第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度(平成29年3月1日~平成30年2月28日)におけるわが国経済は、米国をはじめとする海外の政策動向や地政学的リスクに留意する必要があるものの、政府の経済政策を背景に、企業収益の回復や雇用・所得環境の改善が続き、緩やかな回復基調が継続しました。

ドラッグストア業界を取り巻く経営環境につきましては、同業他社や異業種・異業態による積極的な出店や価格競争に加え、M&Aによる同業の規模拡大、EC拡大に伴う消費者の購買チャネルの変化、人件費や建築費用の上昇も影響し、当社を取り巻く経営環境の厳しさは継続しました。

このような環境の中、当社グループは、ウェルネスを基軸とした商品・サービスの拡充と売場づくり、行政・団体・地元企業などと連携した地域密着・深耕策の推進、ヘルスケア領域強化に向けたビジネスモデルづくり、当社が優位性を発揮する際の中核となる人材育成などに積極的に取り組みました。

具体的には、

① お客様ニーズに合わせた商品分類への変更とそれに伴う売場変更、特にウェルネスの切り口からの健康食品・サプリメントなどの商品情報を充実させた「ウェルネス関連売場の拡充」

② ウェルネスフェスタの開催、店舗を活用したウォーキング大会、健康相談会、がん検診など、行政・団体・地元企業と連携した「地域密着・深耕策の推進」

③ 後発医薬品の取扱品目拡大による利用促進、行政・医療機関と連携した特定疾患向けの啓もう活動、お薬手帳を活用した薬剤情報の一元管理サービス提供の強化などの「処方せんの応需枚数増加策の実施」

④ 薬剤師業務を効率化し、薬剤師による服薬指導・在宅調剤・健康相談に向ける時間の創出を目的とした「調剤業務支援機器の導入」

⑤ 健康維持・予防段階から終末期まで、多職種が継続的に連携してお客様・患者様へ最適なサービスを提供する、ITを活用した「ヘルスケア領域のビジネスモデルづくり」

⑥ 将来の事業拡大の中核を担う店長、薬剤師、管理栄養士、ビューティアドバイザーなどの店舗人材の育成を目的とした「研修プログラムのブラッシュアップ」

⑦ シニアの“都合の良い時間に、自分のペースで働きたい”、“地域の人々とつながり、周りに頼り頼られたい”とのニーズに応える「多様な働き方づくり」

等々に取り組んでまいりました。

店舗の出退店等につきましては、 80店舗の新規出店、 62店舗の中・大型改装、 23店舗の閉店を実施してまいりました。これにより、当連結会計年度末における店舗数は 1,105店舗(前期末比 57店舗増)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高 4,570億47百万円(前年同期比 6.1%増、262億51百万円増)、営業利益 247億60百万円(同 8.4%増、19億28百万円増)、経常利益 259億円(同 8.5%増、20億24百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益 164億11百万円(同 9.8%増、14億64百万円増)となりました。

 

なお、当社の事業セグメントは単一セグメントですので、セグメント別の記載は省略しております。

 

(2) キャッシュ・フロー

連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ 62億51百万円増加し、476億76百万円(前年同期比 15.1%増)となりました

連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、275億64百万円(同 63.0%増、106億51百万円増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が 245億59百万円となり、減価償却費が 64億55百万円あった一方で、法人税等の支払額が 64億86百万円あったこと等によるものであります

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、179億11百万円(同 2.9%減、5億28百万円減)となりました。これは主に定期預金の払戻による収入が 830億円、有価証券の償還による収入が 460億円あった一方で、定期預金の預入による支出が 840億円、有価証券の取得による支出が 490億円、有形固定資産の取得による支出が 107億66百万円あったこと等によるものであります

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、34億1百万円(同 3.0%減、1億5百万円減)となりました。これは主に配当金の支払額が 31億66百万円あったこと等によるものであります

 

2【仕入実績及び販売の状況】

(1) 商品仕入実績

 当社グループはドラッグ・調剤事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の商品仕入実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年3月1日

至 平成30年2月28日)

前年同期比(%)

ドラッグ・調剤事業(百万円)

327,554

104.0

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 販売実績

 当社グループはドラッグ・調剤事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年3月1日

至 平成30年2月28日)

前年同期比(%)

ドラッグ・調剤事業(百万円)

457,047

106.1

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、以下のように「経営理念」「私たちの誓い」「ビジョン」を定め、企業価値向上に努めてまいります。

「経営理念」

私たちは、

社員一人ひとりの幸福(しあわせ)、

お客様一人ひとりの幸福(しあわせ)、

そして、あらゆる人々の幸福(しあわせ)を願い、

笑顔を増やします。

「私たちの誓い」

私たちは、常にお客様の立場にたって判断・行動しつづけます。

私たちは、常に外と内の変化を見据え、革新しつづけます。

私たちは、常に能力を拡大・深耕し、会社と共に成長しつづけます。

私たちは、常に誠実でありつづけます。

私たちは、常に多様性を尊重しつづけます。

「ビジョン」

私たちは、地域の“健康・キレイ・快適・安心”を支える、身近で、気軽に、頼れる存在になります。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

我が国の経済は、米国・欧州をはじめとした世界経済の成長及びそれに伴う企業業績の回復を背景に、緩やかな回復基調が続くことが期待されていますが、社会保障などへの将来的不安の影響などから、消費回復の見通しの不透明感は拭えません。また、業界内の競争はより激しさを増すことや診療報酬改定に伴う薬価引き下げ・報酬体系の大幅な見直しが実施されることから、ドラッグストア業界を取りまく環境は、依然として予断を許さない状況が続くと思われます。

このような状況下、当社グループは、将来視点から、他社との連携を積極的に実施することによる「次代のビジネスモデルづくり」、将来の事業拡大を支える「人材づくり」、お客様に行き届き、生産性を高める「システムインフラづくり」などを行ってまいります。また、市場環境、競争環境の変化に迅速かつ的確に対応できるよう、営業体制の強化を徹底してまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 法的規制等について

① 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「医薬品医療機器等法」という。)」等による規制について

当社グループは、「医薬品医療機器等法」上の医薬品等を販売するにあたり、各都道府県の許可・登録・指定・免許及び届出を必要としております。また、食品、酒類等の販売については、食品衛生法等それぞれ関係法令に基づき、所轄官公庁の許可・免許・登録等を必要としております。その主なものは、以下のとおりであります。

従って、これら法令の改正等により店舗の営業等に影響を及ぼすことがあります。

許可、登録、指定、免許、届出の別

有効期限

関連する法令

登録等の交付者

医薬品販売業許可

6年

医薬品医療機器等法

各都道府県知事又は所轄保健所長

薬局開設許可

6年

医薬品医療機器等法

各都道府県知事又は所轄保健所長

保険薬局指定

6年

健康保険法

各所轄厚生局長

毒物劇物一般販売業登録

6年

毒物及び劇物取締法

各都道府県知事又は所轄保健所長

麻薬小売業者免許

3年

麻薬及び向精神薬取締法

各都道府県知事

高度管理医療機器等
販売業及び賃貸業許可

6年

医薬品医療機器等法

各都道府県知事又は所轄保健所長

動物用医薬品一般販売業許可

6年

医薬品医療機器等法

各都道府県知事

農薬販売業届出

無期限

農薬取締法

各都道府県知事

② 医薬品の販売規制緩和について

平成21年6月1日より施行された改正旧薬事法による登録販売者制度の導入及び一般用医薬品のインターネット販売の事実上の解禁により、他業種との競争が激化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 調剤報酬及び薬価基準の改正について

当社グループの調剤売上は、薬剤に係る収入と調剤技術に係る収入から成り立っております。

これらは、健康保険法に定められた「薬価基準」及び「調剤報酬の点数」をもとに算出されております。

今後、薬価基準や調剤報酬の改定が行われた際は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 薬剤師の確保について

地域医療対応型ドラッグストアを目指す当社グループでは、「医薬品医療機器等法」等に定められた必要員数を確保するだけでなく、適切なカウンセリング及び正確な調剤ができる質の高い薬剤師の確保が不可欠であります。

必要な薬剤師が確保できない場合には、店舗の営業時間や出店計画に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 調剤過誤の防止

当社グループは薬事研修センター(東京校・名古屋校・大阪校)を開設し、薬剤師の資質向上を図るとともに、調剤業務に導入した複数の鑑査システムの徹底活用を図り、また、調剤業務のバックアップ体制を構築することにより、調剤過誤の防止に努めております。

しかし、万が一、調剤過誤が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 大規模災害による影響について

現在のところ、当社グループの店舗の多くは、近い将来大規模地震の発生により影響を受けると予想される地域で営業を行っております。

防災対策には、人・物・金・情報の面で万全を期しておりますが、懸念される地震等が発生した場合には、店舗の営業に支障をきたし業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 個人情報の漏洩防止について

当社グループでは、処方箋やポイント会員の個人情報を扱っており、個人情報の保護については、十分な対策を講じておりますが、万が一漏洩されることとなった場合には、訴訟を受けたり、社会的な信用を失うこと等により業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 減損会計の適用について

当社グループは「固定資産の減損に係る会計基準」の適用により、今後においても競合の激化や予期せぬ商圏の変動などにより店舗の収益性に変化があった場合には、固定資産の減損処理が必要になる場合があります。

その場合、特別損失が計上され当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。これらの見積りについては過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果と異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は 4,570億47百万円(前年同期比 6.1%増、262億51百万円増)、売上総利益は 1,315億65百万円(同 9.6%増、115億56百万円増)となりました。

なお、この詳細は「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載しております

 

(3) 財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ 233億24百万円増加し、2,539億89百万円となりました。

流動資産は、現金及び預金が 92億51百万円、商品が 27億37百万円、売掛金が 20億49百万円増加したこと等により、160億39百万円増加し 1,734億26百万円となりました。

固定資産は、建物及び構築物が 37億31百万円増加したこと等により、72億85百万円増加し 805億62百万円となりました。

負債は、前連結会計年度末に比べ 100億61百万円増加し、919億43百万円となりました

流動負債は、買掛金が 25億4百万円、未払法人税等が 29億24百万円増加したこと等により、87億6百万円増加し793億77百万円となりました

固定負債は、退職給付に係る負債が 5億63百万円、資産除去債務が 3億65百万円増加したこと等により、13億54百万円増加し 125億65百万円となりました

純資産は、前連結会計年度末に比べ 132億63百万円増加し、1,620億46百万円となりました

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、476億76百万円となっております。これに営業キャッシュ・フローと金融機関の借入枠等を勘案すれば、将来資金に対して充分な財源が存在していると認識しております。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループにおきましては、上位企業による規模拡大に向けたM&Aや出店競争がさらに激化しております。

また、同業及び異業種・異業態との価格にウェイトを置いた「同一・同質的な競争」の激化、新規出店に影響を及ぼす薬剤師や登録販売者の確保など、懸念材料が多数存在しております。

これらはいずれも当社グループの経営成績に影響を与える要因であります。