当連結会計年度のわが国経済は、序盤においては政府による経済・金融政策等の効果に加え、円安の影響や、国内株式市場の好況もあり、企業収益や雇用環境に改善が見られ、景気は緩やかな回復基調となりましたが、昨夏以降の中国経済の鈍化に加え、急激な円高や株安の進行など、金融市場の混乱の影響や個人消費の伸び悩みにより弱含みの推移となり、景気の先行きは依然として不透明な状況となっております。
外食産業におきましては、原材料価格の高騰、人件費関連費用の上昇に加え、安心、安全な食材への関心も高まる中、付加価値の創出などの顧客確保に向けた企業間の競争は一層熾烈になる等、取巻く経営環境は引き続き厳しい状況となっております。
このような状況の中、当社グループでは、安心、安全でお客様にご満足頂ける商品提供への取り組み強化と併せ、ブランド力が高い業態はその知名度を活かしつつ、店舗改装やメニューのブラッシュアップなどの業態改善とそのFC加盟開発の強化に努めました。
外食店舗の寿司業態では、ひと月ごとに定期的なフェアメニューを実施し、旬に合わせた食材を提供していくとともに、晴れの日に合わせ、特別キャンペーンを実施いたしました。また、海鮮丼など、寿司のご提供だけでなく、多様化するニーズに対応するため新たなメニューへの取り組みも進めてまいりました。食材の仕入についても、石巻市場より鮮魚を直接買付けして各店舗へ送り込むなど、鮮度の良い商品を提供することにも積極的に取り組んでおります。
海鮮居酒屋業態においては、日本各地の漁港からの産地直送の鮮魚の販売、季節感を活かした店舗毎のおすすめメニューの販売、希少地酒の仕入れ・販売により業態特性を活かし、競合他社との差別化を図る施策を実施してまいりました。また、増加している訪日外国人の集客にも積極的に取り組んでおります。その他の居酒屋業態では、北陸新幹線の開通に伴う北陸フェアの実施や、季節の旬な食材を用いた挟み込みメニューの実施など、お客様を飽きさせない業態づくりに努めてまいりました。
焼肉業態では、国産牛焼肉の食べ放題業態である肉匠坂井で直営店舗3店舗(2店舗の業態転換を含む)、加盟店3店舗(2店舗の業態転換を含む)が新規オープンし、既存店3店舗を含め計9店舗となりました。焼肉屋さかいの長年のノウハウを活用し、安心、安全な国産牛を当社の職人が毎日手切りで提供しており、他社の焼肉食べ放題とは明確な差別化をもってお客様の支持を獲得しております。
レストラン業態では、おむらいす亭にてオープンキッチンで調理工程を見せることで、視・聴・嗅(きゅう)でお客様へシズル感を与える厨房レイアウトへの変更に取り組みました。また、ハンバーグを牛肉100%生パティに変更するなど、常に商品を見直し、業態付加価値を高めるよう努めております。以上の施策を進めた中、当連結会計年度においては直営2店舗、加盟店4店舗を新規オープンすることができ、順調に店舗数を伸ばしております。
また、その他の業態において、長崎ちゃんめんなどの麺を主力とする業態では、現在需要が高くなっている辛味系の商品及びこだわりのラー油を導入し、新規顧客獲得に繋げる取り組みや、中国料理敦煌では、当連結会計年度より地域密着のブランドイメージを定着させるべくTVCMをはじめとする地域メディアへの露出度を高めた結果、ブランドイメージの定着とともに業績も安定的に推移いたしました。
「教育部門」では、新規開校として英会話2校舎の開校をいたしました。英会話では大々的なTVCMを実施し、新規入会者の獲得ならびに認知度アップを図ることで今後の新規顧客予備軍の開拓を行いました。学習塾においては、校舎運営の細部を徹底的に見直し、さらなる成績アップができる運営、生徒サポートの体制づくりに注力いたしました。両部門とも新規生徒獲得ならびに生徒単価の向上を促進し、より安定した校舎運営の基盤を目指してまいりました。
当連結会計年度においては、新規に4店舗(居酒屋業態1店舗、フードコート業態3店舗(海外1店舗を含む))をオープンいたしました。その他、不採算店11店舗の閉店や、フランチャイジーからの店舗買取による純増4店舗となり、教育校舎においては、新規に2校舎を開校し、不採算校舎を1校舎閉校いたしました結果、当連結会計年度末の店舗数は、外食直営店舗373店舗、教育校舎103校舎となりました。
以上の結果、当連結会計年度におきましては、売上高275億98百万円(前年同期比1.4%減)、営業利益8億94百万円(前年同期比4.8%減)、経常利益9億15百万円(前年同期比1.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5億50百万円(前年同期比12.3%減)となりました。
なお、外食事業以外の事業の重要性が乏しいため、セグメント情報ごとの記載を省略しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は53億84百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億48百万円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は13億96百万円(前年同期は15億27百万円の資金の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益6億54百万円、減価償却費5億42百万円の計上及び減損損失2億15百万円の計上等に伴う資金増加要因が発生したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は6億73百万円(前年同期は5億16百万円の資金の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出7億48百万円等の資金減少要因が発生したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、得られた資金は6億26百万円(前年同期は2億64百万円の資金の増加)となりました。これは主に長期借入れによる収入8億円及び社債の発行による収入6億98百万円の資金増加要因がある一方、社債の償還による支出3億80百万円、関係会社短期借入金の純減額2億13百万円及び長期借入金の返済による支出1億41百万円等の資金減少要因が発生したことによるものです。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
外食事業 | 545,897 | 110.5 |
当社グループは、見込生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
外食事業 | 25,703,785 | 97.7 |
その他 | 1,894,674 | 112.3 |
合計 | 27,598,460 | 98.6 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去することとしておりますが、該当事項はありません。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当社グループを取り巻く事業環境は、少子高齢化や他社との競争激化により非常に厳しいものとなっております。特に下記の課題に積極的に取り組んでいくことで、さらなる成長に努めてまいります。
① 新規出店
② 業態転換・改装による既存店舗強化
③ 原価高騰への対処
④ 人材の確保・育成
当社グループの事業等に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①食中毒が発生した場合の影響
飲食店舗において衛生管理には細心の注意を払っておりますが、商品の性格上食中毒の可能性を完全になくすことは困難です。万一食中毒を発生させた場合、その程度にもよりますが当該店舗のみならず広範囲に及ぶ一斉営業停止を命じられ、売上の減少に至る可能性があります。さらにマスコミによる広域的報道で企業イメージが損なわれる可能性があります。
②店舗の老朽化
商圏の縮小・店舗の老朽化等が売上低迷を招き、これが改善投資を怠らせることで悪循環を招くことが考えられます。
③原価の高騰
魚介や牛肉などを輸入食材に頼る当社グループは、魚介に関しては魚介資源の枯渇、漁船燃料の高騰、輸入先の人々の魚食化、不漁、戦争、為替等により、仕入コストが増大するリスクがあります。同様に、牛肉に関しても、仲介の商社や食品メーカーを通じ、短期の為替予約を行って為替リスクを軽減しておりますが、急激な円安等が生じた場合は、仕入コストが増大するリスクがあります。
④原材料の調達について
今後、BSE問題、鳥インフルエンザ等に象徴されるような疫病の発生、輸入食材に対する中傷の拡大、天候不順、自然災害の発生等により、調達不安や食材価格の高騰などが起こり、当社グループの経営成績および財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑤競合店の出現、競争の激化
採算性の良い店舗に隣接して、競合他社が出店した場合には経営成績に大きな影響を与えます。このような事例は、これまでにも多く発生しております。
⑥消費者の嗜好の変化
外食産業の中でも、多くの分野があり、消費者の嗜好が変化する可能性があります。例えば高齢化の進展によって、ファミリー層に顧客基盤をおく業種の成長が鈍化することも考えられます。
⑦景気動向等による外食市場の低迷について
雇用環境、給与収入の変動によって、外食の市場も影響を受ける可能性があります。従来も景気低迷が失業率の増加、所得の減少を招き消費支出に占める外食の割合が抑えられた事例があります。
⑧異常気象・震災等天災の影響
東北圏で時折発生する冷害や、台風及び大雨による風水害等が、過去に当社グループの主要食材である米の作況に大きな影響を及ぼした事例がありました。米の不作による米価の高騰のみならず、主に農業従事者の所得減少による消費意欲の減退を招くことが考えられます。また、地域経済に大きな影響を及ぼす規模の天災、及びこれら天災に派生した事故等の影響が長期化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨差入敷金・保証金及び建設協力金について
当社グループが賃貸借契約に係わり差し入れている敷金・保証金並びに建設協力金は平成28年3月31日現在41億74百万円となっておりますが、賃貸人の財務内容に不測の事態が生じた場合、一部回収が不能となる可能性があり、金額の多寡によっては企業業績に影響を与える可能性があります。
⑩有利子負債
当社グループは、第7回、第8回、第10回、第11回、第13回及び第14回無担保転換社債型新株予約権付社債(額面額20億円)の発行を行っております。社債の償還日は、当連結会計年度終了後、最長4年後となっておりますが、返済または償還期日において、資金繰りに重大な影響を与える可能性があります。
⑪株式の希薄化
当社グループによる第7回、第8回、第10回、第11回、第13回及び第14回無担保転換社債型新株予約権付社債が株式に転換された場合には、発行済株式数が増加し、当社及び当社グループ会社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があり、この希薄化が株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、親会社である株式会社ジー・コミュニケーションとの間で、同社が非独占的使用の許諾を受けているアントニオ猪木こと猪木寛至氏に関する著作権、肖像権、意匠権、商標権、ノウハウ実施許諾等を非独占的に使用する権利について契約を締結しております。
日本国内において、当社及び当社とのFC/RC加盟契約する第三者が、本契約期間中に営業を開始する複数の店舗において、アントニオ猪木ブランドを活かした外食ビジネスの展開及びグッズ販売、酒類・飲料・食品の販売を目的としたものであります。
平成20年7月1日から30年間
年額15,000千円(税抜)
当社グループは、事業の拡大発展を図るため、株式会社ジー・コミュニケーション及び株式会社ジー・フード、NOVAホールディングス株式会社と業務提携を結んでおります。
その概要は次のとおりであります。
契約先 | 契約内容 | 締結日 |
株式会社ジー・コミュニケーション | 外食事業に関する共存共栄関係を前提として、包括的な提携関係構築を目指した中で、経営資源等を総合的に相互に有効活用し、一層の事業発展を行う。 | 平成17年7月 |
株式会社ジー・フード | 外食事業に関する共存共栄関係を前提として、包括的な提携関係構築を目指した中で、経営資源等を総合的に相互に有効活用し、一層の事業発展を行う。 | 平成17年8月 |
NOVAホールディングス株式会社 | 教育事業に関する共存共栄関係を前提として、包括的な提携関係構築を目指した中で、経営資源等を総合的に相互に有効活用し、一層の事業発展を行う。 | 平成20年7月 |
該当事項はありません。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当連結会計年度末の総資産額は、211億9百万円となり、前連結会計年度末と比較し、9億66百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金が増加したことによるものであります。
負債総額は、109億4百万円となり、前連結会計年度末と比較し、4億99百万円増加いたしました。主な要因は、社債及び長期借入金が増加したことによるものであります。
純資産総額は、102億4百万円となり、前連結会計年度末と比較し、4億66百万円増加いたしました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加によるものであります。
「第2 事業の状況 1業績等の概要(1)業績」に記載のとおりであります。
「第2 事業の状況 4事業等のリスク」に記載のとおりであります。
業容の拡大により、売上高の増加を目指すほか、本部費用等、間接コストの相対的な軽減化に取り組んでおります。また、複数業態での拡大は、「第2 事業の状況 4事業等のリスク」の④⑤⑥の対応策と位置付けており、不振店対策としての業態転換をスピーディーに判断していくために不可欠であると考えております。以上のように、全体として常に業態ポートフォリオの最適化を図りながら拡大していくことが、十分な利益確保につながると考えております。
「第2 事業の状況 1業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、下記のとおりであります。
| 第53期 | 第54期 | 第55期 | 第56期 | 第57期 |
自己資本比率(%) | ― | ― | 45.3 | 48.3 | 48.3 |
時価ベースの自己資本比率(%) | ― | ― | 76.9 | 107.3 | 73.4 |
キャッシュ・フロー対有利子 | ― | ― | 3.9 | 3.7 | 4.5 |
インタレスト・カバレッジ・ | ― | ― | 45.3 | 40.0 | 49.3 |
自己資本比率 : 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1.第55期より連結財務諸表を作成しているため、それ以前については記載しておりません。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載しております。