエフ大感謝祭』の開催などを行いました。なお、スリーエフ単独ブランドでのコンビニエンスストアは、平成30年1月末日をもってすべて営業を終了しております。
[ローソン・スリーエフ]
夕方・夜間の米飯、ファーストフーズ等のデイリー商品の品揃えの強化等により、夕方から夜間にかけてのお客様の増加や女性のお客様の来店頻度が大きく向上した結果、スリーエフ単独ブランドであったときと比較し、平均して10%売上が伸長しております。なお、店舗数につきましては、スリーエフから転換した店舗を含めて開店199店舗となり、総店舗数は288店舗(平成30年2月28日現在)となっております。
[gooz(グーツ)]
ベーカリーやお弁当を店内で調理し、“できたて感”の訴求により、あたたかさ、和み、やすらぎを感じていただける次世代型コンビニフォーマットとして、従来のコンビニエンスストアの品揃えでは満足できないお客様のニーズを汲み取ったお店作りを行っております。また、国分グローサーズチェーン株式会社と契約を締結し、平成29年12月からはコミュニティ・ストアの仕組みを利用した商品供給体制をスタート致しました。なお、店舗数につきましては、不採算の3店舗を閉鎖し、総店舗数は3店舗(平成30年2月28日現在)となっております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比べ22億57百万円増加し、48億63百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が7億9百万円となりましたが、事業分離における移転利益が60億65百万円、解約違約金が13億89百万円となったこと等により、前連結会計年度より34億46百万円少ない60億81百万円の支出となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、敷金及び保証金の回収による収入が3億78百万円(前連結会計年度は7億13百万円の収入)、事業分離による収入が110億19百万円(同37億72百万円の収入)となったこと等により、前連結会計年度より64億99百万円多い101億13百万円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、ファイナンス・リース債務の返済による支出が29億93百万円(同7億94百万円の支出)となりましたが、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の売却による収入が30億66百万円となったこと等により、前連結会計年度より25億49百万円少ない17億74百万円の支出となりました。
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地域別 |
チェーン全店店舗数 |
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
比較増減 |
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神奈川県 |
218(17) |
138( 5) |
△80(△12) |
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東京都 |
118( 5) |
56( 1) |
△62( △4) |
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千葉県 |
71( 2) |
68( 3) |
△3( 1) |
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埼玉県 |
31( 1) |
29( 1) |
△2( -) |
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合計 |
438(25) |
291(10) |
△147(△15) |
(注)1. ( )内の数字は直営店の店舗数であり、内数であります。
2. 当連結会計年度中に、直営店8店を加盟店に変更いたしました。また、加盟店6店舗が直営店に変更されて
おります。
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地域別 |
当連結会計年度 (自 平成29年3月1日 至 平成30年2月28日) |
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チェーン全店売上高(百万円) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
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コンビニエンスストア事業 |
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神奈川県 |
26,565 |
46.6 |
78.1 |
|
東京都 |
13,495 |
23.6 |
75.2 |
|
千葉県 |
11,486 |
20.1 |
108.5 |
|
埼玉県 |
5,511 |
9.7 |
101.0 |
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合計 |
57,059 |
100.0 |
83.9 |
(注) 1.地域別の店舗数は「第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載のとおりであります。
2.上記金額には消費税等は含まれておりません。
3.チェーン全店売上高は直営店と加盟店の売上高の合計であります。
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商品別 |
当連結会計年度 (自 平成29年3月1日 至 平成30年2月28日) |
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チェーン全店売上高(百万円) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
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コンビニエンスストア事業 |
|
|
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加工食品 |
16,978 |
29.8 |
84.0 |
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ファストフード |
14,567 |
25.5 |
91.3 |
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デイリー食品 |
5,762 |
10.1 |
77.8 |
|
非食品 |
16,339 |
28.6 |
83.8 |
|
本・サービス |
3,410 |
6.0 |
69.3 |
|
合計 |
57,059 |
100.0 |
83.9 |
(注) 1.上記金額には消費税等は含まれておりません。
2.チェーン全店売上高は直営店と加盟店の売上高の合計であります。
今後のわが国の経済は、個人消費の節約志向は依然として根強く、地政学的リスク、アジア新興国等の経済動向や欧米の政策動向による海外の政治・経済の不確実性により、先行きは不透明な状況が続くものと予想されます。
また、コンビニエンスストア業界では、再編による業界内の競争激化に加え、業態を超えた販売競争の激しさは増し、非常に厳しい環境が続くものと考えております。
このような環境の下、当社グループは、ローソンとのダブルブランド店舗「ローソン・スリーエフ」において、ローソンのブランド力を確立し、ノウハウを最大限に活用した上で、当社が培ってきたブランド力、営業ノウハウを加え、他にはないお店作りを行うことで、当社グループにおける店舗の売上・収益性の向上を目指してまいります。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項は以下のとおりであります。これらのリスクに対し当社グループは、発生の防止及び発生時における対応等について、最善と考えられる施策をした上で事業活動を行っております。なお、以下の各事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、当社グループの事業に関するリスクをすべて網羅しているとは限りません。
経営環境の動向によるリスク
当社グループは、コンビニエンスストア事業を営んでおります。そのため、景気や個人消費の動向および異常気象や天候不順並びに同業他社・異業種小売業などとの更なる競争の激化など、国内の経営環境の変化により、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。また、火災、地震等の災害や不慮の事故の影響で、店舗への物流の遅延や停止、あるいは店舗の損害等により営業活動に影響を及ぼす可能性があります。
法規制に関するリスク
当社グループは、食品の安全性、公正な取引、環境保護、個人情報の保護等に関する法規制の適用および行政による許認可等の様々な法規制を受けております。役員および従業員はこれらの法規制等の遵守に努めておりますが、将来、これらの規制強化や法規制の変更等により、その対応等で新たな費用が発生することにより、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
食品の安全性や衛生管理に関するリスク
当社グループは、コンビニエンスストア事業を営んでおり、お客様に食品の販売を行っております。食品の販売におきましては安心・安全に対してこだわり続け、品質管理や鮮度管理を徹底して、厳格な衛生管理に努めておりますが、当社グループの取扱い商品により、万一、お客様にご迷惑をお掛けする事態が発生した場合は、お客様の信頼失墜による売上の減少や損害賠償責任およびその問題への対策に費用が発生することにより、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
フランチャイズ事業に関するリスク
当社グループは株式会社ローソンと企業フランチャイズ契約を締結し、「ローソン・スリーエフ」ブランドにて店舗を展開しております。フランチャイズシステムは契約当事者の双方向の信頼関係により業績が向上するシステムであり、当社グループと株式会社ローソンのいずれかの要因により信頼関係が損なわれ、万一、企業フランチャイズ契約が解消される事態に至った場合は、当社グループの業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは「ローソン・スリーエフ」ブランドのコンビニエンスストア事業において、独立の事業者である第三者との間でフランチャイズ契約を締結し、継続的な関係を構築して店舗のチェーン展開を行っております。したがって、当該契約に基づき加盟店を経営する加盟者の法令違反、不祥事等の行為によりブランドイメージにダメージを受けることがあります。また、加盟者との間で何らかのトラブルや訴訟を起こされた場合、その結果によっては、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
継続企業の前提に関する重要事象等について
当社は、継続して営業損失を計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
しかしながら、「7[財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](5)事業等のリスクに記載した重要事象等を解消するための対応策」に記載のとおり、当該事象又は状況を早期に解消又は改善するための具体的な対応策を取っていることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
フランチャイズ契約
株式会社エル・ティーエフの許諾によるコンビニエンスストア(ローソン・スリーエフ店)経営のためのフランチャイズ契約関係を形成すること。
加盟者を含む専従者2名は、株式会社エル・ティーエフの定める研修のすべての課程を修了する必要があります。
スクールトレーニング(フランチャイズ・システムの理解、販売心得、接客方法、商品管理、法令遵守、従業員管理、経営計画書の策定)及びストアトレーニング(オープンに向け必要となる技術、技能の修得)があります。
株式会社エル・ティーエフは、担当者を定期的に(原則週1回以上)派遣して、「円滑な店舗経営のための環境づくり」「お客様の満足と売上・利益を向上させるための売場構成・商品配置・商品陳列・商品管理・発注業務等」「棚卸ロス・販売許容時間切れ等による管理」「売場状況(品揃え・鮮度・サービス・クリーン等)」「販売促進」「月次・四半期・年次のフランチャイズ契約に定める会計業務」「店舗設備・各種機器の維持」「従業員の募集・教育・雇用管理等」に関する指導を行います。
株式会社エル・ティーエフは、加盟者が経営する店舗の総荒利益高(月間売上高から、現実に販売された商品等の原価(売上原価から、見切処分や棚卸ロスなど販売が実現しなかった商品の原価を差し引いた残高)を差し引いたのちの残高)を基に一定の割合で算出された金額を、株式会社エル・ティーエフが実施するサービス等の対価として徴収します。
新規オープン日の属する月の初日から満10ヶ年目の日
期間満了により終了し、更新はありません。但し、契約終了の6ヶ月前までに株式会社エル・ティーエフと加盟者が合意した場合には最新のフランチャイズ契約により再契約を締結します。
株式会社エル・ティーエフ及び株式会社ローソン
平成28年8月4日
企業フランチャイズ契約書
コンビニエンスストア「ローソン・スリーエフ」の直営店及びフランチャイズ店の営業の許諾
(a)コンビニエンスストア経営について「ローソン」の店舗名称・商品商標、サービスマーク等の使用をすることの許諾
(b)株式会社エル・ティーエフが「ローソン・スリーエフ」の直営店及びフランチャイズ店の営業を行うための指導援助
(c)株式会社エル・ティーエフは、企業FCチャージとして、各個店の総荒利益高にチャージ率を乗じたものの契約店舗全体の総合計額を、対価として株式会社ローソンに定期的に支払います。
平成28年9月7日から向う18年間
該当事項はありません。
当社グループの当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 資産の状況
資産につきましては、前連結会計年度末に比べ53億87百万円減少し、62億27百万円となりました。これは主に、固定資産が57億38百万円減少したこと等によるものであります。
② 負債の状況
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ88億47百万円減少し、19億29百万円となりました。これは主に、買掛金が23億91百万円、リース債務が32億26百万円減少したこと等によるものであります。
③ 純資産の状況
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ34億60百万円増加し、42億98百万円となりました。これは主に、資本剰余金が41億69百万円増加したこと等によるものであります。
「1[業績等の概要](1)業績」に記載のとおりであります。
「1[業績等の概要](2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
「3[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」に記載のとおりであります。
当社には、「4[事業等のリスク]」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
しかし、当社は株式会社ローソンとの間で締結した事業統合契約並びに吸収分割契約に基づき、ローソンより以下の対価を受領していることから、資金面に支障はないと考えております。
①転換対象店舗を「ローソン・スリーエフ」ブランドに転換することに伴い、転換対象店舗において当社が有していた資産及び賃借権等の権利義務の一部を平成29年6月1日付で吸収分割によりローソンに承継したことによる分割対価。
②当社とローソンが共同出資(出資比率:当社70%、ローソン30%)するエル・ティーエフを存続会社、当社の完全子会社であるL・TF・PJを消滅会社として吸収合併を行った上で、合併後の存続会社であるエル・ティーエフの株式を当社51%、ローソン49%となるようにローソンに対して平成30年2月28日付で株式を譲渡したことによる譲渡対価。
また、当社は希望退職者の募集による人件費の低減など黒字体質への転換のための経営体制の再構築を同時に行っております。
加えて、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況を早期に解消又は改善するため、「ローソン・スリーエフ」ブランドへの転換により、収益構造の改善に取り組んでおります。これにより、平成30年2月期の業績は、先行してブランド転換を行った千葉・埼玉エリアの「ローソン・スリーエフ」において営業利益が生じていることから、「ローソン・スリーエフ」ブランドの事業展開を拡大することで今後も安定した収益確保と財務体質の改善が見込まれるものと考えております。
したがって、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断し、連結財務諸表及び財務諸表への注記は記載しておりません。