文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、景気の緩やかな回復基調は続いているものの、円高の進行や不安定な株式市場に加え、中国をはじめとするアジア新興国や資源国の景気減速や、英国のEU離脱選択による欧州経済の混乱など、引き続きわが国の景気を下押しするリスクが懸念される状況であります。
また、雇用情勢・所得環境の改善は継続しているものの、個人消費には足踏みが見られ、物価上昇などへの懸念から、生鮮食品をはじめ食品全般の低価格志向や日常的支出への節約志向はいまだ根強いものがあります。
一方、水産業界におきましては、国内では魚離れが進んでいる反面、海外では魚食の広がりによる世界規模の需要増加により仕入価格が上昇するなど、当社を取り巻く経営環境は依然として厳しい状況が続いております。
このような厳しい経営環境の中、当社グループにおきましては、企業の持続的な成長と、ステークホルダーであるお客様・従業員・株主様・社会に対しての責任を果たすため、2016年度を初年度とする新たな3カ年計画(2016年度~2018年度)“「魚力ブランド」クリエーションプラン2018”を策定し、各事業分野における基本戦略に取り組んでまいりました。
新たな中期経営計画の初年度である今期の経営目標として“「魚力ブランド」確立への挑戦”を掲げ、お客様満足度(CS)の追求により“お客様に感動を与える”企業をめざすとともに、従業員満足度(ES)の追求により“社員がやりがいを感じる”企業をめざしております。
この間、小売事業で1店舗を出店する一方、経営資源の効率化を図るため1店舗を退店し、当第1四半期連結会計期間末の営業店舗数は69店舗となりました。
この結果、当社グループの当第1四半期連結累計期間の売上高は、連結子会社の持分法適用関連会社への異動に伴い、65億47百万円(前年同期比9.5%減)、営業利益は1億92百万円(前年同期比30.2%減)、経常利益は1億64百万円(前年同期比52.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億14百万円(前年同期比60.0%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
①小売事業
小売事業では、地元漁港と連携した「青森深浦フェア」や「伊勢志摩フェア」、ゴールデンウィークセールなどのイベントは好調だったものの、天候不順の影響や競合店出店などの影響により、既存店舗の売上高は対前年同期比2.4%の減少となりました。
新店は、平成28年4月に渋谷駅に隣接する「東急百貨店渋谷東横店西館」内に「渋谷魚河岸店」(東京都渋谷区)を開店しております。
また、既存店舗の活性化策として、小岩店(東京都江戸川区)は、ショッピングセンター改装に併せた売場のリニューアルを実施し、平成28年4月に改装オープンいたしました。
一方、経営資源の効率化を図るため、平成28年6月に東大和店(東京都東大和市)を退店しております。
この結果、売上高は60億46百万円(前年同期比6.7%増)、営業利益は2億15百万円(前年同期比8.6%減)となりました。
②飲食事業
飲食事業では、営業の強化を図るとともに、オペレーション体制の見直しを行ったものの、低価格志向の新業態店や競合店の参入等で売上高は減少いたしました。
また、今後の出店戦略に備えた飲食事業の組織強化に伴う人件費が増加いたしました。
この結果、売上高は1億75百万円(前年同期比5.5%減)、営業利益は5百万円(前年同期比69.9%減)となりました。
③卸売事業
卸売事業では、前期まで連結子会社であったウオリキ・フレッシュ・インクが持分法適用関連会社へ異動した影響で、売上高は8億82百万円減少、営業利益は36百万円減少いたしました。
一方、グループ間の販売体制を見直し、子会社の株式会社大田魚力は外食チェーンを中心とした取引先を専門とし、当社は国内スーパーマーケットへの卸売事業を引き継ぐ形に変更いたしました。
平成28年4月に設立した合弁会社の株式会社シーフードワークスは、高鮮度凍結魚の販売を中心に売上高は34百万円となりました。
この結果、グループ全体の卸売事業の売上高は3億9百万円(前年同期比77.3%減)、営業利益は4百万円(前年同期比90.5%減)となりました。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
該当事項はありません。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社グループは、強みである鮮魚の仕入力、販売力と経営実績によりつくられた信用力を活かして、総合的な「海産流通業」をめざすことを基本的な経営戦略としております。
この実現のために、基幹事業である鮮魚及び寿司の小売事業の事業内容の強化と首都圏及び中京圏を中心とした店舗網の拡大・整備を図っております。特に昨今需要が高まっている寿司については、小面積でも出店可能なテイクアウト専門店の出店を加速させるとともに、その事業構造の確立と多店舗展開を視野に入れた新規出店先の開発に注力しております。
飲食事業につきましては、ここ数年継続して黒字を計上していることから、積極的な出店政策へと舵を取りグループ成長戦略の一翼を担うべく事業規模の拡大をめざしてまいります。
卸売事業につきましては、株式会社魚力では鮮魚の仕入力の強さと培ってきた鮮魚の販売ノウハウを活かし、リテールサポートを付加した食品スーパーを取引先とする鮮魚卸売事業を担い、子会社の株式会社大田魚力は、新鮮な生魚を中心とした飲食店への卸売事業に取り組んでまいります。
また、海外での和食ブームの中、日本食レストランの増加を背景として魚介類に対する海外での需要増加を見込み、高速冷凍技術を持つ株式会社フードワークスと合弁会社を設立し、全国から仕入れた魚介類を高鮮度で凍結・加工した商品を、国内及び米国・東南アジアを始めとする海外へ輸出販売することを推進してまいります。更に、株式会社フードワークスと全国農業協同組合(JA全農)との合弁会社株式会社わしょくワークスが実施した第三者割当増資を引き受け、同社が展開する東南アジアでの日本食レストランの事業展開に参画するとともに、当社グループ会社とJA全農との新たな事業についても連携を進めてまいります。
加えて、米国における鮮魚卸売会社ウオリキ・フレッシュ・インクは、大手総合商社として海外で幅広く事業展開している伊藤忠商事株式会社との連携を強化し、同社の流通・販売網を利用したビジネスモデルの構築を進め、業容の拡大に取り組んでまいります。
一方、天然の魚資源の枯渇化に備え養殖魚の安定的調達のため養殖業者との資本・業務提携を行い、新たな時代のニーズに対応した商品開発や品揃えに対応してまいります。
これらの事業を円滑かつ効率的に推進するため、平成28年11月開場予定の東京都中央卸売市場豊洲市場を活用したグループとしての新しい物流システムを構築してまいります。また、併せてグループ情報システムのレベルアップを図ってまいります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
(資金需要)
当社グループの運転資金需要の主なものは、当社グループ販売商品の購入の他、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。
営業費用の主なものは、人件費、店舗賃借料及び店舗運営に関わる費用(テナント経費・水道光熱費・販売促進費等)であります。
設備資金需要のうち主なものは、小売事業、飲食事業の新規店舗・改装店舗に関わる店舗内装・空調・衛生厨房設備等の販売拠点の拡充・整備によるものと、全社的なIT活用推進を図るための、本社・店舗間のネットワーク構築やセキュリティ対策等のシステム投資であります。
(財務政策)
当社グループは現在、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金でまかなう事を基本方針としております。
従いまして、無借金経営政策を継続しておりますが、借入枠につきましては、金融機関2行との間に合計6億円の当座貸越契約を締結し、不測の事態に備えております。
当社グループは、健全な財務状態を継続しつつ、営業活動により得られるキャッシュ・フローから、成長を維持するための将来必要な資金を調達することが可能と考えております。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループを取り巻く経営環境は、人口の減少、少子高齢化の進行等により、魚食が減少する状況にあります。また、魚資源の枯渇化の進行や、海外の魚食普及・魚価の高騰など、魚を取り巻く環境はより一層厳しくなるものと考えております。しかしながら、このような時こそ「良い魚を鮮度良く、より安い価格で提供する」という当社の創業以来の精神を継続して持ち続け、お客様の支持を絶対的なものとするとともに、日本の伝統文化である魚食の普及に取り組み、経営基盤をより確固たるものにしたいと考えております。
現状の課題としては、店舗運営の収益構造の改善が重要と考えております。小売業界におきましては業態を超えた企業間の競争はますます激化し、食品スーパーはもとよりネット販売との競争などに対して、今まで以上に顧客のニーズに対応した商品開発や品揃えに対応するとともに、サービスレベルの向上に努め収益力の強化を図ってまいります。そのため、社員の販売技術や加工技術のレベルアップを図るとともに、パート・アルバイトの職域拡大と早期戦力化に取り組み生産性の向上に努めております。併せて、お客様満足度(CS)向上のため、全社的な「CS推進プロジェクト」を立ち上げ接客技術の向上に取り組んでおります。
次に、成長性の確保があげられます。当社は小売事業において一定の売上が見込めるターミナル駅近隣の商業施設への出店を基本としており、今後の成長性を確保するためにも首都圏を中心とした店舗開発情報の収集に力を入れ、積極的な物件開発に取り組むことが重要であります。一方、寿司テイクアウト専門店については、従来から展開する「魚力海鮮寿司」の業態に加え、江戸前寿司と米国風ロール寿司を中心に品揃えする「Sushi力蔵」と、百貨店を中心に出店しているハイグレードな江戸前寿司を品揃えする「かげん鮨」の3業態の事業構造を確立し、多店舗展開を視野に入れた新規出店先の開拓を進めてまいります。また、飲食事業においては、安定的に黒字を確保しているため積極的な出店政策へと転換してまいります。
また、積極的な出店に合わせた人材の確保と育成が課題となっております。当社の将来を担う経営幹部や店舗管理職の育成は不可欠であり、全社的な「新卒採用教育プロジェクト」を立ち上げ、採用活動の強化並びに社員教育の充実を図ってまいります。更に、店舗の重要な戦力となるパート・アルバイトの確保も昨今困難な状況となっており、従来の募集活動に加え社員紹介制度やホームページを活用した募集等により人員の確保を図っております。
更に、海外事業の事業構造の確立が急務であります。高鮮度凍結魚の海外輸出販売を担う株式会社シーフードワークスの合弁会社設立、株式会社わしょくワークスの第三者割当増資引き受けによる全国農業協同組合(JA全農)との海外事業の共同展開、ウオリキ・フレッシュ・インクにおける伊藤忠商事株式会社との連携強化による米国での鮮魚卸売事業の拡大など、グループ企業の設立・再編による相乗効果を安定的に享受するための事業構造を確立してまいります。
これらの事業展開を支える経営基盤を確立するためには、リスクマネジメントの強化が重要であります。「食の安全」につきましては継続してお客様の信用を得ていくことが重要な課題であり、制度の更なる整備、教育の徹底、現場の指導強化を進め、商品管理体制を確立してまいります。また、コンプライアンスへの対応も重要課題であり、魚力行動規範の遵守、労働環境の改善、当社業務に係る諸法令・規則等の教育等、法令遵守の体制づくりに取り組んでまいります。