第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当期におけるわが国経済は、政府の景気対策や日銀の金融政策などにより企業収益の改善が見られるものの、円安による物価の上昇や海外経済の不確実性の高まりもあり先行き不透明な状況が続いております。

外食産業においては、原材料価格などの上昇や異業種との競争、労働力人口減少に加え人件費関連コスト等の上昇もあり、厳しい状況でありました。

このような環境のもとで、当社は首都圏600店舗体制に向けて安定的な新規出店、サービス水準の向上に向けた取組みや季節メニューの投入などを行い、業容拡大を図ってまいりました。

店舗展開については、22店舗出店(東京都9店舗、埼玉県4店舗、神奈川県8店舗、千葉県1店舗)、退店は6店舗となりましたので、2月末の直営店舗数は397店舗となりました。

販売面においては、季節メニューとして3月・4月には毎年評価をいただいている「和風つけ麺」や「黒酢しょうゆ冷し麺」を投入し、順次、国産豚モツを使用した「ガッツリホルモン」、「ごま味噌冷し」を投入しました。9月には低カロリーメニューの「ヘルシーオリーブ麺」、10月には「肉そば」、11月には「チゲ味噌ラーメン」を投入しました。また炒飯と唐揚げのお得なセットである「炒飯セット祭り」も展開しました。1月には「海老味噌ラーメン」、2月には「モツ野菜ラーメン」を投入しました。9月などは天候不順などもあり苦戦しましたが、アルコール類が好調に推移したこともあり、既存店の3月~2月累計の売上高前年同期比は100.0%となりました。サービス水準向上に向けた取り組みとしては、階層別や接客・調理技術に関する社内資格の取得増加に向けた研修の継続実施、研修ツールの充実などを行いました。

生産・原価面につきましては、米・野菜等の購入価格の上昇もありましたが、減価償却費負担の減少や光熱費の支出減等もあり原価率は27.3%(前期は27.3%)となりました。

販売費及び一般管理費につきましては、フレンド社員(パート・アルバイト社員の当社における呼称)の時給上昇に加えて短時間労働者の社会保険加入拡大などによる人件費の増加もありましたが、新規出店が前期に比べて3店舗減の22店舗となったことや、光熱費の支出減もあり対売上高比は60.8%(前期は60.9%)となりました。

この結果、当期の売上高は385億14百万円(前期比4.7%増)、営業利益は45億64百万円(前期比5.3%増)、経常利益は45億67百万円(前期比7.4%増)と増収増益になり、営業利益・経常利益とも14期連続で過去最高益を更新しました。

特別利益には店舗の建て替えに伴う補償金32百万円を計上し、特別損失には退店に伴う減損損失などにより50百万円を計上しましたので、当期純利益は29億16百万円(前期比5.7%増)となりました。

なお、飲食店チェーン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。

 

(2)キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フロー   4,280百万円

投資活動によるキャッシュ・フロー  △1,937百万円

財務活動によるキャッシュ・フロー   △936百万円

現金及び現金同等物の期末残高     8,209百万円(前期比14億7百万円増)

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動の結果、得られた資金は42億80百万円(前期は41億27百万円)となり、前期に比べて1億52百万円の増加となりました。これは、税引前当期純利益が3億5百万円増加したことなどによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動の結果、使用した資金は19億37百万円(前期は19億51百万円)となりました。これは、新規出店や改装等に伴う有形固定資産の取得による支出12億91百万円(前期は10億4百万円)、敷金及び保証金の差入による支出2億20百万円(前期は3億63百万円)などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動の結果、支出した資金は9億36百万円(前期は8億47百万円)となりました。これは長期借入金の返済1億20百万円(前期は1億20百万円)、配当金の支払額7億91百万円(前期は6億59百万円)などによるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当期における生産実績を品目別に示すと次のとおりであります。

品目

生産高(千円)

前年同期比(%)

麺類

756,057

97.6

餃子・飲茶類

895,769

99.0

調味類

787,584

97.8

加工品類

1,031,553

100.3

合計

3,470,963

98.8

 (注)1 金額は製造原価によって表示しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3 飲食店チェーン関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。

(2)受注実績

 当社は飲食業であり、見込生産によっておりますので、受注高並びに受注残高については記載すべき事項はありません。

(3)販売実績

業態

期末店舗数

金額(千円)

前年同期比(%)

日高屋

373

36,751,758

104.7

その他業態

24

1,719,841

106.6

その他

42,683

44.8

合計

397

38,514,283

104.7

 (注)1 当社では販売品目が多岐にわたるため、品目別の販売実績を記載することは困難でありますので、業態別の販売実績を記載しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3 「日高屋」には、「中華そば日高屋」「中華食堂日高屋」「来来軒」を含めております。

4 「その他業態」は、「焼鳥日高」等を含めております。なお、増加の主な理由は「焼鳥日高」業態の売上高の増加によるものであります。

5 その他には、FC向けの売上高等を含めております。なお、減少の主な理由は従業員向け販売の計上方法変更によるものであります。

6 飲食店チェーン関連事業の単一セグメントであるため、業態別に記載しております。

3【対処すべき課題】

(1)現状の認識、対処方針等について

 中長期的な会社の経営戦略達成のため、当社は以下の課題に取組み、事業の拡大と収益基盤の強化を目指してまいります。

①店舗数拡大に対応した人財の確保や人財育成、店長育成や次世代の経営者層育成の取組みを継続します。定着した店長自主管理経営による店舗運営を継続し、各種研修を通じて経営理念や経営ビジョン等の浸透を図るとともに、就労環境の改善のための様々な施策を進めてまいります。

②安定成長を基本として、既存店活性化に注力するとともに、年間30店舗を目処に新規出店を行い、首都圏で600店舗体制の実現を目指します。当社の主力業態である「日高屋」「焼鳥日高」ブランドの維持向上を図るとともに、新業態開発も検討してまいります。

③「Q(味)、S(サービス)、C(清潔・安全)」の向上のための研修(接客や調理に関する社内資格の取得者増加等)や季節限定メニューの投入、既存商品のブラッシュアップを図ります。また、時代の流れに対応し、より多くのお客様に満足していただけるお店づくりに努めてまいります。

④生産・物流の拠点である行田工場では、ISO22000(食の安全・安心マネジメントに関する国際規格)システムを順守し、更に高品質で安全安心な製品を皆様に提供するよう努めてまいります。また、全社的な品質保証体制の更なる充実も図ってまいります。

 

(2)株式会社の支配に関する基本方針について

 1.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

 当社は、「会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者」としては、コーポレートガバナンスを確立し、中長期的に企業価値ひいては株主共同の利益の増大に資する者が望ましいと考えており、このため

①法令・社会規範を遵守し、客観性と透明性を確保する経営体制の構築

②経営資源の有効活用による業績の継続的な向上と適正な利益還元

③顧客・従業員をはじめとするすべてのステークホルダーとの相互信頼に基づく共存共栄

 を経営の基本方針として、企業価値並びに株主共同利益の増大に取り組んでまいります。

 2.基本方針の実現に資する特別な取組み等について

①企業価値向上への取組みについて

 当社は、創業以来「駅前の屋台」を基本コンセプトとして、国民食といわれるラーメンを主体とする大衆中華を、低価格かつ高水準の品質とサービスで提供するべく直営店方式にこだわって展開してまいりました。また、立地戦略においては駅前一等地に注力する一方、主要食材であるラーメン、餃子、スープ等については自社工場で製造し、品質の維持向上とコストの低減を図ってまいりました。そしてまた、経営理念・ビジョンを共有した経営者と従業員との深い信頼に基づいた一体運営をベースにおくとともに、取引先とも親密な取引・協力関係を築いてまいりました。このような事業活動のもとで、お客様のご支持をいただき、現在順調な拡大を続けており、更なる企業価値の向上に取り組んでまいります。

②大規模買付け提案への考え方について

 当社は現在、大規模買付け者が出現した場合の特別な取組み(いわゆる「買収防衛策」)を定めてはおりません。しかしながら、企業価値の増大並びに株主共同の利益を毀損しないためにも当社の株式移動の状況を常に注視し、当社株式を大量に取得しようとする者が出現した場合は、直ちに当社として最も適切と考えられる措置をとる方針であります。
 

4【事業等のリスク】

当社の経営成績及び財政状態等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項については、以下のようなものがあります。

なお、当社の事業においてはこれら以外にも様々なリスクを伴っており、ここに記載されたものがリスクの全てではありません。また、文中において将来について記載した事項は、当期末現在において判断したものであります。

①事業展開について

当社はラーメン・餃子・中華料理などを主とした飲食店チェーンを直営店方式により首都圏で展開しております。平成29年2月末現在、東京都192店舗、埼玉県98店舗、神奈川県64店舗、千葉県40店舗、栃木県1店舗、茨城県2店舗、計397店舗を駅前繁華街等に出店しており、業態別では「日高屋」を中心に展開しております。今後も、引き続き従来の首都圏一都三県の駅前繁華街等への出店を中心に行う方針でありますが、出店先の立地条件、賃借条件、店舗の採算性などを勘案して出店を決定しており、当社の希望する条件に合致した物件が見つからず計画通りに出店できない場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、出店計画もしくは業態の変更等のほか、消費者の嗜好もしくはニーズの変化、競合他社との競争激化、材料価格の上昇、天候不順、自然災害の発生、既存店の売上高逓減、不採算店の撤退による損失の発生等があった場合において、当社の業績が影響を受ける可能性があります。

②人財の確保等について

当社は、業容の拡大に伴い、社員及びフレンド社員の採用数の増加及び研修制度の充実を図ってまいりましたが、雇用情勢の変化、若年層の減少などにより、人財の確保が計画通りに進捗しなかった場合、業績に影響を与える可能性があります。

③敷金及び保証金について

当社は、平成29年2月末現在397店舗中394店舗が賃借物件となっております。また、敷金及び保証金の総資産に占める割合は、平成29年2月末現在16.3%となっております。当社は与信管理を慎重に行っておりますが、賃借先の経営状況により差し入れた敷金及び保証金の返還や店舗営業の継続に支障等が発生する可能性があります。

④衛生管理及び製造機能の集中等について

当社は、衛生管理につきまして、店舗においては食品衛生法における飲食店営業許可、行田工場においては食品衛生法における麺類製造業、惣菜製造業並びに食肉販売業の許可を取得しております。営業許可の有効期限は食品衛生法第52条第3項に基づいて定められており、営業許可の更新は所定の更新手続きを行うことにより可能でありますが、食品衛生法の定める施設基準に対して不適合の場合営業許可は更新されず、不適事項について改善のうえ再検査を行い、基準に適合する必要があります。

また、当社では、食材の購買並びに麺・餃子・調味料などの製造を行田工場(埼玉県行田市)に集約しております。食材の購買においては、食材の成分表及び一般生菌検査表の確認等厳正な品質管理及び衛生管理を実施しておりますが、店舗で食中毒が発生し、その原因が行田工場で製造した食材や食品衛生法上認められていない原材料等を使用したことによる場合には、営業許可が取消又は停止されることがあります。行田工場において営業許可の取消又は停止事由が生じた場合、当社の製造機能等は行田工場のみでありますので、当社の主要な事業活動に支障をきたすとともに業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、衛生問題以外の問題の発生により、工場が一時的な操業停止、又は工場稼働率が低下した場合においても、各店舗への食材供給に支障をきたすことにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

加えて当社における衛生問題のみならず、食品業界における異物混入や食中毒事故、国内外における食品の安全安心に係る問題が発生した場合にも、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤短時間労働者及び従業員の処遇等について

当社は、平成29年2月末現在において8,123人のフレンド社員を雇用しており、業種柄多くの短時間労働者が就業しております。平成28年10月より社会保険の加入基準が拡大されましたが、更に年金制度の変更や厚生年金への加入基準の拡大が実施された場合には、当社が負担する保険料の増加等により当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、短時間労働者を対象とした法令の改廃あるいは、労働市場環境等に変化があり、従業員の処遇等について大幅な変更が生じる場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

6【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

(1)経営成績

 売上高は、前期比17億18百万円増加の385億14百万円となりました。この増加要因は、22店舗の新規出店効果、前期出店店舗のフル稼働、既存店舗の好調によるものであります。

 売上原価は食材の値上げや光熱費支出減もあり原価率は27.3%となりました。

 この結果、売上総利益は前期比12億51百万円増加の279億98百万円となりました。

 販売費及び一般管理費は、前期比10億19百万円増加の234億33百万円となりました。これは人件費の増加によるものです。この結果、営業利益は、前期比2億31百万円増加の45億64百万円となりました。

 営業外損益は、営業外収益が前期比23百万円増加し1億15百万円、営業外費用は、前期比58百万円減少し1億11百万円となりました。この結果、経常利益は、前期比3億13百万円増加の45億67百万円となり、14期連続で過去最高益を更新することができました。

 特別損失には、減損損失の計上など合計で50百万円を計上しました。

 以上により、税引前当期純利益は、前期比3億5百万円増加の45億49百万円となりました。

(2)財政状態

 当期末の総資産は、270億67百万円となり前期末に比べて19億30百万円増加いたしました。これは主に流動資産の増加によるものです。
 負債合計は60億42百万円となり前期末に比べて1億90百万円減少いたしました。これは未払金の減少や長期借入金の約定返済によるものであります。

 純資産合計は、210億25百万円となり前期末に比べ21億21百万円増加し、これらの結果、自己資本比率は77.7%となりました。
(3)キャッシュ・フロー

 当期末における現金及び現金同等物の残高は、前期末に比べ14億7百万円増加し、82億9百万円となりました。これは、営業活動によるキャッシュ・フローが42億80百万円の獲得となったこと、投資活動によるキャッシュ・フローが19億37百万円の使用、財務活動によるキャッシュ・フローが9億36百万円の使用になったことによるものであります。

(4)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社は将来、首都圏に600店舗体制をめざしております。外食企業のみならず他業種との競争の経営環境で、当社がさらなる発展を実現するためには、商品力の強化とローコスト・オペレーションの仕組みづくりを強化することが重要であると考えております。そのために、「3 対処すべき課題」で記載した課題を克服し、この目標の実現に努めてまいります。