文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「私たち星医療酸器グループは生命(いのち)を守る最前線で社会に貢献しつづけます」という経営理念のもと、社会が必要とすること、お客様が求めているものを敏感にキャッチし、それに応える高品質な商品とサービスを提供していく企業集団となることを基本方針としております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、売上高営業利益率12%を数値目標として、安定かつ継続的な収益を確保し、株主の皆様に還元するとともに、より強固な企業基盤を実現するために自己資本の充実にも努めてまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
①医療用酸素ガスの消費量が鈍化傾向にあるなか、営業力強化と内製化等のコストダウンにより、医療用ガス関連事業で安定収益を確保する。
②国の在宅医療促進政策を背景とし、戦略的新商品の投入などにより、在宅医療関連事業のシェアアップを図る。
③社会的ニーズの高まりや介護保険の充実を勘案し、介護福祉関連事業への経営資源の投下を進め事業を拡充する。
さらに、M&Aを含め戦略的投資による成長分野での新たな事業展開も視野に入れ、中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。
(4)会社の対処すべき課題
今後の当社グループを取り巻く事業環境といたしましては、中長期的な高齢者人口の増加を背景とした需要の増大に伴い、医療・介護・福祉関連産業の市場は拡大が続くことが見込まれます。
一方で、財源や人的資源に制約があるなかで需要の増大に対応すべく「地域包括ケアシステム」の構築が推進され、また、「日本再興戦略」では、医療・介護分野についても、ICTの利活用に加えビッグデータと人工知能、ロボット等の新技術の活用など第4次産業革命への対応を加速化すべきと提言されております。
このような事業環境のなかで当社グループは、これらの課題への対応がビジネスチャンスの発掘につながるとの認識のもと、様々な顧客ニーズに、的確かつ迅速に対応すべく質の高い商品とサービスの創出・拡充を図ってまいります。また、収益性改善に向けたコストコントロールの強化や、持続的成長の根源である人材の確保と育成を進め、さらに、M&Aを含め新たな成長機会の発掘にも注力してまいります。
当社の経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)法的な規制について
当社グループの主要取扱商品である医療用ガスは、薬価基準に収載されております。薬価基準は、医療保険で使用できる医薬品の範囲と医療機関が使用した医薬品の請求価格を定めたものであります。従って、薬価基準は販売価格の上限として機能しております。このため、薬価改定の内容によっては医療用ガス等の販売価格に反映し、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
また、医療用ガス及び医療用関連商品の販売並びに病院向けの医療用ガス配管設備の施工・メンテナンス、在宅酸素発生器等のレンタル、介護福祉関連機器のレンタル及び販売については、各事業は監督官庁の許可、登録、免許及び届出を受けて営業活動を行っておりますので、法令の改正等に伴い経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)告示価額制度について
当社グループは、売上高に占める医療用ガスの割合が3割超であり、薬価の改訂により単価は引き下げ傾向にあります。将来において主力製品の単価に引き下げが発生した場合、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)全国展開について
各事業所・営業所の営業力を強化し、新規取引先を中心に拡大しておりますが、当初計画より遅れた場合、当社グループの利益の低下になり、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)安全について
当社グループは、高圧ガス保安法に則り医療用ガス等を製造・販売しておりますが、工場事故等が発生し生産量が低下した場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(5)事業投資について
当社グループは、近年積極的なM&Aを展開し業容の拡大を図っております。事業投資が当初計画から乖離した場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の着実な改善が続き、消費者マインドに持ち直しの動きが見られるなど、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。
医療・介護・福祉業界は、高齢者人口の増加を背景として需要は堅調に推移しておりますが、2016年度の診療報酬改定が8年ぶりのマイナス改定となり、医療費適正化と医療機関の機能分化の推進に向けて、引き続き厳しい対応が求められました。
このような環境のもと当社グループは、いち早く医療・介護・福祉等に関わる顧客ニーズの多様化を視野に、状況に即した対応に努め、各種ノウハウの蓄積と営業力の強化を継続してまいりました。
また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、法的規制や事業環境及び事業運営上等の様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があることを認識しており、そのため、当社グループは政策や業界の動向を注視しつつ、内部体制の強化、優秀な人材の確保と育成、顧客ニーズに的確に応える商品・サービスの提供などにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因の分散・低減を図ってまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高は392百万円増加し10,826百万円(前期比3.8%増)となりました。これは、在宅医療関連事業、医療用ガス設備工事関連事及び介護福祉関連事業が堅調に推移したことによるものであります。
売上総利益は、166百万円増加し5,378百万円(前期比3.2%増)となりました。また、売上総利益率は、受注競争激化などから医療用ガス設備関連事業が悪化したものの、仕入コストコントロールが奏功した在宅医療関連事業が良化したことなどから、前期比0.3ポイント減少し49.7%となりました。
販売費及び一般管理費は、営業体制強化に伴う人件費の増加やガソリン市況価格の上昇による燃料費の増加があったことなどから、116百万円増加し4,079百万円(前期比3.0%増)、売上高販管費比率は前期比0.3ポイント減少し37.7%となりました。
これらにより、営業利益は49百万円増加し1,299百万円(前期比4.0%増)、売上高営業利益率は前期と同水準の12.0%となりました。
経常利益は、営業利益の増加により、50百万円増加し1,319百万円(前期比4.0%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益が50百万円増加したものの、特別損失として減損損失58百万円の計上により、8百万円増加し870百万円(前期比0.9%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 医療用ガス関連事業
当部門は、日帰り手術の増加等医療技術の進歩や医療機関数の減少、DPC(包括医療制度)導入病院の増加などを背景として、医療用酸素ガスの消費量が年々減少傾向にある厳しい事業環境が続きました。このような環境のもと、24時間緊急対応が可能な医療用ガスの供給体制を構築・維持するなど「保安と安定供給」を第一義とした事業運営に徹しつつ、新規顧客の獲得と新しいビジネスモデルの開拓などに取り組んでまいりました。
これらの結果、売上高は3,363百万円(前期比1.0%増)、セグメント利益は378百万円(前期比12.1%減)となりました。
② 在宅医療関連事業
当部門は、国の施策である在宅医療への推進を受け、患者様と医療機関のニーズに対応すると共に、学会や病院内でのPR活動を通じ、きめの細かい営業活動を継続いたしました。自社開発の高機能リモコン「パレッツ」を搭載した酸素濃縮器「WESTELLA(ウィステラ)」と「CPAP」(持続陽圧呼吸療法)は、確実に市場への浸透と新規顧客の獲得に貢献いたしました。
また、次世代ヘルスケアとして国が掲げる「一気通貫が完結できる在宅医療実現」には情報通信機器を用いたさまざまな医療サービスが期待されています。そのような中、医療従事者と患者様の新しい懸け橋として、また、医師不足や遠隔地等、急速に高まる医療需要への対応として「オンライン診療システム」の提供を推進してまいりました。
これらの結果、売上高は4,410百万円(前期比4.1%増)、セグメント利益は649百万円(前期比20.4%増)となりました。
③ 医療用ガス設備工事関連事業
当部門は、採算性を重視し、施工コストの低減と顧客ニーズに対応した丁寧な施工に努めてまいりました。医療機関様への消火設備工事は好調に推移いたしましたが、医療ガス設備工事におきましては、建設資材の高騰と人手不足による諸費用の上昇等により、新規・増築計画の延期、凍結に加え競合他社との競争激化等の要因により、低調に推移いたしました。
これらの結果、売上高は1,378百万円(前期比6.8%増)、セグメント利益は140百万円(前期比12.2%減)となりました。
④ 介護福祉関連事業
当部門は、地域包括支援センターや居宅介護支援事業者への継続的な営業活動と顧客のニーズに適応した商品のラインナップを強化したことを受け、介護福祉関連商品のレンタル及び販売は堅調に推移いたしました。
訪問看護・居宅支援事業所「星医療酸器訪問看護・リハビリステーション巣鴨」(東京都文京区)、「星医療酸器訪問看護・リハビリステーション阿佐ヶ谷」「星医療酸器訪問看護・リハビリステーション王子」(東京都北区)は地域における認知度のアップと顧客のニーズの把握及び運営体制の強化を継続いたしました。
これらの結果、売上高は681百万円(前期比4.2%増)、セグメント利益は71百万円(前期比29.6%減)となりました。
⑤ 施設介護関連事業
当部門は、有料老人ホームと通所介護施設の運営管理を行っております。有料老人ホーム「ライフステージ阿佐ヶ谷」(東京都杉並区)は、24時間看護師常駐、地元医療機関との連携、イベントの開催や地元住民の方々との交流を通じて付加価値サービスの提供と、人材育成の体制をさらに強化いたしました。また、入居者様の多様性を把握したうえで、入居者様、ご家族様への「安心」「安全」をお届けし、入居率の向上に努めてまいりました。通所介護施設「あしつよ・文京」(東京都文京区)、「あしつよ 巣鴨」(東京都豊島区)、「あしつよ 王子」(東京都北区)は、今後の高齢者人口の増大を視野に、地元密着のサービスの提供と顧客サービスの多様化に応じ、稼働率アップに努めました。
これらの結果、売上高は322百万円(前期比17.5%増)、利益面ではセグメント損失24百万円(前期セグメント損失66百万円)となりました。
(2) 生産、商品仕入、受注及び販売実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は製造原価で表示しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は仕入価格で表示しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格で表示しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3 受注状況は、工事関連の受注について記載しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格で表示しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度末の総資産は16,814百万円(前連結会計年度末比746百万円増)となりました。これは主に、現金及び預金が639百万円、事業用地の取得により土地が254百万円、リース資産(純額)が113百万円増加し、受取手形及び売掛金が274百万円減少したこと等によるものであります。
負債合計は4,170百万円(前連結会計年度末比58百万円増)となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が49百万円、流動負債その他のうち未払金が56百万円減少し、リース債務が122百万円増加したこと等によるものであります。
純資産は12,643百万円(前連結会計年度末比687百万円増)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上と配当金の支払い等により利益剰余金が393百万円増加し、自己株式が311百万円減少したこと等によるものであります。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
① 医療用ガス関連事業
当連結会計年度末のセグメント資産は1,331百万円(前連結会計年度末比131百万円増)となりました。
これは主に、医療用ガス配管設備及び容器等の取得による増加258百万円、減価償却費の計上による減少121百万円によるものであります。
② 在宅医療関連事業
当連結会計年度末のセグメント資産は1,708百万円(前連結会計年度末比244百万円増)となりました。
これは主に、在宅酸素療法用酸素供給装置等の取得による増加713百万円、減価償却費の計上による減少466百万円によるものであります。
③ 医療用ガス設備工事関連事業
当連結会計年度末のセグメント資産は208百万円(前連結会計年度末比25百万円増)となりました。
これは主に、資産の取得による増加29百万円、減価償却費の計上による減少2百万円によるものであります。
④ 介護福祉関連事業
当連結会計年度末のセグメント資産は258百万円(前連結会計年度末比18百万円増)となりました。
これは主に、資産の取得による増加15百万円、減価償却費の計上による減少14百万円によるものであります。
⑤ 施設介護関連事業
当連結会計年度末のセグメント資産は11百万円(前連結会計年度末比64百万円減)となりました。
これは主に、減損損失の計上による減少58百万円によるものであります。
(4) キャッシュ・フロー
当連結会計年度において、現金及び現金同等物は439百万円増加し、当連結会計年度末残高は8,196百万円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、営業活動により得られた資金は1,870百万円(前期比442百万円増)となりました。
これは、税金等調整前当期純利益が1,261百万円となり、減価償却費649百万円、法人税等の支払額398百万円があったこと等によるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、投資活動により使用した資金は754百万円(前期比369百万円使用増)となりました。
これは、有形固定資産の取得による支出507百万円があったこと等によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、財務活動により使用した資金は676百万円(前期比38百万円使用増)となりました。
これは、リース債務の返済による支出511百万円及び配当金の支払額164百万円があったこと等によるものであります。
なお、当社グループの当連結会計年度末の流動比率は、前期末比16.4ポイント上昇し336.5%となっており、その健全な財政状態及び安定的かつ継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出力による資金調達と、持続的成長に向けた効率的かつ計画的な投資の実行を両立させることで、当社グループの資本の財源及び資金の流動性を確保できるものと認識しております。
当社は、2019年6月10日開催の取締役会において、杉並区阿佐ヶ谷の土地・建物の取得について決議し、2019年6月18日に売買契約を締結いたしました。
詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(重要な後発事象)をご参照ください。
当社グループは、在宅医療関連事業において、ITを用いた測定記録装置の技術開発等に取り組んでおり、当連結会計年度における研究開発活動の総額は