文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社が掲げる企業理念は「日本一質の高いスーパーマーケットをめざします」であります。
消費者ニーズは多様化しています。そのニーズにできる限りきめ細かく対応していくことでお客様の満足度を引き上げたいとの考えによるものです。
道内のスーパーマーケット業界は、長くオーバーストア状態が続いており競合店との競争は激化する一方となっています。また、食品の売り手、という目線で俯瞰すれば、以前から競合しているコンビニエンスストアに加え、ドラッグストアが食品を本格的に扱うようになってきたことやネットスーパーの台頭など新たな競争相手が登場しています。さらに「お客様の食事」という目線で見れば、食品スーパーの総菜は飲食店と競合することとなります。
そのような経営環境下、当社は、「よりおいしくより豊かに」「健康と安心」を不変のこだわりとし次のような取り組みを行うことを決意いたしました。これを実現していくために失敗を恐れずトライを続け、新たに策定した中期経営計画のタイトルとした、「チャレンジャー」として課題に挑んでまいります。
(2)経営戦略等
① 営業戦略について
当社は、お客様の多様なニーズに対応するため、「きめ細かな品揃え」「提案型の商品開発」「新たな仕入ルート開発」に力を注ぎ、価格と品質をバランス良く展開してまいります。そのポイントは、高頻度アイテム(生活必需品)と付加価値アイテム(生活充実品)を同時に展開する売場提案にあります。その上で「よりおいしくより豊かに」「健康と安心」にこだわった品揃えを志向していきます。これらの運用に当たり後述する6MDを商品政策の柱としながら営業に当たります。
② 出店戦略について
出店につきましては、生鮮食料品を中心に衣料品を組み合わせたコンビネーションタイプのSSM(スーパー・スーパーマーケット)を主力業態とし、標準タイプといたしましては店舗面積が約1,000坪の店舗を指向しております。出店地域といたしましては札幌市を中心としたその近郊圏、道央・道東圏を優先エリアとしております。また、新たな店舗フォーマットとして人口5千人規模の町村立地への出店を想定し、少人数・低コスト運営で地域密着をテーマとする小商圏タイプの食料品店舗の展開を計画してまいります。
これら設備投資につきましては当面堅実な範囲にて実施することとしており、競合状況及び投資効果等を勘案し、新規出店の検討と並行し既存店の改装を進めてまいります。
(3)経営環境
日本経済に大きな影響を与えた新型コロナウイルス感染症は、ようやく感染の広がりが収まりつつあります。長く制限のかかっておりました社会経済活動がすこしずつ正常化に向かい始め、感染症対策との両立が現実となってまいりました。また、素材高や円安の影響を受け、物価上昇基調が続いています。物価高の一因となった、ウクライナ紛争の終結はいまだ見通せず、一方で台湾をめぐる情勢も緊迫度を増しています。
ウィズコロナが現実となった今、スーパーマーケット業界は、新型コロナウイルス感染症対策を行いながらさまざまな環境の変化に対応しなければなりません。先に述べたEC事業者やドラッグストアなど異業種との競合、物価値上りに対し高まる節約志向・低価格志向、物流コストやエネルギーコストの高騰などに対処が求められており、引続き厳しい経営環境が予想されます。
当社はこのような状況の中、以下の経営環境の認識のもと、地域顧客のライフラインとしての役割を担いつつ、持続的な事業運営に努めております。当社は北海道全域、札幌市及びその周辺地区に21店舗、また道東地区の網走市、紋別市、美幌町、遠軽町、訓子府町、大空町、湧別町に各1店舗、道北地区の稚内市に1店舗、道南地区の函館市に2店舗、後志地区の岩内町、倶知安町に各1店舗、合計33店舗において生鮮食品、加工食品及び衣料品を主要商品とする地域密着型スーパーマーケットとして事業を展開しております。お客様の年齢層は、現状50代以上のシニア層を中心としておりますが、次世代にあたる30代・40代ファミリー層の顧客開拓にも取り組んでおります。北海道においてスーパーマーケットはすでにオーバーストア状態にあり、いずれの店舗においても競合店やネット通販など異業態との競争にさらされております。当社としましては、商品政策の原則としている6MDの深化により競争相手との差別化を進めお客様の満足度向上に努めてまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、企業の永続のため収益力の強化にフォーカスします。
重点課題として、以下の項目について重点的に対応してまいります。
① 差別化戦略としての6MDの深化
・ラッキー商品政策の根幹である6MDを深掘りし、お客様のニーズに合致した商品の開発、商品選定基準の設定等により他社との差別化を図ります。
・当社が掲げる6MDとは、
⑴ テイスティラッキーMD(おいしさの追求)、
⑵ ナチュラルラッキーMD(健康、安心の追求)、
⑶ ジャスト適量パックMD(使い切りから大容量まで)、
⑷ クイックMD(即食・簡便)、
⑸ 地元マルシェMD(ふるさとの味)、
⑹ パワープライスMD(暮らしを応援する価格)
の6つとなります。
この中で特に「テイスティラッキー」「ナチュラルラッキー」の2つは当社を当社たらしめる、大原則ととらえています。この2つにこだわり続け、よりおいしいものを、より安心できるものをお届けすることが当社の営業の生命線と認識しています。
② お客様に対する提案
・お客様にとって分かり易く、買い易い売り場を構成することを徹底します。また、当社独自の商品開発を通じお客様にダイレクトに訴求していくことも目指します。このため、新事業年度より、組織変更を行い、主に新商品開発を担当する「フードコーディネート部」を新設しております。
・魅力のある商品提案、楽しく買いやすい売り場構成により、お客様の満足度を上げ、買上点数増加や来店頻度向上を図ります。
・果実・鮮魚などの旬商品やパワープライス商品による価格訴求など、お客様にわかりやすい売り場構成を目指します。
・来店いただくにあたり、気持ちよく買っていただける接客の維持も心掛けてまいります。
③ ファミリー顧客層の拡大
・30代から40代の世帯形成層をターゲットに新商品提案を行います。新設したフードコーディネート部を中心に商品開発を進めてまいります。
・引き続きターゲット年代を明確にしたSNSを通じたデジタル販促を進めます。
・Wolt(ウォルト)提携店舗を拡大し、外部デリバリーサービスを利用した利便性の向上に取り組みます。
・ECサイト開設に取組み、ギフト品を中心に来店販売以外の販売チャンネル確保を行います。
・レシピ動画配信(デジタルサイネージ)を売場各所で展開し、提案型の販売促進を行っています。
④ ラッキー生鮮・デリカセンターの稼働に伴う商品供給の拡大
・2021年11月のラッキー生鮮・デリカセンター棟の新設に伴い、旧ラッキーデリカセンター棟跡を改装し精肉加工設備を移設いたしました。2022年3月より食肉加工品の製造・供給を開始、法令を遵守した、安心安全な商品供給を最優先とします。
・各店で別々に行っておりました、調理や加工を当センターに集約することでコスト圧縮を実現いたしました。
・当センターでは惣菜を中心に当社オリジナル商品の開発に取り組んでおります。加えて2023年3月から新設した「フードコーディネート部」による、新商品の製造も行っていく予定です。
⑤ ローコスト運営の徹底と業務効率の改善による生産性向上
・業務推進室による継続的なチェックにより、当社全体のオペレーション効率の分析を進めました。ムリムラのあぶりだしを行い、商品の自動発注やシフトの自動作成、従業員退店後の警備作動の自動化などを通じ当社全体の労働時間を数パーセント削減いたしました。作業の見直しによるもののほか、ラッキー生鮮・デリカセンタ―の稼働率上昇も効率化に大きく寄与しています。
・マニュアルの動画化を通じ、人によってやり方にばらつきのあったオペレーション手順を統一し、品質をそろえる取り組みも始めました。
⑥ 人的資本充実のための施策
・「日本一質の高いスーパーマーケットを目指す」という企業理念実現は、テイスティラッキーMD、ナチュラルラッキーMDによる商品力強化とともに、「感動を与えるサービス」「仕事に対する向上心」が柱となります。
・人的資本充実のため、従業員に対する研修制度を充実してまいります。
・従業員一人一人に対し毎年行っている育成面接を通じ、成長のための課題を個人別に明確化していきます。
・2024年2月期以降、中期経営計画を踏まえ、組織構成の見通しを作成し、社内でどのように必要な人員を育成していくか見える化を行います。また、社内育成が間に合わない見込みとなった部門については早めの中途採用を検討いたします。
⑦ 中期経営計画の策定
・当社は安定的な成長維持のため、2024年2月期から2026年2月期まで、3か年の中期事業計画を策定いたしました。
・この中期経営計画を策定することで3年後、当社がどのような姿になっているかを明確にし、その実現のための課題を浮き彫りにいたしました。
・中期経営計画には、基本となる「収支計画」のほか、「販売計画」「投資計画」「人員計画」「財務計画(調達と返済)」を含んでおります。
・中期経営計画を常に参照することで当社の現在位置や、あるべき姿となるために必要なことを常に確認してまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、目標の達成度を客観的に測定するため、経常利益を経営指標として最も重視しております。そのほか、財務的な安定度を示す自己資本比率、投資効率を示す総資産利益率、投下資本利益率等を重点指標として、中期経営計画において目標値を設定しております。
(6)コロナウイルス感染症について
この5月からコロナウィルス感染症が5類認定となったことを受け、本格的にウィズコロナ時代が始まりました。感染を拡大させないことに留意しながらも社会経済活動の正常化を前提に経営に取り組んでまいります。次期におきましても、お客様及び従業員の安全・安心の確保を最優先事項として取組み、ウィズコロナといわれる状況の中、多様化する顧客ニーズに的確に対応し、事業の継続性・安定性・収益性・成長性の確保を目指してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)出店及び改装に関する法的規制について
① 当該リスクの内容及び当該リスクが経営成績等の状況に与える影響
当社の店舗の新規出店及び既存店の増床等については、「大規模小売店舗立地法」の規制を受けております。同法において店舗面積が1,000㎡以上の新規出店または既存店の売場面積等の変更に対しては、都道府県知事(政令指定都市においては市長)に届出が義務付けられており、届出後、駐車場台数・プラットフォーム面積・悪臭の防止・出入口規制・騒音対策・開閉店時間等、多岐にわたって周辺住民への生活環境に与える影響について審査が求められます。従って、審査の状況及び規制の変更等により、計画どおりの出店や改装ができなくなる場合には当社の経営成績等の状況に影響を与える可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、出店及び改装案件について、立地条件や商圏分析の調査と合わせて法規制の内容を詳細に検討し、計画通りに出店するためのリスク管理と進捗管理を適切に実行し、対象地域において良好な関係が築けるよう努めております。
(2)競合等の影響について
① 当該リスクの内容及び当該リスクが経営成績等の状況に与える影響
当社は北海道全域に店舗を展開し、札幌市及びその周辺地区に21店舗、また道東地区の網走市、紋別市、美幌町 、遠軽町、訓子府町、大空町、湧別町に各1店舗、道北地区の稚内市に1店舗、道南地区の函館市に2店舗、後志地区の岩内町、倶知安町に各1店舗、合計33店舗を擁しております。これら店舗を通じ生鮮食品、加工食品及び衣料品を主要商品とする地域密着型スーパーマーケットとして事業を展開しております。北海道においてスーパーマーケットはすでにオーバーストア状態にあり、いずれの店舗においても競合店やネット通販になど異業態との競争にさらされております。当社といたしましては競合店対策に全力であたることは勿論、当社の特徴を活かした店舗づくりに、これまで以上に力を注ぎ、影響を最小限に留めるべく努力する所存でありますが、今後、当社各店舗の商圏内に更なる新規競合店が出店した場合などには、当社の経営成績等の状況に影響を与える可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性については、その時期を予測することは困難でありますが、当該リスク顕在化の可能性は一定程度あるものと認識しております。当社では、価格・販促政策や顧客サービスの充実及び商品の差別化などの店舗競争力の強化により、当該リスクに対応しております。
(3)食品の安全性について
① 当該リスクの内容及び当該リスクが経営成績等の状況に与える影響
近年、輸入食品の安全性、原材料の偽装、産地の偽装、製造年月日の付替え、口蹄疫や鳥インフルエンザ等の家畜伝染病の発生など、消費者の「食の安全」に対し信頼を損ねる事例が発生しております。当社は安全・安心な商品を調達すべく仕入ルートの確保に努めておりますが、このような問題が今後も発生した場合、仕入ルートの変更や価格の変動にさらされる可能性があります。その場合、商品調達が十分にできなくなる場合や相場の高騰による売上不振を招く場合も想定され、当社の経営成績等の状況に影響を与える可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性の程度及び時期について予測することは困難でありますが、当該リスクが顕在化する可能性は、現時点では一定程度あるものと考えております。当社では、食品の安全性に常日頃から十分な注意を払い、品質管理体制に万全を期しております。また、口蹄疫や鳥インフルエンザ等の不可抗力な疫病が発生する場合は、消費者に正しい情報を掲示等で速やかに示すことで、当該リスクに対応しております。
(4)食品衛生管理について
① 当該リスクの内容及び当該リスクが経営成績等の状況に与える影響
当社の店舗で販売する商品は、品質保持期限が比較的短い食料品や店内加工を要する食料品が多いため、商品の温度管理や取扱い等をはじめとする衛生管理について厳格な注意を払っており、「食品衛生法」等の法令遵守の徹底及び衛生管理マニュアル、鮮度管理マニュアル、販売基準マニュアルを整備しています。また、社内に安全衛生室を設置し、商品や調理器具の細菌検査などを独自で実施し、食中毒等の未然防止に取組んでおります。
しかし、以上の取組みにもかかわらず、将来食中毒等が発生する可能性は否定できません。食中毒等が発生し、当社の食の安全・安心に対し信頼を損なうような問題が生じた場合には、当社の経営成績等の状況に影響を与える可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性については、時期について予測することは困難でありますが、顕在化する可能性は一定程度あるものと認識しております。当該リスクへの対応については、仕入商品の厳格な検品と品質管理、衛生管理及び鮮度管理などの管理マニュアルに基づくチェック体制の徹底により食中毒の未然防止に努め、万一食中毒が発生した場合には顧客最優先の対応をすることとし、従業員に対する法令や社内ルールの周知徹底を図っております。
(5)個人情報の保護について
① 当該リスクの内容及び当該リスクが経営成績等の状況に与える影響
マイナンバーを含む個人情報の保護につきましては、根拠法である個人情報保護法等に基づき、個人情報に関する社内規程の整備や従業員教育、管理責任者の設置などを行っております。これらの手立てにより、個人情報保護の徹底を図っておりますが、万一、個人情報が流出した場合には、損害賠償に加え、社会的信用が低下し、当社の経営成績等の状況に影響を与える可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性の程度及び時期について予測することは困難でありますが、当該リスクへの対応については、「個人情報保護法」の趣旨に則り、社内規程の整備、情報システムのセキュリティ向上、従業員教育の充実等により、管理体制の強化に努めております。
(6)情報システムに関するリスクについて
① 当該リスクの内容及び当該リスクが経営成績等の状況に与える影響
当社では、基幹システムをはじめ各種情報システムを導入し受発注取引情報、顧客情報、従業員の個人情報並びに取引先情報等を管理しております。これにより当社の通常業務のほぼすべてにわたりコンピュータやサーバー、クラウドを用いた処理がなされております。そのため自然災害の発生など不可抗力の事象により通信が途絶し情報システムが機能を失うことや、近年発生が増加しているウイルス感染、不正アクセスによりデータへのアクセスが失われる場合には、各種業務が滞り、経営成績等の状況に影響を与える可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、一定程度あるものと認識しており、当社では、これらリスクの対応として、データバックアップ体制の整備、不正アクセスに対する防御システムの構築を中心に安全性を高める試みを行っています。また外部からシステムが攻撃され、損害が発生した場合に備え賠償保険に加入しています。
(7)自然災害等の発生について
① 当該リスクの内容及び当該リスクが経営成績等の状況に与える影響
当社における営業活動は、実店舗での店頭販売が主体であるため、大規模な地震や台風等の自然災害の発生や不慮の事故等により店舗の営業継続に支障をきたす可能性があります。
こうした災害等の発生に対しては、緊急社内体制及び災害対策マニュアル等の整備や事故防止教育を実施しておりますが、大規模な災害等が発生した場合には、当社の営業活動が停止するなど経営成績等の状況に影響を与える可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性の程度及び時期について予測することは困難でありますが、当社では、事業活動を継続し社会インフラとしての役割を果たすため、BCPの基本方針や災害対策マニュアル等を整備し、災害による不測の事態に備えるため、避難・防災についての教育訓練を定期的に実施しております。
(8)感染症等に関するリスクについて
① 当該リスクの内容及び当該リスクが経営成績等の状況に与える影響
新型コロナウイルス等の感染症の大規模流行によって当社において人的被害が発生した場合には、お客様や従業員等の人命・安全の確保を最優先事項として、蔓延状況に応じて感染拡大防止のため、店舗営業時間の短縮・一時休業等の措置をとる可能性があります。また、感染予防のための外出自粛及び風評被害などにより客数が著しく減少した場合や取引先企業の事業活動の停止・縮小等により商品供給に支障をきたした場合、当社の経営成績等の状況に影響を与える可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
感染症の大規模流行のリスクが顕在化する可能性の程度及び時期について予測することは困難でありますが、新型コロナウイルス感染症以後も同様の感染症が発生する可能性は一定程度あるものと認識しております。
当社では、新型コロナウイルス等の感染症が当社に重大なリスクを与えるものと認識した場合、リスク管理規程に基づき対策本部を設置いたします。感染症予防対策として、従業員の日々の健康チェック、手洗い、消毒、マスクの着用を徹底することとしており、感染者が発生した場合の対策マニュアルを策定しております。また、店舗においては、定期的換気、消毒器の設置、ソーシャルディスタンス確保のためのレジガードの設置などによりお客様及び従業員の安全・安心を優先した予防対策を実施することで当該リスクに対応しております。
(9)減損会計について
① 当該リスクの内容及び当該リスクが経営成績等の状況に与える影響
「固定資産の減損に係る会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」に基づき、当社は当事業年度において7百万円の減損処理を実施いたしました。今後も実質的価値が下落した保有資産や収益性の低い店舗等について減損処理が必要となった場合、当社の経営成績等の状況に影響を与える可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、常に一定程度あるものと認識しております。当該リスクへの対応については、定期的に減損兆候の判定を行い、実質的価値が下落した保有資産の保有継続可否の検討や不採算店舗の発生把握及び当該店舗の収益性低下の原因究明を行い、速やかな改善計画の策定・実行に努めております。
(10)差入保証金について
① 当該リスクの内容及び当該リスクが経営成績等の状況に与える影響
当社では、賃借により出店する場合があります。このため、土地・店舗用建物の契約時に賃貸人に対して保証金を差し入れております。当該店舗に係る差入保証金の残高は、2023年2月末現在9億78百万円(総資産に対し5.5%)であります。
賃貸借契約において、当該保証金は期間満了による契約解消時に一括返還されるか、一定期間経過後数年にわたって均等返還されるのが通例であり、契約毎に返還条件が異なっておりますが、賃貸側の経済的破綻等不測事態の発生により、その一部または全部が回収できなくなる可能性もあります。また、賃借側の都合により期間満了前に中途解約した場合は、契約内容に従って契約違約金の支払いが必要となります。いずれの場合も当社の経営成績等の状況に影響を与える可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、定期的に賃借条件を見直すこと及び賃貸人の信用状況の把握に努めております。また、店舗の閉店検討の際には、差入保証金の没収、契約違約金等を比較勘案のうえ決定することにより、当該リスクの軽減に努めております。
(11)金利の変動について
① 当該リスクの内容及び当該リスクが経営成績等の状況に与える影響
当社においては、総資産及び売上高に占める有利子負債額が比較的高い水準にあります。総資産額に占める有利子負債の比率は、2022年2月期44.8%、2023年2月期39.3%であり、売上高に対する支払利息の比率は、2022年2月期0.06%、2023年2月期0.06%となっております。そのため、資金調達において、景気動向、金融政策及び海外情勢等による為替相場の影響で、金利の大幅引上げが実施された場合には、支払利息が多額に計上され、当社の経営成績等の状況に影響を与える可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、一定程度あるものと認識しております。
当社では、金利変動リスクを回避するために、店舗等に係る設備資金は長期借入金又は社債発行による資金調達とし、金利動向を見ながら有利な条件で調達する方針としております。また、設備投資計画において、有利子負債が過度にならないよう配慮し、金利変動リスクが業績に与える影響を低減しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社は、スーパーマーケット事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当事業年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日 企業会計基準委員会)等を適用しております。この結果、前年同期と収益の会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明において売上高に対する前期比は記載しておりません。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度の食品スーパーの業績に大きな影響を与えた新型コロナウイルス感染症は、ようやく感染が収まりつつあります。長く制限のかかっておりました社会経済活動がすこしずつ正常化に向かい、感染症対策との両立が現実となってまいりました。また、素材高や円安の影響を受け、物価上昇基調が続いています。物価高の一因ともなった、ウクライナ紛争は予断を許さずまだ終結は見通せません。
商品価格上昇の影響でお客様の購買行動も変化し、来店間隔が開き気味となる一方、来店時の買上点数や購入金額は上昇しました。スーパーマーケット業界は、経営環境の大きな変化に対応することが求められています。
そのような経営環境下、当事業年度は、以下の重点項目について取組みを行いました。
・競合他社との優位性確保のための商品力強化(6MDの深耕)
・マーケティング力の強化によるストア・ロイヤリティの向上
・ファミリー顧客層の拡大のための商品投下
・ラッキー生鮮・デリカセンターの本格稼働による経費削減効果の顕在化
・適切な設備投資を行うことにより業務効率を改善しローコスト経営を実現
・資産売却による有利子負債圧縮
前事業年度に小樽市銭函に「ラッキー生鮮・デリカセンター」を新設し、サラダ・煮物・和惣菜・弁当・鮮魚加工品などの品揃えを順調に拡充いたしました。当事業年度から精肉加工、パッケージ設備を移設拡充し2022年9月から当社の道北・オホーツク方面の店舗への商品供給も開始しました。同センターからの供給量を増やすことで作業効率化が顕現し収益体質が強化されています。同センターは2023年3月に新設されたフードコーディネート部と連携し、新商品開発にも取り組んでまいります。
商品政策面におきましては、お客様のより豊かな食生活の実現を願った6MD、特に「テイスティ・ラッキー」「ナチュラル・ラッキー」を重点的に深耕し、顧客満足度の向上及び競合優位性の確保を図りました。
営業面におきましては、ID-POSデータ活用による高併売率商品の拡充、ラッキーCoGCaカードと連動したクーポン販促提案、パック単価の適正化などに取組み、一人当たり買上点数増及び来店頻度向上による売上確保に努めてまいりました。
顧客サービス面ではd払いを追加し利便性を高めました。キャッシュレス決済専用レジの導入も行い、当事業年度のキャッシュレス決済比率は60.2%(前期比3.1ポイント増)まで上昇しております。
当事業年度の売上高は377億14百万円で、前期と比較し12億50百万円の減少となりました。当期首から適用の始まった収益認識基準の影響による売上高の減少額は、11億39百万円であり、同基準を適用しなかったとした場合の既存店売上はほぼ前期並みの売上となりました。売上総利益は106億27百万円と、前期比106.0%、6億4百万円の増加となりました。売上総利益率は、28.2%と前期比2.5%の改善となりました。収益認識基準を適用しなかった場合の売上総利益は100億88百万円と、前期比100.7%、65百万円の増加となります。その場合の売上総利益率は25.9%で前期比0.2%の改善となります。
販売費及び一般管理費ではエネルギーコスト上昇を反映し、水道光熱費が前期比2億12百万円増加、配送費が同71百万円増加となりました。2021年の新デリカセンター開設の影響により減価償却費とリース償却費の合計額は同48百万円の増加となりました。一方、販売手数料が前期比4億59百万円の減少、人件費が76百万円の減少となり、総体では、前期比97.3%となり2億86百万円減少しております。また、販売手数料の減少金額のうち収益認識基準適用による減少額は4億32百万円であり、収益認識基準を適用しなかった場合の販売手数料は前期比95.6%、26百万円の減少となります。
経常利益は、4億18百万円と前期比106.9%、27百万円の増加となりました。2022年7月に売却した札幌市手稲区西宮の沢の土地について売却損を2億5百万円計上し、特別損失に計上したことで税引前当期純利益は2億2百万円と前期比54.6%、1億67百万円の減少となりました。
損益面を総括しますと、水道光熱費、配送費の増加はありましたが売上総利益の増加によりその影響を吸収し、通年ではほぼ当初計画通りの経常利益を計上することができました。
設備投資につきましては、2022年3月に「ラッキー生鮮・デリカセンター」に精肉加工部門を移設しました。
なお、新設店舗及び閉鎖店舗はありませんでした。2022年9月、ラッキー篠路店の改装を行っています。2023年2月28日現在の店舗数は、33店舗であります。
これらの結果、当事業年度の経営成績は、売上高377億14百万円(前期売上高389億65百万円)営業利益3億76百万円(前期比5.6%増)、経常利益4億18百万円(同6.9%増)、当期純利益1億28百万円(同47.5%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、当事業年度末には6億45百万円(前事業年度の期末残高は5億91百万円)となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、10億90百万円(前事業年度は1億47百万円の資金使用)となりました。
これは主に、法人税等の支払により79百万円、売上債権の増加により75百万円の資金使用があった一方、税引前当期純利益が2億2百万円、減価償却費が4億37百万円、土地売却にかかる固定資産売却損による資金獲得が2億5百万円となったことに加え、預り金増加によるものが1億46百万円、未払消費税等の増加によるものが1億70百万円発生したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は、5億17百万円(前事業年度は7億92百万円の資金使用)となりました。
これは主に、定期預金の預入による支出が21億60百万円、有形固定資産の取得による支出が2億51百万円であった一方、定期預金の払戻による資金獲得が21億60百万円、有形固定資産の売却によるものが7億円、差入保証金の回収によるものが1億1百万円であったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、15億54百万円(前事業年度は7億5百万円の資金獲得)となりました。
これは主に、長期借入れによる資金獲得が12億円であった一方、長期借入金の返済による資金使用が12億62百万円、短期借入金の純減少額が10億円、社債償還によるものが3億円であったことなどによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.販売実績
当事業年度の販売実績を商品別に示すと、次のとおりであります。
|
商品別 |
当事業年度 (自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) |
前期比(%) |
|
食料品(千円) |
33,756,241 |
- |
|
衣料品(千円) |
2,475,545 |
- |
|
住居品(千円) |
1,430,135 |
- |
|
その他(千円) |
52,956 |
- |
|
合計(千円) |
37,714,879 |
- |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.当期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用しており前期と収益の会計処理が異なるため、対前期比については記載しておりません。
b.仕入実績
当事業年度の仕入実績を商品別に示すと、次のとおりであります。
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商品別 |
当事業年度 (自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) |
前期比(%) |
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食料品(千円) |
24,233,260 |
- |
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衣料品(千円) |
1,688,376 |
- |
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住居品(千円) |
1,136,217 |
- |
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その他(千円) |
- |
- |
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合計(千円) |
27,057,853 |
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(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.当期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用しており前期と収益の会計処理が異なるため、対前期比については記載しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産合計)
当事業年度末における資産合計は、176億95百万円(前事業年度末186億53百万円)となり、9億58百万円減少いたしました。
その主な要因は、売掛金が75百万円増加したものの、売却による土地の減少が9億5百万円、差入保証金の減少が63百万円であったことなどによるものであります。
(負債合計)
当事業年度末における負債合計は、123億66百万円(前事業年度末134億5百万円)となり、10億38百万円減少いたしました。
その主な要因は、未払消費税等の増加が1億47百万円、預り金の増加が1億46百万円、未払金の増加が1億15百万円あったものの、短期借入金の減少が10億円、社債の減少が3億円、1年以内返済予定分を含めた長期借入金の減少が62百万円であったことなどによるものであります。
(純資産合計)
当事業年度末における純資産合計は、53億28百万円(前事業年度末52億48百万円)となり、80百万円増加いたしました。
その主な要因は、株主配当による減少が63百万円あったものの、当期純利益の計上が1億28百万円、その他有価証券評価差額金の増加が15百万円であったことによるものであります。
b.経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、377億14百万円(前期比12億50百万円減少)となりました。当事業年度より収益認識基準を適用しておりますが当事業年度について収益認識基準を適用しなかったとした場合の売上高は388億54百万円と計算されます。この金額をもとに前期比を計算すると0.3%の減とほぼ前年並みの数値となります。当事業年度後半にかけ、物価上昇基調となったことの影響により客単価、点単価の上昇が顕著となったことによります。
(売上総利益)
当事業年度の売上総利益は、106億27百万円(前期比6.0%増)となりました。収益認識基準を適用しなかったとして計算される当事業年度の売上総利益は、100億88百万円であり、この数値をもとに計算した前期比は0.7%増であります。当事業年度後半にかけ、物価上昇基調となった影響で売上高総利益、同利益率とも改善しております。
(販売費及び一般管理費)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、105億13百万円(前期比2.7%減)となりました。水道光熱費が2億12百万円の増加、デリカセンター稼働を開始したことを主因とする減価償却費の増加が48百万円あった一方、人件費が76百万円の減、販売手数料が4億59百万円の減となったことによるものであります。収益認識基準の適用がなかったとして計算した当期の販売費及び一般管理費は、109億46百万円であり、前期比1億46百万円、1.4%の増加と計算されます。その場合の販売手数料は5億66百万円と前期比26百万円、4.4%の減少と計算されます。
(経常利益)
当事業年度の経常利益は、4億18百万円(前期比6.9%増)となりました。収益認識基準を適用しなかったとした場合の売上高がほぼ前期並みとなった一方、売上総利益率が改善したこと、販売費及び一般管理費の増加が少額の増加にとどまったことによります。
(特別損益)
当事業年度の特別損失は、減損損失が7百万円と前期比13百万円の減少となった一方、固定資産除売却損が2億8百万円計上されたことにより、合計2億16百万円の特別損失を計上いたしました。これは前期比1億94百万円の増加であります。特別利益の計上はありませんでした。
(当期純利益)
当事業年度の当期純利益は、特別損失を計上したことから前事業年度と比較し1億16百万円減少し、1億28百万円(前期比47.5%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性についての分析
イ.資金需要
当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、商品の仕入並びに販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要の主なものは、店舗の新装及び改装等の設備投資、ソフトウェア投資等によるものであります。
ロ.財務政策
当社の事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用と金融機関からの借入などによる資金調達を行っております。
運転資金につきましては、内部資金の充当及び短期借入金による資金調達を基本としております。また、設備資金につきましては、設備投資計画に基づき資金調達計画を作成し、金利動向及び既存借入金の償還時期等を考慮の上、内部資金の充当で不足する場合は長期借入金又は社債等により資金調達することを基本としております。
なお、当事業年度において新規出店はなく、大規模改装等は実施しておりません。当事業年度は、土地売却代金7億円の収入があり内部資金と併せ、有利子負債を13億95百万円圧縮いたしました。当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、69億53百万円となっております。
また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は前期比53百万円増加し6億45百万円となっております。
c.経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
2022年度における経営上の目標の達成・進捗状況は以下のとおりです。
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指標 |
2022年度(計画) |
2022年度(実績) |
2022年度(計画比) |
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売上高 |
37,100百万円 |
37,714百万円 |
614百万円増(1.7%増) |
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経常利益 |
385百万円 |
418百万円 |
33百万円増(8.6%増) |
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経常利益率 |
1.0% |
1.1% |
0.1ポイント増 |
※2022年度の計画指標につきましては、2022年6月17日に公表いたしました「業績予想の修正に関するお知らせ」に記載の通り、当初計画指標を修正しております。修正前の計画指標は、売上高37,100百万円、経常利益400百万円、経常利益率1.1%であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5〔経理の状況〕 1〔財務諸表等〕 (1)財務諸表〔注記事項〕(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当事業年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。
該当事項はありません。