当社グループは、「日本の女性の美と夢と心のやすらぎを創造することを永遠のテーマとする」、「それを実現するために互いに協調し、自己の向上をはかることを最大の喜びとする」を基本理念としております。
日本古来の伝統文化である「きもの」の普及に貢献し、「きもの」という商品の販売を通じて、お客様の喜びと社員の幸せを一体として実現させることに当社の存在意義があると考えております。
この理念を受けて、当社企業グループにおいては、安定的な成長をいかに続けることができるかを目標に、「お客様の喜び・満足」、「当社の利益の確保」、「株主への還元」の3つを同時充足させることが必要と考えております。
当社グループでは、「振袖」販売から繋がった既存顧客に対して「一般呉服」を販売するというビジネスモデルを基軸として営業活動を行っております。呉服小売市場の環境においては、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うイベント自粛などにより消費マインドが冷え込むなど、厳しい状況にあります。今後は費用構造の見直し等、構造改革を進め、収益力を向上させることが業績回復へ向けての課題となっております。
また、中期的な成長のために、既存の和装事業に加えて、周辺事業を中心とした新規事業にも取り組んでまいります。
今後は和装事業の売上・利益回復とともに、新規事業の創出を優先課題と考え、以下の事項について取り組んでまいります。
① 和装事業の効率化による収益向上
デジタルマーケティングを強化し、広告宣伝費比率を引き下げつつ売上高を確保していく体制へのシフトを進めてまいります。ITインフラ・ツール導入への投資を行うことで店舗営業とも連動し、売上高および利益の回復を図り、収益力の改善を図ってまいります。
また、お客様のニーズや期待を上回るご提案ができるよう、商品構成、催事企画、サービス特典等のあり方について継続的な改善に努めてまいります。
② 人材の確保、育成
振袖・一般呉服販売ともに、高度な販売ノウハウ・接客技術・商品知識が必要となります。社員の教育及び研修の充実化を図り、成約率や平均単価の改善に努めてまいります。また、社員の定着率向上が販売力全体のレベルアップにも繋がるものと考え、採用時のミスマッチ低減や、採用後の教育・サポート体制についても改善を図り、定着率向上を図ってまいります。
③ 新規事業の創出
中期的な成長のため、既存の和装事業に加えて、経営理念のテーマに沿ったカテゴリー・サービス・商材を選定し、事業化へ取り組んでまいります。積極的にアライアンスを活用し、新たなサービスをお客様にご提供するとともに、新規顧客の獲得にも努めてまいります。
当社グループの業績は、今後起こりうる様々な要因により大きな影響を受ける可能性があります。以下において、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。
当社はこれらリスク発生の可能性を認識した上で、発生の予防及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、当該リスク情報につきましては、当連結会計年度末現在の判断によるものであり、また、当社グループの事業上のリスクの全てを網羅するものではありません。
(1) 少子化について
当社グループにおいては、購入目的が明確な成人式対象者に対する営業展開に注力し、売上全体に占める「振袖」の割合が約半数近くを占めております。「振袖」の販売におきましては、少子化の進行に伴って成人対象人口が減少しており、今後の絶対的な数量増加が期待できない中、当社の業績がその影響を受ける可能性があります。
(2) 人材の確保及び育成について
当社グループは、事業の拡大に応じて優秀な人材を適時に確保し、育成してゆくことが重要であると考えておりますが、今後、必要な人員拡充が計画通り進まないなどの状況が生じた場合においては、当社グループの事業展開及び業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(3) 減損損失について
当社グループが保有する固定資産を使用している店舗の営業損益に悪化が見られ、短期的にその状況の回復が見込まれない場合、もしくは土地等の時価の下落や将来キャッシュ・フローの状況によっては、減損会計の適用により、固定資産について減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。
(4) 個人情報保護基本法について
個人情報保護基本法の施行により、これまでの入手方法によるダイレクトメール発送のための個人情報(住所、氏名等)の入手可能件数は、年々減少すると予測されるとともに、個人情報の入手コスト自体は増加すると予測されます。このため当社グループにおいては、デジタルマーケティングを強化し、広告宣伝費比率を引き下げつつ売上高を確保していく体制へのシフトを進めており費用の抑制を行っておりますが、、広告宣伝費の増加により当社の業績に影響を与える可能性があります。
また、今後、個人情報保護法の規制が更に強化された場合、当社グループのダイレクトメールを利用しての営業戦略に影響が出る可能性があります。
(5) 個人情報の管理について
顧客データベースへのアクセス環境、セキュリティシステムの改善を常に図り、個人情報保護に万全を期すとともに、情報の取り扱いに対する意識の向上を目的とした社員教育の徹底や、情報アクセス者の限定、牽制システムの構築など、内部の管理体制についても強化していく方針であります。
現在までのところ情報の流出は発生しておらず、今後も個人情報の管理は徹底してまいりますが、個人情報が流失した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(6) 成人年齢の引き下げについて
成人年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法などが2018年6月13日、参議院本会議で可決、成立し、2022年4月1日に施行されます。本法律の施行により成人式のあり方に何らかの大きな変化(地方自治体等が主催する成人式における成人年齢の定義、成人式開催時期の変更等)があった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(7) 新規事業について
当社グループでは、中期的な成長のため、経営理念のテーマに沿ったカテゴリー・サービス・商材を選定し、事業化に取り組んでおります。新規事業を開始するにあたってはユーザーニーズの把握などのマーケティングコスト、システム開発を含んだIT投資コスト、事業開始のための広告宣伝費の発生などが見込まれます。人員不足やノウハウ不足等の原因により新規事業の開始が遅れた場合や、新規事業が当初の想定どおりに進展しなかった場合、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
(8) 新型コロナウイルス感染症の影響について
新型コロナウイルス感染症の影響は2022年3月期においても引き続き継続するものの、ワクチン接種の普及が進むことなどにより、徐々に受注高は回復に向かっていくものと考えております。今後、感染拡大の状況により、営業自粛等の対応を行わざるを得なくなった場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、国内消費も広く抑制されるなど、経済・社会活動の停滞が長期化しており、厳しい状況が続いております。
また、呉服業界におきましても、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うイベント自粛などにより消費マインドが冷え込み、極めて厳しい状況にあるものと考えられます。
このような環境の中、当社グループでは4月上旬から5月下旬の全店臨時休業の後、感染拡大の抑制に必要な対策、対応を実施しながら営業活動を行ってまいりました。当社グループにおける各事業部門別の状況は次のとおりであります。
〔和装関連事業〕
「振袖」販売およびレンタルについては、新型コロナウイルス感染拡大防止のための期初の臨時休業と、夏の繁忙期における都市部を中心とした外出自粛の影響、また冬の緊急事態宣言の再発令の影響もあり、受注高は前年同期比38.0%減となりました。また、既存顧客を対象とした「一般呉服」等の受注高についても、臨時休業とその後の催事スケジュール変更や催事そのものの集客への影響等があり、受注高は前年同期比25.9%減となりました。
以上により、和装関連事業の受注高は、前年同期比29.6%減の6,988百万円となりました。また売上高(出荷高)については、27.5%減の7,383百万円となりました。
利益面においては、売上総利益率は前年同期と比べ0.5ポイント改善し62.4%となりました。販売費及び一般管理費については、コロナ禍に鑑み、現状の売上高水準でも利益が出せるよう、中期計画策定のもと構造改革を進めており、特に広告宣伝費比率を引き下げつつ売上高を確保していく体制へのシフトを進めていること、また、臨時休業期間中に発生した費用(人件費、店舗家賃、催事中止費用等)を特別損失として計上したため、販売費及び一般管理費総額としては2,170百万円減少し、対売上高比は3.6ポイント改善いたしました。また、第4四半期においては、緊急事態宣言の発出があったことで、全国各地で成人式の中止又は延期が相次ぎました。これにより成人式中止・延期対応費用の発生がありました。この結果、和装関連事業の営業損失は139百万円(前年同期は営業損失616百万円)となりました。
〔金融サービス事業〕
金融サービス事業については、売上高は前年同期比13.0%減の284百万円、営業利益は14.1%減の204百万円となりました。
これらの結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高においては前年同期比27.1%減の7,668百万円、営業利益は63百万円(前年同期は営業損失377百万円)、経常利益は98百万円(同 経常損失269百万円)となりました。また、友の会の預り金残高のうち、連絡不能等、将来的にも使用が見込まれない長期未使用預り金を特別利益として277百万円計上、臨時休業実施に伴う雇用調整助成金を特別利益として197百万円計上、臨時休業期間中に発生した費用を特別損失として376百万円計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は77百万円(同 親会社株主に帰属する当期純損失420百万円)となりました。
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 金融サービス事業の受注高は、割賦販売斡旋契約に係る会員手数料であります。
3 和装関連事業における受注状況は次のとおりであります。
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 友の会会員値引きは、連結子会社である㈱京都きもの友禅友の会の売上原価であり、会員積立金(お買物カード)の満期使用時におけるボーナス相当分であります。
3 受注高には仕立加工等を要しない現金売上高を含んでおります。
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 和装関連事業における販売実績は次のとおりであります。
イ 販売形態別販売実績
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 その他は、写真・EC売上等であります。
3 友の会会員値引きは、連結子会社である㈱京都きもの友禅友の会の売上原価であり、会員積立金(お買物カード)の満期使用時におけるボーナス相当分であります。
ロ 品目別販売実績
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 友の会会員値引きは、連結子会社である㈱京都きもの友禅友の会の売上原価であり、会員積立金(お買物カード)の満期使用時におけるボーナス相当分であります。
ハ 地域別販売実績
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 地域区分は、販売店舗の所在地によって分類しております。
3 その他は、商品レンタル、写真・EC売上等であり地域別には分類しておりません。
4 友の会会員値引きは、連結子会社である㈱京都きもの友禅友の会の売上原価であり、会員積立金(お買物カード)の満期使用時におけるボーナス相当分であります。
5 売上高構成比は、友の会会員値引き前の金額をもとに算出しております。
和装関連事業における商品仕入実績は次のとおりであります。
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記反物等にかかる仕立加工は全て外注をしており、その金額は当連結会計年度441,349千円であります。
(2)財政状態
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度に比べて0.3%増加し12,207百万円となりました。新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受けて和装関連事業の受注高が減少し、期末の受注残高も減少したため、割賦売掛金が減少いたしました。同様に、負債に関しても前受金や預り金等の営業債務が減少しております。一方、新型コロナウイルスの影響の長期化に対する備えとして借入を実施したため、短期借入金が増加し、現金及び預金が増加しております。
当社グループでは、財務の健全性指標として、流動比率と自己資本比率を重要視しております。当連結会計年度末における流動比率は、前連結会計年度と比べて7.4ポイント上昇し、142.6%となりました。また、自己資本比率は、主に自己株式処分差損276百万円を計上したことを主要因として資本剰余金が減少した結果、前連結会計年度末に比べ0.2ポイント低下し43.7%となりました。しかしながら、両指標は引き続き高水準を維持しており、財務の健全性は保たれているものと考えております。
なお、各資産、各負債、純資産の主な増減要因は以下のとおりであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて5.9%増加し、9,407百万円となりました。これは、現金及び預金が706百万円増加し、割賦売掛金が286百万円減少したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べて14.8%減少し、2,800百万円となりました。これは、投資有価証券が238百万円、差入保証金が247百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べて0.4%増加し、6,599百万円となりました。これは、短期借入金が1,050百万円増加した一方、前受金が399百万円、預り金が453百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べて7.4%増加し、277百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて0.2%減少し、5,330百万円となりました。これは、自己株式の取得・処分に伴い資本剰余金が自己株式処分差損により276百万円減少し、自己株式が239百万円増加したことと、利益剰余金が4百万円増加したこと等によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ706百万円増加し、4,280百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益151百万円を計上したものの、預り金の減少、売上債権の増加等があり、651百万円の支出となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは店舗の移転に伴う設備投資があったものの、投資有価証券の売却による収入があったこと等により、433百万円の収入となりました。その結果、フリーキャッシュ・フローは217百万円のマイナスとなりました。フリーキャッシュ・フローのマイナスを補うため銀行借入により資金を1,050百万円調達し、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度から増加し、4,280百万円となりました。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入れ・仕立て等の外注加工費・販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また投資を目的とした資金需要は、店舗の出店・改装に係る投資等であります。これらの資金需要については、自己資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては銀行から期限が一年以内の短期借入金で調達しております。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、651百万円の支出(前年同期は147百万円の支出)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が151百万円となったこと、減価償却費73百万円、減損損失37百万円等の非資金的費用があったこと、たな卸資産の増加64百万円、未払消費税等の減少82百万円、預り金の減少453百万円、売上債権の増加142百万円等によるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、433百万円の収入(前年同期は67百万円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入305百万円、有形固定資産の取得による支出87百万円、差入保証金の回収による収入247百万円等によるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、923百万円の収入(前年同期は115百万円の収入)となりました。これは主に短期借入金の増加1,050百万円、配当金の支払73百万円等によるものであります。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(吸収分割契約)
当社は、2021年2月24日開催の取締役会において、2021年10月1日(予定)付で、持株会社体制へ移行するため、当社の完全子会社として、株式会社京都きもの友禅分割準備会社(以下、「分割準備会社」といいます。2021年10月1日付で「京都きもの友禅株式会社」に商号変更予定。)を設立し、吸収分割の方式により和装関連事業及び金融サービス事業を承継会社へ移行することを決議いたしました。また、2021年5月10日開催の取締役会決議に基づき、同日付で分割準備会社と吸収分割契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
特に記載すべき事項はありません。