第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1)業績全般の状況

当期における国内経済は、政府の景気対策や日銀の金融緩和を背景に、緩やかな回復基調で推移したものの、中国をはじめとする海外経済の減速懸念等から先行きは依然として不透明な状況となっております。

当社が経営基盤とする九州におきましても、雇用や所得環境が改善するなど、緩やかな回復基調が続いておりますが、個人消費については、消費者マインドの持ち直しに若干足踏みが見られるなど、弱さが残りました。

このような環境の下、当社は「九州でNo.1の信頼される企業」の実現を加速させるべく、活性化や販促施策の変更等により、地域ごとのお客さまのニーズに合わせた品揃えや売場展開、サービスの提供に注力し、お客さまの満足度を高めてまいりました。

また、平成27年9月1日から株式会社ダイエーの九州地区24店舗を承継したイオンストア九州株式会社の店舗運営業務を受託いたしました。これにより、当社の総合小売事業の当期末時点における運営店舗数は75店舗となり、「地元にいちばんうれしいお店へ」をコンセプトに、一体運営によるシナジー効果を早期に最大化するべく、新生イオン九州として取り組んでおります。

  当期における経営成績につきましては、売上高とその他営業収入を加えた営業収益は、2,403億14百万円(前期比99.2%)となりました。営業損失は、1億86百万円(前期は16億93百万円の損失)、経常損失は、29百万円(前期は11億6百万円の損失)、当期純損失は、20億47百万円(前期は36億8百万円の損失)といずれも前期より損失幅を大幅に改善いたしました。

売上高につきましては、2,233億17百万円(前期比98.6%)となりました。これは、天候不順への対応ができなかった衣料品や季節実需商品の売上が伸び悩んだことによるものです。しかしながら、食料品では地域や店舗特性に合わせた品揃えを拡大する等の取り組みにより、食料品の既存店売上高は前期比102.3%となりました。

また、会社合計の既存店売上高につきましても、上半期(平成27年3月~8月)の前期比98.0%から下半期(平成27年9月~平成28年2月)は前期比100.0%と回復基調にあります。

収入面につきましては、靴売場の運営をイオングループの靴専門店「グリーンボックス」へ移管したこと等によりコンセッショナリー収入が前期比119.2%と増加いたしました。

利益面では、食料品では地域に根差した商品構成への見直し、利益率の高い生鮮食料品の売上構成比を高める等の取り組みを行うとともに、商品在庫を前期比92.1%と計画的に削減した結果、会社合計の下半期の売上総利益率は前期より0.5ポイント改善、通期でも0.1ポイント改善いたしました。

これらの取り組みにより、営業総利益は、773億87百万円(前期比100.9%)となりました。

経費面では、従来のポイント中心の販促施策から、九州大感謝祭など地域密着の商品企画を中心とした販促に変更する等、より効率的な施策を実施した結果、販促費は前期比94.8%となり、販売費及び一般管理費合計におきましては前期比99.0%となりました。

以上の取り組みの結果、前述の通り、営業損益は、前期より15億7百万円の改善となりました。

 

 <セグメント別の状況>

[総合小売事業]

・総合スーパー(GMS)イオンでは、地域、店舗特性に合わせた品揃えの実現に向けて、ショッピングセンター全体の活性化や食料品売場を中心にした活性化を行うとともに、店舗運営業務を受託しているイオンストア九州店舗の強みを積極的に取り入れ、またイオン九州店舗の強みをイオンストア九州店舗に取り入れることで相互に売場改善の取り組みを進めております。

・天候の影響を受けた衣料品や季節実需商品につきましては、売上が伸び悩みましたが、学校行事・社会行事の取り組みを強化したことにより、ランドセルや浴衣等の売上は前年を上回りました。また靴売場の運営をイオングループの靴専門店「グリーンボックス」へ移管し、高度な専門知識を持った販売員が接客することにより、お客さまのライフスタイルに合った靴をご提案できるよう営業体制を見直しました。

・食料品では地域ごとのお客さまニーズに合わせた品揃えの再強化、産地や素材にこだわった商品の販売を強化する等の取り組みにより、前年を超過いたしました。また住居余暇商品では、健康志向の高まりにより医薬品・健康食品等が好調に推移いたしました。

・販促面ではお客さまへ感謝の気持ちをこめた九州独自の新たな企画として「九州大感謝祭」を、平成27年4月、7月、10月、12月に実施いたしました。「わくわく・ドキドキ・楽しさ・サプライズ」な商品展開を実施したほか、九州地場のお取引先さまとタイアップしたオリジナル商品の販売や催事を実施し、九州の魅力満載の売場を演出いたしました。また、それぞれの店舗が、地元の行政や自治会・老人会・郷土芸能保存会などの団体と協力し企画した催事は、ご来店頂いただいた多くの地域のお客さまに大変好評でございました。

・店舗面においては、地域のお客さまに新たな価値をご提供するための活性化に取り組みました。イオン香椎浜店(福岡県福岡市)では、地元福岡で人気の大型雑貨専門店や、憩いの空間を提供するブック&カフェの導入などお客さまのライフスタイルをサポートするショッピングセンターへと生まれ変わる取り組みを進めてまいりました。そのほか「イオン時津店(長崎県西彼杵郡)」「イオン三光店(大分県中津市)」「イオン隼人国分店(鹿児島県霧島市)」などの活性化にも取り組み、食料品売場では増加する共働き世帯や単身世帯、シニア層ニーズへの対応として、惣菜の量り売りバイキングの導入や冷凍食品売場の拡大など、グループの経営資源を活かした取り組みも進めて参りました。

・「イオン筑紫野店(福岡県筑紫野市)」では、ショッピングセンターの増床による商圏拡大に合わせ、自然の力で美しくなる食事や美容法をご提案する「ナチュラル&オーガニックコーナー」や「ウェルネスフーズコーナー」を展開、また、メンズの大きいサイズ「greatess」については、ビジネス衣料からカジュアル衣料、服飾雑貨、紳士肌着、紳士靴など一同に集約した新たなショップとして、イオン九州で初めて展開いたしました。

・商品面では、九州の旬のおいしい商品の開発・品揃え強化に取り組みました。宮崎県では「都農ワイナリー」「綾ワイナリー」「都城ワイナリー」「五ヶ瀬ワイナリー」のご協力のもと、ワイナリーの解禁日を毎年10月の第3土曜日(平成27年は10月17日に実施)に設定し、九州の「イオン」「イオンスーパーセンター」74店舗において“みやざき地ワイン”を味わっていただくとともにワインに合う様々な食材を一堂に会して「“みやざき地ワイン” ヌーヴォーフェア2015」を開催いたしました。

・その他、県産フェアの新たな企画として、福岡・佐賀の県産フェアでは、ご当地の高校生がプロデュースしたレシピによるお弁当を販売するなど、GMSだからできる新商品の企画・販売を通じ、九州の魅力を広く伝える取り組みを進めてまいりました。

・これらの取り組みを更に加速させるべく、平成28年1月、イオン九州株式会社・マックスバリュ九州株式会社・株式会社レッドキャベツの3社は、九州独自の商品開発を行う新組織「九州商品開発部」を設立いたしました。今後もイオングループ企業が一体となりシナジーを最大限に活かし、地元商材の活用・発掘に継続的に取り組み、九州にしかない価値ある商品を創造してお客さまにお届けしてまいります。

・当期末の総合小売事業の店舗数は、GMS1店舗、スーパーセンター1店舗の閉店を含め、合計51店舗となりました。GMSの閉店については、スクラップ&ビルドによる閉店となります。

・以上の結果、売上高は、1,986億91百万円(前期比98.8%)となりました。

 

[ホームセンター(HC)事業]

・HC事業では、鮮度の良い花苗・野菜苗を店舗へお届けすることを目的に、生産地や市場から店舗へ直送する取り組みを拡大するとともに、園芸シーズン期にはガーデニングニーズの高い店舗にて、希少性の高い花苗・野菜苗や陶器鉢を品揃えし、多様化するお客さまのニーズにお応えできるよう努めてまいりました。

・また、お客さまのより良い暮らしをサポートするため、DIYやガーデニングに関して適切なアドバイスが行える専門スタッフの育成に努め、初めてのお客さまでも簡単に行えるDIYや寄せ植え教室など、専門スタッフを講師にした様々な教室・実演販売を各店舗で実施いたしました。庭園デザイナー石原和幸氏ほか有名ガーデナー講師による寄せ植えイベントも各地で開催し、多くのお客さまにご参加いただきました。

・そのほか、レディース作業衣料・有名ブランドの安全靴導入やシニアグラスの品揃えを充実させるなど、女性向け、シニア向けの品揃えを拡大してまいりました。

・今後も引き続き、地域のお客さまの暮らしに密着した商品・サービスをタイムリーにご提供することができるよう努めてまいります。

・当期末のHC事業の店舗数は、2店舗を閉店し38店舗となりました。

・以上の結果、売上高は、205億4百万円(前期比95.8%)となりました。

 

[その他の事業]

・ワイドマート ドラッグ&フード(D&F)では、地域特性に合わせて即食、簡便性の高い商品の品揃えを拡大するなど、よりお客さまに便利な店舗を追求しており、客数既存比は104.7%と伸長しております。

・サイクル事業においては、ファミリー対応から専門性の高いスポーツバイク等、地域特性に合わせた品揃えに努めると共に、リアライズ・モバイル・コミュニケーションズ株式会社他2社と福岡市との共同事業である「シーサイドバイク」の取り組みを開始いたしました(平成27年8月)。同事業のコミュニティサイクル拠点としてイオンバイク吉塚店・那の川店・笹丘店の3店舗にレンタサイクルを設置し、自転車の貸出・返却ステーションのサービスを実施しております。また「交通事故をなくす福岡県県民運動本部(福岡県、福岡県警察、関係団体など)中央警察署」が主催する「ハートフルサイクルフェスタ2015 in 警固公園」で自転車の模範走行を実演し、自転車マナーの向上に努めました。

・当期末のその他事業の店舗数は、ワイドマート10店舗、イオンバイク16店舗、合計26店舗となりました。

・以上の結果、売上高は、41億20百万円(前期比107.5%)となりました。

 

 <ダイバーシティ経営推進の取り組み>

・当社は、平成28年2月17日、特定非営利活動法人ファザーリング・ジャパンの主宰する「イクボス企業同盟」に加盟いたしました。 「イクボス」とは特定非営利活動法人ファザーリング・ジャパンが提唱・推進している人物像のことで、職場でともに働く部下・スタッフのワークライフバランス(仕事と生活の両立)を考え、その人のキャリアと人生を応援しながら、組織の業績も結果を出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司(男女の経営者や管理職)を指します。「イクボス企業方針」に基づき、多様性を認め経営に活かす「イクボス」の育成を通じて、ワークライフバランスのとれた働きやすい企業となることを目指してまいります。

 

(2)環境保全・社会貢献活動の取り組み

[環境保全活動]

・当社は、株式会社日本政策投資銀行の「DBJ環境格付」において、小売業としては初めて3年連続で「環境への配慮に対する取り組みが特に先進的」という最高ランクの評価をいただきました。これは、九州地域全体にて環境配慮型商品の販売や廃棄物削減および再資源化、CO2削減に向けた植樹活動やレジ袋無料配布中止、環境取り組みを通じた地域社会貢献活動を積極的に行っていることが評価されたものです。

・平成28年2月期「かごしま温室効果ガス排出抑制事業者表彰」において、優秀賞を受賞しました。同賞は温室効果ガスの排出抑制などにおいて、模範的な取り組みを進める事業者を顕彰するもので、鹿児島県内のイオン3店舗では、環境に配慮した店舗づくりやエネルギー管理システムの導入、従業員の環境意識向上などの取り組みにより、平成23年2月期に比べCO2排出量を24%削減いたしました。

・店舗の従業員がコーディネーターとなり、店舗近隣の子ども達の環境活動を支援するイオンチアーズクラブ活動においては、平成28年2月期は「植物」をテーマに植物園の見学や植物の生育観察等、様々な環境学習を実施しました。平成28年2月期のチアーズクラブ活動実施店舗はGMS42店舗、会員数は約590名(平成28年2月現在)となりました。

・平成28年2月20日、イオンタウン姶良(鹿児島県姶良市)おいて「イオン ふるさとの森づくり」植樹祭を実施し、地域のお客さま約800名にご参加いただき、約6,000本の樹木の苗木を植樹いたしました。また、平成27年11月21日には、公益財団法人イオン環境財団と宮崎県綾町との協働により、3ヶ年計画の最終年となる「綾町イオンの森」植樹を実施し、地域のお客さま約700名にご参加いただき約5,000本の植樹活動を実施しました。

[社会貢献活動]

・毎月11日を「イオン・デー」とし、地域のボランティア団体等への支援として、各団体のボックスへ投函していただいたレシート金額の1%を還元する「イオン 幸せの黄色いレシートキャンペーン」や、店舗及び本社周辺の清掃活動を継続実施しております。「イオン 幸せの黄色いレシートキャンペーン」においては、平成28年2月期に投函していただいたレシート合計金額は約25億57百万円となり、その1%に当たる物品を1,067団体に還元させていただきます。

・東日本大震災からの復興への想いを込め、被災地の方々とイオンピープルの心と心をつなぐ取り組み「イオン心をつなぐプロジェクト」のボランティア活動(岩手県陸前高田市、福島県南相馬市)に当社からも従業員49名が参加いたしました。また当社の労使協働の活動として「まごころサンタ ボランティア企画」を実施し、従業員による復興支援グッズ購入の収益金を平成27年12月に認定NPO法人遠野まごころネットに贈呈するともに、従業員20名がボランティアサンタとして釜石市を訪問し、子どもたちにプレゼントを届けました。

・地域の環境保全活動や文化振興に役立てていただくため、ご利用金額の一部を寄付する機能が付加された「ご当地WAON」を発行しており、平成28年2月期の寄付金額は35百万円、平成24年2月期からの累計では1億円を超える規模となっております。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ2億21百万円(6.6%)増加し、当事業年度末には35億98百万円となりました。

 <営業活動によるキャッシュ・フロー>

当事業年度における営業活動による資金の増加は6億45百万円であり、前事業年度に比べ61億66百万円(△90.5%)減少しました。これは主に、預り金等が減少したことによるものです。

 <投資活動によるキャッシュ・フロー>

当事業年度における投資活動による資金の減少は67億59百万円であり、前事業年度に比べ2億21百万円(3.4%)増加しました。これは主に、新店及び既存店の活性化への投資によるものです。

 <財務活動によるキャッシュ・フロー>

当事業年度における財務活動による資金の増加は63億35百万円であり、前事業年度に比べ74億10百万円増加しました。これは主に、短期借入金の増加によるものです。

 

2 【販売の状況】

(1) セグメント別売上状況

 

セグメントの名称

売上高 (百万円)

構成比 (%)

前期比 (%)

 

衣料品

46,151

20.7

92.6

食料品

112,206

50.2

101.9

住居余暇商品

40,306

18.0

98.0

その他

27

0.0

93.1

総合小売事業

198,691

89.0

98.8

ホームセンター事業

20,504

9.2

95.8

その他の事業

4,120

1.8

107.5

合計

223,317

100.0

98.6

 

(注)1 各セグメント別の取扱商品群は以下のとおりであります。

総合小売事業

 

衣料品・・・・・・

衣料品、靴、鞄、服飾雑貨等

食料品・・・・・・

食料品

住居余暇商品・・・

情報通信機器、化粧品、ドラッグ、日用雑貨、寝具、バス用品等のホーム

ファッション、消耗品等

ホームセンター事業・

建材・木材、補修材、家庭用品・日用品、ペット用品、園芸用品、食料品等

その他の事業・・・・   

食料品、ドラッグ、自転車関連商品等

 

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

 

3 【対処すべき課題】

当社は中長期的な経営戦略を推進するために、特に当社が取り組むべき以下の4項目について具体的施策を実施してまいります。

① 既存店収益力向上の取り組み

・地域、店舗特性を考慮した商品の品揃え、イオンならではのグローバルな品揃えに取り組んでまいります。

・『地元に一番うれしいお店』の実現に向け、既存店舗の活性化を積極的に行ってまいります。

② 新たな成長領域への取り組み

・都市部への人口集中に対応するため、より利便性を追求した小型フォーマットを構築し、都市部におけるドミナント戦略が可能な体制を整えてまいります。

・拡大するEコマースへの対応としては、強みであるリアル店舗を最大限に活かし、オムニチャネル型Eコマースとして、お客さまのニーズや利便性を追求した新しい取り組みである「タッチゲット」の拡大など、総合的な付加価値の提供に向けて、スピードを上げて取り組んでまいります。

③ 信頼される企業経営に向けて

・お客さまに気持ちよくお買い物をしていただくための基本の徹底は勿論、本社人員の現場へのシフトによる本社組織のスリム化をすすめるとともに、安定的な成長を続け社会的責任を果たすべく、不採算店舗の早期黒字化に継続して取り組み、財務基盤を強化してまいります。

・コーポレートガバナンス・コードの適用に伴い、持続的な成長・中長期的な企業価値増大を実現するための戦略およびガバナンス体制を強化してまいります。

④ 革新的な企業風土づくり

・平成28年3月の本部組織の再編において、ダイバーシティ推進室を新たに設置し、個々人の多様な価値観から新たな業務体制の構築に取り組んでまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社の事業に関してリスク要因となると考えられる事項には、以下のようなものがあります。
 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在における当社による判断、目標、一定の前提又は仮定に基づく予測等であり、実際の結果と異なる可能性があります。

 

(1)小売業界における消費の継続的な低迷又はさらなる悪化のリスク

当社は、主に九州地域において事業を営んでおり、その収益は同地域の小売市場に大きく依存しております。過去数年間、小売業界は、個人消費の冷え込み、小売業者間の熾烈な競争等により低迷しておりました。今後、個人消費が回復せず若しくは更に悪化した場合、当社の事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(2)競争激化に関するリスク

当社は、総合スーパー、スーパーマーケット、ディスカウントストア、コンビニエンスストア等の小売企業に加え、特定の小売部門に特化した専門店やEコマース事業などの店舗を有しない販売業者とも競合しております。また近年、低価格を武器としたディスカウントストアやドラッグストアが出店を加速しております。このような九州における競争の激化により、当社の事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(3)天候不順に関するリスク

当社の売上は、季節的変動による影響を受けます。当社は、季節的な商品動向に基づいて販売計画を立てておりますが、季節的な気象パターンが予想外に変化した場合、一部の商品に対する需要が低下し、売上の減少と過剰在庫を招く可能性があります。これにより、当社の事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(4)食品の安全性及び品質の水準低下に伴うリスク

食品の安全性と品質保証に対する消費者の関心は、偽装表示、異物混入等の発生により高まっています。当社は、食の「安全」と「安心」を守るために様々な取り組みを進めておりますが、当社が提供する食品の安全性や品質に対する消費者の信頼が何らかの理由で低下した場合、食品部門を含む店舗の売上が低下する可能性があり、当社の事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(5)人件費の増加等に関するリスク

当社は、厚生年金保険料率、雇用保険率及び健康保険組合保険料率の引き上げ、今後の労働法改正等、種々の要因により従業員に係る費用が増加する可能性があります。
 当社は、多数のパートタイム従業員を雇用しているため、種々の要因によりパートタイム従業員に係る費用が増加した場合、当社の販売費及び一般管理費は影響を受ける可能性があります。

 

 

(6)都市計画法、建築基準法及び大規模小売店舗立地法に関するリスク

床面積の合計が1万㎡を超える商業施設(大規模集客施設)の開発に関しては、都市計画法及び建築基準法により制限されています。その主旨は郊外地域における大規模集客施設の開発を制限し、市町村等が推進する中心市街地の再生を促進することにあります。商業地域、近隣商業地域及び準工業地域として指定された区域以外の用途地域においては、原則として大規模集客施設を開発することができず、また、非線引き都市計画区域及び準都市計画区域内の白地地域において大規模集客施設の開発を行うには、都道府県知事等により用途地域の指定又は用途を緩和する地区計画決定がなされることを要します。当社は地方自治体との共同取り組みを行い地域への貢献を重視しておりますが、都市計画の内容等によっては、郊外地域における当社の店舗開設に制限が課される可能性があり、当社の成長戦略に支障が生じたり店舗の開設に要する費用が増加したりする可能性があります。

 

(7)地震や台風等の災害、テロ活動等に関するリスク

当社の店舗・施設の周辺地域において大地震や台風等の災害或いは予期せぬ事故等が発生し、店舗・施設に物理的に損害が生じ、当社の販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社の事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
 また、当社の店舗・施設では防火対策を重点的に取組んでおりますが、不測の事態により店内・施設より出火し、建物・施設に被害が拡大し当社の販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社の事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
 当社の店舗・施設の周辺地域において、新型インフルエンザ等の感染症災害が発生し、当社の販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社の事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(8)資金調達に関するリスク

当社は、成長戦略のために資金を調達する必要があります。当社は多様な資金調達手段を検討しており、金融環境の変化に迅速に対応できる体制を整えております、また、取引金融機関とは常に良好な関係を築いております。
 しかしながら、景気の後退、金融収縮など全般的な市況の悪化や、格下げ等による当社の信用力の低下、当社の事業見通しの悪化等の要因により、当社が望む条件で適時に資金調達が出来ない可能性もあります。これにより、当社の事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(9)保有株式の市場価格の下落に関するリスク

当社が保有する株式の時価が、当該株式の帳簿価額を著しく下回ることとなった場合、当該株式の評価損を計上する必要が生じ、当社の事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(10)顧客情報の漏洩に関するリスク

当社は、顧客から得た個人情報を保管・管理しております。当社は、かかる個人情報の漏洩が生じないよう、情報システムのセキュリティを確実にするなど、万全の処置を講じておりますが、万が一顧客に関する個人情報が何らかの事情により漏洩した場合、被害者に対して損害賠償義務を負ったり、当社の社会的信用に影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社の事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1)親会社、兄弟会社との契約

当社は、親会社であるイオン株式会社とコーポレート負担金・ブランドロイヤルティの契約を締結しております。また、兄弟会社であるイオンリテール株式会社と商品供給契約を締結、またイオンリテール株式会社及びイオンモール株式会社と店舗賃貸借契約を締結しております。

 

(2)店舗の賃貸借契約

当社は、イオンリテール株式会社より賃借している店舗以外に、店舗の所有者と店舖賃貸借契約を締結しているものがあります。また、同友店(テナント)については、出店契約を締結し店舗の一部を貸与しております。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当期末現在において当社が判断したものであります。

(1)当期の経営成績

当社が経営基盤とする九州においては、雇用や所得環境が改善するなど、緩やかな回復基調が続いておりますが、個人消費については、消費者マインドの持ち直しに若干足踏みが見られるなど、弱さが残りました。

このような環境の下、当社は「九州でNo.1の信頼される企業」の実現を加速させるべく、活性化や販促施策の変更等により、地域ごとのお客さまのニーズに合わせた品揃えや売場展開、サービスの提供に注力し、お客さまの満足度を高めてまいりました。

また、平成27年9月1日から株式会社ダイエーの九州地区24店舗を承継したイオンストア九州株式会社の店舗運営業務を受託いたしました。これにより、当社の総合小売事業の当期末時点における運営店舗数は75店舗となり、「地元にいちばんうれしいお店へ」をコンセプトに、一体運営によるシナジー効果を早期に最大化するべく、新生イオン九州として取り組んでおります。

売上高につきましては、2,233億17百万円(前期比98.6%)となりました。これは、天候不順への対応ができなかった衣料品や季節実需商品の売上が伸び悩んだことによるものです。しかしながら、食料品では地域や店舗特性に合わせた品揃えを拡大する等の取り組みにより、食料品の既存店売上高は前期比102.3%となりました。

利益面では、食料品では地域に根差した商品構成への見直し、利益率の高い生鮮食料品の売上構成比を高める等の取り組みを行うとともに、計画的な商品在庫の削減を行っているホームセンター(HC)事業や総合小売事業の住居余暇商品において、前期比91.0%と在庫削減した結果、会社合計の下半期の売上総利益率は前期より0.5ポイント改善、通期でも0.1ポイント改善いたしました。

経費面では、従来のポイント中心の販促施策から、九州大感謝祭など地域密着の商品企画を中心とした販促に変更する等、より効率的な施策を実施した結果、販促費は前期比94.8%となり、販売費及び一般管理費合計におきましては前期比99.0%となりました。

  この結果、当期の営業収益は、2,403億14百万円(前期比99.2%)となりました。営業損失は、1億86百万円(前期は16億93百万円の損失)、経常損失は、29百万円(前期は11億6百万円の損失)、当期純損失は、20億47百万円(前期は36億8百万円の損失)といずれも前期より損失幅を大幅に改善いたしました。

 

(2)当期の財政状態

<資産>

当事業年度末の資産は1,035億23百万円となり、前事業年度末に比べ15億58百万円減少いたしました。内訳としましては、流動資産が11億72百万円、固定資産が3億85百万円それぞれ減少したためであります。流動資産の減少は、商品が22億19百万円減少したことが主な要因であります。固定資産の減少は、差入保証金が4億35百万円減少したことが主な要因であります。

 <負債>

当事業年度末の負債は895億39百万円となり、前事業年度末に比べ8億47百万円増加いたしました。 内訳としましては、流動負債が16億66百万円増加したことに対して、固定負債が8億18百万円減少したためであります。流動負債の増加は、預り金が21億57百万円、買掛金が19億21百万円減少したことに対して、短期借入金が58億64百万円、コマーシャル・ペーパーが10億円増加したことが主な要因であります。固定負債の減少は、長期借入金が5億25百万円減少したことが主な要因であります。

<純資産>

当事業年度末における純資産は、前期末に比べ24億5百万円減少し、139億84百万円となりました。これは主に繰越利益剰余金が17億96百万円増加したことに対して、別途積立金が41億11百万円減少したためであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2[事業の状況]1[業績等の概要]」に記載しております。

 

 (4)中長期的な会社の経営戦略

  1)会社の経営の基本方針

当社は、「すべてはお客さまのために」を原点に、お客さま満足と従業員の自己実現のため、絶えず「変革」と「挑戦」を続け、九州の成長とくらしの豊かさに貢献することを基本方針としております。

2)目標とする経営指標

当社は、企業本来の収益性をあらわす売上高営業利益率を重要な経営指標と考え、継続的な売上の増大を図るとともに、ローコスト経営体質の確立による営業利益の拡大に努め、健全な成長による企業価値の向上を行ってまいります。

3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

① 長期目標

当社は九州におけるイオンの中核企業として絶えざる変革を進め、強固な経営基盤の確立と継続的な成長によりグローバル水準の経営効率を実現し、高収益企業をめざします。

② 中期経営戦略

当社を取り巻く環境は、人口減少・高齢化社会の到来、都市部への人口集中化、デジタル社会の発展による急速なマーケット変化がおこっております。また、業態を越えた競争がさらに激しさを増していく事が予想されます。このような環境の下で健全な成長を続けるために、イオングループの戦略である「アジアシフト」「都市シフト」「シニアシフト」「デジタルシフト」の4シフトを通じて収益力の向上を図ってまいります。また、環境変化やお客さまニーズの変化に対応して、イオンだからできる安全・安心な商品・サービスの提供を通じて、九州のお客さま満足の実現を追求するとともに、地域密着型経営に取り組んでまいります。さらに地域との信頼関係をより強固なものにしていき『いつもそこにあって欲しいイオン』を目指してまいります。