当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
企 業 理 念
価 値 観:100円のすばらしさに誇りを持ち、どこまでも追求する
志すべき所:老若男女すべての人に利用してもらえるブランドにする
使 命:100円ですべての人を幸福にする
ビ ジ ョ ン:『信頼No.1』
当社グループは、行動規範に則った公平性・透明性・納得性を確保した企業活動を通じて、企業理念とビジョンの実現を目指します。
また、コンプライアンスを遵守したうえで、業績目標の達成を土台とした企業価値の向上と地域社会への貢献を、経営の最重要課題としております。
また、迅速で公正な経営意思決定を尊重しつつも、監視・監督機能が発揮されるコーポレートガバナンス・コードの精神に則った最良のガバナンスシステムの構築を目指してまいります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、選択と集中により、外部環境の変化に迅速に適応し、継続的な企業価値の向上と地域社会への貢献に努めてまいります。
目標とする経営指標は、収益力及び経営効率を図る指標として、営業利益率と自己資本当期純利益率(ROE)を採用しております。
中期目標経営指標は、営業利益率5%以上、自己資本当期純利益率(ROE)10%以上であります。
(3)経営環境及び戦略
①経営環境
当社グループを取り巻く経営環境におきましては、個人消費の持ち直しは見られるものの、消費者物価は上昇傾向にあり、引き続き厳しい経営環境が予想されます。
②戦略的現状と見通し
当社グループは、目標とする経営指標を実現し、安定した成長を継続し、株式公開会社としての社会的責任を果たし、ステークホルダーとのよりよい関係の構築に努めてまいります。現在の経営環境を踏まえて、中期的な成長基盤の確立と、収益体質への変化と定着を目指しております。
当連結会計年度におきましても、当社グループは、100円の価値を追求し、老若男女の幅広いお客様に支持される「信頼No.1」のブランドになることを目指して、行動基準の「量から質への転換」を着実に定着させ、「販路の拡大」、「商品・ブランドの差別化」、「企業価値の向上」を着実に実行し、「お客さま満足の最大化」を実現すべく取り組んでまいります。
(4)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2022年1月5日をもってイオン株式会社の連結対象子会社になりました。今後さらなる成長を実現するために中長期経営計画「CanDo×AEON五ヶ年計画」達成に向けて、「お客さま満足の最大化」を追求して企業価値の向上に努めてまいります。
(5)対処すべき課題
2025年2月期の国内の景気動向は、一部に足踏みもみられるなか、雇用・所得環境の改善や、海外からの渡航者の増加、各種政策の効果により、緩やかに回復基調が続いております。一方、不安定な国際情勢、原材料や燃料価格を含む物価の高騰、急激な為替相場の変動等により、景気の先行きは依然として不透明な状況や各種コストの増加も継続することから、引き続き厳しい経営環境が続くと考えられます。
そのような経営環境の中、インフレによるコストの増加、労働力人口減少による人材獲得競争の激化、目まぐるしく変化するお客さまの嗜好への対応などの重要課題と合わせて、イオングループとの協業によるお客さま満足の最大化に向け、「五ヶ年事業計画」を推進しております。「五ヶ年事業計画」の実現に向け、3つの戦略(販路の拡大、商品・ブランドの差別化、企業価値の向上)を軸に経営課題の解決に取り組んでおります。さらに、急激に変化する外部環境へ対応するとともに、「キャンドゥブランドの確立」と「新たなお客さまの獲得」を実現すべく、「発信」をテーマとしたライフスタイル提案型ショップ、「New Can★Do」フォーマット確立に向けた取り組みを進めております。
そのうえで、緊急度・重要度が高まっている喫緊の課題を解決すべく、以下の①から③の項目を実行し、お客さま満足の最大化を通じた成長と、利益を創出することで持続可能な経営を実現し、企業価値向上に取り組んでまいります。
①成長性の確立
激化する小売業界における競争とコスト構造変化に対応するべく、高効率な出店や資産活用を図ってまいります。イオングループのアセット・シナジーを活用した販売機会の拡大、ブランド認知アップ、コスト削減を図り更なる利益の拡大を目指します。また、「ライフスタイル提案型ショップ(New Can★Do)」の更なるブラッシュアップと、既存アセットへの水平展開を加速し販売力を強化してまいります。お客さまからの期待に応える店舗づくりを追求し続けること、お取引先さまのニーズに応えることでシェアを拡大し、成長性を確立してまいります。
②差別化の構築
嗜好の多様化などによる市場の細分化や、サプライチェーンの変化が進む環境において、100円商品を維持しつつ、付加価値の高い他価格帯商品も展開することにより、お客さまのニーズに沿った品揃えを引き続き提供してまいります。他価格帯商品の開発方針は、新規顧客を獲得するために、中価格帯雑貨へのラインロビングと、ニッチで面白い商品開発を推進してまいります。
更に、SNSの積極的活用をはじめとしたデジタルマーケティングによる「発信」を強化し、ブランドイメージの向上を通じた差別化を構築し、新たなお客さま満足を創出してまいります。
③生産性の向上
インフレの加速と生産労働人口が減少し、雇用確保が難しくなる局面において、継続性のある店舗モデルを実現してまいります。そのために、セルフレジ導入を契機とした店舗主軸のDX・デジタル化による省人化と、品揃え・販促・オペレーションを中心とした、店舗運営の統一による生産性の向上を、今までにないスピード感で進めてまいります。
業務の効率化、及び質の向上に繋がる人的資本への投資を継続し、従業員のスキルアップ向上のための教育に注力してまいります。併せて、従業員の働きやすさや満足度向上、女性活躍・多様性を尊重した更なる職場環境改善も進めてまいります。
当社グループは、引き続き、株式公開会社としての社会的責任を果たし、地域社会に寄り添い、生活のインフラとしての役割を認識しつつ、目標とする経営指標を実現し、安定した成長を継続することで、ステークホルダーとのよりよい関係を築きあげてまいります。
当社グループは、「価値観」「志すべき所」「使命」の三本の柱を軸に企業理念を構築しております。
「価 値 観」100円のすばらしさに誇りを持ち、どこまでも追及する。
「志すべき所」老若男女すべての人に利用してもらえるブランドにする。
「使 命」100円で人(お客さま、取引先、従業員)を幸福にする。
この理念を念頭に、当社グループは、お客さまをはじめとする、当社グループを取り巻く多様な関係者の皆さまと良好な関係を築くことを通じて信頼獲得に努めるとともに、社会的利益にかなう価値の創造・提供を目指して企業活動を行ってまいりました。従業員一人一人が社会の構成員として求められる価値観、倫理観に従って誠実に行動し、これを通じて公正かつ適切な経営を実現し、社会との調和を図り、企業を創造的に発展させていくことが必要であると考えております。
上記の考え方に基づき、従業員が安心して働ける職場環境作りや、関係者の皆さまにより一層信頼される経営の実現を目指すため、当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組を次のとおりといたしました。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社ではサステナビリティ関連のリスク及び機会を、その他経営上のリスク及び機会と一体的に監視及び管理しております。
(2)戦略
①人的資本への取組
基本方針
・当社では、持続的な成長のためには絶えず新たな価値を創造し続ける事業体に変革を続けていくことが必要で
あり、その原動力は、従業員個々人の成長と自己実現であると考えております。
会社がそれを支援し、働きがいのある環境整備を継続することで、企業価値の向上を実現してまいります。
人材育成方針
・「新しいことに果敢に挑戦し、新たな価値を創造するとともに、自らの意思と努力によって自己実現を目指す
人材」
(取り組み内容)
・自分のキャリアを自分で切り開く、挑戦する組織風土の醸成
・グループのシナジーを生かした教育体系の構築
・教育費の積極的な投資を行い、スキル開発、キャリア形成を推進
・成長を促進させるジョブローテーションの実施
社内環境整備方針
・「多様な人材が最大限のパフォーマンスをもって活躍できる環境の整備」を実現することを目指し、従業員の働
きがいを向上させることを課題として、イオングループの基本理念と未来ビジョンの浸透をはじめ、職場環境整
備、健康経営推進など幅広い取り組みを実践いたします。
(取り組み内容)
・仕事と家庭の両立
看護や介護に加え、入学式・卒業式など家族のための休暇を取得できる「ファミリーサポート休暇」の制度を
設けています。
また、時短勤務や時間単位の有給休暇取得など、柔軟な働き方の選択を可能としております。
・女性活躍
現在の女性管理職比率は17.6%ですが、30%以上を目標として、管理職候補の母数形成を進めるべく教育・研
修を進めております。
・障がい者雇用
障がい者雇用率は、厚生労働省が定める2.5%に対し、2.36%となっております。早期に2.5%を超え、3%を
目指すべく、特定の業務範囲だけでなく、幅広い領域で障がい者の方々が活躍出来るよう、職場環境の整備に努
めております。
・健康経営
従業員が心身ともに健康に働き続けることが出来る環境を目指し、敷地内禁煙、卒煙活動の推進を開始いたし
ました。
また、安全衛生委員会による衛生面や体調管理のアドバイス、ストレスチェックなどを継続して実施しており
ます。
・職場における問題の早期発見と解決
職場環境調査や内部通報制度を通じて従業員の声や要望を確認し、働きがいを高める取り組みを推進しており
ます。
②環境に関する取組
従業員への環境問題のコンプライアンス学習を毎年実施、省エネ法、地球温暖化対策推進法への理解を深める教育を行うと共に、店舗にかかるエネルギーの使用を抑える様々な対策(蛍光灯のLED切替、店舗空調の定期清掃等)も継続して行っております。
また、「環境に配慮した商品」として、バイオマス素材の商品やフードロスを軽減できる商品、分別や再資源化に適した商品、パッケージに配慮した商品を当社店舗でも扱っております。
また、社内で設置しております環境推進委員会を通して、省エネ法に則った削減目標を定め、エネルギーの使用を抑えCO2削減に取り組んでおります。
また、廃棄物・資源制約、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化対策として政府が行った、プラスチック製買い物袋の有料化実施に伴い、当社も法令遵守の観点から2020年7月1日よりレジ袋有料化を実施しており、環境に配慮した『バイオマス素材』を配合したレジ袋を導入しております。
直営店では食品の廃棄問題削減への取組みとして、取扱い食品商品の賞味期限切れによる廃棄の前に、従業員への半額での販売を行い廃棄量削減にも取り組んでおります。
(3)リスク管理
当社グループは、各業務執行部門長が各部門におけるサステナビリティ関連のリスクを識別・評価し、各業務執行部門長が参加する内部統制委員会において、識別したリスクの協議検討と、部門横断的な監視及びチェックを実施しております。また、内部統制委員会には内部監査室長が参加しており、協議内容や重要事項等については取締役会に報告のうえ検討、承認しております。また、必要に応じて弁護士をはじめとした外部専門家からのアドバイスを受けられる体制を構築し、潜在的なリスクの早期発見に努めております
(4)指標及び目標
上記(2)戦略において記載した方針等に関する目標及び指標は、以下のとおりです。
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指標 |
目標 |
当期実績 |
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エンゲージメント スコア・レーティング |
スコア(レーティング)
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スコア(レーティング)
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原油換算エネルギー使用量対前年削減率 |
毎年1%以上の削減 |
2.5%の削減 |
(注)エンゲージメントスコアは、株式会社リンクモチベーション社の「モチベーションクラウド」によって算出し、他社平均50.0に対する偏差値を開示しています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)出退店政策について
当社の出店形態の構成は、直営店ではインショップ店舗の比重が高く、FC店では法人フランチャイジーによる特定地域での多店舗展開の比重が高くなっております。
したがって、インショップの出店先である大手量販店や、法人フランチャイジーの店舗政策や、経営環境に悪化が生じた場合には、当社の出退店計画及び業績に影響を与える可能性があります。
また、積極出店によるコスト発生等により業績に影響を及ぼす可能性があるほか、売上確保に向けた様々な取り組みを行っておりますが、出店契約先の都合により既存店の退店をする場合は、退店に伴う費用及び損失が業績に影響を与える可能性があります。
(2)新型感染症、自然災害の発生について
重大な感染症が拡大した場合には、感染症拡大防止措置を講じつつ、生活インフラを支えるべく店舗運営の継続に努めることとしております。
しかしながら、想定をはるかに超えた状況が発生し、従業員等の人的被害が発生した場合や、当社店舗がテナントとして入る量販店が店休または営業時間の短縮等を行う場合には、業績に影響を与える可能性があります。
また、自然災害や突発的な事故が発生した場合には、災害対策にかかる当社ならびにイオングループの定めに基づき、人的・物的な被害状況の把握を行うとともに早期復旧に努めることとしておりますが、当社の販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合や通信ネットワーク障害、当社店舗、本社、営業所等の各拠点の事業活動に支障が生じた場合、さらには従業員等の人的被害が発生した場合には、業績に影響を与える可能性があります。
(3)為替相場の変動について
当社は、日用雑貨と加工食品の大部分を国内ベンダーから調達しており、外貨建仕入の割合は僅少であるため、直接的な為替相場の変動は受けておりませんが、国内ベンダーは多くの商品を海外で生産・調達しており、為替変動は国内ベンダーのコスト構造への影響を通じて、間接的に当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また当社子会社は、海外との直接貿易により、商品を仕入れ、販売しております。
当社グループでは、社内規程にもとづき、ヘッジ取引等為替リスクの最小化を行うこととしておりますが、為替の変動や調達先からの配送及び保管等の物流コストの変動をより直接的に受けることから、その影響の程度によって、連結会社である当社の業績に影響を与える可能性があります。
(4)情報セキュリティに関するリスクについて
当社グループでは、災害時における情報システムのバックアップや、不正アクセス等に備えたセキュリティ対策を講じておりますが、自然災害その他突発的な事故やコンピューターウイルス等による不具合が発生した場合、秘密情報や個人情報の漏えい、売上の減少、ビジネスチャンスの逸失、商品の滞留、修理費の負担等、システムの一時的な停止により業績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループは、不正アクセス防止対策を講じながら、SNS等を通じた広報戦略を行っておりますが、自社ウェブサイトや関連ネットワークに対する不正アクセスや誤報の流布等の可能性があります。これにより、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。
(5)人材確保について
当社グループが更なる成長へ向け企業基盤を確立するためには、優秀な人材の確保が不可欠であります。働きやすさ向上に向けた、評価制度・給与制度等の見直しに加え、当社業務、文化を理解するパートタイム従業員からの正社員登用を実施しております。
しかしながら、生産年齢人口が大きく減少していく中で、必要な人材を確保できない場合には、当社グループの事業展開、業績に影響を与える可能性があります。
(6)固定資産の減損について
当社グループは、2006年11月期より「固定資産の減損に係る会計基準」が適用されておりますので、予算と定期検証の精度向上に努めるとともに、定期的に不採算店を含むスクラップアンドビルドを行うことによるリスク分散を図っておりますが、売上予測と売上実績が大きく乖離、競業店の出店等、店舗の収益性が低下することで、固定資産の一部が減損処理対象となり、業績に影響を与える可能性があります。
(7)商品在庫リスクについて
当社グループは、積極出店方針を継続しており、店舗数の増加に伴い、商品在庫数も増加する傾向にあります。
商品在庫の管理については、POSデータを活用し、新規商品を開発するとともに、欠品防止や在庫回転数の向上に努め、陳腐化した商品や類似商品については、撤去、処分をすすめるなどにより改廃を実施し在庫コントロールを図っておりますが、消費者の購買動向への対応の遅れ、マーケットの縮小等により多額の滞留在庫が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(8)債権管理について
当社は、直営店の出店にあたっては貸主に敷金または保証金を差し入れており、一部店舗では売上金をディベロッパーに預け入れております。
また、フランチャイジーに対しては、売掛債権が発生し、FC店頭売上金を当社口座へ毎日入金していただくか、発注預託金をお預かりする等の方法で保全を図っております。
これら債権に対しては、与信管理を行い会計基準に則して貸倒引当金を計上しておりますが、相手先の経営破綻等により当社債権が回収不能となり、業績に影響を与える可能性があります。
(9)FC事業について
当社グループは、加盟店との間で締結するフランチャイズ契約に基づき、当社グループが保有する店舗ブランド名にてチェーン展開を行っております。
加盟店に対しては、当社グループの事業方針説明、店舗巡回等を実施し、当社としての協働体制をすすめておりますが、加盟者の高齢化と後継者不足による経営の断念、加盟店における競争激化、不祥事などによりチェーン全体のブランドイメージに影響を受けた場合、業績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループと加盟店との信頼関係が損なわれたことにより、万一多くの加盟店とのフランチャイズ契約を解消する事態に至った場合は、業績に影響を与える可能性があります。
(10)M&Aに係るリスク
当社グループは、事業強化を目的として、組織再編やM&A、提携、売却等を行う可能性があります。
これらを実行するに際しては、対象会社の財務内容や収益力について、入念な調査・検討を行いますが、当初想定していたほどの効果が得られない場合は、投資金額を回収できず、業績に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2024年3月1日から2025年2月28日)におけるわが国経済は、所得環境の改善による個人消費の持ち直し、インバウンド需要の引き続きの拡大等、景気は緩やかな回復基調で推移しました。
一方、不安定な国際情勢、原材料や燃料価格を含む物価の高騰、急激な為替相場の変動等により景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社においても、個人消費の持ち直しは見られますが、原材料や人件費をはじめとした各種コストの高騰もあり、事業環境としては引続き厳しいものとなっております。
こうした状況のなか、当社グループは、引き続きイオングループとの協業によるお客さま満足の最大化に向けて、今期の全社方針として「成長と生産性向上による利益確保」を掲げ、「販路の拡大」、「商品・ブランドの差別化」、「企業価値の向上」に注力してまいりました。
販路の拡大につきましては、直営店・委託店を中心に出店を加速させてまいりました。
新規出店数は120店舗(直営89店舗〔委託店含む〕、FC店31店舗)、退店が78店舗となり、店舗数は42店舗の増加となりました。これにより、当連結会計年度末における店舗数は1,340店舗(直営店894店舗〔委託含む〕、FC店439店舗、 海外FC店7店舗)となりました。なお、当連結会計年度より、売場のコーナーに展開することが多かったため、開示店舗数に含めていなかったキャンドゥセレクト計40店舗をFC店舗数に含めております。
また、商品・ブランドの差別化につきましては、「強化ターゲットに向けた商品開発」、「大型店に対応する品揃え」、「生活防衛のための100円消耗品」を差別化戦略に掲げ引続き推進してまいりました。
そして、企業価値の向上につきましては、店舗運営統一による生産性の向上にむけ、本部主導による①重点商品の店舗水平展開、②トレンドを重視した販促商品の統一化、③店舗オペレーションの標準化の仕組みを構築し、各店舗への水平展開を実施してまいりました。
また、人時生産性の向上を目的に、2025年2月よりセルフレジを直営店の一部店舗に試験導入し検証を進めております。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2億32百万円増加し、293億76百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ4億93百万円増加し、189億57百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2億60百万円減少し、104億19百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は売上高833億80百万円(前期比103.8%)、営業利益8億49百万円(前期比349.7%)、経常利益9億10百万円(前期比307.5%)、親会社株主に帰属する当期純損失1億63百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失11億66百万円)となりました。
各事業の経営成績は、直営店売上高729億15百万円(構成比87.4%)、FC店への卸売上高90億9百万円(構成比10.8%)、その他売上高14億54百万円(構成比1.8%)となりました。
なお、セグメントの実績については、当社グループは単一セグメントのため記載しておりません。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により18億85百万円増加、投資活動により25億9百万円減少、財務活動により1億73百万円減少し、当連結会計年度末の資金残高は20億33百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億97百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの概況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は、18億85百万円(前年同期は8億99百万円の減少)であります。主な要因は、減価償却費10億70百万円、その他の負債の増加額7億68百万円等が増加要因であり、法人税等の支払額5億93百万円等が減少要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は、25億9百万円(前年同期は21億12百万円の減少)であります。主な要因は、有形固定資産の取得による支出18億49百万円、敷金及び保証金の差入による支出4億53百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は、1億73百万円(前年同期は27億21百万円の増加)であります。主な要因は、短期借入金の増加額1億円が増加要因であり、配当金の支払額2億70百万円等が減少要因であります。
③生産、仕入及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.仕入実績
当社グループは単一セグメントであるため、当連結会計年度の仕入実績を商品区分別に示すと、次のとおりです。
|
商品区分 |
当連結会計年度 (自 2024年3月1日 至 2025年2月28日) |
前期比(%) |
|
日用雑貨(百万円) |
43,927 |
102.8 |
|
加工食品(百万円) |
7,847 |
87.9 |
|
その他(百万円) |
86 |
138.1 |
|
合計(百万円) |
51,861 |
100.3 |
c.販売実績
当社グループは単一セグメントであるため、当連結会計年度の販売実績を商品区分別、地域別、単位当たり
の売上状況により示すと、次のとおりです。
イ.商品区分別売上高
|
商品区分 |
当連結会計年度 (自 2024年3月1日 至 2025年2月28日) |
前期比(%) |
|
日用雑貨売上(百万円) |
72,997 |
106.4 |
|
加工食品売上(百万円) |
10,291 |
88.2 |
|
その他(百万円) |
91 |
80.3 |
|
合計(百万円) |
83,380 |
103.8 |
(注)その他売上高は、FC店への消耗品売上高等です。
ロ.地域別売上状況
|
地 域 |
売上高(百万円) |
構成比 |
前期比 |
連結会計年度末店舗数 (店) |
|
北海道 |
4,152 |
5.0 |
95.2 |
77 |
|
東北 |
3,455 |
4.1 |
116.3 |
114 |
|
関東 |
34,177 |
41.0 |
101.5 |
339 |
|
中部 |
8,103 |
9.7 |
109.6 |
103 |
|
近畿 |
13,999 |
16.8 |
105.0 |
143 |
|
中国 |
2,136 |
2.6 |
115.8 |
33 |
|
四国 |
345 |
0.4 |
100.0 |
6 |
|
九州・沖縄 |
6,545 |
7.9 |
104.9 |
79 |
|
FC店 |
9,009 |
10.8 |
100.0 |
446 |
|
その他 |
1,454 |
1.7 |
123.5 |
- |
|
合計 |
83,380 |
100.0 |
103.8 |
1,340 |
(注)1.FC店売上高は、FC店への商品供給による卸売上高です。
2.その他売上高は、海外卸売上高ならびにFC店への消耗品売上高等です。
ハ.単位当たりの売上状況
|
摘要 |
当連結会計年度 (自 2024年3月1日 至 2025年2月28日) |
前期比(%) |
|
|
売上高(千円) |
72,915,564 |
103.9 |
|
|
1㎡当たり売上高 |
売場面積(平均)(㎡) |
285,969.23 |
109.2 |
|
1㎡当たり期間売上高(千円) |
254 |
95.2 |
|
|
1人当たり売上高 |
従業員数(平均)(名) |
4,018 |
98.7 |
|
1人当たり期間売上高(千円) |
18,148 |
105.2 |
|
(注)1.売上高は、直営店における売上高であり、FC店及び海外卸売による商品供給等は含んでおりません。
2.売場面積(平均)は、直営店の稼動月数を基礎として算出しております。
3.従業員数(平均)は、直営店舗の所属の人数です。なお、臨時従業員数は期中加重平均(1人1日8時間換算)で算出し、加算しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は293億76百万円であり、前連結会計年度末に比べ2億32百万円増加いたしました。その主な要因は、「固定資産合計」が5億13百万円、「その他の流動資産」が1億68百万円、「未収入金」が1億18百万円増加し、「現金及び預金」が7億97百万円減少したこと等が挙げられます。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は189億57百万円であり、前連結会計年度末に比べ4億93百万円増加いたしました。その主な要因は、「資産除去債務」が3億52百万円増加したこと等が挙げられます。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は104億19百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億60百万円減少し、自己資本比率は35.5%となりました。
b.経営成績の分析
当事項につきましては、本報告書の「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの分析
当事項につきましては、本報告書の「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
当事項につきましては、本報告書の「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要につき主たるものは、新規出店にかかる費用、既存店の増床・改装、基幹システムの改修・再構築などの設備投資によるものです。当社は事業活動に必要な資金を安定的に調達するため、営業活動から獲得する自己資金の活用に加えて、金融機関からの借り入れによる資金調達を行っております。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、選択と集中により、外部環境の変化に迅速に適応し、継続的な企業価値の向上と地域社会への貢献に努めてまいります。
目標とする経営指標は、収益力及び経営効率を図る指標として、営業利益率と自己資本当期純利益率(ROE)を採用しております。
中期目標経営指標は、営業利益率5%以上、自己資本当期純利益率(ROE)10%以上であります。当連結会計年度における営業利益率は1.0%、自己資本当期純利益率(ROE)は、△1.6%となりました。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表の作成においては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りには不確実性が伴い、実際の結果は異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
フランチャイズ加盟契約
当社は、直営店以外にフランチャイズ(FC)方式により加盟店を展開しております。フランチャイズ加盟契約の要旨は次のとおりです。
① 当社と加盟者の間で締結する契約
・契約の名称
「キャンドゥ」フランチャイズ加盟契約書
・契約の本旨
「キャンドゥ」フランチャイズチェーン本部である株式会社キャンドゥと加盟者が、相互の信頼関係の保持と相互の利益享受、ならびに生活文化を通じて社会に貢献することを目的とする。
② 加盟に際し徴収する保証金及び取引条件に関する事項
・保証金50万円(当社と加盟店との間に生ずる債務の保証)。
ただし、既存加盟店の第2号店以降の新規出店については保証金は発生しない。
・預託金(発注預託金契約の場合のみ)
・加盟店は、前営業日の売上金全額を、翌日正午までに、当社が指定する銀行口座に振り込むものとする。
・当社は、加盟店の売上金を毎月末日で締め切り、翌月10日に売上送金総額より同期間の商品代金及び諸立替金等を差し引いた金額を、加盟店の指定銀行口座に振り込むものとする。
③ 経営指導に関する事項
・加盟店が契約期間中継続して「キャンドゥ」の事業を運営するために必要な知識ならびに技術を習得できるよう指導する。
・加盟店に対して、文書またはその他の手段によって販売方法、商品管理の方法、サービス技術等の情報を通知し、指導する。
・スーパーバイザーによる店舗巡回指導を適時行う。店舗運営の指導の目的としてスーパーバイザーを随時派遣することができる。
④ 店舗運営に関する事項
・加盟店は、消費者に提供する商品の品質を維持し「キャンドゥ」フランチャイズチェーン全体の名声と信用を向上させるため、営業方法等については当社の定めるマニュアルを遵守しなければならない。
・店舗で使用する看板、サイン、什器備品、消耗品及び宣伝販売する商品等について、仕様、規格、または標準を定めるものとし、加盟店はそれらを遵守しなければならない。
・店舗で販売する商品は、すべて当社から購入するものとし、委託または買い取りの如何を問わず、当社以外から調達してはならない。
⑤ 契約の期間、契約の更新及び契約終了後の制限に関する事項
・契約の期間
本契約の期間は、本契約締結日より満10年間とする。
・契約の更新
本契約期間満了180日前までに、本契約当事者双方から別段の申し出もないときには、本契約は自動的に更新されるものとし、契約更新後の契約期間は、更新日から起算して満5年とし、以降も同様とする。
・契約終了後の制限
本契約終了後3年間は、直接、間接を問わず「キャンドゥ」に類似する事業に従事してはならない。
該当事項はありません。