文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、お客様の健康維持・予防から介護・終末期のケアまでを一貫してサポートするトータルヘルスケア戦略を推進する中、多店舗に展開している調剤併設型ドラッグストアで安定的な事業基盤と競争優位性を築き、新規サービスとしてヘルスケア領域での顧客生涯価値の向上や海外市場への展開で他社との連携により売上を拡大することで、企業価値向上に努めてまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループでは、2022年度から2026年度までの5か年を対象とした中期経営計画を策定し、2022年度よりスタートさせております。中期経営計画最終年度の2026年度には売上高1兆円を目標として掲げており、毎期末に目標に対する進捗状況を確認してまいります。
(3) 経営環境および優先的に対処すべき課題
翌連結会計年度におけるわが国経済は、政府が新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを2類から5類に移行する方針を示しており、感染動向が景気に与える影響は縮小していくと見られるものの、エネルギー・原材料価格の更なる高騰、物価上昇による消費マインドの悪化など、依然として先行き不透明な状態が想定されます。
ドラッグストア業界におきましては、各社の積極的な出店やM&Aによる競争激化に加え、コロナ関連商材売上の反動減、毎年実施される薬価の改定による下押し圧力の増加など、業界を取り巻く環境につきましても、予断を許さない状況が続くと思われます。
このような環境のもと、当社グループは、創業来変わることのない理念である地域医療への貢献を目的としたトータルヘルスケア戦略の展開を核に、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の展開強化、人的資本経営への取り組み、社会的価値と経済的価値の共存を目指したESGの推進、将来を支える人財の獲得・育成強化を通じて、持続的な成長を推進してまいります。
人的資本経営におきましては、社員をコストではなく資本として捉え、人は成長し、価値創造の担い手になるとの信念を持ち、積極的に人財投資を進め企業価値を高めてまいります。こうした考え方に基づき、人財戦略と経営戦略を連動させ、社員の働きがいを向上させるため、人事制度改革、人財育成、人財の確保などを推進することで、男女間賃金格差の是正、女性管理職比率の向上、男性育児休業取得率の向上等、多様な人財が活躍できる企業づくりを進めてまいります。その一環として、社員一人ひとりが「健康」で「働きがい」を持って「活き活き」と働ける環境をつくることを目的に、社長を健康経営最高責任者、各子会社社長を推進の執行責任者に置いた健康経営を推進しております。その取り組みが評価された結果、当社グループは、日本健康会議より「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に認定されております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 法的規制等について
① 医薬品の販売規制緩和について
これまで、2009年6月改正旧薬事法による登録販売者制度の導入、2014年6月改正旧薬事法による一般用医薬品のインターネット販売の事実上の解禁が成されました。その他、一般用医薬品の販売時間規制や資格保有者による遠隔管理販売などの規制緩和も検討されております。これら一般用医薬品の販売に関する規制緩和の進展により、他業種の新規参入による競争が激化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
その対応策として、薬剤師や登録販売者など専門職種の育成による店頭での付加価値の高い接客、ECなど新たな販売チャネルの検討を進めてまいります。
② 調剤報酬および薬価基準の改正について
当社グループの調剤売上は、薬剤に係る収入と調剤技術に係る収入から成り立っております。これらは、健康保険法に定められた「薬価基準」および「調剤報酬の点数」をもとに算出されており、今後、ネガティブな方向性に薬価基準や調剤報酬の改定が行われた際は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
その対応策として、改定内容に合わせて各加算の算定を行えるように、2015年に厚生労働省から示された「患者のための薬局ビジョン」に従い、服薬情報の一元的・継続的把握、24時間対応・在宅対応、医療機関等との連携、健康サポート機能、高度薬学管理機能の整備を進めてまいります。
(2) 調剤過誤の防止
調剤では、医療事故等により患者に健康被害が発生するおそれがある医療用医薬品を取り扱っております。万が一、調剤過誤による医療事故を引き起こした場合には、社会的信用を損なうことで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
その対応策として、薬剤師の資質向上のための研修、業務マニュアルの順守、調剤鑑査システムの導入・使用の徹底を図り、またリスク委員会の設置によりリスク管理体制を構築して、調剤過誤の防止に努めております。
(3) 情報セキュリティについて
当社グループでは、情報セキュリティ基本方針を定めており、当社グループの保有する情報資産を適切かつ安全に取り扱い、当社事業の継続を確保しておりますが、外部からの不正アクセスやコンピューターウイルスによる攻撃、従業員その他の関係者により情報が漏洩した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
その対応策として、代表取締役社長の諮問機関であるサステナビリティ委員会内に情報セキュリティ委員会を設置し、スギ薬局グループ全体での情報収集・管理体制の強化に努め、情報管理に関わるリスクの分析、評価および対策を講じてまいります。
(4) 環境対応について
気候変動による気温の変化や大規模災害の発生により、店舗や物流などが被害を受けることで営業・販売の制約や商品調達に影響した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
その対応策として、当社グループでは、気候変動に的確に対応するために、リスク委員会において、気候変動に関わるリスクの分析、評価および対策を講じてまいります。
(5) 減損会計の適用について
当社グループは「固定資産の減損に係る会計基準」の適用により、今後においても競合の激化や予期せぬ商圏の変動などにより店舗の収益性に変化があった場合には、固定資産の減損処理が必要になる場合があります。
その場合、特別損失が計上され当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 地政学的リスクへの対応について
ロシア・ウクライナをめぐる国際情勢の変化が、エネルギー・原材料価格の高騰を引き起こし、当社グループで利用するエネルギーコストや販売する商品の仕入れコストに影響を及ぼす可能性があります。また、希少資源の供給不足が、様々な設備導入、新規出店等の遅延を引き起こし、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
その対応策として、経営のローコスト化を進めるとともに、計画的かつ適切な在庫の確保、調達先・調達方法の多様化によるリスク分散等を実施してまいります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を、当連結会計年度の期首から適用しております。そのため、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、当連結会計年度における経営成績等に関する説明は、前連結会計年度と比較しての増減額および前年同期比(%)を記載せずに説明しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
①財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度(2022年3月1日~2023年2月28日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続いたものの、行動制限や水際対策の緩和などにより、社会経済活動に回復の動きが見受けられました。しかしながら、エネルギー・原材料価格の高騰、急速な円安に伴う物価上昇など、景気の先行きにつきましては依然として不透明な状況が続いております。
ドラッグストア業界におきましては、行動制限の緩和や新型コロナウイルスの感染再拡大などにより一部の商品需要に増加の動きが見られたものの、薬価・調剤報酬改定の影響による処方せん単価の下落および一部調剤報酬の大幅な引き下げ、出店競争の更なる激化など、業界を取り巻く経営環境は一層厳しさを増しております。
このような環境のもと、当社グループは、調剤領域におきましては、積極的な新規開局を進めることで処方せんの更なる獲得に努めました。また、応需する処方せん枚数の増加に対応するため、既存店舗の調剤室や調剤待合室の拡張改装を実施するとともに、患者様の利便性向上に向けたお薬手帳アプリのダウンロード促進、2023年1月からスタートした電子処方せんに対応できる店舗網の整備などに取り組みました。生産性改善に向けては、医療事務の配属を進め、個店別の人員配置を適正化するなど全体的な最適化を図りました。
物販領域におきましては、地域のお客様ニーズに応えるべく、地域特性に適合した売場改装を推進するとともに、買い上げ点数アップに向けた各種施策や販売促進策の強化などに取り組みました。また、1,000万ダウンロードを突破したスギ薬局アプリをバージョンアップすることで、デジタル会員基盤の更なる拡充を図りました。生産性改善に向けては、個店別の状況に応じた人員配置や時間管理、DXによる店舗作業の削減、各種節電対策などに取り組みました。
サステナビリティ経営におきましては、ESGの各種重要課題(マテリアリティ)への対応を進めました。脱炭素社会の実現に向けた対応では、1店舗あたりのCO2排出量を削減すべく、店舗屋上に太陽光パネルを設置し、再生エネルギーの導入を進めました。循環型社会の実現に向けた対応では、お取引先様と協業し、当社グループ店舗がペットボトルやお薬シートの回収拠点となることで、プラスチックのリサイクルに貢献しました。また、フードバンクへの寄贈も開始し、食品ロス低減、貧困解消など社会課題解決に向けた対応を行いました。加えて、国際的な人権課題への意識の高まりと企業の社会的責任を踏まえ、当社グループでは人権方針を策定し、サプライチェーンにおいて当社グループが責任を果たしていくべく体制整備を開始しました。
店舗の出退店などにつきましては、107店舗の出店と25店舗の閉店および既存店舗の競争力強化に向けて244店舗の改装を実施いたしました。これにより、当連結会計年度末における店舗数は1,565店舗(前期末比82店舗増)となりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,999億84百万円となり、前連結会計年度末に比べ75億50百万円増加いたしました。これは主に売掛金が39億37百万円、商品が29億31百万円増加したことによるものであります。
固定資産は1,519億11百万円となり、前連結会計年度末に比べ95億87百万円増加いたしました。これは主に建物及び構築物が28億64百万円、繰延税金資産が27億22百万円、差入保証金が14億11百万円、投資有価証券が11億61百万円増加したことによるものであります。
この結果、資産合計は3,518億95百万円となり、前連結会計年度末に比べ171億37百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,170億15百万円となり、前連結会計年度末に比べ144億49百万円増加いたしました。これは主に買掛金が60億50百万円、未払法人税等が33億94百万円増加したことによるものであります。
固定負債は183億41百万円となり、前連結会計年度末に比べ39百万円増加いたしました。これは主に資産除去債務が4億4百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,353億56百万円となり、前連結会計年度末に比べ144億88百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は2,165億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ26億48百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が117億28百万円増加した一方で、自己株式の取得等により自己株式が増加(純資産への影響は減少)したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は61.5%となりました。
b.経営成績
(売上高)
売上高は6,676億47百万円(前年同期は6,254億77百万円)となりました。主な増加要因としましては、107店舗の新規店舗(関東32店舗、中部33店舗、北陸8店舗、関西34店舗)を出店できたことによる事業規模の拡大、調剤実施店舗数の増加を背景に処方せんの応需枚数が増加(同10.1%増)したことによる調剤売上の増加、新型コロナウイルスの感染再拡大などによる関連商品の売上増などが挙げられます。
(売上総利益)
売上総利益は2,025億24百万円(前年同期は1,914億90百万円)となりました。主な増加要因としましては、物販部門においての適正な価格設定と店舗での販売ミックス改善、衛生用品などの高付加価値商品の販売拡大により売上総利益率が改善されたことなどが挙げられます。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は1,708億65百万円(前年同期は1,593億53百万円)となりました。主な増加要因としましては、出店数の増加に伴う賃借料、減価償却費および人件費の増加、DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進に向けた投資増加による減価償却費の増加、エネルギーコスト上昇に伴う水道光熱費の増加などが挙げられます。
以上の結果、営業利益は316億58百万円(前年同期は321億37百万円)となりました。
(経常利益)
営業外収益は、固定資産受贈益が減少したこと等により29億82百万円(前年同期は31億29百万円)となりました。一方、営業外費用は賃貸収入原価が増加したこと等により22億49百万円(前年同期は21億83百万円)となりました。
以上の結果、経常利益は323億91百万円(前年同期は330億82百万円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益は、固定資産の売却益を10億2百万円計上し、特別損失には、減損損失52億8百万円(前年同期は56億26百万円)を計上しました。その結果、税金等調整前当期純利益は281億84百万円(前年同期は274億56百万円)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は190億7百万円(前年同期は193億89百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ7億90百万円増加し346億22百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、382億79百万円(前年同期は71億74百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が281億84百万円、減価償却費が123億62百万円、仕入債務の増加額が59億76百万円、減損損失が52億8百万円あった一方で、法人税等の支払額が72億34百万円、売上債権の増加額が39億22百万円、棚卸資産の増加額が29億1百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、232億56百万円(前年同期は238億92百万円の支出)となりました。これは主に定期預金の払戻による収入が810億円、有価証券の償還による収入が260億円あった一方で、定期預金の預入による支出が790億20百万円、有価証券の取得による支出が260億円、有形固定資産の取得による支出が181億92百万円、無形固定資産の取得による支出が33億20百万円、差入保証金の差入による支出が27億7百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、142億9百万円(前年同期は52億95百万円の支出)となりました。これは主に自己株式の取得が89億31百万円、配当金の支払額が49億12百万円あったことによるものであります。
③仕入および販売実績
a.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績は次のとおりであります。
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当連結会計年度 (自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) |
前年同期比(%) |
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調剤(百万円) |
88,086 |
- |
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物販(百万円) |
377,942 |
- |
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合計(百万円) |
466,029 |
- |
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
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当連結会計年度 (自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) |
前年同期比(%) |
|
調剤(百万円) |
142,461 |
- |
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物販(百万円) |
521,146 |
- |
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その他(百万円) |
4,039 |
- |
|
合計(百万円) |
667,647 |
- |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析および検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
当連結会計年度の財政状態および経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態および経営成績の状況」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。営業費用の主なものは、店舗運営に係る人件費および賃借料であります。投資を目的とした資金需要の主なものは、新規出店および既存店舗の改装等による有形固定資産の取得や店舗の賃貸借契約に基づく差入保証金であります。
なお、今後の重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設」に記載のとおりであります。
c.財務政策
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、資金需要につきましては自己資金を充当することを基本としております。また、当社および当社子会社は、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入しており、各社の余剰資金を当社へ集中し一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りおよび仮定設定を行わなければなりません。これらの見積りについては過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果と異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。