(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは新たな共通の経営理念として『生活のなかで彩りを感じて頂く、新しいサービスを発見し、創造し、提供する』を掲げております。お客様が生活を営む上で必要不可欠なこと、それは「喜ぶこと、楽しむこと、そして明日への希望を抱くことである」と考えており、当社の存在意義は「お客様の気持ちを、光あふれる明るい方向へと向ける、そのようなサービスを実現すること」にこそあります。この価値観を、従業員一同が共有することで、すべてのステークホルダーから信頼される企業づくりを進めてまいります。
(株式会社シ-・ヴイ・エス・ベイエリア)
ホテル事業におきましては、千葉県内で運営するビジネスホテルは、大型テーマパーク近隣のホテルの多くが立地特性を活かしてリゾート指向の施設運営を行うなか、宿泊特化型かつ部屋の広さもコンパクトなビジネスホテルとすることで、他施設との差別化を図るとともに、増築棟の開業により280室を超える客室数となったスケールメリットを活かし、研修や修学旅行などの団体需要の獲得を進めていくことで、より安定した収益の確保を目指しております。
また、ユニット型ホテルは、獲得を目指す顧客セグメントをより明確化し、その顧客セグメントへ向けた各種プランを企画し、付加価値の最大化を目指すことで、価格競争からの脱却を行うとともに、より収益性の高いビジネスモデルの構築を目指してまいります。
コンビニエンス・ストア事業におきましては、ホテル施設に併設した店舗や特殊行楽立地の店舗を運営しており、一般的なコンビニと同様の画一的な商品やサービスを提供するのではなく、立地条件や客層にあわせた商品・サービスの提供を心掛けた運営を行っております。
(株式会社アスク、その他地域運営会社8社)
会社ロゴである『ASQ』を掲げております。
マンションフロントサービスを通して居住者様に快適(Amenity)と安心・安全(Security)を提案し、心地よい高品質(Quality)な暮らしをサポートしてまいります。また、イベント開催支援などの付加価値の創造を通じた満足度の向上に努めるとともに、100世帯以下の中・小規模マンション向けの生活、管理組合、管理会社向け支援ツール「OICOS Lite」の導入物件数の拡大のほか、マンション居住者向けに厳選した商品の販売を行うショッピングサイト「ASQGEM」のサービス拡充を目指しております。
(株式会社エフ.エイ.二四)
『クリーニングを主としたサービス企業への変身』を掲げております。
グループ各社が、コンビニエンス・ストアやマンションなどで実施しているクリーニング取次ぎ業務を一括管理することで、スケールメリットを活かしたサービスを提供しております。また、企業の寮や宿泊施設でのサービス提供を拡大しているほか、リネン分野として「クリーニング、メンテナンス、在庫管理、集配」までを一元で請け負うトータルサービスの提供に取り組んでおり、さらなる事業拡大を目指しております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、主な中期的な経営目標として、会社の持続的な成長に向けた営業利益の安定的な確保および新たな事業の確立を目標としております。コンビニエンス・ストア事業の再編以降、収益性を重視した経営方針のもと各事業の事業計画の再構築を進めてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、ホテル事業においては、各施設の売上高が大幅に減少し、ユニット型ホテル4施設の閉店を余儀なくされるなど、厳しい事業環境が続いておりました。2022年秋以降、入国制限の上限撤廃や『全国旅行支援』の開始に伴い、宿泊需要が急速に回復したことで、各施設の稼働率、客室単価は大幅な改善が続くなど、ホテル事業における事業環境は明るさが見られております。更なる収益回復に向け、引き続きマーケティング施策を進めてまいります。また、マンションフロント事業においては、中・小規模マンション向けの生活、管理組合、管理会社向け支援ツール「OICOS Lite」の導入物件数の拡大のほか、マンション居住者向けに厳選した商品の販売を行うショッピングサイトの取扱商品の拡充を進めていくことに加え、非マンションフロントサービスの案件獲得に努めていくことで更なる収益拡大を図ってまいりますが、現時点において中長期的な数値目標は定めておりません。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループ各社は、中長期的な経営戦略として以下の事項に取り組んでおります。
(株式会社シー・ヴイ・エス・ベイエリア)
a.ビジネスホテル「CVS・BAY HOTEL」は、市川塩浜駅前地区を重要な事業拠点としてさらなる収益拡大に努めていくとともに、客室数の増加によるスケールメリットを活かした団体需要などの獲得を推進していくことで、同エリアにおける確固たる地位の確保、収益力の向上に努めます。
b.ユニット型ホテル「BAY HOTEL」は、コアターゲットに向けた独自のサービスや宿泊プランの提供を行うことで、差別化された価値による価格競争からの脱却を目指すとともに、収益力の強化に努めます。
c.個々のコンビニ店舗を取り巻く競合環境に適応した運営を目指し、商圏のお客様にあわせた商品・サービスの提供に努めます。
d.2021年に開業したキャンプ場の認知度向上による売上拡大のほか、グランピング施設など開発を目指していくことで、新たな収益の柱を構築してまいります。
(株式会社アスク)
a.既存のマンション内ショップ、カフェサービスの品質向上を目指すとともに新しい生活様式に対応したマンション内のフリースペースを活用したイベント開催支援サービスの企画、提案に努めていくことで、居住者様への生活支援サービスの強化を図ります。
b.人材教育センターを通して、より質の高いフロントスタッフの育成に努めます。
c.シェアオフィスやコワーキングスペースなどにおける受付サービスの新規受注を進めてまいります。
d.サービスプラットフォームの構築による非対人型のコンシェルジュサービスの提供を進めてまいります。
(株式会社エフ.エイ.二四)
a.グループ各社のサービス拠点を活用したクリーニングサービスの拡大を進めてまいります。
b.制服の「クリーニング、メンテナンス、在庫管理、集配」までを一元で請け負うトータルサービスの顧客拡大に努めてまいります。
c.ハウスクリーニングのビジネスパートナーの拡大に努め、売上高の獲得を図ってまいります。
d.グループ各社との情報交換を図り、日常生活の便利さを追求した新サービスの提供を実現してまいります。
(4) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が徐々に緩和され、経済活動は正常化に向かう動きが見られ、入国制限の上限撤廃や『全国旅行支援』などを追い風に宿泊業界を中心に需要の改善が大幅に進みました。
マスク着用の緩和やイベント開催の制限の撤廃など、社会はコロナ禍以前の行動様式へ戻りつつあり、レジャー需要を中心に更なる消費拡大が期待される一方、ウクライナ危機の長期化による、世界的な資源価格の高騰のほか、日米金利政策を背景とした急速な為替変動による、個人消費への影響が懸念されるなど、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。当社が注力しているホテル事業においては、2022年10月以降、入国制限の上限撤廃や『全国旅行支援』の開始に伴い、宿泊需要が急激に拡大したことで、各施設の稼働率、客室単価は大幅に伸長するなど、収益性の改善が進んできておりますが、更なる収益改善には、これまで同事業の強みであったリーズナブルな価格でより多くの宿泊を提供する事業モデルからコアターゲットを明確にし、高付加価値なサービス提供による収益性の高い事業モデルへとシフトしていくことが重要であると認識しており、その他の各事業においても、コロナ禍を経て社会の生活様式が大きく変化するなかで、需要の変化に対応したサービスの変容が求められております。こうした経営環境の中、当社グループは2022年2月期より新たな共通の経営理念として『生活のなかで彩りを感じて頂く、新しいサービスを発見し、創造し、提供する』を掲げており、経営理念を具現化していくため、下記の事項を対処すべき主な課題として捉え対応に取り組んでまいります。
① ホテル事業の収益力向上への対応
当社が運営するホテル事業においては、2020年2月以降、新型コロナウイルス感染症の蔓延による宿泊需要の大幅な減少を受け、ユニット型ホテル施設においては事業規模の縮小を余儀なくされるなど、厳しい状況が続いておりましたが、2022年10月以降、入国制限の上限撤廃や『全国旅行支援』の開始などにより、宿泊需要が急激に拡大したことで、各施設の稼働率、客室単価は大幅に改善してきており、引き続きレジャー需要の改善が進んで行くことが期待される一方、インバウンド需要などを含めた従前の宿泊需要の水準までに回復するにはさらに一定の期間を要することを見込んでおり、需要の変化を見据えたマーケティング施策を進め、更なる収益性の改善を図っていくことが課題であると認識しております。
ビジネスホテルにおきましては、千葉県市川市で運営する「CVS・BAY HOTEL」では、増築棟の開業により280室を超える客室数となったスケールメリットを活かし、積極的な営業活動を行うなど、研修や修学旅行などの法人団体、教育旅行団体などの獲得を積極的に推進していくほか、また利用客層と親和性の高いコンテンツとのコラボによる高付加価値サービスの提供を行うことで、更なる収益性の改善に努めてまいります。また、東京都港区で運営する『BAY HOTEL東京浜松町』におきましては、「ユニットフロア」の全面リニューアル工事を実施し、Z世代を中心とした女性グループや小さなお子様を含むファミリー向けに、ゆったりとくつろいでご宿泊いただける個室として2023年3月から販売を開始するなど、時代のニーズに対応したサービス提供に努めてまいります。
また、ユニット型ホテルにおきましては、コロナ禍においても好調に推移したメディアコンテンツとのコラボ企画を継続的に行い、限定グッズの販売なども併せて実施していくことで、当該施設でしか提供できない差別化されたサービス提供により、価格競争からの脱却を行うとともに、より収益性の高い施設運営を行ってまいります。
② 各事業における事業拡大及び収益性の改善への対応
マンションフロントサービス事業におきましては、近年新規マンションの着工件数が減少傾向であることから、シェアオフィスやコワーキングスペースのほか企業受付などの非マンションフロント案件への事業領域拡大を進めております。100世帯以下の中・小規模マンション向けの生活、管理組合、管理会社向け支援ツール「OICOS Lite」の導入物件数の拡大のほか、マンション居住者向けに厳選した商品の販売を行うショッピングサイトの取扱商品の拡充を進めていくことで、さらなる収益の拡大を図ってまいります。
クリーニング事業におきましては、在宅ワークの増加などの生活様式の変化を受け、一般のクリーニング需要は今後も減少していくことを踏まえ、マンション居住者などを中心とした既存顧客に対して需要の掘り起こしを行うとともに、事業拠点の集約のほか、集荷、配送などの合理化によるコスト削減を進めていくことで、収益性の改善を進めてまいります。
コンビニエンス・ストア事業におきましては、市場の飽和状態が顕在化する中で、今後も厳しい事業環境が継続していくことを見込んでおりますが、主力店舗近隣の大規模展示場における各種イベントに対応した独自商品の仕入などを進めていくほか、個店毎の商圏に対応した品揃えの見直しを行うことで既存需要に対する売上の最大化を追求していくとともに、2023年1月以降、店舗のリニューアル工事を実施し、『まちかど厨房』などの設備を新たに導入するなど、更なる収益力の向上に努めてまいります。
その他事業におきましては、今後も安定した賃料収益を確保するとともに、2021年6月に千葉県成田市において新規開業いたしましたキャンプ場が好調に推移していることから、さらなる収益拡大に向け、現在、2024年春頃、同市内にてアウトドアリゾート施設の開業を検討しており、引き続き新たな事業の可能性を模索してまいります。
③ 内部統制システムの構築及び運用について
当社グループでは、コンプライアンスを遵守した透明性の高い経営を行うことが企業価値の増大に寄与すると考え、グループ全体の内部監査業務を統括して実施できる体制を構築し、子会社を含めた体制強化に努めております。
各ホテル施設、マンションフロント、コンビニエンス・ストア店舗につきましては、内部監査室による監査を定期的に実施のうえで、適正な運営を行うため必要に応じて指導及び是正勧告などを行っているほか、会計監査におきましても、監査等委員会と会計監査人が相互に連携し監査を実施しております。
さらに、子会社を含めた担当者の人事異動交流を定期的に実施することにより、課題事項の早期把握に努めるなど、適正な業務運営を図っております。
また、税務及びその他の法令に関する判断などにつきましては、顧問税理士及び顧問弁護士などと適時相談を行うことで、指導や助言を受けております。今後とも、内部統制システム遵守を徹底すると同時に、体制の更なる強化を進めてまいります。
以下において、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報公開の観点から以下に記載しております。
なお、当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をしてまいります。
また、以下における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社が判断したものであり、事業などのリスクはこれらに限られるものではありません。
(1) 自然災害および流行性疾患の発生
当社グループが運営するホテル事業においては、大地震、台風等の自然災害や、新型コロナウイルス感染症、新型インフルエンザ等の流行疾患が発生した場合は、国内の旅行マインドの減退や、海外からの入国規制や渡航自粛によるインバウンド需要の減退等により、首都圏における宿泊需要が大きく減少し、都心で運営する各施設の売上は苦戦することが見込まれるほか、大型テーマパークの近隣で運営しているホテル施設においては、休園及び入場制限等が行われた場合には、入園者数の減少によるレジャー需要の低下からホテル施設の収益が大幅に減少することが想定されます。ホテル事業においては宿泊需要の変化に対応したマーケティング施策を進めており、稼働率重視の施策から高付加価値の提供による収益性の高い収益モデルの確立に努めてまいりますが、当社グループの各事業と比較して高額となる固定費が、稼働率に係わらず発生することから、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(2) 固定資産の減損及び保有有価証券の資産価値の毀損について
当社グループは、ホテル事業の運営に必要となる施設及び内装資産のほか、投資不動産などの固定資産を保有しております。市川市内の自社所有のビジネスホテル施設は建設費などの多額の設備投資を行っていることから、今後、計画した収益が確保できない場合には、固定資産の減損処理が必要となることが考えられるほか、地震による価値毀損リスクも有しております。
また、資金運用の一環として有価証券等を保有しております。主に投資事業組合を通じた、未上場会社への投資であり、取締役会での十分な審議の上、投資判断を行っておりますが、資産の特性上、リスクの高い金融資産に分類されることから、投資先の成長が計画通りに進まない場合は、投資資産に毀損が生じる可能性があり、当社グループの業績に影響を与える場合があります。
(3) マンションフロントサービス事業の運営環境の変化について
当社グループが提供するマンションフロントサービス事業は、昨今の新規マンション販売動向において、各種サービスを提供することに適した物件数が減少するなど、市場拡大に一時ほどの成長が見込めないほか、各マンションの管理組合においても、管理コストの上昇により、収支状況が厳しい組合も増加しております。また、新型コロナウイルス感染症の影響による在宅ワークの増加により、フロントでのクリーニング取扱高の減少が見られております。
同事業においては、サービス内容の拡充や差別化された付加価値の提供による価格競争からの脱却を目指し、コンシェルジェの継続的な教育、研修を実施しているほか、新しい生活様式に対応したサービスの企画、提案に努めておりますが、受付スタッフの採用コストの上昇による収益の圧迫が懸念されております。また、シェアオフィスやコワーキングスペースにおける受託業務など、今後の成長が期待される領域への開拓に加え、100世帯以下の中・小規模マンション向けの生活、管理組合、管理会社向け支援ツール「OICOS Lite」の導入物件数の拡大のほか、マンション居住者向けに厳選した商品の販売を行うショッピングサイトの取扱商品の拡充を進めていくことで、さらなる収益の拡大を図ってまいりますが、継続的に成長する保証はなく、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4) コンビニエンス・ストア事業の大規模展示場の依存について
当社が運営するコンビニエンス・ストア事業の主力店舗の一部は、近隣の大規模展示場の来場者から数多くご利用いただいているほか、大規模イベント開催の際には独自の仕入れ商品の販売を行うなど、各種イベントに対応した販売施策を積極的に実施しております。自然災害や長期修繕工事などにより同会場でのイベント中止及び規模の縮小が行われ、来場者が大幅に減少した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5) 出店エリアの集中について
当社のホテル事業を含めた出店エリアは千葉の一部及び東京3区(千代田区、港区、江東区)となっていることから、局地的な災害や感染症が発生した場合に、当社店舗の多くが営業を続けることが困難になる可能性があるなど、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(6) クリーニング事業の運営環境の変化について
当社グループが提供するクリーニング事業においては、全国のクリーニング需要が年々減少を続けているほか、洗濯や配送コストの上昇が続いている影響から、クリーニング所・取次店の閉鎖が進んでいるほか、近年は在宅ワークの増加を受け、Yシャツやスーツなどのビジネス衣料の取扱高は減少しており、クリーニング業界を取り巻く環境は厳しさを増しております。
同事業では、収益性を重視した経営体構築に向け、事業拠点の集約のほか、集荷、配送などの合理化によるコスト削減を進めていくことに加え、マンション居住者などを中心とした既存顧客に対して需要の掘り起こしを行うとともに、寮やマンション向けの営繕、修繕サービスについても、関係取引先とも連携を進め拡大に努めてまいりますが、こうした需要の獲得が想定通りに進まない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
1.経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。この結果、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明において増減額及び前年比(%)を記載せずに説明しております。
(1) 経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が徐々に緩和され、経済活動は正常化に向かう動きが見られ、入国制限の上限撤廃や『全国旅行支援』などを追い風に宿泊業界を中心に需要の改善が大幅に進みました。一方、ウクライナ危機の長期化による、世界的な資源価格の高騰のほか、日米金利政策を背景とした急速な為替変動による、個人消費への影響が懸念されるなど、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
こうした環境の中、当社グループにおきましては、マンションフロントサービス事業においては、安定した収益を確保したほか、ホテル事業においては10月以降、入国制限の撤廃や『全国旅行支援』が開始されたことを追い風に、宿泊需要が急拡大したことで、稼働率、客室単価ともに大幅に伸長いたしました。また、コンビニエンス・ストア事業においても店舗に併設する自社ホテルの宿泊者数の増加に加え、レジャー需要の高まりなどにより売上高、収益ともに改善が進みました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度における業績は、営業総収入69億26百万円(前年同期は営業総収入72億9百万円)、営業利益81百万円(前年同期は3億23百万円の営業損失)、経常利益47百万円(前年同期は3億58百万円の経常損失)、店舗閉鎖損失引当金繰入額37百万円を特別損失として計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純損失は13百万円(前年同期は8億31百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、当連結会計年度の営業総収入が6億98百万円減少しておりますが、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純損失に与える影響は軽微であります。
当社のセグメントの業績は次のとおりであります。
(ホテル事業)
ホテル事業におきましては、東京都心や千葉県市川市、浦安市内において、ビジネスホテル及びユニット型ホテルを運営しております。
各施設においては、新型コロナウイルス感染症の感染予防の徹底に努め、安心安全な宿泊サービスの提供を行うとともに、法人や学校などの団体予約の獲得のほか宿泊予約の早期獲得に向けたプランニングの整備を進めてまいりました。
千葉県内で運営するビジネスホテル施設におきましては春先以降、近隣のテーマパークの来園者の増加などにより、レジャー関連の宿泊者数の改善が進んだほかスポーツイベントや研修などの団体需要への営業を強化し、顧客獲得を積極的に進めてまいりました。さらに10月に入り、入国制限の上限撤廃や『全国旅行支援』などを追い風に、宿泊需要が急拡大したことにより、稼働率、客室単価ともに大幅に改善が進みました。
また、東京都港区で運営する『BAY HOTEL東京浜松町』におきましては、「ユニットフロア」の全面リニューアル工事を実施し、Z世代を中心とした女性グループや小さなお子様を含むファミリー向けに、ゆったりとくつろいでご宿泊いただける個室として2023年3月から販売を開始するなど、時代のニーズに対応したサービス提供に努めております。
都心を中心に2施設を運営しておりますユニット型ホテルにおきましては、『全国旅行支援』開始に伴い10月中旬以降、都心における宿泊需要の回復とともにビジネスホテルの客室単価が高騰していることを受け、より手軽にご利用いただける同施設への需要は大幅に改善しております。また、スマートフォンアプリゲームとのコラボを実施するなど、今後も宿泊需要だけでなく、グッズ販売やファン同士の集いの場としての需要獲得をさらに進めてまいります。
なお、『全国旅行支援』が2023年1月中旬に再開されたことを受け、通常は閑散期となる1月、2月においても各施設の売上高は引き続き高水準で推移したことで、セグメント収益は大幅に改善しております。
この結果、当連結会計年度における業績は、ホテル事業収入9億66百万円(前年同期は5億26百万円)、セグメント損失21百万円(前年同期は3億39百万円のセグメント損失)となりました。なお、ホテル事業においては収益認識会計基準等の適用による事業収入への影響は軽微であり、セグメント損失への影響はありません。
(マンションフロントサービス事業)
マンションフロントサービス事業におきましては、マンションコンシェルジュによる高付加価値サービスの提供を通じたワンランク上のマンションライフの実現に努め、独立系の企業として業界トップシェアを有しております。また、その他では企業受付・シェアオフィスコンシェルジュなど、主サービスであるマンションコンシェルジュ業務にて培った高付加価値サービスを活かし、人が人に対するサービスの提供を行っております。
新型コロナウイルス感染症の影響による、在宅勤務の増加や行動様式の変化などにより、フロントでのクリーニング取扱高、マンション内のショップ売上及び居住者向けのイベント開催支援などの付帯サービスは苦戦が続いておりましたが、コロナ禍から通常の社会生活へと戻りつつある中で緩やかな回復傾向にあります。その他、マンション居住者、管理組合、管理会社向け支援ツール「OICOS」の機能拡充に加え、100世帯以下の中・小規模マンション向けの「OICOS Lite」ならびに、同シリーズと連携可能なスマホアプリ「OICOS App」を通じ、マンション規模が小さく有人フロントサービスを提供出来ない施設への導入提案を推進しており、併せて関係取引先が提供するサービスとも連動した新たなサービス領域の開拓も行っております。なお、9月1日付で会社分割により新たに地域運営会社を5社設立しており、今後もより細やかに居住者様のニーズに対応してまいります。
当連結会計年度末時点における総受注件数はカーシェアリングサービスの縮小などにより対前期末比6件減の748件となりました。
この結果、当連結会計年度における業績は、マンションフロントサービス事業収入42億81百万円(前年同期は45億34百万円)、セグメント利益4億27百万円(前年同期は4億7百万円のセグメント利益)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、マンションフロントサービス事業収入は1億46百万円減少しておりますが、セグメント利益への影響はありません。
(クリーニング事業)
クリーニング事業におきましては、マンションフロント、コンビニエンス・ストア店舗や社員寮においてクリーニングサービスを提供しているほか、法人向けサービスとして、マンション内のゲストルームやホテルにおけるリネンサプライのほか、商品管理センターによる、ユニフォームのクリーニングからメンテナンス、在庫管理までを一元管理するトータルサービスの提供を行っております。
新型コロナウイルス感染症の影響は、徐々に落ち着きが見られているものの、個人向けクリーニングにおいては、取次拠点の減少に加え、在宅勤務の普及によるワイシャツ、スーツのクリーニングの需要減少などにより、取次件数の減少傾向が続いていることから、既存顧客へのアプローチを強化し、需要の掘り起こしに向けた施策を進め、ハウスクリーニングなどの需要獲得に努めてまいります。なお、事業拠点の集約などによる業務効率化のため、9月末を以て自社工場を閉鎖いたしました。
この結果、当連結会計年度における業績は、クリーニング事業収入2億15百万円(前年同期は7億43百万円)、セグメント利益20百万円(前年同期は19百万円のセグメント利益)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、クリーニング事業収入は5億44百万円減少しておりますが、セグメント利益への影響はありません。
(コンビニエンス・ストア事業)
コンビニエンス・ストア事業におきましては、千葉県及び東京都心において、ローソンブランドにて5店舗の運営を行っており、当社の強みである独創性を持った店舗作りを目指し、フランチャイズ本部が推進する各種施策に加え、立地特性に対応した独自仕入商品の販売を行うなど積極的な販売施策を進めてまいりました。
レジャー需要の回復傾向が続いたことや主力店舗近隣の大規模展示場においては、夏場以降、大規模イベントが概ね通常通り開催されるなど、来場者数が大きく増加した影響に加え、自社ホテルに併設する店舗においても宿泊者数の増加などにより夕夜間の来店客数が増加したことで、売上高は大きく伸長いたしました。
また、2023年1月以降、店舗のリニューアル工事を実施し、『まちかど厨房』などの設備を新たに導入し、更なる収益力の向上に努めております。
なお、2023年3月末を以て東京都心で運営する1店舗については、借地契約の満了に伴い閉店しております。
この結果、当連結会計年度における業績は、コンビニエンス・ストア事業収入13億87百万円(前年同期は13億7百万円)、セグメント利益83百万円(前年同期は45百万円のセグメント利益)となりました。
なお、コンビニエンス・ストア事業においては収益認識会計基準等の適用による事業収入への影響は軽微であり、セグメント利益への影響はありません。
(その他事業)
その他事業といたしましては、事業用不動産の保有や賃貸管理のほか、ヘアカットサービス店舗の運営など、各種サービスの提供を行っております。
千葉県成田市にて運営しておりますキャンプ場においては、ゴールデンウイークには多くの若者や家族連れのお客様からご利用をいただいたほか、7月より『手ぶらキャンプ』プランの販売を開始するなど新たな需要の開拓に努めました。また、お客様の少ない平日にはメディアの撮影場所のほかイベント会場として貸し出すなど、立地特性を生かした営業活動も行ってまいりました。
なお、2021年6月よりヘアカットサービス2店舗の運営形態を見直し、業務委託に変更したことに加え、9月に都内に保有する賃貸用不動産を譲渡したことから、セグメント売上高は減少しております。
この結果、当連結会計年度における業績は、その他事業収入1億55百万円(前年同期は1億81百万円)、セグメント利益41百万円(前年同期は39百万円のセグメント利益)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用によるその他事業収入及びセグメント利益に与える影響は軽微であります。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて7億27百万円(7.7%)減少し、86億79百万円となりました。その主な内訳は、未収入金が1億14百万円増加したことなどにより流動資産が2億9百万円増加したほか、土地が6億21百万円、建物が1億82百万円それぞれ減少したことなどにより固定資産が9億36百万円減少したことであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債総額は、前連結会計年度末に比べて6億36百万円(9.7%)減少し、59億35百万円となりました。その主な内訳は、未払消費税等が1億6百万円増加したほか、未払金が3億52百万円減少したことなどにより流動負債が2億60百万円減少した一方、長期借入金が3億56百万円減少したことなどにより、固定負債が3億76百万円減少したことであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて90百万円(3.2%)減少し、27億44百万円となりました。その主な内訳は、剰余金の配当を行ったことに加え、親会社株主に帰属する当期純損失を13百万円計上したことであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ39百万円(2.3%)増加し、17億72百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1億72百万円の支出超過(前年同期は3億51百万円の支出超過)となりました。その主な内訳は、税金等調整前当期純利益6百万円を計上したことに加え、投資不動産収入により3億20百万円の収入があった一方、投資不動産管理費により2億93百万円、賃貸借契約解約により3億57百万円をそれぞれ支出したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、6億54百万円の収入超過(前年同期は2億32百万円の収入超過)となりました。その主な内訳は、有形固定資産の売却により6億79百万円の収入があったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、4億42百万円の支出超過(前年同期は84百万円の支出超過)となりました。その主な内訳は、短期借入金の純増額が1億80百万円あった一方、長期借入金の返済により5億42百万円支出したことによるものであります。
(4) 生産、受注、販売及び仕入の実績
生産、受注の実績
当社グループは、サービス業及び小売業が主力事業のため、生産、受注については、該当事項はありません。
販売実績
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称
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当連結会計年度 (自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) |
前年同期比(%)
|
|
|
金額(千円) |
|||
|
ホテル事業 |
966,114 |
|
- |
|
マンションフロントサービス事業 |
4,281,639 |
|
- |
|
クリーニング事業 |
215,722 |
|
- |
|
コンビニエンス・ストア事業 |
1,387,856 |
|
- |
|
その他事業 |
155,200 |
|
- |
|
報告セグメント計 |
7,006,532 |
|
- |
|
調整額 |
△80,092 |
|
- |
|
合 計 |
6,926,440 |
|
- |
(注)1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。この結果、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、売上実績の前年同期比(%)を記載しておりません。
2 上記売上実績は、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
当連結会計年度末現在におけるホテル施設及びコンビニエンス・ストア店舗数の状況
|
地域別 |
ホテル施設 |
コンビニエンス・ストア店舗 |
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東京都 |
3施設 |
2店 |
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千葉県 |
3施設 |
3店 |
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合計 |
6施設 |
5店 |
(注) 上記には、連結子会社である株式会社アスク及び株式会社エフ.エイ.二四の店舗は含まれておりません。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、その作成には経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。この判断及び見積りに関しては過去の実績等を勘案し合理的に判断しております。しかしながら、実際の結果は、見積り特有の不確実性が伴うことから、これら見積りと異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2) 当社グループの経営に影響を与える大きな要因の分析
経営成績に重要な影響を与える要因についての詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
(3) 経営成績の分析
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の概況 (1) 経営成績」に記載の通りです。
(4) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の概要 (3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
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2020年2月期 |
2021年2月期 |
2022年2月期 |
2023年2月期 |
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自己資本比率(%) |
43.7 |
35.4 |
30.1 |
31.6 |
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時価ベースの自己資本比率(%) |
25.5 |
19.1 |
20.1 |
23.4 |
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キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
- |
40.1 |
- |
- |
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インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
- |
3.6 |
- |
- |
(注)1 自己資本比率:自己資本/総資産
2 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
3 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
4 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※ 営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び連結損益計算書に計上されている「支払利息」を用いております。
※ 2020年2月期、2022年2月期及び2023年2月期は、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは記載しておりません。
(5) 資本の財源および資金の流動性についての分析
当社グループは、主な資金需要は、販売費及び一般管理費等の営業活動費であり、これらの資金については、自己資金のほか、必要に応じ、金融機関からの資金調達により対応しております。なお、2019年2月期に多額の当期純利益を計上したことで、自己資本比率が大幅な改善されるなど、財務の健全化が進んでおります。
該当事項はありません。
特記すべき事項はありません。