第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「なくてはならぬ人となれ なくてはならぬ企業であれ」を企業理念に掲げ、「Play fashion!」のミッションの下、私たちが提案するファッションを通じて、人々の心を豊かに、幸せにすることを使命としています。いつの時代も変わらぬこのミッションの下で、持続可能な成長を目指し、お客様一人ひとりの毎日を今よりもっと楽しくする選択肢をご提供することで、事業を通じた社会・業界の課題解決への貢献を果たしてまいります。


 

(2) 中期的な会社の経営戦略(経営環境、対処すべき課題と経営戦略)

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、多くの人の生活や、世界経済に大きな影響を与えただけでなく、デジタル化の加速、人々の価値観やライフスタイルに不可逆的な変化をもたらしております。当社はこのような変化し続ける時代を前提とし、「デジタル」「グローバル」「サステナブル」をテーマとして、積極的にビジネス構造の進化に取り組むことを経営方針としております。

また、その経営方針を実現するために必要な4つの成長戦略を策定し、お客様の拡張と、提供価値の拡張に取り組んでおります。


 

対処すべき課題、具体的な成長戦略の内容は以下の通りです。

① ライフスタイルや価値観の変化に対応したマルチブランド戦略の変革

健康寿命の伸びによって若い世代からシニア世代までのライフスタイルが多様化し、またデジタル化の加速によって生活が変化していく社会では、新たに生まれる需要を確実に取り込み、お客様の生活の質向上に寄与していくことが求められます。当社では、従来よりお客様の嗜好に合わせた複数ブランドを展開し、実需に合わせた商品を提供することで成長してまいりましたが、アパレル領域の枠を超えて、多様なライフスタイルをお客様にタイムリーに提案し、新しい市場の成長を取り込むことでマルチブランド戦略を変革していくことを目指しております。様々なライフステージに合ったブランド開発や、在宅時間の伸長による生活雑貨類の需要増加への提案、健康や美容などの新しいカテゴリー開発に積極的に取組み、生活者一人ひとりの毎日により多くの選択肢を提供してまいります。

 

 

② デジタル時代に対応したビジネス構造への進化

新型コロナウイルスの感染拡大は、人々の生活にデジタル技術をより深く浸透させる契機となり、新たな顧客体験や利便性、従来の領域にとらわれないサービスが生まれております。当社は自社ECサイトで1千万人以上の会員基盤を有しているほか、グループの約1,400店舗を通じて、日々多くのお客様と接しております。この貴重な資産とデジタル技術を融合させて新たな顧客接点を創造し、リアル店舗とWEB双方でシームレスなサービス・体験を提供するとともに、店舗運営や商品企画、PR、物流など、あらゆる面でデジタル技術を活用した価値創造・生産性向上を進めていくことが必要となります。自社ECサイト上でお客様向けにスタイリング提案を行うSTAFF BOARDの拡充や、オムニチャネルサービス、自社ECや物流の機能強化など、お客様の楽しさや利便性を一層向上させ、デジタル時代に対応したビジネス構造へと進化してまいります。

 

③ 海外事業の成長ステージへの移行

当社はこれまで日本国内の消費拡大と、商業施設の増加の波に乗り成長してまいりました。しかし、人口減少などによる国内アパレル市場のゆるやかな縮小が続く現在、成長市場であるアジアへの展開が不可欠であると考えております。2019年12月にオープンいたしましたニコアンド上海旗艦店を皮切りに、商品開発、MD構成、店頭表現などあらゆる面において、各国ごとに異なる嗜好や生活文化を持つお客様に寄り添い、的確にニーズにお応えしていく方針とし、これらを可能にする仕組み作りを進めております。中国国内での事業拡大やそれを支える現地機能の整備、今後成長が期待される東南アジア市場の開拓など、地域の現状に合わせた戦略を策定し、海外事業の成長ステージへの移行を目指してまいります。

 

④ 新規領域における「事業化」

ファッションという言葉が表す領域はアパレルだけでなく、文化や人々の生き方、ライフスタイルなど様々な価値に広がる可能性を持っております。また消費活動においても、自分と他者とのつながりや社会課題を意識した消費が、多くみられるようになっております。

当社では飲食事業への参入をはじめとして、既存の業界や業態の壁を越えた新たな成長領域の育成を進めております。外部の有力企業やブランド等との協業、全社員からの事業アイディア募集なども含めて、スピード感をもって事業開発を進め、将来の成長ドライバーとなる事業に育成することを目指してまいります。

 

⑤ サステナブル経営の推進

アパレル産業については、商品の大量生産による過剰供給の問題や、原料の生産による土壌汚染、生産工程での水質汚染などの環境負荷が指摘されております。当社では、環境負荷低減への取組みとして、お客様の実需に合わせた商品を「適時・適価・適量」で提供していくための仕組みを構築し、在庫量の適正化を図ることで、廃棄在庫の圧縮に取り組んでおります。また、ショッピングバッグを削減する「REBAG PROJECT」や衣料品回収プロジェクト「Play Cycle!」など、お客様とともに取り組む活動を実施しております。さらに、生産過程での環境負荷低減や、サステナブル素材を使用した商品開発を通して、アパレルサーキュラーエコノミーを実現する子会社「ADOORLINK」を設立するなど、バリューチェーン全体のサステナビリティ向上にも取り組んでおります。

当社はこれらの取組みによって、事業を通じてお客様の豊かな生き方に貢献し、ステークホルダーの皆様との関係を良好な状態で継続させていくことを目指しております。当社の使命である「Play fashion!」をグループ全体に浸透させることで変化への対応力を高め、今後の事業展開に適したバリューチェーン構築や事業育成を進めると同時に、従業員が生き生きと長く働いていける環境づくりのためにダイバーシティの推進や働き方の変革を進め、継続的な企業価値の向上を実現してまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業に関連するリスク要因で、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクには次のようなものが考えられます。以下は、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ない又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。当社グループではこのような経営及び事業リスクの発生可能性を認識した上で、これを最小化するとともに、これらを機会として活かすための様々な対応及び仕組み作りを行っております。なお、記載事項のうち、将来に関するものは、本有価証券報告書提出日現在(2021年5月28日)、入手可能な情報に基づき当社が判断したものです。

 

1. 事業環境に関するリスク

① 感染症の拡大

新型コロナウイルス感染症の蔓延が長期化した場合、あるいは将来新たな感染症が同様に発生した場合、当社ブランドの出店する商業施設の休業及び来客の減少などによって、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、リモートワークの浸透など感染症の拡大によって顧客のライフスタイルや志向が大きく変化し、当社の提供する商品やサービスが顧客の需要を捉えられなくなるリスクがあります。

一方で、ECの浸透や在宅時間の伸長による生活雑貨類の需要の高まり、ビジネスシーンにおける服装のカジュアル化など、当社に追い風となりうる社会の変化もあり、顧客の生活の質向上に寄与することで新たに生まれた需要を取り込むことができれば、当社の業績拡大の機会となる可能性もあります。

当社グループでは、消費者の志向に合う商品を迅速に市場に提供する体制を整えるとともに、ECの機能のさらなる充実や、Webと店舗を融合した楽しい買い物体験を顧客に提供することで、リスクの低減を図ってまいります。

 

② 国内市場の縮小

現在、当社グループは事業の9割以上を国内で展開しており、少子高齢化と将来の人口減少により国内アパレル市場が縮小すると、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、海外展開により東アジアの成長市場を開拓するとともに、国内では大人世代に向けた新ブランドの開発、ライフスタイル分野における新規事業の創出などを通じて、事業の多様化と顧客の基盤の拡大、顧客のライフタイムバリューの向上を進め、成長の継続を図ってまいります。

 

③ 展開国の地理的リスク

当社グループでは、海外での事業展開を重要な成長戦略の一つと位置付けておりますが、海外事業において現地の顧客ニーズに即した商品提案ができない、事業運営に長けた人材が獲得できない等の理由で、当初見込んだとおりの事業展開、事業収益が得られない可能性があります。あるいは事業展開国において、予期しない法規制の変更や政治的又は経済的要因の混乱、テロ・紛争・自然災害等による社会的混乱が生じた場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループ取扱商品の大半は、中国等のアジア各国で生産されたものであり、生産国の政治情勢・経済環境・自然災害等により、仕入延いては販売に支障が出る可能性があります。

当社グループでは、生産地の分散化を進めるとともに、新たに東南アジア地域の市場開拓を進め事業展開地域を広げることで、リスクを低減しながら、東アジアのファッション市場の高い成長力を取り込んでまいります。また、現地法人の機能を強化し人材の現地化を進めるなど、事業運営のノウハウ蓄積と人材獲得に努めてまいります。

 

④ 環境問題

当社グループの主力事業であるアパレル産業は、過剰生産や環境汚染などの環境負荷が世界的に問題とされております。環境負荷に関する規制強化や、消費者の志向の変化などが生じ、当社グループが十分に対応することができない場合、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また長期的には、地球温暖化の影響による衣類のニーズ減少や、気候変動による原材料価格の高騰などによっても、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

一方で消費者の意識が変容し環境に配慮した商品がより選好されるようになり、当社グループが新たなニーズにマッチした商品を提供することができれば、当社グループの業績拡大の機会となる可能性があります。

 

当社グループでは、環境に配慮した原材料の調達、生産工程での環境負荷低減、在庫適正化による廃棄在庫の圧縮などバリューチェーン全体のサステナビリティ向上に取り組んでいる他、サステナブルなファッションを提案するブランド開発等を通じて、市場全体の行動変容や環境意識向上に努めてまいります。

 

⑤ 自然災害や事故

当社グループは、国内全域に店舗を展開しており、想定を超えた大規模な地震や津波、台風、火山の噴火等の自然災害や、それに起因する大規模停電及び電力不足によって大きな被害を受ける可能性があります。また、これらの影響により、営業活動が長期間にわたって滞り、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、首都圏直下型地震などの大規模な地震をはじめとする災害や感染症発生等を想定し、事業継続及び早期復旧のためのBCP(事業継続計画)を策定し、リスクの低減に努めております。

 

2. 事業運営に関するリスク

① 店舗運営に関するリスク

当社グループの店舗は、全国主要都市のファッションビル及びショッピングセンター内へのインショップ出店を中心に展開しております。この運営にあたり、以下のようなリスクがあります。

ⅰ. 当社グループの店舗の大半は賃借物件であり、出店に際して敷金及び保証金の差入を行っております。当連結会計年度末における敷金及び保証金は、151億62百万円であり、総資産の15.9%を占めております。そのためデベロッパー等の倒産その他の事由が発生した場合、敷金及び保証金の全部又は一部が回収できなくなる可能性があります。

ⅱ. 当社グループは、店舗を中心に多額の固定資産を保有し、これらについて減損会計を適用しております。店舗等の収益性の悪化や、保有資産の市場価格が著しく下落し、減損処理がさらに必要になった場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

ⅲ. その他、出店先ファッションビル等を取り巻く商業環境の変化等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、各地域に密着した支店制度により地域ごとの状況を慎重に調査し、継続的な出退店を通じて常に最適な店舗網の維持に努めております。また当社グループのスケールメリットやブランド力を活かしてより有利な立地構成を実現し、これらのリスクの低減に努めてまいります。

 

② アパレルビジネスに関するリスク

当社グループの主要ブランドが属するカジュアル衣料小売市場は、流行・嗜好が短期的に大きく変化する傾向が強く、また国内外の競合企業との厳しい競争状態にあり、商品企画等の失敗により顧客の選好にマッチした商品開発ができなかった場合、またブランド価値が陳腐化した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、店舗や自社ECサイトを通じて顧客の選好に関する情報を収集して、素早く商品展開に反映させることで、顧客のニーズに合った商品の提供に努めております。また、ECサイトでの予約販売推進により、需要予測の精度向上にも取り組んでおります。さらに、マルチブランド戦略を深化させ、新ブランド開発のスピードと精度を向上させることで、ブランド陳腐化のリスクを低減しながら、常に顧客にとって新鮮味のあるブランドを開発し、提供してまいります。

 

③ サプライチェーンに関するリスク

当社グループは商品の原材料を外部から調達し、自社で企画・監督しながら外部委託にて生産を行っております。生産遅延、調達先の倒産、又は商品を輸送する経路の断絶等により商品供給が滞った場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の委託先企業において、従業員の人権侵害や環境汚染などの問題が発生した場合、委託元企業として当社のレピュテーションが棄損し、ブランドや業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、グループ調達方針を定め、社会や環境に配慮した責任ある調達活動を推進しており、すべての取引先にグループ調達ガイドラインの遵守を要請している他、主要な取引先については、取引先の協力を得ながら定期的なモニタリングを実施し、リスクの低減を図っております。

 

 

④ 情報システムや個人情報に関するリスク

当社グループでは、デジタル時代に対応したビジネス構造への進化を成長戦略の一つとし、情報システムの活用を推進しております。また当社グループの自社ECサイト「ドットエスティ」は1100万人を超える会員を有しており、当社グループは多くの顧客情報を保有しております。デジタルを活用した事業の比率が高まる中、情報システムの不具合やサイバー攻撃等により重大な障害が発生し当社グループのシステムが正常に利用できない場合、あるいは不正アクセス等により個人情報が外部へ流出した場合、システムの停止に伴う売上損失や顧客からの信用の失墜などにより、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、第三者機関によるセキュリティリスク診断を実施の上、それを踏まえて必要な対策の計画を策定・実行し、リスクの低減に努めております。

 

3. 経営戦略に関するリスク

① 大型投資や企業買収の成否

当社グループでは、長期的成長の実現に向け、海外での事業展開、新規ブランド・顧客の獲得、関連技術の獲得等を目的として、外部企業への出資や企業買収を行っております。また、デジタル化や物流機能強化など、事業の成長に必要な設備投資・システム投資を実施しております。これらの投資において、出資・買収した企業が期待された収益やシナジーを生み出せない場合、また設備やシステムが想定した機能を果たさない場合、投資の回収に想定以上の期間を要する可能性や、投資の回収を図れない可能性があります。

当社グループでは、財務の健全性が維持される範囲での投資を原則とするとともに、投資判断における検討プロセスを定めて取締役会で社外取締役を含めた討議を行い、またシステム投資に当たっては第三者PMOの設置をルール化し、リスクの低減に努めております。

 

② 新規事業の不確実性

当社グループでは、楽しいライフスタイルを新たな事業とすることを成長戦略の一つとし、既存の事業領域にとどまらない新領域における新規事業開発に取り組んでおります。当社グループが新規に開始した事業に対する顧客のニーズが想定を下回った場合、新たな事業への参入や運営に要する費用が想定よりも増加する場合、当該事業における競争が激化した場合等に、当初見込んだとおりの事業展開、事業収益が得られない可能性があります。また、これらの事業について撤退や事業の縮小を行うことにより、費用又は損失が発生する可能性があります。

当社グループでは、アパレル以外の領域における国内外の優良ブランドを発掘しフランチャイジーとして事業を開始するなど、他社と協業することで段階的に新領域におけるノウハウを蓄積するとともに、新規事業においてもアパレル領域で培ったライフスタイル提案力を活用することで、相乗効果の創出に努めてまいります。

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

 

(2) 経営成績

 連結業績

 

2020年2月
連結会計年度

2021年2月
連結会計年度

増減

増減率

2019年3月1日から

2020年3月1日から

 2020年2月29日まで)

 2021年2月28日まで)

売上高

(百万円)

222,376

183,870

△38,505

△17.3%

営業利益

(百万円)

12,885

766

△12,118

△94.0%

経常利益

(百万円)

12,843

2,981

△9,861

△76.8%

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

6,363

△693

△7,056

 

 

当連結会計年度の連結業績は、売上高が1,838億70百万円(前年同期比17.3%減)、営業利益が7億66百万円(前年同期比94.0%減)、経常利益が29億81百万円(前年同期比76.8%減)、親会社株主に帰属する当期純損失が6億93百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益63億63百万円)となりました。

 

国内売上高につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛の動き、及び商業施設の休業や営業時間の短縮等により来店客数が大幅に減少した結果、前年同期比17.4%の減収となりました。4月下旬から約2週間は国内実店舗の全てが休業し、その後緊急事態宣言の解除に伴い地域毎に順次営業を再開いたしました。外出需要減少の影響が続いたものの、国内実店舗の売上高は徐々に改善し、第3四半期には大きく持ち直しました。しかしながら、11月下旬からは感染再拡大の懸念が高まり、さらに年明けには緊急事態宣言の二度目の発令により、来店客数が再度減少に転じる流れとなりました。2月下旬には若干回復の兆しが見えてきたものの、個人消費の動向は期を通して不透明な状況が続きました。

一方、国内EC販売は、外出自粛の動きに対応して自社EC「ドットエスティ」への集客の取組みを強化したことに加え、EC専業ブランドを運営する子会社BUZZWIT社が堅調を維持した結果、前年同期比23.4%増と大幅に伸長いたしました。

海外売上高につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により香港、韓国、米国は減収となりましたが、影響の少なかった台湾と、ニコアンド上海旗艦店が堅調な中国は増収となりました。

店舗展開につきましては、89店舗の出店(内、海外8店舗)、81店舗の退店(内、海外17店舗)の結果、当連結会計年度末における当社グループの店舗数は、1,400店舗(内、海外68店舗)となりました。

収益面につきましては、上記の市場環境の下、「適時・適価・適量」の商品提供による値引き販売の抑制を推し進めたものの、二度の緊急事態宣言下における在庫消化促進の影響により、売上総利益率は54.5%(前年同期比1.0ポイント減)となりました。

 

販売費及び一般管理費につきましては、店舗の休業や営業時間の短縮等に伴う人件費及び店舗家賃の減少に加え、販促費用の抑制、カード手数料の減少、出張の自粛やイベント中止等によるその他経費の削減に努めた結果、前年同期比で111億38百万円減少しました。しかしながら、大幅な減収の結果、販管費率は54.0%(前年同期比4.3ポイント増)となり、営業利益率は0.4%(前年同期比5.4ポイント減)となりました。また、新型コロナウイルス感染症の影響による休業に対する雇用調整助成金17億67百万円を営業外収益に計上いたしました。

特別損益につきましては、店舗等の減損損失13億22百万円、ASEAN市場進出に向けたパートナー企業への資本参加を前提とした貸付金に関連して貸倒引当金繰入額8億74百万円、韓国子会社(Adastria Korea Co.,Ltd.)の清算に伴う事業整理損1億37百万円を特別損失に計上いたしました。

 

(3) 仕入及び販売の状況

当社グループは、衣料品並びに関連商品の企画・販売を単一の報告セグメントとしているため、セグメント情報ごとに記載しておりません。なお、仕入実績につきましては、商品部門別に区分して記載しており、販売実績につきましては、商品部門別、ブランド別、地域別及び単位当たりに区分して記載しております。

 

 ① 仕入実績

    当連結会計年度の仕入実績は、次のとおりであります。

(単位:百万円)

商品部門

当連結会計年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

前連結会計年度比
(%)

メンズボトムス

2,735

△10.3

メンズトップス

9,216

△13.8

レディースボトムス

13,969

△15.3

レディーストップス

37,874

△15.9

雑貨・その他

20,626

△1.6

合計

84,422

△12.3

 

(注) 1.金額は仕入価格によっております。

2.上記の金額は外部仕入先からによるもので、連結会社相互間の内部仕入高は含まれておりません。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

 ② 販売実績

    当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。

 

a. 商品部門別販売実績

(単位:百万円)

商品部門

当連結会計年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

前連結会計年度比
(%)

メンズボトムス

6,335

△13.4

メンズトップス

20,240

△21.8

レディースボトムス

31,238

△19.5

レディーストップス

85,305

△20.9

雑貨・その他 

40,751

△4.1

合計

183,870

△17.3

 

(注) 1.雑貨・その他は、ポイント引当金繰入額等が含まれております。

   2.上記の金額は外部顧客に対するもので、連結会社相互間の内部売上高は含まれておりません。

   3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. ブランド別販売実績

 

ブランド・地域

当連結会計年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

前連結会計年度比
(%)

売上高(百万円)

構成比(%)

 

グローバルワーク

33,845

18.4

△18.9

 

ニコアンド

26,092

14.2

△18.5

 

ローリーズファーム

19,436

10.6

△18.0

 

スタディオクリップ

18,558

10.1

△17.3

 

レプシィム

11,132

6.1

△22.3

 

ジーナシス

9,932

5.4

△16.7

 

ベイフロー

8,446

4.6

△15.0

 

レイジブルー

5,431

3.0

△29.6

 

その他(注4)

25,265

13.7

△17.8

 当社 計

158,142

86.1

△18.7

 株式会社BUZZWIT

6,374

3.4

29.9

 株式会社エレメントルール(注4)

8,322

4.5

△17.7

その他連結子会社

322

0.2

89.1

国内合計

173,161

94.2

△17.4

海外合計

10,709

5.8

△15.5

グループ合計

183,870

100.0

△17.3

 

(注)1.店舗を運営管理しているブランド営業部・地域別に集計しております。

2.上記の金額は外部顧客に対するもので、連結会社相互間の内部売上高は含まれておりません。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4.2020年3月1日付で、当社のパティエラ事業を株式会社エレメントルールに承継する吸収分割を実施しております。このため、従来は当社のその他に計上していた当該ブランドの売上高は、第1四半期より株式会社エレメントルールに含めて集計しております。

 

 

 なお、店舗出退店等の状況は、次のとおりであります。

ブランド・地域

店     舗     数

前連結会計
年度末

当連結会計年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

当連結会計
年度末

吸収分割(注)3

出 店

変 更

退 店

増 減

 

グローバルワーク

210

3

△1

△3

△1

209

 

ニコアンド

144

3

△3

144

 

ローリーズファーム

136

△2

△2

134

 

スタディオクリップ

183

4

△4

183

 

レプシィム

128

△6

△6

122

 

ジーナシス

73

3

△4

△1

72

 

ベイフロー

54

5

△3

2

56

 

レイジブルー

54

1

△6

△5

49

 

その他

247

△3

36

1

△22

12

259

 当社 計

1,229

△3

55

△53

△1

1,228

 株式会社BUZZWIT

7

7

7

14

 株式会社エレメントルール

77

3

17

△10

10

87

 その他連結子会社

2

2

△1

1

3

国内合計

1,315

81

△64

17

1,332

 

香港

16

△2

△2

14

 

中国

1

2

2

3

 

台湾

37

5

△1

4

41

 

韓国

13

△13

△13

 

米国

10

1

△1

10

海外合計

77

8

△17

△9

68

グループ合計

1,392

89

△81

8

1,400

 

(注) 1.店舗を運営管理しているブランド営業部・地域別に集計しております。

2.店舗数は、他社WEBストア、自社WEBストアを含めて集計しております。

3.2020年3月1日付で、当社のパティエラ事業を株式会社エレメントルールに承継する吸収分割を実施したことに伴う変更を記載しております。

 

 

c. 地域別販売実績

 

地域別

前連結会計年度

(自 2019年3月1日

至 2020年2月29日)

当連結会計年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

売上高
(百万円)

期末店舗数
(店)

売上高
(百万円)

店舗異動状況

期末店舗数
(店)

出店
(店)

閉鎖・変更等
(店)

 

 

北海道

5,365

36

3,727

△1

35

 

 

青森県

917

7

681

7

 

 

岩手県

773

6

603

6

 

 

秋田県

818

6

661

6

 

 

宮城県

3,442

26

2,323

△1

25

 

 

山形県

429

3

334

3

 

 

福島県

728

6

551

6

 

北海道・東北地区計

12,475

90

8,883

△2

88

 

 

栃木県

2,118

16

1,555

16

 

 

茨城県

2,782

21

2,122

4

25

 

 

群馬県

2,193

17

1,554

17

 

 

千葉県

8,497

63

6,163

2

△5

60

 

 

山梨県

1,019

8

690

8

 

 

埼玉県

9,932

73

7,020

△2

71

 

 

東京都

18,504

149

9,867

5

△13

141

 

 

神奈川県

11,199

80

8,148

7

△1

86

 

関東地区計

56,248

427

37,122

18

△21

424

 

 

静岡県

5,235

41

3,982

△1

40

 

 

新潟県

1,835

14

1,602

3

17

 

 

長野県

1,840

12

1,340

1

△2

11

 

 

富山県

1,375

10

1,020

1

11

 

 

石川県

2,308

19

1,607

19

 

 

愛知県

9,780

66

7,051

4

△2

68

 

 

岐阜県

2,222

16

1,549

16

 

 

福井県

473

3

489

1

4

 

中部地区計

25,071

181

18,644

10

△5

186

 

 

三重県

2,610

19

1,946

19

 

 

京都府

3,849

30

2,534

△5

25

 

 

大阪府

15,289

103

10,954

6

△5

104

 

 

兵庫県

6,721

49

5,370

2

51

 

 

奈良県

1,752

14

1,514

1

15

 

 

和歌山県

874

8

731

8

 

 

滋賀県

1,772

12

1,370

12

 

近畿地区計

32,869

235

24,422

9

△10

234

 

 

岡山県

2,287

17

1,682

1

18

 

 

広島県

4,476

39

3,226

△2

37

 

 

鳥取県

272

3

227

3

 

 

島根県

767

7

618

7

 

 

山口県

406

4

326

4

 

 

愛媛県

1,219

9

1,027

1

10

 

 

香川県

1,319

10

1,089

1

11

 

 

高知県

724

5

503

5

 

 

徳島県

982

6

740

6

 

中国・四国地区計

12,456

100

9,443

3

△2

101

 

 

 

地域別

前連結会計年度

(自 2019年3月1日

至 2020年2月29日)

当連結会計年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

売上高
(百万円)

期末店舗数
(店)

売上高
(百万円)

店舗異動状況

期末店舗数
(店)

出店
(店)

閉鎖・変更
(店)

 

 

福岡県

9,855

61

7,983

△5

56

 

 

長崎県

922

7

671

7

 

 

佐賀県

1,652

8

1,199

8

 

 

熊本県

2,277

14

1,763

△4

10

 

 

大分県

1,775

14

1,424

14

 

 

宮崎県

1,008

8

771

1

△1

8

 

 

鹿児島県

1,695

10

1,349

1

11

 

 

沖縄県

2,010

20

1,541

△3

17

 

九州・沖縄地区計

21,197

142

16,704

2

△13

131

 

WEBサイト

34,200

54

42,921

13

△3

64

当社 計

194,518

1,229

158,142

55

△56

1,228

株式会社BUZZWIT

4,908

7

6,374

7

14

株式会社エレメントルール

(注)3

10,112

77

8,322

17

△7

87

その他連結子会社

170

2

322

2

△1

3

国内合計

209,709

1,315

173,161

81

△64

1,332

 

香港

3,431

16

2,589

△2

14

 

中国

473

1

1,254

2

3

 

台湾

2,532

37

2,743

5

△1

41

 

韓国

1,156

13

680

△13

 

米国

5,072

10

3,440

1

△1

10

海外合計

12,666

77

10,709

8

△17

68

グループ合計

222,376

1,392

183,870

89

△81

1,400

 

(注) 1.上記の金額は外部顧客に対するもので、連結会社相互間の内部売上高は含まれておりません。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.2020年3月1日付で、当社のパティエラ事業を株式会社エレメントルールに承継する吸収分割を実施したことに伴う変更を記載しております。

 

d. 単位当たり販売実績

 

区分

前連結会計年度

(自 2019年3月1日

至 2020年2月29日)

当連結会計年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

売上高(百万円)

222,376

183,870

1㎡当たり売上高

売場面積(月平均)(㎡)
1㎡当たり期間売上高(千円)

287,616

773

296,210

620

1人当たり売上高

従業員数(月平均)(人)(注)1
1人当たり期間売上高(千円)

11,149

19,945

10,102

18,200

 

(注) 1.従業員数は臨時雇用者(年間平均人員:1日8時間換算)を含めております。

2.上記の金額は外部顧客に対するもので、連結会社相互間の内部売上高は含まれておりません。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(4) 財政状態

 ① 資産

流動資産は、前連結会計年度末に比べて、16億65百万円減少して515億69百万円となりました。これは主に、たな卸資産が7億9百万円増加した一方で、現金及び預金が22億82百万円、受取手形及び売掛金が2億3百万円それぞれ減少したことによるものです。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて、8億9百万円減少して438億80百万円となりました。これは主に、有形固定資産のその他(純額)(使用権資産など)が6億99百万円、無形固定資産のその他(ソフトウェアなど)が13億79百万円それぞれ増加した一方で、建物及び構築物(純額)が2億46百万円、店舗内装設備(純額)が11億26百万円、敷金及び保証金が7億97百万円それぞれ減少したことによるものです。

この結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて、24億74百万円減少して954億49百万円となりました。

 

 ② 負債

流動負債は、前連結会計年度末に比べて、35億92百万円増加して410億55百万円となりました。これは主に、電子記録債務が16億59百万円減少した一方で、支払手形及び買掛金が16億48百万円、未払金が25億40百万円、未払法人税等が10億20百万円それぞれ増加したことによるものです。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて、2億71百万円増加して36億92百万円となりました。これは主に、固定負債のその他が4億53百万円減少した一方で、リース債務が8億43百万円増加したことによるものです。

この結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて、38億64百万円増加して447億47百万円となりました。

 

 ③ 純資産

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて、63億39百万円減少して507億1百万円となりました。これは主に、自己株式が35億44百万円増加(純資産は減少)、利益剰余金が25億99百万円減少したことによるものです。

 

(5) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前年同期に比べて、22億94百万円減少して240億82百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

 ① 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果得られた資金は、119億33百万円(前年同期比89億16百万円減)となりました。これは主に、減価償却費が71億56百万円、減損損失が13億22百万円、未払消費税等の増加が29億77百万円それぞれあったことによるものです。

 

 ② 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は、73億66百万円(前年同期比7億20百万円増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が38億7百万円、無形固定資産の取得による支出が26億95百万円それぞれあったことによるものです。

 

 ③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果使用した資金は、68億40百万円(前年同期比4億円増)となりました。これは主に、配当金の支払額が19億7百万円、自己株式の取得による支出が36億77百万円、リース債務の返済による支出が12億55百万円それぞれあったことによるものです。

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

当社グループの運転資金需要は主に、商品仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、長期性の資金需要は、店舗投資、システム投資及び更なる成長に向けたM&Aを含む成長投資等によるものであります。

運転資金及び長期性資金は、主に営業活動によって得られた自己資金を充当し、必要に応じて借入金等による資金調達を実施する方針としております。また、グループの資金は、当社にて一括運用・調達を行うことにより、グループの資金効率の向上を図っております。

 

 

(7) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、国内の非生産年齢の比率が生産年齢を上回ると言われる2025年を見据え、事業構造の変革に取り組んでまいりました。2022年2月期を、2025年へ向けた新たな成長戦略のための投資の年と定め、成長への歩みを止めることなく、将来へ向けた構想を具体化してまいります。

当社グループは、営業利益やキャッシュ・フロー創出力を示すEBITDA等の利益に関する指標、及びROE等の効率に関する指標を重視しており、当社グループが2025年に目指す姿としては、売上高成長率年平均5%、売上高営業利益率8%以上、ROE15%を掲げております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。