当事業年度におけるわが国経済は、各種の経済政策や日銀による金融緩和を背景に、円安の持続による輸出関連企業をはじめとした企業収益の改善が見られた一方で、中国経済の減速傾向から世界同時株安など海外景気の下振れが懸念される等、先行きは不透明な状況で推移いたしました。
当社が属する中古商品業界におきましては、国内における雇用・所得環境の改善に対し、消費者の節約志向は維持され、生活防衛意識から中古商品全般の国内需要は依然として高いものの、業界への新規参入に伴う競争の激化があり、また海外においては日本のまんが、アニメーションというコンテンツに対する一層の評価の向上から、需要拡大は持続されながらも、今後の経済情勢の不安もあり、厳しい事業環境が続いております。
このような事業環境のもと、当社はこれまでの方針を継承して引き続き新たな商品の掘り起こしを推進し、最新の商品からマニアックな希少品まで幅広い品揃えを展開してまいりました。買い取りの強化によって一般のお客様に、当社が取り扱う商品に対する関心を促し、コレクターに満足いただける商品を多数、展開することで、あらゆる顧客ニーズに応える積極的な営業活動を展開してまいりました。
当社は基幹であるPOSシステムに蓄積されたデータを用いて、買い取りの実績ある商品は仕入から販売、保管の状況を的確に把握し、需要の変化や在庫状況に応じた適正な商品の価値判断をすることによって、販売を促進しております。新規の商品では、主にマスタデータ登録後の仕入動向に基づいて確度の高い販売可能性を追求し、他社に先がけ魅力ある新たな商品の市場開拓を図っております。当社は基本である「高く買う」という買い取りの方針を徹底することで、多数の良質な商品を獲得し多様な品揃えを展開することで、お客様の満足度を高めてまいりました。
販売面におきましては、千葉県香取市佐原で「まんだらけSAHRA(サーラ)」が本格稼働を開始し、web通信販売における販路の拡大と迅速な出荷体制の確立によって国内外を問わず幅広いお客様からの注文を受けて、売上高と利益の増加に貢献を始めております。
その他、既存の各店舗における店頭のリニューアルや商品の刷新を行い、また独自のイベント開催などによって、新規のお客様獲得と定着化を推進しております。
これらの営業展開によりまして、当事業年度の売上高は9,147百万円(対前年同期比3.5%減)となり、経常利益は1,021百万円(対前年同期比16.7%減)に、当期純利益は604百万円(対前年同期比13.2%減)となりました。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末と比較して631百万円減少し、当事業年度末残高は507百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローは以下のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税引前当期純利益が1,013百万円と前年同期に比べ138百万円(12.0%)の減益となったことに加え支出におけるたな卸資産の増加が823百万円ありましたことにより、△250百万円と前年同期と比べ690百万円(前年同期は440百万円の収入)の支出の増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に倉庫立替工事に伴う有形固定資産の取得による支出があったため△1,338百万円と、前年同期と比べ131百万円(8.9%)の支出の減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に長期借入れによる収入によって957百万円となり、前年同期に比べ209百万円(17.9%)の収入の減少となりました。
当事業年度の生産実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
品目 | 第29期 (自 平成26年10月1日 至 平成27年9月30日) | 前年同期比(%) |
出版物(千円) | 26,817 | △14.3 |
合計(千円) | 26,817 | △14.3 |
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度の仕入実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
品目 | 第29期 (自 平成26年10月1日 至 平成27年9月30日) | 前年同期比(%) |
本(千円) | 762,477 | △4.6 |
TOY(千円) | 2,340,342 | 6.9 |
同人誌(千円) | 734,863 | △7.0 |
その他(千円) | 1,167,417 | △6.5 |
合計(千円) | 5,005,100 | △0.4 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度の販売実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
品目 | 第29期 (自 平成26年10月1日 至 平成27年9月30日) | 前年同期比(%) |
本(千円) | 1,533,045 | △9.1 |
TOY(千円) | 3,844,674 | 6.0 |
同人誌(千円) | 1,477,804 | △14.8 |
出版物(千円) | 14,296 | △28.2 |
その他(千円) | 2,278,003 | △5.5 |
合計(千円) | 9,147,824 | △3.5 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は、まんが、アニメーションの関連商品をはじめ、幅広いエンターテイメント、カルチャーにおいてコレクターアイテムとなり得るあらゆる中古品の適正な価値を追求し、新たな商品市場を創造することによって、これらの商品が有している時代を超えて受け継がれなければならない文化を守る企業としての成長を目指しております。このような目的に対し、当社は以下の課題に対処してまいります。
当社が創造を目指す市場にあって、これを構成する商品の多くは、その価値が一般に認識されておりません。このような商品価値の理解を得るに当たっては、価値を支える正確な情報を適切に収集し、また発信することが不可欠であり、その情報受発信の機会として、お客様との密接なコミュニケーションを確立する必要があります。お客様が発信し、また求めている多種多様な情報を敏感に捉えて既存商品の充実を図るとともに、新規に取り扱うべき商品の選定と価値判断ができる能力や、高度な商品知識と情報分析力を兼ね備え、市場創造の企画、開発が行える人材を確保し、また社内で教育、指導することを課題として、当社は研修制度の刷新に取り組んでまいります。
当社は、常に新しい商品を発掘し、その価値を形成して市場を創造することから、当社が取り扱う中古商品の種類、数量とも増加を続けるため、これら商品の管理は欠かすことのできない最重要の経営課題であります。当社は独自開発したPOSシステムによって、全店舗部署が同時にあらゆる商品の最新時点における仕入販売状況を把握し、その仕入売上の推移状況から今後の動向予測をたて、常に適正な価値判断を行えるよう、システムの機能向上に継続して取り組んでまいります。
当社は、お客様との幅広いコミュニケーションを直接に得て、新たな商品の発掘と市場の開拓を図るため、大都市圏を中心とした新規の出店を不可欠の課題として取り組んでまいります。当社が出店することで、お客様が当社の取扱商品を間近にご覧いただく機会は広がり、商品に対する興味と価値の意外性の認識を深めるに伴って商品の社会的ステイタスを築き、新たな仕入開拓と販路拡大の両面を追求してまいります。
当社は、当社の出店がない地域にお住いで、当社各店へのご来店が困難なお客様に対する営業展開として、web通信販売を拡充しております。さらに当社の厳選商品を揃えて平成26年3月以降は年間6回のオークション大会を開催するなど、全世界のお客様へ向けた営業活動を推進しております。海外からのお客様に向けた当社ホームページの多言語対応強化は、国境を越えた世界各地のお客様によるweb通信販売利用を促進しており、同時に世界規模でお客様のニーズを収集する貴重な情報源となっております。
店頭での仕入、販売時に対面で得られるお客様からの情報と、web上でさらに広範囲のお客様からいただいております多数のご意見、お問合せ、ご要望等を合わせました「お客様の声」を貴重な経営資源として、これら「お客様の声」への迅速で的確な対応を図ることにより、商品価格の見直し、新規商品の選定、店舗運営、接客等の改善、向上を図ることを当社の最重要経営課題として、情報収集力と商品仕入の強化に取り組んでまいります。
当社は、常にこれらの課題を追求し真摯に対処するための社内構造改革に取り組み、お客様、株主の皆様、従業員の満足度を最大限に高める所存であります。
有価証券報告書に記載した当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社の財政状態および経営成績に特に重大な影響をおよぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。ただし、当社の事業等に関わるリスクはこれらに限定されるものではなく、下記以外にも予測し難いリスクは存在することを当社は十分に認識したうえで、発生の回避や管理の徹底を図り、発生時の適切な対処に努めてまいります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末(平成27年9月30日)現在において当社が判断したものであります。
当社は、まんがの中古書籍をはじめ、まんが、アニメーションに関する商品、TOY、同人誌のほか、あらゆるコレクターアイテムとカルチャーに関わる中古品を取扱商品としております。
これらの中古品は、その価値、流通量ともに極めて流動的であり、マニアにとっては特に要望の高い初版、限定版、絶版物から、さらにはかつて人気も高く低価格で多数生産されたために、大量消費社会においては大切にされることなく、損耗にまかせられた量産品が現代ではむしろ注目を集めて高額評価を得るに至った、いわゆるデッドストック品まで、その画像と価格がネット上などで一般に認知されるに従い、一層の価格高騰と流通量の減少を招きかねません。
中古品におけるこのような流動性の低下は、有限のオリジナルに対するコレクターの欲求程度に応じた当社の仕入、販売両面における価格統制力と流通コントロールに機能不全を起こす場合があり、仕入の減少あるいは販売の鈍化などによって当社の業績に影響を生じる可能性があります。
当社が取り扱う商品は、その特殊性から特に一般のお客様のニーズに大きく左右され、まんがにおいてはアニメーション化、実写化、TV放映あるいは劇場公開などのメディア化に伴い購買意欲は急激に上昇して、当該原作のみならず関連商品における当社の販売価格ならびに買取価格向上を招来いたしますが、そのメディアの終息を受けて一般のお客様における購買意欲は減退するにとどまらず「まだ人気のある間に売り抜こう」という商品売却意識が急速に強まるため、当社は仕入の量的コントロールを要し、先んじて適切な価格統制を機能させる必要に迫られます。
当社の仕入価格に対する統制は、当社が取り扱う商品ごと豊富な知識と経験を有する仕入担当者を中心に、日々見直しを行っておりますが、これらの担当者の不足さらには商品情報の入手遅延あるいは不全などある場合、当社の売上高確保にあって必要不可欠である適切な仕入活動に停滞を生じかねず、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の業務内容全般、特に商品仕入において高度に希少且つ特殊性を極めた原稿、原画、色紙等に対する価値評価に際しては当社の代表取締役である古川益蔵に対する依存度が高く、当社といたしましては代表者へ過度に依存することなき業務体制への移行を目指しておりますが、現時点において代表者の離職あるいは不慮の事態など起こることあれば、当社の業績が影響を受ける可能性があります。
当社は、取り扱う商品の種類、数量の拡大に対しPOSシステムの機能拡充をもって対処を推進しております。
当社が有する膨大な種類、数量の商品については、新入荷あるいは新たな種類の商品取扱開始に伴うデータベースの追加とPOSシステム機能強化による管理体制の向上が、継続して求められる環境となっております。商品個別管理を行うシステムの永続稼動によってこそ在庫管理は徹底され、営業面においても多大なる貢献が期待されます。
従いまして、在庫管理のデータベースの追加と管理プログラムの機能拡充は常に継続して求められており、この追加登録、機能拡充に対応するシステム強化、開発、投入稼動が予定どおり進捗しない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は現在、日本国内において東京都中野、渋谷、秋葉原、池袋、栃木県宇都宮および北海道札幌、愛知県名古屋、大阪府梅田、心斎橋、福岡県福岡、小倉の11箇所に店舗を展開しておりますが、さらに大都市圏を中心に各都府県の主要商業地域への出店を計画、推進してまいります。
当社の取扱商品は多岐にわたり、さらに種類、量ともに増加が見込まれる現況から店舗の規模は大型化を余儀なくされており、また来店客数の最大化を期待いたしますうえで大都市ターミナル駅近辺を出店の第一選択肢に挙げることから、このような当社要望に沿う物件確保ができない場合、当社の出店計画は変更せざるを得ず当社の業績が影響を受ける可能性があります。
当社は、商品の買取りに対応するための運転資金をはじめ、機動的な出店対応を図るための資金調達等を、主として金融機関からの借入金によっており、当事業年度末においてその残高は7,461百万円を計上しております。
当社は、この借入金の返済原資として既存店舗運営と新規開店店舗の業績を早期に安定させることによって得られる営業キャッシュ・フローを予定しており、従いまして既存店舗の業績が予想を大きく下回り、また新規出店が計画どおりに進捗できない場合、当社の業績は借入金の依存度に応じた影響を受ける可能性があります。
当社の出版物等は、業界慣行に従って当社が取次に配本等を行った後、原則として約定期間(委託期間)内に限り、返品を受け入れることが条件となる委託販売制度を採用しております。
この方式により当社は出版物等の納品後、返品の受入も生じ、これらの返品された出版物等に対しては、その販売可能性を検討したうえで会計上は製品評価損失を計上、さらに返品在庫が大幅に過大と判断される状況にあっては廃棄処分も余儀なくされるため、委託販売制度に従い大量返品を受け入れ、在庫処分を要する場合、当社の業績が影響を受ける可能性があります。
当社の商品は、一般個人からの買取が仕入の大部分であり、仕入に際しましては、古物営業法の規制に従って取引相手方の確認義務を実践しております。
最近の著作権に対する考え方の変化などから、今後の古物営業法改正等により新たな規制が設けられた場合、その規制内容によっては当社の仕入活動に支障をきたし、結果として取扱商品が減少するなど、当社の業績が影響を受ける可能性があります。
当社では、ユーザーからの通信販売注文等によって取得したプライバシー情報等を保有いたしております。
当社はこれらのプライバシー情報につきまして保護のための規約を設け、その遵守に努めておりますが、管理の瑕疵等により、これらのデータが外部に漏洩した場合、当社への損害賠償請求や当社に対する信用の低下等によりまして、当社の業績が影響を受ける可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社における財政状態及び経営成績の分析は、原則として財務諸表に基づいて分析した内容であり、この財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。当社の財務諸表作成にあたりましては経営者による会計方針の選択と適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要としており、経営者はこれらの見積りについて主に過去の実績ならびに現状を勘案、合理的に判断しておりますが、実際の結果におきましては見積り特有の不確実性により、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 財務諸表等」における「注記事項 重要な会計方針」をご参照ください。
当事業年度末の総資産は、14,015百万円(対前年同期比1,446百万円増)となりました。
流動資産は、7,401百万円(対前年同期比231百万円増)となりました。これは主に商品及び製品の増加820百万円によるものであります。
固定資産は、6,614百万円(対前年同期比1,214百万円増)となりました。これは、当事業年度におきまして千葉県香取市佐原で建設しておりました「まんだらけSAHRA(サーラ)」の完成により、有形固定資産が6,056百万円(対前年同期比1,200百万円増)となったことが主な要因であります。
当事業年度末の負債合計は、8,439百万円(対前年同期比847百万円増)となりました。
流動負債は、2,924百万円(対前年同期比964百万円増)となりました。
固定負債は、5,515百万円(対前年同期比117百万円減)となりました。これらは主に、新規の長期借り入れがあったことによるものであります。
当事業年度末の純資産は、5,575百万円(対前年同期比599百万円増)となりました。
これは、主に当事業年度に計上した別途積立金の増加200百万円および当期純利益による繰越利益剰余金の増加398百万円によるものであります。
当事業年度の状況は「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」をご参照ください。
売上高は、前期に比べ3.5%減少し9,147百万円となりました。これは、主に既存各店舗における売上の減少が、「まんだらけSAHRA(サーラ)」の本格稼動によって得られたweb通信販売の売上の増加を上回ったことによるものであります。また、売上総利益は、適正な買取の推進により前期に比べて0.3%増加し、4,935百万円となっております。
営業利益は、前期に比べ17.6%減少し1,035百万円となりました。これは、売上総利益の伸びに対して、「まんだらけSAHRA(サーラ)」の建設による販売費及び一般管理費の増加が上回ったことによるものであります。
経常利益は、前期に比べ16.7%減少し1,021百万円となりました。これは、営業利益の減少に伴うものであります。
当期純利益は、前期に比べ13.2%減少し604百万円となりました。
上記のほか、当事業年度の財政状態および経営成績につきましては「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」をご参照ください。