今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルスの世界的感染拡大により、ヒトやモノの移動が制限されるなど、世界的な経済活動の停滞が続くなか、今後も大規模な感染拡大の可能性が懸念されており、先行きは不透明な状況にあります。また、コロナがもたらした新しいライフスタイルの定着を背景に、価値観や消費動向の変化が一層加速するものと思われます。
このような中、当社グループは、「変わる→変える」をスローガンに、「売上主義から利益主義」を次期の経営方針に掲げ、ROA(総資産利益率)の向上と利益創出から成長投資への好循環サイクルの確立を目指し、事業を推進してまいります。
その一環として、商業施設等の集客力低下により、収益性の乏しい10店舗の退店を意思決定しており、店舗関連費用を中心とした固定費を削減するとともに、人材マネジメントを強化し、1店舗・1スタッフ当りの生産性向上を図ります。特にリアル店舗における来店客数の増加が見込めない状況を踏まえ、確実な需要が見込めるブライダルやアニバーサリー施策の強化を図ると同時に、高まる消費の二極化を見据え、価格ラインの引き上げや品揃えの見直しを行い、販売単価の向上による売上・利益の確保に繋げてまいります。その基盤として、ダイヤモンド研究所の活動を基軸に高品質で付加価値の高い商品の開発・提供に注力し、主力商品である“Wish upon a star”の価値訴求と併せて顧客価値を創造してまいります。
また、本社改革にも着手し、テレワーク等の推進と並行して業務の仕組化、標準化に向けた取り組みを進め、各業務でのさらなる生産性の向上を実現してまいります。さらに、物流機能を中心とした外注業務の見直しや本社管理部門の効率化により、本社経費を削減するとともに、既存事業で安定的に利益を創出することで、フリー・キャッシュフローの改善を図ってまいります。
これら既存事業で創出した利益やノウハウを資本として、アフターコロナ時代にさらなる成長を遂げるためのデジタル戦略への投資を実行してまいります。
中長期的には、リアル店舗を中心とするジュエリーの接客販売から、それをも包括したデジタルコミュニティをベースに展開する新たなビジネスへの転換を志向し、顧客中心主義でDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するとともに、コミュニティ化とパーソナル化の両立を柱としたビジネスモデルの進化と再構築に取り組んでまいります。
それを支える土台作りとして、デジタル人材の確保と育成、CRMの高度化による顧客データの整備、店舗人材によるSNS訴求やオンライン接客の強化、ディアプリュスを基軸としたジュエリーのデジタルカスタマーサービスの拡充、店舗オペレーションの再構築、EC基盤(商品、システム、物流、人材)の整備などを次期の優先課題として進めてまいります。
海外事業については、グループ成長戦略の推進により拡大・多様化する事業領域や役割の重要性に対応すべく、フェスタリアホールディングスによるマネジメント体制を強化し、グループシナジーの最大化を目指してまいります。
台湾子会社の台灣貞松股份有限公司(日本名:台湾貞松㈱)では、引き続きアジアマーケットの重要拠点として、ブランド力の向上を図るとともに、収益の改善を目指してまいります。
ベトナム子会社D&Q JEWELLERY Co.,Ltd(日本名:ディーアンドキュー ジュエリー)については、コロナ危機の教訓をもとに、自社ブランドのみならず、OEM生産等を検討し、製造体制の見直しや生産合理化によるコスト競争力の向上を進めてまいります。加えて、更なる品質向上や工程安定化を確保することでSPA企業として最適な製造体制の確立を目指してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(ⅰ)季節構成と催事の構成が売上高に及ぼす影響
① 都市型店舗における12月売上高は、年間売上高に対して非常に高い割合となっております。
またジュエリー業界にとりまして12月商戦は、年間最大の販売チャンスであります。当社グループにおきましては、12月商戦に対する強化はもとより、年間を通じて商品開発に努めております。一方、平月の安定的な売上高確保に向けて、販売力強化のため販売員研修を適時実施しております。しかしながら、12月の業績が当初の計画を著しく下回った場合、年間の業績予測に影響を及ぼす恐れがあります。
② 当社グループにおきましては、新規顧客の創造及び既存顧客への感謝を目的とした大型催事を適時実施しております。しかしながら、実施時期に自然災害や感染症の流行等不慮の事由により集客が困難となった場合、年間の業績予測に影響を及ぼす恐れがあります。
(ⅱ)店舗展開について
当社グループは百貨店に代表される複合型商業施設に多数出店しておりますが、以下の事項が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
① 複合型商業施設の出店政策に影響を受ける場合があります。
② 出店候補先における出店基本条件、賃貸借条件等の内容が当社グループの考えております条件と大きな乖離があり、希望物件を確保出来ない場合には、出店計画を変更しなければならなくなる可能性があります。
③ 複合型商業施設が、経営環境の変化によって店舗を閉鎖する場合があります。この場合、同時に当社グループ店舗も閉鎖しなければならない可能性があります。
④ 出店している複合型商業施設及びその運営会社が破綻した場合、売上債権及び営業保証・敷金の返還が受けられない可能性があります。
(ⅲ)人材確保について
当社グループは、人材の確保・教育を最重要課題としておりますが、優秀な社員の育成には時間がかかるため、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(ⅳ)個人情報の管理について
当社は、個人情報の取扱いに対しては、管理体制を見直し整備しておりますが、何らかの要因により情報が流出した場合は、社会的責任を負うこととなり、結果として当社グループの業績にも影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、2019年10月の消費税率引き上げに伴う個人消費の落ち込みに加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、国内外における経済活動が大きく制限され、景気は急速に悪化しました。緊急事態宣言の発令後は新規感染者数が一時的に減少傾向となりましたが、2020年7月以降は再び増加に転じるなど、終息時期の見通しが立っておらず、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループが属する宝飾業界におきましても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、商業施設の臨時休業や営業時間の短縮を余儀なくされるなど、事業運営が大きく制限されたことに加え、インバウンド需要の消滅もあり、大変厳しい事業環境となりました。
このような環境のもと、当社グループは、2020年に創業100周年を迎えるにあたり、次の100年への歩みに繋げる節目の年と位置付け、持続的成長に向けた経営基盤の強化に注力しました。
その中核となる取り組みとして、成長ドライバーである主力商品“Wish upon a star”の更なる競争優位性を確立すべく、2019年10月にダイヤモンド研究所を設立し、高品質でさらに付加価値の高い商品の開発・提供に向けた取り組みを進めました。また、2020年2月には、お客様の多様なニーズに即した販売施策への対応を進めるべく、デジタルとリアルを融合したジュエリーブランド「Diaplus produced by festaria(ディアプリュス)」を銀座三越店にオープンしました。その後、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、3月下旬から段階的に臨時休業や営業時間短縮を実施し、4月の緊急事態宣言の発令から解除された5月下旬にかけては、ほぼ全店で休業を実施しました。さらに、催事企画等も相次いで中止となるなど、営業活動が大きく制限されたため、当第3四半期連結会計期間(3月~5月)の売上高は前年同期比49.0%減と大幅に減少しました。6月以降は、お客様や従業員の安全・健康確保を最優先に、感染防止策を徹底した上で、ほぼ全店で営業を再開しました。引き続きコロナ禍において外出を控える動きがみられるなか、EC販売の強化やブライダル商品を中心にオンライン接客を取り入れるなど、新たな生活様式における販売方法への取り組みを進めました。7月以降は、感染者数が再拡大した影響もあり、リアル店舗における来客数の回復ペースが鈍化したことから、売上の落ち込みを最小限に抑えるべく、万全な感染防止対策のもと、催事販売を一部再開しました。その結果、当第4四半期連結会計期間(6月~8月)の売上高は前年同期比21.1%減となりました。
そのような厳しい状況下、企業の存続と雇用の維持を最優先に、不要不急の支出抑制、在庫の一部売却、政府支援策の最大活用、金融機関との関係強化による追加ファイナンス等を実施しながら、手元流動性の確保に努め、全社一丸となってこの難局を生き残るとともに、コロナ禍における新たな生活様式の下で、再建・成長に向けた構造改革への取り組みを進めました。これらの一環として、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う事業環境の著しい変化を踏まえ、固定資産及びたな卸資産の収益性を検討した結果、当第4四半期連結会計期間において、固定資産の減損等を中心に特別損失を567百万円計上しました。
海外事業については、小売部門である台湾子会社の台灣貞松股份有限公司(日本名:台湾貞松㈱)では、台湾政府の新型コロナウイルス感染防止対策が奏功し、経済活動が概ね維持されていることもあり、売上高は増加したものの、積極的な先行投資が影響し、営業損失が拡大しました。
生産部門であるベトナム子会社D&Q JEWELLERY Co.,Ltd(日本名:ディーアンドキュー ジュエリー)では、日本国内での急激な需要の落ち込みや仕入の抑制によりグループ全体の発注調整に伴う休業等を余儀なくされたため、稼働率が著しく低下しました。なお、新型コロナウイルス感染症拡大によるサプライチェーンへの影響は現時点では軽微であり、日本国内での段階的な売上回復に伴い生産本数も回復基調となっております。
以上の結果、当期における連結業績は、売上高8,428百万円(前期比15.4%減)、営業損失498百万円(前期営業利益145百万円)、経常損失555百万円(前期経常利益94百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失806百万円(前期親会社株主に帰属する当期純利益25百万円)となりました。
(営業活動におけるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は12百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失が△1,121百万円、仕入債務の減少が325百万円あったものの、賞与引当金の増加が66百万円、減価償却費が332百万円、減損損失が295百万円、売上債権の減少が234百万円、たな卸資産の減少が478百万円、あったことによるものであります。
(投資活動におけるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は180百万円となりました。これは主に、差入保証金の回収による収入が29百万円があったものの、有形固定資産の取得による支出が168百万円、無形固定資産の取得による支出が29百万円あったことによるものであります。
(財務活動におけるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により獲得した資金は417百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が1,049百万円、短期借入金の純増減額が434百万円、リース債務の返済による支出が116百万円あったものの、長期借入れによる収入が2,060百万円があったことによるものであります。
その結果、現金及び現金同等物の期末残高は950百万円(前期は698百万円)となりました。
当社グループの事業は、宝飾の製造及び販売の単一セグメントであるため、品目別に仕入実績を記載しております。
当連結会計年度の商品仕入実績を品目別に示すと次のとおりであります。
(注) 金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループの事業は、宝飾の製造及び販売の単一セグメントであるため、店舗形態別に販売実績を記載しております。なお、当社グループは、主に店舗において一般消費者に販売いたしております。また、顧客催事及び仕入先主催の展示会において販売をしております。
当連結会計年度の販売実績を店舗形態別に示すと次のとおりであります。
(注) 金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するに当たりまして、重要な見積りや仮定を行う必要があります。重要な会計方針において、それら重要な仮定により業績に影響を受ける項目は次のとおりです。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますので、あわせてご参照下さい。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大の影響に関する会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載しております。
① 貸倒引当金
当社グループは、売掛債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒が懸念される特定の債権については、相手先の財務状況、業績等を検討して回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。賃貸借契約で出店しているショッピングセンター及びその運営会社が破綻した場合、引当金を積み増すことにより損益にマイナスの影響を与える可能性があります。
② 繰延税金資産
当社グループは、将来年度の当社の収益力に基づく課税所得による回収可能性を検討した上で、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性が見込めないと判断した場合は、回収不能と見積もられる金額を見積り、評価性引当金が計上されることになり、損益にマイナスの影響を与える可能性があります。
③ 固定資産の減損処理
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされる固定資産について、店舗の営業活動から生じる損益が継続してマイナスである資産グループについては、減損の兆候があると判断し、減損処理を実施しております。なお、新型コロナウイルスの影響により、店舗休業や営業時間短縮等の営業活動の制限が想定以上に拡大・長期化した場合など、社会・経済活動の停滞・変動により、投資回収計画の見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失が発生する可能性があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 営業収益
営業収益の概況は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 業績」をご参照ください。
② 営業損益
営業損益は、前連結会計年度に比べ売上総利益が1,073,675千円減少しましたが、販売費及び一般管理費が430,004千円減少したことにより、営業損失は498,332千円(前連結会計年度は営業利益145,338千円)となりました。
③ 営業外損益
営業外損益は、前連結会計年度に比べ29,131千円収益が増加、35,294千円費用が増加しました。これは、為替差益が16,549千円、支払利息が6,976千円、支払手数料が16,527千円増加したためであります。この結果、経常損失は555,760千円(前連結会計年度は経常利益94,074千円)となりました。
④ 特別損益
特別損益は、主に固定資産除却損81,267千円、減損損失295,647千円を計上した結果、税金等調整前当期純損失は1,121,177千円(前連結会計年度は税金等調整前当期純利益54,067千円)となりました。
⑤ 財政状態
当連結会計年度の総資産は、8,028,428千円と前連結会計年度に比べ664,734千円の減少となりました。これは、現金及び預金が251,849千円、繰延税金資産が330,375千円増加し、商品及び製品が560,366千円、受取手形及び売掛金が230,565千円、有形固定資産が417,481千円減少したことが主な要因です。
また、当連結会計年度の負債は、7,167,621千円と前連結会計年度に比べ170,425千円の増加となりました。これは、支払手形及び買掛金が325,634千円、未払金及び未払費用が66,106千円減少し、借入金総額が577,320千円、前受金が38,282千円増加したことが主な要因です。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの当連結会計年度の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び資本の流動性に係る情報
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
② 資金の需要
当社グループにおける資金使途としましては、運転資金、新店舗出店に伴う固定資産の取得、借入金の返済及び利息の支払並びに保証金の支払いであります。
③ 財務政策
当社グループは、経営環境の変化に対応し、また当社の財務比率等を勘案し、財務ないし資本政策を行ってまいります。
該当事項はありません
該当事項はありません。