第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 ① 経営成績の状況

当中間連結会計期間(2024年5月21日から2024年11月20日まで)におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で一部に足踏みが残るものの、インバウンド需要の増加等もあり、緩やかな回復が続くことが期待されております。一方、不安定な国際情勢を背景とした原材料価格・エネルギー価格の高騰や急激な為替変動および世界的な金融引締めによる景気への影響が懸念される等、依然として先行き不透明な状況が続いております。

このような状況の中、当社グループは、当連結会計年度が中期経営計画(2022年5月期~2025年5月期)の最終年度にあたり、売上高は5,000億円(対前期比6.0%増)、営業利益は、増収と売上総利益率・変動費比率の改善により固定費の増加を吸収することで180億円(対前期比6.2%増)を計画しており、売上高、営業利益ともに過去最高額の更新を目指しております。

当中間連結会計期間の当社グループの業績は、売上高2,379億32百万円(前年同期比2.9%増)、営業利益60億28百万円(前年同期比16.8%減)、経常利益59億20百万円(前年同期比16.7%減)、親会社株主に帰属する中間純利益37億39百万円(前年同期比19.4%減)となりました。

 

セグメント別の経営成績につきましては、以下のとおりです。

<eコマース事業>

(単位:百万円)

 

前中間

連結会計期間

当中間

連結会計期間

増減額

増減率

売上高

226,673

233,569

+6,895

+3.0%

 ASKUL事業

174,340

178,294

+3,953

+2.3%

 LOHACO事業

17,486

18,108

+621

+3.6%

 グループ会社・内部取引消去

34,846

37,166

+2,320

+6.7%

営業利益

7,339

6,064

△1,274

△17.4%

 

(注)eコマース事業については、従来「BtoB事業」「BtoC事業」の区分にて売上高の開示をしておりましたが、より経営実態に即した開示への見直しを行い、当中間連結会計期間より「ASKUL事業」「LOHACO事業」「グループ会社・内部取引消去」の区分に変更しております。「ASKUL事業」はBtoB事業、「LOHACO事業」はBtoC事業、「グループ会社・内部取引消去」は、BtoB事業とBtoC事業の両事業になります。

 

当中間連結会計期間のeコマース事業については、売上高は、2,335億69百万円(前年同期比3.0%増)といずれの事業も堅調に伸長しましたが、為替影響等による売上総利益率の低下に加えて、2026年5月期の期初に稼働予定の「ASKUL関東DC」に係る地代家賃の固定費の増加等もあり、営業利益は60億64百万円(前年同期比17.4%減)となり、増収減益となりました。

売上高、営業利益の状況は、主に以下のとおりです。

①売上高

a. ASKUL事業

・従来型オフィス用品(オフィス家具、インクやトナー、文具など)に対する需要は伸び悩むも、生活用品、メディカルは堅調に推移し、2.3%の伸長

・仕入原価の高騰を背景とした断続的な商品値上げや配送バー(注)改定等によりお客様単価は前年同期比で増加するも、お客様数は前年同期比で減少

・中小企業向け売上高は需要回復遅れによる購買金額に伸び悩みも、中堅大企業向け売上高は堅調に推移

b. LOHACO事業

・LINEヤフー株式会社と連携した販促施策等の効果もあり、3.6%伸長

c. グループ会社・内部取引消去

・株式会社アルファパーチェス、フィード株式会社の売上高が堅調に推移し、6.7%伸長

②営業利益

営業利益は、60億64百万円と前年同期比で12億74百万円減少しておりますが、主に、売上総利益率が24.4%と前年同期比で0.9ポイント低下したこと、販管費比率が21.8%と前年同期比で0.3ポイント改善しているものの固定費が増加した影響等によるものであり、内容は以下のとおりです。

・コピーペーパー等の輸入商品について、為替影響により仕入原価が増加し、売上総利益率が低下

・前期に実施した配送バー改定により、お客様のまとめ買いが継続しており、一箱あたりの売上単価が改善するとともに、売上高配送費比率が低下し、配送費を逓減

・「ASKUL関東DC」の賃借開始により、地代家賃や来期稼働に向けた準備費用(合計7億18百万円)が発生

 

<ロジスティクス事業>

ASKUL LOGIST株式会社の当社グループ外の物流業務受託の売上高は減収となりましたが、サービス価格の見直しや生産性の向上等により採算性は改善し、減収増益となりました。

この結果、当中間連結会計期間の売上高は39億93百万円(前年同期比4.5%減)、営業損失は82百万円(前年同期は営業損失1億22百万円)となっております。

 

<その他>

嬬恋銘水株式会社での飲料水の販売が新商品を含め堅調に推移しました。営業利益は生産性の一層の向上により大幅な増益となりました。

この結果、当中間連結会計期間の売上高は11億92百万円(前年同期比17.2%増)、営業利益は1億45百万円(前年同期比120.7%増)となっております。

 

 (注)  基本配送料を当社が負担する注文金額基準。

 

 

②財政状態の状況

(資産の部)

当中間連結会計期間末における総資産は2,268億25百万円となり、前連結会計年度末と比べ162億36百万円減少いたしました。これは主に、ソフトウエア仮勘定が15億76百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が12億32百万円増加した一方、未収入金が「ALP首都圏」火災に係る損害賠償金の入金等により123億64百万円、現金及び預金が損害賠償金の入金に対し、法人税等および自己株式取得に係る支払い等により53億90百万円、ソフトウエアが11億7百万円減少したことによるものであります。

  (負債の部)

当中間連結会計期間末における負債は1,471億86百万円となり、前連結会計年度末と比べ145億38百万円減少いたしました。これは主に、未払法人税等が53億72百万円、電子記録債務が29億74百万円、未払金が27億36百万円、未払消費税等が17億48百万円、長期借入金(1年内返済予定を含む)が13億99百万円減少したことによるものであります。

(純資産の部)

当中間連結会計期間末における純資産は796億38百万円となり、前連結会計年度末と比べ16億97百万円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純利益37億39百万円の計上に対し、自己株式の消却により40億96百万円、配当金の支払いが17億41百万円あったことにより、利益剰余金が20億99百万円減少したことによるものであります。

以上の結果、自己資本比率は33.7%(前連結会計年度末は32.2%)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は563億54百万円となり、前連結会計年度末に比べ53億90百万円減少いたしました。なお、当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは111億48百万円の収入(前年同期は19億50百万円の収入)となりました。これは、損害賠償金の受取額118億81百万円、税金等調整前中間純利益58億64百万円、減価償却費、ソフトウエア償却費、のれん償却額および顧客関連資産償却額の合計54億43百万円があった一方、法人税等の支払額75億3百万円、仕入債務の減少額31億80百万円、未払消費税等の減少額17億48百万円があったこと等によります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは87億12百万円の支出(前年同期は44億92百万円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出51億80百万円、ソフトウエアの取得による支出29億43百万円があったこと等によります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは78億26百万円の支出(前年同期は48億20百万円の支出)となりました。これは、自己株式の取得による支出40億17百万円、配当金の支払額17億41百万円、リース債務の返済による支出15億75百万円があったこと等によります。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。