第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、1975年の創業以来、「私たち星医療酸器グループは生命(いのち)を守る最前線で社会に貢献しつづけます」という経営理念のもと、医療用酸素ガスの製造・販売を祖業として発展し、環境変化や社会ニーズに合わせて、在宅医療・介護福祉・医療設備工事・施設介護等、新たなビジネスへの挑戦により事業基盤を拡大してまいりました。

日々大きく変化する社会情勢において、当社グループはお客様や患者様との顧客リレーション・販売基盤を活かした事業戦略を構築するとともに、新たな時代に合わせた最適で高品質な商品やサービスの安定供給を徹底することで、様々なステークホルダーからの期待と信頼に応える企業集団を目指してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループが、経営上定量的に重視する主要な指標(KPI)は、「売上高営業利益率」であります。本指標は各セグメントにおいても同様に重視しており、全体の業績評価指標としては「同率12%以上」を目標に位置付けております。

本指標につきましては、月次ベースで各営業拠点・事業部門、またはその両方を各セグメントとして管理しており、経営企画室において分析、経営会議・拠点長会議において達成に向けての戦略共有等を行っております。

当社グループといたしましては、本指標の目標値を当然に達成することを前提に、財務基盤強化として自己資本比率の向上、株主還元として株主優待制度や特別配当等も継続してまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは営業本部のもとに、「医療用ガス関連事業」「在宅医療関連事業」「医療用ガス設備工事関連事業」「介護福祉関連事業」「施設介護関連事業」の5つの事業セグメントを有しております。いずれの事業セグメントにおきましても、少子高齢化の進展に伴う医療福祉環境(診療報酬、介護報酬、薬価改定等)が変化することで、当社グループのビジネス環境・領域も大きく変化していくものであると考えております。

これら環境変化に柔軟に対応できる強固な経営基盤を構築するため、営業力の強化だけでなく、M&A、商材・販路拡大、多様な人材の採用等も実施してまいります。

あらゆる変化にスピーディに対応できる事業経営戦略を策定し、人的資源を含めた効率的な組織運営を実現することで、確固たる経営基盤を構築してまいります。

各事業セグメントの主な戦略は以下のとおりであります。

 

≪医療用ガス関連事業≫

医療用酸素ガスを中心とした「24時間365日」安定供給を基礎とし、納入単価見直し等による収益性向上と、内製化等のコストダウンにより、安定した収益を確保してまいります。加えて、生産性の向上を図るべく、新たな設備投資等も検討してまいります。

 

≪在宅医療関連事業≫

営業力やシステム強化により「HOT(在宅酸素療法)」、「CPAP(持続陽圧呼吸療法)」市場のシェアアップを図るだけでなく、診療報酬改定等を背景とした戦略的新商品の投入で更なるビジネス領域を拡充してまいります。また、自社開発商品である在宅医療支援システム「Pallet's-R」、呼吸理学療法機器「LIC TRAINER」等についても積極的な市場投入を図ってまいります。

 

≪介護福祉関連事業≫

福祉用具レンタル市場のシェアアップを図るだけでなく、社会的ニーズの高まりや介護保険の充実を勘案し、経営資源の投下を積極的に進めてまいります。M&Aを含めた戦略的な投資を行ったうえで、その完了後の統合プロセス(PMI)も強化してまいります。

 

 

≪医療用ガス設備工事関連事業≫

医療施設における設備更新や建物老朽化に対する建替ニーズ等、当社グループが有する補助金ノウハウ等を活用しながら積極的な営業活動を行い、新規の工事受注増加につなげてまいります。また、医療設備に関する商材の幅を広げ、お客様の各種ニーズに適したソリューションの提供体制を構築してまいります。

 

≪施設介護関連事業≫

有料老人ホーム「ライフステージ阿佐ヶ谷」は、充実したサービスと立地優位性を活かし、近隣病院・地域包括支援センター・居宅支援事業所への継続的な連携活動を行うことで、長期入居者増加を目指してまいります。

 

(4)会社の対処すべき課題

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機に、人々のライフスタイルや顧客の需要環境にも一定の変化が生じているため従来のビジネスの仕組みにも新しい価値観や選択を加えていく必要があります。

事業環境の変化としては、昨今の医療技術の進歩や入院日数の短期化等を背景に、医療用ガスの消費量は鈍化傾向にありますが、療養の場が「医療機関」から「在宅」へと変化してきたことで、より在宅医療に対するニーズが高まってきております。

そのような状況下、当社グループといたしましては「医療用酸素ガス供給業者のリーディングカンパニー」として、医療用ガスの安定供給により維持発展させたうえで、在宅医療関連事業や介護福祉関連事業を中心として、収益力向上に努めてまいります。在宅医療機器や福祉用具レンタル数増加のため、根本的な働き方やサプライチェーンを見直し、経営資源の効率的な投下と、積極的な設備投資を行ってまいります。

従来のビジネスモデルを基盤としつつも、新しい「しくみ」や「価値」に目を向け、さらに進化させていくことを通じて、社会に貢献する幅を広げてまいります。

お客様に安心と信頼を提供し続ける企業グループとなるため、当社グループ全従業員の安全に最大限配慮しつつ、品質管理や安全管理体制の充実は勿論、新たな商材を積極的に導入し、多様な経営課題を抱えるお客様の真のビジネスパートナーとしての使命を果たしてまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組みは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)基本方針

当社は、経営理念「私たち星医療酸器グループは、命を守る最前線で、社会に貢献しつづけます」のもと、株主をはじめとした全てのステークホルダーから信頼され続ける企業であるために、上場企業としての社会的責任を強く認識し、経営体制、内部統制及び、監査役監査の適切な機能により、最適な組織運営の構築と共にサステナビリティの推進に向けた取組みに努めております。

 

(2)ガバナンス

当社は、上場企業としての社会的責任を認識し、株主をはじめとした顧客、取引先、従業員等から信頼を獲得し、継続的な株主利益の増大を実現するため、経営体制、内部統制及び、監査役監査を適切に機能させ、最適な組織運営の構築に努めています。

当社のコーポレート・ガバナンスに関する詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照下さい。

 

(3)戦略

当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。

 

人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

患者さまや利用者さまの命と健康に日々向き合う当社にとって人材は最も重要な資産であり、人材の確保ならびにスキル・能力の向上が当社の持続的な成長と発展において重要になります。

人材戦略の一環として以下の取組みを行っています。

 

①人材の採用と育成

当社は優れた人材を獲得し育成することによって、企業の成長と競争力の向上を目指してまいります。現在ドライバー不足が深刻化しており、当社においても商品の安定供給のために配送員の確保を最重要課題として取り組んでおります。採用手法を多角化するとともに労働条件や環境の整備を進めてまいります。なお、新卒および中途採用の選考においては、適正な能力や経験だけでなく、経営理念の「命を守る最前線で社会に貢献し続ける」というミッションを共有できる人材の採用を大切に考えております。

採用後の人材育成については、従業員の成長と能力開発のために研修ツールの作成や研修プログラムの構築に注力しております。特にコロナ禍にあって減少していた集合形式による研修を増やし交流機会を多く設けることにより、社内の活性化と従業員のエンゲージメントの向上を図ってまいります

 

②従業員の健康

労働集約型のビジネスモデルである当社は引き続き従業員の心身の健康づくりに取り組んでまいります。当社の従業員は医療機関や患者さまに商品とサービスをお届けするエッセンシャルワーカーとして業務を遂行する特性上精神的に負担のかかるケースも生じ得ます。そこで外部の医療機関と提携し、専任のカウンセラーと精神科専門医にいつでも相談ができる体制を整えております。また、パワハラやセクハラを中心としたハラスメント研修も継続的に行っており、働きやすい環境の整備に努めております

 

③女性活躍推進

今後も市場の拡大が見込まれている在宅医療や介護福祉の市場において、多様化するニーズに応え当社がよりお客様に選ばれる商品や満足いただけるサービスを提供し続けるために、女性社員の比率を高め、自身の強みを活かして活躍できる組織づくりを目指してまいります。また男女ともに育休取得を推進していくことで働きやすい職場と企業風土の醸成に努めております。

 

④生産性向上

業務効率化の一環として、コミュニケーションツールの導入やバックオフィスの社内DX化を進めるなど、組織と個人の生産性を向上させる取り組みを継続的に行っております。

 

(4)リスク管理

当社は、サステナビリティ課題における事業へのリスクについて、経営環境への影響が大きいリスクを重要課題として其々に責任者を配置し、定期的なモニタリングと検討会を実施しております。当該検討会での審議内容については、必要に応じ経営会議に報告されることにより継続的なリスク管理を行っております。

なお、当社が認識する事業上等のリスクに関する詳細は、「3 事業等のリスク」をご参照下さい。

 

(5)指標及び目標

当社グループでは、上記「(3) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標

指標

目標

実績(当事業年度)

労働者に占める女性労働者の割合

2025年4月まで27

24.8

男性労働者の育児休業取得率

2025年4月まで100

71.4

労働者の男女の賃金の差異

2026年4月まで60

54.8

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1)法的な規制について

当社グループの事業は、各種法令、行政による許認可や規制等に関連しており、その遵守に努めていますが、意図せざる理由により法令違反又は訴訟提起が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

また、医療用ガス及び医療用関連商品の販売並びに病院向けの医療用ガス配管設備の施工・メンテナンス、在宅酸素発生器等のレンタル、介護福祉関連機器のレンタル及び販売については、各事業は監督官庁の許可、登録、免許及び届出を受けて営業活動を行っておりますので、法令の改正等に伴い経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)薬価の改定について

当社グループは、売上高に占める医療用ガスの割合が3割超であり、薬価基準に収載されております。薬価基準は、医療保険で使用できる医薬品の範囲と医療機関が使用した医薬品の請求価格を定めたものであります。従って、薬価基準は販売価格の上限として機能しております。このため、薬価改定の内容によっては医療用ガス等の販売価格に反映し、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)全国展開について

各事業所・営業所の営業力を強化し、新規取引先を中心に拡大しておりますが、当初計画より遅れた場合、当社グループの利益の低下になり、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)大規模な自然災害について

当社グループは、自然災害に対する被害・損害を最小限にするための防災、危機管理体制を重要なものと位置付けて取り組んでおりますが、大地震・洪水等の自然災害の発生により、当社グループの製造拠点及び調達先等に壊滅的な損害が生じた場合、操業が中断し、生産や出荷に遅延が生じ、顧客に安定して製品を供給できなくなるおそれがあります。これにより、売上が減少し、事業の復旧に多大な費用が生じた場合、当社グループの経営成績、財務状況等に影響を与える可能性があります。

 

(5)安全性について

当社グループは、高圧ガス保安法に則り医療用ガス等を製造・販売しており、事故発生の未然防止のための安全操業体制の強化に日々取り組んでおりますが、当社グループにおいて、火災事故、爆発事故が発生した場合、一時的に操業を停止するなど、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)事業投資について

当社グループは、近年積極的なM&Aを展開し業容の拡大を図っております。事業投資が当初計画から乖離した場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(7)情報の流出について

当社グループは、多くの顧客またはその他関係者の個人情報を保有しております。これらの情報へのセキュリティレベルの向上を図るとともに、情報取り扱いに関する社内規程の整備、社員教育等を実施しておりますが、ハッカーやコンピュータウイルスによる攻撃やインフラの障害、天災などによって、個人情報や技術情報の漏洩などが発生する可能性があります。このような事態が起きた場合、当社グループの企業価値を毀損する可能性があります。

また、企業情報及び個人情報が流出した場合には、当社グループの信頼を毀損するだけでなく、流出の影響を受けた取引先、顧客またはその他関係者から損害賠償を請求される可能性があります。そのような場合、対象企業や個人への補償、再発防止措置の実施等が必要になり、そのために多大なコストを要し、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)原材料の調達について

原材料メーカーが天災や事故等により生産活動を停止し、当社グループの原材料調達が困難となり顧客への供給責任を果たせなくなってしまうリスクがあります。このような場合は、当社グループの経営成績、財務状況等に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、こうした事態に備え、発生時の影響を最小限に抑えるため、日頃から原材料の複数購買等を進めることにより安定した原材料調達を図っております。

 

(9)減損損失について

当社グループの資産の時価が著しく下落した場合や、事業の収益性が悪化した場合には、減損会計の適用により減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

  (1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、景気は足踏みも見られるものの緩やかに回復しております。

先行きにつきましては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されます。ただし、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。

このような環境のもと、当社グループは取扱商品・サービスの安定供給とお取引先様と従業員の安全確保を最優先に事業を継続し、医療・介護・福祉分野において企業としての社会的責任を果たしてまいりました。

これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高は998百万円増加し14,778百万円(前期比7.2%増)となりました。これは、医療用ガス関連事業ならびに在宅医療関連事業の販売が堅調に推移したことに加え、医療用ガス設備工事関連事業において大型物件の完工が継続したことによるものであります。

売上総利益は、496百万円増加し7,209百万円(前期比7.4%増)となりました。また、売上総利益率は、メーカー等からの仕入コスト引上げや外注費の高騰に対応した販売価格の適正化に努めたことにより、前期比0.1ポイント増加し48.8%となりました。

販売費及び一般管理費は、人件費の増加の影響により312百万円増加し5,247百万円(前期比6.3%増)、売上高販管費比率は前期比0.3ポイント減少し35.5%となりました。

これらにより、営業利益は183百万円増加し1,961百万円(前期比10.3%増)、売上高営業利益率は前期比0.4ポイント増加し13.3%となりました。

経常利益は、営業利益の増加により220百万円増加し2,038百万円(前期比12.1%増)となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益が220百万円増加し、法人税等合計が107百万円増加したことにより、150百万円増加し1,404百万円(前期比12.0%増)となりました。

 

  セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 ① 医療用ガス関連事業

当部門は、新規取引先拡販が順調に推移し、医療用酸素・医療用二酸化炭素の出荷量は堅調に推移いたしました。世界情勢を反映したエネルギーコスト上昇等に伴う材料・仕入価格上昇につきましては、市況を見ながらコスト上昇分を鑑みた適正価格への変更に注力し交渉を進めてまいりました。また円滑な組織体制づくりや物流・運送業界における2024年問題に対応すべく人的資源の拡充にも努めてまいりました。

これらの結果、売上高は3,825百万円(前期比5.1%増)、セグメント利益は609百万円(前期比26.6%増)となりました。

 

 ② 在宅医療関連事業

当部門は、国の施策である在宅医療への推進を受け、患者様と医療機関のニーズにお応えすると共に、きめの細かい営業活動を継続いたしました。またアフターコロナの影響も受けることなく「HOT(在宅酸素療法)」、「CPAP(持続陽圧呼吸療法)」共に好調に推移いたしました。利益面では世界的な原材料価格の上昇やエネルギー、輸送費の高騰が続いておりますが、自助努力による合理化に努めてまいりました。

これらの結果、売上高は6,305百万円(前期比5.5%増)、セグメント利益は800百万円(前期比4.4%減)となりました。

 

 

 ③ 医療用ガス設備工事関連事業

当部門は、医療機関に対し医療用ガス設備並びに消火設備の配管工事及び保守点検業務を行っております。保守点検及びそれに伴う修繕業務は安定した売上を確保しております。設備工事は当期に大型物件が複数完工したことにより売上確保に繋がっております。

これらの結果、売上高は2,056百万円(前期比19.2%増)、セグメント利益は344百万円(前期比30.0%増)となりました。

 

 ④ 介護福祉関連事業

当部門は、介護福祉関連機器のレンタル及び販売部門において、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所及び病院・施設への継続的な営業活動を図ることによりレンタル売上及び販売におきましても順調に推移いたしました。

また訪問看護事業所は、都内3拠点を事業基盤として地域へのPR活動強化による認知度アップとスタッフの増員など運営体制の充実を図り順調に推移いたしました。

これらの結果、売上高は1,211百万円(前期比25.4%増)、セグメント利益は40百万円(前期比169.6%増)となりました。

 

 ⑤ 施設介護関連事業

当部門は、有料老人ホーム「ライフステージ阿佐ヶ谷(東京都杉並区)」におきましては、24時間看護師在駐や地元医療機関との連携の更なる構築を図り、高付加価値サービスの提供と、人材育成の体制を強化いたしました。また、入居者様の多様性を把握したうえで、感染症予防とまん延防止を第一とした施策を徹底することにより、入居者様やご家族様への「安心」・「安全」をお届けし、入居率の向上に努めてまいりました。

通所介護施設「あしつよ・文京(東京都文京区)」、「あしつよ巣鴨(東京都豊島区)」、「あしつよ王子(東京都北区)」におきましても、感染症予防に努めつつ地元密着のサービスの提供と顧客サービスの多様化に対応することにより稼働率アップに努めました。

これらの結果、売上高は349百万円(前期比0.1%減)、セグメント利益は16百万円(前期比42.3%減)となりました。

 

  (2) 生産、商品仕入、受注及び販売実績

  

 ① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度(千円)

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

医療用ガス関連事業

445,682

111.4

合計

445,682

111.4

 

(注) 1 金額は製造原価で表示しております。

 

 ② 商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度(千円)

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

医療用ガス関連事業

948,405

106.5

介護福祉関連事業

527,447

141.1

その他事業

869,425

92.5

合計

2,345,279

106.4

 

(注) 1 金額は仕入価格で表示しております。

 

 ③ 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

受注高(千円)

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

医療用ガス設備工事
関連事業

1,983,396

110.5

178,493

70.9

合計

1,983,396

110.5

178,493

70.9

 

(注) 1 金額は販売価格で表示しております。

2 受注状況は、工事関連の受注について記載しております。

 

 

 ④ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度(千円)

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

 

医療用ガス関連事業

         3,825,291

105.1

在宅医療関連事業

6,305,819

105.5

医療用ガス設備工事関連事業

2,056,532

119.2

介護福祉関連事業

         1,211,464

125.4

施設介護関連事業

349,989

99.9

その他事業

1,029,113

92.0

合計

14,778,211

107.2

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は販売価格で表示しております。

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

  (3) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は23,037百万円(前連結会計年度末比1,790百万円増)となりました。これは主に、現金及び預金が724百万円、投資有価証券が1,299百万円増加したこと等によるものであります。

負債合計は5,664百万円(前連結会計年度末比8百万円増)となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が133百万円、流動負債のリース債務が133百万円減少したこと等によるものであります。

純資産は17,372百万円(前連結会計年度末比1,781百万円増)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上と配当金の支払い等により利益剰余金が1,195百万円増加したこと等によるものであります。

 

    セグメントごとの資産は、次のとおりであります。

 ① 医療用ガス関連事業

当連結会計年度末のセグメント資産は1,509百万円(前連結会計年度末比79百万円減)となりました。

これは主に、医療用ガス配管設備及び容器等の取得による増加175百万円、減価償却費の計上による減少142百万円によるものであります。

 ② 在宅医療関連事業

当連結会計年度末のセグメント資産は2,270百万円(前連結会計年度末比24百万円減)となりました。

これは主に、在宅酸素療法用酸素供給装置等の取得による増加581百万円、減価償却費の計上による減少673百万円によるものであります。

 ③ 医療用ガス設備工事関連事業

当連結会計年度末のセグメント資産は281百万円(前連結会計年度末比11百万円増)となりました。

これは主に、資産の取得による増加15百万円、減価償却費の計上による減少8百万円によるものであります。

 ④ 介護福祉関連事業

当連結会計年度末のセグメント資産は350百万円(前連結会計年度末比3百万円減)となりました。

これは主に、資産の取得による増加24百万円、減価償却費の計上による減少19百万円によるものであります。

 ⑤ 施設介護関連事業

当連結会計年度末のセグメント資産は1,203百万円(前連結会計年度末比37百万円減)となりました。

これは主に、減価償却費の計上による減少19百万円によるものであります。

 

  (4) キャッシュ・フロー

当連結会計年度において、現金及び現金同等物は764百万円増加し、当連結会計年度末残高は9,755百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、営業活動により得られた資金は2,395百万円(前期比107百万円増)となりました。

これは、税金等調整前当期純利益が2,045百万円となり、減価償却費898百万円、法人税等の支払額565百万円があったこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、投資活動により使用した資金は744百万円(前期比314百万円使用減)となりました。

これは、有形固定資産の取得による支出248百万円、投資有価証券の取得による支出535百万円があったこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、財務活動により使用した資金は902百万円(前期比54百万円使用減)となりました。

これは、リース債務の返済による支出690百万円及び配当金の支払額による支出201百万円があったこと等によるものであります。

 

なお、当社グループの当連結会計年度末の流動比率は、前期末比15.6ポイント増加し291.1%となっており、その健全な財政状態及び安定的かつ継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出力による資金調達と、持続的成長に向けた効率的かつ計画的な投資の実行を両立させることで、当社グループの資本の財源及び資金の流動性を確保できるものと認識しております。

 

 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

(減損会計における将来キャッシュ・フロー)

減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の予算・計画等と整合するように修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。

回収可能価額は使用価値により測定しており、概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位の資産グループにおいて、将来キャッシュ・フローを算定しております。

当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、在宅医療関連事業において、ITを用いた測定記録装置の技術開発等に取り組んでおり、当連結会計年度における研究開発活動の総額は7百万円であります。