第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針

 インターネットは、企業のビジネスモデルと個人の生活様式を革命的に変化させました。そして、情報処理の分野では従来の閉鎖的、統制的、独占的所有権を主張する形態から、オープンかつネットワーク的な形態の優位性が認知されてきました。このような市場環境を追い風にして、当社は、創業以来Linuxをはじめとするオープンソース・ソフトウェアに関する技術力で価値創造しつつ、顧客に対して高品質かつ高機能の製商品及びサービスを提供してまいりました。オープンソース・ソフトウェアに興味をもつ技術者の集まりであるオープンソース・コミュニティや企業・研究機関で働くオープンソース・ソフトウェアを得意とする技術者と密接に連携し、オープンソース・ソフトウェアに関連した技術は年々蓄積されてきています。「日本をリードする技術者たちに最先端商品を提供する会社をつくろう」という会社創業の精神を「TECHNOLOGY to serve you.」というコンセプトキーワードに込め、今後とも、この蓄積されたオープンソース・ソフトウェアに関連した技術を核とし、お客様の新しいニーズに誠実に応えてまいります。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、経常損益の黒字転換を第一の目標にしております。第一の目標の達成後、目標とする経営指標の内容・具体的水準等を策定したいと考えております。

 

(3)経営環境

「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況」をご参照願います。

(4)経営戦略と対処すべき課題

 当社は、経常損益の黒字化を実現し成長を図るためには、IoT事業に経営資源を集中する方針を継続し、IoT市場に向けた取り組みを強化していくことが重要と考えております。

 このために、以下の課題に取り組んでまいります。

① 急速に拡大するIoT市場への対応

 IoT市場は、様々な業種や分野を取り込み飛躍的に成長していくことが期待され、産業構造そのものが大きく変化していくものと予想されております。このような中で、今までにない製品やサービスを企画している顧客の具体的なニーズに応えるために、パートナー企業との連携を今後も継続強化してまいります。また、IoT機器はその用途や設置数、設置場所等の問題から10年以上の長期にわたって使用が見込まれるものも多く、ハードウェアの高い堅牢性やソフトウェアの拡張性及び継続的なセキュリティ対策への対応が求められております。当社は蓄積してきたノウハウを活かし、市場からの要求に応えた製品の開発と投入を継続して行ってまいります。

② サービス収益の強化

 当社のIoT事業の売上高はIoTゲートウェイなどのハードウェアの販売が主体となっておりますが、IoT市場はソフトウェアやサービスの分野でより高い成長が見込まれております。IoTの商用化にともない、IoTの運用に必要な継続的サービスへの需要が見込まれ、サービス型の事業モデルの構築が急務となっております。当社は顧客ニーズに応えると同時に収益基盤を安定させるため、サービス型事業モデルを本格的に強化すべく、開発投資を行ってまいります。

 

2【事業等のリスク】

 以下において、当社の事業展開上のリスクとなる可能性がある主要な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する情報開示の観点から積極的に、これを開示しております。

 なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避、発生した場合の対応に努める所存であります。

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)オープンソース・ソフトウェア

① 開発・改良

 当社の取り扱う製商品の大きな特徴の一つは、オープンソース・ソフトウェアに関連していることです。これらの関連製商品の市場は大きな成長を遂げており、当社の今日までの成長を支えてきた大きな要因です。しかしながら、オープンソース・ソフトウェアが市場のニーズに今後も適切に対応し、評価を獲得し続ける保証はありません。よって、当社が今後も成長を継続できるかどうかは、オープンソース・ソフトウェアの利用頻度や供給状況、マーケットにおける普及といった不確かな諸要因に影響を受ける可能性があります。

 オープンソース技術の開発は世界中に散らばる独立系のエンジニアが参加するオープンソース・コミュニティが主要な役割を担っています。当社自身ではそれらの開発をコントロールしていません。オープンソース・コミュニティの開発・研究者が時宜に応じて開発・改良を続けるとの保証はありません。また、情報収集のために、常にオープンソース・コミュニティとの間で良好な関係を維持することが可能であるとは限りません。

 コミュニティによる努力が継続して成功しなければ、オープンソース・ソフトウェアの認知度を維持、または拡大できる保証はありません。また、コミュニティとの関係も永続的に良好である保証はありません。

② オープンソースOSに対応するアプリケーション・ソフトウェアの必要性

 オープンソースOSを搭載する当社の製品の販売には、オープンソースOS上で作動するアプリケーション・ソフトウェアの普及が大きく影響します。しかし、今後、オープンソースOSに対応する商用アプリケーション・ソフトウェアが、市場に十分に供給されない可能性があり、その場合、当社は事業を拡大できない可能性があります。

(2)製品特性

 コンピュータ製品及びその応用システムの市場は、インターネットの分野に代表される急激な技術革新、頻繁な新製品の導入によって特徴付けられます。競合他社による新たな技術を基礎とする製品の投入や、新たな業界標準が生まれた場合には、当社の製品は急速に陳腐化する可能性があります。当社の今後の成長は、既存製品の改良、新製品の投入により、顧客の要求を充足し、市場からの評価を獲得できるかどうかにかかっています。

 新製品開発や製品の改良は、長期の開発・試験期間を必要とし、技術力ある人員の確保が必要となります。さらに、急速に成長する市場における新製品の開発は、多額の研究開発費と開発人員の投入が必要となります。よって、コスト面での負担が大きくなる可能性があります。また、開発した新製品が市場の評価を得られない可能性があります。

 さらにオープンソース・ソフトウェアは、インターネットから無料でダウンロード、または少額で購入し、ほとんど規制なく変更し、転売することができるので、市場参入障壁は低いと考えられます。従って、新規参入者または既存の競争相手が急速に市場シェアを獲得し、当社の売上が減少する可能性があります。

 

(3)競争

 当社は、自社製品コンピュータの製造販売、コンピュータ関連商品の仕入販売、各種サービスの提供等を行っておりますが、それぞれ以下のような競争上のリスクが存在します。自社製品コンピュータについては、当社と同様の製品を取り扱っている企業はもとより、国内外から新規参入する企業が現れる可能性は高く、今後においても価格競争が避けられないと認識しております。また、コンピュータ関連商品については、量販店などが、当社と同質のコンサルティング機能を強化・充実させ、低価格で商品を販売した場合、当社の価格競争力が低下する可能性があります。さらにシステム・インテグレーション等のサービスについても、従来からあるシステム・インテグレータ(SIベンダー)等との競合が激しくなり、当社が意図する受注案件の獲得等ができない可能性があります。これらの結果として、当社の業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、コンピュータ業界では、当社と競合関係にあるソフトウェア、ハードウェアその他のコンピュータ関連商品を取り扱う大手企業が多数存在し、競争が非常に激しくなっています。これらの大手企業は、当社に比べより多くの経営資源を有し、多様な販売チャンネルを確立しています。また、これらの会社の中にはオープンソース・ソフトウェアに積極的に取り組む企業も多く、当社製品の需要に影響を及ぼす可能性があります。

 当社は、販売面ばかりでなく、供給者との戦略的提携に関しても、同業他社との競争に直面しております。この場合、当社の重要な仕入先や、当社が望む提携先が同業他社と合併、もしくは業務提携をした場合、当社の事業機会が阻害される可能性があります。

(4)第三者の製造者及び供給者への依存

 当社は、製商品の製造及び調達について、外注先製造業者及び外部の部品供給業者に大きく依存しております。外注先の企業は、当社の主要な商品を製造するとともに、自社製品コンピュータのアウトソースによる製造、物流及びクレジットカードその他の決済サービスを当社に提供しております。当社の第三者製造者及び供給者との契約は一般的に短期間で更新可能なものとなっております。当社が第三者製造者及び供給者との契約の解消及び変更を余儀なくされた場合、供給量の低下またはコスト負担の増大をもたらし、当社の経営及び生産性に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5)法的規制

 当社をとりまく環境下では、法的規制の影響が避けがたく、法規制の変更・追加は戦略の変更を余儀なくしたり、業績に影響したりする可能性があります。特に、当社と密接な関連のある、インターネットを中心とした情報通信分野は成長産業であり、今後、法規制が追加・変更されることは十分に考えられます。

(6)業務提携、戦略的連合及び買収の可能性

 当社は企業、製品または技術に対し選択的に投資または買収を行う可能性があります。そのような場合、当社は以下のような追加的な財務及び業務のリスクに直面する可能性があります。1)買収した企業の業務、技術及び人事の一時的混乱、2)財務及び人事資源の分散による当社の業務効率の低下、3)買収した企業からの核となる技術者及び経営陣の退職、4)投資または買収の資金調達のために新株式の発行を伴う場合の当社の株式価値の希薄化、並びに5)これらの投資に伴う支出、費用及び負債の増加。

 さらに、戦略的提携、投資もしくは買収に失敗した場合、または競合相手が当社のビジネスパートナーに対し戦略的提携、投資またはビジネスパートナーの事業の一部もしくは全部の買収をする場合、当社の業務及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(7)海外展開のリスク

 当社の売上のほぼ全ては日本における製商品とサービスの販売によるものですが、当社が注力しているIoT市場は国内外にわたっており、当社は、常に海外業務展開を視野に活動しております。しかし、当社は日本国外における製品の製造、マーケティング及び販売についての経験が浅く、海外から得られる収入は、海外業務のための支出を下回る可能性があります。さらに、海外に分散した業務の運営及び管理に関する問題が発生する可能性があり、また海外に販売の一部を移すことにより流通に関する問題及び混乱が発生する可能性もあります。従って、当社の海外業務展開が当社全体の業務や業績に悪影響を及ぼす可能性もあります。

 

(8)人材

① 特定の経営陣への依存

 当社社長の鈴木友康は当社の創業者であり、現在もその主要株主であるとともに、当社の戦略策定の主要部分も担っています。当社は個人に対する依存度を低下させてまいりましたが、離職するような事態となった場合には、当社の今後の事業に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 特定の人材への依存

 当社の製品及び技術は高度かつ複雑であるため、当社の順調な業績の持続は有能な経営陣・従業員の雇用維持に大きく依存しています。当社の中心的な経営陣・従業員のように高いスキルを有する人材は希少であり、業界における人材の獲得競争は激しくなっています。また、当社はこれらの中心的な従業員のいずれとも、即時の退職を回避できるような雇用契約を締結していないため、このような人材はその意思で会社との雇用関係を解消することができます。当社の中心的な従業員を失った場合、当社の業務に重大な影響を与えるおそれがあります。

 加えて、当社は、事業拡大のために、各種の高いスキルを持った人材を必要としておりますが、今後も継続して有能な人材を採用できるとの保証はありません。

(9)業績変動

 主な売上先である法人顧客の売上動向によって、当社の業績推移に変動が起こる可能性があります。これまでの当社の業績変動は、法人顧客の予算編成などの関係から売上高が下半期の第4四半期(1-3月)に増加する傾向があります。このため、上半期の利益と下半期の利益とを比較した場合、上半期の利益が著しく落ち込むことが考えられます。

 しかしながら、当社の事業傾向は従前と同様の傾向を継続しない可能性があります。その場合、期首に想定したよりも下半期の収益力が低くなる場合が考えられ、当社としても経営方針の変更など対応策を講じますが、経営管理上、それらの対応策がその期中に効果をあげることができない可能性があり、従って、当社は投資家が期待する収益をあげることができない可能性があります。

(10)知的財産権

① オープンソース・ソフトウェアの使用に関する知的財産権による潜在的規制

 現在オープンソース・ソフトウェアは、インターネットから無料でダウンロードでき、自由に複製し、使用し、変更を加え頒布することができます。しかし知的財産権は開発者に属しており、オープンソース・ソフトウェアの大半は知的財産権により保護されています。知的財産権の保有者が将来、ライセンス料を請求しない、または知的財産権を行使しないという保証はありません。知的財産権の行使または行使の試みは当社の財務状況及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 知的財産権の保護の欠如

 当社は、社内で研究開発した自社技術と専門知識を用いて競合相手との製品差別化を行っていますが、当社の製商品及びサービスの大半は独占的な知的財産権として保護され得るものではなく、競合相手が使用した場合には当社の市場占有率及び製商品の販売に影響を与えることがあります。当社は、知的財産権を保護するため、当社の従業員、社外のコンサルタント及びパートナーと秘密保持契約またはライセンス契約を締結しております。
 しかしながら、当社の知的財産権を保護するための方策は限られたものです。従って、他社との競合に際して知的財産権を行使することができない可能性があります。加えて当社は第三者による同様もしくはより優れた技術の開発を防止できない可能性、並びに他社が当社の著作権、特許及び企業秘密を実質的に回避するような技術開発を防止できない可能性があります。

③ 侵害請求の可能性

 当社は、当社のビジネスモデルまたは製品が他人の知的財産権を侵害しているとの請求による訴訟に将来さらされる可能性があります。当社若しくは競合相手が業容を拡大し、製品数が増加し、事業領域や製品の機能が重なり合うにつれ、ますますそのような請求にさらされる可能性が高まります。

 当社のビジネスモデルまたはシステムで採用している技術は、他人の知的財産権を侵害していないと認識しておりますが、もし訴訟が起こされた場合には、訴訟の結果にかかわらず当社は解決までに多大な時間とコストを負担しなければならず、業務に支障をきたす可能性もあります。こうした訴訟に敗訴した場合、当社はロイヤリティーを支払いライセンスを受ける契約の締結を要求されるおそれがあります。その場合、当社が容認できる条件の提示や契約の締結が行われるとの保証はありません。当社に対する請求が認められ、代替技術の開発を行わなければならない場合、またはライセンス契約が当社にとって不利であった場合、当社の業務、業績または財務状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

(11)製品クレームの偶発性

 当社は製品の製造業者、小売業者として国内及び海外における製造物責任法またはその他の法律に基づく責任を問われるおそれがあります。高品質製品の販売は当社の戦略にとって不可欠であるため、当社は不良を減少させ、発見しかつ排除するよう製造を工夫しています。しかしながら、不具合をもつ製品の製造または販売を完全に回避できるとの保証はありません。

 当社の製品の中に欠陥が発見された場合、当社のブランドに重大な影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社はかかる欠陥を排除するために多額の支出を余儀なくされることがあり、場合によってはこれを改善することができないおそれがあります。

 当社製品の不具合は、それを使用する顧客のコンピュータシステムに支障を起こすおそれがあります。その場合には、顧客は多額の損害に対し補償及びその他の請求を当社に対して行う可能性があります。当社の保証には通常、潜在的な製造物責任にかかる債務の範囲を限定することを意図した規定を盛り込んでいますが、これらの規定は日本及びその他の地域における法制度の下では効力をもたないものとされる可能性があります。当社が加入している保険は、このような請求に対し当社の責任を適切に限定するのに十分対応していないことがあります。これらの請求がなされた場合、保険を上回る出費の可能性や、結果として請求を退けたとしても、その解決のため多大な費用と時間を必要とする可能性があります。

(12)個人情報の管理

 当社はオンライン販売サイトによるショッピングをはじめとする各種サービスの提供にあたって、顧客に関する属性情報等詳細な個人情報をサーバー上で保有しております。当社はこれらの個人情報を取り扱うにあたって、個人情報取扱方針を定め社内周知及び遵守を徹底するなど、個人情報の保護に努めております。

 しかしながら、これらの個人情報が管理の瑕疵等により外部に流出する可能性は皆無であるとは言えません。その場合、当社の信用に重大な影響を及ぼすと同時に、当社に対して損害賠償請求が行われたり、オンライン販売サイトによるサービスの停止を余儀なくされる可能性があるなど、当社の財務状況や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(13)継続企業の前提に関する重要事象等

 当社は、継続して営業損失を計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。しかしながら、当事業年度末において借入金は無く現金及び預金451百万円を保有し、必要な運転資金を確保していることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断し、財務諸表への注記は記載しておりません。

 当社は、経常損益の黒字化を実現し当該状況を解消する為、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)経営戦略と対処すべき課題」に記載の諸施策を実施してまいります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

・経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

(1)経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国の経済は、企業収益の改善に足踏みがみられるものの設備投資が増加するなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。先行きについては、海外経済を巡る不確実性は依然として高く、国内景気に影響を与えるリスクが存在します。

 当社が注力しているIoT(Internet of Things:モノのインターネット)市場は、研究・実証を中心とした初期市場の段階から、本番運用の企業による本格的な需要の見込まれる中期市場の段階を経て今後全世界的に急速に拡大していくものと見込まれます。

 このような状況のもとで、当社は本格化するIoT市場に向けて、下記の重点施策を実施してまいりました。

 

① パートナー企業との連携と製品投入

 多くの産業分野に亘る広範なニーズや課題に対応するため「IoTセンサー・デバイス パートナープログラム」をはじめとしたパートナー企業との連携をさらに広げ、営業面でもソリューション開発や営業活動を協働して行うなど、エコシステムづくりを強化してまいりました。当該活動により、パートナー企業がさまざまな業種の企業に対して提案するIoTシステムやサービスに当社製品を採用するなど、パートナー企業と連携した営業活動は活発化しており、当社製品はIoTゲートウェイのデファクトスタンダードとしての地位を確立しつつあります

 サービス収益の強化

 当社の主力製品であるIoTゲートウェイ製品「OpenBlocks(オープンブロックス)IoT Family」全機種において、リモート管理サービスを含むソフトウェア及びサービスのサブスクリプションモデルへの移行を完了しました。中期市場を牽引すると見込まれる本番運用の顧客企業への製品採用も着実に進行しており、これによって当社は現在、顧客の商用IoT需要に対応したストック型・サービス型の事業モデルへの移行を推進しております。

 現在、IoT市場全体については、初期市場から中期市場への移行期にあり、顧客の需要は旺盛なものの本格的な受注出荷には時間がかかっております。また、初期IoT市場を牽引した顧客への当社製品の販売が一段落し出荷が減少したこと及び、IoT事業以外の一般商材等の販売が減少したことにより、売上高は前年同期に比べ減少しました。

 販売費及び一般管理費は、人件費やマーケティング費用をはじめ全般的に抑制し、前年同期に比べ減少しました。

 この結果、当事業年度の売上高は1,108百万円(前年同期比191百万円・14.7%減少)、営業損失は166百万円(前年同期は営業損失121百万円)、経常損失は165百万円(前年同期は経常損失118百万円)、当期純損失は169百万円(前年同期は当期純損失124百万円)となりました

 主要品目別の売上高については、次のとおりであります。

① 自社製品コンピュータ

 キャリア向けの通信・ネットワーク用途が堅調に推移したものの、「OpenBlocks IoT

Family」の初期顧客企業への販売が一段落し出荷が減少したことから、自社製品コンピュータ全体の売上高は前年同期に比べ減少し、595百万円(前年同期比151百万円・20.3%減少)となりました。

② コンピュータ関連商品

 一般商材については、法人向けのIT機器のオンライン販売サイトでの効率的な運営体制の維持に留めており、コンピュータ関連商品全体の売上高は前年同期に比べ減少し、318百万円(前年同期比61百万円・16.1%減少)となりました。

③ サービス・その他

 サブスクリプションやIoTソリューションなどのIoTサービスが増加していることに加え、一般商材に係るライセンス販売が増加したことにより、サービス・その他全体の売上高は前年同期に比べ増加し、194百万円(前年同期比21百万円・12.5%増加)となりました。

 なお、上記の各品目に含まれるIoT事業(マイクロサーバー製品、IoTサービス、その他サービス)に係る売上高は680百万円(前年同期比125百万円・15.6%減少)、売上総利益は271百万円(前年同期比60百万円・

18.2%減少)となりました。

(注)当事業年度よりマイクロサーバーに関連する事業につきましては、「IoT事業」へ名称を変更しております。名称の変更による上記数値に与える影響はありません。

(2)財政状態の状況

 当事業年度の資産につきましては、現金及び預金が247百万円減少したほか、売掛金の増加26百万円、たな卸資産の減少16百万円等により、前事業年度末に比べ238百万円減少し、999百万円となりました。

 負債につきましては、買掛金の減少49百万円等により、前事業年度末に比べ74百万円減少し、291百万円となりました。

 純資産につきましては、当期純損失の計上による利益剰余金の減少169百万円等により、前事業年度末に比べ164百万円減少し、707百万円となりました。

(3)キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ247百万円減少し、451百万円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 税引前当期純損失の計上165百万円、売上債権の増加26百万円、仕入債務の減少49百万円等の支出要因のほか、たな卸資産の減少16百万円等の収入要因がありました結果、営業活動により使用した資金は247百万円となりました。(前年同期は42百万円の獲得)

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 有形固定資産の取得による支出等により、投資活動により使用した資金は0百万円となりました。(前年同期は14百万円の獲得)

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の増減はありませんでした。(前年同期は資金の増減なし)

(4)生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

品目

当事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

自社製品コンピュータ(千円)

406,958

89.1

合計(千円)

406,958

89.1

(注)1.当社は、コンピュータ関連製商品とサービス等を提供する単一セグメントであるため、品目別の記載をしております。

2.自社製品コンピュータ以外の品目については、記載を省略しております。

3.上記金額は製造原価によっており、消費税等は含まれておりません。

 

② 受注実績

品目

当事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

自社製品コンピュータ

594,140

77.5

122,726

99.2

コンピュータ関連商品

318,845

85.3

10,617

103.0

サービス・その他

192,603

105.4

93,960

97.8

合計

1,105,589

83.5

227,303

98.8

(注)1.当社は、コンピュータ関連製商品とサービス等を提供する単一セグメントであるため、品目別の記載をしております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 販売実績

品目

当事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

自社製品コンピュータ(千円)

595,137

79.7

コンピュータ関連商品(千円)

318,535

83.9

サービス・その他(千円)

194,698

112.5

合計(千円)

1,108,371

85.3

(注)1.当社は、コンピュータ関連製商品とサービス等を提供する単一セグメントであるため、品目別の記載をしております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
なお、前事業年度の株式会社インターネットイニシアティブに対する販売実績は総販売実績の100分の10未満のため、記載を省略しております。

相手先

前事業年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

当事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

ダイワボウ情報システム株式会社

181,202

13.9

176,862

16.0

株式会社インターネットイニシアティブ

135,353

12.2

3.上記金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

・経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

(1)経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

 当社は、IoT市場に注力することにより収益を拡大し、経常損益の黒字化を目指しております。

 当事業年度につきましては、前事業年度から引き続き出荷数の高い伸び率を見込んでいた「OpenBlocks IoT Family」について、パートナー企業が様々な業種の企業に対して提案するIoTシステムやサービスへの採用が進んでいますが、IoT導入はエンドユーザーの経営体制や構造に変化をもたらす性質を有することから、導入に向けたエンドユーザーの意思決定に時間がかかり、本格的な受注獲得には時間がかかっております。また、初期IoT市場を牽引した顧客への当社製品の販売が一段落し出荷が減少したこと及び、製造業向け製品である「OpenBlocks IDMアプライアンス」やIoTのSaaSサービスについても新規顧客の獲得に注力したものの計画値には及ばず、売上高は期初の予想を下回る結果となりました。

 売上高の計画未達の影響により、営業利益、経常利益、当期純利益も計画を下回ったため、経常損益の黒字化を達成することはできませんでした。

 当社は、引き続きIoT事業に経営資源を集中し、拡大が見込まれるIoT市場に向けた製品とサービスの開発やパートナー企業との連携、顧客の開拓に注力してまいります。

(2)資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社は、高い手元流動性を維持しており、借入金は無く運転資金は全て自己資金により賄っております。なお、重要な資本的支出の予定はありません。

(3)重要事象等について

 当社は、継続して営業損失を計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。しかしながら、当事業年度末において借入金は無く現金及び預金451百万円を保有し、必要な運転資金を確保していることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断し、財務諸表への注記は記載しておりません。

 当社は、経常損益の黒字化を実現し当該状況を解消する為、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)経営戦略と対処すべき課題」に記載の諸施策を実施してまいります。

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社では、現代のコンピュータ環境を構成する、ハードウェア、オペレーティングシステム、ネットワークシステムを基盤とすることはもちろんのこと、運用環境までを考慮に入れた製品開発を行っております。

 開発にあたっては、環境への取り組みの一環として、グリーン購入法や、電気・電子機器について有害な化学物質の使用を禁止するRoHS指令への積極的な対応を行っております。

 当事業年度は、IoT市場に向けた製品及びサービスに関する研究開発活動を行いました。自社製品コンピュータについては、IoTゲートウェイの製品開発を継続的に行うとともに、ソフトウェアの機能強化を行いました。また、サービスその他については、統合遠隔管理サービス「AirManage(エアマネージ)」をサブスクリプション化するとともに、新たなサービス基盤の開発を行いました。

 

 当事業年度における研究開発費の総額は、85百万円となっております。