第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

当社グループの企業理念は、「美道五原則 髪・顔・装い・精神美・健康美」に基づく事業を行うことであり、この美道五原則に基づき、「商品」のみならず「ソフトと価値」を提供することで顧客を獲得し、事業の拡大を図ることを経営方針としています。

当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染拡大の収束が見通せない中、景気の減速や個人消費の停滞感など、依然として厳しい状況が続くことが予想されます。このような状況の中、当社グループが持続的な成長を実現していくために、以下の取り組みを重要課題といたします。

 

①新たな事業形態の構築への取り組み

当社グループの既存事業はいずれも成熟市場に属し、直接対面型サービスや大勢での体験型サービスを主軸とした「ソフトと価値の提供」をグループの共通戦略として展開してきましたが、新型コロナウイルス感染拡大による影響を受け消費者行動の変化が加速される中、お客様と従業員の健康、安心・安全を守ることを第一に感染防止対策を徹底した店舗環境づくりと販売オペレーションの構築に努めております。同時に、「ニューノーマル」を見据えた販売チャネルやサービス提供等、従来の事業形態に捉われない事業構造づくりを検討し、新たな「ソフトと価値の提供」の開発に取り組むことが重要であると認識しております。

従来からのM&A戦略による新規事業への投資検討は今後も推進しつつ、既存事業においても、変化する消費者ニーズに対応していくため、SNSでの集客チャネルを強化するなどIT活用に積極的に取り組んでいくとともに、実店舗の活性化を図りつつ新規顧客の創造とグループのブランディングを確立していくため、デジタル化推進による新たな事業形態の開発・構築に取り組んでまいります。

 

②業務効率化と生産性向上への取り組み

当社では、事業領域拡大や新たな事業形態構築及び既存事業の強化に対応するため、管理体制構築と業務の効率化及び各事業での生産性向上を図っていくことが重要課題と認識しております。従来のような自由な往来が難しい状況下において、当社グループでは、リモートワーク・リモート研修の拡充やWeb会議の推進をしてまいりました。その結果、当連結会計年度においては管理コストの削減を一定程度実現することができましたが、一方、営業面では店舗間格差が顕著になっており、グループ全体での効率的な情報共有と双方向での事業管理・運営の仕組みづくり、コミュニケーションの活性化は一層重要になると認識しております。

当社グループでは人財採用を強化するとともに、IT活用による情報共有と業務効率化を図りながら、実対面型での教育・研修プランの適時実施やメンター制度を効果的に活用することにより、販売力の強化と生産性向上を図ってまいります。

 

 ③企業の社会的責任への取り組み

当社グループでは、事業拡大・収益拡大への取り組みを推進する一方で、企業に求められる法的責任、経済的責任、社会貢献について重視しております。

当社グループでは「コンプライアンス委員会」を設け、定期的にコンプライアンス上の課題について、経営者及び事業責任者が情報共有する機会を持っており、社内の課題解決に当たっております。

今般の新型コロナウイルス感染防止対策への取り組みとして、お客様と従業員の健康、安心・安全を第一に、店舗の衛生管理・従業員の健康管理の徹底を行うほか、予約管理の徹底によりお客様に安心してご来店いただける環境整備に努めてまいりました。今後は更に「ニューノーマル」に対応した新たな事業形態の開発に取り組むことにより、お客様のニーズに応える事業を目指してまいります。

また当社グループは、企業市民として社会貢献活動への取り組みを推進しております。

美容事業では、医療用ウィッグ作成プロジェクトであるヘアドネーション「つな髪」への協賛提携を継続して行っており、和装事業では、純国産の生糸を守る活動としての桑苗の植樹活動や、振袖を親から子へ受け継ぎつつ現代に蘇らせる「ママ振り」の提案を行ってきましたが、今後も持続可能な社会の実現に向けた取り組みを積極的に推進するとともに、日本の伝統文化の伝承に努めてまいります。

 

以上により、グループの収益力向上と持続的な企業価値の向上に努めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 業績変動のリスク

 当社グループの事業は成熟産業に属しており、特に和装品、宝飾品につきましては、高額品のため顧客にとって当社グループの商品を購入することは、多くの場合必要不可欠とは言えません。また、当社グループのターゲット市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。そのほか、消費性向及び商品トレンドの変化により売上高の減少、台風などの気象状況、地震による災害により、売上を見込んでいる時期の業績が伸び悩み、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 法的規制について

当社グループの一部の事業は、和装品、宝飾品、健康関連商品等の訪問販売を行い、「特定商取引に関する法律」の規制を受けており、当社グループとして法令遵守を徹底しております。将来、訪問販売に関する規制を強化するような法改正が行われる等により、家庭訪問による販売体制の効率性を維持できなくなった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 顧客情報の管理について

当社グループは販売の特性上、顧客情報を取り扱っております。当社グループといたしましては、社内教育による啓蒙や顧客情報の閲覧及び出力について制限を強化するなどのIT統制により、顧客情報管理の徹底に努めておりますが、顧客情報の流出により問題が発生した場合、将来的な事業展開、経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 金利市場の変動について

当社グループは、銀行借入等の有利子負債による資金調達を実施しており、金利情勢、その他金融市場の変動による金利市場の変動の影響を受けております。その結果、当社グループの業績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

⑤ M&A等の投資について

当社グループは、成長戦略としてM&Aによる事業拡大を重要な経営課題のひとつとして位置づけております。

M&Aを行う際には、対象会社の財務内容や契約関係等について、詳細なデューデリジェンスを行い極力リスクを回避するよう努めておりますが、M&Aを実施した後に、偶発債務や未認識債務が発生する可能性が考えられます。また、買収時に発生するのれん等については、その超過収益力の効果が発現すると見積もられる期間にわたり償却を行う必要があります。今後、新たにのれんが発生し、その償却費用が増加する可能性があり、また、対象会社の業績が大幅に悪化し、将来の期間にわたって損失が発生する状態が継続すると予想される場合には、減損処理を行う必要が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 感染症拡大によるリスクについて

当社グループは、日本国内のほぼ全域において小売店舗を設け、事業活動を展開しております。感染症の拡大(パンデミック)が国内において発生した場合、小売店舗が閉鎖される等、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

特に当連結会計年度では、新型コロナウイルス感染症の流行及び緊急事態宣言の発出等に伴い、当社グループの一部店舗において臨時休業や営業時間の短縮などの影響を受けており、今後の感染拡大や長期化により、当社グループの経営成績及び財務状況等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当期における国内経済は、新型コロナウイルス感染症が拡大する中、2020年4月の緊急事態宣言発出後に経済は急速に悪化しました。その後一時的に持ち直しの動きが見られたものの、2021年1月の緊急事態宣言の再発出を受けて個人消費の停滞感が強まるなど、景気の先行きは依然として厳しい状況が続いております。

当社グループでは、このような事業環境において、全店でのお客様と従業員の健康と安全確保を最優先とした環境整備を行いながら営業時間を段階的に拡大し、また全社的な店舗運営コスト・管理コストの削減へ取り組んでまいりました。

当連結会計年度の連結業績は、2020年4月に発出された緊急事態宣言下での臨時休業等により売上高に大きな影響を受けたものの、第2四半期以降は回復傾向で推移しました。2021年1月に再発出された緊急事態宣言により来店客数減少の影響はあったものの、前下期に新規で連結子会社化した2社及び事業譲受した店舗が通期で寄与したこともあり、売上高は127億1百万円(前期比9.7%減)となりました。利益面では、販促施策の見直しやWeb会議の推進、リモートによる研修の拡充等による店舗運営・管理の効率化に努め、また休業・時間短縮営業中の固定費等を特別損失に7億74百万円振替を行ったこと等があり、営業利益は3億31百万円(前期比541.1%増)、経常利益は3億25百万円(前期比381.2%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失については、特別利益に新型コロナウイルス感染症による雇用調整助成金4億56百万円を計上し、また特別損失に新型コロナウイルス感染症による損失7億74百万円、店舗固定資産の減損損失を1億39百万円、のれんの減損損失1億38百万円を計上したこと等により3億24百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益3百万円)となりました。

経営成績についての分析・検討内容につきましては、セグメントごとの記載をご参照ください。 

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 ※セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益ベース

・美容事業

美容事業においては、2度の緊急事態宣言発出により来店客数減少の影響を受けましたが、お客様に安心してご来店いただくための店舗の衛生管理・スタッフの健康管理・お客様の予約管理の徹底等による感染防止対策を強化しながら、営業時間は順次拡大し、来店客数は概ね回復傾向で推移しました。前下期に連結子会社となった株式会社L.B.Gによる売上への寄与はありましたが、2021年に入ってからの緊急事態宣言再発出や蔓延防止等重点措置による成人式・卒業式の中止及び延期に伴い、着付サービス売上が伸び悩んだこともあり、売上高は21億19百万円(前期比4.7%減)となりました。利益面では、Webやリモートを活用した店舗運営を推進し、予約管理の徹底によりスタッフの勤務体制を状況に応じて柔軟に対応させることでコストの効率化を図り、セグメント利益10百万円(前期はセグメント損失23百万円)となりました。

 

・和装宝飾事業

和装宝飾事業においては、2020年4月の緊急事態宣言発出に伴い、出店するデベロッパーの臨時休業・時短営業により大幅な減収影響がありましたが、宣言解除後の来店客数は回復傾向で推移しました。一方、合同大型展示販売会においては、県を跨いだ来場の自粛があり、また感染防止対策からスタッフ移動の自粛を行うとともに会場内での一部サービスやイベントを中止したこと等により来場客数・売上高とも大幅減となりましたが、展示販売会に対する販促施策の見直し等により、買上率の向上及びコスト削減に努めました。また前下期に事業譲受した和装小売店舗7店舗の通期での売上寄与があり、その結果、売上高は90億48百万円(前期比13.2%減)となり、セグメント利益2億16百万円(前期比3.1%減)となりました。

 

・DSM事業

DSM事業においては、新型コロナウイルス感染拡大により展示販売会の中止が相次いだことによる減収影響を受けました。訪問販売の強化を図り、外出自粛を契機に需要の高まったミシンや空気清浄器の販売を伸長させるとともに、お客様との信頼関係の再構築と休眠顧客掘り起こし・新規顧客開拓を推進しましたが、事業所の統廃合の影響もあり、売上高は10億57百万円(前期比24.9%減)となり、セグメント損失は33百万円(前期はセグメント損失53百万円)となりました。

 

 ・その他の事業

その他の事業の収益は、株式会社ヤマノセイビングの前払い式特定取引業による手数料収益及び一般社団法人日本技術技能教育協会の着物着付教室の運営収益のほか、前期末に連結子会社とした株式会社マンツーマンアカデミーの学習塾運営収益が通期で寄与したことにより、売上高は4億75百万円(前期比4,830.6%増)となり、セグメント利益は8百万円(前期はセグメント損失34百万円)となりました。

学習塾事業では、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、いち早くオンライン授業を開設し強化する一方で、コロナ禍においても保護者の皆様が安心して子供を送り出せる場とするための環境づくりに努めました。その結果、既存教室での生徒数は前年を上回りました。

 

なお、当連結会計年度の仕入実績及び販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

a. 仕入実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

前期比(%)

美容事業(千円)

167,675

94.3

和装宝飾事業(千円)

3,621,998

86.4

DSM事業(千円)

472,470

74.9

その他の事業(千円)

11,735

合計(千円)

4,273,880

85.4

 

(注) 1  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2  上記の金額は、連結消去前の金額によっております。

 

b. 販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

前期比(%)

美容事業(千円)

2,119,259

95.3

和装宝飾事業(千円)

9,048,958

86.8

DSM事業(千円)

1,057,000

75.1

その他の事業(千円)

475,889

4,930.6

合計(千円)

12,701,107

90.3

 

(注) 1  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2  セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて32億27百万円増加し109億88百万円となりました。これは主に現金及び預金が34億9百万円増加、受取手形及び売掛金が1億82百万円増加し、のれんが2億円減少、敷金及び保証金が40百万円減少したことによるものです。

負債につきましては、前連結会計年度末に比べて35億30百万円増加し99億80百万円となりました。これは主に、短期借入金が15億46百万円増加、長期借入金が10億2百万円増加、未払金が6億41百万円増加し、支払手形及び買掛金が90百万円減少、賞与引当金が46百万円減少したことによるものです。

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ3億2百万円減少し10億8百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失計上による利益剰余金3億24百万円の減少、その他有価証券評価差額金43百万円の増加によるものです。

なお、セグメントごとの資産は、次のとおりであります。

 

・美容事業

美容事業の総資産は7億8百万円(前期比2.7%減)となりました。

これは主に、現金及び預金が56百万円増加、グループ預け金が35百万円増加し、有形固定資産が1億9百万円減少したことによるものです。

・和装宝飾事業

和装宝飾事業の総資産は55億57百万円(前期比39.1%増)となりました。

これは主に、現金及び預金が7億1百万円増加し、売掛金が2億13百万円増加、商品及び製品が39百万円増加、グループ預け金が4億42百万円増加したことなどによるものです。

・DSM事業

DSM事業の総資産は1億87百万円(前期比17.8%減)となりました。

これは主に、売掛金の減少26百万円によるものです。

・その他の事業

その他の事業の総資産は12億35百万円(前期比9.0%減)となりました。

これは主に、グループ預け金が1億50百万円増加し、現金及び預金が2億15百万円減少、その他流動資産が14百万円減少したことなどによるものです。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ34億9百万円増加し49億85百万円となりました。 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、9億40百万円(前期は8億75百万円の支出)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純損失2億44百万円、未払金が6億41百万円増加、売上債権が1億82百万円増加したことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は77百万円(前期は30百万円の収入)となりました。

これは主に、店舗改装等に伴う有形固定資産の取得による支出64百万円、無形固定資産の取得による支出18百万円、差入保証金の回収による収入55百万円があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、25億47百万円(前期は4億93百万円の収入)となりました。

これは主に、短期借入金の増加額15億46百万円、長期借入れによる収入13億57百万円、長期借入金の返済による支出2億90百万円によるものであります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性について

①資金需要

当社グループの運転資金需要は、営業活動に係る資金支出では、商品の仕入及び人件費並びに賃借料を始めとする販売費及び一般管理費があります。

また、投資活動に係る需要としては、新規出店や店舗改装費用が発生するほか、事業領域の拡大を図るために事業買収(M&A)等の投資を推進しており、それに伴う資金需要の発生が見込まれます。

 

②財政政策

当社グループは、運転資金につきましては、手許資金及び短期借入金により調達することとしておりますが、グループ内の資金効率化のため、当社と子会社との間で、キャッシュ・マネジメント・システムを導入しており、資金余剰状態にある会社から資金需要が発生している会社への資金の流動性を確保しています。

またM&A等の投資に伴う資金については、金融機関からの借入を活用しており、取引金融機関からの資金調達に関しては問題なく実施可能と認識しております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。