第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

当社グループの企業理念は、「美道五原則 髪・顔・装い・精神美・健康美」に基づく事業を行うことであり、この美道五原則に基づき、「商品」のみならず「ソフトと価値」を提供することで顧客を獲得し、事業の拡大を図ることを経営方針としています。

当社グループの既存事業である美容事業・和装宝飾事業・DSM事業を取り巻く環境は、市場の成熟化、顧客ニーズの多様化、ライフスタイルの変化、更に業種業態を超えた競争激化など、厳しい状況が続いております。このような状況の下、当社グループが持続的な成長を実現していくために、以下の取り組みを重要課題としております。

 

① 事業領域拡大に向けた取り組み

当社グループの成長戦略の柱であるM&Aにより、収益拡大が見込まれる新規事業の開拓を積極的に推進しております。

当連結会計年度においては、株式会社みうらを美容事業子会社として加え、既存事業の商圏・サービス拡大への取り組みを実施いたしました。今後、既存美容事業とのシナジー実現に注力するとともに、強化した投資力と蓄積してきた事業再生ノウハウを活用し、既存の小売・サービス業に捉われない幅広い領域を視野に入れたM&A戦略を推進し、グループの収益力向上と成長を目指してまいります。

 

② 新規顧客拡大に向けた取り組み

当社グループの既存事業はいずれも成熟市場に属しており、その中で収益拡大を図るためには、既存顧客との信頼関係強化のみならず、新規顧客拡大に努めていくことが重要となります。

従来からの営業施策である「ソフトと価値の提供」によって既存顧客との信頼関係強化に努める一方で、各事業において新規顧客獲得を図るための施策を検討し、実施してまいります。

・美容事業では、販促施策において着付サービスなど当社グループの強みである和装関連の打出し強化を実施し、また有料媒体活用の見直しを行い、新規顧客の集客向上と効率化を図ってまいります。また同時に、提案力の強化・スピード向上に重点を置いたスタッフ研修を推進し、新規顧客のリピート率向上にも努めてまいります。

・和装宝飾事業では、きものを着る機会の場として「きもの会」を全国191会場で開催し、新たな顧客創造に努めており、合同大型催事においても、従来の既存顧客偏重から新規顧客を中心とした集客への取り組みを行っております。また、新たに導入した「集金保証型ショッピングクレジット」の活用により、新規顧客の需要促進を図ってまいります。

・DSM事業では、既存顧客からのお客様紹介キャンペーンを推進する一方、従来の「訪問販売」、「催事販売」では接点の持てなかった一般消費者との接点拡大を図るため「販売拠点の店舗化(販売拠点でのサービス提供)」施策など、新規顧客獲得に向けた取り組みをスタートさせております。また、減収が続く状況の改善を図るため、事業運営体制の抜本的な見直しを行ってまいります。 

 

③ 人財育成と定着化への取り組み

M&Aによる事業領域拡大や既存事業の商圏拡大を進めていくためには、社内管理体制の構築と整備は重要な課題となります。

当連結会計年度においては、各事業・連結子会社共通の採用教育担当部門を設置し、グループ共通の研修・教育プラン策定を進めてまいりました。今後、このプランを実行し、総合的な視点での人財教育を推進することで、従業員の意欲向上及び定着率の向上を図ってまいります。

 

④ 企業の社会的責任への取り組み

当社グループでは、事業拡大・収益拡大への取り組みを推進する一方で、企業に求められる法的責任、経済的責任、社会貢献について重視しております。

当連結会計年度においてはコンプライアンス委員会の活動を強化し、グループ全体においてコンプライアンス上の情報共有を図るとともに社内の課題解決に当ってまいりました。また、医療用ウィッグ「ヘアドネーション」活動への参加を実施しておりますが、事業を通じた社会活動は、今後も積極的に推進してまいります。

 

以上の取り組み強化に努めることにより、グループの収益力向上と成長加速を図りながら、中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 業績変動のリスク

 当社グループの事業は成熟産業に属しており、特に和装品、宝飾品につきましては、高額品のため顧客にとって当社グループの商品を購入することは、多くの場合必要不可欠とは言えません。また、当社グループのターゲット市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。そのほか、消費性向及び商品トレンドの変化により売上高の減少、台風などの気象状況、地震による災害により、売上を見込んでいる時期の業績が伸び悩み、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 法的規制について

当社グループの一部の事業は、和装品、宝飾品、健康関連商品等の訪問販売を行い、「特定商取引に関する法律」の規制を受けており、当社グループとして法令遵守を徹底しております。将来、訪問販売に関する規制を強化するような法改正が行われる等により、家庭訪問による販売体制の効率性を維持できなくなった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 顧客情報の管理について

当社グループは販売の特性上、顧客情報を取り扱っております。当社グループといたしましては、社内教育による啓蒙や顧客情報の閲覧及び出力について制限を強化するなどのIT統制により、顧客情報管理の徹底に努めておりますが、顧客情報の流出により問題が発生した場合、将来的な事業展開、経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 金利市場の変動について

当社グループは、銀行借入等の有利子負債による資金調達を実施しており、金利情勢、その他金融市場の変動による金利市場の変動の影響を受けております。その結果、当社グループの業績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

⑤ M&A等の投資について

当社グループは、成長戦略としてM&Aによる事業拡大を重要な経営課題のひとつとして位置づけております。

M&Aを行う際には、対象会社の財務内容や契約関係等について、詳細なデューデリジェンスを行い極力リスクを回避するよう努めておりますが、M&Aを実施した後に、偶発債務や未認識債務が発生する可能性が考えられます。また、買収時に発生するのれん等については、その超過収益力の効果が発現すると見積もられる期間にわたり償却を行う必要があります。今後、新たにのれんが発生し、その償却費用が増加する可能性があり、また、対象会社の業績が大幅に悪化し、将来の期間にわたって損失が発生する状態が継続すると予想される場合には、減損処理を行う必要が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度の連結業績は、前連結会計年度にスポーツ事業を事業譲渡した影響に加え、DSM事業での拠点統廃合による売上減等により、売上高は141億5百万円(前期比5.6%減)となりました。利益面では、売上高減少に伴う販売費減やスポーツ事業の赤字影響がなくなったこと等により、営業利益は2億45百万円(前期比11.8%増)、経常利益は2億65百万円(前期比0.2%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、前連結会計年度に計上した事業撤退損や卸売子会社の株式を一部売却したことによる売却益等の影響が当連結会計年度にはなくなったことにより、1億41百万円(前期比71.9%減)となりました。

経営成績についての分析・検討内容につきましては、セグメントごとの記載をご参照ください。 

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 ※セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益ベース

 
「美容事業」

美容事業では、当連結会計年度において、2018年7月1日付で、都内にネイルサロン3店舗を経営する株式会社みうらを連結子会社として加えました。一方、既存美容事業では、出店地区の再開発に伴う店舗閉鎖が2店舗あったことや、第2四半期での台風などの天候不順による影響、また通期を通じてのスタッフ不足による機会損失の影響によって来店客数減(前期比95.2%)があったこと等により、売上高は19億47百万円(前期比4.9%減)となりました。利益面では、売上高減少による影響の他、新たに子会社となった株式会社みうらにおいて、グループへの管理統合に伴う一時的なコストが発生したこと等があり、セグメント利益は3百万円(前期比92.0%減)となりました。

 

「和装宝飾事業」

和装宝飾事業においては、和装小売部門では、店頭販売はやや不調であったものの、全国18会場で実施された合同大型催事において、来場客数が前期比112%、売上高が前期比110%と好調であったため、売上高は前期比100.0%と堅調に推移しました。宝飾小売部門では、一部地方百貨店の集客低下があったこと等により、売上高は前期比78.1%と苦戦しました。その結果、セグメント売上高は104億43百万円(前期比0.8%減)となり、セグメント利益は、11店舗で改装を行ったことに伴う備品購入費用があったこと等により、3億2百万円(前期比18.4%減)となりました。

なお、和装宝飾事業では、2018年11月より「集金保証型ショッピングクレジット」を導入し、割賦手数料が新たな収益として獲得されることとなりました。当期の収益に与える影響は軽微ですが、取扱高は順調に推移しており、将来的に和装宝飾事業の収益底上げに寄与すると考えております。

 

「DSM事業」

DSM事業においては、新商材の開発や販売チャネルの変換を喫緊の課題として取り組んでおりますが、新規顧客の獲得や販売員補強は依然厳しい状況が続いており、当連結会計年度においても事業所統廃合を7拠点行いました。その結果、売上高は17億6百万円(前期比14.3%減)となりましたが、セグメント利益は、運営コストの削減に努めたこともあり0百万円(前期はセグメント損失22百万円)となり、赤字は解消いたしました。

 

「その他の事業」

その他の事業では、株式会社ヤマノセイビングの前払い式特定取引業による手数料収益のほか、2018年8月に設立された一般社団法人日本技術技能教育協会を新たに連結の範囲に含め、着物着付教室の運営に伴う収益を加えております。その結果、売上高は6百万円(前期比1559.1%増)、セグメント損失7百万円(前期はセグメント損失13百万円)となりました。

 

なお前期にスポーツ事業の事業譲渡を実行しているため、当連結会計年度より報告セグメント「スポーツ事業」を廃止しております。前期におけるスポーツ事業の売上高は3億78百万円、セグメント損失は1億36百万円であります。

 

 

 

なお、当連結会計年度の仕入実績及び販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

a. 仕入実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

前期比(%)

美容事業(千円)

148,603

94.0

和装宝飾事業(千円)

4,113,604

100.1

DSM事業(千円)

765,740

86.5

合計(千円)

5,027,948

89.4

 

(注) 1  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2  上記の金額は、連結消去前の金額によっております。

3 合計の前期比は、前連結会計年度に事業譲渡したスポーツ事業の仕入実績を含めて算定しております。

 

b. 販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

前期比(%)

美容事業(千円)

1,947,537

95.1

和装宝飾事業(千円)

10,443,877

99.2

DSM事業(千円)

1,706,897

85.7

その他の事業(千円)

6,875

1,659.1

合計(千円)

14,105,187

94.4

 

(注) 1  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2  セグメント間取引については、相殺消去しております。

3 合計の前期比は、前連結会計年度に事業譲渡したスポーツ事業の販売実績を含めて算定しております。

 

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて2億42百万円減少し71億54百万円となりました。これは主に、現金及び預金が1億65百万円減少、受取手形及び売掛金が2億88百万円増加、商品及び製品が66百万円減少、投資有価証券が1億87百万円減少、敷金及び保証金が70百万円減少したことによるものであります。

負債につきましては、前連結会計年度末に比べて1億58百万円減少し56億43百万円となりました。これは主に、短期借入金が2億80百万円増加、1年内返済予定の長期借入金が2億88百万円増加、前受金が64百万円減少、未払金が65百万円減少、未払法人税等が51百万円減少、長期借入金が3億66百万円減少、繰延税金負債が31百万円減少したことによるものであります。

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ83百万円減少し15億11百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益計上による利益剰余金1億41百万円の増加、剰余金の配当1億2百万円、その他有価証券評価差額金1億22百万円の減少によるものです。

 

なお、セグメントごとの資産は、次のとおりであります。

 

「美容事業」

美容事業の総資産は5億74百万円(前期比0.8%減)と、ほぼ前年並みとなりました。

 

「和装宝飾事業」

和装宝飾事業の総資産は37億57百万円(前期比1.1%減)となりました。

2018年11月に「集金保証型ショッピングクレジット」を導入したことに伴い売掛金は2億85百万円増加しましたが、受注商品の引渡し促進等によりたな卸商品が71百万円減少したこと及び敷金及び保証金が68百万円減少したことがあり、ほぼ前年並みとなりました。

 

「DSM事業」

DSM事業の総資産は3億22百万円(前期比4.5%減)と、ほぼ前年並みとなりました。

 

「その他の事業」

その他の事業の総資産は9億61百万円(前期比3.3%減)となりました。

  

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が2億18百万円となりましたが、前連結会計年度末に比べ1億65百万円減少し19億27百万円となりました。 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果支出した資金は、1億53百万円(前期は57百万円の収入)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益2億18百万円、売上債権の増加額2億87百万円、たな卸資産の減少額68百万円、前受金の減少額64百万円、法人税等の支払額1億10百万円があったことによるものです。

なお売上債権の増加は、「集金保証型ショッピングクレジット」の導入により売掛金の回収が長期化することによる影響であり、係る債権回収が一巡し平準化するまで当面の間は、売上債権の増加によって営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなることが見込まれます。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は28百万円(前期は25億34百万円の収入)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出61百万円、無形固定資産の取得による支出4百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出4百万円、敷金及び保証金の差入による支出14百万円、差入保証金の回収による収入78百万円があったことによるものです。 

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、16百万円(前期は15億41百万円の支出)となりました。

これは主に、短期借入金の増加額2億80百万円、長期借入れによる収入1億円、長期借入金の返済による支出2億1百万円、配当金の支払額1億1百万円によるものであります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性について

①資金需要

当社グループの運転資金需要は、営業活動に係る資金支出では、商品の仕入及び人件費並びに賃借料を始めとする販売費及び一般管理費があります。

また、投資活動に係る需要としては、新規出店や店舗改装費用が発生するほか、事業領域の拡大を図るために事業買収(M&A)等の投資を推進しており、それに伴う資金需要の発生が見込まれます。

 

②財政政策

当社グループは、運転資金につきましては、手許資金及び短期借入金により調達することとしておりますが、グループ内の資金効率化のため、当社と子会社との間で、キャッシュ・マネジメント・システムを導入しており、資金余剰状態にある会社から資金需要が発生している会社への資金の流動性を確保しています。

また新たに導入した「集金保証型ショッピングクレジット」の維持運営や、M&A等の投資に伴う資金については、金融機関からの借入を活用することとしておりますが、前連結会計年度に実施した事業再編によって当社グループの財務体質は大きく改善されており、取引金融機関からの資金調達に関しては問題なく実施可能と認識しております。

 

   

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

 

 

5 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。