第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における国内経済は、企業収益や雇用情勢の改善を背景に緩やかな景気回復の動きが見られたものの、為替変動リスクや新興国の景気減速、米国新政権の動向に関する懸念など、景気の先行きは不透明な状況が続いております。

このような状況の下、当社グループでは、M&Aの積極推進により事業規模拡大を目指しており、前期において和装宝飾事業及び卸売事業で新たな連結子会社を2社加えましたが、当期においては卸売事業でイエリデザインプロダクツ株式会社より横ニット企画販売部門の事業を譲り受け、業容の拡大を図ってまいりました。

当期の連結業績は、暖冬によるウィンター関連商品の売上低迷による影響があったものの、前期M&Aにより増加した子会社の業績が好調に推移したこともあり、売上高は263億28百万円(前年同期比10.7%増)、営業利益は3億63百万円(前年同期比37.5%増)、経常利益3億49百万円(前年同期比41.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1億88百万円(前年同期比207.3%増)となりました。

当社グループのセグメントの業績は、以下のとおりであります。

 

1)「美容事業」

美容事業は、競合店増加が続くオーバーストア状態による集客減・売上高減少に対応するため、当期においては、店舗・店舗統括マネージャー・本部各々での人員配置について抜本的な見直しを図るとともに、サービス力・提案力向上のための技術研修を強化、またDM等販促活動の効率化を推進いたしました。特に着付サービスにおいては、スタッフへの着付研修を継続的に実施するとともに和装小売店舗へのスタッフ派遣を推進するなど、和装事業との連携強化も実施してまいりました。これらの取り組みにより、来店客数や顧客単価に改善は見られましたが、当期においては不採算店舗13店舗の閉鎖を実施した影響等があり、売上高は21億84百万円(前年同期比7.4%減)となりました。一方、人員数は一定の維持を図っており、人件費比率が増加しているため、セグメント利益は35百万円(前年同期比27.3%減)となりました。

 

2)「スポーツ事業」

スポーツ事業におきましては、主力であるウィンター商戦が降雪不足により不調に終わり、売上高は35億28百万円(前年同期比5.3%減)、セグメント損失は1億84百万円(前年同期はセグメント損失1億68百万円)となりました。

昨今の暖冬によるウィンター商戦への影響を始め、消費者ニーズの多様化や業種を超えた競争激化により事業を取り巻く状況に厳しさが増す中、当社は平成29年3月15日開催の取締役会においてスポーツ事業をRIZAP株式会社へ事業譲渡することを決定いたしました。なお、事業譲渡の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等、(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」をご参照ください。

 

3)「DSM事業」

DSM事業におきましては、セイビング会員の休眠顧客に対する掘り起し活動を推進し、販売強化に努めてまいりましたが、事業所統廃合を実施し販売拠点は6拠点減少しました。これに伴う販売員減少の影響等により、売上高は23億63百万円(前年同期比8.9%減)となり、セグメント利益は48百万円(前年同期比31.9%減)となりました。

 

4)「和装宝飾事業」

和装宝飾事業におきましては、前期新たに子会社化した株式会社すずのきが期初から好調に推移したこともあり、売上高は108億62百万円(前年同期比41.1%増)、セグメント利益は4億55百万円(前年同期比53.3%増)の増収増益となりました。

和装業界の市場規模が減少傾向にある状況下で、和装宝飾事業においては2店舗の新規出店、5店舗の移転・改装を実施するとともに、不採算の宝飾小売店舗11店舗の閉鎖を実施し、店舗展開の活性化を図り、また、和装小売店舗においては、顧客のきものを着る機会の場として、多様な「きもの会」を企画・提案するなど、「ソフトと価値の提供」戦略を積極推進いたしました。結果、和装店舗ではM&Aによる増収のみならず既存店売上高においても前年同期比で101.1%と堅調な推移となり、和装宝飾事業の業績は売上高・利益とも過去最高となりました。

 

 

5)「卸売事業」

卸売事業におきましては、前期事業譲受した和装小物卸売事業の株式会社吉利や、当期にイエリデザインプロダクツ株式会社より横ニット企画販売事業を事業譲受したことにより、売上高は66億62百万円(前年同期比0.2%増)となりました。利益面につきましては新規子会社での販管費増加があり、セグメント利益51百万円(前年同期比0.3%減)となりました。なお、平成29年5月23日開催の取締役会において、堀田丸正株式会社の第三者割当による新株式発行について承認決議し、同日、当該子会社株式の売却について決議しました。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等、(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」をご参照ください。

 

6)「その他の事業」

その他の事業の事業内容は、主に堀田(上海)貿易有限公司の意匠撚糸の販売、株式会社ヤマノセイビングの前払式特定取引業による手数料収益であります。

その他の事業の売上高は、意匠撚糸販売が好調に推移したものの為替の影響により7億26百万円(前年同期比5.0%減)となりましたが、セグメント利益は8百万円(前年同期はセグメント利益0百万円)と改善いたしました。

 

(2) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億85百万円の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー) 

営業活動の結果得られた資金は5億51百万円となり、前年同期と比べ3億1百万円増加(前年同期比120.1%)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益3億20百万円に対し、売上債権の減少額38百万円、たな卸商品の減少額2億58百万円、仕入債務の減少額2億40百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー) 

投資活動の結果得られた資金は1億48百万円となり、前年同期と比べ1億64百万円減少(前年同期比52.6%減)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出71百万円、事業譲受による支出60百万円、差入保証金の回収による収入3億25百万円、敷金及び保証金の差入による支出53百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は10億81百万円(前期は6億53百万円の支出)となりました。

これは主に、長期借入金の返済による支出6億96百万円、短期借入金の減少2億84百万円、配当金の支払額67百万円によるものであります。 

 

2 【仕入及び販売の状況】

(1) 仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

前期比(%)

美容事業(千円)

154,620

99.4

スポーツ事業(千円)

2,310,171

62.6

DSM事業(千円)

1,029,843

90.1

和装宝飾事業(千円)

4,322,495

115.4

卸売事業(千円)

4,423,692

99.6

その他の事業(千円)

628,331

102.1

合計(千円)

12,869,155

101.9

 

(注) 1  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2  上記の金額は、連結消去前の金額によっております。

 

(2) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

前期比(%)

美容事業(千円)

2,184,327

92.6

スポーツ事業(千円)

3,528,913

94.7

DSM事業(千円)

2,363,985

91.1

和装宝飾事業(千円)

10,862,162

141.1

卸売事業(千円)

6,662,644

100.2

その他の事業(千円)

726,053

95.0

合計(千円)

26,328,086

110.7

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

当社グループの企業理念は、「美道五原則 髪・顔・装い・精神美・健康美」に基づく事業を行うことであり、この美道五原則に基づき、「商品」のみならず「ソフトと価値」を提供することで顧客を獲得し、事業の拡大を図ることを経営方針としています。

当社グループを取り巻く経営環境は、市場の成熟化と縮小、顧客ニーズの多様化・変化、業種・業態を超えた競争激化などに晒されており、また消費動向も不透明な状況が続くことが予想され、今後も厳しい状況で推移することが見込まれます。

このような状況の下、当社グループでは、事業の持続的な成長を目指す事業戦略として、「M&A戦略の本格推進による事業規模拡大」、「選択と集中による重点投資」、「既存事業の強化」を掲げてまいりました。

この取り組みを推進する中で、和装小売事業においては、和装業界の市場規模が縮小傾向にある状況の中にあって、前期M&Aで新たに加えた子会社が業績に大きく貢献し、また既存店舗においても店舗のスクラップ&ビルドを活性化するとともに顧客への提案力強化に努め、売上高前年比は継続的に100%を上回る堅調な推移を見せております。一方でスポーツ事業においては、昨今の暖冬により主力であるウィンター商戦が大きく影響を受ける中、ウィンター偏重の収益構造から転換を図る施策を模索してまいりましたが、3期継続して営業赤字となりました。また卸売事業においては、M&Aによる子会社取得や事業譲受により収益増加に貢献はあったものの、安定的かつ成長可能な収益基盤を確立するには、より抜本的な事業再構築が必要であり、そのための資本力が必要となっております。

このように各事業間での施策遂行度や直面する課題の違いが浮き彫りとなっておりますが、各事業における販売チャネル・購買層・収益構造等の違いから事業間のシナジー創出が難しく、グループとして一義的・横断的に問題解決し得る施策を講じることは困難である状況を鑑みて、今一度、当社グループは原点に立ち戻ることが必要な時期であるとの判断に至りました。そのため、次期においては以下の事業再編を実施する所存です。

 ① スポーツ事業からの撤退(スポーツ事業の譲渡)

 ② 卸売事業子会社との資本提携関係の解消

 ③ 美容事業と和装宝飾事業の緊密化(美容事業子会社の吸収合併)

 ④ 他の小売サービス業へのM&A推進

 

これら事業再編は、当社グループを一旦、美容事業と和装宝飾事業に大きく集約する「選択と集中」を行うこととなります。そのため、特に売上高においては一度大きな減収影響が生じることが予想されますが、経営資源の効率的な再分配とともに他の小売サービス業へのM&Aを積極推進することにより、新たなビジネスモデルの創出と成長スピードの加速を図り、中長期的な当社グループの企業価値の向上に努めてまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

① 業績変動のリスク

 当社グループの事業は成熟産業に属しており、特に和装品、宝飾品につきましては、高額品のため顧客にとって当社グループの商品を購入することは、多くの場合必要不可欠とは言えません。また、当社グループのターゲット市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。そのほか、消費性向及び商品トレンドの変化により売上高の減少、冷夏暖冬などの天候不順、台風などの気象状況、地震による災害により、売上を見込んでいる時期の業績が伸び悩み、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 海外取引に伴う為替リスク

当社グループは、海外から商品の一部を仕入れております。現在は、外貨建て取引に係る先物為替予約等のリスクヘッジを行っておりますが、今後中期的に海外より商品の仕入が増加すると予想され、これに伴い、為替変動が業績に影響を与える可能性があります。

 

 

③ 法的規制について

 当社グループの一部の事業は、和装品、宝飾品、健康関連商品等の訪問販売を行い、「特定商取引に関する法律」の規制を受けており、当社グループとして法令遵守を徹底しております。将来、訪問販売に関する規制を強化するような法改正が行われる等により、家庭訪問による販売体制の効率性を維持できなくなった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

④ 顧客情報の管理について

当社グループは販売の特性上、顧客情報を取り扱っております。当社グループといたしましては、社内教育による啓蒙や顧客情報の閲覧及び出力について制限を強化するなどのIT統制により、顧客情報管理の徹底に努めておりますが、顧客情報の流出により問題が発生した場合、将来的な事業展開、経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 業績の季節的変動要因について

当社グループには、季節的変動があり、売上高は、グループ各事業の展示会、新作発表会の開催により、第3四半期に集中しております。
 一方、費用面においては、売上高に係わらず広告宣伝費、人件費、賃借料等は、毎月発生する費用であるため、第1四半期、第2四半期及び第4四半期の売上高に対する費用負担割合が大きくなっております。

 

⑥ 金利市場の変動について

当社グループは、銀行借入等の有利子負債による資金調達を実施しており、金利情勢、その他金融市場の変動による金利市場の変動の影響を受けております。その結果、当社グループの業績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

⑦ 呉服売上等の計上方法について

当社グループにおいては契約書上、受託契約である事が明確に記載されている取引を除き、業界の会計慣行に沿って、売上高のグロス処理を適用しております。

 しかしながら、今後、IFRS(国際財務報告基準)へのコンバージェンス、あるいはアドプションといった流れの中で、売上高のネット処理へと変更となる可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 事業譲渡契約

  当社は、平成29年3月15日開催の取締役会において、RIZAP株式会社との間で事業譲渡契約を締結し、平成29年5月23日に当社のスポーツ事業を事業譲渡をいたしました。

  詳細つきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等、(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」をご参照ください。

    

(2) 子会社との合併契約

当社は、平成29年5月15日開催の取締役会決議に基づき、連結子会社である株式会社マイスタイル(以下、「マイスタイル」という。)との間で、平成29年10月1日を合併期日とした合併契約を締結いたしました。

  また当社は、平成29年5月15日開催の取締役会決議に基づき、Regis International Holdings s.a.r.lとの間で株式譲渡契約を締結し、平成29年5月18日付でマイスタイルを完全子会社としいたしました。

  詳細つきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等、(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」をご参照ください。

 

(3) 子会社の資本業務提携契約

当社は、平成29年5月23日開催の取締役会において、当社の連結子会社である堀田丸正株式会社(以下、「堀田丸正」という。)による第三者割当増資の実施について決議いたしました。

これに伴い、堀田丸正は、同日付でRIZAPグループ株式会社との間で資本業務提携契約を締結し、平成29年6月28日に当該契約に基づき、堀田丸正はRIZAPグループ株式会社を引受先とする第三者割当による新株発行を実施いたしました。

詳細つきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等、(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」をご参照ください。

 

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ10億79百万円減少し116億27百万円となりました。これは主に、現金及び預金が3億86百万円減少、受取手形及び売掛金が46百万円減少、商品及び製品が2億17百万円減少、敷金及び保証金が2億73百万円減少したことによるものであります。

負債につきましては、前連結会計年度末と比べ11億85百万円減少し91億18百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が3億63百万円減少、電子記録債務が1億10百万円増加、短期借入金が2億84百万円減少、未払金が76百万円減少、長期借入金が5億63百万円減少したことによるものであります

純資産につきましては、前連結会計年度末と比べ1億5百万円増加し25億8百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益計上による利益剰余金1億88百万円の増加、剰余金の配当68百万円によるものであります。

 

(2) 経営成績の分析

「1  業績等の概要、(1)業績」を参照願います。

 

(3) キャッシュ・フローの分析

「1  業績等の概要、(2)キャッシュ・フロー」を参照願います。