文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社の経営理念
「私たちは、美味しい料理を真心込めて提供します。」
「私たちは、夢に向かって挑戦し、進化し続けます。」
「私たちは、常に感謝の心を持ち、人間形成に努めます。」
この基本理念に基づき、駅前に「日高屋」がある、そんな当たり前の風景を夢見て、お客様においしい料理を、低価格で提供し、ハッピーな一日(ハイデイ)を過ごしていただきたく、そして、このことを通じて、会社の発展、従業員の幸せと社会への貢献を実現するのが、当社の経営ビジョンであります。
(2)経営戦略等
首都圏600店舗体制を目指し事業の拡大と収益基盤の強化を目指してまいります。具体的には、主に首都圏一都三県の主要駅前繁華街には、当社の店舗が複数存在するような事業の拡大(600店舗体制)を実現するとともに、透明性と効率の高い経営体制の確立を目指しております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、株主の皆様からお預かりした株主資本を効率的に活用することを第一義に考えております。このため、ROE(株主資本当期純利益率)を重要指標としており、目標水準としまして長期安定的に10%以上を維持したいと考えております。
この水準達成のため、経営活動における事業効率性の指標として、売上高経常利益率10%を長期安定的に実現できるよう努めてまいります。
(4)経営環境
今後のわが国経済は、少子高齢社会となり大幅な成長は期待できないものと思われます。外食業界を取り巻く環境においても、競争激化など依然として厳しいものと予想されます。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社は以下の課題に取組み、事業の拡大と収益基盤の強化を目指してまいります。
①人財の確保や人財育成、店長育成や次世代の経営者層育成の取組みを継続します。店舗運営においては定着した店長自主管理経営を継続し、各種研修を通じて経営理念や経営ビジョン等の浸透を図ります。研修制度の見直しや研修回数の増加を行ってまいります。フレンド社員(パート・アルバイト社員の当社における呼称)の在籍数増加や定着率向上、営業時間の見直しや有給休暇取得の推進などの各種施策を行い、就労環境の改善を着実に進めてまいります。
②安定成長を基本として、既存店活性化に注力するとともに、年間30店舗を目処に新規出店を行い、首都圏で600店舗体制の実現を目指します。当社の主力業態である「日高屋」「焼鳥日高」ブランドの維持向上を図るとともに、新業態の出店も行ってまいります。
③「Q(味)、S(サービス)、C(清潔・安全)」の向上のための研修(接客や調理に関する社内資格の取得者増加等)や季節限定メニューの投入、既存商品のブラッシュアップを図ります。また、時代の流れに対応し、より多くのお客様に満足していただけるお店づくりに努めてまいります。
④生産・物流の拠点である行田工場では、ISO22000(食の安全・安心マネジメントに関する国際規格)システムを順守し、更に高品質で安全・安心な製品を皆様に提供するよう努めてまいります。また、全社的な品質保証体制の更なる充実も図ってまいります。
(6)株式会社の支配に関する基本方針について
1.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、「会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者」としては、コーポレートガバナンスを確立し、中長期的に企業価値ひいては株主共同の利益の増大に資する者が望ましいと考えており、このため
①法令・社会規範を遵守し、客観性と透明性を確保する経営体制の構築
②経営資源の有効活用による業績の継続的な向上と適正な利益還元
③顧客・従業員をはじめとするすべてのステークホルダーとの相互信頼に基づく共存共栄
を経営の基本方針として、企業価値並びに株主共同利益の増大に取り組んでまいります。
2.基本方針の実現に資する特別な取組み等について
①企業価値向上への取組みについて
当社は、創業以来「駅前の屋台」を基本コンセプトとして、国民食といわれるラーメンを主体とする大衆中華を、低価格かつ高水準の品質とサービスで提供するべく直営店方式にこだわって展開してまいりました。また、立地戦略においては駅前一等地に注力する一方、主要食材であるラーメン、餃子、スープ等については自社工場で製造し、品質の維持向上とコストの低減を図ってまいりました。そしてまた、経営理念・ビジョンを共有した経営者と従業員との深い信頼に基づいた一体運営をベースにおくとともに、取引先とも親密な取引・協力関係を築いてまいりました。このような事業活動のもとで、お客様のご支持をいただき、現在順調な拡大を続けており、更なる企業価値の向上に取り組んでまいります。
②大規模買付け提案への考え方について
当社は現在、大規模買付け者が出現した場合の特別な取組み(いわゆる「買収防衛策」)を定めてはおりません。しかしながら、企業価値の増大並びに株主共同の利益を毀損しないためにも当社の株式移動の状況を常に注視し、当社株式を大量に取得しようとする者が出現した場合は、直ちに当社として最も適切と考えられる措置をとる方針であります。
当社の経営成績及び財政状態等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項については、以下のようなものがあります。
なお、当社の事業においてはこれら以外にも様々なリスクを伴っており、ここに記載されたものがリスクの全てではありません。また、文中において将来について記載した事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①事業展開について
当社はラーメン・餃子・中華料理などを主とした飲食店チェーンを主に直営店方式により首都圏で展開しております。2019年2月末現在、東京都209店舗、埼玉県105店舗、神奈川県67店舗、千葉県45店舗、栃木県1店舗、茨城県2店舗、計429店舗を駅前繁華街等に出店しており、業態別では「日高屋」を中心に展開しております。今後も、引き続き従来の首都圏一都三県の駅前繁華街等への出店を中心に行う方針でありますが、出店先の立地条件、賃借条件、店舗の採算性などを勘案して出店を決定しており、当社の希望する条件に合致した物件が見つからず計画通りに出店できない場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、出店計画もしくは業態の変更等のほか、消費者の嗜好もしくはニーズの変化、競合他社との競争激化、原材料価格の上昇、天候不順、自然災害の発生、既存店の売上高逓減、不採算店の撤退による損失の発生等があった場合において、当社の業績が影響を受ける可能性があります。
②人財の確保等について
当社は、業容の拡大に伴い、社員及びフレンド社員の採用数の増加及び研修制度の充実を図ってまいりましたが、雇用情勢の変化、若年層の減少などにより、人財の確保が計画通りに進捗しなかった場合、業績に影響を与える可能性があります。
③敷金及び保証金について
当社は、2019年2月末現在429店舗中426店舗が賃借物件となっております。また、敷金及び保証金の総資産に占める割合は、2019年2月末現在14.9%となっております。当社は与信管理を慎重に行っておりますが、賃借先の経営状況により差し入れた敷金及び保証金の返還や店舗営業の継続に支障等が発生する可能性があります。
④衛生管理及び製造機能の集中等について
当社は、衛生管理につきまして、店舗においては食品衛生法における飲食店営業許可、行田工場(埼玉県行田市)においては食品衛生法における麺類製造業、惣菜製造業並びに食肉販売業の許可を取得しております。営業許可の有効期限は食品衛生法第52条第3項に基づいて定められており、営業許可の更新は所定の更新手続きを行うことにより可能でありますが、食品衛生法の定める施設基準に対して不適合の場合営業許可は更新されず、不適事項について改善のうえ再検査を行い、基準に適合する必要があります。
また、当社では、食材の購買並びに麺・餃子・調味料などの製造を行田工場に集約しております。食材の購買においては、食材の成分表及び一般生菌検査表の確認等厳正な品質管理及び衛生管理を実施しておりますが、店舗で食中毒が発生し、その原因が行田工場で製造した食材や食品衛生法上認められていない原材料等を使用したことによる場合には、営業許可が取消又は停止されることがあります。行田工場において営業許可の取消又は停止事由が生じた場合、当社の製造機能等は行田工場のみでありますので、当社の主要な事業活動に支障をきたすとともに業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、衛生問題以外の問題の発生により、工場が一時的な操業停止、又は工場稼働率が低下した場合においても、各店舗への食材供給に支障をきたすことにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
加えて当社における衛生問題のみならず、食品業界における異物混入や食中毒事故、国内外における食品の安全安心に係る問題が発生した場合にも、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤短時間労働者及び従業員の処遇等について
当社は、2019年2月末現在において8,752人のフレンド社員を雇用しており、業種柄多くの短時間労働者が就業しております。更に年金制度の変更や厚生年金への加入基準の拡大が実施された場合には、当社が負担する保険料の増加等により当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、短時間労働者を対象とした法令の改廃あるいは、労働市場環境等に変化があり、従業員の処遇等について大幅な変更が生じる場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
業績等の概要
(1)業績
当期におけるわが国経済は、企業収益の改善に加え、個人消費の持ち直しなどもあり緩やかな回復基調で推移しましたが、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動などが懸念され先行き不透明な状況が続いております。
外食産業においては、人手不足による人件費関連コスト等の上昇もあり、厳しい状況でありました。
このような環境のもとで、当社は首都圏600店舗体制に向けて安定的な新規出店、サービス水準の向上に向けた取組みや季節メニューの投入などを行い、業容拡大を図ってまいりました。
店舗展開については、25店舗出店(東京都11店舗、埼玉県6店舗、神奈川県4店舗、千葉県4店舗)、退店は9店舗(FC転換2店舗含む)となりましたので、2月末の直営店舗数は429店舗となりました。業態別の店舗数は「日高屋」(来来軒含む)が398店舗、「焼鳥日高」(大衆酒場含む)が29店舗、「中華一番」が1店舗、「とんかつ日高」が1店舗となりました。
季節メニューとして4月に毎年好評をいただいている「黒酢しょうゆ冷し麺」と「エビ辛とんこつ つけ麺」、アルコール度数が高めの「吟醸ロック酒」を投入しました。また、4月30日には麺類・定食類の価格改定を実施しました。6月には「ごま味噌冷し」、7月には「酸辣(さんらー)きのこ湯麺(たんめん)」を投入したほか9月には「モツ野菜ラーメン」、11月末には「チゲ味噌ラーメン」の投入とチャーハンを国産大麦入りにリニューアルしました。12月にはグランドメニューの改定を行ったほか期間限定の「肉そば」の投入、「ハッピーアワー」の実施をいたしました。2月には「バジルチキンライス」の投入と従来の季節商品に加え新商品の投入も行い、より魅力あるメニューへ見直しを行いました。1月には新業態となる「とんかつ日高」大宮DOM店が開店しました。
サービス水準向上に向けた取組みを継続し、QSCの向上を目指しました。夏の猛暑・1月のインフルエンザ流行などの影響もありましたがアルコール類や季節メニューが好調に推移したこともあり既存店の3月~2月累計の売上高前年同期比は100.7%となりました。
生産・原価面につきましては、無洗米やビール、野菜等の購入価格の上昇もありましたが、4月の一部販売価格の改定、一部メニューの原料変更、減価償却費負担の減少等もあり原価率は27.0%(前期は27.2%)となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、4月に正社員およびフレンド社員(パート・アルバイト社員の当社における呼称)を対象に処遇改善のためにベースアップを実施しました。また、フレンド社員の時給上昇による人件費の増加、電気代やガス代などの光熱費の増加及び物流費の上昇等の経費の増加もあり、対売上高比は61.8%(前期は61.3%)となりました。
この結果、当期の売上高は418億62百万円(前期比3.0%増)、営業利益は47億29百万円(前期比1.1%増)、経常利益は46億97百万円(前期比2.1%増)と増収増益になり、営業利益・経常利益とも16期連続で過去最高益を更新しました。
特別利益には固定資産売却益2百万円を計上しました。特別損失として、減損損失99百万円を計上しましたので、当期純利益は30億81百万円(前期比2.0%増)となりました。
なお、飲食店チェーン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
(2)財政状態の状況
当期末の総資産は、307億75百万円となり前期末に比べて14億65百万円増加しました。これは主に現金及び預金の増加によるものです。
負債合計は58億3百万円となり前期末に比べて4億36百万円減少しました。これは主に買掛金や未払金の減少、未払法人税等や長期未払金の減少によるものです。
純資産合計は、249億72百万円となり前期末に比べ19億1百万円増加し、自己資本比率は81.1%(前期末78.7%)となりました。
(3)キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は41億31百万円(前期は46億52百万円)となり、前期に比べて5億20百万円の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は13億60百万円(前期は14億31百万円)となりました。これは、新規出店や改装等に伴う有形固定資産の取得による支出10億50百万円(前期は10億51百万円)、敷金及び保証金の差入による支出2億39百万円(前期は3億61百万円)などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、支出した資金は12億51百万円(前期は10億94百万円)となりました。これは長期借入金の返済90百万円(前期は1億20百万円)、配当金の支払額11億39百万円(前期は9億49百万円)などによるものであります。
以上の結果、当期末における現金及び現金同等物の残高は、前期末に比べ15億19百万円増加し、118億56百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当期における生産実績を品目別に示すと次のとおりであります。
|
品目 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
麺類 |
812,328 |
104.6 |
|
餃子 |
883,688 |
96.2 |
|
調味類 |
845,352 |
104.1 |
|
加工品類 |
956,360 |
91.6 |
|
合計 |
3,497,730 |
98.5 |
(注)1 金額は製造原価によって表示しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3 飲食店チェーン関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
(2)受注実績
当社は飲食業であり、見込生産によっておりますので、受注高並びに受注残高については記載すべき事項はありません。
(3)販売実績
|
業態 |
期末店舗数 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
日高屋 |
398 |
40,031,119 |
102.7 |
|
焼鳥日高 |
29 |
1,718,109 |
109.0 |
|
その他業態等 |
2 |
113,750 |
108.3 |
|
合計 |
429 |
41,862,978 |
103.0 |
(注)1 当社では販売品目が多岐にわたるため、品目別の販売実績を記載することは困難でありますので、業態別の販売実績を記載しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3 「日高屋」には、「中華そば日高屋」「中華食堂日高屋」「来来軒」を含めております。
4 「焼鳥日高」には「焼鳥日高」「大衆酒場日高」を含めております。
5 「その他業態等」は、「中華一番」「とんかつ日高」、FC向けの売上高等を含めております。
6 飲食店チェーン関連事業の単一セグメントであるため、業態別に記載しております。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針につきましては「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
(2)当事業年度の経営成績の分析
売上高は、前期比12億19百万円増加の418億62百万円となりました。この増加要因は、25店舗の新規出店効果、前期出店店舗のフル稼働、既存店舗の好調によるものであります。
売上原価は食材の値上げもありましたが償却費負担の減少もあり原価率は27.0%となりました。
この結果、売上総利益は前期比10億5百万円増加の305億79百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、前期比9億55百万円増加の258億50百万円となりました。これは人件費の増加によるものです。この結果、営業利益は、前期比49百万円増加の47億29百万円となりました。
営業外損益は、営業外収益が前期比14百万円減少し43百万円、営業外費用は、前期比62百万円減少し75百万円となりました。この結果、経常利益は、前期比97百万円増加の46億97百万円となり、16期連続で過去最高益を更新することができました。
特別損失には、減損損失の計上など合計で99百万円を計上しました。
以上により、税引前当期純利益は46億円、当期純利益は30億81百万円となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因としては、出店計画の遅れや人員の確保や消費者の嗜好もしくはニーズの変化による既存店の売上逓減、競合他社との競争激化、原材料価格の上昇、天候不順、自然災害の発生、不採算店の撤退による損失の発生、人件費の上昇等があり、これらにより重要な影響を受ける可能性があります。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の資本の財源及び資金の流動性については、主として自己資金によって充当しております。
投資資金需要の主なものは、店舗の出店・改装投資及び情報関連投資であります。
営業活動のキャッシュフローの範囲内における投資を原則としておりますが、戦略的な出店等による資金需要に対しては、必要に応じて主として金融機関からの借入金等により対処することにしております。
中長期的な目標として首都圏600店舗体制を実現するべく新規出店の投資を継続中であり、詳細は「第3 設備の状況 3設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載の通りであります。
(5)経営者の問題意識と今後の方針について
当社は主力業態であります「日高屋」の店舗数、客数の増大を重点課題として様々な施策を実施し、順調に業績を伸ばしてまいりました。今後は更なる飛躍に向けて店舗におけるQSCの維持・向上と、麺、餃子等の既存メニューのブラッシュアップに注力してまいります。
また、首都圏600店舗体制へ向け出店の拡大、平均月商の引き上げを図ってまいります。
「日高屋」の出店と同時に「焼鳥日高」の出店を引き続き続けるとともに、「とんかつ日高」に続く新業態の開発にも積極的に取り組み、事業拡大を図ってまいります。
該当事項はありません。
特記すべき事項はありません。