当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「豊かで楽しい日常の暮らしを提供する」を企業活動の基本方針としております。
この方針に基づき付加価値の高いさまざまなサービスを提供し、コンプライアンスに沿った適正な企業活動によって利益を確保することで、長期的な成長を目指して取り組んでおります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
直営店舗の全国展開を中心とした事業を行っている当社グループにとりましては、店舗の営業活動の収益性が明確に表される売上高営業利益率が目標として重視されるべき経営指標であると位置付けております。また、資本の効率性の観点から重要性が高まっている自己資本利益率を併せて重視してまいります。
当社グループの中長期的目標値は売上高営業利益率5.0%、自己資本利益率8.0%であります。
(3)経営環境及び優先的に対処すべき課題
当社グループを取り巻く事業環境は、フリマアプリやインターネットオークションの普及や環境問題への関心の高まりなどにより、循環型社会形成が志向され、リユース市場はこれからも成長を期待されております。
このような環境のもと、当社グループにおきましては、「豊かで楽しい日常の暮らしを提供する」を企業理念とし、お客様の消費行動を理解し、オンライン・オフラインの境目をなくした双方で、商品・サービスを自在に選択してご利用いただける“ネットワークリテイラー”の体制を構築し、リユースとレンタルの循環型流通やリテールを通して、世界の方々に豊かで楽しい「日常」を届け続ける“グローバルプラットフォーマー” でなければならないという課題意識のもとに、以下の項目について取り組んでまいります。なお、財務上の課題は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (6) 有利子負債依存度について」に記載のとおりであります。
①リユース市場の深耕
リユース市場の拡大の中、持続的成長のためお客様との直接接点となる多店舗展開を加速させるとともに買取サービスの拡充といった利便性の向上を図り、リユース市場におけるポジションを高めてまいります。
地域特性に合わせた新業態などの店舗開発や海外出店を含めた販売網の構築を行い、仕入れの強化として買取専門店・出張買取や買取ロッカーの設置によりお客様にリユース商品を身近に感じて頂ける環境づくりを展開してまいります。
②収益基盤の再構築と拡充
「買う」「借りる」「売る」「場の提供」というグループの各事業が持つ機能に多種多様な商材を掛け合わせることにより、新規フォーマットを提案してまいります。
映像・音楽ソフトのレンタル市場縮小傾向が続く中、全国1,000店舗以上のGEOの店舗網を活かし、メディア商材の市場占有率を高め利益最大化を図る一方で、リテール商材の開発・規模拡大やリユース通信機器の販売を強化し収益性の高い商材販売を促進することにより、収益基盤の再構築に取り組んでまいります。
また、オフプライスストア業態やデジタルコンテンツ事業を始めとした「リユース」に捉われない事業活動をお客様のニーズに即して推進し、多角化による事業拡大を行ってまいります。
全国に1,000店舗以上を有するゲオショップの店舗網を活かし、実店舗だからこそ体験できる価値の提供を行うことで店舗の魅力向上を図ってまいります。
寡占市場においても店舗網を展開することで顧客接点を重視したプロモーション活動等により商材の市場占有率を高め、メディア商材の最大利益化に努めます。
オフプライスストア業態やラグジュアリー商材の取組み以外にも、新たなる店舗・業態の開発を行い、お客様のニーズに即した商材を提供するために、グループの有する店舗網を活かしたマーケティング活動と商材の育成・獲得を図ります。
また新たな柱となる事業領域の獲得については、M&A手法等も有効な手段の1つとして積極的に模索してまいります。
③ITの積極活用とオンラインの強化
スマートフォン使用等オンラインでの情報認知と検索行動がますます一般化する中で、商品情報の検索性を高めることや決済方法の多様化対応により、ECサイトと店舗との併売等お客様への利便性を高め、よりシームレスな購買環境整備を物流体制及びIT・電子商取引対応への投資を行うことにより推進強化してまいります。
④グローバルマネジメントの構築
リユース企業の世界的リーディングカンパニーを目指す上で、これまで以上にグローバル情報の把握と、迅速でフレキシブルな経営判断を行い、海外企業に対する競争力を高めるマネジメント体制を構築してまいります。
海外共通のリユース基盤の仕組み構築を推進し、グループ分業体制、管理会計、在庫コントロールについて強化してまいります。
⑤人材の獲得と教育投資
各項目で述べてきた戦略を実現するため、人材獲得と教育投資による人材の活用を引き続き推進してまいります。
また、企業の持続的な成長・発展を実現するためには、従業員一人ひとりの個性や価値観を尊重し、その個性や能力を最大限に発揮することが必要となることから、多様な働き手を支援する環境の整備、グローバル教育・資格制度の再構築をしてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
循環型社会の実現
”モノ”を不要な場所から必要な場所へ ~事業成長によるSDGsへの貢献~
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創業以来レンタルやゲームの買取・販売を中心に展開する「ゲオ」 捨てない生活を応援する総合リユースショップ「セカンドストリート」 豊富な中古スマホを取り扱う「ゲオモバイル」 各ブランドの余剰在庫などの新品商品をオフプライスで販売する「ラックラック」 高級腕時計やラグジュアリーブランドなどの買取・販売を展開する「OKURA」 |
当社グループは様々な循環型事業を通して、廃棄物の発生を抑制し、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」に貢献します。
①ガバナンス
当社グループでは、サステナビリティに関する課題への対応・計画・実行において、社長室にて担当執行役員を推進責任者とするサステナビリティ情報開示プロジェクトチームを編成し、サステナビリティ情報をとりまとめています。
サステナビリティ戦略の進捗管理、気候変動に対するリスク管理、また成長機会の獲得について、プロジェクトチームで取りまとめた結果を統括者である代表取締役に上程し、必要時に開催される取締役会にて議論・監督しています。
取締役会においては、経営計画の策定、当社の業務執行に関する重要事項の審議・決定、並びにグループ会社の重要案件の監督を行っています。また、当社は執行役員制度を採用しており、経営戦略機能と業務執行機能の分担を明確にするとともに、迅速な意思決定及び業務執行の充実を期しています。取締役会の役割、及びその他の関連する方針については「
また、当社グループはサステナビリティに関する取り組みを含めたコーポレート・ガバナンスの強化をグループの最重要課題の一つと考え、経営内容の透明性の向上、法令遵守の徹底を図ることにより、現行の取締役・監査等委員体制を更に強化するとともに、サステナビリティ委員会を設置し、各目標設定の進捗を管理していきます。
②リスク管理
当社グループでは、サステナビリティ関連のリスクを物理的リスク(急性、慢性)、移行リスク(政策・法規制、市場)、機会(製品・サービス、市場)に分類し、それらの発現時期と影響度の大小について分析しています。サステナビリティ関連のリスクの特定・評価はサステナビリティ情報開示プロジェクトチームによって、各事業部のデータ収集及び、担当者へのヒアリングを実施することにより把握・評価し、特定したリスクを担当執行役員が責任者として取りまとめた上で、統括者である代表取締役へ共有することにより管理対応を実施しています。当社グループは気候変動を含めた各種リスクに備えるためリスク管理規程を制定するとともに、代表取締役を委員長とするリスク管理委員会を設置することでリスクを把握・評価し、各事業責任者である執行役員等との協議の上、取締役会にて議論・監督することにより対策を決定しています。
また、おお蔵グループ(株式会社おお蔵ホールディングス、株式会社OKURA)、viviONグループ(株式会社viviON、株式会社エイシス、株式会社トライシス、株式会社forcs)においてはボトムアップ型の報告体制、その他事業会社においてはトップダウン型のリスク管理体制を構築し、サステナビリティ関連のリスクを管理しています。
(1)マテリアリティ
①ゲオグループの最重要課題
当社グループでは、「”モノ”を不要な場所から必要な場所へ」をテーマに、さまざまな循環型事業を通して、持続可能な社会の実現に取り組んでいます。
社会課題や取り巻く環境が変化し続けるなかで、長期的な価値創造や持続的な成長につなげるため、当社グループでは17のESG課題を抽出し、その中からさらに6つの最重要課題を特定しました。
<6つの最重要課題> (E:環境 S:社会 G:ガバナンス)
E: 循環型社会の実現・促進
E: 気候変動対応及び資源節約・廃棄物削減
S: ダイバーシティ&インクルージョンの推進
S: スペシャリストの育成とタレントマネジメントの推進
G: コーポレート・ガバナンスの強化
G: 公正な取引の推進とビジネス倫理に関する文化の醸成
当社グループは、これらの最重要課題を中心に積極的かつ継続的に取り組むことにより、持続可能な社会への貢献と中長期的な企業価値向上を目指していきます。
②マテリアリティ特定のプロセス
STEP1. 課題の抽出
課題の特定にあたり、ESG評価機関の評価項目(MSCI、FTSE、SASB、GRIなど)におけるグローバルスタンダードより、候補となる課題、そして他社の取り組みについて幅広く調査・検証を行い、経営層や当社グループの主要部門の意見も踏まえて課題候補を抽出しました。
STEP2. 課題の優先順位付け
抽出した課題候補をサステナビリティ情報開示プロジェクトチーム及び主要部門の責任者、経営層が審議し、「ステークホルダーにとっての重要性」と「ゲオグループにとっての重要性」の観点から分析し、優先度を評価しました。その結果、17のESG課題を特定し、マテリアリティマップを作成しました。
STEP3. マテリアリティの特定
特定した17のESG課題とマテリアリティマップは、取締役会にて審議・承認され、当社グループのマテリアリティとして特定されました。
■ マテリアリティマップ
(2)人的資本
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当社グループは、日々の仕事を通じて豊かさや楽しさを感じられるとともに、多様な人々の多様な価値観を認め合い、従業員一人ひとりの人生に寄り添える会社であることを目指しています。従業員一人ひとりがライフイベントとキャリア形成を両立でき、柔軟な働き方を選択できるよう、今後も人材育成や社内環境整備を進めていきます。 |
①戦略
当社グループは、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針において、当社グループで働く一人ひとりが、日々の仕事を通じて豊かさや楽しさを感じられ、多様な人々の多様な価値観を認め合い、従業員一人ひとりの人生に寄り添える会社であることを目指しています。一例として、同性パートナーが婚姻関係にある夫婦と同じように、慶弔休暇や慶弔見舞金などの会社の福利厚生を受けることができる「同性パートナーシップ制度」を導入しています。
女性社員のキャリア支援にも積極的に取り組んでおり、女性が出産、育児などのライフイベントと、キャリア形成を両立でき、一人ひとりが柔軟な働き方を選択できるような仕組みを整えています。
従業員のエンゲージメントやさらなる生産性の向上に資するよう、人材投資を中心に積極的に取り組むことで、従業員への持続的な還元を目指しています。具体的には、従業員向けキャリアサイトを立上げ、自己理解、会社理解、制度理解、を促すとともに、キャリア相談室を設けて従業員のキャリア形成を支援しています。
また、自身のキャリア希望を申告できる「自己申告制度」、不定期ながら社内に募集をかけて社員が自らの意思で応募する「社内公募制度」を設け、従業員が自主的にキャリアを形成する機会提供に努めています。その上で、配置転換を通じて会社と個人の成長を促進し、従業員のステージに応じた研修・教育の実施や従業員が働きやすい職場環境づくりによってワークライフバランスの充実を図ることで、従業員一人ひとりが心身ともに健康で、長く働くことができる環境づくりに取り組んでいます。加えて、健康経営を推進しストレスチェックの実施や時間外労働時間の抑制を行っています。
②指標及び目標
当社グループは、上記「①戦略」において記載した人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関する指標として、海外法人を除いた主要連結会社を含むグループ事業を対象とし、次の指標と目標を用いて実績を算出しています。その他の取り組みとしてLGBTQへの理解・支援の促進に関しても、現在具体的な目標の作成について検討を進めています。
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指標 |
定義 |
目標達成予定時期 目標数値 |
実績 (2024年3月31日時点) |
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ゼネラルマネジャー(部長級)、マネジャー(課長級)における女性労働者の比率 |
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総従業員における女性従業員の比率 |
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総従業員における障がい者従業員の比率 |
法定雇用率達成
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当該年度中に配偶者が出産した男性労働者における、新規育休取得者の比率 |
達成済 以後継続
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当該年度中に出産した労働者における新規育休取得者の比率 |
達成済 以後継続
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当該年度の定期健康診断対象者数における受診完了数の比率 |
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当該年度のストレスチェック対象者数における受検完了数の比率 |
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総従業員における当該年度の1ヶ月あたり平均の時間外労働時間 |
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(3)気候変動(TCFD提言に基づく情報開示)
当社グループでは、気候変動問題を事業に影響をもたらす重要課題のひとつと捉え、グループ全体で気候変動対策に積極的に取り組んでいます。TCFD提言は、全ての企業に対し、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの項目に基づいて開示することを推奨しています。当社グループは、TCFD提言の4つの開示項目に沿って、気候関連情報を開示します。
①ガバナンス
当社グループでは、サステナビリティに関する課題への対応・計画・実行において、社長室にて担当執行役員を推進責任者とするサステナビリティ情報開示プロジェクトチームを編成し、サステナビリティ情報をとりまとめています。
サステナビリティ戦略の進捗管理、気候変動に対するリスク管理、また成長機会の獲得について、プロジェクトチームで取りまとめた結果を統括者である代表取締役に上程し、必要時に開催される取締役会にて議論・監督しています。
取締役会においては、経営計画の策定、当社の業務執行に関する重要事項の審議・決定、並びにグループ会社の重要案件の監督を行っています。また、当社は執行役員制度を採用しており、経営戦略機能と業務執行機能の分担を明確にするとともに、迅速な意思決定及び業務執行の充実を期しています。取締役会の役割、及びその他の関連する方針については「
また、当社グループはサステナビリティに関する取り組みを含めたコーポレート・ガバナンスの強化をグループの最重要課題の一つと考え、経営内容の透明性の向上、法令遵守の徹底を図ることにより、現行の取締役・監査等委員体制を更に強化するとともに、サステナビリティ委員会を設置し、各目標設定の進捗を管理していきます。
②戦略
当社グループの財務に影響を及ぼす気候変動関連リスク・機会の特定にあたり、IEAやIPCC等のデータを基に、1.5℃(脱炭素化が進展するシナリオ)と4℃(温暖化が進行するシナリオ)の2つのシナリオ分析を実施しました。
シナリオの定義
対象期間 :2030年を中心とした世界を想定
対象範囲 :当社グループ主要事業会社
(株)ゲオホールディングス、(株)ゲオ、(株)ゲオストア、(株)セカンドストリート、
(株)ゲオクリア、(株)おお蔵ホールディングス、(株)OKURA
参照シナリオ:1.5℃においてはIEA NZE、IPCC RCP1.9等、
4℃においてはIEA STEPS、IPCC RCP8.5等
シナリオの世界観
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[1.5℃](脱炭素化が進展したシナリオ) ・豪雨や洪水等の発生頻度は増加するが、4℃シナリオより抑制的 ・脱炭素社会の実現に向けたカーボンプライシングが推進され、炭素価格が大幅に上昇 ・GHG排出、省エネ化に関する規制が世界的に強化され、移行に伴う対策コストが増加 ・環境意識の高まりを受け、サーキュラーエコノミーが拡大 ・気候変動対策への関心度の高まりにより、ESG関連への投資や資金調達の機会が大幅に増加 |
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[4℃](温暖化が進行したシナリオ) ・豪雨や洪水等の発生頻度や降水量が大幅に増加し、激甚災害対応のコストが増加 ・カーボンプライシングの推進は1.5℃シナリオより抑制的だが、化石燃料由来のエネルギー単価は上昇 ・平均気温上昇による消費活動の変化から、冬物衣料や冬物家電等の売上が減少 ・平均気温上昇による消費活動の変化から、EC販売や夏物家電等の売上が増加 ・気候変動対策への関心度の高まりは、1.5℃シナリオより抑制的だが、ESG関連への投資や資金調達の機会は増加 |
シナリオ分析の結果、特定したリスク・機会に対する認識と今後の対応策は下記のとおりです。
1.5℃シナリオにおいて、環境意識の高まりを受けたサーキュラーエコノミーの拡大と、リユース品の普及と買いやすさによる顧客の増加が見込まれる一方で、脱炭素化への移行に伴い再エネ由来の電力比重が増加することでエネルギー単価の上昇が見込まれ、店舗型ビジネスに伴う各店舗の光熱費の増加が当社グループの財務に大きな影響を与える可能性があると分析しました。4℃シナリオにおいても1.5℃シナリオと比較して抑制的ではあるもののエネルギー単価の上昇は発生し、当社グループの財務状況に対して大きなインパクトを持つと認識しています。
これらの光熱費増加リスクに対し、当社グループはLED照明、断熱窓、効率の良い空調機器等の省エネ設備の導入、及び空調設備温度の見直し、電源の切り替えなど、設備の導入と節電意識の向上による対策を推進していきます。また1.5℃シナリオにおいて、環境への積極的な取り組みや適切な情報開示が、企業価値の向上や資金調達面
での優遇として当社グループの財務に大きな影響を与える可能性があると分析しました。当機会は4℃シナリオにおいても1.5℃シナリオと比較して抑制的ではあるものの大きな影響力を持ち、また社会的責任の観点からも重要な項目であると認識しています。
上記の考えから、当社グループはESG情報開示の枠組みに沿った企業情報の積極開示、環境問題に取り組むイニシアチブへの賛同表明、非財務情報に対する第三者機関からの保証やサステナビリティに関する認定取得等を推進していきます。
当社グループにおいて想定される気候変動関連のリスクと機会
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気候変動リスク・機会 |
発現時期 |
影響度 |
対応策 |
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1.5℃ |
4℃ |
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物理的 リスク |
急性 |
自然災害の頻発化・激甚化による店舗修繕費や在庫被害額の増加 |
長期 |
小 |
小 |
・災害時マニュアル等、防災対策の見直し・強化 ・損害保険の付保 |
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自然災害の頻発化・激甚化による店舗休業やサプライチェーンの寸断に伴う売上の減少 |
長期 |
小 |
小 |
・POSレジ停止時対応等、自社店舗へのBCP策定と定期的な改定 ・災害時マニュアル等、防災対策の見直し・強化 ・損害保険の付保 ・仕入れ元等、取引会社との連携強化 ・サプライチェーンへのBCP策定と定期的な改定 |
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慢性 |
平均気温上昇による、夏季の空調に用いるエネルギー消費量の増加 |
中期 |
小 |
小 |
・効率の良い空調機器、断熱窓など、省エネ設備の導入 ・空調設備温度の見直し等節電への意識付け |
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移行 リスク |
政策・ 法規制 |
炭素税や排出量取引制度の導入・強化による自社の店舗運営コストや、配送コストの増加 |
中期 |
中 |
小 |
・廃棄物の抑制や再資源化の推進 ・環境に配慮した活動を実践している取引先の選定 |
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電力会社の電源構成の変化によるエネルギー単価の上昇 |
中期 |
大 |
大 |
・LED照明・断熱窓・効率の良い空調機器など、省エネ設備の導入 ・こまめな電気のオン/オフなど、節電意識の強化 |
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市場 |
平均気温上昇による冬物衣料や家電等の売上減少 |
長期 |
小 |
小 |
・季節商材・売れ筋商材の分析、及び、取り扱い商材の展開数量・方法の見直し |
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機会 |
製品・ サービス |
環境意識の高まりを受けたサーキュラーエコノミーの拡大に伴う、リユース品の普及と買いやすさによる顧客の増加 |
長期 |
中 |
小 |
・当社のビジネスとサーキュラーエコノミーの親和性についての発信強化 ・リユース企業として知名度・ブランド力の向上につながる情報発信強化 ・リユース品の真贋判定・査定時のAI導入による効率化 |
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平均気温上昇による、特定商材(家具・家電・アウトドア等)及びECの売上増加 |
長期 |
小 |
小 |
・季節商材・売れ筋商材の分析、及び、取り扱い商材の展開数量・方法の見直し |
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気候変動によって資源の希少化や枯渇による、希少資源を使ったラグジュアリー商材のリユース品の売上増加 |
長期 |
小 |
小 |
・季節商材・売れ筋商材の分析、及び、取り扱い商材の展開数量・方法の見直し ・リユース品の真贋判定・査定時のAI導入による効率化 |
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市場 |
環境への積極的な取り組み、適切な情報開示による企業価値の向上や資金調達面での優遇 |
短期 |
大 |
小 |
・ESG情報開示の枠組みに沿った企業情報の積極開示 ・環境問題へ取り組むイニシアチブへの賛同表明 ・非財務情報に対する第三者機関からの保証やサステナビリティに関する認定取得 ・銀行や投資家との積極的な対話の強化 |
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(注)1.発現時期の定義:2027年までに発現するものを短期、2030年までを中期、2031年以降を長期と分類
2.影響度の算定:大・中・小の分類はIEA、IPCC等の外部資料及び当社データを用いて定量的な影響も検討しつつ、定性評価を実施
③リスク管理
当社グループでは、サステナビリティ関連のリスクを物理的リスク(急性、慢性)、移行リスク(政策・法規制、市場)、機会(製品・サービス、市場)に分類し、それらの発現時期と影響度の大小について分析しています。サステナビリティ関連のリスクの特定・評価はサステナビリティ情報開示プロジェクトチームによって、各事業部のデータ収集及び、担当者へのヒアリングを実施することにより把握・評価し、特定したリスクを担当執行役員が責任者として取りまとめた上で、統括者である代表取締役へ共有することにより管理対応を実施しています。当社グループは気候変動を含めた各種リスクに備えるためリスク管理規程を制定するとともに、代表取締役を委員長とするリスク管理委員会を設置することでリスクを把握・評価し、各事業責任者である執行役員等との協議の上、取締役会にて議論・監督することにより対策を決定しています。
また、おお蔵グループ(株式会社おお蔵ホールディングス、株式会社OKURA)、viviONグループ(株式会社viviON、株式会社エイシス、株式会社トライシス、株式会社forcs)においてはボトムアップ型の報告体制、その他事業会社においてはトップダウン型のリスク管理体制を構築し、サステナビリティ関連のリスクを管理しています。
④指標と目標
当社グループでは、環境問題への取り組みの一環として、GHGプロトコルに基づいたGHG排出量の数値実績を集計し、開示しています。今後、カーボンニュートラル社会への移行を念頭に置き、当社グループのGHG排出量の推移を踏まえながら、適切な排出量削減目標の設定を検討していきます。GHG排出量の数値実績については、コーポレートサイト下記リンクにて適宜更新を行い開示しています。
(4)環境
環境への取り組み
当社グループでは事業活動により様々なモノの循環を生みだすことで、CO2の削減だけでなく、エネルギーの効率化や海外事業、地域活動の分野においても持続可能な社会を実現するための取り組みを実施しています。
未来へ繋がる事業の実現を目指し、気候変動をはじめとする環境問題へ取り組んでいきます。
エネルギー効率化
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当社グループは店舗での消費エネルギーの削減を進め、脱炭素社会の実現に向けて取り組みを加速しています。 |
LED照明などの設置
当社グループの計約1,600店舗にLED照明設置を完了。また、効率の良い空調機器などを一部店舗へ導入することにより店舗の節電によるCO2削減に努めています。
店頭でのペーパーレス化を促進
各店舗のレジにタブレット端末を導入し、買取伝票などのペーパーレス化に取り組んでいます。エネルギーの効率化と業務効率化につなげています。
海外での取り組み
当社グループはアメリカ、マレーシア、台湾、タイに「セカンドストリート」を出店しています。
アメリカ、台湾、タイでは、現地で買い取りをしたリユースの衣料品を販売することで、資源の有効活用を進めています。特にアメリカはリユース文化が根付いている国であり、リユース品に新しい価値を生み出すことで、循環型社会に貢献します。マレーシアでは、日本で再販しきれない中古衣料を店頭で販売するほか、現地の事業者に卸売りしています。当社グループは、海外事業を成長戦略の柱と位置付けています。
リユース事業によるGHG削減量
不要になった物や売れ残った物に新しい価値をつけて次の人へ繋ぐリユースやオフプライスなどの事業を通じ、年間5万トン以上のGHG削減効果を生み出しています。また、年間約9,400万個の商品を循環させる事で、廃棄物の削減に貢献しています。(2023年度実績)
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※国立研究開発法人 産業技術総合研究所提供のデータ(IDEA)に基づき、当社グループ購買データより算出
(5)社会
社会への取り組み
当社グループは多様な価値観を尊重し、従業員一人ひとりの個性が最大限発揮される環境づくりを推進するとともに、日々の仕事を通じて豊かさや楽しさを感じられる会社であるよう、多様な働き方へのサポート制度を導入しています。
また、企業と社会の繋がりを重視し、地域活動への協賛や社会貢献活動へ取り組むことによって、社会とともに成長する企業として貢献を続けていきます。
ダイバーシティの推進
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当社グループでは働く一人ひとりが、日々の仕事を通じて豊かさや楽しさを感じられる会社であること、「こうあるべき」とカタチを決めてかからず、多様な人々の多様な価値観を認め合い、従業員一人ひとりの人生に寄り添える会社であることを目指しています。 |
女性従業員の活躍
女性が出産、育児などのライフイベントと、キャリア形成を両立でき、一人ひとりが柔軟な働き方を選択できるような仕組みを整えています。2023年度の育児休業取得率は103.0%です。
当社グループでは、女性の活躍や社員全員が働きやすい環境を目指し、行動計画を策定しています。
女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画及び、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画については、コーポレートサイト下記リンクにて適宜更新を行い開示しています。
LGBTQ
同性パートナーシップ制度を導入しています。
同性パートナーシップに登録することで、婚姻関係にある夫婦と同じように「パートナー」として、慶弔休暇や慶弔見舞金などの会社の福利厚生を受けることができます。
障がい者雇用
当社グループの障がい者雇用率は2.54%(2024年3月時点)と、2024年4月以降における日本の法定雇用率(2.5%)を超えています。
2010年から障がい者の雇用促進を目的にした子会社「ゲオビジネスサポート」を設立し、従業員は店舗及び各グループ事務所の清掃業務などを行っています。2020年1月には、障がい者雇用優良企業として「愛知県知事表彰」を受けました。
身だしなみ基準の改定
従業員ひとりひとりが多様性を理解し合える環境にするため、身だしなみ基準の改定で性別表記の廃止やルールの統一を行いました。今後も従業員が人種、年齢、性別などにとらわれず、自分らしく働ける環境づくりを目指します。
ゲオグループの健康経営
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当社グループは、お客様に「豊かで楽しい日常の暮らしを提供する」ために、従業員が心身ともに健康であることが重要であると考えています。 この考えのもと、従業員の健康から始まる好循環を起こすために健康保持・増進のための取り組みを進めていきます。 |
①健康経営宣言の制定
当社グループは、従業員の健康増進のため、2022年に「健康経営宣言」を制定しました。
②健康経営の目的
当社グループは、お客様に「豊かで楽しい日常の暮らしを提供する」ために、従業員が心身ともに健康であることが重要であると考えています。従業員の健康から始まる好循環を起こすために健康保持・増進のための取り組みを進めていきます。
健康経営による経営課題の解決
健康経営によって組織の活性化と従業員の生産性向上につなげ、当社グループの持続的な成長という経営課題の解決に寄与することを目指します。従業員一人ひとりが心身ともに健康で、長く働き続けたいと感じ、働く意欲に満ちた存在であることを目指し、働きやすい職場環境づくりや、ワークライフバランスの充実・心身の健康確保に取り組んでいます。
期待する効果と健康経営全体の目標指標
心身ともに健康で長く働けることにより、従業員本人のみならず、その家族や友人などにも安定して健康的な生活や豊かな人生を創り出します。その実感によって、従業員が会社や経営陣への信頼を築いていくことにつながり、自身の能力やスキルを十分に発揮できる効果を期待します。
また、プレゼンティーイズムやストレスの低減による個々人のパフォーマンス最大限化と生産性向上を、世界中のお客さまへの満足度の高いサービス提供へつなげることで、当社グループの持続的な成長に貢献します。将来的な定年延長を想定し、生涯にわたって充実した仕事と私生活の両立を実現できる企業への変革を目指します。
③推進体制
代表取締役の下、人事総務部、健康保健組合、広報、労働組合、健康相談室(産業医・保健師)が連携を図りながら、健康維持・増進に取り組んでいます。
④健康経営の指標
健康づくりの促進や環境づくりを通じて、従業員一人ひとりがパフォーマンスを最大限発揮できるよう、取り組みを進めています。
実績・目標
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指標 |
21年度実績 |
22年度実績 |
23年度実績 |
24年度目標 |
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定期健康診断受診率 |
96.1% |
97.4% |
99.1% |
100% |
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ストレスチェック受検率 |
99.2% |
100% |
94.9% |
100% |
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時間外労働時間(平均) |
11.9時間 |
12.2時間 |
13.5時間 |
10時間以内 |
⑤健康経営の具体的な取り組み
[健診結果管理システムと健康診断事後措置体制の強化]
健康診断事後措置体制
定期健康診断の開始時期を早期化することで、予約・受診速度をスピードアップさせ、健診結果で緊急異常値があった従業員に対して、特に迅速な医療機関への受診勧奨を実施しています。
また、いつでもシステム上から自身の健診結果を暦年で確認することができ、経年による変化を可視化し自身の結果を振り返れるようにしています。
2次検査の費用補助
2次検査(再検査、精密検査)の費用補助を行うことで、疾患の早期発見・早期治療を促しています。これにより、アブセンティーイズム、プレゼンティーイズムの解消を目指します。
[メンタルヘルス対策]
全社員へストレスチェックを実施
50人以上の事業場だけでなく、全社員にストレスチェックを行い高ストレス者比率を含めたストレスチェック結果の集団的分析を実施しています。加えて、メンタルヘルス改善意識調査票(MIRROR)の実施による職場改善を行っています。改善行動に繋げられるよう各部門の責任者へ、集団としての傾向や従業員の抱えるストレス因子などの情報をフィードバックしています。
セルフケア研修、ラインケア研修
入社時研修にてセルフケア研修を実施し早期相談につながる知識の普及と同時に、管理職における相談対応について正しい知識と技術を身に付けるため、対象者にラインケア研修を実施しています。全国どこからでも同時に受講できるよう、オンライン形式にも対応しています。
不調者フォロー(面談・休復職)
人事担当者による相談や産業医・保健師との面談をはじめ、社員の心とからだのケアを適切に行える環境作りを行っています。
リワークプログラム
休職した社員が安心して復職できるよう、外部機関と提携し復職支援プログラムを用意しています。復職支援プログラムでは、心構えや復職までのロードマップ、復帰条件などを明確に示すことで、休職者が安心して、復帰に向けた準備をできる環境を整えています。
[労働時間の適正化]
勤務間インターバル制度
疲労感やストレスを軽減するための休息時間を十分に確保できるよう、勤務間インターバル制度を導入しています。
過重労働チェック
週次で勤怠情報を確認し、長時間労働となりそうな人の上長に向け、是正指導を行っています。
[ヘルスケアサイトの開設]
健康に関する情報をまとめて提供するヘルスケアサイトを社内イントラネットへ開設しています。毎月健康ニュースを掲載し、安全衛生委員会での産業医や保健師によるコメントなど、従業員にとって役立つ情報を提供しています。
⑥安全衛生・リスクマネジメント
安全衛生は優先的に取り組むべき事業運営の基礎であるとの考えのもと、活動に取り組んでいます。
(A)健康相談室
非常勤産業医6名、常勤保健師1名
定期健康診断及びストレスチェックについて事後措置を含めた適切な実施に加え、メンタルヘルス対策の一つとして、産業医とオンライン面談が可能な仕組みを整えています。
(B)安全衛生委員会
毎月、常時労働者が50人以上の店舗、事務所や流通拠点にて、安全衛生委員会を開催しています。健康診断関連の報告、起こった労災事例、感染症対策の状況などを確認しているほか、労働組合を交えて意見交換を行っています。また、テーマを決めて産業医より講話を実施し、内容を全社へ共有することでヘルスリテラシーの向上を図っています。
⑦その他の活動・取り組み
[自社従業員を超えた健康増進に関する取り組み]
人々の健康増進を促進する商品・レンタルサービスの提供
高額なものが多いヘルスケア機器を、レンタルサービス「ゲオあれこれレンタル」にて取り扱い、安価にお試しできる機会を提供しています。これから健康管理をしたい方、これからも健康を維持したい方々がお試し感覚でご利用でき、自身に合ったヘルスケア機器を見つけていただくことで、人々の健康増進に貢献しています。
パートナーシップ構築宣言
「パートナーシップ構築宣言」は、成長と分配の好循環を目指し、取引先とのパートナーシップを強化するなど、新たな共存共栄関係の構築を宣言するものです。
ゲオグループは、内閣府や中小企業庁などが推進する「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」の趣旨に賛同し、2023年3月に「パートナーシップ構築宣言」を公表しました。
取引先様と良好なパートナーシップを築き、サプライチェーン全体における付加価値の向上にむけて取り組んでいきます。
[パートナーシップ構築宣言]
当社は、サプライチェーンの取引先の皆さまや価値創造を図る事業者の皆さまとの連携・共存共栄を進めることで、新たなパートナーシップを構築するため、以下の項目に重点的に取り組むことを宣言します。
1.サプライチェーン全体の共存共栄と規模・系列等を超えた新たな連携
直接の取引先を通じてその先の取引先に働きかける(「Tier N」から「Tier N+1」へ)ことにより、サプライチェーン全体での付加価値向上に取り組むとともに、既存の取引関係や企業規模等を超えた連携により、取引先との共存共栄の構築を目指します。その際、災害時等の事業継続や働き方改革の観点から、取引先のテレワーク導入やBCP(事業継続計画)策定の助言等の支援も進めます。
・健康経営に関する取組
当社は従業員の健康増進のため、2022年に「健康経営宣言」を制定致しました。健康経営推進委員会を結成し、結構診断・ストレスチェックをはじめとする心身の健康確保とともに、従業員が働きやすい職場環境づくりやワーク・ライフ・バランスの充実への取り組みを推進していきます。
2.「振興基準」の遵守
親事業者と下請事業者との望ましい取引慣行(下請中小企業振興法に基づく「振興基準」)を遵守し、取引先とのパートナーシップ構築の妨げとなる取引慣行や商慣行の是正に積極的に取り組みます。
(A)価格決定方法
不合理な原価低減要請を行いません。取引対価の決定に当たっては、下請事業者から協議の申入れがあった場合には協議に応じ、労務費上昇分の影響を考慮するなど下請事業者の適正な利益を含むよう、十分に協議します。取引対価の決定を含め契約に当たっては、親事業者は契約条件の書面等による明示・交付を行います。
(B)手形などの支払条件
下請代金は可能な限り現金で支払います。手形で支払う場合には、割引料等を下請事業者の負担とせず、また、支払サイトを60日以内とするよう努めます。
(C)知的財産・ノウハウ
知的財産取引に関するガイドラインや契約書のひな形に基づいて取引を行い、片務的な秘密保持契約の締結、取引上の立場を利用したノウハウの開示や知的財産権の無償譲渡などは求めません。
(D)働き方改革等に伴うしわ寄せ
取引先も働き方改革に対応できるよう、下請事業者に対して、適正なコスト負担を伴わない短納期発注や急な仕様変更を行いません。災害時等においては、下請事業者に取引上一方的な負担を押し付けないように、また、事業再開時等には、できる限り取引関係の継続等に配慮します。
3.その他
当社は「ゲオグループ公正取引宣言」に則り、お取引先様との信頼関係を尊重した公正な取引を実現いたします。
また、「ホワイト物流推進運動」に賛同し、「持続可能な物流の実現に向けた自主行動宣言」を提示し、関係者との相互理解や協力のもと物流の改善を推進していきます。
ワーク・ライフ・バランス、キャリア支援の取り組み
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多様な働き方に合わせた環境を構築し、当社グループで働く一人ひとりが、日々の仕事を通じて豊かさや楽しさを感じられるよう取り組んでいきます。 |
ワーク・ライフ・バランス
働く人が勤務時間を自由に設定できる「フレックスタイム制度」や、転勤がなく自宅近くで勤務できる「ローカル社員制度」も設け、多様な働き方ができる環境を整えています。また、間接部門を中心に在宅勤務制度を推進しています。男性従業員の育児休業取得も進めています。1、2週間の取得が中心ですが、半年や1年間取得する従業員もいます。実際に育児休業を取得した男性従業員の体験談を社内全体へ共有するなど、従業員へ向けた周知活動も実施し、社内認知も高まってきています。
生活をサポートする様々な制度
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制度 |
内容 |
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育児休業 |
1歳に満たない子と同居し、養育する場合育児休業することが可能になる制度 |
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育児短時間勤務 |
小学校就学の始期に達するまでの子を養育する場合、1日の所定労働時間を原則として6時間または7時間とすることが可能となる制度 |
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介護休暇 |
要介護状態にある対象家族の介護やその他の世話を行うための休暇を取得することが可能な制度 |
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介護短時間勤務 |
要介護状態にある家族を介護する場合、1日の所定労働時間を原則として6時間または7時間とすることが可能となる制度 |
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ローカル社員制度 |
引っ越しを伴う転勤のない1日の所定労働時間が平均として8時間の社員とする制度 |
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継続雇用制度 |
定年退職後の再雇用を希望する社員に対し、契約更新が可能となる制度 |
※図表は雇用と休業に関わる代表的な制度を抜粋したものです。上記以外にも様々なサポート制度があります。
キャリア支援
キャリア支援ではグループの進化を考え、成長戦略に寄与できる、当社らしい人材育成のためにキャリアに応じて社内外での研修を行っています。業務遂行に必要な専門スキルを効率よく習得できるよう、土台となる人間力を高めるための教育を行います。
<新入社員に向けた研修>
新入社員には、新入社員研修やOJT教育を実施しており、企業理解や商材知識、ストアマネジメントなどを学ぶ研修を実施しています。社会人としての基礎を学ぶカリキュラムも用意しています。
<既存社員に向けた研修>
各階層別に合わせた研修を実施しており、マネジメントやリーダーシップ、分析思考力などを学び、店舗運営に活かしています。また、社外研修では、アメリカセミナーなど海外視察を通してチェーンストアの仕組みを学ぶ機会を用意しています。
<オンライン社内学習>
運営するにあたり必要な知識を学習できるツールを設けています。営業に関わる各種法令の理解や商材知識を深める講座などを配信しています。
職種とキャリアパス
当社グループのキャリア形成の基本は「教育配転」です。入社して初めに全国の店舗業務からスタートします。
店舗運営についての知識習得や経験の後、教育配転で様々な部署で仕事の経験を積みながら、自分の適性にあったスペシャリストを目指していきます。
その他の取り組み


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自治体との連携 当社グループでは、自治体と連携した買取イベントや講義、ワークショップなどを開催し、多くの方にリユース体験の機会を提供しています。さまざまな活動を通じて、リユース文化の浸透や廃棄物削減などの地域課題解決に向けた取り組みを推進しています。
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地域コミュニケーション
少年野球の発展を目的に愛知県内で行われている「ゲオ杯親善交流少年野球大会」に協賛しています。
大会は、愛知県内で少年野球大会の企画・運営を行う連盟である「ジュニアベースボールリーグ愛知」の主催で2003年に始まりました。本大会は「少年野球チームの相互の親睦を図り、会員全員が参加できる大会」を目的に開催されており、約3か月間をかけて、愛知県内の約70会場で行われます。2023年で21回目の開催になります。
「スポーツGOMI拾い大会」へ参加
「スポーツGOMI拾い大会」は、ゴミ拾いにスポーツの要素を加え、社会奉仕活動を「競技」へと変えた日本発の新しいスポーツイベントです。
世界6ヶ国で開催されており、累計参加者は10万人以上、日本国内だけでも1,000回を超える大会が実施されています。
「富士山清掃」プロジェクト
「美しい富士山の水と緑と命を守り、心の故郷として子どもたちに残していくために」当社グループは日本リユース業協会に所属する企業と、NPO法人富士山クラブの協力のもと、富士山清掃プロジェクトを実施しています。2023年10月19日には当社を含め26社、約190名が集まり、一斉にゴミ拾いを行いました。
今後も資源を大切にするリユース業に携わる企業として、自然を保護する活動に携わっていきます。
「ホワイト物流推進運動」に賛同
物流業界の深刻な人手不足に対応するため、国土交通省を中心に取り組みが推進されている「ホワイト物流推進運動」に賛同しています。
当社グループでは、物流における生産性の向上・効率化と、働きやすい労働環境を実現するため、「持続可能な物流の実現に向けた自主行動宣言」を提示し、取引先や物流事業者などの関係者との相互理解や協力のもとで共同配送の活用や集配の荷役作業の効率化などを図り物流の改善を推進しています。
[持続可能な物流の実現に向けた自主行動宣言]
当社は、「ホワイト物流」推進運動の趣旨に賛同し、以下のように取り組むことを宣言します。
(取組方針)
・事業活動に必要な物流の持続的・安定的な確保を経営課題として認識し、生産性の高い物流と働き方改革の実現に向け、取引先や物流事業者等の関係者との相互理解と協力のもとで、物流の改善に取り組みます。
(法令遵守への配慮)
・法令違反が生じる恐れがある場合の契約内容や運送内容の見直しに適切に対応するなど、取引先の物流事業者が労働関係法令・貨物自動車運送事業関係法令を遵守できるよう、必要な配慮を行います。
(契約内容の明確化・遵守)
・運送及び荷役、検品等の運送以外の役務に関する契約内容を明確化するとともに、取引先や物流事業者等の関係者の協力を得つつ、その遵守に努めます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月28日)現在において当社グループが判断したものであり、全てのリスクを網羅するものではなく、予見できない又は重要と認識していないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。なお、リスクとその影響において、顕在化する時期・可能性ともに未確実です。
(1)出店政策について
当社グループでは、メディアショップ及びリユースショップを主軸とする店舗展開を推進し、新規出店及び他社との業務提携などによるフランチャイズ出店を実施しております。出店政策として、当社グループによる新規出店に加えてM&A、店舗買収を行い、当社グループ店舗網の拡大を加速させていく計画であるため、出店の成否が当社グループの成長力に大きな影響を及ぼす可能性があります。
従いまして、今後、新規出店、M&A、店舗買収等の案件が継続的に成立するとは限らず、そのような場合には当社グループの成長力が鈍化する可能性があることや、例え案件が成立した場合にも、一時的な費用の発生が見込まれることから経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)リユース品の仕入について
当社グループの店舗で取扱うリユース品の仕入については、そのほとんどを店舗における一般顧客からの「買取」という方法で行っております。また、社会の環境問題への認識が高まるにつれ、リユース分野への新規参入等により他社との競合状況も激化しております。従いまして、商品仕入(買取)の量と質の確保が業績に影響を与える可能性があります。
(3)法的規制等について
A.大規模小売店舗立地法について
当社グループにおける現在の店舗のうち、一部大型店舗につきましては、「大規模小売店舗立地法」が対象とする小売の売場面積が1,000㎡以上(レンタル売場面積を除く)であるため、同法の規制を受けております。また、今後の出店政策におきましても、商品の複合化により、小売の売場面積が1,000㎡を超える大型店舗の出店計画があります。
大規模小売店舗立地法は、小売業が1,000㎡以上の新規店舗出店及び既存店舗の増床については、駐車需要の充足その他による周辺の地域の住民の利便及び商業その他の業務の利便の確保のために配慮すべき事項(駐車場の必要台数、位置、構造、駐輪場の確保、交通安全対策等)及び騒音の発生その他による周辺生活環境の悪化の防止の為に配慮すべき事項(騒音対策、廃棄物対策等)の対策を考慮する必要がある旨を定めております。
B.古物営業法について
当社グループが行っているリユース品の買取及び販売事業は、「古物営業法」により規制を受け、監督官庁は各法人の主たる営業所の所在地を管轄とする都道府県公安委員会であり、同法及び関連諸法令、条例による規制の要旨は以下のとおりであります。
①事業を開始する場合には、法人の主たる営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会の許可を必要とする。
②中古DVD・CD・ゲーム・書籍・携帯電話・衣類・服飾雑貨・電化製品等の買取を行う場合には、相手方の住所、氏名、職業及び年齢が記載された文書の交付を受ける必要がある。また、取引年月日、古物の品目及び数量、古物の特徴、相手方の住所・氏名・職業・年齢等を帳簿に記載する必要がある。
C.風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律について
当社グループが行っているアミューズメント施設のうちゲーム機を設置して営業する施設の運営については、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」及び関連諸法令、条例による規制を受けております。その内容は、施設開設及び運営に関する許認可申請制度、営業時間の制限、入場者の年齢による制限、遊戯料金等の規制、出店地域の規制、施設の構造・内容・照明・騒音等に関する規制事項等であります。
D.著作権法について
当社グループが行っているDVD・CDレンタル事業のうち、CD(著作権法ではレコードと呼称)レンタル業務は、「著作権法」の貸与権にかかわる規定の適用を受けております。その主旨は同法により定められた「貸レコード業者」として、商業用CDの貸与権を専有している著作権者(作詞家、作曲家等)及び著作隣接権者(レコード製作者、実演家等)に対して、その許諾を得て使用料を支払うことであり、同法の規定に則り、著作権料、貸出禁止期間等が定められております。なお、DVDレンタルについては、同法の頒布権にかかわる規定の適用を受けます。
また、当社グループは、DVDレンタルを行う店舗において成人向けDVD等の貸出を行っておりますが、当該業務は「愛知県青少年保護育成条例」及び各都道府県の同種の条例を遵守して行っております。具体的には、入会時には身分証明書の提示を受け、18歳未満の者に成人向けDVD等を貸出できないように会員証によってレジで判別可能なシステムにしております。さらに、成人向けDVD等のコーナーは店内でも他から区切られたスペースに位置し、かつ、「18歳未満入場禁止」と入り口に掲示しております。
E.再販売価格維持制度について
当社グループが取扱う新品CD及び書籍は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第23条に規定する著作物として再販売価格の決定・維持について同法の適用除外を受けております。
これは我が国の文化の普及など文化水準維持を図っていく上で不可欠なものとして、同一価格で全国的に広範囲に普及される体制を維持するため例外的に定価販売が認められているものであります。
公正取引委員会は2001年3月23日付の「著作物再販制度の取扱いについて」にて、「競争政策の観点からは同制度を廃止し、著作物の流通において競争が促進されるべきであると考える」としながらも、「なお同制度の廃止について国民的合意が形成されるに至っていない状況にある」と指摘し、「当面同制度を存置することが相当であると考える」としております。しかしながら、「公正取引委員会としては、今後とも著作物再販制度の廃止について国民的合意が得られるよう努力を傾注する」としており、同制度の廃止論議は今後も継続されるものと考えられ、そのような場合には、当社グループの経営成績に影響があると思われますが、現在それを予測することは困難であります。
(4) 情報セキュリティについて
当社グループは、お客様に関する情報(個人情報)を数多く保有・管理しております。また、円滑かつ効率的な事業活動のため、情報システムへの依存度はより顕著となっております。かかる個人情報の適切な保護及び各種システムが安定的に稼働できるよう、社内規程や取扱いに関する基準(マニュアル等)の整備、従業員教育の実施、情報システムのセキュリティ強化、セキュリティインシデント発生時に迅速な対応を行うためのグループ全体での体制構築等、リスク対策を講じておりますが、システム障害や人為的な原因により重要情報の漏洩・消失及びシステム障害等が起きた場合、損害賠償の発生や社会的信用の失墜による売上減少及びシステムの一時停止等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 災害発生について
当社グループは、広域な地震、暴風雨、洪水等の自然災害の発生等の有事に備え、BCP(事業継続計画)を策定する等、事業継続体制の構築・整備・検証に努めておりますが、今後、円滑な事業運営が阻害された場合には、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 有利子負債依存度について
当社グループは、事業資金を主に金融機関からの借入れにより調達してまいりましたため、総資産に対する有利子負債の比率が高い水準にあります。今後も企業価値向上のため新規出店を継続し収益力を強化する方針であるため、銀行借入れに加え社債の発行など資金調達の多様化を進めることにより流動性リスクを低減していますが、金融情勢の変化等により金利の大幅な上昇となった場合には、資金調達コストが増加し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 海外展開について
当社グループは海外展開を拡大しており、今後未進出地域も含め海外展開を推進する方針です。リスク低減のため、国際情勢の動向や各国の法規制の改正等に関する情報を随時整理し、対応していますが、当社グループが事業展開している国又は地域における政治・経済情勢の変化、予期し得ない法規制の変更、自然災害、暴動、テロ、戦争等の要因による社会的又は経済的な混乱、慣習等に起因する予測不可能な事態が発生した場合には当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(8) 為替相場の変動について
当社グループでは、在外連結子会社の外貨建財務諸表を日本円に換算したうえで連結財務諸表を作成するため、為替の変動が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループがおこなう外貨建取引から生ずる費用・収益及び外貨建債権・債務の円換算額は、為替相場が変動することにより当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 会計上の見積りについて
当社グループは、財務諸表の作成にあたり会計上の見積りが必要な事項については、合理的な基準に基づき見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、金額の見直しや実際の結果と異なる場合があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
棚卸資産
当社グループは、保有する棚卸資産について、主として原価法(貸借対照表価額につきましては収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法)によって算定しております。今後、リユース事業・メディア事業等をとりまく環境が悪化したり、保有資産の市場価格が著しく下落したこと等により、簿価切り下げ処理がさらに必要になった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
貸倒引当金
当社グループは、貸付先に対する貸倒引当金について、貸付先の状況や担保価値に基づいて貸倒引当金を計上しておりますが、信用状況の変化、担保価値の下落その他予期せざる理由により、貸倒引当金の積み増しが必要となる可能性があります。
固定資産の減損
当社グループは、保有する固定資産について減損会計を適用しております。今後、店舗等の収益性が悪化したり、保有資産の市場価格が著しく下落したこと等により、減損処理がさらに必要になった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
資産除去債務
当社グループは、有形固定資産の除去に関して資産除去債務を計上しております。新たな法令や契約、市場変動等の外的環境の変化により、資産除去債務を積み増す必要が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
繰延税金資産
当社グループは、課税所得の将来の見積額や一時差異等のスケジューリングの結果に基づき繰延税金資産を計上しております。今後、経営環境の悪化等により課税所得の見積額が減額した場合等には、繰延税金資産を取り崩す必要が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
上記リスクの把握・評価・対策等の管理体制は「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のとおりであります。
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済環境は、コロナ禍を乗り越え業況や収益などの企業活動は改善し、緩やかな持ち直しの動きとなった一方、賃金や投資に十分に結び付いておらず、輸入物価を起点とした財の物価、サービス価格の上昇を受けての個人消費の伸び悩み懸念や地政学的リスク、継続する円安の進行等により先行き不透明な状況で推移しております。
リユース業界におきましては、SDGsの考えの広まりや、物価高騰に伴う生活防衛策としての需要、消費者間取引や取り扱い店舗の増加などリユースへのアクセス性向上によりリユースの良さが改めて見直され、身近なライフスタイルへと変化するなど、様々な要因を背景に市場全体が継続的に成長しております。
このような環境のなか、当社グループは「豊かで楽しい日常の暮らしを提供する」ことを目指し、お客様の選択可能性を広げ利便性を向上するため、インターネットを介した電子商取引の拡充の他、2nd STREETを中心としたリユース店舗の新規出店を、国内・海外において積極的・継続的に推進し持続的成長と収益性向上の実現に取り組んでおります。
リユース系リユース商材の動向といたしましては、リユースラグジュアリー商材、特に高級時計を中心に扱うOKURA TOKYOは小売販売に注力し好調に推移いたしました。商品構成の中心であるリユース衣料・服飾雑貨は消費者の価値観や嗜好性にもとづく消費スタイルの変化などを理由に需要は継続拡大し、国内及び国外の2nd STREETが好調に推移した結果、リユース系リユース商材全体の売上は大幅に増加しております。
メディア系リユース商材の動向といたしまして、ゲーム関連商材は旧作ゲームソフトの根強い人気や、前年度下期より需給バランスが改善しておりました家庭用ゲーム機本体のリユース市場への供給増加を背景に、売上は堅調に推移いたしました。また、スマートフォンやタブレット端末等通信機器は、SIMロック販売の禁止や新品価格の高騰などでリユース市場が拡大しておりますが、それに対応する形で、「GEO mobile」の単独店出店やゲオ店舗への併設を積極的に展開することで通信機器の販売機会を創出し、販売を順調に伸ばしております。以上の理由によりメディア系リユース商材全体の売上は増加となりました。
新品商材の動向といたしましては、前期に比べ新作ゲームソフトのヒットタイトルには恵まれなかったものの、家庭用ゲーム機本体やトレーディングカードの販売増が牽引し、売上増加いたしました。
また、外国為替相場の円安進行により、為替差益1,043百万円を計上いたしました。
なお、収益性の悪化により、主に国内店舗等について減損損失を1,611百万円計上いたしました。 これらの結果、当連結会計年度における売上高は433,848百万円(前年同期比15.0%増)、営業利益は16,814百万円(前年同期比58.3%増)、経常利益は18,749百万円(前年同期比57.2%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は10,902百万円(前年同期比91.9%増)となりました。
また、当連結会計年度末における当社グループの店舗数の状況は以下のとおりとなりました。
( )内は、前連結会計年度末との増減数であります。
|
|
直営店 |
FC店・代理店 |
合計 |
|||||||
|
|
|
出店数 |
退店数 |
|
出店数 |
退店数 |
|
|
||
|
ゲオグループ店舗数 |
1,947 |
175 |
71 |
161 |
1 |
20 |
2,108 |
(+85) |
||
|
|
|
GEO |
977 |
55 |
42 |
107 |
0 |
18 |
1,084 |
(△5) |
|
|
|
2nd STREET(国内) |
784 |
50 |
14 |
54 |
1 |
2 |
838 |
(+35) |
|
|
|
2nd STREET(米国) |
35 |
12 |
0 |
0 |
0 |
0 |
35 |
(+12) |
|
|
|
2nd STREET(台湾) |
28 |
10 |
0 |
0 |
0 |
0 |
28 |
(+10) |
|
|
|
2nd STREET(マレーシア) |
17 |
6 |
0 |
0 |
0 |
0 |
17 |
(+6) |
|
|
|
2nd STREET(タイ) |
1 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
(+1) |
|
|
|
OKURA TOKYO(おお蔵) |
22 |
2 |
3 |
0 |
0 |
0 |
22 |
(△1) |
|
|
|
LuckRack |
18 |
6 |
9 |
0 |
0 |
0 |
18 |
(△3) |
|
|
|
その他 |
65 |
33 |
3 |
0 |
0 |
0 |
65 |
(+30) |
(注)1.屋号毎の店舗数をカウントしています。
2.GEOは家庭用ゲーム・携帯電話・スマートフォンの買取販売、DVDレンタル等を行う店舗(屋号:GEO、GEO mobile)をカウントしています。
3.2nd STREETは衣料品や家電製品等の買取販売を行う店舗(屋号:2nd STREET、Super2nd STREET、2nd OUTDOOR、JUMBLE STORE等)をカウントしています。
②販売の状況
販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
|
名 称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) (百万円) |
前年同期比 |
|
|
リユース品 |
リユース系 |
170,489 |
130.3% |
|
メディア系 |
73,600 |
107.0% |
|
|
新品 |
132,391 |
110.8% |
|
|
その他 |
57,367 |
98.6% |
|
|
内)レンタル |
32,794 |
88.8% |
|
③財政状態
流動資産
当連結会計年度末における流動資産の残高は154,308百万円となり、前連結会計年度末の131,311百万円と比べて22,996百万円増加しております。この主な要因は、現金及び預金が10,690百万円、商品が6,728百万円及び売掛金が3,514百万円増加したためであります。
固定資産
当連結会計年度末における固定資産の残高は76,817百万円となり、前連結会計年度末の70,492百万円と比べて6,324百万円増加しております。この主な要因は、使用権資産(純額)が4,181百万円増加したためであります。
流動負債
当連結会計年度末における流動負債の残高は47,487百万円となり、前連結会計年度末の49,225百万円と比べて1,737百万円減少しております。この主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が1,249百万円及び未払法人税等が452百万円増加した一方、短期借入金が4,000百万円及び買掛金が1,341百万円減少したためであります。
固定負債
当連結会計年度末における固定負債の残高は96,287百万円となり、前連結会計年度末の75,366百万円と比べて20,921百万円増加しております。この主な要因は、長期借入金が9,862百万円、社債が6,600百万円及びリース債務が4,864百万円増加したためであります。
純資産
当連結会計年度末における純資産の残高は87,349百万円となり、前連結会計年度末の77,212百万円と比べて10,137百万円増加しております。この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益10,902百万円計上による利益剰余金の増加、剰余金の配当949百万円による利益剰余金の減少であります。
④キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ11,991百万円増加し、58,556百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は9,296百万円(前年同期は4,283百万円の増加)となりました。
これは、棚卸資産の増加額が6,464百万円及び法人税等の支払額が4,524百万円ありましたが、税金等調整前当期純利益が17,306百万円及び減価償却費が5,534百万円ありましたことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は10,401百万円(前年同期は9,589百万円の減少)となりました。
これは、有形固定資産の取得による支出が7,151百万円ありましたことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は12,396百万円(前年同期は3,938百万円の増加)となりました。
これは、長期借入金の返済による支出が7,527百万円及び短期借入金の純減少額が4,000百万円ありましたが、長期借入れによる収入が18,600百万円及び社債の発行による収入が6,568百万円ありましたことが主な要因であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
・当連結会計年度の財政状態及び経営成績に関する分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
・経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
・キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ④キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
・資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、パッケージソフトを中心とした商材の購入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要のうち主なものは、店舗出店に係る設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性を確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入及び社債の発行の調達手段を行い、資金調達手段の多様化を図っております。
なお、当連結会計年度末における短期借入金は2,000百万円、1年内返済予定の長期借入金は8,737百万円、長期借入金は64,325百万円、社債は6,600百万円、合計81,662百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。
連結財務諸表の作成に際し、当連結会計年度末日における資産・負債の報告数値及び当連結会計年度における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りは、過去の実績や当社グループを取り巻く環境等に応じて合理的と考えられる方法により計上しておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
重要な見積り、仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響は「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (9) 会計上の見積りについて」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの目標とする経営指標と当連結会計年度の実績は次のとおりであります。
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2023年3月期 (実績) |
2024年3月期 (実績) |
2025年3月期 (業績予想) |
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売上高 |
(百万円) |
377,300 |
433,848 |
436,000 |
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営業利益 |
(百万円) |
10,620 |
16,814 |
12,000 |
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経常利益 |
(百万円) |
11,926 |
18,749 |
12,000 |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
(百万円) |
5,681 |
10,902 |
6,000 |
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1株当たり当期純利益 |
(円) |
135.93 |
275.31 |
151.12 |
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2023年3月期 (実績) |
2024年3月期 (実績) |
中長期的目標 |
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売上高営業利益率 |
(%) |
2.8 |
3.9 |
5.0 |
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自己資本利益率 |
(%) |
7.4 |
13.3 |
8.0 |
売上高につきましては、実質賃金のマイナスが続くなど生活防衛手段としてのリユース需要の高まりに加え、リユース市場の認知度拡大やユーザーのエシカル消費が追い風となり、積極的に出店を進める2nd STREETの売上好調に加え、リユースラグジュアリー商材やGeo mobileによるリユーススマートフォン販売、ゲームを中心とした新品商材が好調に推移いたしました。売上高営業利益率につきましては、人件費や地代家賃、減価償却費及びクレジット決済手数料の増加影響はあったものの、リユース商材の売上総利益の増加を主要因とし、前連結会計年度の2.8%から3.9%と上昇いたしました。
当社の祖業であります映像レンタルは、映像配信サービスの普及により市場規模が縮小しており、これに対応すべく、リユース市場が拡大しているスマートフォンやタブレット端末等通信機器を扱うGEO mobileの単独店出店やゲオ店舗への併設を推進するなど、レンタル・ゲームの収益を維持しながら商材構成を転換し、収益性向上に取り組んでおります。また、収益性の高い衣料・服飾雑貨を中心に取り扱う国内及び海外の2nd STREETを成長事業として投資することで、売上高営業利益率の中長期目標達成を継続して図っております。
自己資本利益率につきましては、前連結会計年度に比べ5.9ポイント増加し、13.3%となりました。これは営業利益率の上昇に加え、外国為替相場の円安進行により為替差益を1,043百万円計上したことによるものです。
市場拡大を続けておりますリユース業界において、当社グループがその成長をけん引していく企業として、GEO・2nd STREETなどにおける取扱いリユース商材の拡大や2nd STREETを中心とするリユース店舗の新規出店を進めております。リユース商材の売上構成比が高まり、かつ、チェーンマネジメントによるコストコントロールを適切に行うことにより、自己資本利益率を中長期的目標値程度に収斂させられると考えております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。