第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

① 業績結果

(a)売上高

 売上高は、前連結会計年度比で8.5%増加し、324億6千1百万円となりました。

 当連結会計年度における日本経済は、原油安や政府の経済対策等を背景に、企業収益や雇用環境に改善が見られましたが、中国や新興国の景気減速の影響が懸念され、円高や株安など、先行き不透明な状況が続いています。

 このような状況のなか当社グループは、製造工程の見直しや省力化生産設備の導入をはじめとする製造現場の改善、お客様センターの応対品質の向上、経費削減等により、業界トップの品質、業界トップのスピード、業界トップのサービス、納得してご購入頂ける価格の実現を目指すことで顧客満足度の向上を図ってまいりました。

 また、ハイスペックシリーズやエコシリーズ、航空機材シリーズ等の特徴のある商品をはじめとする標準在庫品の品揃えを充実させるとともに、24時間365日お見積り・ご注文が可能な「白銅ネットサービス」の普及により同業他社との差別化を追求しました。

 さらに、昨年1月から稼働した3Dプリンターによる金属製品の受託製造は対応鋼種を増加させました。

 以上のとおり、前述の施策を背景に、売上高については伸長したものです。

 

(b)営業利益

 営業利益は、前連結会計年度比で16.3%減少し、17億6百万円となりました。

 営業利益の減少要因として、原材料市況が急落したことを受け、その影響額として当連結会計年度の商品在庫に係わる相場差損が1億9千万円となりました。なお、前連結会計年度は1億8千2百万円の商品在庫に係わる相場差益が発生しております。

(c)経常利益

 経常利益は、営業利益の減少により前連結会計年度比で15.5%減少し、17億5千万円となりました。なお、経常利益には、為替差損1千7百万円が含まれております。

 

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は11億9千4百万円(前連結会計年度比11.6%減)となりました。

 

 セグメントごとの業績は次のとおりとなります。

当連結会計年度(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日

セグメント

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主に帰属する当期純利益

日本

31,103百万円

1,630百万円

1,682百万円

1,134百万円

中国

1,168百万円

84百万円

83百万円

76百万円

その他

189百万円

△8百万円

△15百万円

△15百万円

 

② 当社を取り巻く環境

 当社グループ業績に影響度の高い半導体製造装置業界および液晶製造装置業界、工作機械業界、事務機器業界、自動車関連業界では、前連結会計年度末から国内設備投資は回復傾向で推移しました

 一方、当社グループの売上高のなかで最も品種別売上高比率が高いアルミニウム圧延品の国内メーカーの生産量は、前年と比較し減少傾向で推移しました。

 原材料市況は、アルミニウム地金(日本経済新聞月別平均値)がトン当たり前連結会計年度末の30万6千円から当連結会計年度末は22万9千円に、電気銅建値はトン当たり前連結会計年度末の78万円から当連結会計年度末は61万円に、ステンレス鋼板(日本経済新聞月別平均値)は前連結会計年度末の33万円から当連結会計年度末は30万3千円にいずれも下落しました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)残高は、前連結会計年度末に比べ、7億5千4百万円増加し、42億5千5百万円となりました。

 その内訳は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローによって資金は、12億6千8百万円増加しました。

 これは、税金等調整前当期純利益17億5千万円、減価償却費5億7千7百万円、売上債権の増加3億1千7百万円、仕入債務の減少1億2千2百万円、たな卸資産の減少2億5千5百万円、法人税等の支払額により9億1千3百万円支出したこと等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローによって資金は、8千5百万円増加しました。

 これは、定期預金の引出による8億円の収入があった他、有形固定資産の取得により6億3千9百万円を支出、無形固定資産の取得により7千5百万円を支出したこと等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローによって資金は、5億4千4百万円減少しました。

 これは、配当金を5億4千4百万円支出したことによります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 該当事項はありません。

(2)商品仕入実績

 当連結会計年度(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日)の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

品目

日本

中国

その他

合計

前期比

(%)

アルミ(千円)

15,976,293

370,084

29,980

16,376,357

4.7

伸銅(千円)

3,363,260

1,163

3,029

3,367,453

△3.1

ステンレス(千円)

2,185,431

17,668

1,819

2,204,918

6.3

特殊鋼(千円)

429,564

23,328

265

453,158

5.7

その他(千円)

455,012

5,552

185

460,751

26.4

合計(千円)

22,409,562

417,796

35,280

22,862,639

4.0

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)受注状況

 該当事項はありません。

(4)販売の実績

 当連結会計年度(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日)の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

品目

日本

中国

その他

合計

前期比

(%)

アルミ(千円)

20,960,538

690,588

80,285

21,731,411

9.4

伸銅(千円)

4,489,808

33,601

50,587

4,573,997

0.6

ステンレス(千円)

4,635,235

149,907

58,581

4,843,725

14.4

特殊鋼(千円)

330,226

271,589

294

602,111

△8.9

その他(千円)

687,201

22,548

150

709,900

16.5

合計(千円)

31,103,010

1,168,235

189,899

32,461,145

8.5

(注)1. セグメント間の取引については相殺消去しております。

   2. 総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先はありません。

   3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

◆ 差別化による売上高の増大と利益率の向上

◆ 海外事業の強化

◆ 新規事業の開拓

 

 以上の課題を解決するため、次のとおり対処いたします。

(1)差別化による売上高の増大と利益率の向上

 製造工程の見直しや省力化生産設備の積極投入、製造現場のIT管理の推進等により製造現場の革新を行い、「超品質企業」を目指すとともに、お客様センターの応対品質の向上、経費削減等により、業界トップの品質、業界トップのスピード、業界トップのサービス、納得してご購入頂ける価格を実現することで顧客満足度の向上を図ってまいります。また、航空機材シリーズやエコシリーズ、ハイスペックシリーズ等の特徴のある商品をはじめ標準在庫品の品揃えを充実させるとともに、3Dプリンターによる金属製品の受託製造、24時間365日お見積り・ご注文可能な「白銅ネットサービス」のさらなる機能充実により、同業他社との差別化を図ってまいります。

 以上のとおり、同業他社との差別化を図ることで、売上高の増大と利益率の向上を目指してまいります。

 

(2)海外事業の強化

 中国の連結子会社である上海白銅精密材料有限公司は、工場設備の更新および増強、加工商品の品質向上、中国版「白銅ネットサービス」の新規開設、お客様センターの応対品質向上等により顧客満足度の向上を図るとともに、より一層の経費削減を実施することで売上高および利益の増大を目指してまいります。

 平成26年10月にタイ王国に設立した連結子会社であるHAKUDO(THAILAND)Co.,Ltd.は、現地代理店との連携の強化や、現地企業の高精度・高品質な材料需要に短納期で対応することにより、タイ国内への拡販を図り、早期の黒字化を目指してまいります。

 また、ベトナム、マレーシア、インドネシアの代理店との関係を強化し、アジア全域へ非鉄・ステンレスのオーダーメードプレート販売網の確立を図ってまいります。

 

(3)新規事業の開拓

 平成27年1月に3Dプリンターによる金属製品の受託製造を開始しました。まずは自動車部品、航空機部品、医療機器などの各種量産前の試作開発品向けに拡販を行っておりますが、試作開発品のみならず、量産移行時には、当社グループの国内・海外加工ネットワークを駆使して機械加工等の対応を行うことで、さらなる売上高の増大を目指してまいります。

 今後は、3Dプリンター加工機の増設や取扱い鋼種の拡大を検討し、将来の当社グループの中核事業となるよう、育成に努めてまいります。

 また、3Dプリンター事業のみならず、当社グループのさらなる発展のために新規事業の開拓に積極的に取り組んでまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

 事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下があります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成28年3月31日)現在において判断したものであります。

 

(1)販売方法別のリスクについて

 当社グループは、アルミニウム・伸銅・ステンレス・特殊鋼等の金属製品やプラスチック製品の加工および販売を次の二つの販売方法で行っております。

 一つは標準在庫品販売で、自社工場に常時約4,300品目サイズの商品を在庫し、それを流通業者およびユーザーからの注文に応えて、加工して販売する方法です。この販売方法のリスクには、自社工場に大量の在庫を抱えることや国内の景気動向の影響を受けやすいことが挙げられます。

 もう一つは特注品販売で、特定の大口ユーザー向けのオリジナル規格の商品を、当社工場を介さずにメーカーから直接大口ユーザーに納品して販売する方法です。この販売方法のリスクには、特定大口ユーザーの生産動向に影響されることが挙げられます。

 

(2)特定業界への売上高依存度について

 当社グループは、アルミニウムやステンレスの厚板を多方面の業界に販売しております。なかでも半導体製造装置業界および液晶製造装置業界向けの売上比率が高く、同業界は、いわゆる「シリコンサイクル」や「クリスタルサイクル」に大きく影響されるため、その周期によって当社グループの業績に影響を及ぼすことが挙げられます。

 

(3)非鉄金属市況による影響について

 当社グループの主要販売商品であるアルミニウム、伸銅等の非鉄金属の価格は、国際市況によって変動しております。国際市況が大きく変動した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼすことが挙げられます。

 

(4)当社の基幹施設の故障等による影響について

 自然災害および機械故障による当社工場の操業不能、情報システムの処理不能、電話回線・インターネット回線等の通信不能は当社グループの業績に影響を及ぼすことが挙げられます。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成28年3月31日)現在において判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に際して、特に以下の会計方針が当社グループの財政状態及び経営成績にとって重要であり、かつ経営判断及び見積りに影響を及ぼすものと考えております。

① 債権の回収可能性

 当社グループの債権のうち、損失が合理的に予想される債権に対しては、貸倒引当金を計上しております。なお、当社における1年を経過した滞留債権については、貸倒損失処理を行っております。

② 有価証券および投資有価証券の評価

 当社グループの保有する有価証券(「満期保有目的の債券」)は、償却原価法(定額法)により処理しております。投資有価証券(「その他有価証券」)は、時価のあるものと時価のないものに分類し、時価のあるものは当連結会計年度末の市場価格に基づく時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)により評価しております。また、時価のないものは1株当たり純資産額と取得価額とを比較して1株当たり純資産額が著しく低下した場合に減損処理の要否を検討することとしております。

③ 在庫商品の評価

 当社グループの在庫商品は、総平均法に基づく原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法)を採用し、グルーピングした商品毎に当連結会計年度末の正味売却価額と取得原価を比較して評価損を計上しております。

 また、長期滞留の在庫商品に対しては販売可能性を判定して評価損を計上しております。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

① 売上高

 当社グループは、製造工程の見直し、生産設備の新規導入および更新、お客様センターでの応対向上、経費削減等により、業界トップの品質、業界トップのスピード、業界トップのサービス、納得してご購入頂ける価格の実現を目指すことで顧客満足度の向上を図ってまいりました。

 また、ハイスペックシリーズ、エコシリーズ、航空機材シリーズ等の特徴のある商品をはじめとする標準在庫品の品揃えを充実させるとともに、24時間365日お見積り・ご注文が可能な「白銅ネットサービス」の普及により同業他社との差別化を図ってまいりました。

 さらに、昨年1月から稼動した3Dプリンターによる金属製品の受託製造は対応鋼種を増加させました。

 その結果、当連結会計年度における売上高は前年同期比で8.5%増加し、324億6千1百万円となりました。

② 売上原価および売上総利益

 販売量の増加に伴う仕入高の増加、お客様の満足度向上を図るための費用の増加により、売上原価は前年同期比で11.0%増加の271億1千5百万円となりました。

 この結果、当連結会計年度における売上総利益は前年同期比2.6%減少し、53億4千5百万円となりました。

③ 販売費及び一般管理費および営業損益

 販売量の増加に伴う運賃等の増加により、当連結会計年度における販売費及び一般管理費は前年同期比で5.5%増加し、36億3千8百万円となりました。

 当連結会計年度においては、原材料市況が急落したことを受け、商品在庫に係わる相場差損が1億9千万円となりました。なお、前連結会計年度は1億8千2百万円の商品在庫に係わる相場差益が発生しています。

 この結果、当連結会計年度における営業利益は前年同期比16.3%減少し、17億6百万円となりました。

④ 営業外損益および経常損益

 受取利息等の営業外収益の増加と為替差損等の営業外費用の減少により、営業外損益は、4千3百万円の利益となりました。

 この結果、当連結会計年度における経常利益は前年同期比15.5%減少し、17億5千万円となりました。

⑤ 特別損益、税金等調整前当期純損益および親会社株主に帰属する当期純損益

 法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計は前年同期比21.2%減少し、5億5千5百万円となりました。

 この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比11.6%減少し、11億9千4百万円となりました。

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループは、非鉄金属素材の販売を中核の事業としていることから、非鉄金属の市況の動向が当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因となります。当連結会計年度の非鉄金属の市況は、アルミニウム地金、電気銅建値およびステンレス鋼板はいずれも下落しました。

 また、当社の主要販売分野が半導体製造装置および液晶製造装置業界、工作機械業界、事務機器業界、自動車関連業界であることから、各種業界の設備投資の動向が当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因となります。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フロー

 キャッシュ・フローの状況については、第一部[企業情報] 第2[事業の状況] 1[業績等の概要] (2)キャッシュ・フローをご参照ください。

② 資金需要

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、販売および在庫のための商品購入ならびに商品の加工費用のほか、販売費及び一般管理費等であります。販売費及び一般管理費の主なものは、人件費、運賃、業務委託費等であります。

③ 財務政策

 当社グループは現在、運転資金については短期借入金により、設備資金については内部留保により調達することを基本としております。また、当社においては、取引銀行3行と貸出コミットメント契約を締結し、機動的な資金調達を行っております。

 また、当期末現在で借入金の残高はありません。

 

(5)経営者の問題認識と今後の方針について

 経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 3対処すべき課題」に記載したとおりです。

 顧客満足度の向上と同業他社との差別化による売上高の増大と利益率の向上および海外事業の強化を通して、今後もさらに安定的かつ継続的な成長を目指してまいります。