当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
(1)業績の状況
当中間連結会計期間(2024年11月1日から2025年4月30日)におけるわが国経済は、欧州や中東情勢の長期化など世界的な情勢不安の継続や不安定な為替変動、米国における消費減速や新政権における通商政策などの政策動向、中国における不動産市場の停滞などにより、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。外食産業全般におきましても、米をはじめとした原材料価格や人件費の上昇等、厳しい状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループは、特許技術である抗菌寿司カバー「鮮度くん」を開発・設置しているだけでなく、お客様が入れ替わるごとに醤油差しなどの備品を入れ替えるクリーンテーブル、従業員の技術や接客等を競うコンテストを定期開催して「おもてなし力」を向上させ続けるなど、安心・安全で快適なお食事をしていただくためのさまざまな取り組みを行っています。また、大手回転寿司チェーンの中で唯一、回転レーンでお寿司を提供しているということだけでなく、業界初となる日頃の感謝を伝えるサプライズサービス「プレゼントシステム」を開始するなど、エンターテインメント性を進化させ続けており、回転寿司本来の手軽さと楽しさを追求しております。
店舗開発につきましては、国内4店舗、米国9店舗、台湾1店舗の計14店舗を出店いたしました。この結果、当中間連結会計期間末の店舗数は、全て直営で685店舗(「無添蔵」4店舗、「くらおさかな市場」1店舗、米国73店舗、台湾59店舗、上海3店舗を含む)となりました。
セグメント業績は次の通りであります。
①日本
日本国内におきましては、米をはじめとした原材料価格や人件費の上昇はあるものの、愛媛県の海の幸やフルーツを揃えた「愛媛県」フェアなどの質の高い商品を中心にしたフェア、バレンタインやひな祭りの時期には、高級なベルギー産のチョコレートを使用したスイーツや華やかなちらし寿司を展開いたしました。当社のCMに出演頂いているダウンタウン浜田雅功さんたちと一緒に考えた「ナンでやねん!?寿司 浜田のくちびるⅡ」は大変話題となりました。また、人気ゲームキャラクター「ポケモン」など話題性の高いコンテンツとのコラボ企画の実施により、売上高は順調に推移いたしました。
4月13日に開幕した大阪・関西万博の会場内に、当社史上最大規模の店舗「大阪・関西万博店」をオープン。通常の寿司メニューに加え、70の国・地域を代表する料理を再現したメニューを提供しており、連日、世界各国の多くのお客様で賑わっております。併せて、70種類の再現メニューとお寿司を特別仕様の抗菌寿司カバーに入れて回転ベルトで流す「ハンズ・ハンズPROJECT」の一環として、全国のくら寿司各店でも70種類の再現メニューを1商品ずつ販売しており、万博の盛り上がりを全国に波及させています。
出店につきましては「大阪・関西万博店」を含む4店舗を新規出店いたしました。
また、当社は財務戦略を重視し、さまざまな事業リスクに対応してまいりました。当社におきましては、前事業年度に引き続き実質無借金(現預金の額が有利子負債を上回ること)にて運営しており、当中間会計期間末の自己資本比率は66.8%と財務の健全性を維持しております。
この結果、売上高859億28百万円(前年同期比1.9%減)、経常利益34億82百万円(前年同期比40.4%減)となりました。
②北米
米国子会社 Kura Sushi USA,Inc.(KSU)におきましては、積極的な新規出店とコラボ企画の展開により売上高は前年を上回って推移いたしましたが、カリフォルニア州の長期にわたる山火事や中部、東海岸を中心とした厳しい寒波の影響を受けました。出店につきましては、カリフォルニア州「バークレー店」、テキサス州「フォートワース店」、ニュージャージー州「ガーデンステートプラザ店」等を新規出店し、順調に店舗展開を図っております。また、日本と連携し予約受付システムを導入するなど、利便性強化にも努めております。
この結果、売上高196億5百万円(前年同期比21.9%増)、経常損失7億2百万円(前年同期は経常損失4億37百万円)となりました。
③アジア
台湾子会社 亞洲藏壽司股份有限公司(KSA)におきましては、日本でも人気の「クレヨンしんちゃん」、「カナヘイの小動物」とのコラボ企画を展開し、大変好評いただきましたが、需要期である春節期間において、海外への渡航者が増えたことによる影響を受けました。また、出店につきましては、2024年11月新北市に「板橋遠科店」を新規出店しております
この結果、売上高122億39百万円(前年同期比2.0%減)、経常利益は2億13百万円(前年同期比64.2%減)となりました。
以上の結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高1,176億25百万円(前年同期比1.3%増)、経常利益29億93百万円(前年同期比50.1%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は19億55百万円(前年同期比50.5%減)となりました。
(2)資産、負債及び純資産の状況
当中間連結会計期間末における資産総額は、1,500億42百万円となり、前連結会計年度末と比較して105億96百万円増加いたしました。これは、主に現金及び預金が27億97百万円、有形固定資産が45億90百万円増加したこと等によるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末と比較して2億15百万円減少し、662億84百万円となりました。これは、主に未払金が4億19百万円減少したこと等によるものであります。
純資産につきましては、連結子会社の増資に伴い、資本剰余金が35億88百万円、非支配株主持分が63億26百万円増加したこと等により、前連結会計年度末と比較して108億11百万円増加し、837億58百万円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが44億83百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが80億61百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが66億88百万円の収入となりました。この結果、当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)残高は、期首より27億97百万円増加し、258億41百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において営業活動の結果得られた資金は44億83百万円(前年同期比56.9%減)となりました。これは、主に税金等調整前中間純利益が27億39百万円であったことに加えて、減価償却費が52億70百万円あった一方で、法人税等の支払額が13億35百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において投資活動の結果使用した資金は80億61百万円(前年同期比46.7%増)となりました。これは有形固定資産の取得による支出が51億97百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において財務活動の結果得られた資金は66億88百万円(前年同期は23億55百万円の支出)となりました。これは、連結子会社の増資による収入が99億88百万円あった一方で、リース債務の返済による支出が18億3百万円、配当金の支払額が15億85百万円あったこと等によるものであります。
(4)事業上及び財政上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。