当社は「常に新しいファッションライフの提案を通じて社会に貢献する」ことを社是としております。そしてその実現に向け、商品、サービス、販売技術、財務体質や社員の質などすべてにおいて、お客様はもとより、株主の皆様、お得意先様、また、社会から認められる企業として成長し、信頼を確立することを基本方針としております。
当企業集団は、企業基盤を強化し、高収益体質の構築を目指しております。その結果として、ROE(自己資本利益率)12%を安定的に達成することを目標として企業経営に取り組んでおります。
当連結会計年度(2020年3月1日から2021年2月28日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、消費、生産が大きく減少し、景気は急速に悪化いたしました。1度目の緊急事態宣言解除後は、段階的に経済活動が再開され、政府による需要喚起策もあり、緩やかな回復の兆しがみられましたが、2021年1月に2度目の緊急事態宣言の発出、4月に3度目の緊急事態宣言が発出される等、先行きは未だ不透明な状況にあります。
アパレル小売業界におきましても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、様々な行動規制が出たことで、店舗における来客数が激減し、売上高が大きく減少するという厳しい1年となりました。
このような事業環境のもと、当社では社員の健康面での安全を確保しつつ、店舗への来客数の減少を補完すべく、ECの販売強化に最注力してまいりました。特に自社のECサイト『PAL CLOSET』での売上倍増を目指して、ヒト、モノ、カネを投入し、インスタライブをはじめ、様々なITによる当社商品の紹介に注力するとともに、ポイント付与拡大、期間限定セール等の様々な施策を打つことによりEC売上拡大に積極的に取り組みました。また、巣籠り需要に対応して3コインズを軸とした生活雑貨ブランドに注力いたしました。
これらの施策により、下半期においては売上高、営業利益ともにある程度の回復を見ましたが、通期では上半期における店舗の臨時休業、時間短縮営業の影響が極めて大きく、いずれも大幅な減少となりました。また、2021年4月に3度目となる緊急事態宣言が発出されたことにより、ワクチンの接種が開始されてはいるものの、2022年2月期の上半期においては、引き続きコロナウイルス感染症による業績への影響が極めて大きくなることが確実となってきております。
こうした状況から、当社では引き続きEC売上拡大への注力を継続するとともに、消費者の消費動向の変化に対応するため、『高感度ライフスタイル提案型の生活産業』を牽引できるよう大きく舵を切った店舗運営を行ってまいります。さらに従来より実施している在庫管理の徹底やさまざまなコストの削減といった施策についても原点に戻って引き続き推進してまいります。
持株会社体制に移行いたしました目的である、スピード感のある経営がまさに求められる環境の中、積極的にグループ運営を展開し、一層の効率性の向上に向けた対応を実施していくことで、今後も安定的な成長を目指していく所存です。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)ファッション動向の変化について
一般に、ファッション動向は常に変化する流行に左右されることから、当社グループが属するファッション衣料業界におきましては、業績に対する流行の影響を排除することは困難であります。また、主要顧客である若年層向のマーケットにおける同業他社との競争は熾烈であります。
当社グループでは、複数のブランドを持つことにより広範囲のファッションをカバーし、また、一週間単位で事業部毎に各店責任者が集まり、販売動向、在庫動向等の検証を行う等、流行に即した商品企画および仕入に努めております。
(2)出店政策について
①テナント出店について
当社グループは、主として駅ビルや商業施設等にテナントとして出店しております。これは集客力を有する駅ビル等に出店することで販売力を確保すること、周辺環境や人の流れの変化に迅速に対応し出退店によるスクラップアンドビルドを行う際に過剰な固定資産や設備の保有を極力避けることを目的とするものであります。
当社グループは、今後もストアブランドを保ちながら、駅ビルや商業施設等へのテナント店舗を中心に積極的な出店を進めていく方針であります。
また、出店先の選定にあたり、賃借料、商圏人口、特に衣料品に関しては主要顧客である若者に魅力ある出店先であるかどうか等を総合的に勘案することで、効率的な店舗展開を図っております。当社グループにとって魅力的な出店先が充分に確保できない場合には出店数を縮小する可能性があるほか、店舗の出店数、出店場所、出店時期等により、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。
さらに、テナント店舗の出店にあたり店舗賃借のための保証金の差し入れを行っているため、2021年2月末時点において保証金が総資産の11.9%を占めております。当社グループは大手デベロッパーへの出店がほとんどでありますが、倒産その他賃貸人の事由により保証金の全部または一部が回収できない可能性があります。
②スクラップアンドビルドに伴う費用について
当社グループは、ファッショントレンドの変化を迅速かつ正確に読み取り新しい業態を開発する一方、時流に合わなくなった古い業態は積極的に見直しております。一般に小売業界におきましては開店後の経過等により既存店舗の売上は減少する傾向にあることから、当社グループでは新規出店に加えて、既存店舗におきましても商品構成の見直し、業態変更、必要な場合は退店を行う等、スクラップアンドビルドを積極的に行うことで店舗全体の活性化を図っております。当社グループでは、このような事業再構築のための費用が、いわば必要経費的に発生するものと認識しております。
(3) 大規模感染症等による影響について
既に当期において顕在化しておりますが、新型コロナウイルス感染症のような世界的な大規模感染症の拡大により、生産工場の閉鎖、店舗の休業等、仕入・売上双方に大きな影響が出る可能性があり、仕入面においては、調達ソースの多角化を進めております。また、売上面においては、EC売上に注力できるよう努めております。
(4) 気候変動について
アパレル業界では季節による消費者の購買動向に合わせ販売商品を生産・調達しておりますが、気候変動により、生産・調達した商品が販売不振となるリスクがあります。当社グループではいち早く販売商品を切り替えることができるよう4週間で調達販売のサイクルを終了する4週MDの徹底と推進に努めております。
(5)顧客情報の管理について
当社グループでは、顧客情報の管理には細心の注意を払っておりますが、顧客情報の外部漏洩事件が発生した場合には、当社グループの信用力が低下する等により、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度(2020年3月1日から2021年2月28日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、消費、生産が大きく減少し、景気は急速に悪化いたしました。1度目の緊急事態宣言解除後は、段階的に経済活動が再開され、政府による需要喚起策もあり、緩やかな回復の兆しがみられましたが、2021年1月に2度目の緊急事態宣言の発出、4月に3度目の緊急事態宣言が発出される等、先行きは未だ不透明な状況にあります。
このような事業環境のもと、当社では社員の健康面での安全を確保しつつ、店舗への来客数の減少を補完すべく、ECの販売強化に最注力してまいりました。インスタグラムをはじめ、様々なデジタル媒体による当社商品の紹介に注力するとともに、ポイント付与の拡大や期間限定セール等の施策を打つことにより、EC売上は前年比35%以上の増収となりましたが、2020年4月から5月にかけての店舗の臨時休業並びにその後も継続して実施しておりました時間短縮営業の影響は極めて大きく、衣料事業につきましては、売上高は前年比22.2%減少の75,540百万円雑貨事業につきましては、売上高は前年比5.9%減少の32,904百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は前年比17.9%減少の108,522百万円となりました。利益面につきましては、売上総利益率は前年比1.7ポイント減少の54.6%となりました。営業利益は前年比7,683百万円減少の1,383百万円となり、経常利益は前年比8,115百万円減少の1,052百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前年比6,757百万円減少の270百万円となりました。
セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。
(衣料事業)
売上高は前年比22.2%減少の75,540百万円となり、セグメント利益(営業利益)は759百万円の営業損失(前年度は6,701百万円の営業利益)となりました。
(雑貨事業)
売上高は前年比5.9%減少の32,904百万円となり、セグメント利益(営業利益)は7.9%減少の2,144百万円となりました。
②財政状態の状況
(資産)
流動資産は、現金及び預金が10,360百万円、商品及び製品が1,879百万円、受取手形及び売掛金が875百万円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて14,123百万円増加しました。固定資産は、繰延税金資産が505百万円増加しましたが、投資有価証券が1,040百万円、無形固定資産が141百万円、リース資産が129百万円それぞれ減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて892百万円減少しました。
(負債)
流動負債は、短期借入金が13,206百万円、支払手形及び買掛金が3,874百万円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて16,177百万円増加しました。固定負債は、退職給付に係る負債が203百万円増加しましたが、長期借入金が748百万円、リース債務が94百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて670百万円減少しました。
(純資産)
純資産は利益剰余金が1,929百万円、その他有価証券評価差額金が184百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて2,276百万円減少しました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、財務活動により取得した資金が10,098百万円となったことなどにより、前連結会計年度末に比べて10,360百万円増加し、63,088百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
前連結会計年度におきましては、営業活動の結果取得した資金は14,705百万円でありましたが、当連結会計年度は、仕入債務が3,947百万円増加したこと、税金等調整前当期純利益が前期比8,099百万円減少し504百万円となったこと、棚卸資産が1,892百万円増加したことなどにより、営業活動の結果取得した資金は1,450百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
前連結会計年度におきましては、投資活動の結果使用した資金は3,543百万円でありましたが、当連結会計年度は、投資有価証券売却による収入が830百万円、有形固定資産の取得による支出が1,747百万円、資産除去債務の履行による支出が204百万円あったことなどにより、投資活動により使用した資金は1,188百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
前連結会計年度におきましては、財務活動の結果使用した資金は4,068百万円でありましたが、当連結会計年度は、配当金の支払額が2,199百万円、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により売上高の減少等に伴う資金減少に備えることを目的として短期借入金を13,206百万円増加させたことなどにより、財務活動により取得した資金は10,098百万円となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
(注) 1.セグメント間取引については,相殺消去しております。
2.金額には、消費税等は含まれておりません。
(注) 1.セグメント間取引については,相殺消去しております。
2.金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容は次の通りであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表作成にあたって、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらのうち、主なものは以下のとおりでありますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる可能性があります。なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定に関しましては、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
a. 繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を判断するに際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。従って、将来の課税所得の見積額に変更が生じた場合には、繰延税金資産が増額または減額され、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
b. 固定資産の減損
当社グループは、多数の店舗を有しており、固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づいて算出しております。従って、競争の激化等により店舗のキャッシュ・フローが著しく悪化した場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社では、経営指標であるROE(自己資本利益率)12%の安定的達成のため、売上総利益率及び経常利益率の向上を重点施策としております。このため、各ブランドでは、新たな視点での集客力アップのため、昨年度に引き続きプラスワンカテゴリー施策を実行するとともに、商品に関しては4週間を1シーズンとする4週MDの徹底と推進に努めております。また、売上高に占める販売費及び一般管理費の比率の低減のため、外部コンサルタント起用による経費削減、店舗におけるシフトの効率化を実施し、経常利益率向上に努めました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大による店舗の臨時休業、時間短縮営業による売上高の大幅減少の影響は極めて大きく、ROEは15.3ポイント減少の0.6%となりました。また、売上総利益率は前年比1.7ポイント減の54.6%、経常利益率は5.9ポイント減の1.0%といずれも大幅な悪化となりました。
主要損益項目の状況は以下の通りであります。
(売上高及び売上総利益)
売上高は前年比17.9%減少の108,522百万円となりました。売上高の詳細については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況及び④生産、受注及び販売の実績」をご参照ください。
差引売上総利益は前年比20.4%減少の59,237百万円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益)
販売費及び一般管理費については、売上高販売費及び一般管理費率が前年比3.9ポイント増加し、57,853百万円となりました。
営業利益は前年比84.7%減少の1,383百万円となり、経常利益は前年比88.5%減少の1,052百万円となりました。
(特別損益)
特別利益は、上場株式の売却により333百万円の投資有価証券売却益を計上しました。
特別損失は、店舗の撤退、業態変更などによる固定資産除却損87百万円を計上するとともに、減損損失793百万円を計上するなどで合計882百万円計上しました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、前年比96.1%減少の270百万円となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2事業の状況 2事業等のリスク」に記載の通りであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。また、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。
(注) 1 自己資本比率 : 自己資本/総資産
2 時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額/総資産
3 キャッシュ・フロー対有利子負債比率: 有利子負債/営業キャッシュ・フロー
4 インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー/利払い
5 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
6 株式時価総額は発行済株式数をベースに計算しております。
(運転資金)
運転資金は、主に営業活動による現金収入によっておりますが、状況に応じて銀行借入により資金調達することとしております。
(出店に伴う資金等)
一般にテナント店舗の出店にあたり店舗賃借のための保証金の差入が必要ですが、当社グループは、一定金額及び一定期間以上の保証金については、原則として借入金により調達する方針をとっております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。