第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

①経営成績

当中間会計期間(2025年4月1日~2025年9月30日)におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善が継続するなかで、緩やかな回復基調を維持しております。一方で、米国の金融政策の転換に加え、通商政策の影響による景気の下振れリスクや中国経済の減速懸念が続いております。また、依然として続く物価上昇による個人消費への影響、ウクライナ・中東地域をめぐる地政学的リスク、金融市場の変動による資金調達環境の不安定化など、先行きに対する不透明感は払拭されておらず、引き続き慎重な経営判断が不可欠な状況が続いております。

当社が属する外食産業においては、社会経済活動の正常化が定着するなかでインバウンド需要の拡大が継続し、人流の回復が進んでおります。一方で、慢性的な人手不足による人件費の高騰や原材料価格の上昇が収益構造を圧迫する状況が続いており、価格改定による客単価の上昇は進んでいるものの、価格に敏感な顧客層の離反リスクもあるため、全面的な価格転嫁には慎重な判断が求められます。また、物価高による消費マインドの低下が外食需要の回復に影響を及ぼす可能性があるほか、猛暑などの異常気象の影響により、店舗の立地や業態によって来店動向に差が生じる状況となっており、今後も市場動向を慎重に見極めながら、柔軟な対応力が問われる局面が続くものと考えられます。

このような経営環境のなか、当社は2025年5月に「長期経営構想2035」を発表し、10年後のありたい姿として「多様な食の業態に携わり、永続企業・ブランドを築き、すべての人に笑顔や感動、幸せな時間をプロデュースする」ことを掲げております。その実現に向け、2025年度から2030年度までの5年間を「中期経営計画2030」と位置づけ、新業態の開発および物販事業の拡大を成長の柱としながら、既存のレストラン事業を安定的な収益基盤として活かし、ブランド価値の維持・向上を図っております。

当中間会計期間においては、2025年5月に公表いたしました中期経営計画の実現に向けて、既存事業の収益性向上とともに、人材育成への投資や新たな事業基盤の整備を着実に推進しております。同年4月には、中期経営計画の中核を担う子会社「株式会社UKAIzm corporation」を設立し、既存ブランドとは異なるターゲット層を想定した新業態の開発や食文化を軸としたブランドプロデュース事業を開始しており、社外との連携を通じて、当社の知見を活かした事業展開を進めております。同年5月には、人材育成において、社内教育制度「UKAI Academy」を開講し、鉄板焼の技術・接客・マインドを体系的に学ぶ鉄板コースを通じて、プロフェッショナル人材の早期育成に注力しております。また、同年5月には契約期間満了に伴い『東京 芝 とうふ屋うかい』の2026年3月末での閉店を発表し、同年8月には会社分割(簡易吸収分割)による文化事業『箱根ガラスの森』の承継を決定し、事業ポートフォリオの再構築を図っております。こうした経営環境のもと、当中間会計期間の業績は以下の通りとなりました。

売上高は、6,677百万円(前年同期比3.1%増)の増収となり、堅調に推移しました。利益面では、増収効果および原価率の改善により売上総利益が増加しましたが、譲渡資産の賃借に伴う賃借料の増加に加え、店舗退去に伴う原状回復費用の見積りを見直し、資産除去債務を追加計上したことにより減価償却費が増加し、営業利益は17百万円(前年同期比93.0%減)、経常利益は15百万円(同93.4%減)と大幅な減益となりました。また、『東京 芝 とうふ屋うかい』の契約期間満了に伴う閉店決定に関連した店舗閉鎖損失引当金239百万円に加え、将来的な収益性の見通しを踏まえた資産の見直しにより減損損失15百万円をいずれも特別損失として計上した結果、中間純利益は227百万円の損失(前年同期は93百万円の純利益)となりました。

 

 

セグメントごとの業績は次のとおりであります。

〔レストラン事業部〕

社会経済活動の正常化が定着し、外食およびインバウンド需要が堅調に推移するなか、レストラン事業部では、「唯一無二のレストランであり続ける」という方針のもと、料理・サービスの質向上を目的とした施策を継続的に実施しております。各店舗では、ブランドの特色を活かした販促活動を展開し、来店機会の創出に努めるとともに、スタッフが一組一組のお客様に集中して対応する体制を整え、洗練された料理ときめ細やかなサービスの提供に努めております。

お客様の満足度向上を図る取り組みの一環として、一部店舗ではコースや価格の見直しを行い、客単価の上昇につながりました。加えて、空間の質や接客品質の維持・向上を目的として、2025年7月よりサービス料を改定しており、“うかいの時間”の価値を高める取り組みとして客単価の上昇にも寄与しております。さらに、2024年10月に実施した『あざみ野うかい亭』では、高付加価値化が進み、売上増に貢献したほか、来客数・客単価ともに伸長した店舗も見られました。一方で、2024年11月末に閉店した『うかい竹亭』の影響や一部店舗での来客数減少により減収要因も生じましたが、全体では客単価の上昇が下支えとなり、増収基調を維持しております。

以上の結果、レストラン事業部の売上高は、5,306百万円(前年同期比2.1%増)と増収となりました。

 

〔物販事業部〕

物販事業部では、主力の製菓部門において、2024年9月に開業した新店『アトリエうかい グランスタ東京』が引き続き好調に推移し、売上への貢献が拡大しております。一方で、2024年8月末に『アトリエうかい たまプラーザ』が閉店した影響に加え、新店の開業より顧客が分散したこと等で、既存店の一部では売り上げが弱含みで推移する場面もありましたが、新店の寄与や催事出店の増加をはじめとする外販の拡大がこれらを補い、製菓部門全体としては増収基調を維持しております。

食物販部門については、オンライン販売および催事出店を継続して展開しておりますが、催事出店の機会が限定的であったこと等により、前年同期比では減収となりました。

以上の結果、物販事業部の売上高は、818百万円(前年同期比8.5%増)と増収となりました。

 

〔文化事業部〕

文化事業部では、『箱根ガラスの森』にて、2025年4月19日から7月13日までの会期にて、2025年初夏所蔵作品展「19世紀のヴェネチアン・グラス ─しなやかな造形─」を、また同年7月18日からは2025年特別企画展「軌跡のきらめき ~神秘の光彩、ガラスと貝細工~」を開催いたしました。これらの作品展を柱に、季節の移ろいに合わせクリスタルガラスの展示替えや様々な企画を展開し、多くのお客様にご来館いただけるよう、細やかなプロモーション活動や旅行会社をはじめとする企業への営業の強化を進めてまいりました。これらの営業施策の効果による安定した集客に加え、訪日外客数の伸長を背景に外国人観光客の取り込みも堅調に推移し、来館者数は前年同期比で伸長いたしました。

以上の結果、文化事業部の売上高は、552百万円(前年同期比4.7%増)と増収となりました。

 

②財政状態

当中間会計期間末における資産、負債及び純資産の状態は以下のとおりであります。

(資産)

当中間会計期間末における総資産は、前事業年度末に比べ638百万円減少し、10,262百万円(前事業年度比5.9%減)となりました。主な要因は、資金運用により有価証券が1,000百万円増加した一方で、現金及び預金が1,491百万円、売掛金が143百万円、有形固定資産が119百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。

 

(負債)

当中間会計期間末における負債は、前事業年度末に比べ356百万円減少し、5,775百万円(前事業年度比5.8%減)となりました。主な要因は、店舗閉鎖損失引当金が209百万円、流動負債および固定負債に含まれる資産除去債務の純増加額186百万円がそれぞれ増加した一方で、取引金融機関からの借入金の総額が270百万円、その他流動負債が435百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。

 

 

(純資産)

当中間会計期間末における純資産は、前事業年度末に比べ282百万円減少し、4,486百万円(前事業年度比5.9%減)となりました。譲渡制限付株式報酬としての新株式発行に伴い資本剰余金が19百万円増加したのに対し、配当金の支払いおよび中間純損失の計上により利益剰余金が312百万円減少したこと等によるものであります。

 

(2) キャッシュ・フローの状況の分析

当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ1,791百万円減少し3,622百万円となりました。

当中間会計期間におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は、295百万円(前年同期は484百万円の収入)となりました。主な要因は、減価償却費452百万円、店舗閉鎖損失引当金の増加額209百万円、売上債権の減少額143百万円等による資金増加に対し、税引前中間純損失242百万円、未払消費税等の減少216百万円、法人税等の支払額119百万円等の支出があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、1,540百万円(前年同期は97百万円の支出)となりました。主な要因は、定期預金の預入1,300百万円、既存設備の更新等による有形固定資産の取得167百万円等の支出があったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、546百万円(前年同期は412百万円の支出)となりました。主な要因は、長期借入金の返済120百万円、短期借入金の減少150百万円、預り保証金の減少187百万円、配当金の支払83百万円等の支出があったことによるものであります。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間会計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

 

3 【重要な契約等】

当社は、2025年8月7日開催の取締役会において、2025年10月1日を効力発生日として、当社の「箱根ガラスの森美術館」(以下、「本施設」)が運営する文化事業(以下、「対象事業」)を株式会社箱根ガラスの森リゾート(以下、「箱根ガラスの森リゾート」)へ会社分割(簡易吸収分割)(以下、「本吸収分割」)の方法により承継する決議を行い、2025年8月7日に、箱根ガラスの森リゾートと吸収分割契約書を締結いたしました。

会社分割の概要は、以下のとおりであります。

(1) 本吸収分割の目的

本施設は、日本初のヴェネチアングラス専門美術館として1996年8月に開設され、現代美術館、四季折々の花々が彩る庭園、カンツォーネの生演奏が楽しめるカフェ等、五感で味わえる他には類を見ない唯一無二の施設として、これまで多くのお客様に愛されてきました。

しかしながら、当社が展開する他の事業(レストラン事業、物販事業)とのシナジーを十分に発揮することや本施設の収益力向上を背景とした当社の企業価値向上への寄与の実現が難しく、また、老朽化に伴う更新投資の増加の可能性等から、中長期計画上、今後の対象事業への対応が経営戦略の課題となっておりました。

一方で、箱根ガラスの森リゾート及びダイコク電機は、本施設を「フードエンタテイメント事業」「観光事業」として高く評価し、さらに当社が保有していない事業を有する多くのグループ会社を有していることから、当社では実現が困難だった本施設の今後の収益力向上に向けて、ダイコク電機グループによる力強い支援体制が整っております。

このような背景から、今般、対象事業を箱根ガラスの森リゾートに会社分割の方法で承継することで、他の事業(レストラン事業、物販事業)に注力し、収益力の向上を図ることができ、また、本施設や本施設で働くスタッフの未来にとって最良の選択を可能とし、本施設がこれからも多くの方々に愛され、さらに輝きを増していくと判断し、今回の決定に至りました。

 

(2) 本吸収分割の要旨

①本吸収分割の日程

吸収分割契約の承認に係る当社取締役会決議日

2025年8月7日

吸収分割契約の締結日

2025年8月7日

吸収分割効力発生日

2025年10月1日

 

※本吸収分割は、分割会社である当社においては、会社法第784条第2項に規定する簡易吸収分割に該当するため、株主総会の承認を得ることなく行います。

 

②本吸収分割の方式

当社を分割会社とし、箱根ガラスの森リゾートを承継会社とする簡易吸収分割です。

 

③本吸収分割に係る割当ての内容

当社は、本吸収分割の対価として、箱根ガラスの森リゾートから金200百万円の交付を受ける予定です。

 

④本吸収分割に伴う新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い

該当事項はありません。

 

⑤本吸収分割により増減する資本金

本吸収分割に伴う当社の資本金の増減はありません。

 

⑥承継会社が承継する権利義務

承継会社である箱根ガラスの森リゾートは、本吸収分割により、会社分割効力発生日における対象事業に関する資産、負債、契約上の地位、その他の権利義務について、吸収分割契約書に定めたものを承継します。

 

(3) 本吸収分割に係る割当ての内容の根拠等

①割当ての内容の根拠及び理由

本吸収分割において、当社が受領する金銭につきましては、対象事業に係る資産・負債の状況、今後の収益性等を総合的に勘案し、当事者間で協議を重ねたうえで決定いたしました。

 

 

 

(4) 分割する事業部門の概要

①分割する部門の事業内容

本吸収分割により承継する事業は、当社の文化事業です。

 

②分割する部門の経営成績(2025年3月期)

売上高

1,090百万円

営業利益

94百万円

 

 

③分割する資産、負債の項目及び帳簿価額

資産

負債

流動資産

325百万円

流動負債

10百万円

固定資産

―百万円

固定負債

153百万円

合計

325百万円

合計

163百万円

 

(注)以上は2025年3月31日現在を基準として算出しております。なお、実際に分割する資産及び負債の金額は、上記金額に効力発生日までの増減を加味した数値となります。

 

(5) 本吸収分割承継会社の概要

名称       株式会社箱根ガラスの森リゾート

代表者            代表取締役  谷口 幸雄

住所              愛知県名古屋市中村区那古野一丁目43番5号

資本金            65百万円

事業内容          不動産の賃貸及び管理等

業績等            2025年3月期

純資産

137百万円

総資産

163 〃

売上高

 99 〃

営業利益

 11 〃

経常利益

 11 〃

親会社株主に帰属する

当期純利益

  7 〃