文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日(平成30年7月27日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針および中長期的な経営戦略等
当社グループは、「お客様のために進化するアスクル」を企業理念とし、オフィスに必要なものやサービスを「迅速かつ確実にお届けする」トータルオフィスサポートサービスにおけるパイオニアとして平成5年の事業開始以来、お客様の声を聞きながら、商品・サービス・システムを絶えず進化させて中小事業所から中堅大企業までのあらゆる企業の多様なニーズにお応えし、圧倒的No.1の地位を確立してまいりました。これに加え、情報技術の発展、少子高齢化や女性就業人口の増加といった社会構造・生活環境の変化等により、eコマース(インターネット等を介して行われる電子商取引ビジネス)へのニーズは、一般消費者へも急速に高まっており、当社グループは、このような状況を絶好の成長機会と捉え、平成24年11月20日に一般消費者向けインターネット通信販売サイト「LOHACO」のサービスを開始しました。当社グループでは「いつでも、どこでも、誰にでも、欲しいものを欲しいときにお届けする革新的生活インフラを、最もエコロジーな形で実現します。」というミッションに基づき、オフィス通販No.1から第二世代のeコマースNo.1への変革を目指していきます。また、当社の強みである物流・配送とマーケティング力に加え、プラットフォームのオープン化により企業間連携を強化してまいります。
BtoB事業につきましては、BtoCを主力とする企業の参入や特定の業種や商品カテゴリーに強い企業の台頭により、従来からの専門商社や卸企業からの購買がeコマースでの購買へとお客様の購買方法が大きく変化しております。当社は得意とするBtoBのeコマース市場が拡大することを今までと異なるお客様への販売機会の増加と捉え、様々な施策の実行により、「収穫逓増、全ての仕事場での圧倒的No.1」を目指してまいります。
BtoC事業(「LOHACO」と連結子会社である株式会社チャームの合計)につきましては、中期経営戦略の目標指標の 一つであるBtoC事業に係る流通総額1,000億円を目指し、早急に「LOHACO」の認知度を高めてまいります。業務・資本提携契約を結ぶヤフー株式会社とノウハウや人的リソースの結集により集客力の向上、「LOHACO ECマーケティングラボ」に参加いただいているメーカーと連携したマーケティング手法の活用による差別化商品の投入や「1時間単位の指定」「30分単位のお届け予定」「10分前の直前お知らせ」の3つの時間を約束する新たな配送サービス「Happy On Time」のエリア拡大等により、あらゆる点において優位性を有するeコマースを構築してまいります。
併せて、BtoB事業とBtoC事業の売上拡大によるスケールメリットを生かした原価低減や、「LOHACO」のメディア価値の拡大による広告収入の増加等に取組み、収益性の飛躍的な向上を実現してまいります。
また、当社の事業を支えるプラットフォームであり、利益の源泉である物流センターの新設等については、当社の成長・拡大にあわせ継続的に行ってまいりますが、当期(平成30年5月期)においては、平成29年9月にLOHACO専用センターである「ASKUL Value Center 日高(以下、「AVC日高」)」が全面稼働し、平成30年2月には、最先端設備の導入により生産性を徹底的に追求した、流通業における1社単独の物流施設としては関西最大級となる物流拠点「ASKUL Value Center 関西(以下、「AVC関西」)」が全面稼働いたしました。
引き続き、お客様サービス向上や物流効率によるコスト低減を図るため、在庫商品の最適配置や梱包・補充作業の平準化施策に加え、最新鋭設備の導入に伴う省人化により物流生産性の向上を進めてまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、事業本来の収益性を重視し、市場シェアの拡大と当社オリジナル商品(注1)・高付加価値商品の拡充による売上総利益率の改善と継続的なコスト構造改革によるローコストオペレーションを同時に実現して売上高営業利益率の向上を目指しております。これに加え、株主重視の経営という観点から企業価値を高めるため、中長期におけるROEの向上に努めております。
当連結会計年度(平成30年5月期)は、連結売上高は着実に成長し、売上総利益率についても改善が図られたものの、「AVC日高」等の新設物流センターにおいては高度自動化を支える物流設備等が導入途上にあったこと等により平成29年2月に火災事故にあった「ASKUL Logi Park 首都圏(以下、「ALP首都圏」)」並みの労働生産性には至っていないことや宅配クライシスによる配送コストの増加等により物流変動費が一時的に増加しました。また、「AVC関西」全面稼働前の地代家賃等の負担が重く、売上高固定費比率が上昇したため、売上高営業利益率は前連結会計年度の2.6%から1.2%となりました。
ROEについては「ALP首都圏」および「ASKUL Logi Park 福岡(以下、「ALP福岡」)」に係る土地および建物等の売却損益等を計上した影響で、前連結会計年度の2.1%から9.9%となりました。
次期(平成31年5月期)においては、売上拡大および物流力の差別化を図るための戦略的なコスト投下を継続するものの、物流生産性の改善や配送基盤の自社配送化により物流変動費比率の低下を見込んでおります。これらにより、平成31年5月期は着実に増収、営業利益は増益を予定しており、売上高営業利益率は1.5%、前連結会計年度に発生した「ALP首都圏」および「ALP福岡」に係る土地および建物等の売却損益等を計上した影響がなくなることからROEは6.9%となる見通しです。
平成31年5月期はBtoB事業は引き続き増収増益、ヘッド商品とロングテール商品の両軸から収益拡大を目指し、BtoC事業は商品数・お客様基盤の増強で規模を拡大し収益改善に繋げ、物流生産性の向上、配送基盤の強化、物流シェアリングでローコストオペレーションを実現し、ECの収穫逓増モデルへのさらなる進化を続け将来の企業価値極大化を目指してまいります。
(3)会社の対処すべき課題
当社グループは、以下3つのテーマに注力して取り組んでまいります。
① データやテクノロジーを活用した商品開発、ロングテール商品の拡大とWEBサイトの進化
BtoB事業は、増大するeコマース市場において、お客様の声やビッグデータを活用した当社オリジナル商品の開発により、競合他社との差別化と収益力の強化を同時に実現します。また、ロングテール商品においても、AI(人工知能)などテクノロジーの活用により、取扱商品数の拡大とお客様が欲しい商品を最も早く探せるWEBサイトへの進化を計画しております。ビッグデータを活用した品揃え、最先端テクノロジーを活用したWEBサイトと高品質な物流サービスを組み合わせて、競合他社との優位性を明確にすることにより、成長性と収益力の向上を実現します。
② 商品数の拡大とシステム基盤の刷新で規模拡大メリットによる収益性改善
「LOHACO」は、「AVC日高」の全面稼働開始後順調に回復してきており、取扱商品数についても順次拡大するとともに、メーカーと協業し、当社差別化商品(暮らしになじむ商品等)の拡充にも注力してまいります。またパーソナライズ(1to1)強化、WEBサイトスピード向上、WEBサイト導線の簡素化、継続的な検索精度改善等のシステム基盤の刷新を図ることによりお客様ニーズにマッチしたサイト進化を実現します。中期経営戦略の目標指標の一つであるBtoC事業に係る流通総額1,000億円を目指し、早急に規模を拡大し収益改善に努めてまいります。
③ 配送基盤の自社配送化加速と高度自動化された物流・配送のシェアリング(OPA)による効率化
配送ドライバー不足等に起因する配送運賃の上昇傾向等や国内物流業者による取扱い総量規制等が行われている状況下において、配送ドライバーの増員やグループ会社の活用により、自社グループ配送網の拡大を図ってまいります。同時に、最先端の技術であるAIやビッグデータの活用により、最適なルートを計算し、配送ドライバーの効率配送を支援することで、コストの抑制を実現し、当社独自の持続可能な自社グループ配送体制の強化を図ってまいります。
また、当社は、ロボティクス等の導入により物流生産性のさらなる向上を目指すとともに、「AVC関西」においてOpen Platform by ASKUL(OPA:当社の強みである物流とマーケティングのプラットフォームを外部提供する事業、以下「OPA」)を提供し、物流のシェアリングによる物流配送コストの低減を実現してまいります。当社はすでに一部メーカーや流通企業とは「OPA」を活用した取り組みを始めておりますが、「AVC関西」では、メーカーやストア企業(注2)との在庫の共有化・商品の同梱配送等を進め、当社の物流プラットフォームをメーカーやストア企業に積極的に提供・活用して「OPA」をより一層加速してまいります。
当社は「OPA」の具現化を通して、お客様にとって一層充実した品揃えと高い利便性を提供するとともに、効率的で無駄のない社会最適なeコマースを実現してまいります。
(注1)当社のプライベートブランド商品のほか、当社グループのみで販売するメーカーブランド商品を含みます。
(注2)「LOHACO」のマーケットプレイスに「出店」している売り主企業のことを指します。
当有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当有価証券報告書提出日(平成30年7月27日)現在において判断したものであり、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスク全てを網羅するものではありません。
当社グループの経営成績、財政状態および株価等に影響をおよぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
当社およびヤフー株式会社は、平成24年4月27日付けで業務・資本提携契約を締結して以降、両社は事業運営の独立性をお互いに尊重し、イコールパートナーシップの精神の下、それぞれが有する集客能力、顧客、仕入先、決済システム、インターネットサービスに係るシステムおよびデザイン技術、物流・配送設備および物流・配送のオペレーション能力、ならびに、それらに関するノウハウ、人材その他のリソースを相互に提供し合い、「お客様に最高のeコマースを提供する」という壮大な目標を実現すべく、当社が運営する「LOHACO」をeコマース史上最も早い成長速度で立ち上げてまいりました。
両社は「LOHACO」をさらに大きく成長させるとともに収益性の向上を図るために、3年間培ってきた信頼関係をベースにさらなる発展および連携の強化を図ることが最善であると判断し、平成27年5月19日付けで、業務・資本提携契約を更改いたしました。
両社は、これにより「LOHACO」がECビジネスにおいて圧倒的No.1となることを目指してまいります。
当社は、更改された契約日以降、当社の株式の議決権希薄化行為(注)を行おうとする場合には、ヤフー株式会社に対して、議決権希薄化行為を行う旨およびその条件を書面にて通知した上で、議決権希薄化行為の直前の時点におけるヤフー株式会社の当社の株式に係る議決権割合を維持するために必要なあらゆる措置を適時かつ適切に講じるものとします。加えて、当社は、当社の新株予約権その他の潜在株式の行使又は株式への転換(以下「新株予約権行使等」という。)により、当該新株予約権行使等の直後の時点におけるヤフー株式会社の当社株式に係る議決権割合が、(a)平成27年8月27日の自己株式取得の終了時点におけるヤフー株式会社およびその子会社の当社株式に係る議決権割合よりも100分の1以上低下し、かつ、(b)直前に上記措置を講じた時点におけるヤフー株式会社およびその子会社の当社の株式に係る議決権割合よりも100分の1以上低下した場合には、ヤフー株式会社に対して、その旨を書面にて通知した上で、平成27年8月27日の自己株式取得の終了時点におけるヤフー株式会社およびその子会社の当社株式に係る議決権割合を回復又は維持するために必要なあらゆる措置を講じるものとしております。このため、当該措置を講じた場合、当社の株式の議決権の希薄化が生じる可能性があります。
なお、ヤフー株式会社は、更改された契約日以降、自ら又は第三者をして、当社の株式を追加取得(ヤフー株式会社又は第三者が当社の株式を有するその他の第三者(有価証券報告書又は四半期報告書の大株主の状況の記載により、当社の株式を有することが合理的に認知可能な第三者に限る。)の株式その他の持分を取得することにより、当社の株式を間接保有することとなる態様による取得を含む。)することを希望する場合は、事前に当社に対して書面により通知し、ヤフー株式会社および当社の書面による合意に基づいて実施するものとします。
その他、ヤフー株式会社は、ヤフー株式会社および契約更改後にヤフー株式会社の子会社となった当該子会社(以下「ヤフーグループ」という。)の保有する当社の株式に係る議決権割合が、平成27年8月27日の自己株式取得の終了時点におけるヤフーグループの保有する当社の株式に係る議決権割合の合計よりも100分の1以上上昇した場合には、速やかに、市場取引等により当社の株式を売却し又は売却せしめることその他、ヤフーグループの当社の株式に係る議決権割合の合計を、本自己株式取得の終了時点におけるヤフー株式会社の議決権割合の合計に復するために必要な措置を講じます。但し、上記に定めるヤフー株式会社および当社の書面による合意に基づいて行われる取引により、又は当社による自己株式取得その他ヤフーグループの作為によらずに、ヤフーグループの当社の株式に係る議決権割合の合計が上昇した場合は、この限りではありません。上記等により株価等に影響を及ぼす可能性があります。
(注)当社の株式の議決権の希薄化が生じる可能性のある一切の行為(募集株式の発行、自己株式の処分、株式の発行を伴う組織再編等、議決権の希薄化が現に生じる行為のほか、新株予約権、議決権のある株式に転換可能な種類株式その他の潜在株式の発行等、将来議決権の希薄化が生じる可能性のある行為を含みます。但し、既に発行済の新株予約権の行使による当社の株式の発行若しくはそれに伴う自己株式の交付、または、当社の単元未満株式を有する株主から、会社法第194条第1項および当社の定款第10条に基づく単元未満株式の売渡請求がなされた場合において、当社がその保有する自己株式を当該株主に売り渡す行為を除きます。)を指します。
当社グループの主たる事業は、サプライヤーをはじめとして、実質的に当社グループに代わってお客様開拓や集金業務および債権管理を担う当社グループ独特のエージェント、運送会社、情報システムの開発および保守・運用会社等多くの協力会社によって支えられております。それぞれの機能により、役割を分担・補完し合い、お互いにパートナーとして戦略的に連携(コラボレーション)し、業務や機能の重複、時間やコストの無駄を排除して顧客価値の最大化を図るバリューチェーンの考え方が当社グループの基本スタンスにあります。当社グループでは、事業モデルを支えるパートナー企業との良好な関係の維持に努めておりますが、各社の経営状況の変化等によって、提携による業務委託等の継続ができなくなった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社のBtoBの通信販売事業モデルにおいて、エージェント制度の採用が大きな特徴となっております。お客様への販売代金回収は、担当エージェント側でその回収リスクを負い、当社側ではエージェントに対する売掛金について回収リスクを負う体制であります。当社では、エージェントの成長力を維持・向上させるためのインセンティブプランなどによりエージェント活動の活性化を促すとともに、エージェントの経営基盤を強固にするための施策を実施しております。また、経済環境の悪化などによりエージェントに倒産等の事由が生じた場合には、当該エージェントが担当しているお客様は速やかに当社グループさらには後任の担当エージェントに引継がれますので、当社グループの経営成績に与える影響は限定的と考えられますが、潜在的な可能性として、エージェントの倒産等によって回収リスクが発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社はお客様開拓を優先するためにエージェントを無制限に増やすようなことはせず、エージェントの選定や契約に際して一定の基準および手続を設け、エージェントに対してアスクル事業を展開する財務基盤等を有しているかの確認をし、かつ当社グループの事業コンセプトへの理解を促しております。
エージェントがお客様開拓を行う一方、当社グループでも新聞広告・インターネット広告等全国的な広告宣伝やキャンペーンを実施しております。広告宣伝等の効果により、お客様から当社グループへ直接登録のお申込みが数多くあり、その際は、社内の規定に従って担当エージェントを決定し、集金業務および債権管理を行っております。決定した担当エージェントからは、当社グループが実施した広告宣伝費の一部として、顧客獲得に応じて広告宣伝協力金を負担いただいておりますが、広告宣伝等の効果が低下して直接申込み比率が低下することによる広告宣伝協力金の減少や広告宣伝等のコスト増加に伴い当社グループが負担する広告宣伝費が増加した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社では、インターネットによるご注文が大半を占めておりますが、主要商品を掲載したカタログも発刊しております。カタログ掲載商品の選定とカタログ制作におきましては、表示品質を管理する専門組織を設置し、細心の注意を払っておりますが、カタログの表示内容に重大な瑕疵が発生した場合には、カタログを回収せざるを得ない事態が考えられます。その場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
商品に関して、世界レベルでの原材料価格や為替レートの急激な変動により、仕入価格の上昇などの影響が発生する可能性がありますが、このような場合でもお客様に対し仕入価格の上昇分を充分に転嫁しきれない場合があります。これに対し、当社グループではコスト削減のための企業努力に注力いたしますが、企業努力によっても仕入価格の上昇分を補いきれない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、サプライヤーとの間では当社グループの販売力に応じて安定した商品供給体制を整えていただくよう要請しております。しかしながら、グローバルな経済状況の変化、原産地およびサプライチェーンにおける地域紛争や災害・事故の発生、或いは当該商品の持続可能な原料調達に関わる環境問題などから生じる原材料の高騰や入手困難等による生産制限または製造原価の上昇や、為替レートの急激な変動などにより安定した商品仕入ができない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、当社グループの販売数量が多い商品についてはサプライヤーの分散を図っておりますが、災害や事故等により特定のサプライヤーからの供給がストップした場合で速やかなサプライヤーの代替が困難なときは、販売に支障をきたす可能性があります。各商品につきましては、お客様の購買動向を「需要予測システム」にて分析し「SYNCHROMART(シンクロマート)」システムで、サプライヤーと在庫・需要予測情報を共有することにより、サプライヤー側で需要予測に応じた生産計画や在庫保有が可能となり、品切れによる販売機会ロスを減らし、お客様満足度の低下の極小化を目指しております。
しかし、新規取扱商品や夏場の飲料水等季節商品、感染症対策のための衛生用品、災害や事故等で一時的に需要に供給が追い付かない商品などで品切れが生じるケースもあります。さらに「LOHACO」においては、嗜好が多岐にわたりかつトレンド変化の早い一般消費者向け商品を多数取り揃えなければならないことから、今後さらに需要予測の精度向上を図り、サプライヤーとも充分な連携を行い、品切れリスクや偏在リスクをなくすなど、適正在庫を維持するよう効率的なデマンドチェーン・マネジメントに努めますが、予測を誤った場合またはシステムトラブル等により在庫不足または過剰在庫となる可能性があります。これらの結果、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、商品品質の管理部署を設置し、商品および商品調達先の選定・管理に最善を尽くしておりますが、商品の品質問題に起因するリコール等が発生した場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。また、当社グループで製造している食品・飲料等の取扱商品については、食品衛生に関わる設備の充実、品質チェック体制の確立など、お客様に安全な商品をお届けできるよう努めておりますが、品質や商品情報等に瑕疵等が発生した場合、商品回収や製造物責任賠償が生じることもあり、その場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループのコア・コンピタンスを支える基盤は、インターネットやAI、ロボティクスといった情報技術(IT)の活用によるところが多くあります。この分野における技術は著しく変化し、当社グループではそれらのテクノロジーにいち早く対応するために、ソフトウエアを中心に継続的投資を行っております。ITの進歩が著しく、投資したソフトウエア等の利用可能期間が、当初予定したものより短くなった場合、残存期間分の償却が一時に発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、継続的に実施しているソフトウエアの追加投資や大幅な改良を伴うシステムの再構築を行う場合、ソフトウエアのバグなどの要因による開発スケジュールの遅延や稼動後にソフトウエアの品質に問題が生じる可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、ソフトウエアを対象とした投資に加え、業容拡大に伴う物流センターの新設や増改築などの投資を継続的に行うと共に、「LOHACO」の拡大のため、物流インフラや情報システムについて大規模な新規設備投資を進めております。いずれの設備投資の実施に際しましても、充分な投資対効果の検証を行った上で実施しておりますが、その効果が充分でない場合、またはその効果の発現が予測より遅れた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、FAXによるカタログ通信販売と並列して、Web上の「アスクル」「ソロエルアリーナ」「ソロエルエンタープライズ」および「LOHACO」等のサイトを通じてインターネットによる注文を受付けております。
インターネットの急速な普及と相俟って、当社グループにおけるインターネット注文比率は上昇しております。このような状況下、インターネットに特有な技術的または社会的なリスク要因が増大すると見込まれますが、当社グループではインターネットサーバーの分散化、最新化および通信回線容量の増強を図るとともに、万一の障害や事故に備えた基幹システムの二重化およびリアルタイムのバックアップ体制の整備、不正アクセスやコンピュータウィルスを防御するネットワーク・セキュリティの強化を行っております。また、当社グループでは、個人情報保護マネジメントシステムの要求事項(JIS Q 15001)の審査を受け、平成18年1月に財団法人日本情報処理開発協会(JIPDEC)よりプライバシーマーク付与を認定されており、同要求事項に沿ったマネジメントシステムを確立し、お客様情報および個人情報の保護においても必要な管理体制を整えております。今後も引き続きネットワーク・セキュリティと情報管理に関しまして強化を図ってまいります。
しかし、基幹システムやネットワークの障害、ウィルスの侵入等を完全に予防または回避することは困難であり、当社グループの事業運営に重大な支障が発生する可能性やお客様情報の流出等によって社会的な信用の低下や損害賠償請求を受ける可能性があります。これにより、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、通信販売業者として「消費者契約法」、「特定商取引に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」、医薬品等販売事業者として「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、その他「個人情報保護法」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」等の規制を受けております。今後、これらの規制の改正や新たな法的規制が設けられる場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、高品質なサービスの提供に努めておりますが、重大な荷物の破損、紛失等といった不具合が発生した場合や荷札などに記載されているお客様情報が管理の不徹底などにより外部に流出した場合には、社会的な信用の低下や損害賠償請求を受ける可能性があり、この場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの配送業務における車両の利用に際しては、交通法規遵守のための教育や安全対策を実施しておりますが、重大な交通事故や法令違反が発生した場合、社会的信用の低下や行政処分が行われる可能性があり、この場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループで取り組んでいる環境活動や無駄を排除する活動などにより、効率的な配送を行っておりますが、車両に用いる燃料価格が高騰した場合や災害等により燃料の調達網が被害を受けた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、配送パートナーの協力のもと最適な配送網を構築し、「当日配送、翌日配送(一部離島等を除く)」を遵守することでお客様のご支持を得てまいりました。一方、社会的なeコマースの普及と配送ドライバーの人手不足問題等により、国内物流業者による総量規制等が行われております。当社グループとしては、お客様とのお約束を遵守するため、配送パートナーの協力は引き続き得ながら、当社グループ配送ドライバーの増員やグループ会社の活用により、当社グループ配送網の強化を図ってまいりますが、お客様からのご注文量の増加に対応した配送網の構築や人材の確保が間に合わない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、医療・介護施設向け用品や医療機関向けの医療専門商材、一般消費者向けの医薬品、健康食品、酒類等をはじめ多岐にわたる商材を取り扱っております。これらの商材の販売および管理は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(「薬機法」)」をはじめとする関連法規等により規制を受けるものもあり、必要な各種許認可の取得、登録、届出等を行っております。
その他、当社グループは、特定・一般建設業の許可、第一種貨物利用運送事業の登録、一般貨物自動車運送事業の許可、貨物軽自動車運送事業の届出、倉庫業の登録、その他各種許認可の取得、登録、届出等を行っております。
これらに関連する法令の規制の改正や新たな法的規制が設けられる場合、あるいはこれらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの営業活動が制限され、業績が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、輸入商品の取り扱いや連結子会社において中国等での商品販売の実施など、海外での取引を行っており、諸外国政府による規制や法令の改正、政治的、経済的な不安定さ、信用経済の発達度合いおよび資金移動の制約などに起因したカントリーリスクが存在します。カントリーリスクに対しては、案件ごとにその回避策を講じてリスク管理に努めておりますが、これらカントリーリスクを完全に回避できるものではなく、リスクが顕在化した場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、地震等の自然災害に備え、受注センター・お問合せセンター・物流センターを複数設置することで、リスク分散を図っております。また、事業、拠点、体制等の拡大や当社グループ内外の変化に応じて、事業継続計画の見直しを継続して行っております。しかしながら、地震や台風等による自然災害の発生確率は依然として高いことから、想定以上の地震やその他自然災害が発生し、事業所等が被害を受けた場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
また、自然災害以外の火災等の災害については、平成29年2月に発生した「ALP首都圏」の火災事故を受け、防火設備点検等の実施や物流センター運営体制の強化等により再発防止に努めておりますが、災害等が発生した場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
当社グループの事業は、物流センターの庫内業務や配送業務など労働集約型の業務がお客様との接点を支えており、質の高い人材の確保が重要であります。また、今後更なる事業拡大およびテクノロジーやサービスの進化に挑戦していく際には優秀な人材を採用すると共に、「働き方改革」を進めて労働環境を整備することにより社員の定着を図ることが、当社グループの成長には不可欠な要素となりますが、これらが実現できず必要な人材が確保できなかった場合、或いは特に需給が逼迫しているIT系の社員が他社に多数流出する等の事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社は、継続的な成長発展に向けて、当社事業とシナジー効果を有する企業への投資や、次世代のイノベーションを起こすために優れた技術・エンジニアを有するベンチャー企業への投資を実施しております。投資に際しては、財務・経営状態・事業計画等を精緻に検討し、投資後も投資先の財務状況を随時把握するように努めておりますが、投資先の事業が計画通り進捗せずに、収益性の悪化等により価値が毀損されたことで有価証券の減損を実施する場合や、投融資した金額等が回収できなくなる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度(平成29年5月21日から平成30年5月20日まで)におけるわが国経済は、雇用環境等に引き続き改善が見られた一方、株価や為替の不安定な動向や、個人消費にも停滞感があるなど景気の回復は足踏み状態が続いております。
このような状況の中、当社グループが属するeコマース市場は引き続き成長が見込まれているものの、小売業と通販大手の提携の動きが加速する等、競争が激化しております。また、配送ドライバー不足等に起因する配送運賃の上昇傾向等もあり予断を許さない状況となっております。
当社グループは、当連結会計年度を「ALP首都圏」火災(平成29年2月16日に発生)から完全復活する基礎固めの年と位置づけ、全社一丸となって取り組んでまいりました。
火災の影響により低下していた「LOHACO」のサービスレベルは、「AVC日高」が平成29年9月に全面稼働を開始したことで、概ね従前の状態にまで回復いたしました。また、平成29年9月に稼働を開始した「AVC関西」については、平成30年2月の全面稼働により、関西以西の当社物流増に対応する基幹拠点としてだけでなく、他社に当社の物流とマーケティングのプラットフォームを開放し、物流のシェアリングによる配送費低減に向けた体制を整えてまいりました。両物流センターを含む新センターは概ね予定通り稼働しておりますが、物流倉庫内のオペレーションには課題を残しており、これらを早期に解決し、次期は一層生産性の高い物流センターを目指してまいります。
また、完全復活の一助とすべく、平成29年11月20日に、火災により大きな損傷を受けた「ALP首都圏」を東急不動産株式会社が出資する特定目的会社へ譲渡いたしました。当社は今回の火災を契機に、当社の原点である「持たざる経営」へ回帰することを決め、「ALP福岡」も併せて譲渡いたしました。なお、「ALP首都圏」は全棟解体・新築され、約1年半後に最新の防災設備が導入された安心安全な物流センターとなり、「ALP福岡」は譲渡後も賃借使用し、継続して安定稼働しております。
当連結会計年度の業績については、売上高は前期比7.3%の増収となりました。主力分野であるeコマース事業のBtoB事業が前期比3.7%の増収と順調に推移したことが寄与しました。BtoC事業は、主力事業の「LOHACO」において、上期中は火災の影響により、取り扱い商品数と出荷量に制限があり、販促等も抑制しておりましたが、「AVC日高」の全面稼働に伴い下期には売上高も回復し、当連結会計年度は増収を確保することができ、また、ペット・ガーデニング用品を専門に扱う株式会社チャームを平成29年7月に子会社化したことによる売上高増加が大きく寄与し、BtoC事業全体では30.0%の増収となりました。
差引売上総利益は、当社オリジナル商品の拡大等により、BtoB事業とBtoC事業ともに売上総利益率が上昇したことが寄与し増加いたしました。一方、販売費及び一般管理費は、「AVC日高」等の新設物流センターにおいては高度自動化を支える物流設備等が導入途上にあったこと等により「ALP首都圏」並みの労働生産性には至っていないことから物流変動費が一時的に増加し、また、「AVC関西」全面稼働前の地代家賃等の負担が重く、売上高固定費比率が上昇したため、営業利益は減益となりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高は3,604億45百万円(前期比7.3%増)、営業利益41億92百万円(前期比52.7%減)、経常利益39億40百万円(前期比55.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、「ALP首都圏」および「ALP福岡」に係る土地および建物等の売却損益等を計上したことから、46億93百万円(前期比362.5%増)となりました。
セグメント別(セグメント間取引を含む)の経営成績につきましては、以下のとおりです。
<eコマース事業>
BtoB事業につきましては、BtoCを主力とする企業の参入や特定の業種や商品カテゴリーに強い企業の台頭により、従来からの専門商社や卸企業からの購買がeコマースでの購買へとお客様の購買方法が大きく変化しております。当社が得意とするBtoBのeコマース市場が拡大することを今までと異なるお客様への販売機会の増加と捉え、様々な施策を行っております。
当連結会計年度においては、当社で購入経験のないお客様がサーチエンジンで商品を検索した際に、当社のWEBサイトが上位に掲載される施策や当社で簡単に購入できるように会員登録の仕組みを変更するなどの施策を行い、新規のお客様数が飛躍的に増加いたしました。また、テクノロジーを活用して取引先との情報連携の仕組みを構築したことにより取扱商材の拡大スピードが速まり、お客様のニーズにタイムリーに応えることが可能となりました。これらイノベーションの相乗効果により、売上高は前期比で106億64百万円増収の3,026億2百万円(前期比3.7%増)となりました。
BtoC事業(「LOHACO」と連結子会社である株式会社チャームの合計)につきましては、売上高が前期比で116億97百万円増収の507億14百万円(前期比30.0%増)となりました。主力事業の「LOHACO」の売上高は、「AVC日高」の全面稼働開始等により回復してきておりますが、第4四半期連結会計期間においては、「LOHACO」の成長を加速させるために、定番品については競合他社比で競争優位な価格設定を行い、また、ヤフー株式会社の協力のもとにYahoo!プレミアム会員様向けのポイント施策等を実行した結果、多くの新たなお客様の獲得に繋げることが出来ました。取扱商品数についても順次拡大するとともに、メーカーと協業し、差別化商品(暮らしになじむ商品等)の拡充にも注力しております。また、株式会社チャームの子会社化が増収に大きく寄与いたしました。
マーケットプレイスの流通額の大幅伸長に伴う手数料収入や「LOHACO」サイト内広告収入も増加しており、次期以降の収益改善に向けた取組みも着実に進んでおります。
サービス面においては、当社独自の受取りサービスである「Happy On Time」に「置き場所指定配送」「ダンボール回収」などの機能を追加導入し、お客様から高い評価をいただいております。
以上の結果、両事業を合計したeコマース事業の売上高は3,533億16百万円(前期比6.8%増)となりました。差引売上総利益は、オフィス生活用品やMRO商材等の増収等により、838億16百万円(前期比9.6%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、出荷能力を補完するために一部物流センターで実施した24時間稼働等による業務委託費の増加や、地代家賃等の固定費の増加に加え、物流センター内で働くロボットの生産性を一層高めるための研究施設を設けるなどの先行投資も併せて行い、前期比19.3%増加の800億19百万円となりました。売上高販管費比率については、固定費等の増加により前期比2.3ポイント増加の22.6%となりました。
これらの結果、当連結会計年度のeコマース事業における営業利益は37億97百万円(前期比59.5%減)となりました。
<ロジスティクス事業>
子会社である株式会社エコ配の売上高が増加しました。株式会社エコ配は営業損失を計上しておりますが、収益性は改善傾向にあり、引き続き、利益改善のため全力を挙げて配送事業の構造改革に取り組んでまいります。
また、当連結会計年度において株式会社エコ配は株式会社ecoプロパティーズを新規設立し、連結子会社としております。株式会社ecoプロパティーズは不動産のアセットマネジメント事業、不動産コンサルティング等を主力事業とする会社であり、当連結会計年度においては、「ALP首都圏」、「ALP福岡」売却に関する不動産取引の仲介に係る売上高を計上したことで、ロジスティクス事業の営業利益の黒字化に大きく貢献いたしました。
この結果、当連結会計年度の売上高は70億40百万円(前期比59.9%増)、営業利益は9億97百万円(前期は営業損失4億69百万円)となっております。
<その他>
子会社である嬬恋銘水株式会社の売上高が増加しました。前期に製造ラインを増設し販売も好調に推移したことにより売上高は順調に拡大しております。また販路の拡大による製品の増産と稼働率上昇による生産性向上により黒字を確保することが出来ました。
当連結会計年度の売上高は10億13百万円(前期比30.9%増)、営業利益は22百万円(前期は営業損失43百万円)となっております。
当連結会計年度において、前述の通り、「ALP首都圏」および「ALP福岡」の土地、建物等を譲渡いたしました。この取引発生時の財政状態に与える影響は以下の通りであります。
資産の部では、現金及び預金が206億円増加、有形固定資産が197億26百万円減少、繰延税金資産が21億12百万円減少いたしました。負債の部では、火災損失引当金が68億46百万円減少いたしました。
その他の財政状態の増減は以下の通りであります。
(資産の部)
当連結会計年度末における総資産は1,737億13百万円となり、前連結会計年度末と比べ180億35百万円増加いたしました。主な増加要因は、「AVC関西」および「AVC日高」等に係る設備投資等による支出があったものの、前述の「ALP首都圏」等の売却および「AVC関西」の設備に係るセール・アンド・リースバック取引による収入があり現金及び預金が151億27百万円、受取手形及び売掛金が21億35百万円、商品及び製品が29億11百万円、「LOHACO」の売上高の増加等で未収入金が26億66百万円増加したことであります。主な減少要因は、「AVC関西」のリース資産等の取得による増加に対し、「ALP首都圏」等の建物及び構築物、土地等の減少により、有形固定資産が54億24百万円減少したことであります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債は1,243億69百万円となり、前連結会計年度末と比べ149億22百万円増加いたしました。主な増加要因は、支払手形及び買掛金が37億36百万円、電子記録債務が32億56百万円、未払金が33億61百万円、リース債務が102億33百万円増加したことであります。主な減少要因は、「ALP首都圏」の譲渡等に伴い、火災損失引当金が79億60百万円減少したことであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産は493億44百万円となり、前連結会計年度末と比べ31億12百万円増加いたしました。主な増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上46億93百万円に対し、配当金の支払18億32百万円等により、利益剰余金が28億24百万円増加したことであります。
以上の結果、自己資本比率は28.3%(前連結会計年度末は29.6%)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は621億77百万円となり、前連結会計年度末に比べ151億17百万円増加いたしました。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、101億50百万円(前期比60億76百万円減)となりました。これは税金等調整前当期純利益84億9百万円、減損損失11億96百万円、固定資産の減価償却費とソフトウエア償却費およびのれん償却額の合計59億51百万円、仕入債務の増加61億96百万円、未払金の増加25億64百万円等の増加要因に対し、火災損失引当金戻入額68億46百万円、売上債権の増加8億48百万円、たな卸資産の増加17億25百万円、未収入金の増加25億93百万円、火災による支払額11億13百万円、法人税等の支払額30億90百万円等の減少要因があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、15億88百万円(前期比36億29百万円減)となりました。これは、「ALP首都圏」等に係る有形固定資産の売却による収入206億6百万円の増加要因に対し、主に「AVC関西」等に係る有形固定資産の取得による支出169億89百万円、ソフトウエアの取得による支出28億49百万円、差入保証金の差入による支出21億22百万円の減少要因があったこと等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、65億53百万円(前期比6億88百万円減)となりました。これは、「AVC関西」の設備に係るセール・アンド・リースバックによる収入106億92百万円、長期借入れによる収入17億円の増加要因に対し、長期借入金の返済による支出27億83百万円、リース債務の返済による支出9億66百万円、配当金の支払18億32百万円等の減少要因があったことによります。
③ 生産、仕入および販売の状況
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
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その他 (注)1 |
682 |
+23.1 |
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合計 |
682 |
+23.1 |
(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、水の製造を行っております。
2 金額は、製造原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
仕入高(百万円) |
前年同期比(%) |
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eコマース事業 |
272,332 |
+7.4 |
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合計 |
272,332 |
+7.4 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、仕入価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 ロジスティクス事業につきましては、物流・小口貨物輸送サービスの提供が主要な事業であるため、記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
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eコマース事業 |
353,316 |
+6.8 |
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ロジスティクス事業 |
6,422 |
+45.9 |
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その他 |
706 |
+26.4 |
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合計 |
360,445 |
+7.3 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
a. 経営成績等
「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
b. キャッシュ・フローの分析
「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすと思われる事項については、次の事項が挙げられます。
a.競争環境
当社グループが属するeコマース市場は引き続き成長が見込まれているものの、BtoC事業については、小売業と通販大手の提携の動きが加速する等、競争が激化しております。当社グループといたしましては、当社オリジナル商品の拡充等や取扱商品も順次拡大することで他社との差別化を図ってまいります。
b. 配送ドライバー不足等に起因する配送運賃の増加等
配送ドライバー不足等に起因する配送運賃の上昇傾向や国内物流業者による取扱い総量規制等は、eコマース事業者にとって重要な経営課題となっております。当社グループといたしましては、グループの配送会社を最大限活用し、配送ドライバーの増員や自社グループ配送網の拡大を図ってまいります。
当社グループの資金需要の主なものは、物流センターの新設やWEBサイトの刷新等の設備投資資金、BtoC事業の成長を加速させるためのシナジー効果のある事業者の買収資金等があります。
設備投資資金や買収資金等の資金については、金利コスト等を勘案しながら、自己資金または金融機関からの借入金、リース契約等により調達しております。
当社グループは、当社グループのさらなる成長のために、eコマースのBtoC事業を、BtoB事業と並ぶ収益の柱となる事業に成長させることを目指しております。そのため、中期経営戦略の目標指標として、BtoC事業に係る流通総額1,000億円を目標に掲げております。
当連結会計年度におけるBtoC事業に係る流通総額は、514億85百万円となっております。
引き続き、効果的なマーケティング施策の実行により、新たなお客様の獲得とご利用頻度を高めることに注力し、流通総額目標の達成と収益性の改善に努めてまいります。
(株式取得による会社等の買収)
当社は、平成29年5月23日付けで株式会社チャームの株式に係る株式譲渡契約を締結し、平成29年7月3日をもって株式会社チャームの全株式を取得し子会社といたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
(事業譲受)
平成29年11月1日をもって、当社の連結子会社である株式会社ecoプロパティーズは、アール・アイ・シー・マネジメント株式会社より同社の一部の事業を譲り受けております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
(固定資産の譲渡)
当社は、平成29年11月8日の取締役会において、下記の固定資産を東急不動産株式会社(以下、「東急不動産」)が出資する特定目的会社(以下、「SPC」)2社に譲渡することを決議し、平成29年11月20日に実行いたしました。
(1)譲渡の理由
東急不動産より、下記のALP首都圏とALP福岡について、SPCを設立した上で現状有姿で買い取り、火災により大きな損傷を受けたALP首都圏については全棟解体・新築した上で、両物流センターを当社が賃借する旨の提案を受けました。
当社としては取締役会で検討の上、
① 火災により大きな損傷を受けたALP首都圏を修繕した場合、将来の瑕疵のリスクを否定できず、今回の提案はそれを払拭できること。
② ALP首都圏を新築することによって、最新の防災設備の導入等を推進し、より安心安全な物流センターの構築ができること。
③ 今回の火災を契機に「持たざる経営」へ回帰するとともに、当該2物件を含む物流施設のアセットマネジメント事業を営む株式会社ecoプロパティーズを連結子会社として新設することで、ロジスティクス事業の黒字化および将来にわたって収益拡大が図られること。
以上の3つのメリットを認識し、東急不動産と協業し、安心安全で地域に貢献できる物流センターを共に構築、運営していくことを決定いたしました。
(2)譲渡資産の内容、譲渡先の概要および損益への影響
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資産の名称および所在地 |
譲渡価額 (百万円) |
帳簿価額 (百万円) |
損益への影響 (百万円) |
譲渡先 |
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名称:ASKUL Logi PARK 首都圏 所在地:埼玉県入間郡三芳町 土地 敷地面積 約55,062㎡ 建物 延床面積 約72,126㎡ |
9,800 |
13,481 |
固定資産売却損 および |
三芳町プロパティーズ特定目的会社 |
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名称:ASKUL Logi PARK 福岡 所在地:福岡県福岡市東区 みなと香椎二丁目2番1 土地 敷地面積 約24,905㎡ 建物 延床面積 約54,842㎡ |
10,600 |
6,133 |
固定資産売却益4,466 |
香椎浜プロパティーズ特定目的会社 |
なお、譲渡先と当社との間には、資本関係、人的関係、取引関係、関連当事者として特筆すべき事項はありません。
特記すべき事項はありません。