(1) 業績
当連結会計年度における我が国経済は、政府による経済・金融政策を受けて企業収益が拡大したほか、訪日外国人の増加によるインバウンド消費の拡大が続いていることで、サービス・小売業を中心に経済効果が見られており、雇用情勢や所得環境の改善など緩やかながら景況感は回復基調で推移いたしました。
しかしながら、中国や新興国の景気減速を起因とする、世界経済の下振れリスクの顕在化や、それに伴い為替水準が円高方向へと推移していることで、輸出企業を中心に牽引してきた今後の経済成長に対する懸念が強まってきているほか、大手企業の賃上げが前年水準を下回るなど、増税後持ち直してきていた個人消費が伸び悩みを見せており、景気の先行きに対する不透明感が増してきております。
報告セグメント等の業績は、次のとおりであります。
(a) コンビニエンス・ストア事業の概況
コンビニエンス・ストア業界におきましては、各チェーン間での統合・提携など再編の動きが活発化しており、大手3チェーンによる寡占化がさらに進むことにより、過度な競合状況は一時的に緩和されていくものとみられますが、首都圏を中心とした出店意欲は依然衰えておらず、都心部などでは小型スーパーなども交えた企業間競争は今後も続いていくものと思われます。
また、淹れたてコーヒーやカウンタードーナツなどの販売による新規の顧客獲得に動いているほか、弁当やパスタ、デザートなどの主力商品をリニューアルし、より高品質・高単価な商品を導入することで客単価の底上げを進めております。さらには、顧客層の拡大を図ることを目的とした、他業種とのポイントカードの提携によるカード会員の囲い込みなど、各種サービスの強化も行っております。
このような状況のもと、当社グループのコンビニエンス・ストア事業におきましては、競合店舗との差別化を強化するために商品陳列棚を増やし品揃えの拡大を行ったほか、直営店のメリットを生かした売れ筋商品の情報共有を迅速に行うとともに、主力商品の発注量見直しにより、販売機会損失の改善に取り組んでまいりました。
また、当社が独自で導入している「クリーニング取次ぎサービス」や「数字選択式宝くじ」及び「宝くじ」の販売など、お客様の利便性向上を第一に考え、他店舗との差別化となるサービスの提供に努めることで、店舗運営力を高めてまいりました。
なお、当期は出店、閉店ともに1店舗となったことで、当連結会計年度末現在の加盟店を含む店舗数は111店舗となりました。また、前期の消費増税後の買い控えの反動や、年間を通じて天候に恵まれたことなどから、既存店売上高前年比102.1%、既存店客数前年比101.6%と堅調に推移し、全店売上高につきましても、8月以降は前年を上回って推移いたしました。
この結果、当連結会計年度における業績は、コンビニエンス・ストア事業収入219億1百万円(対前年同期比1.4%増)、セグメント利益3億44百万円(対前年同期比58.3%増)となりました。
(b) マンションフロントサービス事業の概況
マンション業界におきましては、新築マンション市場において購入者に都心回帰の動きがみられるなど、都心・好立地エリアの高額物件の販売が好調に推移し市場を牽引しておりますが、建築費の高騰による販売価格の上昇などから供給・販売が可能なエリアに制約が生じていることもあり、平成27年の首都圏のマンション発売戸数は2年連続で減少し、直近5年間で最も供給数が少なくなっており、引き続き低調に推移することが見込まれております。
このような状況のもと、当社グループのマンションフロントサービス事業におきましては、カーシェアリングなど共用施設の付加価値サービスに加え、イベントやカルチャー教室開催の支援などの企画・提案力の強化を推進していくことで、顧客満足の向上に取り組むとともに、ハウスクリーニングサービスや、おせち料理などの予約取次ぎにも注力したほか、パートを含めた全従業員に対し個人情報保護に関する教育を実施するなど、安心の確保に努めてまいりました。
また、当期より人材ビジネスの拡大を視野に入れ、新たに人材派遣サービスを開始いたしました。長年にわたりマンションフロントサービスで培ってきた組織力や人材育成ノウハウを活かしながら、派遣対象者の募集・研修を進め、当社グループのネットワークを活用した、取引先のさらなる拡大に取り組んでおります。
なお、当連結会計年度末現在の総受託物件数は、新規受託マンション数は37件となる一方、解約物件が38件となったことで866件となりました。また、人材派遣サービスを開始したことによる先行経費負担が発生したほか、前期に大型の備品販売の成約案件があった反動から、セグメント利益は減益となっております。
この結果、当連結会計年度における業績は、マンションフロントサービス事業収入56億6百万円(対前年同期比0.0%増)、セグメント利益2億53百万円(対前年同期比17.1%減)となりました。
(c) クリーニング事業の概況
クリーニング業界におきましては、衣料品の機能性向上と低価格化、服装のカジュアル化や団塊世代のリタイアの影響などを受けて、1世帯当たりのクリーニング支出額は年々減少しております。また、需要の減少だけでなく、溶剤価格や配送コストの上昇が続いている影響から、クリーニング所・取次店の閉鎖が進むなど、近年のクリーニング業界を取り巻く経営環境は厳しさを増しております。
このような状況のもと、当社グループのクリーニング事業におきましては、マンションフロントやコンビニエンス・ストア店舗での便利、かつ、高品質のクリーニングサービスを提供するほか、法人向けクリーニングでは社員寮や研修施設、ホテル関連の新規案件を獲得するなど、受託案件の拡大に取り組んでまいりました。
また、ハウスクリーニングサービスでは提携先を新たに関西圏へと拡大し、特に年末に向けたお掃除代行サービスの引き合いを多くいただいたほか、自社工場と商品管理センターによる、制服のクリーニングからメンテナンス、在庫管理までを一元管理するメリットを活かしたトータルサービスの拡大にも引き続き取り組んでおり、取引先の拡大を進めております。
なお、ユニフォームの一元管理サービスの提供先企業の一部が、制服のリニューアルに合わせて洗濯や管理の方法を当期より変更した影響から、セグメント利益は減益となっております。
この結果、当連結会計年度における業績は、クリーニング事業収入11億44百万円(対前年同期比3.7%減)、セグメント利益46百万円(対前年同期比20.8%減)となりました。
(d) ホテル事業の概況
「日常生活の便利さを提供できる会社になりたい」という企業理念のもと、新たなサービスとして提供しておりましたホテル事業は、訪日外国人観光客数が過去最高を更新し、東京都心部を中心に引き続き需要が増加することが見込まれている現状を好機と捉え、当期より事業の拡大に取り組んでまいりました。
平成21年秋に開業し、運営しておりますビジネスホテル「CVS・BAY HOTEL」におきましては、JR京葉線の市川塩浜駅に隣接し利便性の高い立地であることなどを評価いただき、稼働率は引き続き好調に推移しており、週末や繁忙期に発生していた満室による機会損失を解消すべく、平成27年12月中旬に隣接地に新館を建設し、本館と併せて提供客室数を約1.5倍に拡大いたしました。なお、新館では女性専用のユニット区画を併設し、通常の客室についても本館よりもゆとりのある広さとすることで、より高価格帯での販売を進めております。
さらに、当期から新たな宿泊サービスとして、ユニット型ホテルの運営を開始いたしました。都心部において、既存の賃貸オフィスビルを賃借したうえで、コンバージョンを行い、自社運営宿泊施設としてサービスを提供しております。1軒目となる「東京銀座BAY HOTEL」を平成27年7月下旬に開業したことに続き、「東京日本橋BAY HOTEL」を平成27年12月上旬に、「日本橋室町BAY HOTEL」を平成28年1月下旬に開業したことで、銀座・日本橋地区で約600ユニット規模でのサービスを提供してまいります。各施設では和モダンを基調とした内装、ゆとりある共有休憩スペースやパウダールームなどの設備を備えることで、ビジネス利用者だけでなく観光客や女性のお客様からもご好評頂いております。
また、平成27年12月下旬に東京都江東区にて開業いたしました「東京有明BAY HOTEL」では、近隣イベント会場にお越しのお客様のご利用も想定し、シックで清潔感のある内装のほか、駐車場を備えることで車利用の宿泊需要の取り込みも目指しております。なお、「東京有明BAY HOTEL」におきましては、ユニット区画を男性専用として開業いたしましたが、稼働状況に伸び悩みが見られたことを受け、他施設において好調な女性のお客様の取り込みを狙い、3月中旬より1フロアを男性専用から女性専用フロアに改装しております。
今後も、認知度の向上や新たな需要の獲得に努めるほか、宿泊プランやサービス内容を充実させ、顧客満足度の向上に一層努めていくことで「BAY HOTEL」ブランドの価値向上に取り組むとともに、客室稼働率や単価の引き上げによる収益拡大に努めてまいります。
なお、当連結会計年度より「その他事業」に含まれていた「ホテル事業」について量的な重要性が増したことから報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。(以下、「(e) その他事業の概況」においても同じ。)
当期のセグメント業績は、次期開業予定施設を含めた、賃貸借契約手数料や開業前賃料の支払い、各種開業初期費用が発生したことに加え、一部の施設におきまして、開業後の稼働率の伸長に遅れがみられたことなどから、通期におけるセグメント利益は大幅に減少しております。
この結果、当連結会計年度における業績は、ホテル事業収入4億64百万円(対前年同期比71.7%増)、セグメント損失52百万円(前年同期は82百万円のセグメント利益)となりました。
(e) その他事業の概況
その他事業といたしまして、保有もしくはコンビニエンス・ストア事業に関連した不動産賃貸管理のほか、ヘアカットサービス店舗やネットカフェ店舗の運営など、各種サービスの提供を行っております。
この結果、当連結会計年度における業績は、その他事業収入2億54百万円(対前年同期比2.3%増)、セグメント利益30百万円(対前年同期比7.5%増)となりました。
以上の施策の結果、当社グループの当連結会計年度における業績は、営業総収入291億93百万円(対前年同期比1.6%増)、営業利益1億51百万円(対前年同期比34.3%減)、経常利益1億45百万円(対前年同期比48.0%減)となりました。また、当期純利益につきましては、コンビニエンス・ストア事業において、閉店実施予定店舗の見直しを行ったことから店舗閉鎖損失引当金戻入額を計上したほか、保有する店舗用不動産を売却したことに伴い固定資産売却益が発生したこと、連結納税開始に伴う税効果会計の影響により法人税等調整額を計上したことから、当期純利益1億98百万円(対前年同期比11.8%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ1億11百万円(5.4%)減少し、19億73百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1億85百万円の支出超過(前年同期は95百万円の収入超過)となりました。
その主な内訳は、投資不動産により3億36百万円の収入があった一方、投資不動産管理費により2億51百万円、店舗閉鎖損失により75百万円をそれぞれ支出したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、18億17百万円の支出超過(前年同期は33百万円の支出超過)となりました。
その主な内訳は、有形固定資産の売却により1億42百万円の収入があった一方、ホテル事業の拡大に伴った有形固定資産の取得により19億29百万円、敷金及び保証金の差入により1億4百万円をそれぞれ支出したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、18億91百万円の収入超過(前年同期は2億98百万円の収入超過)となりました。
その主な内訳は、長期借入金の収入により48億90百万円、短期借入金の純増により4億円の収入があった一方、長期借入金の返済により33億49百万円、配当金の支払により49百万円をそれぞれ支出したことによるものであります。
(3) 当連結会計年度末現在におけるコンビニエンス・ストア店舗数及びホテル施設の状況
|
地域別 |
コンビニエンス・ストア店舗 |
ホテル施設 |
||
|
直営店 |
加盟店 |
合計 |
||
|
東京都 |
65 |
3 |
68 |
4 |
|
千葉県 |
41 |
1 |
42 |
2 |
|
神奈川県 |
1 |
- |
1 |
- |
|
合計 |
107 |
4 |
111 |
6 |
(注)1 当連結会計年度において、コンビニエンス・ストア店舗の開店は1店舗、閉店は1店舗であります。
2 当連結会計年度において、ホテル施設の開業はビジネスホテル1棟、ユニット型ホテルは4棟であります。
3 上記には、連結子会社である株式会社アスク及び株式会社エフ.エイ.二四の店舗は含まれておりません。
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称
|
当連結会計年度 (自 平成27年3月1日 至 平成28年2月29日) |
前年同期比(%)
|
|
|
金額(千円) |
|||
|
コンビニエンス・ストア事業 |
21,901,779 |
|
101.4 |
|
マンションフロントサービス事業 |
5,606,474 |
|
100.0 |
|
クリーニング事業 |
1,144,150 |
|
96.3 |
|
ホテル事業 |
464,936 |
|
171.7 |
|
その他事業 |
254,095 |
|
102.3 |
|
報告セグメント計 |
29,371,436 |
|
101.6 |
|
調整額 |
△178,428 |
|
- |
|
合 計 |
29,193,007 |
|
101.6 |
(注)1 上記売上実績は、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、コンビニエンス・ストア事業を主な事業とし、マンションフロントサービス事業、クリーニング事業、ホテル事業、その他事業を営んでおります。
下記の販売実績は、コンビニエンス・ストア事業に係るものであります。
① コンビニエンス・ストア事業における地域別の販売状況
a 直営店
|
地域別 |
当連結会計年度 (自 平成27年3月1日 至 平成28年2月29日) |
前年同期比(%) |
|
金額(千円) |
||
|
コンビニエンス・ストア事業 |
|
|
|
東京都 |
13,824,586 |
103.8 |
|
千葉県 |
7,490,847 |
97.4 |
|
神奈川県 |
95,603 |
107.9 |
|
合計 |
21,411,037 |
101.4 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b 加盟店からの収入の対象となる加盟店売上高
|
地域別 |
当連結会計年度 (自 平成27年3月1日 至 平成28年2月29日) |
前年同期比(%) |
|
金額(千円) |
||
|
コンビニエンス・ストア事業 |
|
|
|
東京都 |
617,875 |
61.2 |
|
千葉県 |
193,891 |
96.6 |
|
合計 |
811,767 |
67.1 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
② コンビニエンス・ストア事業における商品別の販売状況
a 直営店
|
主要品目 |
当連結会計年度 (自 平成27年3月1日 至 平成28年2月29日) |
前年同期比(%) |
|
金額(千円) |
||
|
コンビニエンス・ストア事業 |
|
|
|
ファストフード |
5,733,399 |
104.3 |
|
生鮮食品 |
2,569,944 |
102.2 |
|
加工食品 |
6,184,451 |
103.8 |
|
食品計 |
14,487,795 |
103.7 |
|
非食品 |
6,150,529 |
96.4 |
|
サービス |
772,713 |
101.2 |
|
合計 |
21,411,037 |
101.4 |
(注)1 数量は品目が多岐にわたり、表示することは困難かつ適切でないため記載を省略しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b 加盟店からの収入の対象となる加盟店売上高
|
主要品目 |
当連結会計年度 (自 平成27年3月1日 至 平成28年2月29日) |
前年同期比(%) |
|
金額(千円) |
||
|
コンビニエンス・ストア事業 |
|
|
|
ファストフード |
199,987 |
68.9 |
|
生鮮食品 |
93,455 |
64.4 |
|
加工食品 |
239,373 |
70.4 |
|
食品計 |
532,817 |
68.7 |
|
非食品 |
269,767 |
68.2 |
|
サービス |
9,182 |
30.5 |
|
合計 |
811,767 |
67.1 |
(注)1 数量は品目が多岐にわたり、表示することは困難かつ適切でないため記載を省略しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
③ コンビニエンス・ストア事業における単位当たりの売上状況
a 直営店
|
項目 |
当連結会計年度 (自 平成27年3月1日 至 平成28年2月29日) |
前年同期比(%) |
|
|
コンビニエンス・ストア事業 |
|
|
|
|
売上高 |
(千円) |
21,411,037 |
101.4 |
|
1店舗当たり平均日販 |
(千円) |
543 |
104.5 |
|
売場面積 |
(㎡)(平均) |
12,147 |
96.8 |
|
1㎡当たり期間売上高 |
(千円) |
1,762 |
104.8 |
|
従業員数 |
(人)(平均) |
818 |
96.1 |
|
1人当たり期間売上高 |
(千円) |
26,174 |
105.6 |
(注)1 売場面積の計算基準については、期中平均によっております。
2 従業員数は、業務委託者並びにパート及びアルバイト(1日8時間換算)を含めた期中平均人数であります。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b 加盟店からの収入の対象となる加盟店売上高
|
項目 |
当連結会計年度 (自 平成27年3月1日 至 平成28年2月29日) |
前年同期比(%) |
|
|
コンビニエンス・ストア事業 |
|
|
|
|
売上高 |
(千円) |
811,767 |
67.1 |
|
1店舗当たり平均日販 |
(千円) |
554 |
100.4 |
|
売場面積 |
(㎡)(平均) |
447 |
70.5 |
|
1㎡当たり期間売上高 |
(千円) |
1,817 |
95.2 |
(注)1 売場面積の計算基準については、期中平均によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループの経営戦略及び対処すべき課題は以下のように考えております。
(1) コンビニエンス・ストア事業における収益力向上への対応
コンビニエンス・ストア事業は、大手チェーンによる都心部における出店意欲は引き続き強く、ミニスーパーも交えた企業間競争により、経営環境が一段と厳しくなっていく中で、既存店の売上高を飛躍的に拡大させることが難しい状況であると考えております。
このような経営環境において、当社は平成24年3月よりコンビニエンス・ストア業界で店舗数第2位の株式会社ローソンとの企業フランチャイズ契約を締結し、「ローソン」ブランドによる店舗運営を営んでおりますが、消費行動の多様化や人手不足が進むことなどを踏まえ、店舗数よりも収益性を重視した運営体制を敷いております。今後は、各店舗において、これまでの当社運営店舗の強みである顧客・立地ニーズに合わせた品揃えの充実や独自サービスの提供を通じた、生活インフラとしての便利さの提供を再度強化させることにより、安定的な事業収益の確保に取り組むとともに、新規出店については物件候補を厳選し収益性の高い店舗のみ出店することで、着実な事業拡大を目指してまいります。
(2) ホテル事業の収益力向上への対応
当社は、平成21年秋よりビジネスホテルの運営事業に参入しておりますが、訪日外国人観光客数が過去最高を更新しているなかで、東京都心部を中心に引き続き需要が増加することが見込まれている現状を好機と捉え、平成27年夏よりホテル事業の拡大に取り組んでおります。
既存のビジネスホテルの隣接地に新館を開業したほか、新たな宿泊事業としてユニット型ホテルを銀座・日本橋エリアなどに4施設開業いたしました。
新たに開業したビジネスホテル新館では、従来よりもゆとりのある部屋を高価格帯で販売していくことで、新たな収益基盤として成長させてまいります。
また、都心部における宿泊需要の多様化に対応すべく開始したユニット型ホテルでは、手頃な価格帯で「宿泊」を提供することで、より多くのお客様にご利用いただき、早期の収益確保が最重要な課題と認識しております。今後も知名度向上によるさらなる需要の獲得を行うと共に、施設数の拡大に努めてまいります。
さらなる事業拡大に向け「BAY HOTEL」ブランドの価値向上を実現させ、収益の確保、資産の有効活用、適正化を進めることで、財務面における影響も考慮した経営に取り組んでまいります。
(3) グループ各社の収益基盤の拡大への対応
株式会社アスクにおいては、昨今新規マンションの着工件数が減少していることから、マンションフロントサービス事業のマーケット規模拡大に勢いが見られないことを受け、サービス内容の拡充やマンション分野以外への事業領域拡大を進めております。
マンションフロントでのおせち料理やお米などの予約商材の販売の強化に取り組んでいるほか、新たに開始した人材派遣サービスでは、派遣予定者に対して研修を行い、派遣先で必要なスキルを習得後に派遣を行うことや多言語に対応した人材の派遣を行うことで、より高付加価値な人材の派遣に取り組んでおります。
また、株式会社エフ.エイ.二四においては、これまでの当社コンビニ店舗での「クリーニング取次ぎサービス」の提供にとどまることなく、クリーニングやリネン事業における新規顧客開拓に努めるとともに、自社クリーニング工場の有効活用を進めるほか、関係取引先工場とも連携を進め安定したサービス提供に努めてまいります。
(4) 内部統制システムの構築及び運用について
当社グループでは、コンプライアンスを遵守した透明性の高い経営を行うことが企業価値の増大に寄与すると考え、グループ全体の内部監査業務を統括して実施できるよう体制を変更し、子会社を含めた社内体制の強化に努めております。
各コンビニ店舗、ホテル施設、マンションフロントにつきましては、内部監査室による監査を定期的に実施し、適正な運営を行うため必要に応じて指導及び是正勧告などを行っているほか、会計監査におきましても、監査役と会計監査人が相互に連携し監査を実施しております。さらに、子会社を含めた担当者の人事交流を定期的に実施することによって、課題事項の早期把握に努めることで、適正な業務運営を図っております。
また、税務及びその他の法令に関する判断などにつきましては、顧問税理士及び顧問弁護士などと適時相談を行うことで、指導や助言を受けております。
今後とも、内部統制システム遵守を徹底すると同時に、体制の更なる強化を進めてまいります。
以下において、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報公開の観点から以下に記載しております。なお、当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をしてまいります。
なお、以下における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社が判断したものであり、事業などのリスクはこれらに限られるものではありません。
(1) コンビニエンス・ストア事業の「店舗ブランド」について
当社グループの主な事業は、コンビニエンス・ストア業界で店舗数第2位の株式会社ローソンと企業フランチャイズ契約を締結し、第33期(平成24年3月1日)以降、主として直営方式による「ローソン」店舗にて、米飯・惣菜などのファストフードその他食品ならびに、日用品などの非食品の小売業及び公共料金の料金収納代行などのサービスを提供しております。
また、直営店以外にも、コンビニエンス・ストア経営希望者と「フランチャイズ・チェーン加盟店契約」を締結し、加盟店に対して経営ノウハウとその情報等の供与及び資金面の支援などを行い、その対価としてロイヤリティー収入を得ております。
株式会社ローソンとの「フランチャイズ契約」の契約期間は、平成24年3月1日より満15年間で、短期的には当社の事業内容に影響はありませんが、事業規模の大幅な縮小などには違約金が生じるほか、契約内容の変更などがあった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(2) コンビニエンス・ストア事業の運営環境の変化について
当社グループが運営するコンビニエンス・ストア店舗は、オフィス立地・ロードサイド立地・行楽立地・住宅立地のみならず、一般的には加盟店として運営するには困難な立地(当社では立地創造型の店舗と称しております。)にも積極的に出店しているほか、個店に合わせた商品展開を行っていることが、当社の特徴となっております。
しかしながら、主に店舗運営を行っている東京都・千葉県においては、大手4社が運営する店舗数が、5年前には約6,800店舗であったものの、当連結会計年度末時点では約8,700店舗となるなど、店舗数が大幅に増加しているなかで、個店の店舗収支を重視することなく、総店舗数を重視するかのような事例も散見されるほか、小型スーパーの台頭もあり各店舗の商圏が縮小する傾向が続いております。
また、商品展開においても、チェーン本部によるPB商品の大幅な増加を受けて、NB商品の新規発売アイテム数が減少するなど、個店における差別化の選択肢が狭まっているほか、大手チェーンによる店舗ブランド統合が進むことで競争の優位性が失われる懸念もあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(3) ホテル事業の運営環境の変化について
当社グループが運営するホテル事業では、都心部における宿泊需要が中期的に増加することを見据えて、積極的にホテル施設の拡大を行っており、「BAY HOTEL」ブランドの認知度、価値向上に取り組んでおります。
しかしながら、訪日観光客数の増加が続いていることや平成32年夏に東京オリンピックが開催されることを見込んだ競合他社が、都心部や舞浜・新浦安地区などにおいて、需要の伸び以上に提供する客室数を大幅に増加させる投資を行った場合は、客室単価や稼働率が低下することが予想されます。
また、世界経済の減速や為替水準の大幅な円高傾向が進む場合のみならず、大規模な地震などの自然災害や流行性疾患が発生した場合においては、訪日観光客数の大幅な減少が予想されるほか、出張需要の見合わせなど、宿泊需要が縮小することが想定されます。
同事業は、当社グループの各事業と比較して高額となる固定費が、稼働率に係わらず発生することから、上記のような運営環境の大幅な変化があった場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(4) 資金の借入及び金利水準の変化について
当社グループでは、当期以前より千葉市内の大型賃貸オフィスビルや、市川市内の再開発予定地を購入したことによる借入負債があるほか、当期に、ビジネスホテル1棟の建設と、ユニット型ホテル4棟をコンバージョン工事の上で開業したことで、当事業年度末の借入金残高は大幅に増加しております。ホテルの開業には、1棟当たり多額の設備投資を要することから、今後の事業計画の進展によっては、さらなる投資資金の調達が必要となります。
取引先各行との関係は良好であるものの、投資資金の新規調達が難しくなる場合にはさらなるホテル施設の拡大に制約が生じるほか、借入金の一部を変動金利で調達していることから、金利水準が大幅に上昇する場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(5) 固定資産及び保有有価証券の資産価値の毀損について
当社グループの各事業においては、運営に必要となる施設の建物及び内装資産のほか、不動産などの固定資産を保有しておりますが、競合の激化や環境変化による収支の悪化や、当初の見込み通りの収益が確保できないことにより、固定資産の減損処理が必要となることが考えられるほか、地震による価値毀損リスクを有しております。
また、資金運用の一環として有価証券を保有しております。主に、過去に投資した有価証券を継続して保有しているものであり、資金需要や財務状況などを考慮の上で保有残高を低減させる方針でおりますが、有価証券の特性上から価格変動リスクに曝されております。
これらの資産価値の大幅な毀損が生じる場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(6) マンションフロントサービス事業の運営環境の変化について
当社グループが提供するマンションフロントサービス事業においては、連結営業総収入の20%程度を占めるまでに成長いたしましたが、昨今の新規マンション販売動向において、各種サービスを提供することに適した物件数が減少するなど、市場拡大に一時ほどの成長が見込めないほか、各マンションの管理組合においても、共有部分の維持に掛かる電気代の上昇や消費税増税に伴う管理コストの増額の影響により、収支状況が厳しい組合も増加しております。
このような状況のもと、サービス内容の拡充やマンション分野以外へと事業領域の拡大を進めておりますが、継続的に成長する保証はなく、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(7) クリーニング事業の運営環境の変化について
当社グループが提供するクリーニング事業においては、全国のクリーニング需要が年々減少を続けているなか、都心部かつ比較的所得の高い顧客層を対象にサービスを提供していることから、一定の需要を確保しているほか、グループ各社との連携により法人需要の新規獲得を進めております。
しかしながら、溶剤価格や配送コスト、人件費が上昇しているものの、サービス価格の見直しの動きは進んでいないことから、クリーニング事業で提携する工場各社の経営環境は厳しさを増しており、一部地域ではクリーニング需要が見込めるものの、配送を含めた収支コストや工場の要員確保の関係から、新規取引先からの受注に支障が出る事例も出ております。
引き続き、自社工場の活用や提携先のクリーニング工場の採算性向上に努めてまいりますが、提携先工場の確保が難しくなる場合においてはサービスの提供に支障が出る恐れがあり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(1)フランチャイズ契約の要旨
a 契約会社名 株式会社シー・ヴイ・エス・ベイエリア
b 相手方の名称 株式会社ローソン
c 契約の名称 企業フランチャイズ契約
d 契約の本旨
株式会社ローソンが保有する店舗ブランド名にて、当社が直営方式並びにフランチャイズ方式によるコンビニエンス・ストア事業を運営するために必要となる、店舗運営情報の提供などに関する契約。
e 契約の内容
株式会社ローソンの有する商標・ブランド商品・店舗設計やレイアウトに関するノウハウ・商品販売技術・店舗管理方式・従業員教育研修方式を用いることや、株式会社ローソンの推奨商品の仕入(ただし、株式会社ローソンの承認を得て推奨商品以外の商品の仕入れも可能)ができるとともに、株式会社ローソンに対し、総荒利益高に対して一定率の企業フランチャイズチャージを支払う義務を負う。
f 契約の対象 ローソンの経営する各種業態
g 出資金等 出資金 1店舗につき150万円
企業フランチャイズチャージ 総荒利益高に対して一定率
h 契約期間
1 本契約の期間は、平成39年2月末日までの満15年間とする。
2 双方の合意により契約期間を更新する。
(2)フランチャイズ・チェーン加盟店契約の要旨
a 契約会社名 株式会社シー・ヴイ・エス・ベイエリア
b 相手方の名称 当社加盟店
c 契約の名称 ベイエリア フランチャイズ・チェーン加盟店契約
d 契約の本旨
当社と当社加盟店とで、株式会社ローソンが保有する店舗ブランド名にてコンビニエンス・ストアを経営するためのフランチャイズ契約関係を形成すること。
e 契約期間
1 新規オープンの日の属する月の初日から満10ヵ年目の日とする。
2 双方の合意により契約期間を更新する。
特記すべき事項はありません。
(1)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて18億46百万円(17.1%)増加し、126億47百万円となりました。その主な内訳は、繰延税金資産が1億45百万円増加した一方、有価証券が1億5百万円減少したことなどにより、流動資産が79百万円増加し、また、ホテル事業の拡大により、建物が15億38百万円、工具器具備品が4億45百万円それぞれ増加した一方、保有する店舗の売却により土地が1億6百万円減少したことなどにより、固定資産が17億66百万円増加したことであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債総額は、前連結会計年度末に比べて16億88百万円(19.2%)増加し、104億74百万円となりました。その主な内訳は、短期借入金が4億円増加した一方、1年内返済予定の長期借入金が17億97百万円、店舗閉鎖損失引当金が1億70百万円それぞれ減少したことなどにより、流動負債が18億98百万円減少し、また、長期借入金が33億37百万円増加したことなどにより、固定負債が35億86百万円増加したことであります。
なお、ホテル事業の拡大による新規借入れを行ったほか、1年内返済予定の長期借入金に関しては、長期借入金に借換えを実行しております。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて1億57百万円(7.8%)増加し、21億72百万円となりました。その主な内訳は、剰余金の配当を行ったほか、当期純利益を1億98百万円計上したことであります。
(2)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの分析については、「第2〔事業の状況〕 1〔業績等の概要〕 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
|
|
平成25年2月期 |
平成26年2月期 |
平成27年2月期 |
平成28年2月期 |
|
自己資本比率(%) |
24.3 |
16.6 |
18.7 |
17.2 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
38.3 |
114.2 |
59.0 |
32.4 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
8.2 |
11.1 |
43.9 |
- |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
8.5 |
7.4 |
2.1 |
- |
(注)1 自己資本比率:自己資本/総資産
2 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
3 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
4 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※ 営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び連結損益計算書に計上されている「支払利息」を用いております。
※ 平成28年2月期は、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは記載しておりません。
(3)経営成績の分析
当連結会計年度における当社の経営成績は「第2〔事業の状況〕 1〔業績等の概要〕 (1)業績」に記載のとおりで、主な要因は下記のとおりであります。
(営業総収入)
当連結会計年度における営業総収入は、前連結会計年度に比べ4億66百万円(1.6%)増加し、291億93百万円となりました。その主な要因は、前期の消費税増税後の買い控えの反動や年間を通じて天候に恵まれたことなどからコンビニエンス・ストア事業収入が3億4百万円、ビジネスホテルの新館の建築やユニット型ホテルを4棟を開業したことなどからホテル事業収入が1億94百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ79百万円(34.3%)減少し、1億51百万円となりました。その主な要因は、前期において不採算店舗の閉店及び運営の撤退を進めたことによりコンビニエンス・ストア事業で1億26百万円増加した一方、次期開業予定施設を含めた賃貸借契約手数料や開業前賃料の支払い、各種開業初期費用が発生したことなどによりホテル事業で1億34百万円減少したことなどによるものであります。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ1億33百万円(48.0%)減少し、1億45百万円となりました。その主な要因は、上記の記載のとおり営業利益が減少したことによるものであります。
(当期純利益)
当連結会計年度における当期純利益は、前連結会計年度に比べ26百万円(11.8%)減少し、1億98百万円となりました。その主な要因は、上記の結果に加え、閉店実施予定店舗の見直しにより店舗閉鎖損失引当金戻入額を計上したことや保有する店舗用不動産の売却により固定資産売却益を計上したことなどによるものであります。