第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)業績

当期における国内経済は、企業収益や雇用情勢等に改善が見られ、景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、中国経済の減速や年初からの円高傾向など、先行きにつきましては依然として不透明な状況で推移いたしました。

このような状況のもと、当社グループは、グループの共通戦略として掲げている「ソフトと価値の提供」に基づき、各事業における収益力の向上に引き続き取り組むとともに、グループ全体の成長戦略としてM&Aを本格的に推進いたしました。卸売事業において、和装小物卸売事業の新規子会社(株式会社吉利)を1社増加、また和装宝飾事業においても和装品小売事業1社(株式会社すずのき)を子会社化いたしました。

当連結会計年度の連結業績につきましては、暖冬によるウィンター関連商品の売上低迷やアパレル事業の事業譲渡による影響があったものの、卸売事業及び和装宝飾事業において子会社が増加したことにより、売上高は237億91百万円(前期比2.7%増)、営業利益は2億64百万円(前期比127.3%増)、経常利益は2億47百万円(前期比197.5%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の子会社同士の合併に伴う非支配株主持分の調整がなくなったことやのれん減損損失等もあり、61百万円(前期比65.5%減)となりました。

 

報告セグメントにおける業績は、以下のとおりであります。

 

1) 「美容事業」

美容事業では、当期において「アンチエイジングサロン」への店舗リニューアルを3店舗実施するほか、ブランド統一による採用・販促効果の向上を図るため、店舗名を「My jStyle by Yamano」70店舗及び「PLAZA HAIR by Yamano」20店舗に統合し、「Yamano」ブランドの屋号導入を実施いたしました。なお、平成28年3月31日現在の店舗数は、直営102店舗、FCは5店舗となっております。

美容事業においては、競合店の増加による飽和状態が続く厳しい事業環境の下で、他社との差別化サービスメニューとして着付けサービス強化を推進しており、浴衣着付けサービス売上は前期比139.3%、成人式着付けサービス売上は前年比123.6%、卒業式着付けサービス売上は前年比108.3%となり、着付けサービス強化による売上高は順調に伸長しております。しかしながら、市場全体規模が縮小傾向にある中で集客数は減少し、売上高は23億58百万円(前期比5.4%減)となり、セグメント利益48百万円(前期比54.7%減)となりました。

 

2) 「スポーツ事業」

スポーツ事業では、専門店ならではの提案力強化の施策としてメンテナンスサービスの商品化、体験イベントサービスの開催等を推進しております。当期では1店舗閉鎖、季節店出店1店舗があり、平成28年3月31日現在の店舗数は17店舗となっております。

スポーツ事業では、H&B(ヘルス・アンド・ビューティ)関連で前期比105.1%、アウトドア関連で前期比104.1%と好調な販売推移となり、また、昨年10月に中国地方へ出店した季節店での販売は計画比130.7%の売上実績となりました。しかしながら、記録的な暖冬による雪不足により、スポーツ事業の主力であるウィンター関連商品の販売が前期比80.7%と苦戦いたしました。この結果、売上高は37億24百万円(前期比11.1%減)、セグメント損失は1億68百万円(前期はセグメント損失6百万円)となりました。

 

3) 「DSM事業」

DSM事業では、お買い物以外の顧客ニーズに応える催事を継続的に開催する一方で、各ショップにて洋装品を中心にしたミニ展示会を開催し、商品提案の場を広げる施策を行っております。当期では事業所6拠点の閉鎖があり、平成28年3月31日現在の店舗数は74店舗となっております。

DSM事業では事業所数・販売員の減少に伴う売上高減少への対策として、販売員紹介キャンペーンを実施するとともに、事業所統合による固定費の削減や販促費用の見直し等に努めています。この結果、売上高は25億95百万円(前期比8.5%減)となり、セグメント利益は71百万円(前期比0.1%増)となりました。

 

 

4) 「和装宝飾事業」

和装宝飾事業では、平成27年6月1日付でアパレル事業を事業譲渡し、また平成27年11月20日付で和装・毛皮小売事業を営む株式会社すずのきが連結子会社となったこと等により、平成28年3月31日現在の店舗数は、和装他小売店舗が98店舗、宝飾小売店舗が20店舗となっております。

和装宝飾事業では、アパレル事業の事業譲渡による影響があったものの、株式会社すずのきが新たに連結子会社として加わったことにより、売上高は77億円(前期比13.9%増)となりました。また、既存和装小売店舗においても、従来からの戦略である①前楽結び着方教室、②着る機会の提供、③お手入れサービスの3施策の推進及び人財育成への取り組み強化に努めるほか、移転リニューアルを3店舗で実施したこと等により、セグメント利益は2億97百万円(前期比88.0%増)の大幅な増益となりました。

 

5) 「卸売事業」

卸売事業では、「卸から顧客創造」戦略を加速すべく、平成27年8月3日付で和装小物卸売事業の株式会社吉利を連結子会社として新たに加えたことにより、売上高は66億48百万円(前期比6.1%増)となりました。

収益面では、新規子会社による収益増加のほか、催事効率の改善と販売費の抑制等のコスト削減に努め、セグメント利益は51百万円(前期はセグメント損失2億4百万円)となりました。

 

6) 「その他の事業」

その他の事業の事業内容は、主に堀田(上海)貿易有限公司の意匠撚糸の販売、株式会社ヤマノセイビングの前払式特定取引業による手数料収益であります。

その他の事業の売上高は、意匠撚糸販売が好調に推移し、7億64百万円(前期比23.9%増)となり、セグメント利益0百万円(前期比40.1%減)となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が1億72百万円(前期は税金等調整前当期純損失19百万円)となり、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入等があったものの、長期借入金の返済による支出等により前連結会計年度に比べ92百万円減少し14億27百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー) 

営業活動の結果得られた資金は、2億50百万円と前年同期と比べは1億5百万円(72.3%)の増加となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益1億72百万円に対し、売上債権の減少額1億59百万円、仕入債務の減少額1億4百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー) 

投資活動の結果得られた資金は、3億12百万円(前期は10百万円の支出)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出1億4百万円、定期預金の純増減額1億14百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入3億82百万円、事業譲受による支出2億円、敷金及び保証金の回収による収入82百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は、6億53百万円(前期は3億87百万円の獲得)となりました。

これは主に、長期借入金の返済による支出5億99百万円、配当金の支払額67百万円によるものであります。 

 

 

2 【仕入及び販売の状況】

(1) 仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

前期比(%)

美容事業(千円)

155,606

93.2

スポーツ事業(千円)

2,494,607

91.2

DSM事業(千円)

1,142,495

91.9

和装宝飾事業(千円)

3,745,483

200.5

卸売事業(千円)

4,441,208

102.2

その他の事業(千円)

644,304

132.2

合計(千円)

12,623,706

116.4

 

(注) 1  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2  上記の金額は、連結消去前の金額によっております。

 

(2) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

前期比(%)

美容事業(千円)

2,358,626

94.6

スポーツ事業(千円)

3,724,633

88.9

DSM事業(千円)

2,595,130

91.5

和装宝飾事業(千円)

7,700,909

113.9

卸売事業(千円)

6,648,093

106.1

その他の事業(千円)

764,117

123.9

合計(千円)

23,791,510

102.7

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループを取り巻く経営環境は、市場の成熟化と縮小、顧客ニーズの多様化・変化、業種・業態を超えた競争激化など、厳しい状況が続いておりますが、「第二創業 ~2nd Stage~」の2年目を迎えた当社グループでは、グループ全体の成長戦略であるM&Aを推進するための経営企画体制を構築し、当期において2社を新たに子会社化いたしました。このM&Aによる業績寄与により、売上高及び営業利益、経常利益は増収増益を達成いたしました。

今後、企業理念である「美道五原則 髪・顔・装い・精神美・健康美」に基づく事業の持続的な成長を目指すため、以下の取り組みを積極的に推進し、企業価値の向上と成長サイクルの構築を目指してまいります。

① M&A戦略の本格推進による事業規模拡大

  美道五原則に基づくターゲット領域の選定

  グループ横断的な経営企画体制強化による早期クロージング化

  再生ノウハウの活用

  ヤマノブランドの活用

② 選択と集中による重点投資

  事業・店舗のビジネスモデルの確立・強化

  提供サービスの質の維持向上

③ 既存事業の強化

  「ソフトと価値の提供」による既存事業の伸長

  経営資源投入によるキャッシュ・フロー創出と事業収益拡大

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

① 業績変動のリスク

 当社グループの事業は成熟産業に属しており、特に和装品、宝飾品につきましては、高額品のため顧客にとって当社グループの商品を購入することは、多くの場合必要不可欠とは言えません。また、当社グループのターゲット市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。そのほか、消費性向及び商品トレンドの変化により売上高の減少、冷夏暖冬などの天候不順、台風などの気象状況、地震による災害により、売上を見込んでいる時期の業績が伸び悩み、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 海外取引に伴う為替リスク

当社グループは、海外から商品の一部を仕入れております。現在は、外貨建て取引に係る先物為替予約等のリスクヘッジを行っておりますが、今後中期的に海外より商品の仕入が増加すると予想され、これに伴い、為替変動が業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 法的規制について

 当社グループの一部の事業は、和装品、宝飾品、健康関連商品等の訪問販売を行い、「特定商取引に関する法律」の規制を受けており、当社グループとして法令遵守を徹底しております。将来、訪問販売に関する規制を強化するような法改正が行われる等により、家庭訪問による販売体制の効率性を維持できなくなった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

④ 顧客情報の管理について

当社グループは販売の特性上、顧客情報を取り扱っております。当社グループといたしましては、社内教育による啓蒙や顧客情報の閲覧及び出力について制限を強化するなどのIT統制により、顧客情報管理の徹底に努めておりますが、顧客情報の流出により問題が発生した場合、将来的な事業展開、経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 業績の季節的変動要因について

当社グループには、季節的変動があり、売上高は、ウインター関連商品の販売や、グループ各事業の展示会、新作発表会の開催により、第3四半期に集中しております。
 一方、費用面においては、売上高に係わらず広告宣伝費、人件費、賃借料等は、毎月発生する費用であるため、第1四半期、第2四半期及び第4四半期の売上高に対する費用負担割合が大きくなっております。

 

⑥ 財務制限条項等について

 当社グループは、運転資金の資金調達を目的としてシンジケートローン契約を締結しております。

 当該契約には、各連結会計年度末における経常損益を2期連続して損失としないこと、連結純資産を一定水準以上に維持すること等の財務制限条項等が付されております。

 今後、これらの条項に抵触した場合、当該契約上の債務について、金利引上げ、期限の利益を喪失する可能性があり、その結果、当社グループの業績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

⑦ 金利市場の変動について

当社グループは、銀行借入等の有利子負債による資金調達を実施しており、金利情勢、その他金融市場の変動による金利市場の変動の影響を受けております。その結果、当社グループの業績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

⑧ 呉服売上等の計上方法について

当社グループにおいては契約書上、受託契約である事が明確に記載されている取引を除き、業界の会計慣行に沿って、売上高のグロス処理を適用しております。

 しかしながら、今後、IFRS(国際財務報告基準)へのコンバージェンス、あるいはアドプションといった流れの中で、売上高のネット処理へと変更となる可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません

 

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態の分析

 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて14億18百万円増加し127億7百万円となりました。

 その主な要因は、流動資産では、受取手形及び売掛金が2億50百万円増加、商品及び製品が6億51百万円増加し、固定資産では、のれんが1億円増加、敷金及び保証金が3億56百万円増加したことによるものであります。

 負債につきましては、前連結会計年度末に比べて16億26百万円増加し103億4百万円となりました。
その主な要因は、流動負債では、支払手形及び買掛金が4億7百万円増加、電子記録債務が63百万円減少、短期借入金が2億94百万円増加、1年内返済予定の長期借入金が1億27百万円増加、未払金が1億36百万円増加、前受金が6億6百万円増加、固定負債では、社債が1億10百万円増加したことによるものであります。

 純資産については、前連結会計年度末に比べ2億7百万円減少し24億2百万円となりました。

 その主な要因は、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益計上による利益剰余金61百万円の増加、自己株式が49百万円増加、非支配株主持分が35百万円減少、剰余金の配当68百万円、会計方針の変更による累積的影響額1億5百万円によるものであります。

 

(2) 経営成績の分析

「1  業績等の概要、(1)業績」を参照願います。

 

(3) キャッシュ・フローの分析

「1  業績等の概要、(2)キャッシュ・フロー」を参照願います。