今後の見通しにつきましては、依然として新型コロナウイルス感染症の収束時期が見通せない状態が続くものの、感染抑制と経済活動の両立に向けた取り組みも進められており、社会経済活動の正常化が期待されております。
一方、ロシア・ウクライナ情勢による資源・エネルギー価格の高騰、金融資本市場の変動等、世界的な景気後退懸念が高まるなど、先行きは不透明な状況が続くものと思われます。
このような状況を踏まえ、当社グループは、引き続き「ビジネスモデルの再構築」と「強みの進化」を中期方針に掲げ、人材力強化に向けた積極的な人的資本投資と並行してDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略を推進することで次なる成長軌道の確立を目指してまいります。
基盤となる人材力強化の取り組みとして、行動基準「festaria Group エンゲージメントルール」を改訂し、全社的な浸透を図るとともに、新キャリアパス制度を導入し、キャリアアップのための適正条件を明確にすることで、従業員一人ひとりが成長に向かってチャレンジし、やりがいを生み出す環境作りに努めてまいります。さらに、キャリアアップを後押しする教育・研修機会を継続的に提供し、行動基準の遵守を前提とした働き方や価値観の多様性を尊重し合う職場環境を実現するとともに、ワークライフバランスを重視した福利厚生や各種制度設計を計画的に進めることで、従業員エンゲージメントの向上に繋げてまいります。また、業績の柱となる店舗収益の更なる拡大を図るべく、店舗人材の採用を強化し、独自の接客プログラムに基づく研修の実施やマネジメント強化により付加価値の高い人材の育成と底上げを目指してまいります。
人材力強化と並行した重点施策として、リアル店舗を基軸とした自社サイトや公式アプリの利便性向上、ジュエリーのデジタルカスタマーサービスの本格展開を図るとともに、SNS訴求やオンライン接客の強化を進めてまいります。加えて、CRMの再構築によりリアル店舗やECなど各チャネルの顧客データを一元化し、顧客動向の分析やOMOを意識した魅力的な店舗環境の整備を進め、リアルとデジタルを融合した顧客にとって有益な購買体験を提供し、顧客とのさらなる関係強化を目指します。これら採用育成による人材力の強化とOMO(Online Merges with Offline)戦略の実効性を高めることで、EC化率を向上させつつも、1店舗当たりの収益性向上を実現してまいります。
商品施策においては、顧客価値を創造する商品開発、品質向上をテーマとして、主力商品である“Wish upon a star”の価値訴求によるブライダルやアニバーサリー施策の強化を進めるとともに、高まる消費の二極化を見据え、高価格帯を中心に商品ラインナップの拡充とオーダーメイド施策の強化を図ります。
コロナ禍で活性化した富裕層マーケットの対応においては、引き続きリレーションシップ・マーケティングの強みを活かした顧客基盤の拡大を図るとともに、希少性の高いラグジュアリー商材における仕入ルートの安定化を進めるなど、更なる成長を目指してまいります。
加えて、採算性・将来性を重視した店舗政策のほか、事業ポートフォリオの見直しに伴う固定費の低減と経営効率の向上を図ることで、利益体質の改善に努めてまいります。また、DXを推進するため、店舗および本社の全ての業務フローを可視化し、バックエンドの最適化を図るとともに、デジタル人材の確保・育成を進めてまいります。
海外事業については、グループ成長戦略の推進により拡大・多様化する事業領域や役割の重要性に対応すべく、フェスタリアホールディングス㈱によるマネジメント体制を強化し、グループシナジーの最大化を目指してまいります。
台湾子会社の台灣貞松股份有限公司(日本名:台湾貞松㈱)では、引き続きアジアマーケットの重要拠点として、ブランド力の向上を図るとともに、さらなる収益の改善を目指してまいります。
ベトナム子会社D&Q JEWELLERY Co.,Ltd.(日本名:ディーアンドキュー ジュエリー)については、自社ブランドのみならず、OEM生産等を検討し、製造体制の見直しや生産合理化によるコスト競争力の向上を進めてまいります。加えて、更なる品質向上や工程安定化を確保することでSPA企業として最適な製造体制の確立を目指してまいります。
これら事業構造改革に加え、成長への取り組みを進め、中長期的には「コミュニティ」を核とした新しいブランド価値の創出を実現してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(ⅰ)季節構成と催事の構成が売上高に及ぼす影響
① 都市型店舗における12月売上高は、年間売上高に対して非常に高い割合となっております。
またジュエリー業界にとりまして12月商戦は、年間最大の販売チャンスであります。当社グループにおきましては、12月商戦に対する強化はもとより、年間を通じて商品開発に努めております。一方、平月の安定的な売上高確保に向けて、販売力強化のため販売員研修を適時実施しております。しかしながら、12月の業績が当初の計画を著しく下回った場合、年間の業績予測に影響を及ぼす恐れがあります。
② 当社グループにおきましては、新規顧客の創造及び既存顧客への感謝を目的とした大型催事を適時実施しております。しかしながら、実施時期に自然災害や感染症の流行等不慮の事由により集客が困難となった場合、年間の業績予測に影響を及ぼす恐れがあります。
(ⅱ)店舗展開について
当社グループは百貨店に代表される複合型商業施設に多数出店しておりますが、以下の事項が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
① 複合型商業施設の出店政策に影響を受ける場合があります。
② 出店候補先における出店基本条件、賃貸借条件等の内容が当社グループの考えております条件と大きな乖離があり、希望物件を確保出来ない場合には、出店計画を変更しなければならなくなる可能性があります。
③ 複合型商業施設が、経営環境の変化によって店舗を閉鎖する場合があります。この場合、同時に当社グループ店舗も閉鎖しなければならない可能性があります。
④ 出店している複合型商業施設及びその運営会社が破綻した場合、売上債権及び営業保証・敷金の返還が受けられない可能性があります。
(ⅲ)人材確保について
当社グループは、人材の確保・教育を最重要課題としておりますが、優秀な社員の育成には時間がかかるため、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(ⅳ)個人情報の管理について
当社は、個人情報の取扱いに対しては、管理体制を見直し整備しておりますが、何らかの要因により情報が流出した場合は、社会的責任を負うこととなり、結果として当社グループの業績にも影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度(2021年9月1日~2022年8月31日)におけるわが国経済は、まん延防止等重点措置の解除により行動制限が緩和される中で、緩やかながら回復の兆しがみられました。一方、新型コロナウイルス感染症の再拡大、ロシア・ウクライナ情勢に起因する資源・エネルギー価格の高騰、急激な円安の進行など、先行き不透明な状況が続きました。
当社グループが属する宝飾業界は、百貨店を中心に高額品が堅調に推移した一方で、原材料・仕入価格の高騰のほか、相次ぐ値上げや所得環境を背景とした節約志向の高まり、人件費や物流コストの上昇などもあり、総じて厳しい事業環境となりました。
このような環境のもと、当社グループは、事業構造改革による安定利益の創出を図るとともに、次なる成長モデルの構築に向け、リアル店舗の優位性を活かしたデジタル戦略への基盤整備に注力しました。
具体的には、経営効率の向上による固定費の低減として、不採算店舗の退店にとどまらず、採算性・成長性を重視した事業ポートフォリオの見直しを検討したことに加え、リモートワークの推進と合わせた本社オフィスの移転・縮小を実施しました。さらに、業務効率の向上及び今後の基幹システムのリプレイスへの対応として、各業務の可視化・標準化を継続的に進めるとともに、商品開発フローの整備や生産・物流機能の最適化に向けた取り組みを推進しました。
リアル店舗を基軸としたデジタル戦略への取り組みでは、新たな顧客体験を提供すべくOMOを見据えた店舗改装を段階的に実施しつつ、自社オンラインサイトのリプレイスに加え、公式アプリの活用やCRMの基盤整備による顧客コミュニケーションの最適化を進めるとともに、店舗スタッフをアンバサダーとしたインスタライブを実施するなど、顧客ロイヤルティの向上に努めました。
富裕層ビジネスへの取り組みでは、ウェルスマネジメント機能を有するパートナー企業のさらなる拡大、富裕層顧客の紹介ルートの開拓を進めました。その一環として、カナダ王室造幣局(ロイヤルカナディアンミント)が世界限定枚数で発行したアーガイル鉱山閉山記念コインの国内独占販売権の取得が実現するなど、成長ビジネスへの軌道化が進展しました。
海外事業については、小売部門である台湾子会社の台灣貞松股份有限公司(日本名:台湾貞松㈱)は、アジアマーケットの重要拠点として、グループマネジメント体制の強化や執行体制の見直しを実施したことで経営効率が向上し、業績が大幅に改善しました。
生産部門であるベトナム子会社D&Q JEWELLERY Co.,Ltd(日本名:ディーアンドキュー ジュエリー)は、新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウンの影響に加え、ロシア・ウクライナ情勢に伴うサプライチェーンの混乱が懸念されましたが、供給物流体制の多様化と工程安定化に取り組むことで、グループ業績への影響は軽微となりました。
このような状況のなか、売上高は前期比57百万円(0.7%増)増加しました。新型コロナウイルス感染拡大の影響により来店客数が落ち込んだものの、高価格帯を中心とした商品ラインナップの拡充により販売単価が上昇したことで増収を確保しました。さらに、当期末の店舗数が前期末に比べ3店舗減少したものの、不採算店舗の撤退や移設改装を含め1店舗当たりの生産性向上に注力したことから、国内既存店売上が前期比5.9%増加しました。
売上総利益は、原材料価格の高騰と円安の同時進行による利益圧迫要因に対し、主力商品である“Wish upon a star”を中心とした付加価値訴求や価格ラインの引き上げ施策等の実施により、売上総利益率は同水準を維持したことから、前期比51百万円(0.9%増)増加しました。
費用面に関しては、DX推進に伴う外注費が拡大したものの、店舗数の減少による人件費及び店舗家賃などの固定費の低減に加え、販促費の効率化を図ったため、販売費及び一般管理費は前期比27百万円(0.5%増)の増加とほぼ同水準となりました。
このように、DXを中心とした成長投資を継続しつつも、ローコストオペレーションの徹底による利益確保に努めた結果、営業利益は前期に比べ24百万円(6.4%増)増加し、経常利益、当期純利益についても増益となりました。
その他では、2022年9月1日にジャパンジュエリーフェア2022(東京ビッグサイト)で開催された第7回ジュエリーコーディネーター接客コンテスト公開最終審査において、当社のスタッフが日本一の栄冠に輝きました。当社が初参加した第5回、第6回大会に続いて約3万人の頂点となる3連覇の偉業を達成したことは、当社の強みである提案接客力の優位性を再確認する結果となりました。
以上の結果、当期における連結業績は、売上高8,781百万円(前期比0.7%増)、営業利益407百万円(前期比6.4%増)、経常利益435百万円(前期比14.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益259百万円(前期比102.2%増)となりました。
(営業活動におけるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は707百万円となりました。これは主に、売上債権の増加が60百万円あったものの、税金等調整前当期純利益が400百万円、減価償却費が211百万円、棚卸資産の減少が181百万円があったことによるものであります。
(投資活動におけるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は155百万円となりました。これは主に、差入保証金の回収による収入が33百万円あったものの、有形固定資産の取得による支出が145百万円、無形固定資産の取得による支出が22百万円、差入保証金の差入による支出が7百万円があったことによるものであります。
(財務活動におけるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は583百万円となりました。これは主に、短期借入金の純増減額の増加が250百万円あったものの、長期借入金の返済による支出が715百万円、リース債務の返済による支出が96百万円があったことによるものであります。
その結果、現金及び現金同等物の期末残高は984百万円(前期は1,040百万円)となりました。
当社グループの事業は、宝飾の製造及び販売の単一セグメントであるため、品目別に仕入実績を記載しております。
当連結会計年度の商品仕入実績を品目別に示すと次のとおりであります。
当社グループの事業は、宝飾の製造及び販売の単一セグメントであるため、店舗形態別に販売実績を記載しております。なお、当社グループは、主に店舗において一般消費者に販売いたしております。また、顧客催事及び仕入先主催の展示会において販売をしております。
当連結会計年度の販売実績を店舗形態別に示すと次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するに当たりまして、重要な見積りや仮定を行う必要があります。重要な会計方針において、それら重要な仮定により業績に影響を受ける項目は次のとおりです。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 連結財務諸表作成のための基
本となる重要な事項」に記載しておりますので、あわせてご参照下さい。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況1
連結財務諸表等注記事項(重要な会計上の見積り)に記載しております。
① 棚卸資産
商品及び製品は個別法、原材料は移動平均法、貯蔵品は最終仕入原価法による原価法により算定しており、貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しております。収益性の低下の判断においては、直近の販売実績に照らして販売可能と判断される棚卸資産を除外した上で、仕入年度から一定の期間を超える棚卸資産の帳簿価額を切り下げております。直近の販売実績及び今後の需要予測に照らした販売可能性の判定に用いた一定の期間を主要な仮定としていますが、当該仮定は将来の不確実な経済条件の変動などによって影響を受ける可能性があり、実際の販売実績が見積りと異なった場合、帳簿価額の切り下げに伴い翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、当該感染症が拡大する前の水準に概ね回復していくものと仮定し、会計上の見積りに反映しております
② 繰延税金資産
当社グループは、将来年度の当社の収益力に基づく課税所得による回収可能性を検討した上で、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性が見込めないと判断した場合は、回収不能と見積もられる金額を見積り、評価性引当金が計上されることになり、損益にマイナスの影響を与える可能性があります。
③ 固定資産の減損処理
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされる固定資産について、店舗の営業活動から生じる損益が継続してマイナスである資産グループについては、減損の兆候があると判断し、減損処理を実施しております。なお、新型コロナウイルスの影響により、店舗休業や営業時間短縮等の営業活動の制限が想定以上に拡大・長期化した場合など、社会・経済活動の停滞・変動により、投資回収計画の見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失が発生する可能性があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 営業収益
営業収益の概況は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 業績」をご参照ください。
② 営業損益
営業損益は、前連結会計年度に比べ売上総利益が51,757千円増加しましたが、販売費及び一般管理費が27,099千円増加したことにより、営業利益は407,446千円(前期比6.4%増)となりました。
③ 営業外損益
営業外損益は、前連結会計年度に比べ収益が52,722千円、費用が20,737千円増加しました。これは、為替差益が44,253千円、助成金収入が17,697千円、支払手数料が477千円、支払利息が18,718千円、その他の諸費用が1,542千円増加したためであります。この結果、経常利益は435,931千円(前期比14.9%増)となりました。
④ 特別損益
特別損益は、主に補助金収入25,160千円、臨時休業等による損失37,699千円、減損損失23,357千円を計上した結果、税金等調整前当期純利益は400,035千円(前期比86.6%増)となりました。
⑤ 財政状態
当連結会計年度の総資産は、6,949,377千円と前連結会計年度に比べ154,591千円の減少となりました。これは、受取手形及び売掛金が69,546千円、有形固定資産が26,003千円増加し、現金及び預金が55,149千円、商品及び製品が44,416千円、原材料及び貯蔵品が44,022千円、差入保証金が31,440千円、無形固定資産が20,380千円、繰延税金資産が84,242千円減少したことが主な要因です。
また、当連結会計年度の負債は、5,661,497千円と前連結会計年度に比べ430,579千円の減少となりました。これは、支払手形及び買掛金が131,616千円、未払金及び未払費用が79,375千円増加し、賞与引当金が27,271千円、借入金総額が465,975千円、リース債務が31,635千円減少したことが主な要因です。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの当連結会計年度の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び資本の流動性に係る情報
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
② 資金の需要
当社グループにおける資金使途としましては、運転資金、新店舗出店に伴う固定資産の取得、借入金の返済及び利息の支払並びに保証金の支払いであります。
③ 財務政策
当社グループは、経営環境の変化に対応し、また当社の財務比率等を勘案し、財務ないし資本政策を行ってまいります。
該当事項はありません
該当事項はありません。