当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、企業理念であります「お客様のわざわざに感激申し上げ、わざわざをもってお応えする」ことを創業以来の使命として、全社員に深く浸透させ、差別化したサ-ビスの実行に日々努めております。
出店戦略は、将来性もあり急成長を遂げる県として注目されている埼玉県を中心に、周辺地域に拡大していくという考え方を基本にしております。この地域において「街角の一軒」が店舗展開の方針であります。
営業方針は、「接客・調理の全てにおいてお客様にご恩返しをする」という精神を徹底し、わざわざ当社店舗に足を運んでくださるお客様に対し、誠心誠意真心を持っておもてなしをすることによってお客様のわざわざにお応えすることにあります。
(2)目標とする経営指標
当社は、持続可能な収益体制の構築を目指し、まずは現状の赤字を早期に解消することを最優先課題と位置づけております。地域のお客様に寄り添った商品・サービスのご提案を通じて、ご来店頻度の向上を図り、安定的な売上高の確保に努めるとともに、コスト面では原価率の適正管理、店舗スタッフの配置最適化および人件費の適正管理、さらに本社関連コストの見直し等により、収益性の改善を推進してまいります。
経営指標としては、売上高営業利益率を重視しており、まずは黒字化の達成を目指したうえで、段階的な利益率の向上を図ります。中長期的には、安定的な収益体制の確立を通じて、5%程度の水準の確保を目標としております。
また、財務健全性の回復に向けて、自己資本比率の改善にも取り組んでおります。現時点では27.7%と低水準にありますが、まずは財務の安定化を図り、将来的にはコロナ禍以前の水準への回復を目指してまいります。
(3)会社の対処すべき課題
外食業界の中でもとりわけ居酒屋業態の業況は依然として厳しい状態で推移しております。
①ご来店いただいたお客様の満足度向上
営業戦略につきましても、お客様満足の観点から、タイムリーかつ多様な販売促進活動を行い、リピーターの獲得につなげてまいります。こうした施策により既存店の活性化を図るとともに、既存店舗の営業力の強化、業態変更、店舗のリニューアル等、順次取り組んでまいります。
②人材育成
当社は、お客様のご来店にご恩返しする姿勢を堅持し、そうした対応ができる人材の育成のために研修・教育への投資をさらに充実してまいります。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社は、「食の楽しさを通じて、お客様に感動・満足を提供する」という経営理念に基づいて運営をしております。また、行動指針として「社員とその家族の幸せ」「お客様の幸せ」「お取引先様の幸せ」「地域の皆様の幸せ」「株主様等ステークホルダーの幸せ」を達成するための営業を行い、関わるすべてのステークホルダーの皆様と良好な関係を築きながら、持続的な成長及び企業価値向上を実現するためのサステナビリティに資する運営の強化を図っております。
(1)ガバナンス
当社においては、取締役会がサステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有して おり、当社のサステナビリティのリスク及び機会への対応方針及び実行計画等についての審議・監督を行っており ます。また、2024年9月24日開催の定時株主総会における承認をもって監査等委員会設置会社へ移行しており、取締役会の運営状況の監視及び取締役会の職務の執行を含む日常的活動の監査を行っております。当社のリスク及び機会を監視し、管理するためのガバナンスの状況の詳細は、「
(2)戦略
①お客様の声を聴く取り組み
当社の事業はBtoC100%であり、お客様に対する店舗での売上により運営しております。2025年6月期において営業損失を計上しておりますが、「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画」の達成に向け運営しております。また、お客様にご満足いただくための店舗運営の取り組みとして、ミステリーショッパーを導入し、お客様の声に耳を傾け、「お客様が主語」として運営すべく取り組んでおります。
②原価率低減を考慮した環境への取り組み
当社はサステナビリティに関する取り組みとして、営業黒字に資する投資であるかを前提に意思決定をしており、原価率低減に資するフライヤー油劣化軽減の投資、サイエンス社のミラブルプロダイナーによる水道使用量の節約と食器や床洗浄における洗剤の節約等を実施しております。
③人的資本への投資
当社の経営理念を実現するために、採用と研修に関しては、以下の取り組みを実施しております。
コロナ禍以前より飲食店の従業員採用は苦戦の傾向がありましたが、従来の募集方法の見直しを図るとともに、SNSを用いた当社の店舗と仕事の紹介を行い、新たな窓口からの採用強化に努めております。
また、社員に対する人事制度とは別に、2024年6月期の期首より、パートナーに対しても定期的に当社の求める業務の習得状況を数値化する仕組みにより、従業員の業務への練度を把握し、その習得状況に基づいた時給見直しをするキャリアアップ制度を導入し、モチベーションアップによりチーム力向上の仕組みをつくり進めております。当社の理念を実現するための研修としては、座学を具体的な行動へつなげるための事例共有や他社の店舗視察、社内異動による別業態の視点を取込み、新たな人材の採用と循環を進めております。
当社は日本料理の職人のいる酒場が強みであります。しかしながら新たに職人を育成、採用を進めることの厳しさを受け、職人に頼らずに運営できる業態へのシフトも進めております。これにより、新しい人材を採用し会社全体の平均年齢の若返りも進めていく運営を検討しております。
(3)リスク管理
当社は、上記のガバナンス体制のもと、リスクに係るモニタリングとその対応を実施する仕組みを運用しております。その機能において、サステナビリティに係る事業経営に関する様々なリスクについて定期的にモニタリング、評価を行い、そのリスクへの対応について協議し、対応策を指示・監督することでリスクマネジメントを実践するとともに、その内容を定期的に取締役会に報告する体制を構築し、リスクの低減・事業損失発生の未然防止に努めております。
(4)指標及び目標
当社では、上記「(2)戦略」において記載しました、当社の経営理念の達成に関する人材育成に関する方針及び社内整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
|
指標 |
実績(当事業年度) |
目標( |
|
|
|
|
|
|
|
|
(※)店長以上の役職者を集計対象の管理職としております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
1.株式会社大庄との関係について
当社は、株式会社大庄との間で、「第2 事業の状況 5 重要な契約等」に記載のフランチャイズチェーン加盟契約を締結しております。
この契約は、当社の事業の根幹にかかわる重要な契約であるため、事由の如何にかかわらず、この契約が終了、解除又は大きく変更された場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
2.食の安全性及び衛生管理について
当社は、安全安心な料理を提供することを使命としておりますが、今後食材に対する風評被害が起こった場合、また、店舗においては厳正な品質管理及び衛生管理を実施しておりますが衛生問題が発生した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
3.出店戦略について
当社の基本的な出店戦略は、埼玉を中心に埼玉近郊へ徐々に拡大していくというものであります。様々な理由により計画通りの出店ができない場合、また、競合店の出店等が生じた場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
4.店舗保証金について
当社は、店舗の建物を賃借して出店しており、出店時に建物所有者に対して保証金の差入れを行っております。建物の所有者である法人、個人が破綻等の状況に陥り建物の継続的使用や債権の回収が困難となった場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
5.人材の採用・確保・育成について
当社は、新規採用、アルバイトの社員登用、人材育成のために研修・教育に力を入れておりますが、店長・調理長等の育成には時間がかかるため、調理や接客等のオペレーションレベルが落ちる場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
6.大規模感染症の流行等について
新型感染症等の疾病が世界各地で大流行した場合等、当該エリアにおける店舗の営業が困難になることや、個人消費の落ち込みや生産・物流機能の停滞等により、経済が大きく減速する等の場合には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
7.継続企業の前提に関する重要事象等
2025年6月期は期首計画外の業態転換を含め7店舗のリニューアルを進めました。業態転換時の休業期間、また開店費用の負担増もありましたが、当社の業績は経常利益ベースにおいて増収増益の結果となっております。しかしながら、既存店のテコ入れと業態転換により業績改善は進んでおりますが、黒字転換は果たせておらず、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が継続しております。
このような状況を解消するために、当社は、事業の収益改善と財務安定化を目的として下記の改善策を実施してまいります。
まず事業の収益改善に関しては、地域的に苦戦している店舗のテコ入れを終え、自社ブランドである「じんべえ太郎」ではメニュー、オペレーションのブラッシュアップを行ってまいります。集客力の向上とともに、メニュー改定、オペレーション効率化等の基本施策を一つ一つ実施しております。コスト改善に関しては、メニューの適正化とロス管理、シフト管理等きめ細かいコスト管理を徹底してまいります。
また、好調なVANSAN業態においては本部指導の完遂による業態ポテンシャルの最大化に努めること、大庄ブランドにおいても、更なる収益改善の取組みを継続してまいります。
次に財務として業態転換による投資は一段落し、投資した店舗の安定化と収益力の向上のため、業績改善を進め、保有現預金に関して一定額のキャッシュ水準の維持に努めております。
当社は、当事業年度末現在で、現預金残高516,629千円、純資産残高426,215千円を有しており、安定的な財政状態を維持しております。今後も、これを基盤として上記対応策を進めていくことにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化やインバウンド(訪日外国人)需要の拡大等を背景に、緩やかな回復傾向が続きました。一方で、ウクライナや中東情勢の不安定な状態の長期化、米国・中国をはじめとする海外経済動向の不透明感、ならびにエネルギー・原材料価格の高騰や為替変動の影響、さらには物価高による個人消費への影響など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
外食業界においても、来店客数および売上高は持ち直しの傾向がみられましたが、米を始めとする主要原材料の価格の高騰、エネルギーコストの上昇、賃金上昇に伴う人件費の増加等、あらゆるコスト面での負担増加が継続し、事業環境は依然として厳しい状況となっております。
このような経営環境の下、当期は業態ポートフォリオの最適化に注力いたしました。前期末より業態転換のため閉店していた「日本海庄や三郷中央店」は2024年7月に「じんべえ太郎」「VANSAN」の2店舗として再開店し、以降第2四半期に「じんべえ太郎北鴻巣店」、第3四半期に「じんべえ太郎東浦和店」および当社独自業態「カラオケkobanちゃん」、第4四半期には「じんべえ太郎野木店」「じんべえ太郎雀宮店」を新たに開店し、営業利益率低下店舗または不採算店舗の業態転換を推進してまいりました。
これらの業態転換は、地域特性に応じた顧客ニーズへの的確な対応を図るとともに、幅広い顧客層の取り込みによる集客力の向上を目的としております。加えて、料理人の人材不足や人件費の高騰といった構造的課題への対応を進めるほか、視認性に優れた店舗空間の設計により、業務効率の改善を図っております。
さらに、モバイルオーダーの導入や接客手法の見直しを通じて、利便性の向上および顧客満足度の最大化を目指しております。
また、刷新のうえ再開した株主優待制度につきましては、2025年4月より再開後初となる株主様向けご優待飲食券の進呈を完了し、株主様をはじめとする多くのお客様の来店促進に寄与しております。
なお、2024年9月30日に開示いたしました「上場維持基準の適合に向けた計画に基づく進捗状況について」に記載のとおり、主要株主との対話を積極的に推進し、流通株式数の増加に向けた取り組みを継続しております。
今後も、株価の上昇および流通株式数の拡大の両面から施策を講じ、上場維持基準の達成ならびに持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。
当社は顧客満足度の向上と企業価値の持続的な向上に向けて、着実に取り組んでまいります。
当事業年度末の店舗数は、大衆割烹「庄や」10店舗、「日本海庄や」2店舗、カラオケルーム「kobanちゃん」1店舗、大衆すし酒場「じんべえ太郎」13店舗、Italian Kitchen「VANSAN」4店舗、女性専用AIパーソナルジム「FURDI」2店舗の合計32店舗となっております。
以上により、当事業年度の業績は、売上高1,871,516千円(前期比13.5%増)、売上総利益1,295,572千円(同13.5%増)、営業損失は139,905千円(前期は営業損失180,662千円)となりました。
経常損失は136,830千円(前期は経常損失172,101千円)となり、減損損失等による特別損失70,817千円を計上したことにより、税引前当期純損失は207,648千円(前期は税引前当期純損失198,801千円)となり、当期純損失は218,524千円(前期は当期純損失206,628千円)となりました。
セグメントの業績については、次のとおりであります。
|
|
料理飲食事業 |
その他 |
|
売上高 (前年同期比) |
1,829,149千円 (11.9%増) |
42,367千円 (196.3%増) |
|
セグメント利益又は損失(△) (前年同期比) |
61,456千円 (203.6%増) |
△16,965千円 (-) |
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べて200,912千円減少となり、366,505千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果使用した資金は53,139千円となりました。これは主に、税引前当期純損失207,648千円、減価償却費68,916千円、減損損失60,893千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は104,033千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出114,407千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は43,739千円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出50,199千円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
イ.収容能力及び収容実績
当事業年度における収容能力及び収容実績を業態別ごとに示すと次のとおりであります。
|
業態区分 |
前事業年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
当事業年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
||||||||
|
店舗数 (店) |
客席数 (千席) |
構成比 (%) |
来店客数 (千人) |
構成比 (%) |
店舗数 (店) |
客席数 (千席) |
構成比 (%) |
来店客数 (千人) |
構成比 (%) |
|
|
じんべえ太郎部門 |
8 |
217 |
22.0 |
191 |
28.9 |
13 |
285 |
29.6 |
241 |
33.7 |
|
庄や部門 |
16 |
545 |
55.3 |
301 |
45.7 |
10 |
453 |
46.9 |
264 |
36.9 |
|
日本海庄や部門 |
2 |
142 |
14.4 |
79 |
12.1 |
2 |
104 |
10.9 |
70 |
9.8 |
|
VANSAN部門 |
3 |
81 |
8.3 |
88 |
13.3 |
4 |
113 |
11.8 |
134 |
18.8 |
|
kobanちゃん部門 |
- |
- |
- |
- |
- |
1 |
8 |
0.8 |
5 |
0.8 |
|
FURDI部門 |
2 |
- |
- |
- |
- |
2 |
- |
- |
- |
- |
|
合計 |
31 |
986 |
100.0 |
660 |
100.0 |
32 |
966 |
100.0 |
716 |
100.0 |
(注)1.当事業年度における客席数は各月末現在の各店舗客席数×営業日数として算出しております。
2.前事業年度において庄や部門には、カラオケルーム「歌うんだ村」が含まれております。
ロ.販売実績
当事業年度における販売実績を業態別、地域別に示すと次のとおりであります。
1)業態別販売実績
|
業態区分 |
当事業年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
前期比(%) |
|
じんべえ太郎部門(千円) |
607,059 |
137.4 |
|
庄や部門(千円) |
708,059 |
91.7 |
|
日本海庄や部門(千円) |
192,731 |
90.2 |
|
VANSAN部門(千円) |
308,257 |
148.3 |
|
kobanちゃん部門(千円) |
13,041 |
- |
|
FURDI部門(千円) |
42,367 |
296.3 |
|
合計(千円) |
1,871,516 |
113.5 |
(注)前期比較において、庄や部門の前期販売実績には、カラオケルーム「歌うんだ村」が含まれております。
2)地域別販売実績
|
地域別 |
当事業年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
前期比(%) |
|
埼玉県(千円) |
1,606,391 |
115.8 |
|
栃木県(千円) |
119,031 |
90.1 |
|
群馬県(千円) |
96,534 |
113.3 |
|
千葉県(千円) |
49,559 |
109.5 |
|
合計(千円) |
1,871,516 |
113.5 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成にあたりましては、過去の実績や将来の計画等を踏まえて合理的に見積りを行っておりますが、実際の結果は、将来事象の結果に特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。
② 当事業年度の財政状態の分析
資産、負債および純資産の状況
(資産)
当事業年度末の資産合計は1,539,769千円となりました。流動資産合計は、前事業年度末に比べて195,682千円減少し、601,870千円となりました。その主な要因は、現金及び預金が200,909千円減少したことによるものです。また、固定資産合計は、前事業年度末に比べて47,126千円減少し、937,898千円となりました。その主な要因は、建物等の有形固定資産が22,254千円減少したことによるものです。
(負債)
当事業年度末における負債合計は1,113,554千円となりました。流動負債合計は、前事業年度末に比べて6,685千円増加し、394,471千円となりました。その主な要因は、未払金の減少37,618千円等によるものです。固定負債合計は、前事業年度末に比べて25,836千円減少し、719,082千円となりました。その主な要因は、長期借入金の減少50,199千円等によるものです。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は前事業年度末に比べて223,657千円減少し、426,215千円となりました。その主な要因は、当期純損失218,524千円によるものです。
③ 当事業年度の経営成績の分析
イ. 売上高
当事業年度における売上高は1,871,516千円(前期比221,888千円増)となりました。
これは主に、事業ポートフォリオの組み替えによる、業態変更と店舗数の増加による売上高の増加、及び店舗一部改装と既存店の店内活性化等による効果によるものであります。
ロ. 売上総利益
当事業年度における売上総利益は1,295,572千円(前期比154,527千円増)となりました。
これは主に、売上高の増加によるものであります。
ハ. 販売費及び一般管理費
当事業年度における販売費及び一般管理費は1,435,477千円(前期比113,770千円増)となりました。
これは主に、給料及び手当の増加71,513千円、及び地代家賃の増加14,108千円によるものであります。
ニ. 営業利益
当事業年度における営業損失は139,905千円(前期は営業損失180,662千円)となりました。
ホ. 経常利益
当事業年度における経常損失は136,830千円(前期は経常損失172,101千円)となりました。
これは、投資有価証券の繰上償還に際し、投資有価証券償還益を営業外収益に計上したことによるものであります。
へ. 特別損失
当事業年度における特別損失は70,817千円となりました。
これは、減損損失60,893千円、店舗閉鎖損失9,923千円によるものであります。
ト. 当期純利益
当事業年度における当期純損失は218,524千円(前期は当期純損失206,628千円)となりました。
④ 当事業年度のキャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑥ 経営戦略の現状と見通し
当事業年度においては新規出店および業態転換を進め、直近4年間で新規開店・改装を含む計17店舗への投資を実施いたしました。中でも、自社ブランドである「大衆すし酒場 じんべえ太郎」は、当社運営店舗において最多の業態となっております。
コロナ禍を経て、飲食店の利用形態は、少人数での来店やシニア層による早い時間帯の利用など、生活スタイルの変化に伴い大きく変化しております。加えて、原材料費や人件費等の各種コストの上昇により、当社を取り巻く経営環境は依然として厳しい状況が続いております。
こうした状況下において、当社は事業ポートフォリオの再構築と最適化を進めるとともに、原点である「より多くのお客様に飲食を通じて感動・満足を提供し続ける」という合言葉に、QSSCA(品質・サービス・スピード・清潔・雰囲気)の向上による既存店の活性化に取り組んでおります。
また、コスト上昇への対応として、付加価値の高い商品の開発を強化し、価格に対する納得感を提供することで、選ばれ続ける店舗づくりを推進してまいります。自社ブランド「じんべえ太郎」においては、独自の商品開発、オペレーション設計、価格戦略を通じて、利用しやすい店舗運営を目指しております。
なお、当事業年度末には、今後の収益性向上を見据え、進行期において採算性が低下する見込みの店舗について、将来リスクを早期に解消するための減損損失を計上いたしました。当社は、これを収益構造を再構築するための重要な節目と位置づけ、既存店の競争力強化や自社ブランド価値の向上に注力してまいります。今後も、収益力の向上に向けて全社一丸となって取り組んでまいります。
⑦ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の資金需要には、営業費用、例えば店舗運営に係る原材料の仕入や人件費の支払い、販売費及び一般管理費等に係る運転資金と店舗の新設や改装等の臨時的かつ多額な設備資金があります。
運転資金については、営業活動によって得られた自己資金で賄うことを原則としております。
また、設備資金についても、原則として自己資金により対応する方針ですが、回収期間が長期に及ぶことを考慮し、長期借入金及びリース契約も併せて活用する方針としております。
当社は、販売代金の決済の大半を現金決済が占めるため、当事業年度末における当座比率は142.9%、流動比率は152.6%となっております。今後も当社の資金需要への対応のため、十分な自己資金の確保に努めてまいります。
⑧ 経営上の目標の達成状況
当社は、安定的な収益体制の確立を目指し、当初より適正原価率の維持及びコスト管理を目指す観点から売上高営業利益率を収益性の経営指標として採用しております。
売上高営業利益率の当面の目標数値5.0%としておりましたが、当事業年度実績は売上高営業利益率△7.5%となっております。
このような状況を踏まえ、当社はまず黒字化の達成を最優先課題とし、原価率の適正管理や店舗スタッフ配置やコスト構造の見直しを通じて、収益性の改善に取り組んでおります。
また、自己資本比率については、安全性の経営指標として位置づけておりますが、当期純損失218,524千円の計上により、当事業年度末は27.7%となりました。今後は財務の安定化を図り、段階的な改善を目指してまいります。
⑨ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに関する仮定
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものは、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
フランチャイズ契約
当社は、大衆割烹「庄や」及び「日本海庄や」については株式会社大庄と、Italian Kitchen「VANSAN」については株式会社VANSANと、女性向けAIパーソナルトレーニングジム「FURDI」については株式会社FURDIとの間にそれぞれフランチャイズ契約を締結しております。
上記フランチャイズ契約の概要は以下のとおりであります。
(1)大庄グループ フランチャイズチェーン加盟契約
(イ)契約の内容 株式会社大庄から庄やグループの商号・商標・サービスマーク・庄やグループの統一されたイメージに基づいた店舗の設計、レイアウト、経営上のノウハウ及び加盟店に対する一切の助成を受ける権利を取得するとともに、株式会社大庄に対して、ロイヤリティ等の支払い、食材等の指定品目の購入の義務を負う。また、メニューについても株式会社大庄の指定するメニューを使用しなければならない。
(ロ)契約の対象 株式会社大庄の運営する各種業態
(ハ)加盟金等 加盟金 50万円
ロイヤリティ
店舗売上額に対して3%
(ニ)契約期間 契約締結日より3年間とする。(自動更新)
(ホ)更新料 3万円
(2)VANSANグループ フランチャイズチェーン加盟契約
(イ)契約の内容 株式会社VANSANからVANSANグループの商号・商標・サービスマーク・VANSANグループの統一されたイメージに基づいた店舗の設計、レイアウト、経営上のノウハウ及び加盟店に対する一切の助成を受ける権利を取得するとともに、株式会社VANSANに対して、ロイヤリティ等の支払い、食材等の指定品目の購入の義務を負う。また、メニューについても株式会社VANSANの指定するメニューを使用しなければならない。
(ロ)契約の対象 株式会社VANSANの運営する業態
(ハ)加盟金等 加盟金 300万円
ロイヤリティ
店舗売上額に対して5%
(ニ)契約期間 契約締結日より5年間とする。
(ホ)更新料 50万円
(3)FURDIフランチャイズチェーン加盟契約
(イ)契約の内容 株式会社FURDIから本部の定める商標・ロゴ・サービスマーク等、統一されたイメージに基づいた店舗の設計、レイアウト、ファディ―システム、ファディ―マシーンの使用等、経営上のノウハウ及び加盟店に対する一切の助成を受ける権利並びにフランチャイズ地域において1店舗出店の権利を取得する。
(ロ)契約の対象 株式会社FURDIの運営する業態
(ハ)加盟金等 加盟金 360万円
ロイヤリティ
店舗売上額に対して6%
(ニ)契約期間 契約締結日より5年間とする。
(ホ)更新料 90万円
特記すべき事項はありません。