当企業グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当企業グループでは、「効用の提供と完全販売によるお客様第一主義の実現」を経営理念として掲げております。私たちはお客様に対して単に商品を販売するのではなく、商品を使用することによってもたらされる楽しさ、豊かさ、便利さ等、商品が持っている「価値」すなわち「効用の提供」をすること、およびその「効用」が維持されるよう優れたサービスを提供し、商品の寿命が尽きるまで最良の状態で使い続けていただく「完全販売」を行うことを私たちの使命であると考えております。また従業員一人ひとりが「おもてなしの心」を持ち、常にお客様への感謝の気持ちと、行き届いた心遣いによる誠実な応対を行うことで、お客様とのより良い信頼関係を長きにわたり築き上げていけるよう努めてまいります。
(2)経営環境
企業グループをとりまく経営環境は、家電市場が買い替えを中心とした安定的な需要はあるものの、人口及び世帯数の減少により今後の大きな伸長が見込まれないことが重要な課題であると認識しております。一方でeコマース市場の拡大が続いており、店舗販売を展開するうえでショールーミングなど様々な課題への対応も重要となっております。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当企業グループは、収益力の向上と企業の持続的な成長のために、以下の施策を推進してまいります。
①収益力の向上への取り組み
(ⅰ)お客様のご要望や時代の変化などに俊敏に対応することで、お客様サービスの充実を図ってまいります。世代やニーズに合わせた販売促進策を行い、エディオンアプリ会員の獲得や、デジタル販促の活用を通じて、顧客接点の拡大と来店促進に努めます。店舗においては、お客様の潜在ニーズに響くサービスや商品提案に加え、お客様視点の商品開発を拡大することで、家庭内のシェアアップを目指します。物流・サービス体制では、大型商品の無料配送やスピード配達・工事などを実践し、より利便性向上に努めてまいります。
(ⅱ)販売管理費のコントロールも重要な課題と考えております。店舗の業務効率を改善し、またより一層働き方改革の取り組みをすすめるなど、人的生産性の向上に取り組んでおります。さらに、広告宣伝費や販売促進費の最適化にも積極的に取り組むことで、販売管理費比率を改善し、ローコストな運営を実現してまいります。
②企業の持続的な成長への取り組み
(ⅰ)お客様のより快適な生活を提案するため、お客様の声を反映して当社で企画・開発したオリジナル商品「e angle(イー アングル)」を展開しております。当社独自の商品により、売上及び利益への貢献ができるほか、新たな市場を発掘するべく商品開発に積極的に取り組むとともに、販売を強化してまいります。
(ⅱ)リフォーム分野は消費者の「省エネ性能」「安全・安心」を重視する意識の高まりや、市場規模の持続的な成長も見込まれていることから、売上拡大とともに施工体制の強化や施工品質の向上に努めております。また、外壁・屋根リフォーム等の新たな商品の開発、販売を行ってまいります。
(ⅲ)多様化するニーズへの取り組みとして、「エディオンネットショップ」ではエディオンポイントや長期修理保証など、店舗と同様のサービスをご利用いただけます。また、ネットショップでは店舗の品揃えの補完としての機能を果たすとともに、ネットショップでの購入品を店舗で受け取りいただけるなど、相互に連携したサービスを提供してまいります。
(ⅳ)未来の社会を担う子どもたちに向け、ロボットプログラミング教育を通じて、知識やスキルの習得だけでなく、創造的な考え方を主体的に学び実践できる子どもたちの育成に貢献したいと考えております。
(ⅴ)これまでも環境問題や社会課題の解決に取り組んでまいりましたが、企業を取り巻く環境が近年大きく変化しております。社会課題の解決による持続可能な社会の実現と持続的な企業価値向上の両立を図るため、2023年5月にサステナビリティ方針を制定しました。本方針は、エディオングループがサステナビリティ経営を行っていくうえでの基本的な考え方を示すものであり、この方針に基づき、従業員一人ひとりが持続可能な社会の実現と持続的な企業価値の向上に取り組んでまいります。
今後も家電量販店ならではの生活提案や商品開発を行うことで、潜在的なお客様ニーズの顕在化と売上の拡大を図ってまいります。
③コンプライアンスの徹底
(ⅰ)当企業グループでは、従業員が社会の一員として、また、エディオングループの一員として、法令や社内ルールを遵守し、不正等が発生しない環境を作り上げていくことがお客様からの信用に結びついていくと考えております。今後も、社内研修を通して従業員一人ひとりが法令遵守の認識を深め、社内体制を整備し、また内部統制・内部監査の強化に取り組むとともに、新たな法規制等にも迅速に対応するなど、コンプライアンスを徹底してまいります。
(ⅱ)当企業グループの子会社及び関連会社を統括し、経営判断の迅速化による企業競争力の強化を図るとともに、経営の管理・監督機能を強化することにより、当企業グループ全体のコーポレートガバナンスの強化を図ってまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当企業グループは、事業基盤を強化し収益力を高め、営業利益率の向上に努めております。また、キャッシュ・フロー重視の経営を徹底するとともに、資産・負債の圧縮と収益力の更なる向上を図ることで資本効率を高め、中長期的にROE等の経営指標の改善に努めてまいります。
当企業グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。
当企業グループは、「お客様の豊かな暮らしを永続的に支える企業」でありたいという考えのもと、経営理念に基づいて当企業グループの持続的な成長とすべてのステークホルダーの発展に資するために、サステナビリティに関する取り組みを推進しております。
当企業グループでは、これまでも環境問題や社会課題の解決に積極的に取り組んでまいりましたが、社会課題の解決による持続可能な社会の実現と持続的な企業価値向上の両立を図るために、2023年5月に当企業グループのサステナビリティ方針を制定いたしました。本方針は、当企業グループがサステナビリティ経営を行っていくうえでの基本的な考え方を示すものであり、この方針に基づき、従業員一人ひとりが持続可能な社会の実現と持続的な企業価値の向上に取り組んでまいります。また、本方針は、当企業グループのサステナビリティに関連する方針類を束ねる上位方針として位置づけており、関連する方針としましては、環境方針、人権方針、調達方針等を定めています。これらの方針等に基づき、取り組みを進めてまいります。
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【エディオングループのサステナビリティ方針】 エディオングループは「お客様の豊かな暮らしを永続的に支える企業」でありたいと考えています。経営理念・倫理綱領に基づく事業活動を通じて、すべてのステークホルダーとの対話を尊重し、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、自社の持続的な成長と企業価値の向上を目指します。
1.社会課題の解決と地域社会への貢献 事業活動を通じて社会課題の解決に取り組むとともに、地域社会との協調・交流を図り、地域の活性化や豊かな生活環境づくりに積極的な役割を果たします。
2.環境問題への取り組み 環境負荷の低減を重要な課題の一つとして認識し、自然環境や生物多様性の保全とともに循環型社会や脱炭素社会の実現に向けて取り組むことで、豊かで潤いのある社会環境の創造を目指します。
3.人権の尊重 性別や国籍など個人の属性に関係なく、すべてのステークホルダーの人権を尊重し、すべての人々の尊厳が守られる社会の実現に向けて、事業活動の人権への影響やリスクに適切に対応し、人権侵害の未然防止に努めます。
4.人材育成 新たな価値創出の源泉として重要な経営資源である人材の多様性を尊重し、一人ひとりがやりがいを持って心身ともに安全・健康に働ける環境整備を行い、従業員の公平公正な処遇と能力開発に努めます。
5.法令遵守及び公正な取引 あらゆる法令や社会規範を遵守し、取引先とも連携し社会に対して責任ある調達活動に取り組むなど、サプライチェーン全体においても公正な事業活動を行います。
6.情報開示 ステークホルダーとの対話と連携を通じて強固な信頼関係を構築し、公正かつ透明性の高い経営を行い、積極的な情報開示に努めます。
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当企業グループのサステナビリティに関する考え方及び取組の詳細は、当社ウェブサイトをご参照ください。
https://www.edion.co.jp/sustainability
(1)サステナビリティ共通
①ガバナンス
当企業グループは、事業活動にとどまらず、環境保全や社会貢献なども軸にしたサステナビリティ経営をグループ全社で横断的に推進するため、2022年6月に「サステナビリティ推進委員会」を設置いたしました。同委員会は代表取締役会長執行役員(2025年度からは代表取締役社長執行役員)が委員長となり、サステナビリティ推進に関わる環境・社会・ガバナンスの重要な方針や施策、取り組みなどについて審議し、適宜、取締役会に報告しております。取締役会では、サステナビリティ推進委員会の審議内容について報告を受けたうえで、重要事項については必要に応じて取締役会で審議を行うなど、監督を行っています。
なお、サステナビリティ推進部が、サステナビリティ推進委員会の事務局となり、当企業グループのサステナビリティに関する取り組みを推進・実施しております。
当事業年度においては、サステナビリティ推進委員会を3回開催し、マテリアリティの見直し、CO2削減ロードマップの策定等を審議いたしました。
また、当事業年度に開催された取締役会17回のうち、サステナビリティ関連の議題(各種方針、マテリアリティの見直し、CO2削減ロードマップの策定等)については、付議が1回、活動報告が2回行われました。さらに取締役会の決議・報告内容は、経営会議でも2回報告されました。
このほか、サステナビリティ推進を監督する取締役のスキル・経験と期待する役割を、取締役のスキルマトリックスとして明確化し、ガバナンスの強化を図っております。
当社の取締役のスキルマトリックスの詳細は、当社ウェブサイトをご参照ください。
〈サステナビリティ推進体制〉
②戦略
当企業グループにおけるサステナビリティの考え方に基づいて中長期的に企業価値を向上していくために、事業活動に影響を与える社会環境の変化や、事業活動を通じて果たすべき社会的役割を整理し、重要かつ優先的に取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を特定しております。なお、経年とともに当企業グループに影響を及ぼす可能性のある外部環境が変化していることから、2025年3月にマテリアリティの見直しを行いました。今後は新たに特定したマテリアリティに取り組むことで、当企業グループの中長期的な価値創造につなげてまいります。
ⅰ)マテリアリティ特定のプロセス
a.課題の把握・整理
サステナビリティに関する国際的な枠組みやガイドライン等を参照し、環境・社会・ガバナンスに関する課題を網羅的に抽出しました。
b.重要性の評価
抽出した課題について、当企業グループの経営理念や事業活動等を踏まえ、「当企業グループにとっての重要度」と「ステークホルダーにとっての重要度」の2軸で重要性の評価を行いました。
c.マテリアリティ候補の選定・妥当性の確認
重要性の評価を踏まえ、重要度が高いと判断された課題を、これまでのマテリアリティと照合し、新たなマテリアリティ候補を選定しました。選定後、サステナビリティ推進委員会での議論や社外取締役との対話等を通じて、その妥当性を確認しました。
d.マテリアリティの特定
サステナビリティ推進委員会において審議を行い、取締役会を通じて、新たなマテリアリティを特定しました。
ⅱ)新たなマテリアリティ
当企業グループは、「お客様の豊かな暮らしを永続的に支える企業」でありたいという考えのもと、経営理念である「効用の提供と完全販売によるお客様第一主義の実現」とマテリアリティとのつながりが重要であり、経営理念の実践そのものがサステナビリティの取り組みであると考えております。
新たなマテリアリティは、「お客様の便利で豊かな暮らしの実現」「地球環境と調和した持続可能な社会の実現」「豊かで賑わいのある地域社会の創造」「多様性の尊重と人的資本の拡充」「ステークホルダーとの良好な関係の実現」「事業成長を支えるための透明性の高いガバナンス強化」の6つとし、「創出する価値」「価値を生み出す資本」「経営基盤」という観点で位置づけております。今後も引き続き、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、当企業グループの持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。
〈経営理念とマテリアリティ〉
③リスク管理
グループ全体に関わるリスク管理の基本方針や管理体制については、リスク管理規程で定めており、その規程に基づいてリスク管理委員会を設置し、グループ会社を取り巻くリスクを総括的に管理しております。
リスク管理委員会では、当企業グループの事業に負の影響を与えるリスクを特定し、そのリスクの影響度合いと発生可能性を評価することで、リスクの重要性の検証を行っております。さらに想定されるリスクに対して、管理目標と具体的な対策を決定し、その進捗状況について継続的にモニタリングを実施しております。リスク管理の状況については、取締役会への報告を行っております。気候変動や人的資本などのサステナビリティ課題に係るリスクや機会の評価・管理については、サステナビリティ推進委員会で実施しております。全社的なサステナビリティ課題に係るリスクと機会を管理し、リスクと機会を特定・評価・管理する手法についても審議・決定のうえ、取締役会に報告しております。識別したサステナビリティ課題に係るリスクは、リスクと機会の財務的影響を評価し、重要なリスクと機会を特定後にリスク管理委員会と協議を行い、対応策を検討しております。
〈リスク管理プロセス〉
④指標及び目標
サステナビリティに関する指標及び目標は、以下に記載しています。
気候変動は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動への対応 ④指標及び目標」に記載のとおりです。
人的資本は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本への対応 ④指標及び目標」に記載のとおりです。
(2)気候変動への対応
当企業グループでは、「地球環境と調和した持続可能な社会の実現」をマテリアリティの一つとしております。2021年7月に賛同したTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言を踏まえ、シナリオ分析を行い、気候変動への対応について以下の枠組みで取り組みを進めております。
①ガバナンス
当企業グループでは、気候変動に伴うリスクや機会は事業戦略や財務計画に大きな影響を及ぼすものと認識し、サステナビリティ経営をグループ全社で横断的に推進するため、2022年6月にサステナビリティ推進委員会を設置いたしました。
サステナビリティ推進委員会では、気候変動を主要テーマの一つとし、TCFD提言に則した情報開示項目の整理とCO2排出量の見える化及び削減方法の検討、気候変動に係る重要事項の議論や対応方針の策定等を行うとともに、目標に対する施策の進捗状況を把握し、取締役会に報告を行っております。
また、取締役会は監督機関として、サステナビリティ推進委員会で審議した気候変動に関する課題と目標、対応について適宜報告を受け、重要事項においては審議のうえ決議いたします。
②戦略
ⅰ)シナリオ分析
当企業グループは、台風・豪雨の激甚化等の気候災害の拡大及び脱炭素化等の気候変動緩和に向けた全世界的な取り組みが経営とビジネス全体に重大な影響を与える重要課題であると認識しております。気候変動が当企業グループに与えるリスク及び機会とそのインパクトの把握、2030年時点の世界を想定した当企業グループの戦略のレジリエンスと追加施策の必要性を検討するため、シナリオ分析を実施いたしました。
その結果、消費者のライフスタイルの変化への追随、気候変動への緩和や適応への対応、炭素税や省エネルギーに関する法規制の強化への対応が焦点となる課題であることが判明いたしました。
シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数の既存シナリオを参照のうえ、パリ協定の目標である「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をすること」を想定した「1.5℃/2℃シナリオ」及び現在のペースで温室効果ガスが排出されることを想定した「4℃シナリオ」の2つの世界を想定しております。
気候変動関連の規制の強化や市場の変化・消費者の嗜好等の移行リスクが顕在化する「1.5℃/2℃シナリオ」にはIEA NZE 2050を、自然災害等の物理リスクが顕在化する「4℃シナリオ」にはIPCCによるSSP5-8.5とRCP8.5を選定いたしました。なお、1.5℃と2℃のシナリオにおいては、リスク及び機会の傾向は同じですが、1.5℃の方が2℃よりも気候変動への対応スピード及び活動レベルを強化していく必要性があると認識しております。
シナリオ分析の対象範囲は、2030年の世界を想定して、特に気候変動の影響を受ける可能性のある家電、リフォーム、物流事業に関連するグループ会社8社のサプライチェーン全体といたしました。
また、気候変動の影響は長い時間をかけて顕在化していく可能性があることを踏まえ、短期、中期、長期の時間軸を定義しております。
この2つのシナリオを踏まえ、TCFD提言に沿って、気候関連リスク及び機会を抽出いたしました。そのうえで、気候変動がもたらす移行リスク(政策・法規制、技術、市場、評判)や物理リスク(急性、慢性)、また、機会(製品及びサービス)を特定いたしました。
ⅱ)シナリオ分析結果
シナリオ分析の結果、1.5℃/2℃シナリオ、4℃シナリオいずれのケースにおいても、消費者のライフスタイルの変化への追随に失敗すること、気候変動への緩和や適応への対応の遅れによる評判の低下が当企業グループにとって重大なリスクであることがわかりました。一方で継続的なシナリオ分析を通して他社に先んじて1.5℃/2℃シナリオ及び4℃シナリオの世界のいずれにも迅速に対応できる事業戦略を構築し実行することにより、リスクを機会に転じさせることもできると考えております。
例えば、1.5℃/2℃シナリオにおいては、炭素税や省エネルギー化に関連する規制強化が想定されているため、当企業グループにとってはコスト増加につながります。2030年時点において、最も財務に影響を与えるリスクは炭素税の導入によるコスト増加であり、その影響金額は約17億円と予測しております。
しかしながら、脱炭素化に向けて省エネや建築物ZEB化の規制が進行し、温室効果ガス排出量の規制が強化され、それらに伴う社会意識の変化への対応を進めていくなか、エネルギー効率が高く温室効果ガス排出量の低い製品への需要が拡大することは、家電やリフォーム事業を展開する当企業グループにとっては機会でもあると考えております。
また、4℃シナリオにおいては、自然災害が激甚化した結果、被災による被害が発生するとともに、サプライチェーンの分断によって納品が遅延することに伴う販売機会の損失が見込まれます。しかしながら、平均気温が上昇する中で自社の室温や湿度を一定に保つために空調機器のエネルギー消費量が増加し、空調コストの増加が見込まれるなか、エネルギー効率の高い空調機器への需要が拡大することは当企業グループにとっては機会でもあると考えております。
このシナリオ分析を通じて気候関連リスクの影響を認識し対応策を検討することにより、当企業グループの事業上のリスクの低減と価値創出の機会を実現し、持続可能かつ安定的な収益を長期的に確保することを目指してまいります。
〈気候変動によるリスク及び機会〉
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分類 |
リスク及び機会の内容と当企業グループへの影響(一例) |
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リスク |
移行リスク (主に1.5/2℃シナリオ) |
・炭素税導入によるコスト増加 |
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物理リスク (主に4℃シナリオ) |
急性 |
・台風や洪水などの異常気象の増加による営業休止・配達不能による売上減少 |
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慢性 |
・降水パターンの変化や平均気温の上昇による設備の入れ替え、電力コストの増加 |
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機会 |
製品及びサービス (主に1.5℃/2℃シナリオ) |
・各法令の規制強化による低炭素製品・サービスの需要増加 |
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製品及びサービス (主に4℃シナリオ) |
・平均気温上昇に伴う空調コスト増加による高効率空調機器の需要拡大 |
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気候変動によるリスク及び機会の分析内容の詳細は、当社ウェブサイトをご参照ください。
https://www.edion.co.jp/sustainability/environment/tcfd
ⅲ)リスクと機会を踏まえた取り組み・対応
当企業グループでは、シナリオ分析の結果を踏まえて、店舗設備や事業活動において脱炭素化の取り組みを強化しております。店舗等ではCO2排出量を削減する運営を目指し、太陽光発電設備の設置による再生可能エネルギーの活用や、LED照明などの省エネ設備の導入をすすめ、エネルギー管理システム(EMS)の設置、空調機器の省エネ部品の導入などによるエネルギー制御にも取り組んでおります。また、事業活動においても省エネ製品・サービスの提供を通じて、脱炭素化の重要性をお客様に理解していただく活動をはじめ、敷地内駐車場での電気自動車充電スタンドの設置や、敷地・屋上・壁面の緑化など、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを積極的に行っております。今後も継続して店舗等での省エネ効率などを研究しながら、環境に配慮した効率的な店舗体制の強化を図ってまいります。
1.5℃シナリオで想定される各法令の規制強化に伴う対応コストを低減することを目的の一つとして、設備の更新時期やテナントの入れ替え、店舗の新設に合わせて、自家消費型太陽光発電設備の導入、省エネ型照明・空調機器への切り替え、デマンドレスポンス(DR)契約などを進めております。なお、2023年に新設した岐阜正木店と交野星田店においては、持続可能な店舗運営の実現に向けて徹底的な省エネと創エネに取り組み、省エネ+創エネで年間の一次エネルギー消費量を正味25%以下まで抑えることに成功し、「Nearly ZEB(ニアリーゼブ)」の認証を取得しております。
また、家電直営店舗における省エネ・節電の取り組みとして、塔屋・外壁サインの照明消灯、店内空調機器の温度設定、空調フィルターの適切な清掃、店内照明の速やかな消灯、展示品の一部電源オフなどを実施し、電力やガス使用の削減によるCO2排出量の削減を進めており、Scope1及びScope2のCO2排出量の総量削減に寄与しております。
当企業グループは、売上高の8割以上を占める家電及びリフォーム事業において、省エネ性能の高い家電製品や家庭用太陽光発電設備、高断熱リフォームなどの販売を積極的に進めることを機会と捉えております。全国各店舗での家電製品アドバイザーやスマートマスター等の資格取得や研修等を通じて、省エネ分野に関する幅広い専門知識を有する従業員を増やすことを推進しております。この取り組みにより、Scope3カテゴリ11(販売した製品の使用)や、サプライチェーンを通じたScope3カテゴリ1(購入した製品・サービス)のCO2排出量削減に寄与いたします。このほか、物流サービス拠点の一部では、商品配達時に排出される発泡スチロールの減容と再資源化を行い、これにより運搬車両は通常の1/20の台数となり、Scope3カテゴリ4(輸送・配送)のCO2排出量を抑制しております。
4℃シナリオで想定される自然災害の激甚化に伴う損害・対応コストの低減では、洪水や氾濫のリスクと集中豪雨による洪水の被害を想定し、いち早く対応できるように防災訓練を実施するなどリスクに対応できる体制を整えております。また、記録的な豪雨や集中豪雨における事業所及び店舗内の浸水や、浸水による家電製品等への被害が極力発生しないように、一部店舗においては排水ポンプの設置や屋上・駐車場等の防水工事を実施しております。今後も適切な計画を立て、修繕、操業、訓練、外部情報活用等による自然災害への備えを行ってまいります。
当企業グループでは、特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)の対象である使用済み家電製品の適正な処理をはじめ、発泡スチロールなどの廃棄物の分別や再資源化に取り組んでおります。子会社の㈱イー・アール・ジャパンでは、グループ各社で回収した使用済み小型家電のリサイクルやパソコンなどのリユースを事業としており、持続可能な循環型社会の実現に貢献することは企業の社会的責任であると認識しております。また、当企業グループでは、15年以上前から植樹などの森林整備活動に参加し、自然環境の保全にも積極的に取り組んでおります。
③リスク管理
気候変動に関連するリスクや機会の評価・管理については、サステナビリティ推進委員会で実施しております。全社的な気候変動のリスクと機会を管理し、リスクと機会を特定・評価・管理する手法についても審議・決定のうえ、取締役会に報告しております。識別した気候変動関連リスクは「移行リスク」と「物理リスク」に分類のうえ、財務的影響を評価し、重要なリスクと機会を特定後にリスク管理委員会と協議を行い、対応策を検討しております。
リスク管理プロセスについては、前記「
④指標及び目標
ⅰ)指標及び目標
当企業グループは、気候変動によるリスク及び機会を管理するための指標として、Scope1・2・3のCO2排出量を指標として定めております。2030年度までに当企業グループのScope1とScope2合計のCO2排出量を2013年度比46%削減することを目標としており、長期的には2050年度までにカーボンニュートラルの実現を目指しております。この削減目標を着実に実行するため、2025年3月のサステナビリティ推進委員会において、CO2削減ロードマップを策定いたしました。省エネ活動の運用改善、高効率なLED照明や空調設備への更新、太陽光発電設備の導入拡大、社用車のEV・HV車両導入など、CO2削減ロードマップに基づき計画的かつ段階的に推進してまいります。なお、Scope3については今後、サプライチェーン全体のCO2排出量の把握と削減対策の具体化を進めてまいります。
〈CO2削減ロードマップ〉
ⅱ)CO2排出量(Scope1・2・3)
当企業グループは、事業活動におけるグループ全体のCO2排出量の算定に取り組んでおります。当企業グループの2024年度のScope1・2合計のCO2排出量は、約120,584t-CO2e(2013年度比38.3%削減)を見込んでおります。また、2024年度のScope3のCO2排出量は、約10,791,736t-CO2e(2022年度比1.7%増加)を見込んでおります。当企業グループのScope1・2・3のCO2排出量推移は以下のとおりです。
〈エディオングループ Scope1・2のCO2排出量実績及び見通し〉 (単位:t-CO2e)
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2013年度 基準年 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 速報値 |
2024年度- 2013年度対比 (増減率) |
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Scope1 当企業グループの直接排出量 (ガス・ガソリン・軽油等) |
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74.0% (△26.0%) |
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Scope2 他社から供給された間接排出量 (電気等) |
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59.5% (△40.5%) |
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Scope1+Scope2 合計
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61.7% (△38.3%) |
(注)1.提出会社及び連結子会社を対象としております。
2.Scope2はマーケット基準を採用しております。
電力のCO2排出係数は、環境省・経済産業省が公表する各年の電気事業者別調整後排出係数を使用しております。
3.2024年度のScope1及びScope2は、速報値であるため、今後確定するにあたり変動することがあります。
4.計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致いたしません。
〈エディオングループ Scope3のCO2排出量実績及び見通し〉 (単位:t-CO2e)
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2013年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 速報値 |
2024年度- 2022年度対比 (増減率) |
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Scope3 Scope1・2以外の バリューチェーン上の間接排出 |
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101.7% (+1.7%) |
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Scope3カテゴリ 対象範囲 |
1・3・5の 一部 |
1・2・3・4・ 5・6・7・8・ 11・12・13・14・15 |
1・2・3・4・ 5・6・7・8・ 11・12・13・14・15 |
1・2・3・4・ 5・6・7・8・ 11・12・13・14・15 |
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(注)1.提出会社及び連結子会社を対象としております。
2.集計に係る基準の明確化等により、カテゴリ4及びカテゴリ9の算定方法を一部見直すとともに、2022年度及び2023年度の値を遡及修正しております。
3.2024年度のScope3は、速報値であるため、今後確定するにあたり変動することがあります。
4.2024年度のScope3のカテゴリ毎の詳細は、当社ウェブサイトをご参照ください。
https://www.edion.co.jp/sustainability/environment/tcfd#environment_area04
(3)人的資本への対応
エディオングループの最大の強みは、当企業グループで働くすべての「人」であり、当企業グループにとって「人材」は持続的な成長を実現していくために最も重要な経営資本であると認識し、「多様性の尊重と人的資本の拡充」をマテリアリティの一つとしております。当企業グループの持続的な成長を実現するためには、従業員一人ひとりが持つ考え方や個性などを尊重しながら多様性を活かして互いに高めあうことが重要であり、職場環境や待遇の改善だけではなく、健康経営やDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)など、多様化する働き方に柔軟に対応できる制度設計も重要であると認識しております。
当社の「中期ビジョン(2025)」では、中期の取り組みとなる基本方針として「変化する市場環境に対応し進化する企業体質の構築」を掲げ、経営インフラの基盤強化を図っていく中で「未来の人材力を創造」することを中期重点項目の一つに設定しております。DE&Iの推進とともに未来につながる人材力を創造していくために、「健康経営の推進」「ワークライフバランスの向上」「女性活躍の推進」「若手管理職の育成」「役職定年後に活躍できる場の見直し」「永続的な能力開発」などに取り組むことで、年齢や性別に関係なくやりがいを持って活躍できる土壌づくりに専念し、グループ全体の生産性向上につなげることを目指しております。
①ガバナンス
人的資本及び多様性については、取締役会による監督に基づき、経営会議、サステナビリティ推進委員会、安全衛生委員会等を通じて、審議・決議を実施しております。
安全衛生委員会においては、当企業グループの労働安全と労働環境の向上を通じて、従業員等の安全確保及び心身の健康維持ならびに生産性とモチベーションの向上を図ることを目的として、労働安全衛生に関する状況の把握と対策に取り組んでおります。このほか、人的資本・多様性を含むサステナビリティ全般に関するガバナンスについては、「
②戦略
ⅰ)人材育成の取り組み
<方針>
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【エディオングループ人材育成方針】 エディオングループは、お客様の豊かな暮らしを永続的に支える企業であり続けるためにはすべての従業員が成長を感じ、能力を最大限発揮できる組織づくりが重要であると考えています。一人ひとりの多様性を尊重し、成長を後押しするとともに、常に新しいことに挑戦できる環境を整え、お客様や社会に貢献できる人材を育成します。
1.多種多様な研修プログラムの実施 各階層に必要な知識やスキルを習得するための階層別・職務別研修をはじめ、将来の幹部候補や次世代リーダー育成を目的とした選抜研修、多様な価値観に応える目的別研修などの実施により、従業員のスキル向上と能力開発に繋げます。
2.資格取得支援 業務に必要な資格や自己のキャリアアップにつながる資格などの取得・更新を支援し、従業員の能力や知識の向上を積極的にサポートします。
3.自己啓発・自己研鑽の環境整備 eラーニングシステムなどの教育ツールを活用した学習環境を整備し、従業員が自ら成長できる機会を提供します。
4.評価とフィードバックによる育成 組織目標に基づいて個人目標を設定し、従業員の自己評価に対して上司が評価・フィードバックサイクルを回すことで個人の成長を促し、人材育成に繋げます。
5.社内外交流 エディオングループの価値創造力の向上を図るため、人材のグループ内外交流を促進します。
|
a.教育研修体系
従業員の職務・階層別研修や、自己研鑽の機会提供を目的とした資格取得支援制度などによって、一人ひとりのスキルアップを図る体系を整えております。
〈教育研修体系図〉
b.学習環境の整備
当社では目的に合わせて、対面研修とオンライン研修を組み合わせた学習を実施しております。知識の習得や啓発はeラーニングシステムで行い、接客技術や協同学習は、対面研修またはオンライン研修で実施しております。基礎知識や要点を動画で予習しておくことにより、研修の場では、「学び合い・教え合い」の協同的な学習やグループワーク、ロールプレイングに時間を充てることが可能になりました。また、当社独自のeラーニングシステムにおいて教育プログラムの拡充にも取り組み、人材教育プログラムのコンテンツ数を2023年度の201から、2024年度は319まで増やしております。従業員一人ひとりの成長を後押しするために、2025年度は400まで拡充する予定です。
c.資格取得支援
当社では、従業員の能力開発の機会を増やし、キャリア形成を支援する制度の一つとして、「資格取得支援制度」を導入しております。資格取得基準に基づいて合格時には補助金を支給するなど、資格取得を積極的に支援しております。なお、対象となる資格・検定は定期的に見直しを行っております。
家電の販売と接客のプロフェッショナル「家電製品アドバイザー」など事業に関連する資格の在籍資格保有者数は、延べ人数で、2023年度は12,249名、2024年度は12,804名と増加しており、2025年度は13,000名を目標に資格取得を積極的に支援してまいります。
d.社内認定制度
当社では、従業員の専門性向上と適材適所の人員配置を推進するため、2023年度より独自の社内認定制度である「スキル認定」制度を導入しております。本制度は、基礎知識に加えて実務能力を総合的に判定する点を特徴としており、2025年度には適用範囲を拡充するとともに、従業員のスキル状況を的確に把握する予定です。これらの取り組みを踏まえ、2026年度以降は本格的に適材適所の人員配置を行うことで、組織の生産性向上及び従業員のモチベーション向上につなげてまいります。
e.エディオンアカデミーによる将来人材の育成
2023年4月に創設した「エディオンアカデミー」では、所属部署でのさらなる活躍と中長期的な業務運営を担う将来人材の育成を推進しております。当アカデミーでは、自ら入学を希望した社員が、外部研修と自己の行動振り返りを組み合わせたプログラム等を通じて、視座を高めるとともに、分析力・企画力の強化及び自律性の醸成とスキルアップを図っております。
卒業生からは、個々の志望職務を実現する人材や、実効性の高い改革案を提案・実行できる人材が育ち、具体的な成果を上げています。今後も従業員一人ひとりの成長が組織全体のパフォーマンス向上に寄与し、当企業グループの持続的な企業価値向上につながるよう、将来を担う人材の継続的な育成に取り組んでまいります。
ⅱ)社内環境の整備
<方針>
|
【エディオングループ社内環境整備方針】 エディオングループは、従業員一人ひとりの人権を尊重し、国籍・年齢・性別などに関係なく、多様な人材がその価値観や強みをいかしながら、心身ともに健康で安心して活き活きと働くことができる職場環境の整備に取り組み、企業の持続的な成長に繋げることを目指します。
1.安全で健康的な職場環境 従業員の安全の確保と心身の健康の増進に取り組み、風通しの良い健全な職場環境を整えます。
2.ワークライフバランスの向上 仕事と育児・介護の両立を図るなど、すべての従業員が安心して働けるように、ワークライフバランスを重視し、従業員が働きやすい環境づくりに取り組みます。
3.キャリアアップ・キャリア支援 多様化する働き方に柔軟に対応できる評価や社内表彰などの制度設計を行い、従業員一人ひとりが活躍できる仕組みづくりを積極的に進めます。
4.DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進 年齢、性別、人種、国籍、障がいの有無などにかかわらず、従業員一人ひとりの価値観や適性を尊重し、公平・公正な処遇と能力開発に努め、職場の活性化を図ります。
|
a.健康経営への取り組み
当社は、従業員とその家族が心身ともに健康であることが企業の持続的成長の原動力であると考えております。従業員の健康維持・向上も経営課題の一つと位置づけ、2019年9月には「健康経営宣言」を行い、従業員とその家族の健康を重視しながら様々な健康保持・増進に取り組んでおります。
当社では「従業員が活き活きと働ける健康づくり」を目指し、その実現のために戦略マップを作成しております。「生活習慣病対策」と「働き方改革の促進」の2つを健康経営課題として目標指標を設定し、各施策を実施しております。健全な食生活、適正体重維持、喫煙対策、ストレス対策、配偶者出産休暇の取得率向上、残業時間削減などの目標指標を設定し、各施策の実施と改善を行うことで、生活習慣病リスク有所見者の削減、従業員の生産性の向上(アブセンティーイズム・プレゼンティーイズムの低減)、従業員のエンゲージメント向上を目指した取り組みを推進しております。
これらの健康経営への取り組みとその活動が評価され、経済産業省及び日本健康会議が選定する「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」において、従業員への健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する「健康経営」の取り組みが優良であると認定されました。2020年以降6年連続の認定となります。また、当社の子会社である㈱エディオンハウスシステムも「健康経営優良法人2025(中小規模法人部門)」において、「健康経営」の取り組みが優良である「ネクストブライト1000」として初認定されました。
当社の健康経営の取り組みは、当社ウェブサイトをご参照ください。
https://www.edion.co.jp/corporate/health-management
〈戦略マップ〉
b.ワークライフバランスの向上
当社では、ワークライフバランスを実現し従業員一人ひとりの生産性を高めるために、仕事と育児・介護の両立支援などの様々な制度や施策を導入しており、「男女ともに育児・介護をしながらキャリアアップ」できる体制づくりに注力しております。
従業員が安心して長く働き続けられるためには、出産や育児、介護を理由に退職を選択する決断に至らせないことが重要であるため、管理職に向けての制度説明や他の従業員に制度を理解してもらうための社内広報誌を配布し、従業員間の共通認識が持てるように努めております。特に育児休暇取得促進の取り組みでは、啓発ポスターの掲示や社内通達等を通じた啓蒙活動を積極的に行っており、対象の従業員が申し出しやすい環境づくりと職場内の従業員の理解を深める活動を行っております。
男性従業員の育児休業取得促進を目的として、2024年4月より育児目的休暇を2日から5日に増日いたしました。また、介護時間短縮勤務期間の延長により、介護が終了するまで無期限に延長可能となりました。介護施設に入るまでのハードルは想像以上に高く、介護が必要な状況はどの従業員にとっても身近に起こり得るため、期間を延長いたしました。ほかにも当社では様々な事情に合わせた勤務時間の制度を柔軟に取り入れております。育児休業や介護休業だけでなく短縮勤務についても制度を整え、個人の子育てや介護に合わせた働き方の実現とワークライフバランスを保つことができるよう、積極的に取り組んでおります。
さらに当社では、働き方改革の主要テーマとして長時間労働の是正を最優先課題とし、作業量に合わせて柔軟なシフト勤務を行っております。業務効率向上による残業時間の削減や計画的な年次有給休暇の取得を推奨し、さらに2023年度からは従業員の年間休日を5日増やすとともに、4連休以上を上期・下期でそれぞれ1回取得する連続休暇制度を開始し、仕事と生活の調和が取れたメリハリのある働き方を実現するための取り組みを強化しております。年次有給休暇の取得促進では、本人や家族の記念日などをきっかけに優先的に年次有給休暇を取得できるよう推進し、取得しやすい風土づくりもすすめております。
そのほか、勤務終了後に11時間以上の休息時間を設ける勤務間インターバル制度を導入することで、従業員の十分な生活時間や睡眠時間を確保し、ワークライフバランスを考慮した働き方ができるように推進しております。
当社のワークライフバランス向上の取り組みは、当社ウェブサイトをご参照ください。
https://www.edion.co.jp/sustainability/society/employees
c.従業員の働きがいの向上
当企業グループでは、倫理綱領の一つに「働きやすい職場、社員の公平・公正な処遇と能力開発に努めます」を掲げており、適切な配置により従業員の能力を最大限発揮できる体制の構築と従業員一人ひとりが活躍できる仕組みづくりを積極的に進めております。
イ)人事制度
評価制度として経営目標に連動した業績評価と組織的な行動基準に基づく行動評価を導入しております。この評価制度を軸に成果につながる行動を実践していくことで、一人ひとりの成長につなげております。本人への評価結果のフィードバックとともに、資格取得支援制度、給与制度、能力開発制度といった他の人事制度や各人材育成制度を活用し、従業員のモチベーション向上、能力開発の推進、公平かつ公正な処遇に結びつけております。
ロ)やりがいを感じられるしくみ
当社では、従業員が自ら考えチャレンジする組織・風土づくりのために、従業員のキャリア開発と能力開発を多方面からバックアップし、会社と個人がともに成長の喜びを実感できる組織風土を目指しております。
会社に対して大きく貢献し他の従業員の規範となる行動をとった従業員または組織を称えるための様々な表彰制度や、永年にわたり誠実に勤務した社員に対する永年勤続表彰制度を設けているほか、全社員を対象にした自己申告を毎年実施しております。社員一人ひとりの現在及び今後のキャリアや仕事についての考え方、会社・他部門・自部門に対する提案や要望、異動希望をはじめ、社員と家族の健康状態や家庭状況、職務への適性・興味、上司・メンバーとのコミュニケーション等を含む職務・職場の総合的満足度などを直属の上司を通さずに直接、人事部に対して伝えることができます。
ほかにも当社では、人員配置の最適化を図り業務効率の改善につなげるために、クラウド適性検査を導入しております。新卒採用や中途採用等でも活用し、定着率の向上を目指しております。性格診断はフィードバックされ、自身の性格の特徴を客観的に把握し、ポジティブな面・ネガティブな面を理解して仕事に活かすことが可能になっております。自己申告内容に加えて性格診断を加味し、職場との適性をきめ細かに把握することで人員配置の更なる最適化を図り、業務効率の改善につなげてまいります。
d.労働安全衛生の取り組み
当企業グループは、従業員が健康で安全な職場生活を送ることができる快適な職場環境を目指し、災害等の未然防止と安全意識向上に努めております。
従業員の長時間労働による健康障害の未然防止対策や健康管理など全社の安全衛生に関する取り組みは、安全衛生委員会を中心に進めております。安全衛生委員会では、安全衛生活動についての報告・審議、改善施策の決定や、健康診断受診状況・ストレスチェック実施状況等の確認を行い、職場の安全衛生担当者を通して安全衛生教育の浸透・推進を図っております。
また、日々の業務の安全確保と事故に対する認識を十分に持つために、職場で「ヒヤリとした」「ハッとした」事例を共有し、労働災害の未然防止・再発防止に活かす取り組みも行っており、リスクの高い事例については安全衛生委員会でも審議し、決定した対応策を実行しております。さらに、消防訓練や大規模災害が起きたことを想定した避難訓練・安否確認システムにより、外出中の社員も含めた全従業員の安否を確認する安否確認訓練などを定期的に行うほか、地震などの大規模災害への備えとして、いざという時に安全が確保できるように応急対策初動時に必要な備蓄品の整備も行っております。
当企業グループでは、従業員がお互いの人権を尊重し、健康に留意しつつ、不当な差別やセクハラ等のない健全な組織風土の醸成に努めることを倫理綱領で定めており、従業員が個人として尊重されながら業務を遂行できる快適な職場環境を維持するために相談窓口を設置しております。相談や苦情に対応する際には、相談者に不利益が生じないよう配慮することはもちろん、対象者の名誉・人権・プライバシーに十分配慮するようにしております。また、ハラスメントへの理解を深め社内発生を防ぐために、各種研修等で啓発・防止に努めております。
避難訓練や安否確認訓練の実施状況、コンプライアンス違反や重大な労働災害の発生事案等については、リスク管理委員会に報告され、情報共有と対策の検討が定期的に行われております。
e.DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)への取り組み
当社は、従業員の働き方改革の一つとして、DE&Iを推進しております。従業員の構成についても、性別、国籍、年齢、雇用形態など従業員の様々なバックグラウンドに基づいた違いを尊重して受け容れ、積極的に活かすことにより、変化し続けるビジネス環境や多様化する顧客ニーズに対応しております。当社では、外国人の採用も継続して行っており、国籍を問わず採用しております。出身国は多国にわたり、営業店舗や本社部門など適性に合わせ様々な分野で活躍しております。
イ)女性活躍の推進
ダイバーシティの属性の一つである女性の活躍を推進することで、社内のあらゆる場面で女性従業員が活躍し、多様な価値観・視点が事業活動全般に反映されることを目指して女性キャリアビジョン研修を実施しております。
また、従業員一人ひとりが性別を問わず、ライフステージに合わせた幅広い働き方を柔軟に選択でき、それぞれの能力をいかしながら活き活きと長く働き続けられる会社にすることを目的に、労使一体となって「ダイバーシティ推進労使プロジェクト」を開催し、意見交換と協議を行っております。ダイバーシティ推進労使プロジェクトでは「継続就業を選択する女性社員が少なく、男性と比較して継続勤務年数が短い」「上位役職への登用が進んでいない」などの課題に対して解決策を協議・立案するほか、女性がキャリアを止めることなく活躍できる環境を整えることも重要であると考え、仕事と育児の両立支援など柔軟な働き方ができる環境づくりにも積極的に取り組んでおります。
ロ)障がい者雇用
ノーマライゼーションの考えのもと、障がいの有無に関係なく従業員が共に働き、持てる力を発揮できる職場環境の実現に取り組んでおります。現在は、様々な障がいを持つ従業員が家電営業店舗や物流サービス拠点、小型家電リサイクル処理施設等の各現場において活躍しております。今後も適用職務や業務の拡大を図り、障がいを持つ従業員の皆さんが自信を持って出来る仕事を増やし、人間的にも成長できるよう指導を重ねることで働きがいを持って意欲的に明るく楽しく働ける環境を整備してまいります。
ハ)多様な働き方支援
2024年4月から雇用延長制度の改定により、65歳以上の雇用制度を拡充いたしました。安定した雇用確保が求められるなか、定年退職後も当社で働く意欲を有する方を再雇用しております。従業員が定年まで長年にわたり培った実務知識や経験能力を活かせる場を提供することにより、定年後も引き続き社業の発展に寄与・貢献していただける体制を整えております。担当する業務については再雇用及び契約更新の都度、対象者の能力・適性・業務経験などを勘案したうえで見直しを行い、処遇についてもそれに見合ったものとしております。当社は、長年培われた経験や高いスキルを持った世代が、活躍できる環境を引き続き提供してまいります。
また、労働関連法規に則り有期契約社員を雇用し、法令で定められた各種の社会保険や休暇についても就業規則や各種規程に則って適切に処遇しております。このほか当社では、キャリアアップを目指したい有期契約社員に対して、業務内容、業務に伴う責任の程度、人事異動や役割の変化に応じて正社員へ登用を行う制度を設けております。
さらに、働き方の多様化を推進するために、ゼネラルコース(全国転勤あり)を選択している従業員でも育児や介護などで転居が難しい場合には、一時的に転居を免除される制度を設けております。また、リージョナルコース(地域限定)を選択した従業員でも店長等の管理職としてのキャリアアップを目指したいと考える優秀な人材に活躍の場を提供しております。
このほか、社会や働き方の変化に伴い、社内だけでは得られない知識やスキルを身につけ、将来に向けた自身のキャリアアップとともに会社に寄与する人材育成を目的として、副業(兼業)制度なども導入しております。
f.人権の尊重
当企業グループは、すべてのステークホルダーの人権を尊重し、すべての人々の尊厳が守られる社会の実現に向けて、事業活動の人権への影響やリスクに適切に対応し、人権侵害の未然防止に努めます。
取り組みにあたっては、「国際人権章典」及び国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関する宣言」を支持し、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」などのフレームワークに沿って人権尊重への対応を行ってまいります。
イ)方針の策定と周知
近年、企業を取り巻くステークホルダーから、法令遵守、人権尊重、労働安全などに対して企業が真剣に取り組むことが求められております。当企業グループ内における人権侵害に限らず、調達から商品の販売・サービスの提供、そして廃棄・再利用に至るまで、サプライチェーン全体における人権に関するリスク管理と適切な対応を行うための組織体制を整え、企業の社会的責任を果たしていくために、「エディオングループ人権方針」及び「エディオングループ調達方針」を制定いたしました。従業員一人ひとりが方針内容を十分に理解することで意識向上を図り、これらの方針に従い行動することにより、お取引先様等との強固なパートナーシップと長期視点での協力関係を築きながら、サプライチェーン全体で持続可能な社会の実現を目指してまいります。また、これらの方針を社内外に開示することで企業情報の透明性を高め、社会的信頼の獲得と持続的な成長につなげてまいります。
ロ)人権デュー・ディリジェンス
「エディオングループ人権方針」に基づき、今後は人権デュー・ディリジェンスの取り組みを進めてまいります。人権デュー・ディリジェンスは、事業活動に関連して発生し得る人権侵害のリスクを洗い出し、評価・特定したうえで、予防・軽減措置を講じ、その効果を確認してPDCAサイクルを回すことにより、人権尊重の取り組みの実効性を高めていく継続的なプロセスです。今後、継続してPDCAサイクルを回していけるよう体制を整備してまいります。
また、当企業グループでは、サプライチェーン上での労働問題など、様々な人権に関する負の影響が発生することを防止・軽減するため、お取引先様に対し「エディオングループ人権方針」及び「エディオングループ調達方針」への理解と協力を求めております。今後はサプライチェーン全体での人権配慮に取り組んでまいります。
ハ)救済の実施
当企業グループでは、内部通報窓口を設置しております。また、通報者の秘密・匿名性を確保し通報しやすい環境を整備するために、労働組合や弁護士事務所とも連携しております。加えて、ステークホルダー全般にわたる幅広い人権侵害の苦情、通報を受け付けるため、外部の第三者である弁護士事務所を窓口とする通報窓口を設置し、リスク低減を実施しております。
「エディオングループ人権方針」及び「エディオングループ調達方針」は、当社ウェブサイトをご参照ください。
https://www.edion.co.jp/sustainability/management/policy
③リスク管理
当企業グループでは、人的資本及び多様性に関するリスクを、持続的成長の観点から、経営上重要なリスクとして認識しております。経営会議、リスク管理委員会、サステナビリティ推進委員会等を通じて、リスクと機会に対する取り組みを審議・決定のうえ、適宜、取締役会へ報告しております。
リスク管理プロセスについては、前記「
④指標及び目標
「エディオングループの人材育成方針と社内環境整備方針及び戦略」に記載の内容に基づく当企業グループの人的資本に関する指標と実績は次のとおりです。
提出会社においては関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属するすべての会社で実施されてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、指標に関する目標及び実績は、特段の記載がない限り提出会社のものを記載しております。
ⅰ)人材育成関連の指標(実績)
教育研修受講実績推移
|
|
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
|||||||
|
区分 |
対象 |
受講 人数 |
受講 時間 |
平均 受講 時間 |
受講 人数 |
受講 時間 |
平均 受講 時間 |
受講 人数 |
受講 時間 |
平均 受講 時間 |
|
階層別 教育 研修 |
管理職 |
141 |
1,467 |
10.4 |
287 |
3,610 |
12.6 |
906 |
4,096 |
4.5 |
|
一般 社員 |
2,556 |
19,383 |
7.6 |
2,795 |
21,061 |
7.5 |
2,859 |
24,002 |
8.4 |
|
|
目的別 教育 研修 |
一般 社員 |
183 |
1,031 |
5.6 |
200 |
1,007 |
5.0 |
201 |
1,392 |
6.9 |
(注)1.提出会社の集計値を記載しております。
2.受講人数(名)、受講時間(時間)、平均受講時間(時間)。
3.受講人数は延べ人数としております。
資格取得支援実績(家庭電化商品等の販売等に関連する資格の一例) 在籍資格保有者数(名)
|
関連分類 |
資格名 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
|
家電販売 |
家電製品アドバイザー |
4,628 |
4,620 |
4,613 |
|
フォトマスター検定(1級~3級) |
1,056 |
1,041 |
1,026 |
|
|
(公)高度管理医療機器等販売及び賃貸営業管理者 |
538 |
821 |
836 |
|
|
少額短期保険募集人 ※1 |
- |
- |
502 |
|
|
リフォーム |
スマートマスター |
712 |
685 |
676 |
|
(国)石綿作業主任者 |
860 |
995 |
1,046 |
|
|
一般・一戸建て石綿含有建材調査者 |
502 |
808 |
861 |
|
|
物流サービス |
家電製品エンジニア ※2 |
- |
261 |
253 |
|
(国)第二種 電気工事士 |
684 |
686 |
674 |
|
|
店舗運営 |
(国)甲種 防火管理者 ※3 |
1,366 |
1,331 |
1,353 |
|
(国)第二種 衛生管理者 |
587 |
574 |
572 |
(注)提出会社及び連結子会社㈱サンキューの集計値を記載しております。
※1 2022年度、2023年度は抽出未対応。
※2 2022年度は抽出未対応。
※3 2023年度の集計値を修正しております。
ⅱ)健康経営関連の指標及び目標
|
指標 |
実績 |
目標 |
|||
|
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 速報値 |
|
||
|
定期健康診断受診率 |
他社への出向者含む |
95.0% |
97.3% |
集計中 |
100.0% |
|
他社への出向者含まず |
95.8% |
97.5% |
集計中 |
100.0% |
|
|
|
14.3% |
48.4% |
|
|
|
|
|
27.0% |
30.2% |
|
|
|
|
|
61.0% |
61.4% |
|
|
|
|
|
17.2% |
14.7% |
|
|
|
|
|
55.1% |
45.7% |
|
|
|
|
|
13.1% |
23.0% |
|
|
|
|
|
1.1% |
1.5% |
集計中 |
|
|
|
|
0.7% |
0.9% |
|
|
|
|
|
1.5% |
2.2% |
|
|
|
|
|
23.8% |
25.8% |
|
|
|
|
|
13.7% |
14.3% |
集計中 |
|
|
|
|
64.0% |
85.2% |
|
|
|
|
|
28.6% |
22.2% |
集計中 |
|
|
|
|
92.2% |
92.9% |
|
|
|
|
|
6.4% |
5.5% |
|
|
|
|
|
21.9% |
20.9% |
|
|
|
|
|
0.78日 |
0.45日 |
|
|
|
|
ワークエンゲージメント |
当社独自測定(点) |
3.73 |
3.73 |
3.75 |
3.80 |
|
活力・熱意 (点) |
2.63 |
2.61 |
2.62 |
2.70 |
|
|
|
0.62% |
0.85% |
|
|
|
|
|
0.26% |
0.34% |
|
|
|
|
|
13.0時間 |
8.0時間 |
|
|
|
|
実労働時間 |
非管理職 |
2,042時間 |
1,992時間 |
1,982時間 |
1,950時間 |
|
管理職 |
2,299時間 |
2,266時間 |
2,287時間 |
2,200時間 |
|
|
年次有給休暇取得 |
取得日数 |
10.4日 |
12.9日 |
12.3日 |
13日 |
|
取得率 |
60.1% |
69.1% |
65.2% |
70.0% |
|
|
|
- |
90.7% |
|
|
|
|
配偶者出産時特別有給休暇取得 |
取得者数 |
96名 |
94名 |
86名 |
- |
|
取得率 |
76.1% |
86.2% |
88.6% |
100.0% |
|
|
|
全体 |
54.7% |
64.7% |
|
|
|
男性 |
17.8% |
37.6% |
41.2% |
50.0% |
|
|
女性 |
100.0% |
98.8% |
100.0% |
100.0% |
|
|
|
全体 |
3.32% |
4.61% |
|
|
|
男性 |
2.64% |
4.26% |
2.82% |
- |
|
|
女性 |
7.18% |
6.66% |
5.64% |
- |
|
|
|
0.85 |
0.78 |
|
|
|
|
|
0.03 |
0.03 |
|
|
|
(注)1.提出会社の集計値を記載しております。
2.2024年度は集計中も含め現時点の速報値であり、確定値は当社ウェブサイトにて2025年9月開示予定です。
※1 プレゼンティーイズム:心身の状態の不調から本来発揮されるべきパフォーマンスが低下している状態(東大1項目版にて計測)
※2 アブセンティーイズム:病気や体調不良等により会社を欠勤すること(従業員アンケートにて過去4週間の勤務状況を調査)
※3 2023年度から制度が開始されました。
※4 3月末退職者は含みません。
ⅲ)DE&Iの関連指標及び目標
女性取締役比率等
|
|
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
|
|
|
10.0% |
8.3% |
|
|
|
|
2.2% |
2.4% |
※ |
|
|
|
3.6% |
4.1% |
|
|
|
|
11.9% |
13.3% |
|
|
※女性管理職の集計方法を変更しております。
変更した集計方法では、2022年度は3.1%、2023年度は3.2%となります。
正社員の男女別推移
|
|
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
2025年度目標 |
|
男性 |
6,921名 |
6,706名 |
6,705名 |
- |
|
女性 |
1,166名 |
1,148名 |
1,147名 |
- |
|
女性比率 |
14.4% |
14.6% |
14.6% |
15.0% |
男女別採用割合の推移
|
|
2022年度 (2023年4月入社) |
2023年度 (2024年4月入社) |
2024年度 (2025年4月入社) |
2025年度目標 |
|
男性 |
191名 |
171名 |
167名 |
130名 |
|
女性 |
64名 |
55名 |
59名 |
70名 |
|
女性比率 |
25.1% |
24.3% |
26.1% |
35.0% |
平均勤続年数の推移
|
|
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
2025年度目標 |
|
男性 |
18年11か月 |
19年5か月 |
19年8か月 |
- |
|
女性 |
9年7か月 |
10年11か月 |
11年4か月 |
- |
|
総計 |
17年7か月 |
18年2か月 |
18年6か月 |
- |
定年再雇用等の推移
|
|
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
|
|
|
- |
93.9% |
|
|
|
65歳以上比率 (シニア層の活躍) |
1.7% |
2.0% |
|
|
※2020年度から定年制度の年齢を段階的に引き上げているため、定年退職者は隔年で発生いたします。
正社員登用の推移
|
|
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
2025年度目標 |
|
契約社員 → 正社員 |
57名 |
83名 |
82名 |
100名 |
その他
|
|
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
|
|
|
2.39% |
2.52% |
|
|
|
|
1.1% |
1.3% |
|
|
(注)DE&Iの関連指標及び目標は、提出会社の集計値を記載しております。
当企業グループにおいて認識しております事業等のリスクは以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。
(1)季節的要因について
当企業グループは、㈱エディオン及び㈱サンキューを中心とした家電量販店グループであります。販売する商品の中には季節的要因により売上が左右される商品もあり、夏季における長期的な梅雨、冷夏や暖冬などによっては当企業グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
エアコンを中心とした季節的要因によって売上が左右される商品については、気象庁が発表する中長期予報等を参考に在庫や配送・工事体制を調整しております。
また、冷夏や暖冬などで実際に売上に影響が出た場合は、季節的要因の影響がより少ない商品の販売促進を強化するなど、影響を最小限に抑えるよう商品政策・営業政策を変更いたします。
(2)競合について
当企業グループは、関東・中部・近畿・中国・四国・九州地方に展開する㈱エディオン及び主に北陸・北海道地方を中心に展開する㈱サンキューで構成されております。当企業グループが出店している地域においては、同様の商品を取り扱う他社の店舗が多数存在しております。今後の新規出店などによりお互いの競争が厳しくなることで当企業グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(3)自然災害・事故等について
当企業グループは、自然災害や事故等からお客様の安全を確保するため、消防法等の法令遵守の徹底、店舗の耐震性の強化など、防災対策を徹底して行っております。しかしながら、地震・台風等の大規模な自然災害により店舗等が被災した場合や店舗において火災が発生した場合、被災店舗の営業休止、被害に遭われた方々に対する損害賠償責任、人的資源の喪失、固定資産や棚卸資産の被害等が発生し、当企業グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、取引先の被災等により通常の商品供給が困難となり、当企業グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
特に当企業グループは西日本を中心に出店をしており、出店地域で台風や地震が発生した場合は相対的に多くの被害が出ることも予想されます。
当企業グループでは各従業員や店舗の状況をすばやくメールやアプリで報告できるよう安否確認システムを導入し、被災状況の迅速な確認を行い、必要に応じて避難指示を出すなど、事業継続計画のもと従業員の安全確保に努めております。
また、乾電池や懐中電灯など防災上の必需物資を扱う企業として出来る限り営業を継続するように努力し、地域住民の支えになるよう努めてまいります。
(4)情報セキュリティについて
当企業グループは、カード会員情報や顧客購入履歴データなど、多くの個人情報を取り扱っております。また、グループ各社の技術・営業等に関する機密情報等を多数保有しております。これらの情報については、「エディオングループ情報セキュリティ管理規程」によって厳重に管理されておりますが、不測の事態等により、万が一情報の流出等が発生した場合には、当企業グループに対する信頼が低下し、売上の減少など業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
昨今では常にサイバー攻撃に晒されるリスクがあり、当企業グループに対する不正なアクセスの監視を強化すると共に、従業員の情報の取り扱いに対する教育にも力を注いでおります。
(5)固定資産の減損会計について
当企業グループは、店舗等に係る有形固定資産及び無形固定資産など多額の固定資産を保有しております。店舗等の収益性の低下により各店舗等の簿価が回収できない事が見込まれる場合、もしくは「固定資産の減損に係る会計基準」等の変更がある場合、当該店舗等について減損損失が計上され、当企業グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
各店舗等で収益性が低下し、減損損失の兆候が認識された場合、チラシなどの販売促進、価格戦略の見直しなどのサポートを行い、収益性の回復に努めております。
それでも収益性の回復が見込まれない場合は、適切に減損損失を計上し、連結財務諸表に反映いたします。
なお、当連結会計年度における減損損失は24億35百万円を計上しております。
(6)店舗開発について
当企業グループの新規出店する際の出店先の選定については、店舗の採算性を最も重視しており、差入保証金や家賃等の出店条件、商圏人口、競合状況及び店前通行量等の事前立地調査に基づく投資回収期間及び予想利益等の一定条件を満たすものを出店対象物件としております。このため、当企業グループの出店条件に合致する物件が出店計画数に満たない場合には、当企業グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
出店候補地については日頃から情報収集を重ね、取締役も出席する会議で対象物件及び出店形態等を検討しております。
(7)外部委託業者の活用について
当企業グループは、営業活動を行う上で、情報システム機器の管理、商品の配送・設置・修理や産業廃棄物の処理等、外部の業者と契約を締結し業務の一部を委託しております。これらの外部委託業者については、内部の「外注管理規程」や情報管理に関する諸規程等にしたがい厳正なる審査を行ったうえで外部委託業者の選定を行い、常にコンプライアンスに注視しておりますが、外部委託業者が業務を行ううえで遵守すべき法令やガイドラインに違反する行為があった場合には、当企業グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当企業グループは、外部委託業者の信用状況を常時確認しておりますが、これらの外部委託業者が倒産する等、予定されていた外部委託業者との取引に支障が生じた場合や、外部委託業者に対する売掛債権に予期せぬ貸倒が生じた場合にも、当企業グループの業績に影響を与える可能性があります。
(8)法的規制等について
①大規模小売店舗立地法について
当企業グループの出店及び増床に関しては、売場面積が1,000㎡超の場合「大規模小売店舗立地法」(大店立地法)により、都市計画、交通渋滞、騒音といった地域環境等の観点から地元自治体の審査及び規制を受けております。今後の出店計画においても、これらの法的規制及び規制の変更等の影響を受ける可能性があります。
②私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律について
当企業グループは、事業を遂行する上で、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(独占禁止法)に基づく規制等によって、訴訟、規制当局による措置及びその他の法的手続に関するリスクを有しております。訴訟、規制当局による措置及びその他の法的手続により、当企業グループに対して損害賠償請求や規制当局による金銭的な賦課を課され、又は事業の遂行に関する制約が加えられる可能性があり、かかる訴訟、規制当局による措置及びその他の法的手段は、当企業グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社は、公正取引委員会より2012年2月16日付で、独占禁止法第2条第9項第5号(優越的地位の濫用)に該当し、同法第19条の規定に違反する行為を行っていたとして、排除措置命令及び課徴金納付命令を受けました。
当社は、両命令について、公正取引委員会に対し、独占禁止法第49条第6項及び同法第50条第4項の規定に基づき審判を請求し手続を進めておりましたが、同審判は、2018年3月20日に結審し、2019年10月2日付で当社の主張の一部を認める旨の審決(納付済みの課徴金4,047百万円から取消が認められた金額1,015百万円に加算金を付加した額を還付する等の判断)が下され、2019年10月4日付で還付を受けております。
当社は、本審決を受け、2019年11月1日付で、排除措置命令および課徴金納付命令の一部のみを取り消した本審決を取り消すことを求め、公正取引委員会を被告として東京高等裁判所に訴えを提起しております。
(9)疫病・感染症の流行について
当企業グループの出店する地域において疫病・感染症の流行が発生した場合、来店客数の減少や営業時間の短縮による売上の減少などが発生し、当企業グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、世界的な流行に発展すると、メーカーからの商品供給の遅れや物流・配送体制に影響が出ることが想定され、当企業グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、ウクライナ及び中東情勢の長期化や中国経済の減速、原材料・エネルギー価格高騰による物価上昇に急速な為替変動の影響など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
一方で、個人消費は食糧品や生活必需品などが長引く物価高の影響を受けながらも、大企業を中心とした設備投資や賃上げによる所得環境の改善などで回復が期待されております。加えて円安やコロナ禍からの回復を基調にした海外からの旅行客数の増加に伴いインバウンド需要のさらなる拡大が見込まれるなど、国内の消費市場は回復が進んでおります。
このような状況のもと、当企業グループは、変化の激しい経営環境に柔軟に対応し、さらなる経営体質の強化を図っており、2024年6月27日開催の株主総会における定款変更の決議を経て、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行するとともに、同日開催した取締役会において代表取締役の異動を決議いたしました。
会長と社長の職務を分けることにより業務執行における意思決定の機動性・迅速性の向上を実現させるとともに、監査等委員の率直な意見を取締役会に取り入れることでさらなる企業価値の向上に努めてまいります。
また、当社は2024年8月1日付で「室山運輸株式会社」の全株式を、2025年2月28日付で「ジャパンネクストリテイリング株式会社」の全株式をそれぞれ取得し、連結子会社といたしました。
「室山運輸株式会社」は、近畿から中四国地方を中心に長年物流業界に携わってきた企業で、当社とも協力パートナー企業として良い関係を築いてまいりました。同社をグループ化することで様々な物流課題の解決とともに発展的な成長につながるものと考えております。
「ジャパンネクストリテイリング株式会社」は、「正直屋」のストアブランドにより、関東・中部・近畿エリアなどを中心に給湯設備機器の販売を行っており、グループ全体のリフォーム事業拡大に向けた相乗効果が得られるものと考えております。
その他、商品展開としましては「くらしを、新しい角度から。」をコンセプトとしたプライベートブランド家電「e angle(イーアングル)」を強化しております。
詳しくはe angle特設サイト(https://www.edion.com/eangle)をご確認ください。
当連結会計年度の商品別売上におきましては、2024年7月の「日本の月平均気温」が1898年の統計開始以降最高を記録するなど各地で猛暑が続いたことや、12月や2月に冬型の気圧配置が続き寒気の影響を受けやすかったことなどから、エアコンなどの季節家電が売上の増加に大きく寄与いたしました。加えて、端末の買い替え需要の活性化などによりiPhoneを中心とした携帯電話が昨年から引き続き好調でした。
また、経済産業省による導入支援(給湯省エネ2024事業)があった高効率給湯器や、前述の猛暑の影響などにより高い断熱性能が関心を集めた二重窓リフォームを中心に住宅設備が伸長いたしました。
他に、理美容・健康器具や電子レンジ・調理家電などの生活家電、タブレットなどの伸長により情報家電も前年を上回るなど堅調に推移いたしました。
当連結会計年度の店舗展開につきましては、家電直営店として以下のとおり7店舗を新設、1店舗を移転、7店舗を閉鎖いたしました。また、フランチャイズ店舗は15店舗を新設、27店舗を閉鎖と12店舗の純減少となりました。これにより当連結会計年度末の店舗数はフランチャイズ店舗736店舗を含めて1,190店舗となりました。
エディオングループ直営店出退店状況
|
年月 |
店舗名 |
都道府県 |
区分 |
|
2024年4月 |
エディオン 笹丘店 |
福岡県 |
新設 |
|
|
エディオン ガーデンズ千早東店 |
福岡県 |
新設 |
|
5月 |
エディオン 奈良三条大路店 |
奈良県 |
新設 |
|
6月 |
エディオン イオン上田店 |
長野県 |
閉鎖 |
|
|
エディオン 王寺駅前店 |
奈良県 |
新設 |
|
8月 |
エディオン 大洲店 |
愛媛県 |
閉鎖 |
|
|
エディオン ルビットタウン中津川店 |
岐阜県 |
移転 |
|
9月 |
エディオン 八代店 |
熊本県 |
新設 |
|
|
エディオン ミ・ナーラ店 |
奈良県 |
閉鎖 |
|
10月 |
エディオン 西条学園店 |
広島県 |
閉鎖 |
|
11月 |
エディオン 奈良南店 |
奈良県 |
新設 |
|
|
エディオン 山口小郡店 |
山口県 |
新設 |
|
12月 |
エディオン 京都ファミリー店 |
京都府 |
閉鎖 |
|
2025年2月 |
エディオン 泉佐野店 |
大阪府 |
閉鎖 |
|
3月 |
エディオン フォレオ大阪ドームシティ店 |
大阪府 |
閉鎖 |
連結業績の概況
|
|
2024年3月期 |
2025年3月期 |
増減額 |
前期比(%) |
|
連結売上高(百万円)
|
721,085 |
768,129 |
47,043 |
106.5 |
|
営業利益(百万円)
|
16,929 |
23,394 |
6,464 |
138.2 |
|
経常利益(百万円)
|
17,339 |
24,350 |
7,011 |
140.4 |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益(百万円)
|
9,021 |
14,118 |
5,097 |
156.5 |
以上の結果、当連結会計年度の連結売上高は7,681億29百万円(前期比106.5%)となりました。また、営業利益は233億94百万円(前期比138.2%)、経常利益は243億50百万円(前期比140.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は141億18百万円(前期比156.5%)となりました。
商品分類別連結売上高は以下のとおりです。
商品分類別連結売上高
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前期比 |
||
|
金額 (百万円) |
構成比(%) |
金額 (百万円) |
構成比(%) |
(%) |
|
|
家電 |
|
|
|
|
|
|
テレビ |
49,005 |
6.8 |
48,987 |
6.4 |
100.0 |
|
ビデオ・カメラ |
15,635 |
2.2 |
15,549 |
2.0 |
99.4 |
|
オーディオ |
10,369 |
1.4 |
10,238 |
1.3 |
98.7 |
|
冷蔵庫 |
54,150 |
7.5 |
52,615 |
6.8 |
97.2 |
|
洗濯機・クリーナー |
74,903 |
10.4 |
74,379 |
9.7 |
99.3 |
|
電子レンジ・調理家電 |
34,324 |
4.8 |
35,588 |
4.6 |
103.7 |
|
理美容・健康器具 |
25,711 |
3.6 |
27,985 |
3.6 |
108.8 |
|
照明器具 |
5,522 |
0.8 |
5,518 |
0.7 |
99.9 |
|
エアコン |
77,823 |
10.8 |
87,301 |
11.4 |
112.2 |
|
その他空調機器 |
17,925 |
2.5 |
18,832 |
2.5 |
105.1 |
|
その他 |
17,816 |
2.5 |
19,779 |
2.6 |
111.0 |
|
小計 |
383,187 |
53.3 |
396,777 |
51.6 |
103.5 |
|
情報家電 |
|
|
|
|
|
|
パソコン |
37,032 |
5.1 |
37,324 |
4.9 |
100.8 |
|
パソコン関連商品 |
42,832 |
5.9 |
42,885 |
5.6 |
100.1 |
|
携帯電話 |
89,047 |
12.3 |
109,392 |
14.2 |
122.8 |
|
その他 |
14,923 |
2.1 |
15,335 |
2.0 |
102.8 |
|
小計 |
183,836 |
25.4 |
204,938 |
26.7 |
111.5 |
|
その他 |
|
|
|
|
|
|
ゲーム・玩具 |
41,760 |
5.8 |
43,459 |
5.7 |
104.1 |
|
音響ソフト・楽器 |
1,533 |
0.2 |
1,499 |
0.2 |
97.8 |
|
住宅設備 |
58,449 |
8.1 |
61,572 |
8.0 |
105.3 |
|
家電修理・工事収入 |
30,358 |
4.2 |
33,509 |
4.4 |
110.4 |
|
その他 |
21,959 |
3.0 |
26,371 |
3.4 |
120.1 |
|
小計 |
154,061 |
21.3 |
166,413 |
21.7 |
108.0 |
|
合計 |
721,085 |
100.0 |
768,129 |
100.0 |
106.5 |
連結財政状態
|
|
前連結会計年度末 |
当連結会計年度末 |
比較増減 |
|
総資産(百万円) |
431,694 |
434,830 |
3,135 |
|
負債(百万円) |
216,773 |
211,884 |
△4,888 |
|
純資産(百万円) |
214,921 |
222,946 |
8,024 |
|
自己資本比率(%) |
49.7 |
51.2 |
1.5 |
|
1株当たり純資産(円) |
2,042.40 |
2,122.68 |
80.28 |
|
有利子負債残高(百万円) |
84,685 |
79,265 |
△5,420 |
総資産は、前連結会計年度末と比較し31億35百万円増加し、4,348億30百万円となりました。これはCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を活用しグループ内の余剰資金を借入金の返済による圧縮に使用したこと等で現金及び預金が31億76百万円減少したものの、売掛金が19億96百万円、夏商戦に向けた在庫の早期確保を目的に商品及び製品が21億84百万円増加したこと等により流動資産が14億6百万円増加し、また、除売却や減損損失などで有形固定資産が21億33百万円減少した一方、ジャパンネクストリテイリング株式会社の取得により「のれん」が8億65百万円、投資その他の資産の「その他」が23億16百万円それぞれ増加したこと等により固定資産が17億28百万円増加したためであります。
負債は、前連結会計年度末と比較し48億88百万円減少し、2,118億84百万円となりました。これは1年内償還予定の新株予約権付社債が固定負債からの振り替えにより25億10百万円増加した一方、返済や借換などにより短期借入金が73億36百万円、1年内返済予定の長期借入金が66億43百万円それぞれ減少したこと等により流動負債が52億38百万円減少し、また、転換社債型新株予約権付社債が新株予約権の行使や流動負債への振り替え等により65億26百万円、リース債務が8億60百万円、退職給付に係る負債が22億73百万円それぞれ減少した一方、借換により長期借入金が94億24百万円、見積りの変更等により資産除去債務が7億82百万円増加したこと等により固定負債が3億50百万円増加したためであります。
純資産は、前連結会計年度末と比較し80億24百万円増加し、2,229億46百万円となりました。これは主に、剰余金の配当により48億61百万円、自己株式の取得等により24億68百万円それぞれ減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益により141億18百万円増加したためであります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の49.7%から当連結会計年度末は51.2%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
比較増減 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円) |
19,962 |
30,711 |
10,749 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円) |
△68,717 |
△15,430 |
53,287 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円) |
47,531 |
△18,457 |
△65,989 |
|
現金及び現金同等物の増減額(百万円) |
△1,224 |
△3,176 |
△1,952 |
|
現金及び現金同等物の期首残高(百万円) |
13,235 |
12,011 |
△1,224 |
|
現金及び現金同等物の期末残高(百万円) |
12,011 |
8,834 |
△3,176 |
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較し31億76百万円減少し、88億34百万円(前期比73.6%)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は307億11百万円(前連結会計年度に得られた資金は199億62百万円)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が211億86百万円、減価償却費が114億84百万円、減損損失が24億35百万円、棚卸資産の増加による資金の減少が21億77百万円、契約負債の増加による資金の増加が29億7百万円、法人税等の支払額が54億1百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は154億30百万円(前連結会計年度に使用した資金は687億17百万円)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が93億29百万円、有形固定資産の売却による収入が9億24百万円、無形固定資産の取得による支出が18億32百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が14億28百万円、差入保証金の差入による支出が13億20百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は184億57百万円(前連結会計年度に得られた資金は475億31百万円)となりました。これは、短期借入金の純減少が79億78百万円、長期借入れによる収入が130億円、長期借入金の返済による支出が99億86百万円、自己株式の取得による支出が71億45百万円、配当金の支払額が44億82百万円あったこと等によるものであります。
(当企業グループのキャッシュ・フロー指標のトレンド)
|
|
第20期 2021年3月期 |
第21期 2022年3月期 |
第22期 2023年3月期 |
第23期 2024年3月期 |
第24期 2025年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
50.2 |
52.8 |
54.6 |
49.7 |
51.2 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
34.4 |
30.7 |
34.2 |
37.7 |
45.2 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
1.0 |
4.0 |
2.7 |
4.2 |
2.6 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ |
194.3 |
46.2 |
52.1 |
79.3 |
68.1 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表上に記載されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等
経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当企業グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
また、経営者の問題認識と今後の方針については「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当企業グループのキャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当企業グループの運転資金需要のうち主なものは、家庭電化商品等の仕入れのほか、販売費及び一般管理費などの営業費用であります。営業費用の主なものは広告及び販売促進費、給料手当及び賞与、営業用賃借料等であります。
設備資金需要のうち主なものは、新規店舗出店に伴う建物及び工具、器具及び備品の取得のほか、差入保証金等であります。
当企業グループは、基本的に運転資金については、自己資金または短期借入金により調達しております。
これに対し設備資金については、自己資金、長期借入金及び転換社債型新株予約権付社債で調達しており、2025年3月31日現在、1年内に返済予定のものを含む長期借入金の残高は441億37百万円であり金融機関からの借入等によるものであります。また、転換社債型新株予約権付社債の残高は25億10百万円であります。
当企業グループは、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことによって、当企業グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備資金を調達することが可能と考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
(1) クレジット契約
当企業グループは、クレジット販売に関してクレジット会社と加盟店契約を締結しております。
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a |
契約の内容 |
消費者に対して販売した商品代金等をクレジット会社が購入者に代わって立替払いすること。 |
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b |
契約先 |
株式会社オリエントコーポレーション、三井住友カード株式会社、楽天カード株式会社、三菱UFJニコス株式会社、株式会社ジェーシービー、イオンフィナンシャルサービス株式会社、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル,Inc.、トヨタファイナンス株式会社、株式会社クレディセゾン、ユーシーカード株式会社 他 |
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c |
契約期間 |
1年間(自動更新) |
(2) フランチャイズ契約
当企業グループは、経営理念を同じくする他社と提携し、共存共栄を図りながら経営基盤の拡充を行うことを目的として、独自のシステムによるフランチャイズ契約を締結し、チェーン店を展開しております。
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a |
契約の目的 |
当社及び当社の一部の子会社(甲)は、加盟店(乙)に対して甲の店名・商標その他営業の象徴となるもの及び商品並びに経営ノウハウを提供し、乙は受け入れたノウハウに基づき資金・人材を投下し、甲と同一と見られるイメージのもとに継続して営業を行うことにより、両者が繁栄発展することを目的とする。 |
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b |
仕入及び販売 |
乙の販売する商品は甲から仕入れ、甲の提供したノウハウによって消費者に販売しアフターサービスを行う。 |
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c |
代金決済 |
甲は、乙の販売実績に応じた定率のマージンを原価相当額に加算して乙への請求額とし、乙は請求締日から30日以内に現金で決済する。 |
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d |
営業助成 |
甲は、商品情報・市場動向情報を提供し、販売技術・展示技術・販売促進・配送設置・アフターサービスの実施・その他営業管理全般にわたる助成と教育指導を行う。 |
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e |
契約期間 |
契約発効の日から満5ヶ年とし、5年経過後、双方協議の上更に5年間延長する。その後、契約期間満了3ヶ月前までに双方異議ないときは、この契約は自動的に1年間延長され、以後も同様とする。 |
(3) シンジケートローン契約
当社は、2024年8月27日付で、長期事業資金として株式会社みずほ銀行をアレンジャーとする総額80億円のシンジケートローン契約を締結いたしました。
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a |
契約日 |
2024年8月22日 |
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b |
借入金額 |
8,000百万円 |
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c |
期末残高 |
7,928百万円 |
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d |
返済期限 |
2031年8月29日 |
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e |
担保保証 |
無担保無保証 |
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f |
財務制限条項 |
①各年度の決算期の末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額から「新株予約権」、「非支配株主持分」および「繰延ヘッジ損益」(もしあれば)の合計金額を控除した金額を(ⅰ)直前の決算期末日における連結の貸借対照表における純資産の部の金額から「新株予約権」、「非支配株主持分」および「繰延ヘッジ損益」(もしあれば)の合計金額を控除した金額と(ⅱ)2024年3月決算期末日における連結の貸借対照表における純資産の部の金額から「新株予約権」、「非支配株主持分」および「繰延ヘッジ損益」(もしあれば)の合計金額を控除した金額のうち、いずれか大きい方の金額の75%の金額以上に維持すること。 ②各年度の決算期における連結の損益計算書に示される経常損益が、2024年3月期以降の決算期につき、2期連続して損失とならないようにすること。 |
2024年4月1日前に締結されたシンジケートローン契約については、「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」附則第3条第4項により記載を省略しております。
特記すべき事項はありません。