第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)経営方針

 当社は、企業理念として「日本一質の高いスーパーマーケットをめざします」を掲げております。

 近年、スーパーマーケットに対するご要望は多岐にわたり、よりおいしく、より安く、より簡単に、より安全に、そしてより快適にといったニーズが高まっております。

 当社は、こうしたお客様のご要望に確実にお応えできる企業でありたいとの願いをこめ、企業理念を定めております。

 豊かな食生活の具体化のため、また食生活の多様化にいち早く対応するため、豊富な品揃えと高品質をご提供することにより、食文化の向上により一層貢献できる企業を目指してまいります。

 

(2)経営戦略等

① 営業戦略について

 当社は、お客様の多様なニーズへの対応としてきめ細かな品揃えを志向し、また常に新しい売場を提案するために商品開発・仕入ルート開発の推進に力を注ぎ、価格と品質をバランス良く展開してまいります。

 品揃えの特徴は、高頻度アイテム(生活必需品)と付加価値アイテム(生活充実品)を同時に展開すること、またお客様の食卓の視線に合う売場提案にあります。今後も商品コンセプトの柱としております健康、安全、おいしさと品質にこだわる品揃えを志向し、より一層の深耕を図ってまいります。

② 出店戦略について

 出店につきましては、生鮮食料品を中心に衣料品を組み合わせたコンビネーションタイプのSSM(スーパー・スーパーマーケット)を主力業態とし、標準タイプといたしましては店舗面積が約1,000坪の店舗を指向しております。出店地域といたしましては札幌市を中心としたその近郊圏、道央・道東圏を優先エリアとしております。また、新たな店舗フォーマットとして人口5千人規模の町村立地への出店を想定し、少人数・低コスト運営で地域密着をテーマとする小商圏タイプの食料品店舗の展開を計画してまいります。

 これら設備投資につきましては当面堅実な範囲にて実施することとしており、競合状況及び投資効果等を勘案し、新規出店に加え既存店の改装を並行して進めてまいります。

 

(3)経営環境

 国内経済の見通しにつきましては、世界経済の回復傾向や新型コロナウイルスワクチン接種の普及により回復していくことが期待されますが、変異株ウイルスの拡大懸念などもあり、新型コロナウイルス感染症の影響は当面続くものと予想されるほか、一定の経済活動抑制が継続するなかで、雇用・所得環境の回復の遅れが景気への下押しとなり、本格的な景気回復には時間を要するものと思われます。

 スーパーマーケット業界におきましては、少子高齢化による消費・生産人口の減少、コロナ禍による消費者の購買行動の変化や働き方の変化、節約志向の高まり、オーバーストア・業種業態を超えた競争の激化など、業界を取り巻く環境は大きく変化しており、予断を許さない状況が続くと思われます。

 当社はこのような状況の中、以下の経営環境の認識のもと、地域顧客のライフラインとしての役割を担いつつ、持続的な事業運営に努めております。当社は北海道全域、札幌市及びその周辺地区に21店舗、また道東地区の網走市、紋別市、美幌町、遠軽町、訓子府町、大空町、湧別町に各1店舗、道北地区の稚内市に1店舗、道南地区の函館市に2店舗、後志地区の岩内町、倶知安町に各1店舗のほか十勝地区の幕別町に1店舗、合計34店舗において生鮮食品、加工食品及び衣料品を主要商品とする地域密着型スーパーマーケットとして事業を展開しております。主要な顧客層は、50代以上のシニア層が中心となっており、少子高齢化社会の加速もあり、強固な顧客基盤形成を目的として次世代である30代・40代ファミリー層の顧客開拓を課題としております。また、スーパーマーケット業界はすでにオーバーストア状況にあり、いずれの地区においても競合他社との過当競争が加速し、同業他社及びネット通販を含む他業種との競合状況も厳しさを増しております。当社としましては、競合他社に対する優位性を図るために注力している6MD商品政策(6分類の商品コンセプト)による高付加価値商品や差別化商品の提供及び顧客の多様な価値観やニーズへの適応による顧客満足度の向上に努めて、競合店対策に取組んでおります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社は、「商品力」、「販売力」及び「マーケティング力」の強化に最大限傾注することにより、更なる成長を実現すべく経営基盤の強化に努めております。次期におきましては、コロナ禍への対処の継続に加えて、社会構造の変化や生活様式の変化により多様化する顧客ニーズに的確に対応し、事業の継続性・安定性・収益性・成長性の確保を目指してまいります。

 重点課題としては、以下の項目について対応してまいります。

① 競合他社との優位性を図るための商品力強化

・競合他社との優位性を図るため、ラッキー商品政策の根幹となる「ラッキー100カテゴリー」を構築する6つのMD(商品コンセプト)に基づき、専門性を追求した商品開発と既存商品の見直しによる、付加価値向上及びコストパフォーマンスの追求に努めてまいります。

⑴ テイスティラッキーMD(美味しさの追求)、⑵ ナチュラルラッキーMD(健康、安心の追求)、⑶ 地元マルシェMD(ふるさとの味)、⑷ クイックMD(即食・簡便)、⑸ ジャスト適量パックMD(適正量目)、⑹ パワープライスMD(支持される価格)

 

② ローコスト運営の徹底と業務効率の改善

・少数精鋭のローコスト運営を目的とする部門を超えたマルチジョブの実施、規模別人員投下基準の確立による作業効率の改善及び生産性の向上を徹底いたします。

・営業部門統合などの組織の変更・スリム化による業務責任の明確化、業務指示の簡素化及び業務の迅速化による業務効率の改善に努めてまいります。

 

③ 客単価最大化を目的とする販売力の強化

・購買動向の変化やコロナ禍の長期化による購買頻度の停滞(頭打ち)が想定されるため、客単価最大化を目的とする買上点数増の施策を徹底いたします。

・ID-POSを活用した併売率が高まる商品選定及び併売訴求により買上点数の増加を図ります。

 

④ マーケティング力強化によるロイヤリティの向上とファミリー顧客層の拡大

・売り場での新たな情報発信に取組み、分かりやすい売場提案やシンプルな販売によって、お客様の購買利便性向上に努めてまいります。

・「料理する人を応援する」をコンセプトとして、レシピ動画を売場のデジタルサイネージで再生、また当社ホームページ及びチラシ掲載QRコードによる配信を行い、お客様への利便性向上と購買動機の促進を図ってまいります。

・ID-POSによる顧客分析(年代、ランク、TR分析等)による顧客ターゲットを明確化した商品開発に取組んでまいります。

・WEBマーケティングの推進として、SNSを活用したアプローチによる、30~40代のファミリー層をターゲットとした顧客開拓に努めてまいります。

 

⑤ 新デリカセンターの稼働に伴う収益力向上の基盤づくり

・新デリカセンターはプロフィットセンターとしての役割を担うこととし、新たにサラダや生野菜などの品揃え拡充を図り、簡便・個食などの顧客ニーズに対応できる商品力強化や付加価値を追求した差別化商品の開発に努め、商品内製化による収益力強化を見込んでおります。

 

⑥ 「商品力」、「販売力」及び「マーケティング力」の結集によるロイヤリティ・ブランド力の確立

・「モノ消費」から「コト消費」への対応に努め、従来の品揃えや値頃感ではなく、特別なサービスや体験の提供、お客様の共感を呼ぶ高付加価値商品の提供によって、お客様に愛され、必要とされる企業になるよう顧客満足度の向上に取組んでまいります。

 

⑦ 財務体質の強化

・経営環境の変化に柔軟に対応し企業の持続的成長の実現に向けて、利益の確保と経営資源の運用管理を進め、有利子負債の削減と自己資本比率の向上を目標とした財務体質の強化に取組んでまいります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、商品及びサービスの競争力、販売活動や財務活動を含めた総合的な事業の収益性を表す売上高経常利益率を経営指標として設定しております。当面の目標としては、売上高経常利益率2%達成を掲げており、収益の向上とコストの削減に努めて目標の達成に取組んでおります。

 

(6)コロナウイルス感染症の影響と対応

 新型コロナウイルスの感染拡大により、お客様の来店頻度は低下しましたが、まとめ買いなどの購入点数の増加や客単価の向上などにより経営成績への影響は限定的なものでありました。このような環境の中、当社は、食のライフラインの役割を果たすためには、店舗の営業継続が最優先事項と捉え、感染防止策の徹底によりお客様及び従業員の安全を確保した上で、営業継続と商品の安定供給に努めております。また、感染者発生による店舗休業やセンター供給商品の停止等のリスクを想定し、感染発生時の対応策も策定しております。当社におきましては、コロナ禍の長期化による「新しい生活様式」の実践や購買動向の変化への対応が求められており、外出自粛要請や訪日観光客の渡航制限などの感染症の影響は、翌事業年度以降も一定期間にわたって継続するものと認識し、今後の感染症の動向を注視してまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)出店及び改装に関する法的規制について

① 当該リスクの内容及び当該リスクが経営成績等の状況に与える影響

 当社の店舗の新規出店及び既存店の増床等については、「大規模小売店舗立地法」の規制を受けております。同法において店舗面積が1,000㎡以上の新規出店または既存店の売場面積等の変更に対しては、都道府県知事(政令指定都市においては市長)に届出が義務付けられており、届出後、駐車場台数・プラットホーム面積・悪臭の防止・出入口規制・騒音対策・開閉店時間等、多岐にわたって周辺住民への生活環境に与える影響について審査が求められます。従って、審査の状況及び規制の変更等により、計画どおりの出店や改装ができなくなる場合には当社の経営成績等の状況に影響を与える可能性があります。

② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

 当該リスクが顕在化する可能性は、現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、出店及び改装案件について、立地条件や商圏分析の調査と合わせて法規制の内容を詳細に検討し、計画通りに出店するためのリスク管理と進捗管理を適切に実行し、対象地域において良好な関係が築けるよう努めております。

 

(2)競合等の影響について

① 当該リスクの内容及び当該リスクが経営成績等の状況に与える影響

 当社は、札幌市及びその周辺地区に21店舗、また道東地区の網走市、紋別市、美幌町、遠軽町、訓子府町、大空町、湧別町に各1店舗、道北地区の稚内市に1店舗、道南地区の函館市に2店舗、後志地区の岩内町、倶知安町に各1店舗のほか十勝地区の幕別町に1店舗、合計34店舗において食料品及び衣料品を販売するスーパーマーケット事業を展開しております。スーパーマーケット業界はすでにオーバーストア状況にあると言われておりますが、いずれの地区においても新規出店が進んでおり、同業他社との競争に加えて、他業種との競合状況も厳しさを増しております。当社といたしましては競合店対策に全力であたることは勿論、当社の特徴を活かした店舗づくりに、これまで以上に力を注ぎ、影響を最小限に留めるべく努力する所存でありますが、今後、当社各店舗の商圏内に更なる新規競合店が出店した場合、当社の経営成績等の状況に影響を与える可能性があります。

② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

 当該リスクが顕在化する可能性については、時期について予測することは困難でありますが、当該リスク顕在化の可能性は一定程度あるものと認識しております。当社では、価格・販促政策や顧客サービスの充実及び商品の差別化などの店舗競争力の強化により、当該リスクに対応しております。

 

(3)食品の安全性について

① 当該リスクの内容及び当該リスクが経営成績等の状況に与える影響

 近年、輸入食品の安全性、原材料の偽装、産地の偽装、製造年月日の付替え、口蹄疫や鳥インフルエンザ等の家畜伝染病の発生など、消費者の「食の安全」に対し信頼を損ねる事例が発生しております。当社は安全・安心な商品を調達すべく仕入ルートの確保に努めておりますが、このような問題が今後も発生した場合、仕入ルートの変更や価格の変動により、商品調達が十分にできなくなる場合や相場の高騰による売上不振を招く場合も想定され、当社の経営成績等の状況に影響を与える可能性があります。

② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

 当該リスクが顕在化する可能性の程度及び時期について予測することは困難でありますが、当該リスクが顕在化する可能性は、現時点では一定程度あるものと考えております。当社では、食品の安全性に常日頃から十分な注意を払い、品質管理体制に万全を期しております。また、口蹄疫や鳥インフルエンザ等の不可抗力な疫病が発生する場合は、消費者に正しい情報を掲示等で速やかに示すことで、当該リスクに対応しております。

 

(4)食品衛生管理について

① 当該リスクの内容及び当該リスクが経営成績等の状況に与える影響

 当社の店舗で販売する商品は、品質保持期限が比較的短い食料品や店内加工を要する食料品が多いため、商品の温度管理や取扱い等をはじめとする衛生管理について厳格な注意を払っており、「食品衛生法」等の法令遵守の徹底及び衛生管理マニュアル、鮮度管理マニュアル、販売基準マニュアルの整備を図るとともに、安全衛生室を設置し、商品や調理器具の細菌検査などを独自で実施し、食中毒等の未然防止に取組んでおります。

 しかし、以上の取組みにもかかわらず、将来食中毒等が発生する可能性は否定できません。食中毒等が発生し、当社の食の安全・安心に対し信頼を損なうような問題が生じた場合には、当社の経営成績等の状況に影響を与える可能性があります。

② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

 当該リスクが顕在化する可能性については、時期について予測することは困難でありますが、顕在化する可能性は一定程度あるものと認識しております。当該リスクへの対応については、仕入商品の厳格な検品と品質管理、衛生管理及び鮮度管理などの管理マニュアルに基づくチェック体制の徹底により食中毒の未然防止に努め、万一食中毒が発生した場合には顧客最優先の対応をすることとし、従業員に対する法令や社内ルールの周知徹底を図っております。

 

(5)個人情報の保護について

① 当該リスクの内容及び当該リスクが経営成績等の状況に与える影響

 個人情報の保護につきましては、個人情報保護法に基づき、個人情報に関する規程の整備や従業員教育により、その保護の徹底を図っておりますが、万一、個人情報が流出した場合には、損害賠償に加え、社会的信用が低下し、当社の経営成績等の状況に影響を与える可能性があります。

② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

 当該リスクが顕在化する可能性の程度及び時期について予測することは困難でありますが、当該リスクへの対応については、「個人情報保護法」の趣旨に則り、社内規程の整備、情報システムのセキュリティ向上、従業員教育の充実等により、管理体制の強化に努めております。

 

(6)情報システムに関するリスクについて

① 当該リスクの内容及び当該リスクが経営成績等の状況に与える影響

 当社では、基幹システムを導入し業務運営を行っており、顧客情報、受発注情報、従業員の個人情報並びに取引先情報等、業務に係る情報をシステム管理しており、業務のほぼすべてにおいてコンピュータ処理がなされております。しかしながら、自然災害の発生、ウイルス感染、不正アクセス等の予期せぬトラブルの発生により、大規模なシステム障害やインターネット障害が発生した場合には、各種業務が滞り、経営成績等の状況に影響を与える可能性があります。

② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

 当該リスクが顕在化する可能性は、一定程度あるものと認識しております。当社では、や事故等のリスクへの対応として、バックアップ体制を整備するとともに、重要な情報システムの管理については安全性を確認した上で専門業者に業務委託しております。また、不正アクセス等のリスクへの対応として、日常における運用管理を強化するとともに、適切なセキュリティ対策を実施しております。

 

(7)自然災害等の発生について

① 当該リスクの内容及び当該リスクが経営成績等の状況に与える影響

 当社における営業活動は、実店舗での店頭販売が主体であるため、大規模な地震や台風等の自然災害の発生や不慮の事故等により店舗の営業継続に支障をきたす可能性があります。

 こうした災害等の発生に対しては、緊急社内体制及び災害対策マニュアル等の整備や事故防止教育を実施しておりますが、大規模な災害等が発生した場合には、当社の営業活動が停止するなど経営成績等の状況に影響を与える可能性があります。

② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

 当該リスクが顕在化する可能性の程度及び時期について予測することは困難でありますが、当社では、事業活動を継続し、社会インフラとしての役割を果たすため、BCPの基本方針や災害対策マニュアル等を整備し、災害による不測の事態に備えるため、避難・防災についての教育訓練を定期的に実施しております。

 

(8)感染症等に関するリスクについて

① 当該リスクの内容及び当該リスクが経営成績等の状況に与える影響

 新型コロナウイルス等の感染症の大規模流行によって当社における人的被害が発生した場合には、お客様や従業員等の人命・安全の確保を最優先事項として、蔓延状況に応じて感染拡大防止のため、店舗営業時間の短縮・一時休業等の措置をとる可能性があります。また、感染予防のための外出自粛及び風評被害などにより客数が著しく減少した場合や取引先企業の事業活動の停止・縮小等により商品供給に支障をきたした場合、当社の経営成績等の状況に影響を与える可能性があります。

② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

 感染症の大規模流行のリスクが顕在化する可能性の程度及び時期について予測することは困難でありますが、新型コロナウイルス感染症の世界規模での影響はすでに顕在化しており、今後も同様の感染症が発生する可能性は一定程度あるものと認識しております。

 当社では、新型コロナウイルス等の感染症が当社に重大なリスクを与えるものと認識した場合、リスク管理規程に基づき対策本部を設置いたします。感染症予防対策として、従業員の日々の健康チェック、手洗い、消毒、マスクの着用を徹底することとしており、感染者が発生した場合の対策マニュアルを策定しております。また、店舗においては、定期的換気、消毒器の設置、ソーシャルディスタンス確保のためのレジガードの設置などによりお客様及び従業員の安全・安心を優先した予防対策を実施することで当該リスクに対応しております。

 

(9)減損会計について

① 当該リスクの内容及び当該リスクが経営成績等の状況に与える影響

 「固定資産の減損に係る会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」に基づき、当社は当事業年度において90百万円の減損処理を実施いたしました。今後も実質的価値が下落した保有資産や収益性の低い店舗等について減損処理が必要となった場合、当社の経営成績等の状況に影響を与える可能性があります。

② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

 当該リスクが顕在化する可能性は、常に一定程度あるものと認識しております。当該リスクへの対応については、定期的に減損兆候の判定を行い、実質的価値が下落した保有資産の保有継続可否の検討や不採算店舗の発生把握及び当該店舗の収益性低下の原因究明を行い、速やかな改善計画の策定・実行に努めております。

 

(10)差入保証金について

① 当該リスクの内容及び当該リスクが経営成績等の状況に与える影響

 当社では、賃借により出店する場合があります。このため、土地・店舗用建物の契約時に賃貸人に対して保証金を差し入れております。当該店舗に係る差入保証金の残高は、2021年2月末現在11億44百万円(総資産に対し6.3%)であります。

 賃貸借契約において、当該保証金は期間満了による契約解消時に一括返還されるか、一定期間経過後数年にわたって均等返還されるのが通例であり、契約毎に返還条件が異なっておりますが、賃貸側の経済的破綻等不測事態の発生により、その一部または全部が回収できなくなる可能性もあります。また、賃借側の都合により期間満了前に中途解約した場合は、契約内容に従って契約違約金の支払いが必要となります。いずれの場合も当社の経営成績等の状況に影響を与える可能性があります。

② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

 当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、定期的に賃借条件を見直すこと及び賃貸人の信用状況の把握に努めております。また、店舗の閉店検討の際には、差入保証金の没収、契約違約金等を比較勘案のうえ決定することにより、当該リスクの軽減に努めております。

 

(11)金利の変動について

① 当該リスクの内容及び当該リスクが経営成績等の状況に与える影響

 当社においては、総資産及び売上高に占める有利子負債額が比較的高い水準にあります。総資産額に占める有利子負債の比率は、2020年2月期41.3%、2021年2月期40.2%であり、売上高に対する支払利息の比率は、2020年2月期0.09%、2021年2月期0.07%となっております。そのため、資金調達において、景気動向、金融政策及び海外情勢等による為替相場の影響で、金利の大幅引上げが実施された場合には、支払利息が多額に計上され、当社の経営成績等の状況に影響を与える可能性があります。

② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

 当該リスクが顕在化する可能性は、一定程度あるものと認識しております。

 当社では、金利変動リスクを回避するために、店舗等に係る設備資金は長期借入金又は社債発行による資金調達とし、金利動向を見ながら有利な条件で調達する方針としております。また、設備投資計画において、有利子負債が過度にならないよう配慮し、金利変動リスクが業績に与える影響を低減しております。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、当社は、スーパーマーケット事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響による急激な経済活動の停滞により、景気は大幅に後退いたしました。最初の緊急事態宣言解除後においては、国内経済活動の段階的再開、政府による各種施策効果もあり緩やかな景気回復の兆しがみられたものの、昨年末以降の感染再拡大により収束時期の不透明感が強まっており、個人消費持ち直しの足踏みに加えてインバウンド需要回復の遅延もあり、景気動向は依然として予断を許さない状況が続いております。

 スーパーマーケット業界におきましては、コロナ禍の影響による内食需要の高まりにより巣ごもり消費や食料品のまとめ買い傾向が強まったものの、将来の不安による消費者の生活防衛意識が高まる中で競合他社との低価格競争に加えて、リモートワークなどの新しい生活様式への対処や少子高齢化社会への対応、さらに地域のライフラインとしての役割を果たすことなどの課題が山積となっております。また、コロナ禍に伴う食品宅配サービスやネットショッピングなどの非対面型サービスの急増により、業態を超えた市場シェアの争奪戦は一層激化し、引き続き厳しい経営環境となっております。

 当社はコロナ禍に対して「手洗い」、「消毒」、「マスク着用」、「ソーシャルディスタンスの確保」などの衛生管理の徹底による感染症防止に取組み、お客様と従業員の安全確保を最優先事項として、営業継続に注力いたしました。このような状況の中、当社は「商品力」、「販売力」及び「マーケティング力」の強化による確固たる競争力の構築を最大の課題として取組み、品質・価格等の多様化する顧客ニーズに対応してまいりました。

 当社におきましては、お客様にとって価値がある商品を提供することにより、お客様に当社の価値や想いを共有していただき、お客様との信頼関係及び共感を確固たるものとする「ラッキーブランド」の確立に努めてまいりました。

 営業面におきましては、非常事態宣言の発令や外出自粛要請により、内食需要や生活防衛意識が高まる中、パワープライスMD(支持される価格)に重点を置き、まとめ買い需要や低価格志向に対応し、顧客ニーズに適応するジャスト適量パックMD(適正量目)の強化により、巣ごもり消費の対応などに注力いたしました。また、販売力強化として、お客様に対して商品特性やサービスがシンプルに分かり易く伝わる販売に取組み、「価格訴求」、「品質訴求」などの目的を明確化したプライスカード、POP等の刷新により、値ごろ感のある価格設定や付加価値などの視認性向上を図り、お客様にとって買い易い売場の実現に努めております。

 顧客サービスにおきましては、新規顧客開拓を目的として、ポイントカード「ラッキーコジカカード」の新規会員キャンペーンや顧客優遇措置としてチャージキャンペーンを定期的に実施したことにより、当事業年度の「ラッキーコジカカード」決済の売上高は142億24百万円(前年同期比4.9%増)、売上構成比は35.8%(前年同期比1.8ポイント増)となり、カード利用率が上昇いたしました。また、顧客利便性の向上並びに感染予防としても有効な非接触型決済の推進を目的として、各種電子マネー・QRコード決済サービスを積極的に導入いたしましたところ、キャッシュレス決済比率は53.0%(前年同期比3.6ポイント増)となっております。

 当事業年度の売上につきましては、コロナ禍の影響による内食需要の高まりに加え、巣ごもり消費やまとめ買いの増加により、食品全般及び衛生関連用品は堅調に売上高を維持したものの、一方では外出自粛の影響によりシニア向け衣料が不振となった衣料部門の低迷、お盆・年末の帰省の自粛、一部地域における冬期間のインバウンド需要の消失などがマイナス要因となり、売上高は前年同期を下回り減収となっております。

 経費面につきましては、いわゆる3密回避の感染予防を目的とするチラシ・ポイント販促の自粛による広告宣伝費及び販売手数料の削減及び原油相場停滞による水道光熱費の減少により、販売費及び一般管理費は前年同期比99.7%、前年同期に比べ29百万円の削減となり、営業利益及び経常利益は増益となっておりますが、当期純利益は固定資産売却損及び減損損失による特別損失1億80百万円を計上したことにより前年同期を下回り減益となっております。

 設備投資等につきましては、新設店舗及び閉鎖店舗は無く、2020年9月に競合対策の強化及び顧客利便性向上のため「ラッキー新琴似四番通店」の改装を実施しております。2021年2月28日現在の店舗数は、34店舗であります。

 これらの結果、当事業年度の経営成績は、売上高は397億62百万円(前年同期比0.4%減)、営業利益は4億62百万円(同15.6%増)、経常利益は4億77百万円(同16.4%増)、当期純利益は1億92百万円(同12.3%減)となりました。

② キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、当事業年度末には8億27百万円(前事業年度の期末残高は6億94百万円)となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は、7億41百万円(前事業年度は13億77百万円の資金獲得)となりました。

 これは主に、仕入債務の減少額が1億74百万円、法人税等の支払額が1億27百万円であったものの、税引前当期純利益が2億97百万円、減価償却費が3億95百万円、減損損失が90百万円、固定資産売却損が89百万円、売上債権の減少額が1億11百万円であったことなどによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果獲得した資金は、29百万円(前事業年度は95百万円の資金使用)となりました。

 これは主に、定期預金の預入による支出が21億60百万円、有形固定資産の取得による支出が2億30百万円であったものの、定期預金の払戻による収入が21億60百万円、有形固定資産の売却による収入が2億円、差入保証金の回収による収入が1億8百万円であったことなどによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、6億38百万円(前事業年度は11億4百万円の資金使用)となりました。

 これは主に、長期借入れによる収入が12億円であったものの、短期借入金の純減少額2億円、長期借入金の返済による支出が13億89百万円、リース債務の返済による支出が1億35百万円であったことなどによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.販売実績

 当事業年度の販売実績を商品別に示すと、次のとおりであります。

商品別

当事業年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

前年同期比(%)

食料品(千円)

34,740,552

100.5

衣料品(千円)

2,844,025

88.5

住居品(千円)

1,528,903

101.2

その他(千円)

649,089

103.7

合計(千円)

39,762,572

99.6

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.仕入実績

 当事業年度の仕入実績を商品別に示すと、次のとおりであります。

商品別

当事業年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

前年同期比(%)

食料品(千円)

25,587,631

100.1

衣料品(千円)

2,017,550

91.6

住居品(千円)

1,222,830

101.4

その他(千円)

591,824

103.8

合計(千円)

29,419,836

99.6

 (注)1.金額は仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

(資産合計)

 当事業年度末における資産合計は、181億70百万円(前事業年度末189億10百万円)となり、7億39百万円減少いたしました。

 その主な要因は、現金及び預金の増加が1億32百万円であったものの、売掛金の減少が1億11百万円、商品及び製品の減少が82百万円、減価償却により建物の減少が2億49百万円、固定資産売却により土地の減少が2億78百万円、差入保証金の減少が73百万円であったことなどによるものであります。

 

(負債合計)

 当事業年度末における負債合計は、131億5百万円(前事業年度末139億84百万円)となり、8億79百万円減少いたしました。

 その主な要因は、買掛金の減少が1億74百万円、短期借入金の減少が2億円、未払金の減少が66百万円、長期借入金(1年以内返済予定を含む)の減少が1億89百万円、リース債務(流動資産と固定資産で合わせて)の減少が53百万円であったことなどによるものであります。

 

(純資産合計)

 当事業年度末における純資産合計は、50億65百万円(前事業年度末49億25百万円)となり、1億39百万円増加いたしました。

 その主な要因は、株主配当による減少が63百万円であったものの、当期純利益の計上が1億92百万円、その他有価証券評価差額金の増加が10百万円であったことによるものであります。

 

b.経営成績の分析

(売上高)

 当事業年度の売上高は、397億62百万円(前年同期比0.4%減)となりました。これは、コロナ禍の影響による内食需要の高まりに加え、巣ごもり消費やまとめ買いの増加により、食品全般及び衛生関連用品は堅調に売上高を維持したものの、外出自粛の影響による衣料部門の低迷、お盆・年末の帰省の自粛、一部地域における冬期間のインバウンド需要の消失などがマイナス要因となり、減収となっております。

 

(売上総利益)

 当事業年度の売上総利益は、102億60百万円(前年同期比0.1%増)となりました。これは主に、商品値入れの改善によるものであります。売上総利益率は25.80%と、前年同期比0.14%の改善となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は、109億49百万円(前年同期比0.3%減)となりました。これは主に、コロナ禍による3密回避の感染予防を目的とするチラシ・ポイント販促の自粛による広告宣伝費及び販売手数料の削減及び原油相場の停滞による水道光熱費の減少などによるものであります。

 

(経常利益)

 当事業年度の経常利益は、4億77百万円(前年同期比16.4%増)となりました。これは主に、運送収入の増加により営業収入が前年同期に対し19百万円増加したこと、販売費及び一般管理費合計が前年同期に対し29百万円減少したことなどによるものであります。

 

(特別損益)

 当事業年度の特別損失は、貸店舗売却に伴う固定資産売却損89百万円の計上、減損損失による90百万円の計上などにより、前年同期に対し1億5百万円の増加となりました。なお、当事業年度の特別利益には計上はありません。

 

(当期純利益)

 当事業年度の当期純利益は、前事業年度と比較し27百万円減少し、1億92百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの分析

 当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

資本の財源及び資金の流動性についての分析

イ.資金需要

 当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、商品の仕入並びに販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要の主なものは、店舗の新装及び改装等の設備投資、ソフトウェア投資等によるものであります。

ロ.財務政策

 当社の事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用と金融機関からの借入及び社債の発行による資金調達を行っております。

 運転資金につきましては、内部資金の充当及び短期借入金による資金調達を基本としております。また、設備資金につきましては、設備投資計画に基づき資金調達計画を作成し、金利動向及び既存借入金の償還時期等を考慮の上、内部資金の充当で不足する場合は長期借入金又は社債等により資金調達することを基本としております。

 一方で、有利子負債を圧縮するため、たな卸資産の適正化により資産効率の改善に取組んでおります。

 なお、当事業年度における新規出店は無く大規模改装等の設備投資を抑制したことにより、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、前事業年度末に比べ4億93百万円減少し73億10百万円となっております。

 また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は8億27百万円となっております。

 

c.経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況

 2020年度における経営上の目標の達成・進捗状況は以下のとおりです。

指標

2020年度(計画)

2020年度(実績)

2020年度(計画比)

売上高

39,762百万円

39,762百万円

増減なし

経常利益

480百万円

477百万円

2百万円減(0.5%減)

経常利益率

1.2%

1.2%

増減なし

※2020年度の計画指標につきましては、2020年7月10日及び2021年3月11日に公表いたしました「業績予想の修正に関するお知らせ」に記載の通り、当初計画指標を修正しております。修正前の計画指標は、売上高39,340百万円、経常利益420百万円、経常利益率1.1%であります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき、重要な会計方針および見積りにより作成されております。当社は、財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債数値および偶発債務の開示ならびに会計期間における収益・費用の決算数値に影響を与える見積り項目について、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づいた見積りと判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社が採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しておりますが、財政状態及び経営成績に特に重要な影響を与える会計方針と見積りは、以下のとおりと考えております。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1.財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであり、翌事業年度以降も一定期間にわたって新型コロナウイルス感染症の影響が継続するとの仮定に基づき、固定資産の減損損失の測定や繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。

 

(固定資産の減損)

 当社は、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスである店舗及び収益構造の悪化が著しい店舗等における資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や周辺環境の変化により、その見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

(繰延税金資産の回収可能性)

 当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 当事業年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。